JP2920828B1 - 時間幅分布測定装置 - Google Patents

時間幅分布測定装置

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JP2920828B1
JP2920828B1 JP10164260A JP16426098A JP2920828B1 JP 2920828 B1 JP2920828 B1 JP 2920828B1 JP 10164260 A JP10164260 A JP 10164260A JP 16426098 A JP16426098 A JP 16426098A JP 2920828 B1 JP2920828 B1 JP 2920828B1
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Abstract

【要約】 【課題】 少ないメモリ容量で、短い時間幅から広い時
間幅までの測定を高精度に行なう。 【解決手段】 測定対象のアナログ信号SをA/D変換
器21によってディジタル信号に変換し、このディジタ
ル信号S′がしきい値X以上の時間を2進カウンタ23
でクロック信号を計数することによって計測し、2進カ
ウンタ23の32ビットの計数結果を浮動小数点化回路
30によって3ビットの仮数部と5ビットの指数部とか
らなる浮動小数点形式のデータに変換し、この浮動小数
点形式のデータによってメモリ26のアドレスを指定し
て読み出した頻度データを頻度更新回路27によって1
だけ更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁環境を統計的
に評価するための一つの尺度として、パルス幅分布やパ
ルス間隔分布を測定するための装置において、その構成
を簡素化するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁妨害波による通信や放送への影響を
評価する場合、妨害波の統計パラメータとして振幅領域
での基本特性である振幅確率分布(APD)、時間領域
での基本特性である交差率分布(CRD)の他に、パル
ス幅分布(PDD)やパルス間隔分布(PSD)の特性
が重要な要素となる。
【0003】パルス幅分布は、測定対象のアナログ信号
(例えば妨害波等の包短線信号)が所定の測定時間内に
所定のしきい値を越えている時間の確率分布で定義さ
れ、パルス間隔分布は、パルス幅分布とは逆に、測定対
象のアナログ信号が所定の測定時間内に所定のしきい値
より低い時間の確率分布で定義される。
【0004】これらはともに、信号がしきい値に交差し
てから次に交差するまでの時間幅の確率分布であるの
で、以下の説明では、これらを時間幅分布と総称する。
【0005】このような時間幅分布を測定するために、
従来では図10に示す時間幅分布測定装置10が用いら
れていた。
【0006】この時間幅分布測定装置10は、入力端子
10aから入力されるアナログ信号SをA/D変換器1
1によってディジタル信号S′に変換してディジタルコ
ンパレータ12に入力する。
【0007】ディジタルコンパレータ12は、入力信号
S′と所定のしきい値Xとを比較し、入力信号S′がし
きい値X以上のときにはハイレベル(以下、Hレベルと
記す)の信号を2進カウンタ13に出力し、入力信号
S′がしきい値Xより小さいときにローレベル(以下、
Lレベルと記す)の信号を2進カウンタ13へ出力す
る。
【0008】2進カウンタ13は、ディジタルコンパレ
ータ12からHレベルの信号を受けている間、クロック
信号発生器14から出力されたクロック信号Cを計数
し、タイミングコントローラ15からのリセット信号R
を受けると計数値をゼロにリセットする。クロック信号
Cの周期は、例えば1ミリ秒等の単位時間に設定されて
いる。
【0009】タイミングコントローラ15は、ディジタ
ルコンパレータ12の出力がHレベルからLレベルに変
化した直後にメモリ16に対して書込許可信号Wを出力
し、その直後に2進カウンタ13にリセット信号Rを出
力する。
【0010】したがって、2進カウンタ13がリセット
される直前の計数結果は、測定対象のアナログ信号Sが
所定のしきい値X以上の時間を示している。
【0011】メモリ16は、2進カウンタ13の計数出
力をアドレス信号として受け、このアドレス信号で指定
されたアドレスのデータを頻度データとして頻度更新回
路17に出力し、タイミングコントローラ15から書込
許可信号Wを受けると頻度更新回路17からの頻度デー
タで元の頻度データを更新する。
【0012】頻度更新回路17は、メモリ16からの頻
度データに1を加算して、この加算更新した頻度データ
をメモリ16に出力する。
【0013】次に、この時間幅分布測定装置10の動作
について説明する。2進カウンタ13およびメモリ16
の内容がゼロにリセットされてから、図11の(a)に
示すアナログ信号Sが測定時間Tの間に入力され、ディ
ジタル信号S′に変換されて、ディジタルコンパレータ
12に入力される。
【0014】ディジタルコンパレータ12の出力は、図
11の(b)に示すように、ディジタル信号S′がしき
い値Xに正方向に交差した時刻t1 からしきい値Xに負
方向に交差する時刻t2 までの間Hレベルとなり、この
Hレベル期間の時間幅T1 が2進カウンタ13によって
測定される。
【0015】そして、時刻t2 にディジタルコンパレー
タ12の出力がLレベルに変化したときに、図11の
(c)に示すように、メモリ16に対して書込許可信号
Wが出力される。
【0016】このため、時間幅データT1 で指定された
アドレスの頻度データD(T1 )の値(この場合、初期
値ゼロ)が図11の(e)のように、1だけ増加更新さ
れる。
【0017】また、書込許可信号Wの直後には、図11
の(d)のように、2進カウンタ13に対してリセット
信号Rが出力され、次のHレベルの時間幅T2 の計数に
備える。
【0018】以下同様にして、各Hレベル期間の時間幅
1 、T2 、…、Tn の測定と、その時間幅に対応する
頻度データの更新が測定時間Tの間継続的に行なわれ
る。
【0019】このため、測定時間Tが終了したのち、メ
モリ16には、各時間幅毎の頻度が記憶されることにな
り、この頻度データを図示しない処理装置によってメモ
リ16から読み出して表示装置に表示すれば、測定対象
のアナログ信号Sの時間幅分布特性(この場合、パルス
幅分布特性)を評価することができる。
【0020】なお、ディジタル信号S′がしきい値Xよ
り小さいLレベル期間の時間幅T1′〜Tn-1 ′に対し
て、上記測定と頻度のデータの更新を行なうことで、パ
ルス間隔分布を測定することもできる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の時間幅分布測定装置では、少ないメモリ容量で
測定する時間幅の範囲を拡げようとすると大きな問題が
生じる。
【0022】即ち、メモリ16のアドレス最大値を2L
−1、測定分解能(クロック信号Cの周期)をΔτとす
れば、測定可能な時間幅は、Δτ〜Δτ・(2L −1)
の範囲であり、メモリの容量を増やさずに時間幅の範囲
を拡げるためには、測定可能な最小時間幅Δτを大きく
しなければならない。
【0023】しかし、測定可能な最小時間幅Δτを大き
くすると、瞬時に発生する短い幅のパルスやパルス間隔
を測定することができなくなってしまう。
【0024】本発明は、この問題を解決し、少ないメモ
リ容量で、短い時間幅から広い時間幅までの測定を高精
度に行なうことができる時間幅分布測定装置を提供する
ことを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の時間幅分布測定装置は、測定対
象のアナログ信号と所定のしきい値とを比較するコンパ
レータと、前記コンパレータの比較出力を受け、該比較
出力が一方のレベルにある間、所定周期のクロック信号
の計数を行ない、該計数結果を前記しきい値に対する前
記アナログ信号の時間幅データとして所定ビット数Lで
出力する2進カウンタと、所定の測定期間中に前記2進
カウンタから出力されたLビットの計数結果を、該Lビ
ットより少ない有効桁数の浮動小数点形式に変換し、そ
のIビットの指数部とJビットの仮数部とを合わせた
(I+J)ビットの信号を順次出力する浮動小数点化回
路と、前記浮動小数点化回路から出力される(I+J)
ビットの信号をアドレス信号として受け、該アドレス信
号で指定されたアドレスに記憶されているデータを読み
出すメモリと、前記メモリから読み出されたデータを、
該データのアドレスが指定された頻度を表すデータに更
新する更新回路とを備えている。
【0026】また、本発明の請求項2の時間幅分布測定
装置は、請求項1の時間幅分布測定装置において、前記
浮動小数点化回路は、前記2進カウンタのLビットの計
数出力のうち、計数中に歩進した最上位の桁位置を検出
する桁位置検出回路と、前記桁位置検出回路によって検
出された桁位置に基づいて、前記Iビットの指数部を出
力する指数部変換回路と、前記桁位置検出回路によって
検出された桁位置に基づいて、前記Lビットの計数結果
のうち、前記計数中に歩進した最上位の桁に続く下位J
ビットのデータを前記仮数部として選択出力する仮数部
選択回路とを備えている。
【0027】また、本発明の請求項3の時間幅分布測定
装置は、請求項2の時間幅分布測定装置において、前記
桁位置検出回路は、前記2進カウンタのLビットの計数
出力のうち最下位ビットを除く(L−1)ビットの計数
出力を各ビット毎に(L−1)個のフリップフロップで
受け、計数中に歩進した桁に対して1のビットデータを
ラッチし、前記2進カウンタの計数が終了したときの前
記(L−1)個のフリップフロップのラッチデータを、
前記計数中に歩進した最上位の桁位置に対応する(L−
1)ビットの信号として出力するように構成され、前記
指数部変換回路は、前記桁位置検出回路から出力された
(L−1)ビットの信号を選択信号として受けるI個の
L:1の2分木マルチプレクサによって前記Iビットの
指数部を出力するように構成され、前記仮数部選択回路
は、前記桁位置検出回路から出力された(L−1)ビッ
トの信号を選択信号として受けるJ個のL:1の2分木
マルチプレクサによって前記2進カウンタの計数結果か
ら前記Jビットのデータを仮数部として選択出力するよ
うに構成されている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態の時
間幅分布測定装置20の構成を示している。
【0029】この時間幅分布測定装置20の時間幅を測
定する部分は前記した従来の時間幅分布測定装置10と
同様に構成されている。
【0030】即ち、入力端子20aから入力されるアナ
ログ信号SをA/D変換器21によってディジタル信号
S′に変換してディジタルコンパレータ22に入力す
る。
【0031】ディジタルコンパレータ22は、ディジタ
ル信号S′と所定のしきい値Xとを比較し、ディジタル
信号S′がしきい値X以上のときにはHレベルの信号を
2進カウンタ23に出力し、ディジタル信号S′がしき
い値Xより小さいときにLレベルの信号を2進カウンタ
23へ出力する。
【0032】なお、ここでは、アナログ信号Sをディジ
タル信号に変換してしきい値Xと比較しているが、アナ
ログ信号Sをアナログコンパレータによってしきい値電
圧Xと比較するように構成してもよい。
【0033】2進カウンタ23は、例えば32ビット
(L=32)の計数出力を有しており、ディジタルコン
パレータ22からHレベルの信号を受けている間、クロ
ック信号発生器24から出力されたクロック信号Cを計
数し、タイミングコントローラ25からのリセット書込
信号RWを受けると計数値をゼロにリセットする。クロ
ック信号Cの周期は、例えば1ミリ秒、1マイクロ秒等
の単位時間に設定されている。
【0034】タイミングコントローラ25は、ディジタ
ルコンパレータ22の出力がHレベルからLレベルに変
化した直後に後述する浮動小数点化回路30にホールド
信号Hを出力し、さらにその直後にリセット書込信号R
Wを2進カウンタ23、メモリ26および浮動小数点化
回路30に出力する。なお、このタイミングコントロー
ラ25の動作は、前記した図10のタイミング図におい
てリセット信号Rの代わりにホールド信号H、書込許可
信号Wの代わりにリセット書込信号RWが出力されるも
のとする。
【0035】したがって、2進カウンタ23がリセット
される直前の計数結果は、測定対象のアナログ信号Sが
所定のしきい値X以上の時間幅を示している。
【0036】2進カウンタ23の計数出力は浮動小数点
化回路30に入力される。浮動小数点化回路30は、2
進カウンタ23の32ビットの固定小数点形式の計数出
力nを、5ビット(I=5)の指数部、3ビット(J=
3)の仮数部の浮動小数点形式に変換し、指数部と仮数
部とを合わせた8ビットの信号をメモリ26に出力す
る。なお、この浮動小数点化回路30の詳細については
後述する。
【0037】メモリ26は、浮動小数点化回路30から
出力される8ビットの信号をアドレス信号として受け、
このアドレス信号で指定されたアドレスの頻度データを
頻度更新回路27に出力し、タイミングコントローラ2
5からのリセット書込信号RWを受けると、頻度更新回
路27から出力された頻度データを元の頻度データのア
ドレスに記憶する。
【0038】頻度更新回路27は、メモリ26から読み
出された頻度データに1を加算してメモリ26に出力
し、メモリ26の頻度データが、アドレスの指定頻度を
示すように更新する。
【0039】所定の測定時間中にメモリ26に記憶され
た頻度データは、頻度データ処理手段28によって読み
出されて、例えば、横軸を時間幅(パルス幅)、縦軸を
頻度の表示装置29の座標画面上に表示される。この表
示から測定対象のアナログ信号Sのパルス幅分布を把握
することができる。
【0040】上記構成の時間幅分布測定装置20では、
浮動小数点化回路30によって、1オクターブ当り8ポ
イント(3ビット)の細かさで32オクターブ(5ビッ
ト)変化するアドレス信号で、メモリ26のアドレスを
指定するようにしているので、8ビットという少ない容
量のメモリ26で、1・Δτ〜(232−1)・Δτの範
囲の時間幅(パルス幅)の測定が可能となり、例えば、
Δτを20ナノ秒とすれば、最大85秒の時間幅(パル
ス幅)の測定ができる。
【0041】なお、ディジタルコンパレータ22を、デ
ィジタル信号S′がしきい値X以上のときにLレベルの
信号を2進カウンタ23に出力し、ディジタル信号S′
がしきい値Xより小さいときにHレベルの信号を2進カ
ウンタ23へ出力するように構成しておけば、測定対象
のアナログ信号のパルス間隔分布を測定することができ
る。
【0042】次に、浮動小数点化回路30の詳細につい
て説明する。2進数は浮動小数点形式でA×2B と表現
される。ここで、Aは仮数部、Bは指数部である。
【0043】そして、例えば固定小数点形式の32ビッ
トの2進数nを浮動小数点形式で表現するには、指数部
Bとして5ビット(32=25 )が必要であり、指数部
と仮数部とを合わせて8ビットで表現するには、仮数部
Aは3ビットとなる。
【0044】次に、固定小数点形式のLビットの2進数
nを浮動小数点形式に変換する方法について説明する。
【0045】Lビットの2進数n〔QL-1,L-2 ,…
…,Q2 ,Q1 ,Q0 〕の値は、 n=(Q0 ・20 )+(Q1 ・21 )+……+(QL-1 ・2L-1 ) =Σ1 (Qi ・2i ) で表される。但し、Σ1 はi=0〜L−1までの総和を
表し、Qi は0または1の係数とする。
【0046】ここで、指数部Bは、0〜L−1の範囲の
整数のうち、 2B ≦n<2B+1 を満足する値であり、この数Bは、ビットデータが1で
ある最上位の桁値より1少ない数である。
【0047】例えばLが32の場合に、2進数nが〔0
0001***…***〕のように、最上位の1が28
ビット目にある場合、nは227≦n<228の範囲にあ
り、Bは27である(*は0または1の任意の値)。
【0048】この数Bを用いて2進数nの値を表すと、 n=2B +Σ2 (Qi ・2i )=2B 〔1+Σ3 (Q
B-i ・2-i)〕 となる。ただし、Σ2 はi=0〜B−1までの総和を表
し、Σ3 はi=1〜∞までの総和を表す。
【0049】また、2進数nを浮動小数点形式で表すと
きの有効桁を4ビット、即ち、最上位の1に続く
B-1 、QB-2 、QB-3 の3ビットまでとし、それより
下位を無視したときの2進数の値mは、 m=2B +QB-1 ・2B-1 +QB-2 ・2B-1 +QB-3 ・2B-3 =2B 〔1+QB-1 ・2-1+QB-2 ・2-2+QB-3 ・2-3〕 =2B 〔1+(QB-1 ・22 +QB-2 ・21 +QB-3 ・20 )/23 〕 となる。
【0050】ここで、 M=QB-1 ・22 +QB-2 ・21 +QB-3 ・20 とすると、上記値mは、 m=〔1+(M/8)〕×2B と表される。
【0051】上式を浮動小数点形式の一般式A×2B
対比すると、仮数部Aは、 A=1+(M/8) となるが、ここでは、値Mが0〜7の範囲をとり、この
値Mに対して仮数部Aは一意的に決まることに着目し、
この値Mを3ビットの仮数部としている。
【0052】つまり、この浮動小数点化回路30では、
32ビットの固定小数点形式の計数結果nのうち、ビッ
トデータが1である最上位の桁値より1少ない値を5ビ
ットの指数部Bとして出力し、それより下位の3ビット
を仮数部Mとして計数結果nから選択出力する。
【0053】これを実現するために、浮動小数点化回路
30は、図1に示しているように、計数値ラッチ回路3
1と、32ビットの計数結果nのうち、計数中に歩進し
た最上位の桁位置、即ち、ビットデータが1である最上
位の桁位置を検出するための桁位置検出回路32と、桁
位置検出回路32で検出された桁位置に基づいて5ビッ
トの指数部を出力する指数部変換回路35と、桁位置検
出回路32で検出された桁位置に基づいて計数出力nか
ら3ビットの仮数部を選択出力する仮数部選択回路37
とを有している。
【0054】計数値ラッチ回路31は、2進カウンタ2
3の計数出力nをタイミングコントローラ25からのホ
ールド信号Hを受ける毎にラッチして出力する。
【0055】桁位置検出回路32は、例えば図2に示す
ように、31個のD型のフリップフロップ331 〜33
31と、これらのフリップフロップ331 〜3331の出力
をタイミングコントローラ25からのホールド信号Hを
受ける毎にラッチして桁信号として出力する31ビット
のラッチ回路34によって構成されている。
【0056】各フリップフロップ331 〜3331は、2
進カウンタ23の32ビットの計数出力のうち、第1ビ
ットを除く第2ビットから第32ビットまでの各計数出
力をクロック端子にそれぞれ受け、2進カウンタ23が
計数している間にその計数出力が0から1に歩進すると
1のデータをラッチする。
【0057】例えば、2進カウンタ23の計数出力が
〔0000…0000〕から〔00…0100101〕
まで変化した場合、1番目から5番目までのフリップフ
ロップ331 〜335 の出力がすべて1となり、ラッチ
回路34からは〔00…0011111〕の桁信号が出
力される。なお、各フリップフロップ331 〜3331
タイミングコントローラ25からのリセット書込信号R
Wを受けて出力を0にリセットする。
【0058】指数部変換回路35および仮数部選択回路
37は、計数値ラッチ回路31でラッチされた計数結果
nと桁位置検出回路32から出力される桁信号とに基づ
いて、5ビットの指数部と3ビットの仮数部とをそれぞ
れ出力するために、2分木マルチプレクサを用いてい
る。
【0059】ここで、2分木マルチプレクサについて簡
単に説明する。図3は8:1の2分木マルチプレクサを
示したもので、1回路2接点型の7つのスイッチSW1
〜SW7 を用い、第1のスイッチSW1 の2つの接点と
第2、第3のスイッチSW2 、SW3 を接続し、第2の
スイッチSW2 の2つの接点に第4、第5のSW4 、S
5 を接続し、第3のスイッチSW3 の2つの接点に第
6、第7のSW6 、SW7 を接続し、7ビットの選択信
号S1〜S7によって、8つの入力ポートPi(0)〜
P(7)のいずれか一つを出力ポートPoに接続する選
択回路である。
【0060】そして、全てのスイッチSW1 〜SW
7 は、0の選択信号を受けると右側の接点に接続され、
1の選択信号を受けると左側の設定に接続され、且つ、
7ビットの選択信号S1〜S7を図3に示しているよう
に、右側から左側のスイッチへ順番に与えるように設定
されている。
【0061】このように構成された2分木マルチプレク
サでは、図4の(a)のように、S1側を下位ビットと
する7ビットの選択信号〔S7,S6,…,S2,S
1〕が〔***0*00〕であれば、右端の第1番目の
入力ポートPi(0)のデータが選択出力される。ま
た、選択信号〔S7,S6,…,S2,S1〕が〔**
*0*01〕であれば、第2番目の入力ポートPi
(1)のデータが選択出力される。なお、*マークは0
または1のうちの任意の数である。
【0062】以下同様に、選択信号が〔***001
*〕であれば第3番目の入力ポートPi(2)のデータ
が選択出力され、選択信号が〔***011*〕であれ
ば第4番目の入力ポートPi(3)のデータが選択出力
され、選択信号が〔*001***〕であれば第5番目
の入力ポートPi(4)のデータが選択出力され、選択
信号が〔*011***〕であれば第6番目の入力ポー
トPi(5)のデータが選択出力され、選択信号が〔0
1*1***〕であれば第7番目の入力ポートPi
(6)のデータが選択出力され、選択信号が〔11*1
***〕であれば第8番目の入力ポートPi(7)のデ
ータが選択出力される。
【0063】ここで、上記したように、*マークは0ま
たは1のうちの任意の数であるから、選択信号のうち、
ビットデータが1である最上位の桁より上位にある*を
すべて0、ビットデータが1である最上位の桁より下位
にある*をすべて1とすれば、図4の(a)は図4の
(b)のように表せる。
【0064】図4の(b)は、〔000…000〕を含
み最下位桁から1が連続するように変化する8種類の7
ビットの選択信号によって、8つの入力ポートを一つず
つ選択できることを示している。
【0065】図3、図4は8:1の2分木マルチプレク
サの場合であるが、32:1の2分木マルチプレクサの
場合には、スイッチを31個にして、32個の入力ポー
トのいずれかを31ビットの選択信号すればよい。
【0066】回路は図示しないが、32:1の2分木マ
ルチプレクサを用いた場合、図5に示すように、〔00
0…000〕を含み最下位桁から1が連続するように変
化する32種類の31ビットの選択信号S1〜S31に
よって、32個の入力ポートPi(0)〜Pi(31)
を一つずつ選択できる。
【0067】したがって、図6に示すように、指数部変
換回路35を5つの32:1の2分木マルチプレクサ3
6a〜36eで構成し、桁位置検出回路32から出力さ
れる31ビットの桁信号を選択信号S1〜S31として
入力すれば、その32種類の選択信号に対して32種類
の5ビットの信号を出力することができる。
【0068】そして、図6に示しているように、2分木
マルチプレクサ36aの奇数番目の入力ポートには0、
偶数番目の入力ポートには1をプリセットする。また、
aを0〜7までの数として、2分木マルチプレクサ36
bの4a+1番目と4a+2番目の入力ポートには0、
4a+3番目と5a番目の入力ポートには1をプリセッ
トし、2分木マルチプレクサ36cの8a+1番目から
8a+4番目までの入力ポートには0、8a+5番目か
ら9a番目の入力ポートには1をプリセットし、2分木
マルチプレクサ36dの16a+1番目から8a+8番
目までの入力ポートには0、16a+9番目から17a
番目の入力ポートには1をプリセットし、2分木マルチ
プレクサ36eの1番目から16番目までの入力ポート
には0、17番目から32番目の入力ポートには1をプ
リセットする。
【0069】このように各2分木マルチプレクサの入力
ポートをプリセットすることによって、図7に示すよう
に、5つの2分木マルチプレクサ36a〜36eから出
力される5ビットの信号〔B4 ,B3 ,B2 ,B1 ,B
0 〕が、計数結果nの指数部Bを示すことになり、計数
結果nに対応した5ビットの指数部Bを変換出力するこ
とができる。
【0070】一方、仮数部選択回路37は、計数結果n
のうち、計数中に歩進した最上位の桁に続く下位3ビッ
トを選択するために、図8に示すように、マトリクス回
路38と3つの32:1の2分木マルチプレクサ39
a、39b、39cによって構成されている。
【0071】マトリクス回路38は、計数値ラッチ回路
31でラッチされた32ビットの計数結果nに対してビ
ット位置をずらした3種類のシフト信号Fa、Fb、F
cを2分木マルチプレクサ39a、39b、39cの入
力ポートにそれぞれ出力する。
【0072】即ち、計数結果nの第1ビット目から第2
9ビット目までのデータに
〔000〕の3ビットを下位
に加えた第1のシフト信号Faを2分木マルチプレクサ
39aに入力し、計数結果nの第1ビット目から第30
ビット目までのデータに
〔00〕の2ビットを下位に加
えた第2のシフト信号Fbを2分木マルチプレクサ39
bに入力し、計数結果nの第1ビット目から第31ビッ
ト目までのデータに
〔0〕の1ビットを下位に加えた第
3のシフト信号Fcを2分木マルチプレクサ39bに入
力する。
【0073】また、2分木マルチプレクサ39a、39
b、39cには、シフト信号Fa〜Fcとともに、桁位
置検出回路32からの31ビットの選択信号S1〜S3
1が入力されている。
【0074】したがって、図9に示しているように、計
数結果nに対して2分木マルチプレクサ39cの選択出
力M2 は、計数結果nのうち計数中に歩進した最上位の
桁より常に1桁下位のデータとなり、2分木マルチプレ
クサ39bの選択出力M1 は、計数結果nのうち計数中
に歩進した最上位の桁より常に2桁下位のデータとな
り、2分木マルチプレクサ39aの選択出力M0 は、計
数結果nのうち計数中に歩進した最上位の桁より常に3
桁下位のデータとなる。
【0075】よって、3つの2分木マルチプレクサ39
a、39b、39cの出力からなる3ビットデータ〔M
2 ,M1 ,M0 〕は、計数結果nのうち計数中に歩進し
た最上位の桁に続く下位3ビットの仮数部Mとなる。
【0076】このように、この実施形態では、固定小数
点形式の計数出力を浮動小数点形式に変換するために、
演算処理を行なわずに、複数のスイッチからなる2分木
マルチプレクサを用いることによって指数部の変換と仮
数部の選択を行なっているので極めて高速な形式変換が
でき、測定可能な最小時間幅を短くすることができ、瞬
間的に発生する短い幅のパルスやパルス間隔を見逃すこ
となく測定できる。
【0077】このようにして得られた5ビットの指数部
Bと3ビットの仮数部Mは、8ビットのアドレス信号と
してメモリ26のアドレスを指定する。なお、指数部の
5ビットと仮数部の3ビットをどのように桁組するかは
任意である。例えば、指数部5ビットをアドレス信号の
上位側とし仮数部3ビットを下位側にしたり、逆に指数
部5ビットをアドレス信号の下位側とし仮数部3ビット
を上位側にしてもよく、指数部の5ビットの間に仮数部
の3ビットを挿入するようにして8ビットのアドレス信
号にしてもよい。
【0078】また、計数結果nの変化に対してアドレス
信号の変化は直線的にはならないが、各計数結果nに対
してアドレス信号は一意的に決まるので、このアドレス
信号で指定されたアドレスのデータを0から順次増加し
ていくことで、測定した時間幅の頻度を検出することが
できる。
【0079】このようにして、所定の測定時間中にメモ
リ26に記憶された頻度データは、前記したように、頻
度データ処理手段28によって読み出されて表示装置2
9の座標画面上に表示されるが、メモリ26に対する8
ビットの読出アドレスは、2進カウンタ23の計数結果
(パルス幅)を直接表していないので、頻度データ処理
手段28は、この読出アドレスから(パルス幅)を算出
する必要がある。
【0080】即ち、8ビットの読出アドレスのうち、5
ビットの指数部Bと3ビットの仮数部Mに対して、計数
結果nを有効桁4ビットで表したときの値mは、前記し
たように、 m=〔1+(M/8)〕×2B であるから、この式に5ビットの指数部Bと、3ビット
の仮数部Mを代入して得られた値mがパルス幅である。
頻度データ処理手段28は、この演算によってメモリ2
6のアドレスに対応するパルス幅を求めて、頻度データ
を時間幅軸上に表示させる。
【0081】なお、この実施形態の時間幅分布測定装置
20のように、固定小数点形式の計数出力を浮動小数点
形式に変換した場合、計数結果(時間幅)が小さいとき
には分解能が高く、計数結果が大きくなるにつれて分解
能を下げるようにしているため、実質的な精度の低下は
なく、前記したように、少ないメモリ容量で、広い時間
幅の測定と、短い時間幅の高精度な測定とを可能にして
いる。
【0082】また、前記実施形態では、2進カウンタ2
3から固定小数点形式で出力される計数結果を、2分木
マルチプレクサを用いて浮動小数点形式に変換していた
が、これは本発明を限定するものではなく、CPU等を
用いて指数部および仮数部を算出してもよい。
【0083】また、前記したように、測定対象のアナロ
グ信号Sをアナログコンパレータによってしきい値と比
較し、そのアナログコンパレータの出力で2進カウンタ
の計数を制御してもよい。
【0084】また、前記実施形態の頻度更新回路27
は、メモリ26の頻度データを1ずつ増加更新していた
が、これは本発明を限定するものでなく、同一アドレス
の指定頻度を求めることができるデータであれば、メモ
リ26に記憶するデータは頻度そのものを表さない値で
あってもよい。
【0085】また、前記実施形態では、32ビットの計
数結果を5ビットの指数部と3ビットの仮数部の浮動小
数点形式に変換していたが、これは本発明を限定するも
のでなく、例えば計数結果32ビットでメモリ26のア
ドレスが16ビットであれば、仮数部を11ビットにす
る。また、計数結果が64ビットでメモリ26のアドレ
スが16ビットの場合には、指数部を6ビット、仮数部
を10ビットにすればよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の時間幅分
布測定装置は、2進カウンタの計数結果を浮動小数点形
式に変換し、この変換した信号でメモリのアドレスを指
定するようにしているため、少ないメモリ容量で、短い
時間幅から広い時間幅まで測定を実施的な精度を低下さ
せることなく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】実施形態の桁位置検出回路の構成を示すブロッ
ク図
【図3】8:1の2分木マルチプレクサの一例を示す図
【図4】8:1の2分木マルチプレクサの動作を説明す
るための図
【図5】32:1の2分木マルチプレクサの動作を説明
するための図
【図6】実施形態の指数部変換回路の構成を示すブロッ
ク図
【図7】実施形態の指数部変換回路の動作を説明するた
めの図
【図8】実施形態の仮数部選択回路の構成を示すブロッ
ク図
【図9】実施形態の仮数部選択回路の動作を説明するた
めの図
【図10】従来装置の構成を示すブロック図
【図11】従来装置の動作を説明するためのタイミング
【符号の説明】
20 時間幅分布測定装置 21 A/D変換器 22 ディジタルコンパレータ 23 2進カウンタ 24 クロック信号発生器 25 タイミングコントローラ 26 メモリ 27 頻度更新回路 28 頻度データ処理手段 29 表示装置 30 浮動小数点化回路 31 計数値ラッチ回路 32 桁位置検出回路 331 〜3331 フリップフロップ 34 ラッチ回路 35 指数部変換回路 36a〜36e 2分木マルチプレクサ 37 仮数部選択回路 38 マトリクス回路 39a〜39c 2分木マルチプレクサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 政廣 東京都港区南麻布五丁目10番27号 アン リツ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−23169(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 29/02 - 29/033 H04B 17/00 G01R 29/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象のアナログ信号と所定のしきい値
    とを比較するコンパレータと、 前記コンパレータの比較出力を受け、該比較出力が一方
    のレベルにある間、所定周期のクロック信号の計数を行
    ない、該計数結果を前記しきい値に対する前記アナログ
    信号の時間幅データとして所定ビット数Lで出力する2
    進カウンタと、 所定の測定期間中に前記2進カウンタから出力されたL
    ビットの計数結果を、該Lビットより少ない有効桁数の
    浮動小数点形式に変換し、そのIビットの指数部とJビ
    ットの仮数部とを合わせた(I+J)ビットの信号を順
    次出力する浮動小数点化回路と、 前記浮動小数点化回路から出力される(I+J)ビット
    の信号をアドレス信号として受け、該アドレス信号で指
    定されたアドレスに記憶されているデータを読み出すメ
    モリと、 前記メモリから読み出されたデータを、該データのアド
    レスが指定された頻度を表すデータに更新する更新回路
    とを備えた時間幅分布測定装置。
  2. 【請求項2】前記浮動小数点化回路は、 前記2進カウンタのLビットの計数出力のうち、計数中
    に歩進した最上位の桁位置を検出する桁位置検出回路
    と、 前記桁位置検出回路によって検出された桁位置に基づい
    て、前記Iビットの指数部を出力する指数部変換回路
    と、 前記桁位置検出回路によって検出された桁位置に基づい
    て、前記Lビットの計数結果のうち、前記計数中に歩進
    した最上位の桁に続く下位Jビットのデータを前記仮数
    部として選択出力する仮数部選択回路とを備えているこ
    とを特徴とする請求項1記載の時間幅分布測定装置。
  3. 【請求項3】前記桁位置検出回路は、 前記2進カウンタのLビットの計数出力のうち最下位ビ
    ットを除く(L−1)ビットの計数出力を各ビット毎に
    (L−1)個のフリップフロップで受け、計数中に歩進
    した桁に対して1のビットデータをラッチし、前記2進
    カウンタの計数が終了したときの前記(L−1)個のフ
    リップフロップのラッチデータを、前記計数中に歩進し
    た最上位の桁位置に対応する(L−1)ビットの信号と
    して出力するように構成され、 前記指数部変換回路は、 前記桁位置検出回路から出力された(L−1)ビットの
    信号を選択信号として受けるI個のL:1の2分木マル
    チプレクサによって前記Iビットの指数部を出力するよ
    うに構成され、 前記仮数部選択回路は、 前記桁位置検出回路から出力された(L−1)ビットの
    信号を選択信号として受けるJ個のL:1の2分木マル
    チプレクサによって前記2進カウンタの計数結果から前
    記Jビットのデータを仮数部として選択出力するように
    構成されていることを特徴とする請求項2記載の時間幅
    分布測定装置。
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