JP2920483B2 - アクティブ制御台車及びそのフェイルバックアップ装置 - Google Patents

アクティブ制御台車及びそのフェイルバックアップ装置

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JP2920483B2
JP2920483B2 JP28810195A JP28810195A JP2920483B2 JP 2920483 B2 JP2920483 B2 JP 2920483B2 JP 28810195 A JP28810195 A JP 28810195A JP 28810195 A JP28810195 A JP 28810195A JP 2920483 B2 JP2920483 B2 JP 2920483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気ばねにより
車体の重量を台車本体に支持して伸縮手段の伸縮により
車体の傾斜制御等の車体制御を行うアクティブ制御台車
及びそのフェイルバックアップ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アクティブ制御台車装備の鉄道車両で
は、空気ばねが、車体の下側において車体の左右両端部
にそれぞれ配設され、車体の重量を台車本体に支持させ
るとともに、左右の伸縮手段が、伸縮して、台車本体及
び車体の間の上下方向間隔を調整して、車体の傾斜制御
や振動制御の車体制御を行い、円滑な曲線通過及び乗り
心地向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のアクティブ制御
台車では、車体制御に伴う空気ばねの伸縮量が増大し、
その分、空気ばねの設計が複雑になってぃる。
【0004】この発明の目的は、車体の傾斜制御や振動
制御の車体制御における空気ばねの変位量を低減して空
気ばねの設計を容易化できるアクティブ制御台車を提供
することである。この発明の他の目的は、台車への車体
荷重の速やかな伝達も確保するアクティブ制御台車を提
供することである。この発明の他の目的は、伸縮手段の
構造を簡単化したアクティブ制御台車を提供することで
ある。この発明の他の目的は、傾斜制御の異常の際に適
切なバックアップを行えるフェイルバックアップ装置を
提供することある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のアクティブ制
御台車(12)は次の(a)及び(b)の構成要素を有して
いる。 (a)車体(14)の傾斜制御中及び振動制御制御中共に、
車体(14)の重量が車体(14)の左右方向中央部においての
み台車本体(16)に支持されるように、車体(14)の左右方
向中央部にのみ配設されて車体(14)の重量を台車本体(1
6)に支持する空気ばね(24) (b)空気ばね(24)の左右方向両側にそれぞれ配設され
伸縮により台車本体(16)及び車体(14)の間の上下方向間
隔を調整して車体(14)の傾斜制御及び振動制御の両方
行う伸縮手段(26)
【0006】このアクティブ制御台車(12)では、空気ば
ね(24)は、車体(14)の左右方向中央部に配設され、弾力
的に上下方向へ伸縮して、台車本体(16)から車体(14)へ
の衝撃の伝達を抑制する。空気ばね(24)の左右方向両側
の各伸縮手段(26)は、伸縮して、車体(14)及び台車本体
(16)の間の上下方向間隔を増減する。車体(14)は、左右
の伸縮手段(26)の伸縮に伴い、下部の左右方向中央部を
ほぼ中心にして左右両端部を上下方向へ揺動して、傾斜
制御及び振動制御される。したがって、傾斜制御及び振
動制御の際の台車本体(16)と車体(14)との間の間隔の変
化量は、空気ばね(24)のある左右方向中央部が最小とな
る。この結果、空気ばね(24)の変位量が減少し、空気ば
ね(24)の設計を容易化することができる。
【0007】この発明の他のアクティブ制御台車(12)は
次の(a)及び(b)の構成要素を有している。 (a)車体(14)の左右両端部の間の中間範囲に左右対称
に配設され車体(14)の重量を台車本体(16)に支持しかつ
相互に連通状態になっている1対の空気ばね(24a,24b) (b)各空気ばね(24a,24b)より左右方向外側にそれぞ
れ配設され伸縮により台車本体(16)及び車体(14)の間の
上下方向間隔を調整して車体(14)の傾斜制御及び振動制
御の少なくとも一方の車体制御を行う伸縮手段(26)
【0008】このアクティブ制御台車(12)では、左右の
空気ばね(24a,24b)は、車体(14)の左右両端部を除く左
右中間範囲に左右対称に配設され、また、相互に連通状
態になっていることから、力学的には、車体(14)は、左
右方向中央部における一点支持で台車本体(16)に支持さ
れるのと同様になる。左右の空気ばね(24a,24b)は、弾
力的に上下方向へ伸縮して、台車本体(16)から車体(14)
への衝撃の伝達を抑制する。車体(14)は、左右の伸縮手
段(26)の伸縮に伴い、下部の左右方向中央部をほぼ中心
にして左右両端部を上下方向へ揺動して、傾斜制御及び
/又は振動制御(以下、「傾斜制御及び/又は振動制
御」を単に「車体制御」と言う。)される。したがっ
て、車体制御の際の台車本体(16)と車体(14)との間の間
隔の変化量は、車体(14)の左右両端部において最大とな
り、空気ばね(24a,24b)のある車体(14)の左右中間範囲
では、車体(14)の左右両端部より適当に減少する。この
結果、空気ばね(24a,24b)の伸縮量を低減させて、空気
ばね(24a,24b)の設計の容易化を図ることができる。さ
らに、台車本体(16)を介する車体(14)から左右の車輪(2
2)への車体荷重の伝達経路は、空気ばねが車体(14)の左
右方向中央部に1個、存在する場合には、車体(14)の左
右方向端部から左右方向中央部に集まって、左右方向中
央部の空気ばねを経由して、再び台車本体(16)の左右方
向端部へ広がるものとなって、長くなるのに対し、この
アクティブ制御台車(12)では、左右の空気ばね(24a,24
b)は、車体(14)の左右方向中央部から適当に左右両端部
の方へ偏倚しているので、空気ばね(24a,24b)を介する
車体(14)から左右の車輪(22)への車体荷重の伝達経路が
適当に短縮される。この結果、左右の車輪(22)への車体
荷重の円滑な伝達を確保できる。
【0009】この発明の他のアクティブ制御台車(12)で
は、各伸縮手段(26)は車体(14)の傾斜制御及び振動制御
の両方を行うものであり、各伸縮手段(26)は、車体(14)
の傾斜制御及び振動制御に共用される1個の油圧シリン
ダ(70)である。
【0010】このアクティブ制御台車(12)では、左右の
油圧シリンダ(70)は、車体(14)の傾斜制御及び振動制御
に対して共通に油圧の供給を制御され、伸長量を変化さ
せて、車体(14)と台車本体(16)との間の間隔を調整す
る。共通の油圧シリンダ(70)により傾斜制御及び振動制
御の両方を行えるので、伸縮手段を簡単化できる。
【0011】この発明のフェイルバックアップ装置は、
前述のアクティブ制御台車(12)を前提として、次の
(a)〜(c)の構成要素を有している。 (a)車体(14)の左右方向の両端範囲に配設され車体制
御の正常時では縮小位置にあって車体(14)の支持の役目
から解放されている重量支持用シリンダ(90) (b)車体制御の異常時では伸縮手段(26)から圧力媒体
を抜いて伸縮手段(26)を長さ自由にさせる圧力開放手段
(80,82,86,88) (c)車体制御の異常時に圧力媒体を重量支持用シリン
ダ(90)へ供給して重量支持用シリンダ(90)を伸長させ重
量支持用シリンダ(90)に車体(14)の重量の少なくとも一
部の支持を受け持たせつつ車体(14)を非傾斜姿勢に保持
する切替手段(92)
【0012】このフェイルバックアップ装置では、車体
制御の正常時は、重量支持用シリンダ(90)は、切替手段
(92)を介して圧力媒体を供給されることはなく、縮小位
置にされ、車体(14)の重量の支持は行わず、車体(14)の
重量の支持は空気ばね(24)が受け持っている。これに対
し、車体制御の異常時では、圧力開放手段(80,82,86,8
8)は伸縮手段(26)から圧力媒体を抜き、これにより、伸
縮手段(26)は長さ自由になる。一方、切替手段(92)は圧
力媒体を重量支持用シリンダ(90)へ送り、重量支持用シ
リンダ(90)は、伸長状態になり、車体(14)を非傾斜姿勢
に保持して、車体(14)の転倒等の支障を防止する。ま
た、重量支持用シリンダ(90)は車体(14)の両端範囲にお
いて車体(14)の重量の少なくとも一部の支持を受け持
つ。こうして、車体制御の異常に際し、車体(14)の転倒
等の支障を防止できる。
【0013】この発明のフェイルバックアップ装置で
は、さらに、圧力開放手段(80,82,86,88)は、車体制御
の異常時に空気ばね(24)から加圧空気を抜いて、空気ば
ね(24)を長さ自由にし、重量支持用シリンダ(90)は、車
体制御の異常時に空気ばね(24)に代わって車体(14)の全
重量の支持を受け持つ。
【0014】このフェイルバックアップ装置では、車体
制御の異常時では、圧力開放手段(80,82,86,88)は、伸
縮手段(26)からの圧力媒体の排出と共に、空気ばね(24
a,24b)からの加圧空気の排出も行う。これにより、空気
ばね(24a,24b)は、長さ自由になり、車体(14)の重量の
支持を完全に停止し、車体(14)の重量の支持は全部、重
量支持用シリンダ(90)が受け持つことになる。
【0015】この発明のフェイルバックアップ装置で
は、さらに、圧力開放手段(80,82,86,88)及び切替手段
(92)は、車体制御の異常時では非通電状態になってフェ
イルバックアップ位置へ切り替わる電磁弁(80,82,86,8
8,92)である。
【0016】車体制御の異常時において、停電が起きる
ことが場合がある。このアクティブ制御台車(12)のフェ
イルバックアップ装置では、圧力開放手段(80,82,86,8
8)及び切替手段(92)は、電磁弁(80,82,86,88,92)であ
り、そして、停電時、すなわち非通電時に、フェイルバ
ックアップの切替位置に切り替わるので、停電を伴う車
体制御の異常に対して支障なく対処できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図面の実施の形
態について説明する。図1及び図2は車体14が横断面に
おいて水平姿勢及び傾斜姿勢にあるときの鉄道車両10の
概略的な横断面図である。1編成を構成する各両の鉄道
車両10では、2個のアクティブ傾斜・振動制御用台車12
が、車体14の下側の前後に配置され、車体14の重量を支
持する。各アクティブ傾斜・振動制御用台車12では、台
車本体16の下側には、前後に輪軸20が配置され、輪軸20
は、左右方向へ延びて、左右方向へ間隔を空けて2個の
車輪22を回転方向へ一体的に取付けられている。輪軸20
は、左右の端部において軸箱(図示せず)に回転自在に
軸支され、軸ばね18は、各軸箱と台車本体16との間に介
在して、台車本体16及び輪軸20間の衝撃の伝達を抑制す
る。ダイヤフラム式空気ばね24は、上下の端をそれぞれ
車体14の下面及び台車本体16の上面の左右方向中央部に
固定され、車体14の重量を台車本体16に支持し、上下方
向に弾性的に伸縮自在であるとともに、上下の端部を左
右方向へ弾性的に相互に相対変位自在としている。伸縮
式アクチュエータ26は、ダイヤフラム式空気ばね24の左
右方向両側である台車本体16の左右両端部に配置され、
上下の端部において回転自在に車体14の下部及び台車本
体16の上部に結合し、上下方向へ伸縮自在となってい
る。左右方向加速度センサ28は、車体14の左右方向中央
部に配置され、車体14に作用する左右方向の加速度を検
出する。上下方向加速度センサ30は、車体14の台車取付
中心横断面内左右両端部にそれぞれ配置され、その配置
部位における上下方向の加速度を検出する。
【0018】アクティブ傾斜・振動制御用台車12の作用
について述べる。鉄道車両10が曲線線路を通過するとき
は、車体14に遠心力等の左右方向加速度が作用する。一
方、車体14は、曲線外側を内側に対して上昇させられる
ことにより、遠心力とは反対向きで曲線の中心へ向かう
車体14の重力成分が生じ、この重力成分は、車体14の曲
線内側に対する外側の相対上昇量が増大するような傾斜
姿勢に車体14がなる程、増大する。左右方向加速度セン
サ28は、車体14に作用する左右方向加速度を検出し、左
右の伸縮式アクチュエータ26は、左右方向加速度センサ
28の検出加速度が0になる車体14の姿勢を実現するよう
に、伸縮する。こうして、鉄道車両10は、曲線を円滑に
通過する。
【0019】左右の上下方向加速度センサ30は、車体14
の上下振動及びローリング振動、ピッチング振動等に伴
う車体14の左右の端部における上下方向加速度を検出す
る。左右の伸縮式アクチュエータ26は、また、各上下方
向加速度センサ30が検出した加速度が速やかに0に減衰
するように求められた値に、各伸縮式アクチュエータ26
の配置部位における車体14及び台車本体16の間の間隔が
なるように、伸縮する。これにより、車体14の上下振動
及びローリング振動、ピッチング振動は、伸縮式アクチ
ュエータ26の伸縮により速やかに減衰させられる。
【0020】このアクティブ傾斜・振動制御用台車12で
は、車体14の傾斜制御及び振動制御の両方を行うように
なっているが、いずれか一方の制御のみであってもよ
い。
【0021】図3及び図4はそれぞれ実施の形態として
のアクティブ傾斜・振動制御用台車12におけるダイヤフ
ラム式空気ばね24及び従来のアクティブ制御台車34にお
けるダイヤフラム式空気ばね36の変位を示している図で
ある。アクティブ傾斜・振動制御用台車12では、ダイヤ
フラム式空気ばね24は車体14の左右方向中央部に位置し
ているのに対し、従来のアクティブ制御台車34では、1
対のダイヤフラム式空気ばね36が、左右両端部に配設さ
れて、車体14の重量を台車本体16に支持している。図3
及び図4では、台車本体16に対する車体14の左右方向傾
斜角は等しくなっており、車体14が横断面において水平
姿勢にあるときのダイヤフラム式空気ばね24,36の高さ
をH0とすると、車体14の傾斜姿勢に対して、ダイヤフ
ラム式空気ばね24は、左右方向中央部にあるので、高さ
はほぼH0に維持されて、変化が小さいのに対し、ダイ
ヤフラム式空気ばね36は、左右の端部にあるので、高さ
がそれぞれH1に縮小及びH2に伸長し、変化が増大す
る。したがって、同一の傾斜角及び同一の間隔を得るた
めに、ダイヤフラム式空気ばね24,36に必要とされる伸
縮量は、ダイヤフラム式空気ばね24の方がダイヤフラム
式空気ばね36より小さくて済み、その分、設計が容易に
なる。
【0022】図5は伸縮式アクチュエータ26及びその油
圧制御装置の詳細図である。伸縮式アクチュエータ26
は、中心線を揃えて上下に配列されて、相互に結合して
いる振動制御用油圧シリンダ40及び傾斜制御用油圧シリ
ンダ42を備える。振動制御用油圧シリンダ40では、ピス
トン44が上下の油室46,48の油圧の関係に従って上下動
して、上方へのピストンロッド50の突出量を変化させ
る。傾斜制御用油圧シリンダ42では、ピストン52が上下
の油室54,56の油圧の関係に従って上下動して、下方へ
のピストンロッド58の突出量を変化させる。ピストンロ
ッド50の上端部は車体14の下部へ回動自在に連結し、ピ
ストンロッド58の下端部は台車本体16に回動自在に連結
している。サーボ弁60は、油圧源62及び油タンク64と振
動制御用油圧シリンダ40の油室46,48との接続、すなわ
ち油室46,48への油圧の供給及び排出を左右の上下方向
加速度センサ30(図1及び図2)の検出値に関係して制
御し、これにより、振動制御用油圧シリンダ40における
ピストンロッド50の上方突出量、すなわち伸縮式アクチ
ュエータ26の長さが変化する。各アキュムレータ66は、
油室46,48へそれぞれ連通し、油室46,48の圧力変動を
緩衝する。電磁比例切換弁68は、油圧源62及び油タンク
64と傾斜制御用油圧シリンダ42の油室54,56との接続、
すなわち油室54,56への油圧の供給及び排出を左右方向
加速度センサ28(図1及び図2)の検出値に関係して制
御し、これにより、傾斜制御用油圧シリンダ42における
ピストンロッド58の下方突出量、すなわち伸縮式アクチ
ュエータ26の長さが変化する。
【0023】図6は図5の伸縮式アクチュエータ26とは
異なる構造の伸縮式アクチュエータ26及びその油圧制御
装置の詳細図である。図5の要素と同一構造のものにつ
いては同符号で示している。伸縮式アクチュエータ26は
1個の車体制御用油圧シリンダ70を備える。車体制御用
油圧シリンダ70では、ピストン72が上下の油室74,76の
油圧の関係に従って上下動して、上方へのピストンロッ
ド78の突出量を変化させる。ピストンロッド78の上端部
は車体14の下部へ回動自在に連結し、車体制御用油圧シ
リンダ70のハウジング下端部は台車本体16に回動自在に
連結している。サーボ弁60は、油圧源62及び油タンク64
と車体制御用油圧シリンダ70の油室74,76との接続、す
なわち油室74,76への油圧の供給及び排出を、左右の上
下方向加速度センサ30の検出値だけでなく、左右方向加
速度センサ28の検出値に関係しても制御し、これによ
り、車体制御用油圧シリンダ70におけるピストンロッド
78の上方突出量、すなわち伸縮式アクチュエータ26の長
さが変化する。図6の伸縮式アクチュエータ26では、図
5の振動制御用油圧シリンダ40及び傾斜制御用油圧シリ
ンダ42の機能が1個の車体制御用油圧シリンダ70により
達成され、伸縮式アクチュエータ26の構造が簡単化され
るとともに、図5の電磁比例切換弁68を省略できる。
【0024】図7は別構造のアクティブ傾斜・振動制御
用台車12を備える鉄道車両10の横断面図である。図1の
アクティブ傾斜・振動制御用台車12に対する相違点を説
明すると、図7のアクティブ傾斜・振動制御用台車12で
は、ダイヤフラム式空気ばね24a,24bが、車体14の左右
両端部を回避しつつ、左右両端部の間の中間範囲に左右
対称に配設され、連通路25により相互に連通している。
このアクティブ傾斜・振動制御用台車12では、ダイヤフ
ラム式空気ばね24a,24bは、相互に連通しつつ、左右対
称に配設されているので、車体14は、力学的に、図1の
ダイヤフラム式空気ばね24の場合と同様に一点支持とな
る。伸縮式アクチュエータ26は、伸縮して、曲線通過時
の車体14の傾斜制御及び振動制御を行う。伸縮式アクチ
ュエータ26の伸縮に伴う車体14及び台車本体16間の上下
方向距離の変化量は、図3及び図4に関連してすでに説
明しているように、車体14の左右方向中央部及び左右両
端部でそれぞれ最小及び最大となる。左右のダイヤフラ
ム式空気ばね24a,24bは、車体14の左右両端部を回避し
て、車体14の左右中間範囲に配設されている結果、伸縮
式アクチュエータ26の伸縮に伴う伸縮量は、従来のアク
ティブ制御台車34(図4)の空気ばね36に比して適当に
低減される。さらに、ダイヤフラム式空気ばねを介する
車体14から左右の車輪22への車体荷重の伝達経路は、図
3のようにダイヤフラム式空気ばね24が車体14の左右方
向中央部のみに存在する場合には、車体14の左右両端部
から左右方向中央部に集まって、左右方向中央部のダイ
ヤフラム式空気ばね24を経由した後、再び左右の車輪22
へ広がるものとなって、長くなる。これに対し、図7の
アクティブ傾斜・振動制御用台車12では、左右のダイヤ
フラム式空気ばね24a,24bは、車体14の左右方向中央部
から適当に左右方向端部の方へ偏倚しているので、ダイ
ヤフラム式空気ばね24a,24bを介する車体14から左右の
車輪22への車体荷重の伝達経路の紆余曲折が緩和され、
車輪22への車体荷重の伝達が円滑になる。
【0025】図7のアクティブ傾斜・振動制御用台車12
においても、伸縮式アクチュエータ26として、図5のも
の及び図6のものを任意に選択できる。
【0026】図8は図1のアクティブ傾斜・振動制御用
台車12にフェイルバックアップ装置を装備したものの構
成図である。図1及び図5の要素に対応する部分は同符
号で指示して、主要点について説明する。車体制御用油
圧シリンダ70は、図5とは逆向きとされ、油室74,76側
をそれぞれに台車本体16及び車体14へ結合されている。
連通制御用電磁弁80は、油室74,76を通電時及び非通電
時にそれぞれ相互に非連通及び連通させる位置になる。
開放制御用電磁弁82は、通電時には油室76と油タンク64
との接続を断ち、非通電時には油室76から油圧媒体用オ
イルを油タンク64へ抜く。加圧空気源84は、加圧空気を
貯留し、吸気用電磁弁86は、通電時ではダイヤフラム式
空気ばね24を加圧空気源84へ接続し、非通電時ではダイ
ヤフラム式空気ばね24と加圧空気源84との連通を断つ。
排気用電磁弁88は、通電時ではダイヤフラム式空気ばね
24と大気空間との連通を断ち、非通電時ではダイヤフラ
ム式空気ばね24を大気空間へ連通させる。フェイルバッ
クアップ用重量支持油圧シリンダ90は、各台車本体16に
1対、装備され、台車本体16の左右方向両端範囲に、あ
るいはダイヤフラム式空気ばね24に対しては台車本体16
の左右方向へ両側にそれぞれ配設され、下端部を台車本
体16に支持され、上端部を上下方向へ上下動自在として
いる。フェイルバックアップ制御用電磁弁92は、通電時
ではフェイルバックアップ用重量支持油圧シリンダ90の
油室内の油圧媒体用オイルを抜き、非通電時ではフェイ
ルバックアップ用重量支持油圧シリンダ90をアキュムレ
ータ98へ連通させる。車体制御の正常時では、油圧媒体
用オイルが油圧源62から逆止弁96を介してアキュムレー
タ98へ送られて、アキュムレータ98には所定量の油圧媒
体用オイルが常時、貯留されるようになっている。
【0027】図8のフェイルバックアップ装置について
説明する。傾斜制御及び/又は振動制御が正常に作動し
ているときは、連通制御用電磁弁80、開放制御用電磁弁
82、吸気用電磁弁86、排気用電磁弁88、及びフェイルバ
ックアップ制御用電磁弁92は、通電状態にある。したが
って、フェイルバックアップ用重量支持油圧シリンダ90
は、フェイルバックアップ制御用電磁弁92により中の油
圧媒体用オイルを油タンク64へ抜かれており、フェイル
バックアップ用重量支持油圧シリンダ90の上端部は、ダ
イヤフラム式空気ばね24の上端部より下方にあり、車体
14の下面から離れている。こうして、車体制御用油圧シ
リンダ70の油室74,76は、相互に連通されることも、ま
た、油タンク64へ連通されることもなく、サーボ弁60の
切替位置に対応して油圧媒体用オイルを供給、排出さ
れ、車体14の傾斜制御及び/又は振動制御が支障なく実
施される。
【0028】傾斜制御及び/又は振動制御の異常は、例
えば傾斜制御及び/又は振動制御のプログラムの中に、
WDT(ウォッチドッグタイマ)をリセットするコマン
ドを挿入しておき、WDTが所定時間の経過に対してリ
セットされない事態が起きたとき、異常信号を発生する
ようにして、検出する。傾斜制御及び/又は振動制御に
異常が起きたときは、連通制御用電磁弁80、開放制御用
電磁弁82、吸気用電磁弁86、排気用電磁弁88、及びフェ
イルバックアップ制御用電磁弁92は、通電から非通電へ
切り替えられ、又は、自然に電源がダウンして、非通電
状態になり、車体制御用油圧シリンダ70の油室74,76
は、連通制御用電磁弁80により相互に連通させられると
ともに、開放制御用電磁弁82により中の油圧媒体用オイ
ルを油タンク64へ抜かれ、長さ自由の状態になる。これ
にほぼ並行して、ダイヤフラム式空気ばね24は、吸気用
電磁弁86により加圧空気源84からの加圧空気の供給を停
止されるとともに、排気用電磁弁88により中の加圧空気
を大気空間へ抜かれて、長さ自由になる。一方、フェイ
ルバックアップ用重量支持油圧シリンダ90は、フェイル
バックアップ制御用電磁弁92によりアキュムレータ98へ
連通されて、アキュムレータ98内の油圧媒体用オイルを
供給され、伸長して、左右のフェイルバックアップ用重
量支持油圧シリンダ90は、等しい長さになって、上端部
において車体14の下面に当接し、車体14を非傾斜姿勢に
保持する。こうして、車体制御の異常時に車体14が傾斜
姿勢のまま本来の非傾斜姿勢に戻らない事態を防止でき
る。
【0029】なお、図8のフェイルバックアップ装置で
は、ダイヤフラム式空気ばね24が台車本体16の左右方向
へほぼ中央部に配設されているが、図7のように台車本
体16の左右方向中間範囲に左右対称に配設されている台
車本体16にも適用可能である。また、図8のフェイルバ
ックアップ装置の作用説明では、車体制御の異常時にダ
イヤフラム式空気ばね24から加圧空気を抜いて、ダイヤ
フラム式空気ばね24を長さ自由の状態にして、車体14の
全重量を左右のフェイルバックアップ用重量支持油圧シ
リンダ90により支持するとしたが、車体制御の異常時
に、ダイヤフラム式空気ばね24からの加圧空気の排出は
行わず、ダイヤフラム式空気ばね24及び左右のフェイル
バックアップ用重量支持油圧シリンダ90が分担して車体
14の重量を支持するようにしてもよい。図8では、車体
制御用油圧シリンダ70が伸縮式アクチュエータ26として
機能しているが、図5の伸縮式アクチュエータ26を図8
の車体制御用油圧シリンダ70の代わりに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車体が横断面において水平姿勢にあるときの鉄
道車両の概略的な横断面図である。
【図2】車体が横断面において傾斜姿勢にあるときの鉄
道車両の概略的な横断面図である。
【図3】実施の形態としてのアクティブ傾斜・振動制御
用台車におけるダイヤフラム式空気ばねの変位を示して
いる図である。
【図4】従来のアクティブ制御台車におけるダイヤフラ
ム式空気ばねの変位を示している図である。
【図5】伸縮式アクチュエータ及びその油圧制御装置の
詳細図である。
【図6】図5の伸縮式アクチュエータとは異なる構造の
伸縮式アクチュエータ及びその油圧制御装置の詳細図で
ある。
【図7】別構造のアクティブ傾斜・振動制御用台車を備
える鉄道車両の横断面図である。
【図8】図1のアクティブ傾斜・振動制御用台車にフェ
イルバックアップ装置を装備したものの構成図である。
【符号の説明】
12 アクティブ傾斜・振動制御用台車(アクティブ
制御台車) 14 車体 16 台車本体 22 車輪 24,24a,24ba ダイヤフラム式空気ばね 26 伸縮式アクチュエータ(伸縮手段) 70 車体制御用油圧シリンダ 80 連通制御用電磁弁(圧力開放手段、電磁弁) 82 開放制御用電磁弁(圧力開放手段、電磁弁) 86 吸気用電磁弁(圧力開放手段、電磁弁) 88 排気用電磁弁(圧力開放手段、電磁弁) 90 フェイルバックアップ用重量支持油圧シリンダ
(重量支持用シリンダ) 92 フェイルバックアップ制御用電磁弁(切替手
段、電磁弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−35866(JP,U) 特公 昭45−24403(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B61F 5/22 B61F 5/10 B61F 5/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)車体(14)の傾斜制御中及び振動制
    御制御中共に、車体(14)の重量が前記車体(14)の左右方
    向中央部においてのみ台車本体(16)に支持されるよう
    に、前記車体(14)の左右方向中央部にのみ配設されて前
    記車体(14)の重量を台車本体(16)に支持する空気ばね(2
    4)、及び (b)前記空気ばね(24)の左右方向両側にそれぞれ配設
    され伸縮により前記台車本体(16)及び前記車体(14)の間
    の上下方向間隔を調整して前記車体(14)の傾斜制御及び
    振動制御の両方を行う伸縮手段(26)、 を有していることを特徴とするアクティブ制御台車。
  2. 【請求項2】 (a)車体(14)の左右両端部の間の中間
    範囲に左右対称に配設され前記車体(14)の重量を台車本
    体(16)に支持しかつ相互に連通状態になっている1対の
    空気ばね(24a,24b)、及び(b)前記各空気ばね(24a,24
    b)より左右方向外側にそれぞれ配設され伸縮により前記
    台車本体(16)及び前記車体(14)の間の上下方向間隔を調
    整して前記車体(14)の傾斜制御及び振動制御の少なくと
    も一方の車体制御を行う伸縮手段(26)、を有しているこ
    とを特徴とするアクティブ制御台車。
  3. 【請求項3】 前記各伸縮手段(26)は前記車体(14)の傾
    斜制御及び振動制御の両方を行うものであり、前記各伸
    縮手段(26)は、前記車体(14)の傾斜制御及び振動制御に
    共用される1個の油圧シリンダ(70)であることを特徴と
    する請求項1又は2記載のアクティブ制御台車。
  4. 【請求項4】 (a)前記車体(14)の左右方向の両端範
    囲に配設され車体制御の正常時では縮小位置にあって前
    記車体(14)の支持の役目から解放されている重量支持用
    シリンダ(90)、(b)車体制御の異常時では前記伸縮手
    段(26)から圧力媒体を抜いて前記伸縮手段(26)を長さ自
    由にさせる圧力開放手段(80,82,86,88)、及び(c)車
    体制御の異常時に圧力媒体を前記重量支持用シリンダ(9
    0)へ供給して前記重量支持用シリンダ(90)を伸長させ前
    記重量支持用シリンダ(90)に前記車体(14)の重量の少な
    くとも一部の支持を受け持たせつつ前記車体(14)を非傾
    斜姿勢に保持する切替手段(92)、を有していることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクティブ制
    御台車のフェイルバックアップ装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力開放手段(80,82,86,88)は、車
    体制御の異常時に前記空気ばね(24)から加圧空気を抜い
    て、前記空気ばね(24)を長さ自由にし、前記重量支持用
    シリンダ(90)は、車体制御の異常時に前記空気ばね(24)
    に代わって前記車体(14)の全重量の支持を受け持つこと
    を特徴とする請求項4記載のフェイルバックアップ装
    置。
  6. 【請求項6】 前記圧力開放手段(80,82,86,88)及び前
    記切替手段(92)は、車体制御の異常時では非通電状態に
    なってフェイルバックアップ位置へ切り替わる電磁弁(8
    0,82,86,88,92)であることを特徴とする請求項4又は5
    記載のフェイルバックアップ装置。
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