JP2916451B2 - 熱交換器の製造方法 - Google Patents

熱交換器の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器に関し、
特に流体的拡大を用いる熱交換器を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱交換器は、流体の流れの含有熱を調整
するものとして周知である。暖房、換気、空調(HVA
C)業界で用いられる典型的熱交換器の構成は、回路内
に形成された伝導管からなり、ある方法でいくつかの平
行部分と伝導フィンとがその間に散在させられている。
回路は、熱交換器を通って進む第2の流体の流れから熱
を奪ったり、熱を加えたりできる熱流体を運ぶ。フィン
は、熱交換器を流れる流体にさらされる回路の表面積を
増加し、これによって2つの流体間で伝達される熱量が
増加される。
【0003】一般的なHVAC熱交換器では、冷却回路
は、円形管材(通常、銅から作られる)のまっすぐな部
分を取り、ヘアピン状のU字形状の湾曲部を有するよう
にその中間で曲げることにより形成される。これらの
「ヘアピン」の端部は、熱交換器を取り付けるための固
定具として機能するチューブシートと呼ばれる金属の平
板に予め設けられた穴に通され、平板に垂直に設置され
る。次に、板状フィンは、チューブシートと同様にして
ヘアピンに取り付けられる。板状フィンは基本的に平坦
であり、チューブシートの穴に対応する穴を有するが、
それらはチューブシートよりも薄くて軽い金属から作ら
れる。
【0004】全てのフィンが設置されたあと、第2のチ
ューブシートがその端部の近くのヘアピン上に同様に設
置される。U字型のエンドキャップまたはリターンベン
ドがチューブのほとんどの端部にロウ付けにより固定さ
れて、ヘアピンを通過するリターンパスを形成すること
により流体回路が完成する。熱交換器への熱交換流体の
出入りを容易にするために、露出したまま残されたヘア
ピン端部にヘッダーが設けられてもよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱交換器を製造する間
に、フィン(およびチューブシート)がヘアピンに確実
にしっかりと固定されるように、またフィンがヘアピン
と一体的に隣接するように、ヘアピンは拡大される。フ
ィンとチューブが十分な表面積にわたって隣接していな
い場合は、それらの間の熱伝導の量はかなり減少する。
チューブを拡大する一般的方法は、チューブの長さにわ
たって軸方向に突き通すためにマンドレルを用いること
である。この「機械的」拡大は確かに非常に正確にチュ
ーブを所望の径に広げることができるが、このプロセス
にはいくつかの制約が存在する。
【0006】そのような制約のひとつは、マンドレルは
ヘアピン状湾曲部を突き通ることができないため、チュ
ーブのまっすぐな部分をそれぞれ個々に広げなければな
らないことである。この制限をなくすために、現在の機
械的拡大機械は、一度に熱交換器のすべてまたはほとん
どのヘアピンのまっすぐな部分を拡大するいくつかの列
になったマンドレルを有する。これらの機械が高額なた
め、通常は一台の機械に再装着されて、さまざまなサイ
ズのチューブを拡大するために用いられる。十分な数量
のマンドレルを維持するために費用がかかるばかりでな
く、さまざまなサイズのチューブを拡大するように一台
の機械を調整するのに要される再装着時間は、それを終
えるのにかなりの工数がかかるため、コストがかかって
しまう。機械的拡大の別の制約は、熱交換管材の内側表
面強化部に悪影響を及ぼすことである。対流伝導率を強
化するために、小さなチャネルまたは溝を形成するな
ど、熱交換管材の内側表面の幾何学的形状を変化するこ
とはHVAC業界では一般的なことである。その内面に
所望のパターンを形成することによって、これらの「表
面強化部」が製造中に管材に加えられる。しかしなが
ら、機械的拡大は、物理的には、仕上げ済管材の壁を外
側に向かってドリリングする。これによって、永久的に
これらの表面強化部をいくらか破壊し、これに応じてチ
ューブの効率も減少する。
【0007】機械的拡大プロセスの別の制約は、このプ
ロセスによって材料を損失することである。この材料損
失は、マンドレルがチューブ内を通過する際にチューブ
を部分的に収縮させるマンドレルの軸方向の力が原因で
ある。この軸方向の収縮を考慮し、チューブの最終の長
さに約2〜4%以上の長さを予め加えられなければなら
ない。この約2〜4%以上の長さの材料は、いくつもの
熱交換器を製造するとかなりの量にのぼる。最後の制約
は、この機械的拡大プロセスに用いられるものは円形の
管材だけであることである。
【0008】これらの制約を解消するための方法のひと
つは、機械的マンドレルではなく流体圧力を用いてチュ
ーブを拡大することである。このような流体的拡大に
は、管材をシールし、内圧が管材外壁の材料降伏強度を
越えるまで、管材に高圧の流体を注入する工程が含まれ
る。材料降伏強度を越えた時点で、壁が圧力に負けて外
側に拡大する。この拡大の際に、半径方向外側へかかる
力によって径が増加し、これを埋め合わせるため管材の
壁がわずかに薄くなる。
【0009】前述した制約を解消することに加えて、流
体的拡大の別の利点は、熱交換器が拡大されると同時に
漏れおよび保証試験が行えることである。現在のとこ
ろ、漏れおよび保証試験には、加圧された伝熱流体とと
もに安全に使用できることを確実にするために数百ポン
ド/インチ2(psi)で熱交換器に流体を満たす工程
が含まれる。しかし、流体的拡大は1000psiもし
くはそれ以上にまで管材を加圧する必要があり、流体的
拡大のほうがより厳しいため、ゆえに漏れおよび保証試
験を別に行う必要はない。
【0010】熱交換器の形成に流体的拡大を使用する試
みが行われてきた。そのようなプロセスには、たとえ
ば、単一の管材が波状に曲げられ、その断面を扁平に
し、チューブの扁平部分に接着された波状フィンに噛み
合うように流体により広げられて互いの接触を確実にす
るプロセスがフギンズ(米国特許第2,838,830
号)に開示されている。
【0011】フギンズのプロセスは、最終の組立て後、
流体により単一の熱交換器が拡大される方法を教示して
いるが、このプロセスを現在使用されている複雑な熱交
換器にどのようにして実行するかは教示していない。ま
ず、HVAC業界で使用されているヘアピン型の熱交換
器を製造するために用いることができない。ヘアピン部
を相互に連結するために必要なリターンベンドの使用に
ついては何等開示していないことが理由のひとつであ
る。
【0012】フギンズの特許では、ひとつの長い管材
を、複数の部位で何度も曲げるのではなく、複数のヘア
ピンを複数のリターンベンドとともに用いている。その
理由は、主に2つある。ひとつは、最近のHVAC熱交
換器に用いられている多量の管材を考えると、このよう
な長さの単一部材である管材を何度も曲げることは実際
的でないことである。ヘアピンを使用するもう一方の理
由は、複数のヘアピンを用いると、板状フィンに通すこ
とが可能となるが、単一の管材を用いた場合、板状フィ
ンを収容するように前後に曲げることはできないからで
ある。ヘアピン型の熱交換器と比較してフギンズの方法
の別の制約は、フギンズは管材を断面上扁平にすること
を要求していることである。前述したように、熱伝達を
増加するために表面強化部がヘアピン状管材に用いられ
るが、扁平にするように管材を押し潰すことによってこ
れらの表面強化部は損傷するおそれがある。フギンズと
ほとんど同じ制約が自動車の熱交換器の製造にもあては
まる。これらの熱交換器は、個々の矩形の管材間に波状
フィンを設置し、外部のソースから管回路に出入するよ
うに伝熱流体の流れを適応させるヘッダーに管材片を連
結することにより製造される。ここでも、管回路を形成
するに十分な回数、単一の管材、特に矩形の管材を曲げ
ることは実際的でない。加えて、フギンズは、ヘッダー
と熱交換器を組立てる方法はなんら開示していない。
【0013】ジャンソン等(米国特許第4,970,7
70号)は、水圧拡大を用いる熱交換器の製造方法を教
示している。フギンズとは異なり、ジャンソン等に記述
された熱交換器は、現在のHVAC熱交換器に共通のリ
ターンベンドとプレートフィンとを用いる。しかしなが
ら、ジャンソン等は、組立てられた熱交換器回路を拡大
するための方法は何等開示していない。ジャンソン等
は、単に管状部材をそれぞれ拡大するためのものであ
り、ヘアピンの露出された端部にリターンベンドがロウ
付けされる前にいかにしてフィンを所定位置に固定する
かを開示している。
【0014】回路全体を拡大するためには、管材を拡大
する前にヘアピンの露出された端部上にリターンベンド
を設置する必要がある。しかしながら、リターンベンド
は一般的に、リターンベンドおよび管材を接着するため
に高熱源を用いるロウ付けによって管材へ接着させる。
さらに、熱交換器がロウ付けされる前にフィンが固定さ
れされていない場合は、フィンは損傷を受けやすい。ジ
ャンソン等は個々の部分の拡大以外にフィンを固定する
ための方法は開示していないため、この方法によって最
終組立て後の拡大は不可能ということになる。しがたっ
て、漏れおよび保証試験のステップを削除することはで
きない。
【0015】同様の制約は、ジャンソン等の方法にした
がって、前述した自動車の熱交換器を製造する際にも当
てはまる。
【0016】本発明の目的は、機械的拡大プロセスに関
連した制約を解消する熱交換器を製造する方法を提供す
ることである。本発明の別の目的は、最終の組立て後に
拡大できる熱交換器を製造する方法を提供することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体的拡大を
用いる熱交換器を製造する方法を提供する。熱交換器
は、第1の伝熱流体を移送するための少なくともひとつ
の回路を形成するよう相互に連結された複数の管状部材
と、回路に固定された伝導フィンとを備える。伝導フィ
ンは回路の表面積を増加し、前記第1の流体と前記フィ
ンの周りを流れる第2の流体との熱伝導を増加するため
に設けられる。この方法は、管状部材を所定の方法で位
置づけし、フィンを管状部材とともにその全長に沿って
配することを含む。管状部材の入口と出口は、流体回路
を形成するように相互に連結される。次に、フィンは、
その直後に続く連結部のシール工程の際に損傷しないよ
うに所定位置に固定される。最後に、回路の容積を囲
い、管のチューブ降伏強度を越え、よって回路の管壁を
半径方向外側に拡大できる圧力で拡大用流体を導入する
ことによって前記フィンを巻き込むように回路全体が拡
大される。
【0018】本発明の別の目的および利点は以下の詳細
な説明を読み、図面を参照することで明らかとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して詳細に示す。なお、図面の対応部には、共
通の符号を付した。図1は、ヘアピンベンド12が形成
された熱交換チューブ10の側面図である。チューブ1
0は、熱交換流体を取り込むための入口16と熱交換流
体を排出するための出口18とを有する。図1にはま
た、チューブ10を通すために入口16と出口18に対
応する穴を有するプレートフィン20とが示されてい
る。
【0020】図2は、線2−2に沿った図1のヘアピン
チューブ10の断面図である。図2は、流体的拡大前の
チューブ10およびフィン20を示している。チューブ
10は、表面強化部23が内側に形成された管壁22を
有する。壁22および表面強化部23は、チューブ10
の全長にわたる内側流体流路24を形づくるように形成
される。チューブ10は図示目的のため誇張され、拡大
前の状態が描写されており、このとき壁22の厚みとチ
ューブ10の半径25は両方とも製造された時点の元の
値である。また図2は、流体的拡大の際にそのような管
材がどのように拡大するかを示すためのみの簡素化され
た図面であり、一般的な表面強化部を示す必要はない。
【0021】図3は、図2と同様の図面であるが、チュ
ーブが流体で拡大された後の状態を示している。図3の
表面強化部23’と図2の表面強化部23との間に違い
はないまたはほとんどないが、外壁22’の厚みは図2
の壁22の厚みよりもわずかに薄く、また半径25’は
図2の半径25と比較して増加している。この半径の拡
大によって、管壁22’がプレートフィン20’との確
実な伝導接触を形成するようになる。壁22’の減少と
半径25’の拡大とは、図示目的のために図3において
誇張されている。
【0022】図4は、従来の機械的拡大プロセスを用い
る一般的なHVAC熱交換器を製造するステップを略記
したフロー図である。仕上げ済管材は、表面強化部が形
成されたものでもされていないものでもよいが、まずス
テップ26の製造プロセスから入る。ステップ28によ
って示されるように、仕上げ済管材の長くまっすぐな部
分は、ヘアピン状に曲げられる。ステップ30に示され
るように、チューブの表面積を増して熱伝達を増加する
プレートフィンが、チューブシートともにチューブ上に
位置決めされる(または「通される」)。
【0023】この時点で、ステップ32に示されるよう
に、熱交換器は、管材にフィンを固定する機械的拡大の
準備が整う。機械的拡大は、ヘアピンの開口入口部およ
び出口部を介してチューブよりもわずかに大きな直径を
有するいくつかのマンドレルを配し、その全長を突き通
すことによって成し遂げられる。ステップ34に示され
るように、リターンベンドが入口と出口とを相互に連結
するため回路に設けられ、これにより熱交換流体の回路
を形成する。ステップ36は、高熱源の使用によるチュ
ーブへのリターンベンド[(例えばU字型の)戻し管]
のロウ付けまたはシーリングを示す。
【0024】次に、ステップ38に示されるように、外
部ソースから熱交換器を介して熱交換流体を適応させる
ために、リターンベンドで覆われていないヘアピンの残
された入口部と出口部にヘッダを配置する。完成した熱
交換器は、その後、ステップ40で示された漏れおよび
保証試験のステップを新たに受けなければならない。こ
のようにして、ステップ42に示されるように、熱交換
器の製造が完了する。図5は、本発明による製造プロセ
スを示す。図4に示された従来のプロセスと同様に、ス
テップ43は熱交換器製造プロセスへの予め製造された
管材の導入を示す。また管材は、表面強化部が形成され
たものでもされていないものでもよい。機械的拡大と同
様に、ステップ44で管状部材はまずヘアピン状に曲げ
られ、その後ステップ46でプレートフィンとチューブ
シートがヘアピン状部材のまっすぐな部分に通される。
【0025】図5の流体的拡大プロセスは、ステップ4
8に示されるように、拡大が行われる前に回路全体が組
立てられる(すなわち、リターンベンドすべてが所定位
置に置かれる)点が、図4の機械的拡大プロセスと異な
る。ステップ50によって示されるように、フィンは、
ステップ52でリターンベンドがロウ付けされる前に、
所定位置に固定されなければならない。フィンを固定し
なければならない理由は、機械的拡大プロセスとは違
い、ロウ付けの間ではチューブはまだ拡大されておら
ず、フィンが所定位置に保持されていないからである。
圧力が最も外側のフィンから内側に向かって加えられ
て、フィンが他のフィンに対して保持され、かつフィン
が移動しないようにして熱交換器を取り付けることで、
フィンが固定可能となる。
【0026】ロウ付けが行われたあと、ステップ54に
示されたように、リターンベンドに覆われていない残さ
れた入口と出口にヘッダーが設けられる。ステップ56
に示されるように、流体的拡大および試験が行われる。
さまざまな流体が流体的拡大を行うために用いることが
できるが、その一例として圧縮空気や窒素などがある。
これらの例は完全ではなく、当業者に明らかなように、
他の適切な流体を用いることも可能である。
【0027】流体的拡大を実行する方法は2つあり、そ
のひとつは、所定の所要時間の間チューブに静圧を用い
て管材を拡大するものである。もう一方の方法は、より
複雑で費用がかかるが、特定の状況において、ダイナミ
ックな圧力、即ち、圧力を変動させて使用できるという
さらなる利点を有する。ここで、変位センサが管材の直
径を監視するために使用され、さらに精密な拡大を得る
ようにチューブに増大する圧力を加えることができる。
どちらの方法でも、図4の機械的プロセスと異なる重要
な点は、保証および漏れ試験がこの流体的拡大ステップ
の際に行えるということである。いずれの場合において
も、ブロック58に示されるように、流体的拡大が行わ
れた後、製造プロセスが完了し、熱交換機が使用できる
ようになる。
【0028】図6は、本発明の流体的拡大部分の概略図
である。圧縮機60は、拡大用流体リザーバ62から高
圧安全弁64を介して熱交換器65へ拡大用流体を送る
ために用いられる。流体は、回路66の入口にシールさ
れるコネクタ68を介して熱交換器65の管回路66へ
入る。コネクタ68は、数千ポンド/インチ2(ps
i)の圧力で流体を送る間、シールが保たれる高圧コネ
クタでなければならない。回路66へ高圧流体を導入す
ると、回路66は急速に半径方向外側に拡大し、プレー
トフィン70およびチューブシート72とが確実に接触
される。図6に、プラグ74が回路66の出口をシール
しているのが示されている。または、プラグ74の代わ
りにコネクタ68と同様のコネクタがここでも用いて、
拡大用流体の導入用に2つの点を提供してもよい。いず
れの流体導入の方法も同様の結果を生じる。
【0029】図6に示された制御装置76は、回路66
への圧縮機60の圧力を調整したり、十分な拡大が得ら
れた時点で圧縮を終了するために用いられる。制御装置
76は、仮想線で示された変位センサ78とともに用い
られてもよい。変位センサ78は、回路66の管材の径
の増加を物理的に測定し、拡大進行度のフィードバック
を制御装置76へ供給する。このようにして、制御装置
76は、回路が特定の径に到達すると拡大を停止した
り、拡大プロセスの間に拡大用流体の圧力を変えたりす
るように設定される。そのような動的拡大によって、管
材のより正確な拡大が行われる。制御装置76は、基本
的に、これらの目的を実行するようにプログラムされた
マイクロプロセッサで構成される。
【0030】以上のように、本発明では、熱交換器にお
いて、最終組立て後での管材の拡大を可能とする。
【0031】なお、本発明では、ステップ46の前に、
管状部材を第1のチューブシートに通し、ステップ46
の後に、管状部材を第2のチューブシートに通すことも
できる。これらのチューブシートは、前記熱交換器とそ
の取付のための取付具の両方の安定を提供することが可
能である。
【0032】また、ステップ50では、前記チューブシ
ートに圧力を加え、これによりフィンを互いに内側に押
圧することで、フィンの固定を行うことも可能である。
【0033】要約すると、本発明は、流体的拡大を用い
て熱交換器を製造する方法であって、熱交換器は第1の
伝熱流体を移送するための少なくともひとつの回路を形
成するよう相互に連結された複数の管状部材と、回路に
固定された伝導フィンとを備える。伝導フィンは、回路
の表面積を増加し、第1の流体とフィンの周りを流れる
第2の流体との熱伝導を増加するために設けられる。管
状部材は、所定の方法で位置づけされ、フィンは管状部
材と共にその全長に沿って配される。管状部材の入口と
出口は前記流体回路を形成するように相互に連結され
る。その後、フィンを固定する。最後に、回路の容積を
囲う(enclosure)即ち回路を閉状態とし、管材のチュ
ーブ降伏強度を超えて管壁を半径方向外側に拡大できる
圧力で拡大用流体を導入して、フィンが更に固定される
ように(enmesh)、回路全体が拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】HVAC型の熱交換器に用いられるヘアピンチ
ューブの側面図である。
【図2】線2−2に沿った図1のヘアピンチューブの軸
方向断面図である。
【図3】流体的拡大によって拡大された後の線2−2に
沿った図1のヘアピンチューブの軸方向断面図である。
【図4】従来の機械的拡大プロセスを用いて熱交換器を
製造するステップを略記したフロー図である。
【図5】本発明による熱交換器を製造するステップを略
記したフロー図である。
【図6】図5の流体的拡大ステップの概略図である。
【符号の説明】
10…熱交換チューブ 12…ヘアピンベンド 16…入口 18…出口 20…プレートフィン 22…管壁 23…表面強化部 25…チューブの半径 60…圧縮機 62…拡大用流体リザーバ 64…高圧安全弁 65…熱交換器 66…回路 68…コネクタ 70…プレートフィン 72…チューブシート 74…プラグ 76…制御装置 78…変位センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケネス ピー.グレイ アメリカ合衆国,ニューヨーク,イース ト シラキューズ,クレモンズ ロード 5967 (72)発明者 ダニエル ピー.ガファニー アメリカ合衆国,ニューヨーク,チテン ナンゴー,ウエスト ジェネシー スト リート 351 (56)参考文献 特開 昭62−238031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 53/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器の製造方法であって、前記熱交
    換器は、第1の伝熱流体を移送するための少なくともひ
    とつの回路を形成するよう相互に連結された複数の管状
    部材を有し、これらの管状部材はそれぞれ、少なくとも
    ひとつの入口および少なくともひとつの出口と、回路に
    固定された伝導フィンとを備え、該伝導フィンは回路の
    表面積を増加し、前記第1の流体と前記フィンの周りを
    流れる第2の流体との熱伝導を増加するためのものであ
    り、 a)前記フィンの前記管状部材間への配置が可能とな
    り、かつ、前記管状部材が実質的に平行になるように、
    前記管状部材を離間した状態に配置するステップと、 b)前記管状部材の全長に沿って前記フィンを配置する
    ステップと、 c)前記管状部材の複数の前記入口および前記出口を相
    互に連結し、前記回路を形成するステップと、 d)前記フィンを動かないように固定するステップと、 e)前記第1の流体の移動のために前記回路が液密とな
    るように、前記相互連結部をシールするステップと、 f)前記回路に、前記回路のチューブ降伏強度を超えて
    回路の管壁を半径方向外側に拡大できる圧力で拡大用流
    体を導入することで、前記プレートフィンと前記環状部
    材が確実に接触してフィンが更に固定されるように、
    記回路全体を拡大するステップとを有することを特徴と
    する方法。
  2. 【請求項2】 前記管状部材は、ヘアピンベンド部材で
    あることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記フィンは、プレートフィンであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ステップb)では、実質的に直角を
    なすように前記プレートフィンに前記ヘアピン部材を通
    すことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ステップb)の前に、前記管状部材
    に第1のチューブシートを通し、またステップb)の後
    に、前記管状部材に第2のチューブシートを通し、前記
    チューブシートは、前記熱交換器とその取付のための取
    付具の両方の安定を提供することを特徴とする請求項4
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ステップc)では、前記ヘアピン部
    材の所定の入口と出口にリターンベンドを設けることを
    特徴とする請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記相互連結は、前記リターンベンドが
    所定位置に置かれた後、露出されたまま残った入口と出
    口に更にヘッダを設けることにより達成され、前記ヘッ
    ダは、前記露出された入口と出口とに対応する開口を有
    し、さらに前記回路を外部の熱交換流体源に接続するた
    めの少なくともひとつの流体入口と少なくともひとつの
    流体出口とを有し、前記流体の前記回路の出入りを容易
    にすることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ステップd)は、前記チューブシー
    トに圧力を加えることにより達成され、これによりフィ
    ンを互いに内側に押圧するようにすることを特徴とする
    請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ステップe)では、相互連結部を熱
    源でロウ付けすることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 前記ステップf)では、前記拡大用流
    体を導入するための前記ヘッダ入口の少なくともひとつ
    にコネクタを液密に取り付け、プラグで前記ヘッダの残
    余の入口と出口とをシールすることを特徴とする請求項
    7記載の方法。
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