JP2916290B2 - 生理活性ポリペプチド含有大腸崩壊経口製剤 - Google Patents

生理活性ポリペプチド含有大腸崩壊経口製剤

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JP2916290B2 JP3083256A JP8325691A JP2916290B2 JP 2916290 B2 JP2916290 B2 JP 2916290B2 JP 3083256 A JP3083256 A JP 3083256A JP 8325691 A JP8325691 A JP 8325691A JP 2916290 B2 JP2916290 B2 JP 2916290B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生理学的に活性なポリ
ペプチドを含む経口投与製剤を大腸で崩壊させる為の大
腸崩壊性経口製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インスリンやカルシトニンなどの生理活
性ポリペプチドホルモン(以下、単にポリペプチドと言
うことがある)は、胃液やペプシンおよびトリプシンな
どの小腸内プロテアーゼにより容易に分解される水溶性
の高分子化合物である。その為これらのポリペプチドが
経口投与されたときには、上記胃液やプロテアーゼによ
って分解されて胃、小腸内で安定に吸収されることは殆
んどなく、従って有効な薬理作用を期待することができ
ない。こうしたことから、これらポリペプチドの生理学
的活性を得るためには、注射可能な投与形態で調剤され
ているのが通常である。しかしながら、とりわけ定期
的、頻繁に投与しなければならないときには注射による
投与では患者に多大の苦痛を強いることになるので、近
年は上記ポリペプチドについても注射以外の投与方法の
開発に努力が注がれている。
【0003】これまで鼻腔または経膣投与用生理活性ポ
リペプチド製剤については様々なものが開発されてお
り、ポリペプチドの吸収促進作用を示す添加剤について
も各種のものが提案されている。しかしながら上記投与
形態は、その実用上の不便さがあることは否めず、でき
るだけ経口投与の形態であることが望まれている。
【0004】生理活性ポリペプチドを経口投与の形態と
する為には、その前提として高分子化合物であるポリペ
プチドが腸管粘膜を通って生体内へ吸収されることが必
要である。例えば特開昭63−287462号公報に
は、小腸粘膜からの吸収が良好なオリゴペプチドについ
て開示されている。しかしながらこの公報にはオリゴペ
プチドよりも分子量の大きい生理活性ポリペプチドの吸
収については何ら示されていない。こうしたことから、
ポリペプチドを経口用製剤とする手掛かりとして、小腸
粘膜から吸収されにくいポリペプチドを吸収され易い形
態にする為の様々な研究が進められ、こうした技術の開
発が急務となっていた。
【0005】ところで近年、小腸からの吸収を良好にす
る為の技術も幾つか見出され今後の動向が注目されてい
る。例えばムラニシ(Muranishi,S.)の 「Absorption Bar
riers and Absorption Promoters in the Intestine 」
(Topics in PharmaceuticalScienes,1987 )には、粘
膜表面に並んでいる細胞層を通して薬物を吸収させる上
で有利な組成からなる経腸投与剤が開示されており、こ
こには、非イオン性界面活性剤と共に不飽和脂肪族カル
ボン酸を用いた混合ミセル系が開示されている。また同
じくムラニシらによれば、インスリンを化学修飾した脂
肪酸誘導体は、消化管粘膜との親和性が高められ、ポリ
ペプチドの腸管吸収に成功した旨報告されている(日本
薬剤学会第5年会,1989年9月)。
【0006】本発明者らは、ポリペプチドの吸収部位と
して、大腸を見い出し、ポリペプチドに、非イオン性界
面活性剤と、中鎖脂肪族カルボン酸若しくはそのアルカ
リ金属塩との組合せからなる組成物を添加することによ
り、それらの相乗効果によって大腸からのポリペプチド
吸収を促進し得ることを見出している(特願平2−75
285号)。従って、生理活性ポリペプチドの消化管粘
膜吸収に関しては、注射投与以外の方法で注射剤と同様
の薬効を得ることは事実上可能になったといえる。
【0007】ところがこれまでの経口用製剤は十二指腸
吸収を想定したものが多く、この様な手法によって製剤
化した生理活性ポリペプチド含有経口用製剤は、胃内に
あっては胃液によって加水分解され、十二指腸内にあっ
ては種々のプロテアーゼによってペプチド分解されると
いう前述の問題はそのまま残っていた。最近では、種々
の腸溶性基剤(コーティング剤)が開発されており、胃
内におけるポリペプチドの加水分解を避けることは一応
可能になったが、ポリペプチドの十二指腸におけるプロ
テアーゼによる分解抑制については依然として未解決の
ままであった。
【0008】藤井節郎らは、独自のプロテアーゼインヒ
ビターを開発し、これをポリペプチドと共存させること
によって、ポリペプチドのプロテアーゼによる分解を抑
制することにより、経口剤として使用する技術を提案し
ている(特開昭60−8225号)。この技術は、合成
キモトリプシンインヒビターを含有させることにより、
消化管酵素によるポリペプチドの失活を抑制し、腸管吸
収が行なわれることを示しただけのものである。またYo
ung Cho らにおいても(特開平2−218609号)、
プロテアーゼインヒビターであるアプロチニンをポリペ
プチド含有製剤中に加えることによってポリペプチドの
保護を図り、その効果を確認している。しかしながら、
これらのプロテアーゼインヒビターの添加は、本来の生
理的な作用である消化管内プロテアーゼ活性を阻害する
ものであり、いわば非生理的な製剤投与といわざるを得
ないものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした状況
のもとになされたものであって、その目的は、生理活性
ポリペプチドを経口投与した後大腸で吸収できる様にし
た大腸崩壊性ペプチド系経口製剤を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成し得た本発
明とは、生理学的に活性なポリペプチドを含む経口投与
製剤を大腸で崩壊させる為の大腸崩壊性ポリペプチド系
経口製剤であって、少なくともキトサン若しくはキトサ
ン−セルロース系の酸溶解・微生物分解性基剤、生理活
性ポリペプチド、および非イオン性界面活性剤と中鎖脂
肪族カルボン酸若しくははそのアルカリ金属塩との組合
せよりなる吸収促進剤を用いて作製した生理活性ポリペ
プチド含有製剤の外層を、アルカリ溶解性材料で保護し
たものである点に要旨を有する生理活性ポリペプチド含
有大腸崩壊経口製剤である。
【0011】
【作用】本発明者らは、まずポリペプチドの吸収部位が
十二指腸以外であれば、プロテアーゼによる影響を受け
にくいのではないかとの着想のもとで、最適な吸収部位
について検討した。その結果、ポリペプチドの吸収部位
としては大腸が最適であることを認めた。そしてこの結
果に基づき、大腸に到達した後崩壊し、そこで有効に吸
収される製剤について、様々な角度から更に鋭意研究を
重ねたところ、少なくともキトサン若しくはキトサン−
セルロース系の酸溶解・微生物分解基剤、生理活性ポリ
ペプチド、および非イオン性界面活性剤と中鎖脂肪族カ
ルボン酸若しくはそのアルカリ金属塩との組合せよりな
る吸収促進剤を用いて作製した生理活性ポリペプチド含
有製剤の外層を、アルカリ溶解性材料で保護したもので
あれば上記目的が見事に達成され得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0012】本発明では酸溶解・微生物分解基剤とし
て、キトサン若しくはキトサン−セルロース系のものを
用いるが、上記キトサン−セルロース系基剤は、例えば
キトサン溶液に公知の粉末セルロース等を添加したもの
を示す。上記キトサンは、エビ,カニ等の甲殻類や昆虫
類等の外骨格の構成成分として含まれるキチンを脱アセ
チル化したものであるが、製剤製造時におけるキトサン
溶液としては、1重量%の酢酸水溶液に1重量%濃度で
溶解した溶液の20℃における粘度が100cps 以下、
且つ脱アセチル化度が60モル%以上のものを使用する
ことが好ましい。1重量%溶液の粘度が100cps を超
え、或は脱アセチル化度が60モル%未満のキトサン溶
液を用いた場合には、酸性溶液に対する溶解性が著しく
低下し、各種剤形への成形やコーティングまたはカプセ
ルの成形に用いる溶液の濃度を高くすることができない
ため、製剤成形が著しく困難となる。またいずれの場合
にも、キトサンの大腸内体液のpHによる溶解性や大腸
に生存する微生物や酵素による分解性が悪くなるため、
ポリペプチドの放出を可能とする製剤の崩壊は達成され
ない。一方、脱アセチル化度が98モル%を超えると、
キトサンの結晶性が高くなり、この場合も前述と同様な
理由で大腸崩壊性が著しく低下するので好ましくない。
【0013】またこの様な場合に用いられる粉末セルロ
ースとしては、天然セルロースを機械的または化学的に
粉砕して得られる粒度が100メッシュパスのもの、さ
らに好ましくは、200メッシュより細かい篩を通過す
る粉末セルロースが用いられる。この粉末セルロース
は、キトサン溶液に懸濁しても、粘度は殆ど上昇しない
ため、溶液の濃度を高くすることができるほか、製剤の
強度を向上し、大腸内微生物による分解を促進する効果
を有する。また、天然セルロースから非結晶領域を分解
除去した後、微細化した微結晶セルロースも使用可能で
あるが、経済性の点でセルロースより若干劣る。
【0014】一方本発明で用いる吸収促進剤としては、
非イオン性界面活性剤と、中鎖脂肪族カルボン酸若しく
はそのアルカリ金属塩とを組合わせたものである。上記
非イオン性界面活性剤の例としては、例えばソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシアルキレン高級アルコールエーテルおよ
びポリオキシエチレンフェニルエーテルなどが挙げられ
る。そのうち特に好ましいのはポリオキシエチレン(23)
ラウリルエーテル[例えばEmulgen(登録商標)、花王
アトラス社製]や、ポリオキシエチレン(5〜30) アルキ
ルフェニルエーテル等であり、またポリオキシエチレン
(5〜30) アルキルフェニルエーテルとしては、ポリオキ
シエチレン(9) オクチルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレン(10)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレン(30)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レン(10)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
(15)ノニルフェニルエーテルおよびポノオキシエチレン
(20)ノニルフェニルエーテル等があり、とりわけ好まし
いのは、ポリオキシエチレン(9) オクチルフェニルエー
テル[例えばノニデット(Nonidet) P-40(登録商標)シ
グマ社製]等が例示される。尚、本発明は例示したもの
に限定される訳ではない。
【0015】一方、中鎖脂肪族カルボン酸の例として
は、炭素数6〜16の直鎖状若しくは分岐状であって、
且つ飽和若しくは不飽和の脂肪族カルボン酸が使用され
るが、もっとも代表的なものとしては、カプロン酸、カ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸およ
びパルミチン酸等の中鎖脂肪酸塩が挙げられ、これらの
アルカリ金属塩としてはナトリウム塩やカリウム塩が代
表的である。これらのうち特に好ましいのは、カプリン
酸ナトリウムである。尚吸収促進剤の中鎖脂肪族カルボ
ン酸と非イオン性界面活性剤の比率は、1:1〜1:1
000程度が好ましい。これは吸収促進効果があり、且
つ粘膜刺激性もほとんど認められない範囲だからであ
る。
【0016】上述した酸溶解・微生物分解性基剤および
吸収促進剤を用いて生理活性ポリペプチド含有製剤を作
製するに当たっては、ポリペプチド、吸収剤および基剤
を混合してもよいが、ポリペプチドおよび吸収促進剤を
含有する製剤の表面を該基剤でコーティングするか、該
基剤で作製したカプセル殻中に、ポリペプチドおよび吸
収促進剤を含有する製剤を封入する様にしてもよい。但
し、混合の形態やコーティングする手段は問わない。ま
たポリペプチドと上記基剤の混合と、基剤によるコーテ
ィング若しくは基剤で作製した殻中への封入とを併用す
る様な形態であってもよい。
【0017】本発明の生理活性ポリペプチド含有大腸崩
壊経口製剤は、上記生理活性ポリペプチド含有製剤の外
層をアルカリ溶解性材料で保護したものであるが、この
様な材料としては、メタアクリル酸コポリマー[例えば
オイドラギットLやオイドラギットS(いずれも登録商
標、樋口商会)]が好ましい。尚、上記材料は疎水性で
あることが好ましく、疎水性であれば、内層のキトサン
が水分によって膨張するのを防ぐことができる。また生
理活性ポリペプチド含有製剤の外層を上記材料で保護す
る形態については特に限定されるものではなく、例え
ば、前記外層を上記材料でコーティングしたり、或は上
記材料で作製したカプセル殻中に封入したりする等、各
種の形態がある。
【0018】本発明の生理活性ポリペプチド含有大腸崩
壊経口製剤中に含有される生理活性ポリペプチドはあら
ゆるものを含み得るが、比較的低分子量のポリペプチド
であることが好ましい。この様なポリペプチドとして
は、インスリン、アンギオテンシン、バソプレシン、デ
スモプレシン、LH−RH(黄体形成ホルモン放出ホル
モン)、ソマトスタチン、カルシトニン、グルカゴン、
オキシトシン、ガストリン、ソマトメジン、セクレチ
ン、h−ANP(ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチ
ド)、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、MSH(黒
色素胞刺激ホルモン)、β−エンドルフィン、ムラミル
ジペプチド、エンケファリン、ニューロテンシン、ボン
ベシン、VIP(血管作用性腸ペプチド)、CCK−8
(コレシストキニン−8)、PTH(副甲状腺ホルモ
ン)、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)、
TRH(チロトロピン放出ホルモン)、エンドセリンお
よびこれらの誘導体等が挙げられる。
【0019】上記ポリペプチドには、天然のポリペプチ
ドのみならず、薬理学的に活性な誘導体およびこれらの
類似体も含まれる。従って、たとえば本発明で対象とす
るカルシトニンには、サケカルシトニン、ヒトカルシト
ニン、ブタカルシトニン、ウナギカルシトニンおよびニ
ワトリカルシトニンなどの天然に存在する生成物のみな
らず、[Asul,7]−ウナギカルシトニン(エルカトニ
ン)のような類似体も含まれる。
【0020】本発明の生理活性ポリペプチド含有大腸崩
壊経口製剤を調製するに当たっては、ポリペプチドおよ
び吸収促進剤を、担体または希釈剤としての精製水、若
しくは生理食塩水やバッファー溶液中に溶解し、該溶液
に結合剤等を添加して固形剤とした後各種剤型に適合さ
せる様に調整することにより行う。このとき製剤の剤形
としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、
散剤等の各種のものが含まれる。
【0021】本発明の製剤を調製するに当たっては、必
要によっては動物性または植物性タンパク質を含有させ
る様にしてもよい。上記各タンパク質は、必須不可欠の
成分というのではなく、生理学的に活性なポリペプチド
またはその誘導体が微量の場合にポリペプチドの安定剤
として使用される。ポリペプチドの安定性については、
当業者によく知られており、例えばエルカトニンは、水
溶液中での安定性を向上させるべく修飾したウナギカル
シトニンである。安定化を図る意味でのタンパク質の添
加は本質的なものではない。一方、天然のウナギカルシ
トニンの水溶液中での安定性は、エルカトニンほどでは
ないが、酸性溶液中では安定である。従ってポリペプチ
ドの使用状況に考慮を払いながら、その安定性を維持す
るために製剤中に動物性または植物性のタンパク質を配
合することが推奨される。その他のポリペプチドおよび
ポリペプチド誘導体は不安定であるが、これらについて
は特定のポリペプチドの安定性について記載した標準的
な教科書や製造業者の仕様書を参照することができる。
【0022】本発明で併用することのある前記安定性向
上用のタンパク質は、医薬として既に用いられているも
のの中から選択するのが好ましい。尚、動物性タンパク
質を使用する場合の好ましい例としては、アルブミン
(たとえばウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン
等)、カゼインおよびゼラチン等が挙げられ、中でもア
ルブミンが特に好ましい。また、植物性タンパク質の例
としては、グルテン、ゼイン、大豆タンパク質などが挙
げられる。動物性タンパク質または植物性タンパク質は
夫々単独で用いることもできるし、動物性タンパク質と
植物性タンパク質を適当な割合で組合わせて用いること
もできる。
【0023】動物性タンパク質や植物性タンパク質を使
用する場合の量は、安定化しようとするポリペプチドの
種類にもよるが、ポリペプチドの安定性を維持するのに
充分な量とする必要があり、一般的に約0.001 〜25%
(w/v%)の範囲である。
【0024】本発明の製剤におけるpHは、生理学的に
活性なポリペプチドおよび吸収促進剤、並びに必要に応
じて添加される動物性タンパク質や植物性タンパク質等
を、精製水または生理食塩水またはバッファー溶液中に
溶解した後、若しくはそれに先立って該溶液のpHを3
〜7、好ましくは5〜7の範囲に調節する。pHを調節
するのに用いる薬剤は、ヒトに対して毒性がなく刺激を
起こすことのない公知の酸または塩基であればよく、そ
の好ましい例としては、酢酸やクエン酸のような有機
酸、および炭酸水素ナトリウムや酢酸ナトリウムのよう
な弱塩基が挙げられる。
【0025】カプセル剤を調製するには、生理学的に活
性なペプチドおよび吸収促進剤を含有する製剤を、少な
くともキトサン若しくはキトサン−セルロース系基剤を
混合および/若しくはコーティングして調製し、この製
剤をアルカリ溶解性の各種カプセル殻中に封入するか、
あるいはまた、生理活性ペプチドおよび吸収促進剤を含
有する製剤(キトサン若しくはキトサン−セルロース系
基剤を含んでいてもよい)を、キトサン若しくはキトサ
ン−セルロース系基剤で作製されたカプセル殻中に封入
し、該カプセル外層とアルカリ溶解性の各種材料でコー
ティングすればよい。また錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤
または散剤を調製するには、生理学的に活性なペプチド
および吸収促進剤を含有する液状調製物、並びに上記キ
トサン若しくはキトサン−セルロース系基剤を、賦形
剤、結合剤等の適当な添加剤とともに充分に混合し、乾
燥させ、必要なら滑沢剤等の他の添加剤を加え、最終の
混合物を打錠機により打錠して錠剤や丸剤にするか粉砕
して散剤にしたり、或は更に顆粒剤や細粒剤に調製し、
その外層をアルカリ溶解性材料でコーティングする。或
はまた、キトサン若しくはキトサン−セルロース系基剤
を含有しない錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤または散剤を
上記の手順で調製し、その表面をキトサン若しくはキト
サン−セルロース系基剤でコーティングし、更にその外
層をアルカリ溶解性材料でコーティングする。
【0026】本発明に係る大腸崩壊性経口製剤の特性お
よび外観を向上させるために、添加剤、着色剤、等張剤
および酸化防止剤の1種または2種以上を添加してもよ
い。例えば、デンプン、デキストリン、マンニトール、
シクロデキストリンおよびトラガカント等の添加剤、β
−カロチン、レッドカラーNo.2およびブルーカラーNo.1
等の着色剤、塩化ナトリウムおよびグルコース等の等張
剤、時としてアスコルビン酸およびエリソルビン酸並び
にそれらの塩またはエステル等の酸化防止剤を使用する
ことができる[「レミングトンズ・ファーマシューティ
カル・サイエンシズ(Remington's Pharmaceutical Scie
nces) 」第17版、1985、アルフォンソ・アール・ゲンナ
ッロ(Alfonso R. Gennaro)編、マック・パブリッシング
・カンパニー(Mack Publishing Company) 、イースト
ン、ペンシルバニア18042 参照]。
【0027】本発明の大腸崩壊性経口製剤を経口投与す
ると、製剤は未崩壊のまま大腸まで到達してそこで崩壊
し、ポリペプチドは大腸の粘膜を通して有効に吸収さ
れ、その特徴的な生理学的活性を示す。適当な場合に
は、一層の安定性を確保する目的で、製剤を冷所に貯蔵
することもあり得る。また、本発明で用いる吸収促進剤
は、腸粘膜に対して低刺激性である。 (実験例)本発明者らは、10週齢の雄性ウイスター系
ラット(体重約250g )を用い、ポリペプチドの各種
部位における吸収を調査した。
【0028】ブタカルシトニン40IU(カルシター
ル,山之内製薬株式会社製)を、2%ノニデットP−4
0、1%カプリン酸ナトリウムおよび0.3 %牛血清アル
ブミンを含む0.1 M酢酸/酢酸ナトリウム緩衝溶液(p
H5.0 )に溶解して、カルシトニン溶液を得、これを被
験液とした。
【0029】次に下記の手順に従い、ラットの近位結
腸、遠位結腸、小腸の上部,中部,下部および盲腸に被
験液をブタカルシトニン5IU/Kg体重となる様に投与
し、投与2時間後の血清Ca値の変化を調査した。
【0030】(操作手順) (I)24時間絶食 (II)ネンブタール麻酔(腹腔内:0.1ml/100g体重) 尚追加麻酔は筋肉内で行なった。 (III)in situ Closed Loop の作製 (IV)右外頚静脈より採血(投与前) (V)被験液の投与(0.1ml/100g体重) (VI)投与2時間後に採血 (VII)血清分離 (VIII) 血清のCa濃度をカルシウムCテストキット
(和光純薬)を用いて測定。
【0031】その結果は表1に示すが、カルシトニンの
結腸投与での吸収は、他の腸管即ち小腸や盲腸への投与
に比べ、明らかに効果的であることが分かる。またこの
とき、回盲部での吸収はほとんど認められなかった。
【0032】
【表1】
【0033】次に本発明の製剤例を示す。 製剤例1 ポリオキシエチレン(9) オクチルフェニルエーテル[シ
グマ社製,ノニデットP−40(登録商標)]400mg およ
びカプリン酸ナトリウム200mg を水2gに溶解し、この溶
液にブタカルシトニン1000IU(カルシタール,山之内
製薬株式会社製)を溶解し、385IUのカルシトニン
水溶液とした。
【0034】次いで上記カルシトニン水溶液に、下記組
成物と、全量の10%になるように酢酸で溶解したキト
サンを添加して混合した。 (組成物) 乳糖 20重量% ヒドロキシプロピルメチル セルロースフタレート 50重量% コーンスターチ 10重量% ヒドロキシプロピルセルロース 20重量%
【0035】引き続き造粒機で造粒した後、真空乾燥
し、打錠して20mg/個の錠剤とした。尚、この錠剤
は、1錠当たり1IUのカルシトニンを含んでいるもの
であった。
【0036】更に上記錠剤をコーティングし、製剤10
0g 当たり10g の被膜を形成したカルシトニン製剤を
得た。尚、コーティング液の組成は下記の通りである。 (コーティング液の組成) オイドラギットS 5 容量部 (登録商標) エタノール 100 容量部 ヒマシ油 1 容量部
【0037】製剤例2 製剤例1に示したカルシトニン水溶液に、下記組成物を
添加して混合した。 (組成物) 乳糖 30 重量% 結晶セルロース 15 重量% ヒドロキシプロピルメチル セルロースフタレート 35 重量% アルギン酸ナトリウム 20 重量%
【0038】次いで造粒し、引き続き10%塩化カルシ
ウム液でコーティングした後真空乾燥し、分級して直径
1mmの円筒状の顆粒剤を得た。これらの顆粒剤(無コー
ティング)をカプセルに封入し、カプセル剤とした。
尚、このとき用いたカプセルは、キトサンを直径約2.5
mm,皮膜0.05〜0.15mmの小型カプセル状に形成したもの
である。このカプセル剤を、製剤例1で用いたコーティ
ング剤を用いてカプセル表面をコーティングした。
【0039】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0040】
【実施例】実施例1 表2に示す組成に、酢酸で溶解した10%キトサンを添
加し、インスリン製剤を作製した。この製剤をラットに
結腸内投与し、血糖値の経時変化を調査した。尚、操作
手順は下記の通りであり、また血糖値はグルコースC−
テストキット(和光純薬)にて測定した。その結果を表
3に示す。
【0041】
【表2】インスリン製剤の組成
【0042】(操作手順) (I)ネンブタール麻酔 (II)右外頚静脈より採血(0時間目) (III)開腹 (IV)Closed Loop の作製(結腸上部) (V)製剤の投与(20mg/匹) (VI)縫合 (VII)経時的に採血(0.5,1,2,4 時間目) (VIII) 血清分離 (IX)血糖値測定
【0043】
【表3】
【0044】次いで、インスリン製剤投与12時間後の
ラットについて、下記の操作手順に従い大腸表面を観察
した。 (操作手順) (I)エーテル麻酔 (II)開腸,結腸の摘出 (III)ホルマリン固定 (IV)パラフィン包埋 (V)薄切 (VI)ヘマトキシリン−エオジン染色 (VII)光学顕微鏡にて観察
【0045】その結果は表4に示すが、粘膜上皮細胞の
変性,壊死および異形や配列の乱れは認められなかっ
た。また粘膜上皮細胞周辺に血液細胞の浸潤も認められ
なかった。これらのことから、本発明の製剤は大腸の粘
膜に何ら影響を与えないことがわかった。
【0046】
【表4】
【0047】実施例2 実施例1で作製したインスリン製剤の腸内細菌に対する
影響を調査した。尚、使用菌種および方法は下記の通り
である。
【0048】(1) 使用菌種(ヒト大腸における優先菌
種) (a) Bacteroides vulgatus IFO 14291 (b) Eubacterium aerofaciens RIMD 050001 (c) Bifidobacterium adolescentis JCM 1275
【0049】(2) 方法 上記各菌はGam寒天培地を用い、37℃にて48時間
嫌気培養した。培養後、集菌し、システィン・チオグリ
コール酸を添加した生理食塩水培地(0.85%,NaCl)に
懸濁した。この懸濁液に上記インスリン製剤を添加し、
37℃にて嫌気条件下で振とうしながら反応させた。そ
の後一定量の反応液をサンプリングし、Gam寒天培地
に植菌し、嫌気培養を行なって菌の生育状態を観察し
た。その結果を表5に示すが、本発明の製剤は腸内細菌
の生育に何ら影響を及ぼさないことがわかる。
【0050】
【表5】
【0051】実施例3 表6に示す組成に、酢酸(濃度:0.35%)で溶解した1
0%キトサンを添加し、カルシトニン製剤を作製した。
この製剤に各種コーティングを施し、これをラットに経
口投与し(カニューレを用いて胃内投与)、軟X線透視
によってカルシトニン製剤の崩壊位置を調査すると共
に、血清中のCa濃度および血清中のヒトカルシトニン
濃度を測定した。尚、操作手順および用いたコーティン
グ剤は下記の通りであり、軟X線透視用マーカーとして
は鉛粉(200メッシュ)を用いこれを製剤中に添加し
た。
【0052】
【表6】
【0053】(操作手順) (I)エーテル麻酔,採血 (II)カニューレを用いて製剤を胃内投与 (III)カロリーメイト(商品名)2mlを投与 (IV)経時的に採血(4,6, 12 時間目),軟X線写真撮
影 (V)血清分離 (VI)血清中のCa濃度およびヒトカルシトニン濃度測
【0054】(コーティング剤組成) コーティング剤A オイドラギットL 5容量部 エタノール 100容量部 ヒマシ油 1容量部 コーティング剤B オイドラギットS 5容量部 エタノール 100容量部 ヒマシ油 1容量部
【0055】軽X線撮影により、時間的な固体差がある
にしても、カルシトニン製剤は、いずれも大腸で崩壊す
るのを確認した。
【0056】一方、血清中のCa濃度減少率は、表7に
夫々示す通りであった。尚表7の数値は夫々3匹のラッ
トについて行なったときの平均値である。
【0057】
【表7】
【0058】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、吸収
部位として最適な大腸で崩壊できる様な製剤が得られ、
この様な製剤は経口投与用として最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/28 A61K 37/30 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 38/00 A61K 9/28 A61K 9/52 A61K 47/36 A61K 38/23 A61K 38/28 BIOTECHABS(STN) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理学的に活性なポリペプチドを含む経
    口投与製剤を大腸で崩壊させる為の大腸崩壊性経口製剤
    であって、少なくともキトサン若しくはキトサン−セル
    ロース系の酸溶解・微生物分解性基剤、生理活性ポリペ
    プチド、および非イオン性界面活性剤と中鎖脂肪族カル
    ボン酸若しくははそのアルカリ金属塩との組合せよりな
    る吸収促進剤を用いて作製した生理活性ポリペプチド含
    有製剤の外層を、アルカリ溶解性材料で保護したもので
    あることを特徴とする生理活性ポリペプチド含有大腸崩
    壊経口製剤。
  2. 【請求項2】 非イオン性界面活性剤が、ソルビタン脂
    肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、
    ポリオキシアルキレン高級アルコールエーテルおよびポ
    リオキシアルキルフェニルエーテルよりなる群から選択
    される1種以上のものである請求項1に記載の生理活性
    ポリペプチド含有大腸崩壊経口製剤。
  3. 【請求項3】 中鎖脂肪族カルボン酸が、カプロン酸、
    カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸お
    よびパルミチン酸よりなる群から選択される1種以上の
    ものである請求項1または2に記載の生理活性ポリペプ
    チド含有大腸崩壊経口製剤。
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