JP2916193B2 - ラミネート紙およびその製法 - Google Patents

ラミネート紙およびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は紙表面にポリビニルアルコール系樹脂からな
る層を有する非水分散性のラミネート紙およびその製法
に関する。
B.従来の技術 従来、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を水溶液
の状態で紙に塗布した後、乾燥することにより、再湿接
着テープとして使用したり、紙のバリヤー性とかインク
の浸透性をコントロールすることが行なわれていた。し
かし、紙にポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を水溶
性の状態で塗布することにより、紙のバリヤー性とかイ
ンクの浸透性をコントロールする方法は、紙の空隙率が
大きく、浸透性が大きい紙の場合には、バリヤー性被膜
が形成されにくく、良好な紙を安定に製造することがで
きない。さらに、水溶性樹脂を水溶液の状態で塗布した
場合には、その水分を蒸発させるためのエネルギーコス
トがかかることも問題となる。
従来、紙にバリヤー性を付与するためには、ポリエチ
レン等の溶融押出ラミネートが行なわれている。しか
し、ポリエチレンと紙とは接着性が小さいため、300℃
前後のポリエチレンの酸化反応をともなうような高温で
押出する必要があり、作業性および条件コントロールと
もに難しい。
また、本発明者等は、水溶性あるいは水分散性とホツ
トメルト性を兼ね備えたポリビニルアルコール系樹脂を
紙に対して溶融押出ラミネートする方法を用いれば、水
を使う事なく、効率的に紙と樹脂の積層物を生産するこ
とができ、その積層物が良好なバリヤー性とかインクや
溶剤などの浸透防止性を有することを見い出し、特許出
願(特願平1−9265号)を行なつている。さらに、ポリ
ビニルアルコール系樹脂の融点が可塑剤の添加によつて
低下することを利用して、特殊な溶解、混練および脱泡
機構を持つた押出機を用いて、紙に対して溶融押出ラミ
ネートする方法も用いられている。しかし、通常の重
合、けん化方法で得られたポリビニルアルコール系樹脂
を使用して紙に対して溶融押出ラミネートする場合、押
出ダイからニツプロールと冷却ロールの間までの部分
で、押出された溶融ポリビニルアルコール系樹脂のウエ
ブの横幅が収縮するいわゆるネツキング現象が顕著に発
生し、ウエブの両端のいわゆるミミ部分をカツトオフし
た上で紙にラミネートする必要があり、改善が望まれて
いた。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、上記の問題点の全くないポリビニルアルコ
ール系樹脂からなる層を有する非水分散性のラミネート
紙およびその製法を提供することにある。
D.課題を解決するための手段 本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、可塑剤の添加、
けん化度の低下、あるいは他のモノマー成分と共重合に
より、融点を低下させた重合平均分子量()と数平
均分子量()の比(w/)を2.8以上のポリビ
ニルアルコール系樹脂を紙に対して溶融押出ラミネート
することにより、上記の問題点の全くないポリビニルア
ルコール系樹脂からなる層を有する非水分散性のラミネ
ート紙を見い出だし、本発明を完成するに至つた。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂とは、ポリビニ
ルアルコールの加水分解あるいはアルコリシスにより製
造される。
本発明におけるポリビニルエステルとはビニルエステ
ルの単独重合体、種類が異なるビニルエステル相互の共
重合体、およびビニルエステルと他のエチレン性モノマ
ーとの共重合体が含まれる。ビニルエステルとしては炭
素数1〜25の脂肪酸のビニルエステルが好ましく、炭素
数1〜20の脂肪酸のビニルエステルがさらに好ましく、
そのなかでもポリ酢酸ビニルが特に好ましい。
本発明で使用するポリビニルアルコール系樹脂は、溶
融押出製膜する際に、押出ダイから冷却ロールの間まで
の部分で、押出された溶融ポリビニルアルコール系樹脂
のウエブの横幅が収縮するいわゆるネツキング現象が起
きにくいポリビニルアルコール系樹脂でなければならな
い。このような特性をポリビニルアルコール系樹脂に付
与するためには、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度
分布が広くなることが必要であり、その効果を発揮する
重合度分布としては重量平均分子量()と数平均分
子量()の比(w/)が2.8以上、好ましくは
3.0以上、さらに好ましくは3.3以上である。
一般に市販されている重合度4000以下のポリビニルア
ルコール系樹脂は、それが溶液重合方法で得られた物で
あれ、けん濁重合またはエマルジヨン重合で得られた物
であれ、そのw/は2.8未満となり、2.8を越えるこ
とがない。
このように重合度分布が狭いポリビニルアルコール系
樹脂を使用すると、押出ダイから紙と接触するまでの部
分で、押出された溶融ポリビニルアルコール系樹脂のウ
エブの横幅が収縮するいわゆるネツキング現象が顕著に
発生し、ウエブの両端のいわゆるミミ部分をカツトオフ
しなければならない範囲が大きくなり、そのための製品
ロスが大きく、効果的な生産方法とは言い難くなる。そ
れに対して、本発明のw/が2.8以上のポリビニル
アルコール系樹脂の場合には、溶融押出時にネツキング
現象が起きにくい。
本発明でいうような重合度分布が広いポリビニルアル
コール系樹脂の製造法としては、予め異なる重合度とな
るように別々に重合したポリビニルエステルをブレンド
した後にけん化する方法、予め異なる重合度となるよう
に別々に重合したポリビニルエステルを別々にけん化し
た後にブレンドする方法、ポリビニルエステルを複数の
重合槽を用いた多段式連続重合において、後段の重合槽
中のポリビニルエステル溶液を前段の重合槽に一部フイ
ードバックし、得られたポリビニルエステルをけん化す
る方法等があげられる。
本発明で使用するポリビニルアルコール系樹脂は、溶
融押出製膜するため、その溶融特性が溶融押出製膜しや
すいものである事が必要である。その観点から、より適
したポリビニルアルコール系樹脂の範囲としては、その
溶融粘度から分子中のポリビニルアルコール部分が全体
の20〜90モル%であり、さらに好ましくは40〜80モル%
であり、かつ、その粘度平均重合度が50以上4000以下で
あり、さらに好ましくは50以上2000以下であり、100以
上1000以下が特により好ましい。
本発明で使用できる可塑剤としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、分子量1000以下のポリ
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、プロピレングリコール等のグリ
コール類、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3−ブ
タンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパ
ン、ジグリセリン、3−メチル−1,3,5−ペンタントリ
オール、少量(20%以下)の水等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
これらの可塑剤のうち、特に好ましいものとして、グ
リセリン、エチレングリコール等が挙げられる。
これらの可塑剤の添加量としては、ポリビニルアルコ
ール系樹脂100部に対して50部以下、好ましくは30部以
下、さらに好ましくは15部以下である。
これらの可塑剤の添加効果を挙げると、たとえばけん
化度が90モル%で融点が200℃であり融点製膜が困難な
ポリビニルアルコールでもグリセリンをポリビニルアル
コール100部に対し20部添加すると、その融点が180℃以
下となり、溶融製膜できるようになる。
本発明で使用するポリビニルアルコール系樹脂は、他
のモノマーと共重合を行なつても良く、また、連鎖移動
剤を使用してポリマー末端を修飾したものも使用でき
る。ビニルエステルと共重合するエチレン性モノマーと
してはビニルエステルと共重合可能なものであれば特に
制限はなく、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテ
ン、イソブテン、1−ヘキサデセン等のα−オレフイン
類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等
のハロゲン含有単量体、(メタ)アクリル酸、フマル
酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸等のカルボン酸含有単量体およびその塩、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル類、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、クロ
トン酸ジメチル等のエステル類、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ラ
ウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、ビニルスルホン酸、アリルスルホン
酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有の単量
体およびその塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−t−ブトキシ(メタ)アクリルア
ミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−
ビニルピロリドン等のアミド基含有の単量体、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有
の単量体、(メタ)アクリルアミド−プロピル−トリメ
チルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩含有
の単量体、ビニルヒドロキシシラン、(メタ)アクリル
酸3−トリメトキシシリルプロピル等のシリル基含有の
単量体、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコー
ル、イソプロペニルアルコール等の水酸基含有の単量
体、アリルアセテート、ジメチルアリルアセテート、イ
ソプロペニルアセテート等のアセチル基含有の単量体等
があげられる。
共重合の効果を挙げると、たとえばN−ビニルピロリ
ドンを10モル%共重合したポリビニルアルコール系樹脂
は、ポリ酢酸ビニル部分のけん化度が99モル%でもその
融点が180℃以下となり、可塑剤を添加しなくとも融点
製膜できるようになる。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂を紙に溶融抽出
ラミネートを行なう場合、紙との接着力が大きいのでポ
リエチレンを用いた時のような高温は必要なく、高くと
も200℃前後の押出温度にて溶融押出ラミネートを行な
うことが出来る。
本発明で使用する融点押出ラミネート機は、ラミネー
トされる樹脂を1軸あるいは2軸以上の複数のスクリユ
ーを有する押出機にTダイを取りつけ、押出機中で溶融
させた樹脂をTダイよりウエブとして押出し、ニツプロ
ールと冷却ロールの間で紙と圧着し、ラミネート物を製
造する装置である。
Tダイの幅、形状およびTダイから冷却ロールまでの
エアーギヤツプについては特に限定されるものではな
い。
本発明で使用されるポリビニルアルコール系樹脂の形
状としては、ペレツト、チツプ、フレークおよび粉砕さ
れた粒子状等が挙げられるが、溶融押出ラミネート機に
仕込む際に噛み込み不良等のトラブルが生じなければ、
これらの形状以外のものを使用しても問題とはならな
い。
また、本発明に使用するポリビニルアルコール系樹脂
には、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、
着色剤、熱安定化剤等を加えることも出来る。
また、他の高分子化合物も、本発明の作用効果が阻害
されない程度にブレンドすることができる。
本発明においてラミネートされる紙としては、非水分
散性の紙であれば特に制限はない。
一方、非水分散性の紙としては、一般にバリヤー紙あ
るいはラミネート紙に用いられる物であれば使用可能で
あり、たとえば上質紙、中質紙、下級紙、グラビア紙、
アート紙、コート紙等があげられる。またラミネートす
る紙の反対側がコートされていたり、印刷されていた
り、塩化ビニールなどのプラスチツクシートでラミネー
トされていてもよい。またビニロンおよびアクリル等の
合成紙とか不織布も含まれる。非水分散性の紙に本発明
のポリビニルアルコール系樹脂をラミネートした場合に
は、得られたラミネート紙はインクや溶剤などの浸透防
止性とかバリヤー性を有し、かつ非水分散性のものが得
られる。この場合には再湿接着性を有するシート状テー
プ、印刷用紙および包装紙等として有用である。
E.実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例によつて何ら限定されるもので
はない。
本実施例中で部とは重量部を意味し、重合度とは完全
けん化ポリビニルアルコールとしたポリビニルアルコー
ル系樹脂水溶液の極限粘度を測定することによつて得ら
れた粘度平均重合度を意味し、w/とはポリビニル
アルコール系樹脂を再酢化し、得られたポリ酢酸ビニル
についてゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイーを用
いて測定した値を意味する。
実施例1 それぞれ別個に重合された重合度300、w/=2.7
のポリ酢酸ビニル80部と重合度1700、w/=2.7の
ポリ酢酸ビニル20部をメタノール溶液で混合した後、ア
ルカリ触媒を投入してその酢酸ビニル部分の60モル%を
けん化した後、乾燥し、重合度600、w/=3.6のポ
リビニルアルコール系樹脂を得た。
得られたポリビニルアルコール系樹脂をダイリツプ幅
360mmのTダイを取りつけたスクリュー径40mmの1軸押
出機の供給口に供給し、第1ゾーン100℃、第2ゾーン1
60℃、第3ゾーン200℃、ダイ200℃の温度条件でスクリ
ュー回転数80rpmで押出し、エアーギヤツプ9cmを経由し
て予め準備した坪量58.5g/m2の上質紙に速度40m/min、
樹脂厚20μで溶融押出ラミネートした。
溶融押出ラミネート時の運転状況は良好であり、得ら
れたラミネート紙の幅は340mmあり、著しいネツキング
現象は発生しなかつた。また得られたラミネート紙の紙
とポリビニルアルコール系樹脂層との接着力も良好であ
つた。
次に、紙へのポリビニルアルコール系樹脂のラミネー
ト速度を上げていき(紙スピードを上げていき)、トラ
ブルなくラミネート紙を製造することのできる上限のラ
ミネート速度(以下、延展性と略記する)をテストした
ところ、280m/minであつた。
比較例1 w/=2.7のポリ酢酸ビニルをけん化、乾燥し、
重合度600、w/=2.7、けん化度61モル%のポリビ
ニルアルコール系樹脂を得た。得られたポリビニルアル
コール系樹脂を実施例1と同様の方法で予め準備した紙
に速度40m/min、樹脂厚20μで溶融押出ラミネートし
た。
溶融押出ラミネート時に著しいネツキング現象が発生
し、得られたフイルムの幅が270mmとなつたため、厚み
の均等な良好なラミネート紙を得るためにはウエブの両
端のいわゆるミミ部分を大きくカツトオフした上で紙に
ラミネートする必要があり、そのための製品ロスが大き
くなつた。
次に、延展性をテストしたところ、120m/minであつ
た。
実施例2 それぞれ別個に重合された重合度300、w/=2.7
のポリ酢酸ビニル87部と重合度1700、w/=2.7の
ポリ酢酸ビニル13部をメタノール溶液で混合した後、ア
ルカリ触媒を投入して、その酢酸ビニル部分の60モル%
をけん化した後、乾燥し、重合度500、w/=3.3、
けん化度60モル%のポリビニルアルコール系樹脂を得
た。
得られたポリビニルアルコール系樹脂を実施例1と同
様の方法で予め準備した紙に速度40m/min、樹脂厚20μ
で溶融押出ラミネートした。
溶融押出ラミネート時の運転状況は良好であり、得ら
れたラミネート紙の幅は330mmあり、著しいネツキング
現象は発生しなかつた。また得られたラミネート紙の紙
とポリビニルアルコール系樹脂層との接着力も良好であ
つた。
次に、延展性をテストしたところ、250m/minであつ
た。
実施例3 それぞれ別個に重合された0.4モル%アリルスルホン
酸ソーダを共重合した重合度300、w/=2.7のポリ
酢酸ビニル87部と0.4モル%アリルスルホン酸ソーダを
共重合した重合度1700、w/=2.7のポリ酢酸ビニ
ル13部をメタノール溶液で混合した後、けん化、乾燥
し、重合度500、w/=3.3、けん化度62モル%のポ
リビニルアルコール系樹脂を得た。
得られたポリビニルアルコール系樹脂を実施例1と同
様の方法で予め準備した紙に速度40m/min、樹脂厚20μ
で溶融押出ラミネートした。
溶融押出ラミネート時の運転状況は良好であり、得ら
れたラミネート紙の幅は330mmあり、著しいネツキング
現象は発生しなかつた。また、紙とポリビニルアルコー
ル系樹脂との接着力も良好であつた。
次に、延展性をテストしたところ、250m/minであつ
た。
実施例4 N−ビニルピロリドンを4モル%共重合したポリ酢酸
ビニルにアルカリ触媒を投入してその酢酸ビニル部分の
82モル%をけん化した後、乾燥して、得られた重合度50
0、w/=2.7のポリビニルアルコール系樹脂80部と
それと別個に重合されたN−ビニルピロリドンを4モル
%重合したポリ酢酸ビニルにアルカリ触媒を投入してそ
の酢酸ビニル部分の86モル%をけん化した後、乾燥し
て、得られた重合度1700、w/=2.7のポリビニル
アルコール系樹脂20部を混合して重合度940、w/
=3.1、けん化度83モル%のポリビニルアルコール系樹
脂を得た。
このポリビニルアルコール系樹脂100部に対し、グリ
セリン7部を可塑剤として加えた組成物をダイリップ幅
550mmのTダイを取りつけたスクリユー径40mmの1軸押
出機の供給口に供給し、第1ゾーン130℃、第2ゾーン1
80℃、第3ゾーン180℃、ダイ180℃の温度条件でスクリ
ュー回転数80rpmで押出し、エアーギヤツプ6cmを経由し
て予め準備した実施例1と同様の紙に速度30m/min、樹
脂厚20μで溶融押出ラミネトーした。
溶融押出ラミネート時の運転状況は良好であり、得ら
れたラミネート紙の幅は510mmあり、著しいネツキング
現象は発生しなかつた。また得られたラミネート紙の紙
とポリビニルアルコール系樹脂層との接着力も良好であ
つた。
次に、延展性をテストしたところ、180m/minであつ
た。
比較例2 w/=2.7のポリ酢酸ビニルをけん化、乾燥し、
重合度600、w/=2.7、けん化度62モル%のポリビ
ニルアルコール系樹脂を得た。得られたポリビニルアル
コール系樹脂を実施例4と同様の方法で予め準備した紙
に速度30m/min、樹脂厚20μで溶融押出ラミネートし
た。
溶融押出ラミネート時、得られたラミネート紙の幅が
430mmとなり、著しいネツキング現象が発生したため、
厚みの均等な、良好なラミネート紙を得るためにはウエ
ブの両端のいわゆるミミ部分を大きくカツトオフした上
で紙にラミネートする必要があり、そのための製品ロス
が大きくなつた。
次に、延展性をテストしたところ、80m/minであつ
た。
実施例5 それぞれ別個に重合した重合度200、w/=2.6の
ポリ酢酸ビニル86部と重合度4000、w/=2.6のポ
リ酢酸ビニル14部をメタノール溶液混合した後、アルカ
リ触媒を投入してその酢酸ビニル部分の60モル%をけん
化した後、乾燥し、重合度500、w/=8、けん化
度55モル%のポリビニルアルコール系樹脂を得た。得ら
れたポリビニルアルコール系樹脂をダイリツプ幅360mm
のTダイを取りつけたスクリユー径40mmの1軸押出機の
供給口に供給し、第1ゾーン100℃、第2ゾーン160℃、
第3ゾーン200℃、ダイ200℃の温度条件でスクリュー回
転数80rpmで押し出し、エアーギヤツプ6cmを経由して予
め準備した実施例1と同様の紙に速度40m/min、樹脂厚2
0μで溶融押出ラミネートした。
溶融押出ラミネート時の運転状況は良好であり、得ら
れたラミネート紙の幅は345mmであり、著しいネツキン
グ現象は発生しなかつた。また得られたラミネート紙の
紙とポリビニルアルコール系樹脂層との接着力も良好で
あつた。
次に、延展性をテストしたところ、320m/minであつ
た。
実施例1〜5および比較例1〜2における溶融押出ラ
ミネート時のネツキング性および延展性についてまとめ
た結果を表1に示す。
1)ネツキング性 ○:ラミネートされた幅がダイリツプ幅の90%より広
い。
△:ラミネートされた幅がダイリツプ幅の90%以下80
%以上。
×:ラミネートされた幅がダイリツプ幅の80%より狭
い。
2)延展性 紙へのポリビニルアルコール系樹脂のラミネート速度
を上げていき(紙スピードを上げていき)、トラブルな
く、ラミネート紙を製造することのできる上限のラミネ
ート速度。
F.発明の効果 本発明によれば、ポリビニルアルコール系樹脂を溶融
押出ラミネートする際のネツキング現象を小さく押える
ことが可能で、その結果カツトオフされるミミ部分を少
なくしたり、もしくはカツトオフすることなく、紙表面
に集中的にポリビニルアルコール系樹脂からなる層を有
するインクの浸透防止性およびバリヤー性等の優れたポ
リビニルアルコール系樹脂ラミネート紙が得られる。
本発明のラミネート紙は、従来のラミネート紙と比較
して、インクの浸透防止性、バリヤー性、延展性、紙と
ポリビニルアルコール系樹脂層との接着性等が著しく優
れており、非水分散性のラミネート紙として工業的価値
が極めて高いものである。
本発明のラミネート紙の具体的な用途としては、再湿
接着性を有するシート状テープ、印刷物用紙、紙構造
物、包装紙および熱転写紙等が挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−45896(JP,A) 特開 平1−239190(JP,A) 特開 平2−14100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量()と数平均分子量
    )の比(w/)が2.8以上のポリビニルアル
    コール系樹脂からなる層を有する非水分散性のラミネー
    ト紙。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリビニルアルコール系樹
    脂を紙に溶融押出ラミネートすることを特徴とする請求
    項1記載のラミネート紙の製法。
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