JP2916120B2 - 短波海洋レーダ観測装置 - Google Patents

短波海洋レーダ観測装置

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JP2916120B2
JP2916120B2 JP9246411A JP24641197A JP2916120B2 JP 2916120 B2 JP2916120 B2 JP 2916120B2 JP 9246411 A JP9246411 A JP 9246411A JP 24641197 A JP24641197 A JP 24641197A JP 2916120 B2 JP2916120 B2 JP 2916120B2
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正幸 徳田
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Nagano Nihon Musen KK
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Kokusai Kogyo Co Ltd
Nagano Nihon Musen KK
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    • Y02A90/10Information and communication technologies [ICT] supporting adaptation to climate change, e.g. for weather forecasting or climate simulation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、観測海域にアンテナを
向けレーダ波を照射してエコーを受信し、エコー強度の
時系列からドップラスペクトルを求めて海象情報を抽出
するブラッグ共鳴散乱機構を利用した短波海洋レーダ観
測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】海象現象変動において、水位変動の波動
は、20秒以下の周期の波浪、10分オーダーの周期の
津波、12時間及び24時間程度の周期の潮汐がある。
流速変動には、前記した水位変動による流れの変動の他
に、吹走流と沿岸流があるが、これらは前記の水位変動
のような、固有的な周期を持たない変動性を有する。沿
岸流は、発生原因が明確な潮流と吹走流を除く、沿岸域
で発達する流れを意味する。よって、この流れは、主に
外洋で発達した流れの分流、例えば海流の分流と考えら
れる。
【0003】前記した流れの海象情報を面的に効率よく
観測できる測器としてブラッグ共鳴散乱機構を利用した
短波海洋レーダ観測装置が提案(「超短波を利用した
「海洋観測レーダ(Sea Watcher)」の流れ
観測装置の開発」EMC 1997.7.5 No.1
11 p31−39)されている。この装置によると、
海の流れと波浪情報を準実時間で面的に安定した精度で
遠隔観測が可能である。図6は観測原理を説明するため
のレーダ波と波浪成分波のブラッグ共鳴散乱の模式図、
図7はドップラスペクトルの特徴を説明するための図、
図8は波浪成分波の方向スペクトルとドップラスペクト
ルの2つのピークスペクトルの関係を説明するための図
である。
【0004】まず、短波海洋レーダ観測装置による観測
原理を説明する。観測原理は、前記のようにブラッグ共
鳴後方散乱機構に基づくものであり、図6に模式的に示
すようにレーダ波をその1/2波長の波浪成分波にブラ
ッグ共鳴させ、この波浪成分波からのエコーを受信する
ことによって、海の流れと波浪情報を観測するものであ
る。ブラッグ共鳴条件は、アンテナ入射角ゼロに対して
次の式となる。
【0005】
【数1】レーダ波の波長λ=2×波浪成分波の波長λW 短波海洋レーダ観測装置においてレーダ局より観測した
い海域にアンテナを向け、レーダ波を照射することによ
り受信されるエコーは、レーダの空間分解能内にある、
式〔数1〕の共鳴条件を満たす波浪成分波による後方散
乱エコーである。このエコーのドラッグスペクトルは、
図7に示すように第1次散乱と第2次散乱のスペクトル
によって構成される。これらのうち、前者は、式〔数
1〕を満たす波浪成分波(以下、1次波浪成分波とい
う)による1次オーダーのエコーであり、後者は、2つ
の波浪成分波が互いに干渉してできた、かつ式〔数1〕
を満たす波浪成分波(以下、2次波浪成分波という)に
よる2次オーダーのエコーである。海象情報の中の流れ
の情報は、第1次散乱スペクトルのみの解析によって得
られ、波浪情報は、第1次散乱スペクトルと第2次散乱
スペクトルの解析によって得られる。
【0006】流れ情報アルゴリズムは、前記のように第
1次散乱スペクトルに基づくものであり、流れ情報は、
このピークの周波数情報で決定されるものである。な
お、第1次散乱スペクトルピークは、図7に示すように
2つあり、それぞれはプラス周波数領域とマイナス周波
数領域にある。これは、次のような理由からである。
【0007】すなわち、図8に模式的に示すように海の
波浪スペクトルは、あらゆる方位に分布する特性を有し
ているので、式〔数1〕を満たす波浪成分波の方向スペ
クトルもあらゆる方向に分布している。ある方位にアン
テナを固定して観測すると、必ず2つの共鳴スペクトル
ピーク周波数が観測されることになる。これらの波は、
レーダアンテナに向かってくる波浪成分波と遠ざかる波
浪成分波である。これらのドップラピーク周波数は、共
鳴した波浪成分波の波形の移動速度のアンテナのビーム
方向の流れ成分で決まる。もし、表層に流れがあれば、
その波浪成分波の波形の移動速度は、位相速度+表層流
の速度となる。その波の位相速度CW は波長λW が決ま
れば、流体理論より次の式で与えられる。
【0008】
【数2】CW =√(2πg/λW ) ここで、πは円周率で、gは重力加速度である。これに
対するドップラ周波数をFdoとおくと、表層流の評価式
は次の式となる。
【0009】
【数3】流速(cm/s)={光速×(Fd ±Fdo)}/{2
×レーダ周波数(Hz) } 上式〔数3〕での±は、Fd <0の時+をとり、Fd ≧
0の時−をとるものとする。Fd からFdoを引くこと
は、波浪成分波の位相速度を取り除き、表層流分(Fd
±Fdo)を得ることになる。
【0010】流れの計算を具体的に説明する。はじめ
に、ドップラ周波数Fdoを求める。レーダ周波数からレ
ーダ波長が容易に計算されるので、共鳴条件式〔数1〕
から、ブラッグ共鳴する波浪成分波の波長λW が得られ
る。この波長λW を式〔数2〕に代入すると、位相速度
W が得られる。この速度のドップラ周波数は、式〔数
3〕において、ドップラ周波数Fdo=0として、流速に
W を代入すれば、Fd=Fdoとして求めることができ
る。
【0011】次にドップラスペクトルピーク周波数Fd
からの流速計算を説明する。これは式〔数3〕から容易
に計算できる。すなわち、観測されたドップラスペクト
ル分布からピーク周波数Fd が得られる。これを式〔数
3〕に代入すれば、流速値が得られる。
【0012】ここで注意すべきことは、第1に前記の流
れは、アンテナの視線方向の流れであり、正の値はアン
テナに向かってくる流れ、負の値は遠ざかる流れとなる
ことである。よって、表層流の流れベクトルを観測する
ためには、アンテナの方位が異なる、少なくとも2台の
レーダによる同時観測を必要とすることである。第2
に、前記のようにドップラ周波数のプラスとマイナスの
領域から、それぞれ流れの情報が得られることである。
正常なドップラスペクトル(外部及び内部ノイズが受信
エコーに比べて十分小さいこと)であれば、式〔数3〕
から同一の流れの値が得られる。一方、これらスペクト
ルピーク値は、波浪の方向スペクトルに比例する。よっ
て、図8に示すようにこれらのピーク値は、波浪の方向
スペクトル分布と類似した値をもつために、必ずしも等
しくならず、いずれかが大きい場合が多い。このような
ことから、外部ノイズの混入した場合、特に小さいスペ
クトルピークはノイズで埋もれる危険性があることであ
る。このような状況から、2つのピーク周波数から流速
を求める方法として、2つの流速の平均値とする方法
と、常に大きいスペクトルピーク値を持つピーク周波数
の流速値とする方法が採られてきた。
【0013】以上が従来行われてきた短波海洋レーダ観
測装置による海象観測のアルゴリズムの概要と、流れの
アルゴリズムについての詳細である。これらについての
文献としては、例えば前者では梅原等の論文(「短波海
洋レーダ 5.海洋レーダのデータ処理」通信総合研究
所季報 Vol.37 No.3 June 1991
pp383−391)があり、後者では大野等の論文
(「短波海洋レーダを用いた海流観測」海洋調査技術
第1巻 第2号 1989年9月 p55−60)があ
る。
【0014】図9は従来の短波海洋レーダ観測装置を説
明するための図、図10はセンター局を説明するための
図、図11はレーダビームと流れメッシュ座標の関係を
説明するための図である。
【0015】従来の具体的な短波海洋レーダ観測装置の
例を示したのが図9であり、レーダ方式はFMICW
(Frequency Modulated Interrupted Continuou
s Wave)方式、アンテナの照射方式はナロービーム発信
ナロービーム受信方式、レーダ周波数は41.90MH
z、周波数掃引幅は300kHz、レンジ方向の観測範
囲は0.5km〜25kmの場合である。以後、この装
置をVHFレーダと呼ぶ。短波海洋レーダ観測装置は、
レーダ波の発信、エコーの受信及び信号処理を行うAレ
ーダ局とBレーダ局の2つの局、各局のアンテナの視線
方向の流れ情報に基づき時間と空間の補正を行い海象情
報の抽出を行うセンター局からなる。Aレーダ局とBレ
ーダ局は、最大観測距離の半分程度離して設置される。
流れの標準観測は、観測したい海域の範囲で、例えば5
分間毎にアンテナを移動させながら観測するものであ
り、1方位当たりの観測時間を5分とすると、図11に
示すような11個の方位(角度間隔6度)の観測時間は
約1時間となる。
【0016】短波海洋レーダ観測装置では、受信された
エコーを距離毎に分離し、各距離においてエコーの時系
列を作る。この時系列のサンプリング間隔時間は、パル
スレーダ方式の場合は、パルス繰り返し周期で、FMI
CW方式の場合は掃引時間間隔となる。この時系列に対
してFFT解析を行い、ドップラスペクトル分布を得
る。さらに、S/Nを稼ぐために、通常観測された時系
列を複数個分割し、各スペクトル解析を行い、得られた
スペクトルについて平均ドップラスペクトル分布を求め
る方法が採られている。この平均分布から、海象情報を
抽出することになる。よって、平均ドップラスペクトル
分布が短波海洋レーダの基本的な観測解析データとな
る。
【0017】主な処理の概要を説明すると、各レーダ局
において、第1回FFTでは、1掃引単位でFFT解析
を行い、掃引回数個のスペクトルを得る。このスペクト
ルはレンジ方向のエコーのエネルギー分布を表す。距離
毎の並び換えでは、前記のスペクトル分布から同じ距離
のエコーのエネルギー値を集め、掃引時間毎のエネルギ
ーの時系列を作る。第2回FFTでは、前記の時系列の
FFT解析を行い、ドップラスペクトルを得る。このス
ペクトルのS/Nを稼ぐために数個のスペクトル計算を
行い、その平均操作を行う。このスペクトルから、流れ
のアルゴリズムで解析される流れは、アンテナの視線方
向の流れだけで、まだ流れのベクトルが得られていな
い。
【0018】流れのベクトルを求めるためには2つのア
ンテナの視線方向の流れを必要とし、かつそれらの流れ
は、同時刻で同場所の値でなければならない。そのた
め、センター局では、図10に示すように1次散乱スペ
クトルと2次散乱スペクトルの分離を行って、1次散乱
スペクトルからアンテナ視線方向の流れ計算を行う。そ
して、時間・空間補正では、アンテナの視線方向の流れ
情報について、時間と空間の補正を行う。各ビームは5
分間毎に観測時刻が異なり、その周期は1時間毎にな
る。よって、データの同時性を得るためにはすべてのビ
ームの観測時刻を正時に補正すればよい。これが時間補
正である。空間補正は、流れベクトルの表示座標に依存
する。表示座標を図11に示すメッシュ座標の格子点と
すると、観測流域にある格子点での流れベクトルを得る
ためには、これを挟む2つのビームを探し、最も近いビ
ーム上の4つの流れ情報から合理的に空間補正すること
ができる。その場合、格子間隔は、レンジの方向の分解
能0.5kmとすると、流れベクトルの平面分布は、
0.5km格子点間隔の空間分解能で、1時間毎に得ら
れることになる。
【0019】なお、前記の時間と空間補正は、アンテナ
の照射方式がブロードビームで、かつDBF(Digital
Beam Forming) 方式であれば、必要としない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ビーム発射中
にビームをほぼ直角に横切る大きな船舶が遭遇すると、
あるレンジでの船舶等によるノイズがある時系列の例と
して図1に示しているように、大きなエコー(外部ノイ
ズ)Pを受信する。このノイズは、極めて大きいため
に、ドップラスペクトル分布において、ノイズ発生場所
でのブラッグ共鳴エコーの正常な第1次散乱と第2次散
乱のスペクトルをマスキングし、海象情報の抽出ができ
ず、観測データは欠測となる。
【0021】短波海洋レーダのドップラスペクトルから
流れの情報を抽出する方法の中で、自動的処理(専門家
等の操作・チェックなしで)の観点から見ると、次の点
がもっとも問題となる。それは、正当な第1次散乱スペ
クトル周波数の抽出にある。これの抽出のアルゴリズム
は、通常はドップラスペクトル分布の負と正の周波数領
域において、もっとも大きなスペクトル値をもつピーク
を検出し、それらのピーク周波数を得ることにある。問
題は、外部及び内部ノイズが混入すると、正当な第1次
散乱スペクトル周波数の抽出ができないことである。
【0022】一般にレーダで受信されるエコー(信号)
は、外部ノイズ及び受信機のノイズの影響を受けること
は避けられない。ノイズの影響の除去は、S/Nの向上
とも呼ばれ、その方法として、ノイズのランダム特性を
利用して、できるだけ多くの結果を解析して、それらの
結果を平均化する方法が効果的となる。しかし、このよ
うな方法では、平均化してS/Nの向上を図るだけであ
って、それ以上の異常値を検出したり補正することまで
はできない。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するものであって、外部ノイズを除去して観測デー
タの欠測をなくし、さらには異常値を検出し補正するも
のである。
【0024】そのために本発明は、観測海域にアンテナ
を向けレーダ波を照射してエコーを受信し、エコー強度
の時系列からドップラスペクトルを求めて海象情報を抽
出するブラッグ共鳴散乱機構を利用した短波海洋レーダ
観測装置において、エコー強度の時系列を複数の時系列
に分割して各時系列の標準偏差を計算し、該標準偏差の
大きさに基づきノイズを含む不正常な時系列か否かを判
断することにより、該不正常な時系列を除いた時系列に
よりドップラスペクトルを求めることを特徴とし、前記
不正常な時系列か否かの判断は、各時系列を標準偏差の
大きい順に並び換えて、それらの標準偏差の差分を計算
し標準偏差列の階差の最大値を求め、該最大階差を境に
2つのグループに分けて、大きな標準偏差のグループの
時系列に対してノイズの有無の判断を行うことを特徴と
し、大きな標準偏差グループのノイズの有無の判断は、
前記標準偏差の最大階差が小さい標準偏差グループの平
均標準偏差値に一定値を掛けた値より大きいか否かによ
り行うことを特徴とするものである。
【0025】また、レンジ方向の観測範囲をブロック分
割し、該分割されたブロック内で流れの回帰曲線を求め
て該回帰曲線に基づき流れの変動の標準偏差を求め、前
記回帰曲線からのズレと前記標準偏差に基づき不正常な
流速値を検出し補正することを特徴とし、前記不正常な
流速値の検出は、流れの回帰曲線からのズレが標準偏差
に一定数を掛けた値より大きいか否かにより行い、前記
不正常な流速値は、ドップラスペクトルの2つのスペク
トルピーク値から得られる流速値の一方に対して他方で
補正し、前記不正常な流速値が連続しないことを条件に
正常な前後のレンジ方向の流速値の平均流速値、前記不
正常な流速値が連続する場合には同じブロック内の回帰
曲線から求めた流速値で補正すること、さらには、これ
らを組み合わせてそれぞれ複数回繰り返し補正すること
を特徴とするものである。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明に係る短波海洋レーダ観測装置に
よるノイズ除去の実施の形態を説明するための図、図2
は時系列の標準偏差の例を示す図、図3はノイズ除去の
処理の流れを説明するための図である。
【0027】ビーム発射中にビームをほぼ直角に横切る
大きな船舶が遭遇した時に現れる外部ノイズの特性を調
べると、図1のPに示すようにエコー強度は、観測した
いブラッグ共鳴エコーに比べて10dB以上大きいが、
ノイズの継続時間は平均的に少なくとも10〜20秒程
度で、全体の観測時間に比べると、比較的に短いという
特性を有する。すなわち、このノイズは、ブラッグ共鳴
の後方散乱ではなく、鏡点散乱的であるために、大きな
強度を有し、かつ海上の移動物であるためにその継続時
間は比較的に短いものとなる。
【0028】本発明は、このような外部ノイズをエコー
強度の時系列から検出、除去するものであり、さらに
は、このような外部ノイズを除いた時系列に基づき抽出
される流速値から異常値を検出し補正するものである。
前者は、正常時の時系列の場合と同様なスペクトル解析
を可能にする方法で、前記図9に示す例では、レーダ局
における距離並び換えと第2回FFT解析の間に挿入さ
れる処理であり、基本的な考え方は次のようになる。図
1に示すようにエコー強度の時系列を複数の時系列〜
に分割して標準偏差を求め、この標準偏差値の大きさ
に基づき複数個の時系列〜を2つのグループに分け
る。そして、両グループの標準偏差の差で、分割した各
時系列がノイズを含む不正常な時系列かどうかを調べ、
ノイズを含む不正常な時系列、のグループであれ
ば、そのグループ、の除去を行うところに大きな特
徴を有している。
【0029】前記の考え方に従って、さらに具体的に処
理方法を以下に説明する。一般にレーダで受信されるエ
コー(信号)は、前記のように外部ノイズ及び受信機の
ノイズの影響を受けることは避けられない。ノイズの影
響の除去は、S/Nの向上とも呼ばれ、その方法とし
て、ノイズのランダム特性を利用して、できるだけ多く
の結果を解析して、それらの結果を平均化する方法が効
果的となる。すなわちドップラスペクトルを多く計算
し、平均化することによって、S/Nの向上を行うこと
にある。
【0030】具体例として示した図1の時系列は、前記
VHFレーダで観測されたものであり、この時系列〜
を7分割すると、7つのドップラスペクトルが得られ
ることになる。そこで、これらについてスペクトル周波
数毎に平均を取り、平均ドップラスペクトル分布を得
る。その結果、図1に示す例では、時系列とに除去
すべき大きな外部ノイズが存在するが、これら以外の時
系列〜、〜は正常なものとなる。本発明は、7
つの時系列〜から不正常な時系列とを検出、除
去し、残り5つの正常な時系列〜、〜について
スペクトルを解析し、得られた5つのドップラスペクト
ルの平均を行い、平均ドップラスペクトルを得るもので
ある。ノイズを有する不正常な時系列、と正常な時
系列〜、〜のグループ化は、図2に示すように
概略的には時系列の標準偏差値σ1〜σ7の大きさと、
両グループの標準偏差(σ1、σ2)、(σ3〜σ7)
の差で行うものである。
【0031】さらに、具体的なノイズ除去の処理の例を
図3により説明する。まず、あるレンジのエコー強度の
時系列を取得し(ステップS11)、その時系列をM分
割する(ステップS12)。そして、分割された時系列
の平均強度から標準偏差 σ(i):i=1、2、……、M を求め(ステップS13)、M個の標準偏差σ(i)を
図2に示すように大きい順の標準偏差列 σ(j):j=1、2、……、M に並べ替える(ステップS14)。
【0032】次に、前記標準偏差の差分(階差)を計算
して標準偏差階差列 Dσ(j+1)=σ(j)−σ(j+1):j=1、
2、……、M−1 を求め(ステップS15)、さらに、その標準偏差階差
列の最大値Dσmax Dσmax =Dσ(max) を求める(ステップS16)。そして、図2に示すよう
にこの最大階差Dσmaxを境に、標準偏差列で小さい方
のjmax+1 〜Mまでの標準偏差は一応正常な標準偏差と
仮定し(ステップS17)、次式で正常な標準偏差の平
均(平均標準偏差DσJG)を求める(ステップS1
8)。
【0033】
【数5】DσJG={ΣM K=Jmax+1σ(k)×α}/
(M−Jmax+1 ) ここで、αは観測海域の特性で経験的に決められる定数
である。
【0034】次に、最大階差Dσmax が平均標準偏差D
σJGより大きいか否かを調べ(ステップS19)、大
きい場合には、大きい方の標準偏差列1〜jmax までの
標準偏差は異常値とみなして、これらの標準偏差をもつ
時系列はノイズありと判断し、スペクトル解析から除去
する(ステップS20)。したがって、この場合の時系
列の個数はMSET=M−jmax とする。異常値がない
場合の時系列の個数はMSET=Mとなる。このように
して正常な標準偏差をもつMSET個の時系列でFFT
解析を行い、ドップラスペクトル分布を求め(ステップ
S21)、S/Nを稼ぐために、MSET個のドップラ
スペクトルについて周波数毎に平均をとり、統計的に安
定したドップラスペクトル分布を求める(ステップS2
2)。
【0035】前記方法の長所は、処理がノイズの有無に
ほとんど依存しないで行うことができ、かつ比較的単純
な処理に基づくために、実時間処理が容易にできる点で
ある。
【0036】次に、アンテナ視線方向の流れの異常値検
出法と補正法について説明する。この処理は、図10で
示したアンテナ視線方向の流れ計算で、アンテナ視線方
向の流速値の検証とその補正として行うものである。図
4はアンテナ視線方向の流れの異常値検出と補正の処理
を説明するための図、図5は不正常な流速値(不正常な
ピーク周波数値)を補正した例を示す図である。これら
の方法は、次の2つの特性に基づくものである。第1は
ブラッグ共鳴散乱のドップラ特性である。第2は海の流
れの空間分布特性である。最初にこれらの特性を説明す
る。
【0037】ブラッグ共鳴散乱のドップラ特性によれ
ば、既に概略的に説明したように、波浪成分波はあらゆ
る方向に伝搬するので、レーダをある方位に向けかつブ
ラッグ共鳴条件が成り立つ場合は、2つの共鳴スペクト
ルピーク周波数が観測される。すなわち、レーダアンテ
ナに向かってくる波浪成分と遠ざかる波浪成分の波で、
それぞれドップラスペクトルのプラス周波数領域とマイ
ナス周波数領域にピーク周波数をもつ。これらから、2
つの流れが得られるが、正常なスペクトルであれば、同
一の流れとなることである(図7参照)。
【0038】次に海の流れの空間分布の特性を説明す
る。海の流れは空間的に、すなわちレーダ空間分解能の
スケール(数百メートル〜数キロメートル)で一般に滑
らかに分布する。よって同時に観測される分布は、例え
ばアンテナ方向(レンジ方向)においても、滑らかに分
布することになる。本発明は、この特性を利用するもの
である。
【0039】はじめに異常値の検出法について説明す
る。これは前記特性のうち、主に第2の特性に基づくも
ので、具体的な手順は次のようになる。 観測されるレンジ範囲を、流れ分布が直線分布で近似
できる範囲に分割する。ただし、分割する範囲の大きさ
は、後述する統計処理が十分に可能な観測点の数を確保
できる範囲の広さとする。
【0040】分割されたレンジ内で、流れの回帰直線
を求め、この回帰直線をもとにレンジ内での流れの変動
の標準偏差を算出する。ここでは流速分布としてもっと
も簡単な直線分布を設定したが、海域によっては高次式
の分布の方がよい場合がある。その場合にも、本発明
は、直線近似式を高近似式に置き換えれば比較的に容易
に拡張できる。よって、以後、回帰直線を回帰曲線と呼
ぶことにする。観測海域の流れの特性から、流れの異常
値の判定基準値を、算出された標準偏差を基準に設定す
る。すなわち、あるレンジrの基準値は次の式となる。
【0041】
【数6】基準値=レンジrの回帰曲線値±α×標準偏差 ここで、αは観測海域の特性で経験的に決められる定数
である。
【0042】異常値は式〔数6〕からわかるように、
回帰曲線からのずれがα×標準偏差より大きな流れとな
り、検出できることになる。
【0043】次に、異常値の補正法について説明する。
これは、主に前記特性の第1の特性に基づくものであ
る。前記したように、2つの流れ情報が得られる。これ
らのエコースペクトルピーク値は共鳴する波浪の方向ス
ペクトルに比例する(図8参照)。よって、これらの大
きさが同一となることは少ない。このような状況で、実
際は外部ノイズが受信された場合、2つのスペクトルピ
ークのうちで、小さいピークがノイズに埋もれる危険性
がある。このため、次のような近似解を与えた。第1次
近似として、これら2つのピーク周波数の中で、スペク
トル値が高いものとした。この流れの値の妥当性はレン
ジ方向の流速分布の特性から判定する。具体的には、前
記した回帰曲線からのズレから判断する。もしズレが大
きく、不適当と判断すると、第2次近似として、もう1
つのピーク値を使用する。同様な方法で、流れの値の適
正を調べる。第2次近似解でも不適当であれば、正常な
前後のレンジ方向の値から推定する。不適当値がレンジ
方向に連続しなければ、正常な両端の値からの平均値で
近似する。2つ以上連続する場合は、回帰曲線の値で近
似する。
【0044】次に、異常値検出とその補正処理を図4に
示す流れにしたがって具体的に説明する。ここで便宜的
にピーク周波数Fd >0から得られた流速値V=Vpと
し、Fd <0から得られた流速値V=Vnとする。
【0045】まず、流速分布が単純な分布で近似できる
ようにレンジ方向の観測範囲を適当な大きさでブロック
に分割する(ステップS31)。そして、ブロック内の
流速データV(i):i=1、2、……、Nをもとに、
回帰曲線Y1=F1(X)と標準偏差σ1を求め(ステ
ップS32)、異常値の判定条件DJG1を、回帰曲線
からのズレをもとに定義する(ステップS33)。ここ
で、X:レンジ距離、Y:流速値、DJG1=α×σ1
であり、αは経験的に定める値である。次に、各流速デ
ータに対して回帰曲線からのズレDY(i) DY(i)=|V(i)−Y1(i)|:i=1、2、
……、N を求め(ステップS34)、不正常値のデータがあるか
否か、つまりDY(i)>DJGか否かを調べる(ステ
ップS35)。
【0046】不正常値のデータがある場合には不正常値
に対して第1回の補正を行う(ステップS36)。第1
回の補正は、 もしFd>0であれば、流速値はVn(i)に置換 もしFd<0であれば、流速値はVp(i)に置換 正常なデータはビット0で、補正されたデータはビット
1とする。このようにして流速データの補正後、V2
(i)に対して、再び回帰曲線Y2=F2(X)と標準
偏差σ2と判定条件DJG2、各流速データに対して回
帰曲線Y2からのズレDY DY(i)=|V2(i)−Y2(i)|:i=1、
2、……、N を求め(ステップS37)、不正常値のデータがあるか
否か、つまりDY(i)>DJG2か否かを調べる(ス
テップS38)。
【0047】不正常値のデータがある場合には不正常値
に対して第2回の補正を行う(ステップS39)。第2
回の補正は、次のようにして行う。 ビット1をもつデータはビット2とし、欠測とする ビット0をもつデータはビット1とし、次の補正を行う もしFd>0であれば、流速値はVn(i)に置換 もしFd<0であれば、流速値はVp(i)に置換 流速データの補正後、ビット0と1を持つ流速データV
3(i)に対して、再び回帰曲線Y3=F3(X)と標
準偏差σ3と判定条件DJG3、各流速データに対して
回帰曲線Y3からのズレDY DY(i)=|V3(i)−Y3(i)|:i=1、
2、……、N を求め(ステップS40)、不正常値のデータがあるか
否か、つまりDY(i)>DJG3か否かを調べる(ス
テップS41)。
【0048】不正常値のデータがある場合には不正常値
に対して第3回の補正を行う(ステップS42)。第3
回の補正は、次のようにして行う。不正常及びビット2
(欠測)のデータは、正常な前後のレンジ方向の値から
推定し、補正する補正するデータが2つ以上連続する場
合は、回帰曲線値で補正する。
【0049】前記の補正法をまとめると、次の3つにな
る。 2つのスペクトルピークから2つの流速値が得られ
る。したがって、第1次近似として大きいスペクトルピ
ーク値から得られた流速値とし、これが不正常であれ
ば、第2次近似として小さいスペクトルピーク値から得
られた流速値を採用する。
【0050】の補正法でも有効でない場合で、不正
常な流速値がレンジ方向に連続しない場合には、正常な
前後のレンジ方向の流速値の平均値の平均流速値で補正
する。 不正常な流速値がレンジ方向に連続する場合には、同
じブロックで求めた回帰曲線から求めた流速値を採用す
る。
【0051】前記VHFレーダで得られた例を示したの
が図5であり、この図は横軸が周波数で、縦軸がスペク
トル値であり、次のような内容をもつ。第1に、レンジ
方向に0.5km毎に同時に観測された50個のドップ
ラスペクトルを、各スペクトルが重ならないように適当
な一定値だけ縦軸方向にずらして示した。第2に、前記
した(距離、流速)の関係を(距離、ピーク周波数)の
関係(流れゼロ周波数からのズレ0.1Hzは約0.3
6m/sの流れに対応する)として示した。式〔数3〕
から容易にわかるように、流速とピーク周波数は比例関
係にあるので、いずれの場合においても流速値の正常値
を調べることは可能となる。第3に、(距離、ピーク周
波数)の関係を便宜的に負の周波数領域で連続的に示し
た。これは次のような処理を行った。すなわち、前記の
ように流速の第1次近似は2つの第1次スペクトルピー
クの中の大きい方のピーク周波数で決まる値とした。
(距離、ピーク周波数)の関係を負の周波数領域で連続
的に示すためには、ピークが正の周波数領域にあるもの
を変換する必要があることになる。必要な情報が流速ゼ
ロの周波数(±0.66Hz)からの相対的なズレであ
るので、正の周波数領域から負の周波数領域の変換であ
れば、相対的なズレの符号を変えてかつその領域の流速
ゼロの周波数(−0.66Hz)を加算すればよい。
【0052】不正常なスペクトルピーク周波数を含む例
を示したのが図5(A)である。前記した滑らかな流速
分布の仮定から、図5(A)のfxa、fxbに示すように
不正常なデータは、レンジ8.0km、8.5km、1
5.0km、15.5kmとなる。これらは正の周波数
領域でのピーク周波数であるが、何らかの原因で第1次
散乱スペクトルピークより2次散乱的なスペクトルピー
クが若干大きくなったことによる。これらの補正は、前
記のようにもう1つのピーク周波数(ここでは負の周波
数領域のピーク周波数)に置き換えの補正となる。その
結果として、図5(B)を得た。この結果から、ピーク
周波数(流速値)がレンジ方向に滑らかな分布となり、
不正常なデータが正常なデータに補正された。
【0053】なお、本発明は、前記実施の形態に限定さ
れるものではなく、種々の変形が可能である。本発明
は、海象情報の抽出の観測データである、ドップラスペ
クトルにおけるノイズ除去と流れ情報抽出に関するもの
であり、例えば前記実施の形態では、レーダ方式として
FMICW方式で、アンテナの照射方式はナロービーム
発信ナロービーム受信方式を採用したが、他の方式を採
用してもよい。例えばレーダ方式として、FMICW方
式ではなく、パルスレーダ方式を採用した場合には、図
9に示す第1回目のFFT解析は必要としない。また、
アンテナ照射方式として、ブロードビーム発振でDBF
方式であれば、図9に示すビーム回数(アンテナの回
転)は必要としないことになる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、まず、エコー強度の時系列を分割し、分割し
た各時系列のうち外部ノイズを含む不正常な時系列を検
出して除き、残りの正常な時系列のグループでFFT解
析を行うので、大きな外部ノイズをあっても観測データ
が欠測になることを防ぐことができる。さらに、流れの
抽出において、観測範囲をレンジ方向にブロック分割
し、各ブロック毎に流れの回帰曲線とのズレから異常値
を検出し、2つのスペクトルピークや前後の正常な流速
値の平均値、回帰曲線から求めた流速値を使って補正す
るので、流速値(ピーク周波数)がレンジ方向に滑らか
な分布となり、不正常なデータを正常なデータに補正す
ることができる。前記方法は、比較的に簡単な数式で表
現することができ、比較的単純な解析に基づくために、
専門家が介在することなく、自動的な処理が容易に可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る短波海洋レーダ観測装置による
ノイズ除去の実施の形態を説明するための図である。
【図2】 時系列の標準偏差の例を示す図である。
【図3】 ノイズ除去の処理の流れを説明するための図
である。
【図4】 アンテナ視線方向の流れの異常値検出と補正
の処理を説明するための図である。
【図5】 不正常な流速値(不正常なピーク周波数値)
を補正した例を示す図である。
【図6】 観測原理を説明するためのレーダ波と波浪成
分波のブラッグ共鳴散乱の模式図である。
【図7】 ドップラスペクトルの特徴を説明するための
図である。
【図8】 波浪成分波の方向スペクトルとドップラスペ
クトルの2つのピークスペクトルの関係を説明するため
の図である。
【図9】 従来の短波海洋レーダ観測装置を説明するた
めの図である。
【図10】 センター局を説明するための図である。
【図11】 レーダビームと流れメッシュ座標の関係を
説明するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−292273(JP,A) 特開 昭60−25468(JP,A) 特開 昭60−22680(JP,A) 特開 昭60−6883(JP,A) 特開 昭60−381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95 G01W 1/00 - 1/18

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観測海域にアンテナを向けレーダ波を照
    射してエコーを受信し、エコー強度の時系列からドップ
    ラスペクトルを求めて海象情報を抽出するブラッグ共鳴
    散乱機構を利用した短波海洋レーダ観測装置において、
    エコー強度の時系列を複数の時系列に分割して各時系列
    の標準偏差を計算し、該標準偏差の大きさに基づきノイ
    ズを含む不正常な時系列か否かを判断することにより、
    該不正常な時系列を除いた時系列によりドップラスペク
    トルを求めることを特徴とする短波海洋レーダ観測装
    置。
  2. 【請求項2】 前記不正常な時系列か否かの判断は、各
    時系列を標準偏差の大きい順に並び換えて、それらの標
    準偏差の差分を計算し標準偏差列の階差の最大値を求
    め、該最大階差を境に2つのグループに分けて、大きな
    標準偏差のグループの時系列に対してノイズの有無の判
    断を行うことを特徴とする請求項1記載の短波海洋レー
    ダ観測装置。
  3. 【請求項3】 前記大きな標準偏差グループのノイズの
    有無の判断は、前記標準偏差の最大階差が小さい標準偏
    差グループの平均標準偏差値に一定値を掛けた値より大
    きいか否かにより行うことを特徴とする請求項2記載の
    短波海洋レーダ観測装置。
  4. 【請求項4】 観測海域にアンテナを向けレーダ波を照
    射してエコーを受信し、エコー強度の時系列からドップ
    ラスペクトルを求めて海象情報を抽出するブラッグ共鳴
    散乱機構を利用した短波海洋レーダ観測装置において、
    レンジ方向の観測範囲をブロック分割し、該分割された
    ブロック内で流れの回帰曲線を求めて該回帰曲線に基づ
    き流れの変動の標準偏差を求め、前記回帰曲線からのズ
    レと前記標準偏差に基づき不正常な流速値を検出し補正
    することを特徴とする短波海洋レーダ観測装置。
  5. 【請求項5】 前記不正常な流速値の検出は、流れの回
    帰曲線からのズレが標準偏差に一定数を掛けた値より大
    きいか否かにより行うことを特徴とする請求項4記載の
    短波海洋レーダ観測装置。
  6. 【請求項6】 前記不正常な流速値は、ドップラスペク
    トルの2つのスペクトルピーク値から得られる流速値の
    一方に対して他方で補正することを特徴とする請求項4
    記載の短波海洋レーダ観測装置。
  7. 【請求項7】 前記不正常な流速値は、該不正常な流速
    値が連続しないことを条件に正常な前後のレンジ方向の
    流速値の平均流速値で補正することを特徴とする請求項
    4記載の短波海洋レーダ観測装置。
  8. 【請求項8】 前記不正常な流速値は、該不正常な流速
    値が連続する場合には同じブロック内の回帰曲線から求
    めた流速値で補正することを特徴とする請求項4記載の
    短波海洋レーダ観測装置。
  9. 【請求項9】 前記不正常な流速値の検出と補正とをそ
    れぞれ複数回繰り返し実行することを特徴とする請求項
    4記載の短波海洋レーダ観測装置。
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