JP2915528B2 - センサ・データの故障検出・信号選択装置 - Google Patents

センサ・データの故障検出・信号選択装置

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はバスを介してセンサ・データをコンピュータ
に転送する冗長システム製品に利用することが出来るセ
ンサ・データの故障検出・信号選択装置に関する。
本発明装置は「1重のセンサ」を有する冗長システム
製品のみならず、「多重のセンサ」を有する冗長システ
ム製品にも利用することが出来る。
(用語の説明) (a) 「バスの制御機能」 「バスの制御機能」とは、どのセンサから、どのコン
ピュータにデータを送るかを指定することが出来るバス
の機能をいう。
(b) 「バス・コントローラ」 「バス・コントローラ」とは、バスの制御機能をもつ
端子をいう。
(c) 「リモート・ターミナル」 「リモート・ターミナル」とは、バスの制御機能をも
たず、他のコンピュータのバス・コントローラの制御に
よりセンサ・データを入力する端子をいう。
(d) 「同種類の3つのセンサ」 「同種類の3つのセンサ」とは、同一の検知対象に対
して同一の性能を有する3つのセンサをいう。
「3つのセンサ」にしたのは、1つのセンサが故障し
ても、残る2つの正常なセンサ・データの平均値を選択
するためである。
(e) 「多重のセンサ」 「多重のセンサ」とは、検知対象が複数ある場合に、
各検知対象ごとに「同種類の3つのセンサ」を有するも
のをいう。
例えば、「n重のセンサ」とは、 「第1の検知対象に対しては、第1の種類の3つの同
一性能センサ」 「第2の検知対象に対しては、第2の種類の3つの同
一性能センサ」 〜 「第nの検知対象に対しては、第nの種類の3つの同
一性能センサ」 を有するものをいう。
(f) 「同種類の3台のコンピュータ」 「同種類の3台のコンピュータ」とは、同一の性能を
有し、同一の入力に対して、同一の処理をし、同一の結
果を出力することが出来る3台のコンピュータのことを
いう。
検知対象が複数あるために、多重のセンサを有する装
置に対しても、同種類の3台のコンピュータにより処理
する。
(g) 「バスを介して同種類の3台のコンピュータへ
転送される冗長システム」 「バスを介して同種類の3台のコンピュータへ転送さ
れる冗長システム」とは、 コンピュータは、複数の検知対象に対しても3台に限
定されるが、 センサは、「同種類の3つのセンサ」であるという条
件を満たす限り、センサの種類は検知対象の数すなわち
複数の種類(多重のセンサ)であってもよい冗長システ
ムのことをいう。
例えば、4重のセンサ(センサの種類が4)を有する
冗長システムとは、 「第1の検知対象に対する3のセンサ、a1、a2、a3」
と、 「第2の検知対象に対する3のセンサ、b1、b2、b3」
と、 「第3の検知対象に対する3のセンサ、c1、c2、c3」
と、 「第4の検知対象に対する3のセンサ、d1、d2、d3」
とを有し、 前記4重のセンサからのデータを、同一の検知対象ご
とに「同種類の3台のコンピュータ」により処理するこ
とが出来る冗長システムのことをいう。
これら4種類の「同種類の3つのセンサ」からのデー
タは、それぞれ別々のバスを介して、第1図に示すよう
に、前記3台のコンピュータへ転送される。
(h) 「信号」および「信号選択」 「信号」とは、センサ・データのことをいい、 「信号選択」とは、正常なセンサ・データを選択する
ことをいう。
[従来の技術] バスを介して転送されるセンサ・データの故障検出・
信号選択の従来技術とし全て相互比較し、その3つの比
較結果を用い第6図に示すロジックにより故障検出と信
号選択を行なっていた。
[発明が解決しようとする課題] 従来の技術では、第5図に示す様に減算、フィルター
処理、比較判定基準処理から構成される比較判定部が3
つ必要であるために、これをソフトウェアで処理すると
きの処理量が多くなる。このことはセンサの種類が多い
場合に特に問題となり、CPUの負荷を大きくする。
又、従来の技術では、1台のコンピュータに入力され
る3つのセンサ・データ(例えばコンピュータ1ではD1
1,D12,D13)の全ての故障判定を行なう為、3つのセン
サの故障判定を行なうのに3台のコンピュータで9つの
センサ・データの故障判定を行なうことになり、無駄が
あった。
本発明は上記の無駄を除去することが出来るセンサデ
ータの故障検出、信号選択装置を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明に係るセンサ・データの故障検出・信号選択装
置は、 3系統のバスを介して同種類の3つのセンサからのデ
ータを同種類の3台のコンピュータへ転送する冗長シス
テムにおいて、 (A) 前記各コンピュータは、それぞれ2つの比較判
定部と1つの信号選択部を有し、 (B) 第1コンピュータは、2つの比較判定部によ
り、第1センサを基準として、第1センサのセンサ・デ
ータと、第2および第3センサのセンサ・データとを比
較し、 (C) 第2コンピュータは、2つの比較判定部によ
り、第2センサを基準として、第2センサのセンサ・デ
ータと、第3および第1センサのセンサ・データとを比
較し、 (D) 第3コンピュータは、2つの比較判定部によ
り、第3センサを基準として、第3センサのセンサ・デ
ータと、第1および第2センサのセンサ・データとを比
較し、 (E) 前記各コンピュータは、前記2つの比較判定部
の比較結果が共に正常でないと判断された場合には、基
準としたセンサが故障と判断するとともに、 前記センサ・データの判断結果、あるいは基準とした
センサ・データの転送に用いるバスを制御するバス・コ
ントローラのセルフ・テスト結果、の少なくとも一方が
正常でない場合には、故障フラグをセットし、 前記故障フラグの情報を各コンピュータ間で交換し、
信号選択部においてセンサ・データの選択を行ない、 (F) 前記各コンピュータの信号選択部は、 セットされた故障フラグが0の場合には、故障が無い
と判断して、3つのセンサ・データの平均値を選択値と
して選択し、 セットされた故障フラグが1の場合には、その故障フ
ラグに対応する1つのセンサが故障と判断して、残りの
2つの正常なセンサ・データの平均値を選択値として選
択し、 セットされた故障フラグが2の場合には、その故障フ
ラグに対応する2つのセンサが故障と判断し、各センサ
のセルフテスト結果により正常と判断されたセンサ・デ
ータを選択値として選択することを特徴とする。
すなわち、本発明に係る発明装置は、第2図に示す通
り各コンピュータ内の2つの比較判定部の判定結果の論
理積(AND)をとり、2つの比較結果が共に“1"(FAI
L)の場合にバス・コントローラに入力されたセンサ・
データが故障と判断する。
この結果とバス・コントローラのセルフ・テスト結果
の論理和(OR)をとって故障フラグとし、この情報をコ
ンピュータ間で交換し、第4図に示すロジックにより信
号選択を行なう。
そして、故障フラグが3つとも“0"(NORMAL)の場合
は、センサ・データに故障が無いと判断して、3つのバ
ス・コントローラのセンサ・データの平均値を選択値と
して選択する。
故障フラグの1つが“1"(FAIL)の場合は、1つのセ
ンサ・データが故障と判断して、残りの2つの正常なセ
ンサ・データの平均値を選択値として選択する。
故障フラグの2つが“1"(FAIL)の場合は、2つのセ
ンサ・データが故障と判断し、各センサのセルフテスト
結果により正常と判断されたセンサ・データを選択値と
して選択する。
すなわち本発明に係るセンサ・データの故障検出・信
号選択装置は、3つのセンサからのデータがバスを介し
て3台のコンピュータへ転送される冗長システムにおい
て、3つのセンサ・データを各コンピュータ内の2つの
比較判定部において相互比較することによりセンサの故
障検出を行なうとともに、各コンピュータの故障検出情
報を交換して、信号選択を行なうことを特徴とする。
[作用] バスを介してセンサ・データを転送する場合、第1図
に示すようにバス系統に故障がなければ、同じバスを介
して各々のコンピュータに転送されるセンサ・データの
値は同じである。
そのためバス・コントローラ(BC)、すなわち、第1
図の例ではD11,D22,D33に入力されたセンサ・データの
故障判定を行なえば十分であり、3台のコンピュータで
は3つのセンサ・データの故障判定を行なえばよい。
本発明は各々コンピュータの比較判定部を2つに減ら
すことにより、ソフトウェアの処理量を低減し、CPU負
荷を小さくする。
更に、バス系統に故障が生じた場合には、センサ自身
は正常であっても、コンピュータに入力されるセンサ・
データは異常である為、比較をするまでもなく、バス・
コントローラのセルフ・テスト結果により故障が判断で
きる。
そのため、このセルフ・テスト結果を有効に使うこと
により速く故障を検出することが出来る。
[実施例] 本発明の実施例を第1図〜第4図に示す。
第1図は本発明が適用される3つのセンサ・データを
バスを介して3台のコンピュータへ転送する冗長システ
ムの基本構成を示すブロック図、 第2図は本発明装置による故障検出・信号選択の構成
を示すブロック図、 第3図は第2図の比較判定部@の詳細図、 第4図は本発明装置での信号選択ロジックを示す図で
ある。
本発明では、同種類の3つのセンサからのデータがバ
スを介して3台のコンピュータへ転送される。
そして、第2図に示すように、3台のコンピュータ
は、それぞれ2つの比較判定部と1つの信号選択部を有
する。
前記3つのセンサからのセンサ・データは、前記各コ
ンピュータ内の2つの比較判定部において、バス・コン
トローラから入力されたセンサ・データとリモート・タ
ーミナルから入力されたセンサ・データとを比較するこ
とにより、センサの故障検出を行なうとともに、各コン
ピュータの故障検出情報を交換して、信号選択を行な
う。
以下に、故障検出・信号選択の手順を、第1コンピュ
ータ(コンピュータ1)を例に説明する。
第1コンピュータ(コンピュータ1)の第1の比較判
定部@では、バス・コントローラ(BC)から入力された
第1センサ(センサ1)のデータD11は、リモート・タ
ーミナル(RT)から入力された第2センサ(センサ2)
のデータD12と相互比較され、 第1コンピュータ(コンピュータ1)の第2の比較判
定部@では、バス・コントローラ(BC)から入力された
第1センサ(センサ1)のデータD11は、もう1つのリ
モート・ターミナルから入力された第3センサ(センサ
3)のデータD13と相互比較される。
第1の比較判定部@および第2の比較判定部@では、
入力された2つのセンサ・データの差をとり、ノイズ等
による誤検出を防ぐ為のフィルターを通し、差が故障判
定基準内にあるか否かを判定する。
差が故障判定基準内であれば正常と判断し、第3図に
示すようにフラグFnを“0"(NORMAL)とし、逆に故障判
定基準を超えていれば異常と判断し、フラグFnを“1"
(FAIL)とする。
そして、センサ・データD11とD12の比較結果のフラグ
と、センサ・データD11とD13の比較結果のフラグの論理
積(AND)をとり、共に“1"(FAIL)の場合は、バス・
コントローラから入力されたセンサ・データD11は故障
と判断する。
更にバス・コントローラのセルフテスト結果と論理和
(OR)をとった故障フラグF1を他のコンピュータに送
り、又他のコンピュータからそれぞれのコンピュータの
バス・コントローラに入力されたセンサ・データ(コン
ピュータ2ではD22、コンピュータ3ではD33)の故障フ
ラグ、すなわち、センサ2及びセンサ3の故障フラグF
2,F3を受け取る。
そして第4図に示すような信号選択ロジックで3つの
故障フラグF1,F2,F3から選択値Xs1を決める。
故障フラグが全て“0"(NORMAL)の場合は、全てのセ
ンサが正常と判断して、3つのバス・コントローラのセ
ンサ・データD11,D13,D13の平均値を選択値Xs1として
選択する。
故障フラグが1つ“1"(FAIL)の場合は、その故障フ
ラグに対応するセンサが故障と判断して、そのセンサか
ら入力されたセンサ・データ(例えばF2が“1"であれば
センサ2が故障と考えセンサ・データD12を使用しな
い。)を除いた残りの2つのセンサ・データの平均値を
選択値として選択する。
又、故障フラグが2つ“1"(FAIL)の場合は、比較結
果では故障判定ができないので、各センサのセルフ・テ
スト結果により正常と判断されたセンサ・データを選択
値として選択する。
セルフ・テストの結果、正常なものがない場合は選択
値を0にする等のFAIL SAFE処理を行なう。
結果的にはコンピュータ1に入力されたセンサ・デー
タのうちリモート.ターミナルから入力されたセンサ・
データD12,D13の故障判定を他のコンピュータで判定し
た故障フラグF2,F3に委ねることになるが、バスを介し
て転送されるセンサ・データは、バス系統が正常であれ
ば同じ値を持つ(D12=D22,D13=D33)ことから、他の
コンピュータの故障フラグを信号選択ロジックに使用す
ることが可能である。
又、バス系統に故障がある場合は、バス・コントロー
ラのセルフ・テスト結果により故障フラグが作られるの
で、比較よりも速く故障を検出することが出来る。
[発明の効果] 本発明は前述のように構成されているので、以下に記
載するような効果を奏する。
(1) 本発明装置によれば、ソフトウェアの処理量を
大幅に減らすことが可能である。そのため、冗長システ
ムを構成する上で重要な要素であるCPU負荷を低減で
き、バス系統の故障にも対処可能になる。
(2) 具体例を挙げると、「同種類の3つのセンサ」
であるという条件を満たし、かつ、16重のセンサ(セン
サの種類が16)程度の冗長システムの場合の故障検出・
信号選択処理に必要なソフトウェアのステップ数は、 従来の装置では2.7Kワードであるが、 本発明装置では2.1Kワードですむ。
そのため、ソフトウェアの処理量を20%程度減らすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用される3つのセンサ・データをバ
スを介して3つのセンサ・データをコンピュータへ転送
する冗長システムの基本構成図、 第2図は本発明装置の基本構成図、 第3図は第2図の故障判定部の構成図、 第4図は本発明での信号選択のロジックを示す図、 第5図は従来装置の基本構成図、 第6図は従来装置の信号選択のロジックを示す図であ
る。 (符号の説明) D11,D22,D33……バス・コントローラからのセンサ・デ
ータ D12,D13……リモート・ターミナルからのセンサ・デー
タ D21,D23……リモート・ターミナルからのセンサ・デー
タ D31,D32……リモート・ターミナルからのセンサ・デー
タ @……比較判定部 SS……信号選択部
フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼浜 盛雄 愛知県名古屋市港区大江町10番地 三菱 重工業株式会社名古屋航空宇宙システム 製作所内 (72)発明者 木村 剛 愛知県名古屋市港区大江町10番地 三菱 重工業株式会社名古屋航空宇宙システム 製作所内 (56)参考文献 特開 昭55−25122(JP,A) 特開 平3−15946(JP,A) 特開 昭62−67601(JP,A) 特公 昭61−36412(JP,B2) 電子情報通信学会論文誌、J73−D− I[2](1990−2)P.109−116 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06F 11/16 - 11/20 G06F 13/00 G05B 9/03 H03K 19/23

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3系統のバスを介して同種類の3つのセン
    サからのデータを同種類の3台のコンピュータへ転送す
    る冗長システムにおいて、 (A) 前記各コンピュータは、それぞれ2つの比較判
    定部と1つの信号選択部を有し、 (B) 第1コンピュータは、2つの比較判定部によ
    り、第1センサを基準として、第1センサのセンサ・デ
    ータと、第2および第3センサのセンサ・データとを比
    較し、 (C) 第2コンピュータは、2つの比較判定部によ
    り、第2センサを基準として、第2センサのセンサ・デ
    ータと、第3および第1センサのセンサ・データとを比
    較し、 (D) 第3コンピュータは、2つの比較判定部によ
    り、第3センサを基準として、第3センサのセンサ・デ
    ータと、第1および第2センサのセンサ・データとを比
    較し、 (E) 前記各コンピュータは、前記2つの比較判定部
    の比較結果が共に正常でないと判断された場合には、基
    準としたセンサが故障と判断するとともに、 前記センサ・データの判断結果、あるいは基準としたセ
    ンサ・データの転送に用いるバスを制御するバス・コン
    トローラのセルフ・テスト結果、の少なくとも一方が正
    常でない場合には、故障フラグをセットし、 前記故障フラグの情報を各コンピュータ間で交換し、信
    号選択部においてセンサ・データの選択を行ない、 (F) 前記各コンピュータの信号選択部は、 セットされた故障フラグが0の場合には、故障が無いと
    判断して、3つのセンサ・データの平均値を選択値とし
    て選択し、 セットされた故障フラグが1の場合には、その故障フラ
    グに対応する1つのセンサが故障と判断して、残りの2
    つの正常なセンサ・データの平均値を選択値として選択
    し、 セットされた故障フラグが2の場合には、その故障フラ
    グに対応する2つのセンサが故障と判断し、各センサの
    セルフテスト結果により正常と判断されたセンサ・デー
    タを選択値として選択することを特徴とするセンサ・デ
    ータの故障検出・信号選択装置。
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