JP2915166B2 - 飼料の給与方法 - Google Patents
飼料の給与方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出生した子豚の育成率
を向上させ、健全に肥育させると同時に、繁殖用母豚の
繁殖効率の向上を図る豚への飼料の給与方法に関する。
を向上させ、健全に肥育させると同時に、繁殖用母豚の
繁殖効率の向上を図る豚への飼料の給与方法に関する。
【0002】
【従来の技術】出生した子豚は、離乳直後にそれまでの
液状飼料主体から、粉状飼料主体に飼料物性が変化する
ことにより一時的な飼料摂取量の低下、及び下痢発生が
多発し、発育停滞を生じる。一方、繁殖用母豚は一回に
10頭前後の子豚を出産し、授乳を行うため、体力の消
耗が激しく、離乳直後の発情再帰が遅延することが多
く、繁殖効率が著しく低下し、養豚農家にとっては大き
な問題となっている。母豚の健全育成はその出生子豚の
健全肥育につながることは充分知られているものの、こ
れを連動して改善する確実な方法はないのが実情であっ
た。
液状飼料主体から、粉状飼料主体に飼料物性が変化する
ことにより一時的な飼料摂取量の低下、及び下痢発生が
多発し、発育停滞を生じる。一方、繁殖用母豚は一回に
10頭前後の子豚を出産し、授乳を行うため、体力の消
耗が激しく、離乳直後の発情再帰が遅延することが多
く、繁殖効率が著しく低下し、養豚農家にとっては大き
な問題となっている。母豚の健全育成はその出生子豚の
健全肥育につながることは充分知られているものの、こ
れを連動して改善する確実な方法はないのが実情であっ
た。
【0003】豚の飼料についての研究開発は主に離乳後
の豚を対象にして行われており、酢酸含有物の使用につ
いての知見も多少は認められるものの、いずれも離乳後
の豚を対象としており、本発明のように繁殖用母豚を対
象とするものではなく、ましてや繁殖用母豚を経由して
それから出生した子豚までも対象とするものではない。
の豚を対象にして行われており、酢酸含有物の使用につ
いての知見も多少は認められるものの、いずれも離乳後
の豚を対象としており、本発明のように繁殖用母豚を対
象とするものではなく、ましてや繁殖用母豚を経由して
それから出生した子豚までも対象とするものではない。
【0004】例えば、酢酸含有物を豚に給与することに
より、豚の発育促進をはかったり、健康維持、疾病予防
をするために、酢酸含有物として食酢を用いたものとし
て、特公昭55−46688号において、飼料中又は飼
料の外に給餌量の約1%以上の果実酢又は果実酢を混合
した食酢を与えることを特徴としたものや、特開昭63
−301755号のように動物の下痢を減少させ、疾病
を防止するために食酢を含んだ動物用混合飼料などが知
られている。
より、豚の発育促進をはかったり、健康維持、疾病予防
をするために、酢酸含有物として食酢を用いたものとし
て、特公昭55−46688号において、飼料中又は飼
料の外に給餌量の約1%以上の果実酢又は果実酢を混合
した食酢を与えることを特徴としたものや、特開昭63
−301755号のように動物の下痢を減少させ、疾病
を防止するために食酢を含んだ動物用混合飼料などが知
られている。
【0005】しかしながら、これらの先行技術は、いず
れも繁殖用母豚の飼料に関するものでもなければその示
唆もなく、また更に、後者においては、酢酸含有物のほ
かに糖類の併用が必須であって、糖類の使用がなければ
上記した効果すら奏されない、換言すれば酢酸含有物の
単用については全く何も開示するところがないのみなら
ず、最終的な肥育への効果も不明確という欠点は避けら
れない。
れも繁殖用母豚の飼料に関するものでもなければその示
唆もなく、また更に、後者においては、酢酸含有物のほ
かに糖類の併用が必須であって、糖類の使用がなければ
上記した効果すら奏されない、換言すれば酢酸含有物の
単用については全く何も開示するところがないのみなら
ず、最終的な肥育への効果も不明確という欠点は避けら
れない。
【0006】本発明は、繁殖用母豚に本発明に係る特定
の飼料を給与することにより繁殖用母豚の繁殖効率を高
めるだけでなく、この繁殖用母豚から出生した子豚に対
して該飼料を給与しないにもかかわらず、その育成率を
も向上させて健全に発育させ、出荷効率を高める技術に
関するものであるが、上記のように繁殖用母豚を対象と
する飼料の給与方法すら従来知られておらず、ましてや
飼料を給与しなくても子豚の出荷効率を高め得ること、
換言すれば繁殖用母豚を介して間接的にしかも繁殖用母
豚に対する効果とは全く異なる効果を子豚に対して奏せ
しめることに至っては、従来技術は全く示唆すらするも
のではない。
の飼料を給与することにより繁殖用母豚の繁殖効率を高
めるだけでなく、この繁殖用母豚から出生した子豚に対
して該飼料を給与しないにもかかわらず、その育成率を
も向上させて健全に発育させ、出荷効率を高める技術に
関するものであるが、上記のように繁殖用母豚を対象と
する飼料の給与方法すら従来知られておらず、ましてや
飼料を給与しなくても子豚の出荷効率を高め得ること、
換言すれば繁殖用母豚を介して間接的にしかも繁殖用母
豚に対する効果とは全く異なる効果を子豚に対して奏せ
しめることに至っては、従来技術は全く示唆すらするも
のではない。
【0007】つまり、本発明は、出生した子豚の育成率
を向上させ、健全に発育させると同時に、また一方繁殖
用母豚に対しては、その繁殖効率の向上を図るために、
有機酸及び/又は有機酸含有物を飼料という形式で繁殖
用母豚に対して給与する(それから出生した子豚に対し
ては飼料を給与しないにもかかわらず、子豚に対する上
記著効は奏される)という従来未知の新規技術である。
を向上させ、健全に発育させると同時に、また一方繁殖
用母豚に対しては、その繁殖効率の向上を図るために、
有機酸及び/又は有機酸含有物を飼料という形式で繁殖
用母豚に対して給与する(それから出生した子豚に対し
ては飼料を給与しないにもかかわらず、子豚に対する上
記著効は奏される)という従来未知の新規技術である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】通常生後8カ月前後、
体重120〜130kgで繁殖用母豚に供用された豚
は、種付け、受胎確認を経て、約120日の妊娠期間の
後、10頭前後の子豚を出産し、20〜30日前後の授
乳期間を経て離乳後、次回の繁殖のため、種付けを行
う。しかし妊娠期間から出産、授乳による体力消耗に起
因すると考えられる離乳後の発情再帰の遅延は、空胎期
間の延長につながり、養豚農家にとっては繁殖用母豚の
回転率低下や、飼料のムダ食いなどの問題となってい
た。
体重120〜130kgで繁殖用母豚に供用された豚
は、種付け、受胎確認を経て、約120日の妊娠期間の
後、10頭前後の子豚を出産し、20〜30日前後の授
乳期間を経て離乳後、次回の繁殖のため、種付けを行
う。しかし妊娠期間から出産、授乳による体力消耗に起
因すると考えられる離乳後の発情再帰の遅延は、空胎期
間の延長につながり、養豚農家にとっては繁殖用母豚の
回転率低下や、飼料のムダ食いなどの問題となってい
た。
【0009】一方通常母豚から10頭前後出産された子
豚は、母乳で育成され、10日目頃から哺乳期用子豚飼
料を与え始め、母乳の不足のカバーと粉飼料への慣れを
開始した後、20〜30日前後で離乳して哺乳期用子豚
飼料のみで育成へと移るが、粉飼料には慣れておらず、
食欲停滞や、消化不良による下痢により育成率が低下す
る。そのため離乳後10〜20日の1日当りの体重増は
離乳前のそれを下回り、この期間はその前後と比較する
と発育が停滞し、最終的には肥育期間が延長することに
繋がり、養豚農家にとってその経営に与える影響は多大
なものがあった。
豚は、母乳で育成され、10日目頃から哺乳期用子豚飼
料を与え始め、母乳の不足のカバーと粉飼料への慣れを
開始した後、20〜30日前後で離乳して哺乳期用子豚
飼料のみで育成へと移るが、粉飼料には慣れておらず、
食欲停滞や、消化不良による下痢により育成率が低下す
る。そのため離乳後10〜20日の1日当りの体重増は
離乳前のそれを下回り、この期間はその前後と比較する
と発育が停滞し、最終的には肥育期間が延長することに
繋がり、養豚農家にとってその経営に与える影響は多大
なものがあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】養豚は肥育期間が比較的
短いため、上記のような繁殖用母豚や豚舎の回転率の低
下、肥育開始時の育成状況の悪化は、肥育期間中にその
遅れを取り戻すことができないことが多々生じ、養豚農
家にとっては大きな損失となる。
短いため、上記のような繁殖用母豚や豚舎の回転率の低
下、肥育開始時の育成状況の悪化は、肥育期間中にその
遅れを取り戻すことができないことが多々生じ、養豚農
家にとっては大きな損失となる。
【0011】このような繁殖用母豚の繁殖回転率の向
上、及び子豚の育成率向上、発育停滞防止について各方
面から鋭意検討した結果、繁殖用母豚に対して酢酸を給
与したところ、子豚出産後の体力の回復及び次回の発情
再帰日数の短縮に著しいものが認められ、繁殖効率の大
幅上昇が図られることを確認しただけでなく、まさに驚
異的なことに、酢酸を給与した母豚から生まれた子豚
は、酢酸給与等格別の処理をしなかったにもかかわら
ず、育成率が向上するとともに健全肥育が行われ、出荷
日数が大幅に短縮されることも確認した。
上、及び子豚の育成率向上、発育停滞防止について各方
面から鋭意検討した結果、繁殖用母豚に対して酢酸を給
与したところ、子豚出産後の体力の回復及び次回の発情
再帰日数の短縮に著しいものが認められ、繁殖効率の大
幅上昇が図られることを確認しただけでなく、まさに驚
異的なことに、酢酸を給与した母豚から生まれた子豚
は、酢酸給与等格別の処理をしなかったにもかかわら
ず、育成率が向上するとともに健全肥育が行われ、出荷
日数が大幅に短縮されることも確認した。
【0012】本発明は、これらのきわめて有用な新知見
を発見し、更に検討の結果、これらの著効は酢酸のみな
らず有機酸全般に認められることも併せ確認し、遂に完
成されたものであって、有機酸及び/又は有機酸含有物
を繁殖用母豚に給与することを基本的骨子とする豚への
飼料の給与方法に関するものである。
を発見し、更に検討の結果、これらの著効は酢酸のみな
らず有機酸全般に認められることも併せ確認し、遂に完
成されたものであって、有機酸及び/又は有機酸含有物
を繁殖用母豚に給与することを基本的骨子とする豚への
飼料の給与方法に関するものである。
【0013】以下本発明について詳述する。
【0014】本発明でいう有機酸とは、動物が食しうる
有機酸のいずれも使用可能であり、クエン酸、リンゴ
酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、酢酸等が上げられる。
これらは合成有機酸でも、発酵有機酸でもよく、またこ
れらの有機酸を含有しているもの、例えばこれらの有機
酸を飼料等に混合、吸着させたものや、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属と結合した形の有機酸塩も有機酸
含有物として用いることができる。
有機酸のいずれも使用可能であり、クエン酸、リンゴ
酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、酢酸等が上げられる。
これらは合成有機酸でも、発酵有機酸でもよく、またこ
れらの有機酸を含有しているもの、例えばこれらの有機
酸を飼料等に混合、吸着させたものや、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属と結合した形の有機酸塩も有機酸
含有物として用いることができる。
【0015】酢酸含有物としての醸造酢としては、リン
ゴ、ブドウ、ミカン等の果汁をアルコール発酵せしめた
後またはリンゴ、ブドウ、ミカン等の果汁にアルコール
を添加し、酢酸発酵せしめた醸造酢である果実酢のほ
か、米酢、その他穀物酢等が広範に使用される。これら
の食酢は、原料特有の香気があり、豚の嗜好性向上に寄
与できるので特に好ましい。またこれらの醸造酢をサイ
クロデキストリンや酢酸ナトリウム、デキストリン等に
吸着させたものや、ふすまや籾穀、酢粕、酒粕等に混
合、吸着させた粉末タイプのものも、ここでいう酢酸含
有物として用いることができる。
ゴ、ブドウ、ミカン等の果汁をアルコール発酵せしめた
後またはリンゴ、ブドウ、ミカン等の果汁にアルコール
を添加し、酢酸発酵せしめた醸造酢である果実酢のほ
か、米酢、その他穀物酢等が広範に使用される。これら
の食酢は、原料特有の香気があり、豚の嗜好性向上に寄
与できるので特に好ましい。またこれらの醸造酢をサイ
クロデキストリンや酢酸ナトリウム、デキストリン等に
吸着させたものや、ふすまや籾穀、酢粕、酒粕等に混
合、吸着させた粉末タイプのものも、ここでいう酢酸含
有物として用いることができる。
【0016】本発明においては、酢酸はもとより他の発
酵有機酸の場合も、発酵終了後発酵もろみから有機酸を
単離することなく、発酵もろみ自体、あるいはその濾
液、残渣、あるいはこれらの濃縮物、乾燥物、希釈物を
有機酸含有物として用いることも可能である。
酵有機酸の場合も、発酵終了後発酵もろみから有機酸を
単離することなく、発酵もろみ自体、あるいはその濾
液、残渣、あるいはこれらの濃縮物、乾燥物、希釈物を
有機酸含有物として用いることも可能である。
【0017】また本発明は、有機酸を主要有効成分とす
るものであって、これをそのまま飲料水及び/または飼
料に添加しておいてこれを自由に摂取せしめてもよい。
給与量としては、1頭1日当たり0.01g以上あれば
よく、母豚の状況に応じて適宜増量調節するのが望まし
い。
るものであって、これをそのまま飲料水及び/または飼
料に添加しておいてこれを自由に摂取せしめてもよい。
給与量としては、1頭1日当たり0.01g以上あれば
よく、母豚の状況に応じて適宜増量調節するのが望まし
い。
【0018】また給与期間としては、当該豚が繁殖用母
豚として飼育することが確定した以降、繁殖を行ってい
る間、継続して給与することが好ましく、特に出産1カ
月以上前から次回の発情がくるまでの間が好適である。
豚として飼育することが確定した以降、繁殖を行ってい
る間、継続して給与することが好ましく、特に出産1カ
月以上前から次回の発情がくるまでの間が好適である。
【0019】以下実験例によって本発明を具体的に説明
する。
する。
【0020】
【実験例1】初産の繁殖用母豚を用いて試験を行った。
各種の有機酸を1g/日・頭ずつ飲水に稀釈して給与し
た。有機酸の給与は、受胎が確認された後から、次回の
受胎が確認されるまで継続して行った。試験は各2回ず
つ反復して実施して、以下に示す表1の結果を得た。
各種の有機酸を1g/日・頭ずつ飲水に稀釈して給与し
た。有機酸の給与は、受胎が確認された後から、次回の
受胎が確認されるまで継続して行った。試験は各2回ず
つ反復して実施して、以下に示す表1の結果を得た。
【0021】
【表1】
【0022】上記の結果から明らかなように、各種の有
機酸を繁殖用母豚に給与することにより、子豚が順調に
生育し、育成率や、離乳後の増体重が、無添加の場合と
比較して大きく向上するばかりでなく、最終的な出荷日
数の短縮まで図ることが可能であり、養豚農家に対して
大きなプラスをもたらしていることが確認された。さら
に繁殖用母豚の次回の発情再起日数も短縮され、繁殖効
率が向上しており、あわせてより一層の経営の効率化が
図れることが明らかにされた。
機酸を繁殖用母豚に給与することにより、子豚が順調に
生育し、育成率や、離乳後の増体重が、無添加の場合と
比較して大きく向上するばかりでなく、最終的な出荷日
数の短縮まで図ることが可能であり、養豚農家に対して
大きなプラスをもたらしていることが確認された。さら
に繁殖用母豚の次回の発情再起日数も短縮され、繁殖効
率が向上しており、あわせてより一層の経営の効率化が
図れることが明らかにされた。
【0023】
【実験例2】2産目の繁殖用母豚を用いて試験を行っ
た。酢酸の給与は、2度目の受胎が確認された後から、
次回3産目の受胎が確認されるまで継続して、飼料に混
合して給与した。試験は各3回ずつ反復して実施し、以
下に示す表2の結果を得た。
た。酢酸の給与は、2度目の受胎が確認された後から、
次回3産目の受胎が確認されるまで継続して、飼料に混
合して給与した。試験は各3回ずつ反復して実施し、以
下に示す表2の結果を得た。
【0024】
【表2】
【0025】上記の結果から明らかなように、有機酸と
して酢酸を0.01g/日・頭以上繁殖用母豚に給与す
ることにより、子豚が順調に生育し、育成率や、離乳後
の増体重が大きく向上するばかりでなく、最終的な出荷
日数の短縮まで図ることが可能であった。さらに繁殖用
母豚の次回の発情再起日数も短縮され、繁殖効率が向上
していることも明らかに見られた。
して酢酸を0.01g/日・頭以上繁殖用母豚に給与す
ることにより、子豚が順調に生育し、育成率や、離乳後
の増体重が大きく向上するばかりでなく、最終的な出荷
日数の短縮まで図ることが可能であった。さらに繁殖用
母豚の次回の発情再起日数も短縮され、繁殖効率が向上
していることも明らかに見られた。
【0026】
【実験例3】2産目の繁殖用母豚を用いて試験を行っ
た。クエン酸を1g/日・頭ずつ繁殖用母豚の飼料の上
に散布して給与した。この際、給与開始時期を以下のよ
うに変え、給与試験を実施した(給与は次回の受胎が確
認されるまで継続した)。試験は各3回ずつ反復して実
施し、以下に示す表3の結果を得た。
た。クエン酸を1g/日・頭ずつ繁殖用母豚の飼料の上
に散布して給与した。この際、給与開始時期を以下のよ
うに変え、給与試験を実施した(給与は次回の受胎が確
認されるまで継続した)。試験は各3回ずつ反復して実
施し、以下に示す表3の結果を得た。
【0027】
【表3】
【0028】上記の結果から明らかなように、受胎確認
後であれば、有機酸の給与開始時期はいつでもよく、そ
れにより出生した子豚の育成率、離乳後増体重が向上
し、最終出荷体重までの到達日数においても大幅な短縮
効果が認められた。次回発情再起日数も確実に短縮さ
れ、繁殖用母豚の健康維持にも大きな効果があることが
うかがえる。
後であれば、有機酸の給与開始時期はいつでもよく、そ
れにより出生した子豚の育成率、離乳後増体重が向上
し、最終出荷体重までの到達日数においても大幅な短縮
効果が認められた。次回発情再起日数も確実に短縮さ
れ、繁殖用母豚の健康維持にも大きな効果があることが
うかがえる。
【0029】以下実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるもの
ではない。
するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるもの
ではない。
【0030】
【実施例1】3産目の繁殖用母豚3頭に、受胎確認後か
ら、子豚の離乳時まで、市販米酢(酢酸濃度4.5%
(W/V))を100ml/日・頭ずつ飼料に混合して
給与した。その結果、出産した子豚の離乳後から60日
目までの1日当りの平均増体重(kg/日・頭)は0.
375となり、離乳前の1日当りの平均増体重(kg/
日・頭)0.251を大きく上回り、159日間で体重
が105kgに到達したため出荷することができた。ま
た育成率は100%になり、この繁殖用母豚の発情再起
日数は平均7日であった。
ら、子豚の離乳時まで、市販米酢(酢酸濃度4.5%
(W/V))を100ml/日・頭ずつ飼料に混合して
給与した。その結果、出産した子豚の離乳後から60日
目までの1日当りの平均増体重(kg/日・頭)は0.
375となり、離乳前の1日当りの平均増体重(kg/
日・頭)0.251を大きく上回り、159日間で体重
が105kgに到達したため出荷することができた。ま
た育成率は100%になり、この繁殖用母豚の発情再起
日数は平均7日であった。
【0031】一方同じ産数の繁殖用母豚で市販米酢を給
与しなかった場合、出産した子豚の離乳後から60日目
までの1日当りの平均増体重(kg/日・頭)は0.3
00となり、離乳前の1日当り平均増体重(kg/日・
頭)0.260との比較は市販米酢を給与した場合より
低くなり、発育停滞が生じたため、105kg到達日は
185日を要した。更に育成率は85%にとどまり、発
情再起日数は平均11日という成績になった。
与しなかった場合、出産した子豚の離乳後から60日目
までの1日当りの平均増体重(kg/日・頭)は0.3
00となり、離乳前の1日当り平均増体重(kg/日・
頭)0.260との比較は市販米酢を給与した場合より
低くなり、発育停滞が生じたため、105kg到達日は
185日を要した。更に育成率は85%にとどまり、発
情再起日数は平均11日という成績になった。
【0032】
【実施例2】2産目の繁殖用母豚4頭に、出産2カ月前
から、子豚の離乳時まで、クエン酸(食品添加物用)
を、10g/日・頭ずつ飼料に振り掛けて給与した。
から、子豚の離乳時まで、クエン酸(食品添加物用)
を、10g/日・頭ずつ飼料に振り掛けて給与した。
【0033】その結果、平均12頭出産した子豚の離乳
後から35日目までの1日当りの平均増体重(kg/日
・頭)は、離乳前の1日当りの平均増体重(kg/日・
頭)の1.39倍の0.305となった。離乳時頭数は
平均11.5頭となり、育成率は95.8%になり、最
終的に169日間で体重が105kgに到達したため出
荷することができた。また繁殖用母豚の発情再起日数は
平均6.5日であった。
後から35日目までの1日当りの平均増体重(kg/日
・頭)は、離乳前の1日当りの平均増体重(kg/日・
頭)の1.39倍の0.305となった。離乳時頭数は
平均11.5頭となり、育成率は95.8%になり、最
終的に169日間で体重が105kgに到達したため出
荷することができた。また繁殖用母豚の発情再起日数は
平均6.5日であった。
【0034】
【実施例3】初産の繁殖用母豚2頭に、出産1週間前か
ら、子豚の離乳時まで、フマル酸を3g/日・頭ずつ飲
水に稀釈して給与した。その結果、出産した子豚の離乳
後から60日目までの1日当りの平均増体重(kg/日
・頭)は0.332となり、離乳前の1日当りの平均増
体重(kg/日・頭)0.235と比較して離乳直後の
発育停滞は防止された。この時の育成率は95%であ
り、163日出荷を達成することができた。この繁殖用
母豚の健康状態は良好で、離乳後速やかに次回の種付け
が終了した。
ら、子豚の離乳時まで、フマル酸を3g/日・頭ずつ飲
水に稀釈して給与した。その結果、出産した子豚の離乳
後から60日目までの1日当りの平均増体重(kg/日
・頭)は0.332となり、離乳前の1日当りの平均増
体重(kg/日・頭)0.235と比較して離乳直後の
発育停滞は防止された。この時の育成率は95%であ
り、163日出荷を達成することができた。この繁殖用
母豚の健康状態は良好で、離乳後速やかに次回の種付け
が終了した。
【0035】一方フマル酸を給与しなかった場合、各区
の成績はいずれも給与区を大きく下回り、特に発情再起
が遅れ、次回の種付けが終了し、受胎が確認されたの
は、離乳後2カ月以上を経過した後となった。
の成績はいずれも給与区を大きく下回り、特に発情再起
が遅れ、次回の種付けが終了し、受胎が確認されたの
は、離乳後2カ月以上を経過した後となった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば簡便してかつ効率よく繁
殖用母豚が活用できると同時に、子豚の育成にも大きな
効果がみられるため、養豚農家にとっては大幅な収入増
が期待できる。
殖用母豚が活用できると同時に、子豚の育成にも大きな
効果がみられるため、養豚農家にとっては大幅な収入増
が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川 村 吉 也 愛知県江南市古知野町古渡 132 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23K 1/00 - 1/18
Claims (4)
- 【請求項1】 有機酸及び/又は有機酸含有物を、繁殖
用母豚に給与することを特徴とする豚への飼料の給与方
法。 - 【請求項2】 有機酸及び/又は有機酸含有物を繁殖用
母豚に給与し、もって、それから出生した子豚の育成率
を向上させ及び/又は健全に肥育させることを特徴とす
る豚への飼料の給与方法。 - 【請求項3】 繁殖用母豚1頭当たり、1日に給与する
有機酸量が0.01g以上であることを特徴とする請求
項1又は請求項2の豚への飼料の給与方法。 - 【請求項4】 有機酸がクエン酸、リンゴ酸、フマル
酸、コハク酸、乳酸及び/又は酢酸であることを特徴と
する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の豚への
飼料の給与方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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