JP2915118B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2915118B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、記録装置に関し、特にステップモータを駆
動源として用いて記録ヘッドを被記録材に対し移動させ
つつ記録を行うシリアルタイプの記録装置に関する。
[従来の技術] 従来から知られているシリアル型の記録装置では、記
録ヘッドを記録走査のために搬送するキャリッジを駆動
するキャリッジ駆動モータとしてステップモータが用い
られ、該モータを閉ループ制御するものが多い。その理
由は、開ループのステップモータ駆動であるとモータ駆
動に伴って耳障りな騒音を発生したり、脱調が生じて印
字ドットずれが生じうる問題があるからである。
[発明が解決しようとする課題] ところで、例えばインクジェット記録装置において、
キャリッジの走行に伴って記録ヘッドのインク吐出口形
成面と係合し、これを清掃するワイピング動作を行うも
のがある。この動作には所定の速度のキャリッジ走行が
要求される。すなわち、通常は記録時走行に比べかなり
遅い速度が要求されている。また、装置の小型化やトー
タルの印字速度向上のため、そのための走行距離は極力
短いことが要求される。
このように短い距離にてしかも確実に所定の位置にて
所定の速度を実現させることはステップモータを用いた
閉ループ制御にては大変困難であった。
またコストダウンのため1つの駆動源を切換えること
により複数の動作の駆動力として用いるような駆動力伝
達切換え機構を有する記録装置がある。本出願人により
開示された特願平1−139307号では、例えば紙送り用モ
ータの駆動力を紙送り用、オートシートフィーダ駆動
用、インクジェット記録装置における回復手段駆動用等
に切換える機構においてキャリッジの停止位置により伝
達の切換えを行う構成が開示されている。このような機
構を有する記録装置の場合は、長時間所定の位置に停止
したり、所定の速度にて短い距離を往復する等の動作が
生じるので、閉ループ制御による駆動にては制御系が複
雑なものとなってしまう等の問題が生じうる。
本発明は、閉ループ駆動とステップモータ駆動との切
換えを可能とするとともに、さらにはステップモータ駆
動の中で適宜駆動条件、例えば速度、電流値等を切換え
ることにより、上記問題点等を解決することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] そのために、本発明は、被記録材に記録を行う記録装
置において、ステップモータと、前記ステップモータの
駆動力によって被記録材に沿って往復移動可能であっ
て、被記録材に記録を行う記録ヘッドと、前記ステップ
モータのロータの回転角位置を検出する角位置検出手段
と、該検出手段の検出結果に応じて前記ステップモータ
の駆動を閉ループ制御する制御手段と、前記ステップモ
ータをステップモータ駆動する制御手段と、前記記録ヘ
ッドの移動位置を検出するための移動位置検出手段と、
当該検出値に応じて前記閉ループ制御とステップモータ
駆動とを切換える切換え手段とを具えたことを特徴とす
る。
また、ステップモータ駆動に切換えられた中でさらに
所定の移動位置により駆動条件を切換える手段を具え
た。
[作用] 本発明によれば、閉ループ駆動とステップモータ駆動
とを切換えて場合に応じた適切な制御が可能となる。ま
た、ステップモータ駆動の過程において、記録装置の必
要に応じた種々の最適な記録ヘッドないしキャリッジの
駆動が可能となる。例えばインクジェット記録装置にお
けるキャリッジの走行により記録ヘッドのインク吐出口
面を清掃するワイピング動作時や、例えばキャリッジの
停止位置により駆動力伝達切換えを行う動作時等に適し
た駆動方法にて最適の状態で駆動を行うことができ、信
頼性の高い記録装置を提供することができる。
[実施例] 以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳細かつ具
体的に説明する。
(装置全体の構成) 第1図は本発明の一実施例としてインクジェット記録
装置の例を示す。ここで、1はキャリッジ2に搭載され
た記録ヘッドであり、キャリッジ2は不図示のアイドラ
プーリとの間に張設されたタイミングベルトにより、第
7A図,第7B図につき後述するキャリッジ駆動モータ(第
1図には図示せず)によって駆動され、その正逆転によ
って案内軸3に沿い往復移動される。なお、記録ヘッド
1にはインクカートリッジ4から不図示のインクチュー
ブを介してインクが供給され、キャリッジ2による左か
ら右への移動中にそのインク吐出口(不図示)から被記
録材である例えば記録シート5に向けてインクが吐出さ
れ、記録が行われる。記録ヘッドの吐出用手段として
は、米国特許第4,723,129号,同第4,459,600号明細書に
記載されているような、熱エネルギによって液体に気泡
の急速な形成,収縮を含む状態変化を引起し、この気泡
の形成に応じて液体を液滴として吐出する方式(構成要
件として電気熱変換体をもつものが好ましい)によるも
のを採用できる。
6は記録シート5を記録ヘッド1の吐出面対向位置に
所定の間隔を保って保持する板状の固定プラテン、7は
記録シート5をシート送りするフィードローラ、8はフ
ィードローラ7に圧接してその間に記録シート5を挟持
するように従動するピンチローラ、9はピンチローラ8
に圧接力を付与するためのピンチローラホルダであり、
ホルダ9はステンレス板等で形成され、そのばね力によ
ってピンチローラ8をフィードローラ7に向けて偏倚さ
せている。10および11は手差しなどで給紙された記録シ
ート5を保持し、フィードローラ7とピンチローラ8と
の間に導くための上部ガイドおよび下部ガイドである。
上部ガイド10にはその上部にガイドレール10Aが設け
られていて、キャリッジ2の下面側に設けた板ばね部2A
がこのガイドレール10Aに沿って摺動自在に保持され
る。かくして板ばね2Aのばね力によりキャリッジ2自体
を固定プラテン6に向けて付勢し、キャリッジ2の一部
をプラテン6の前面に設けられたシート押え板13に摺動
自在に当接させることによって、前記ヘッド1のインク
吐出面1Aと記録シート5との間に所定の間隔を保つ。な
お、キャリッジ2の一部が当接するシート押え板13の部
位はシート押え板13のフィードローラ7が接触する部分
の裏側近傍であり、記録シート5の通過によってシート
押え板13がその分だけ後退するとキャリッジ2も同様に
後退する。よって、紙厚に関係なく上述の間隔を所定の
間隔に保ち、高品位の記録画像を形成することができ
る。
フィードローラ7とピンチローラ8とによって送給さ
れた記録シート5は後方にほぼ30度の角度を保って傾斜
させた固定プラテン6によって保持されるために記録結
果が見易い。而して、記録済の記録シート5は第2図に
示すように排出ローラ12とこれに圧接する拍車12Bとの
間に挾持され、スタッカ部14に排出される。
第2図は外装カバー15および自動給紙装置(オート・
シート・フィーダ;ASF)16を装備した状態を示し、記録
シートを前面の手差しのみならず、後方のASF16を介し
て供給することができ、更にピンフィードトラクタ17を
用いれば連続紙に記録させることもできる。また、固定
プラテン5には裏面にヒータを設けることも可能であ
り、それによって乾燥しにくいインクに対処させること
もできる。
ついで、本例にかかるインク供給装置、回復装置およ
びシート送り装置等について述べる。これらの装置は第
1図で記録領域の左側に集中して配置されており、その
駆動伝達機構の簡略化と共に空間のコンパクト化を図
り、駆動源が共用されるもので、20はその駆動源として
設けたフィードモータである。フィードモータ20は後述
するようにして、フィードローラ7および排出ローラ12
を駆動すると共にASF 16をも駆動することができ、更に
は回復装置による一連の回復動作をも行わせることがで
きる。
21はカートリッジ挿入口、22は挿入口21からインクカ
ートリッジ4を差込んだときにこれに突き刺さることに
よってインクを不図示のチューブやインク残量検出器を
介して記録ヘッド1に供給する中空針である。また、回
復装置はキャップ部材23、キャップ部材23を搭載したキ
ャップキャリア23Aを移動自在に保持するキャップガイ
ド軸24、キャップ部材23とその移動に伴い記録ヘッド1
のインク吐出面1Aに向けて動作させるように案内するレ
ール25、キャップ部材23を右側の初期位置に向けて偏倚
させるばね26、インク吸引用のポンプ27等を具えてい
る。
また、キャップキャリア23Aはキャリッジ2の走行路
に向けて突出させた腕部23Bを具えており、キャリッジ
2が第1図に示す位置から左方に移動して初期位置に戻
るときにキャリッジ2の一部が上部の腕部23Bに当接し
て係合し、キャップ部材23と一体になって更に左方へと
移動する。28は基準位置検出用の固定シャッタであり、
キャリッジ2が初期位置にまで導かれてくると、キャリ
ッジ2に設けた透過型センサ(ホームポジションセン
サ)29により固定シャッタ28が検出されて、初期位置が
判断される。なお、このあとの移動中にキャップ部材23
によるインク吐出面1Aへのキャッピングが行われる。
また、キャッピングが行われたあとの回復動作では、
キャップ部材23に不図示のチューブで接続されたポンプ
27の駆動によってキャップ部材23中に負圧を発生させ、
記録ヘッド1のノズル内からインクが吸引されるが、こ
のような回復動作は後述する駆動力切換手段による切換
えによってフィードモータ20により行われる。31はポン
プ27を駆動するためのポンプガム、32はポンプ出力ギ
ヤ、33および34はポンプ出力ギヤ32と同軸に設けたASF
用出力ギヤおよびシート送り用出力ギヤであり、また、
35はギヤ列36と噛合し、フィードギヤ37を介してフィー
ドローラ7を回転駆動可能なアイドラギヤである。
なお48はキャリッジ2の走行方向に対して垂直に設け
られ、キャリッジの走行に伴って記録ヘッド1の吐出口
形成面に係合してこれを清掃するように固定されたワイ
パー(ブレード)である。
(切換え機構) ついで第3図および第4図に従ってフィードモータ20
による動作の切換え機構について説明する。なお、以下
では伝動部材としてギアを用いる実施例について述べる
が、伝達部材としては他の形態のものでもよい。
第3図において、41はフィードモータ20の駆動をスラ
イドギヤ軸42の駆動ギヤ43に伝達するためのアイドラギ
ヤであり、スライドギヤ軸42はD形の断面形状を有し、
このスライドギヤ軸42に軸42と共に回転するスライドギ
ヤ44がスライドホルダ45によって保持されている。すな
わち、スライドホルダ45は第4図に示すように下方に延
在された二又の脚部45Aを有し、この脚部45Aがフレーム
46によってギヤ軸42と平行に支持される溝部材47に嵌合
わされていることによって、脚部45Aの溝部材47に沿っ
た移動に伴い、スライドギヤ44がスライドホルダ45と共
に移動する。23Cはキャップキャリア23Aか溝部材47の方
向に向けて突設した第2の腕部、23Dは第2腕部23Cの先
端に保持される板ばねであり、板ばね23Dは上述したス
ライドホルダ45の二又の脚部45A間に挾持されている。
そこで、後述するようにしてキャップ部材23がキャリ
ッジ2と係合して左方に移動されるときに、上述の板ば
ね23Dを介してスライドホルダ45が同方向に移動される
ので、スライドギヤ44は常にキャップ部材23と対応した
位置を保つ。しかして、このスライドギヤ44の上方に第
4図に示すようにして同じくフレーム46に支持され、ス
ライドギヤ44に噛合可能なモジュールのギヤ列36が配置
される。
ギヤ列36の内、最も右方に配置されたギヤは大歯車34
Aと小歯車34Bとからなるシート送り用出力ギヤ34であ
り、そのうちの大歯車34Aはスライドギヤ44に噛合し、
小歯車34Bは排出ローラギヤ12Aにアイドラギヤ35を介し
て噛合する。なお、シート送り用出力ギヤ34にスライド
ギヤ44が噛合した状態で、フィードモータ20によりフィ
ードギヤ37および排出ローラギヤ12Aを介してフィード
ローラ7および排出ローラ12を正転若しくは逆転させる
ことができる。
更に第4図において、ASF出力ギヤ33は同軸の大歯車3
4Aと同じ歯数およびモジュールを有し、スライドギヤ44
の移動位置によってスライドギヤ44と噛合すると共に、
ASF16の入力ギヤ16Aと噛合する。よって、スライドギヤ
44がASF出力ギヤ33と噛合した状態では入力ギヤ16Aを正
転若しくは逆転させることができ、例えばその正転によ
りASF16によるシート送りを、また逆転により1ビン,2
ビン等の選択等高度の機能的動作を行わせることができ
る。
第4図でギヤ列36の左端に設けられているポンプ出力
ギヤ32もまた、第5A図に示すようにスライドギヤ44に一
番左の移動位置で噛合し(2点鎖線で示す)、ポンプ出
力ギヤ32の一方のギヤ32Aはポンプカム31の駆動ギヤ31A
に噛合している。よって、スライドギヤ44がこのような
位置に移動されたときにフィードモータ20によりポンプ
カム31を駆動させ、カム31によりポンプ27にポンピング
動作を行わせることができる。すなわち、以上に述べて
きたように、キャリッジ2の停止位置次第によって、ス
ライドギヤ44を介してフィードモータ20の駆動力をシー
ト送り用出力ギヤ34、ASF出力ギヤ33およびポンプ出力
ギヤ32のいずれかに伝達することができ、それぞれに対
応した動作を行わせることができる。
ついで、キャリッジ2の記録領域外における左方への
移動にともない、その移動位置によってキャップキャリ
ア23Aが移動され、キャップキャリア23Aの移動に応じて
スライドギヤ44が上述の各出力ギヤと噛合する動作につ
いて説明する。なお、このような出力ギヤの切換動作に
おいてはキャップキャリア23Aとスライドホルダ45との
連結部分に介装されている板ばね23Dがその切換時に緩
衝の役目をなす。
いま、キャリッジ2が第1図で右側の記録領域から左
方に移動してきて第6A図に示す位置から更に第6B図に示
す位置まで移動すると、キャップキャリア23Aの腕部23B
に記録ヘッド1が係合して、このあとはキャップキャリ
ア23Aをガイド軸24に沿って移動可能な状態とする。な
お、第6A図〜第6C図において、(A)〜(D)はキャッ
プキャリア23Aがキャップ部材23を保持した状態でスラ
イドホルダ45、スライドギヤ44と共に取り得る4つの位
置を示すもので、このうち位置(A)〜(C)において
は例えば第6C図に示すようにレール25によって案内され
るキャップ部材23の作動腕23Eによりキャップ部材23が
記録ヘッド1に向けて押出され、キャッピングの状態に
保たれる。また位置(D)は記録時中にシート送り等を
行うため待機する位置であり、いま、キャリッジ2が第
6B図に示すように、位置(D)にあるときは、ここで図
示されていないがスライドギヤ44はシート送り用出力ギ
ヤ34と噛合しており、この状態でモータ20によりシート
送りを実施することができる。
この位置(D)では、記録ヘッドがキャップに対向し
ており、この位置では、記録には関係のない予備吐出
が、記録ヘッドの電気熱変換体に対しての電気信号によ
って行うことができる。本例では、プリント開始時と、
記録中の連続時間が1分間続く場合に該予備吐出を行う
ものである。
次に、位置(D)から更にキャリッジ2を左方に移行
させると、スライドギヤ44は位置(B)のところでシー
ト送り用出力ギヤ34から外れてASF出力ギヤ33に噛合す
る。しかしこの場合、歯の位相にずれがあったりすると
ASF出力ギヤ33にうまく噛合しないが、かまわずキャッ
プキャリア23Aを一旦位置(B)に対応するところまで
移行させると、噛合しない分の移動量の差は板ばね23D
が屈曲することによって吸収される。かくして、この
後、フィードモータ20を駆動すると、第3図に示すよう
に駆動ギヤ43を介してスライドギヤ44が駆動されること
により相互の歯の位相が一致したところで噛合し、ASF
出力ギヤ33を駆動させることができる。
また、例えばスライドギヤ44がシート送り用出力ギヤ
34と噛合していてシート送りがなされた直後等では歯同
士が互いにかたく噛合していて、その間に摩擦が働くた
めに簡単に引外せないが、この場合も一時的に板ばね23
Dの屈曲により一時的にその状態を保持させ、フィード
モータ20の逆回転により歯同士間の摩擦を解消させるよ
うにすることができる。
次に、位置(A)はポンピングなどの回復動作を行う
位置であり、第6C図はこの状態を示す。この状態でスラ
イドギヤ44をポンプ出力ギヤ32に噛合させることがで
き、第5A図に示したようにその一方の歯車32Aによりポ
ンプカム31を介してポンプ27を駆動することができる。
なお、(C)は記録ヘッド1にキャッピングした状態で
待機する場合の位置であり、勿論この状態でもシート送
りを実施することができる。
(キャリッジ駆動モータ) 第7図(A)および(B)は、上述のような駆動条件
で駆動される本発明実施例のキャリッジ駆動モータの内
部断面構造を示す。本図において、110はケーシング、1
13はロータ軸、114はロータ、115aおよび115bはコイ
ル、116aおよび116bはステータ、117はスリットを設け
たディスク、および118はスリット検出用のフォトイン
タラプタであり、ディスク117とフォトインタラプタ118
とでモータ100のロータ114の回転角位置を検出するエン
コーダを構成する。そして、ロータ軸113にはプーリが
設けられ、そのプーリと他のプーリとの間に張架された
タイミングベルトを介してキャリッジ2の移動が行われ
る。
第8図は本実施例によるキャリッジ駆動用のステッピ
ングモータ100の駆動方法を示すブロック図である。本
例においては、エンコーダ部とモータ部とが一体となっ
たキャリッジ駆動モータ100を用いているため、図では
そのステップモータ部100Aとエンコーダ部100Bとに分け
て示してある。
101はエンコーダ部100Bより発生する信号の計数を行
うための位置カウンタである。本例では、この位置カウ
ンタ101の計数値を用いてMPU102にて現在のキャリッジ
位置等を認識し、設定位置の管理やモータ駆動方式の切
換え制御等を行う。
103は同じくエンコーダ部100Bより発生する信号を用
い、ステップモータ部100Aの回転速度すなわちキャリッ
ジ速度をMPU102において認識させるための速度カウンタ
であり、この速度カウンタ103は、エンコーダ信号のパ
ルス幅を測定する。そして、MPU102は速度カウンタ103
の値を用いそれを処理することによりPWMカウンタ104に
対し必要なPWM値(パルス幅変調のデューティ値であり
出力値が大きいとデューティが大きく電流が流れること
になる)を与え、キャリッジモータ100を閉ループ制御
することになる。
105はエンコーダ部100Bの信号をエンコーダ回路106を
通しある決まった値にてステップモータの励磁相を切換
えるよう制御するための電流切換回路である。
107は、PWMカウンタ104より与えられたPWM値にて、ま
た電流切換え回路105により与えられる電流切換タイミ
ングにて、ステップモータ部100Aを駆動するためのモー
タ駆動回路である。
ここでキャリッジモータ100を閉ループ制御にて駆動
する方法を説明する。
ステップモータ部100Aの回転に同期して回転するエン
コーダ部100Bより発生するパルス信号によりステップモ
ータ部100Aの相に対して切換えのタイミングが電流切換
え回路105によって自動的に設定される。一方、パルス
信号を用いてそのパルス幅をカウントすることにより速
度カウンタにてステップモータ部100Aの回転速度が検知
される。この値を用いMPU102内にて予め内部ROM上に定
められた手順に従った処理を行い、必要なPWM値が算出
されてPWMカウンタ104にセットされる。このPWM値は例
えばステップモータ部100Aの回転速度が目標(指示)回
転速度に対して大きい場合はその速度が小さくなるよう
に、すなわちPWM信号のデューティを小さくするような
値にセットされることになる。
MPU102によって算出されたPWM値および電流切換回路1
05により与えられる相切換タイミングによってステップ
モータ部100Aがモータ駆動回路107を介して駆動され、
再びその速度がエンコーダ部100Bにより検知される。以
上のような閉ループ制御にてステップモータ部100Aは閉
ループ駆動される。
次にこのキャリッジモータ100をステップモータ駆動
する方法を説明する。
励磁の相の切換えは電流切換え回路105によらず、通
常のステップモータ駆動と同様、MPU102にて予めROMに
て定められた励磁タイミング(時間)で行なわれる。ま
たこの時の電流値はPWM値により管理されることにな
る。すなわち、MPU102に予め定められたPWM値がPWMカウ
ンタ104を通してモータ駆動回路に与えられる。
このようにしてステップモータ部100Aは定まった相切
換えタイミングにて定まった電流値(PWM値)によって
モータ駆動することが可能となる。この際にもエンコー
ダ信号は発生しており、位置カウンタ101を通してMPU10
2によりキャリッジ位置を判断するために用いられる。
通常のステップモータ駆動の場合はMPU102が定めた励磁
相の切換えをカウントすることによりキャリッジ位置を
判断するが、本例においては従来のように励磁相の切換
えをカウントする方法およびエンコーダ信号をカウント
する方法の両者でキャリッジ位置を判断することができ
る。
以上がこのキャリッジモータ100をステップモータ駆
動する方法である。
(キャリッジ位置とモータ駆動の態様) 第9図はキャリッジ2がどの位置にあるときに何が行
なわれ、どのようにキャリッジモータ100が駆動される
かを示した図であり、第1図に示す記録位置の左端部を
示したものである。
ポジション(A)〜(D)については第3図〜第6図
のキャッピンクおよび駆動の切換え部にて説明した位置
であり、前述のように(A)はポンプ27に駆動伝達がな
される位置、(B)はASF16に駆動伝達がなされる位
置、(C)はシート送り用の駆動伝達でキャッピング状
態の位置、(D)はシート送り用の駆動伝達位置で記録
ヘッドがキャップに対向した予備吐出の位置である。
さらに(E)は前述のワイパー48によるワイピング動
作の位置、(F)はこの位置を境に右側は印字のための
閉ループ駆動、左側は各駆動条件を持ったステップモー
タ駆動を行う位置、(G)は印字範囲の第1ドットの位
置を示す。また(H)はシート送り用出力ギヤ34から一
端スライドギヤ44が外れてポンプ位置に行き、再び戻っ
てくることがあってもシート送り位置がずれることがな
いように調整を行う位置である。
( )内に示す時間は前述のステップモータ駆動時説
明したモータ相の励磁切換え時間を示したものである。
また□内の%表示は同じく前述のPWM値のデューティを
示したものであり、大きい程電流が流れるものである。
そしてその上段が1−2相励磁駆動における1相励磁時
のPWMデューティ値、下段が同じく2相励磁時のPWMデュ
ーティ値である。すなわち、本実施例においてはステッ
プモータ駆動時は1−2相励磁駆動を行っており、1相
励磁時と2相励磁時とでPWMが異なった値に設定されて
いる。1−2相励磁の場合は1相の励磁時と2相の励磁
時において同電流の場合は1相の方が弱いことから1相
励磁時のPWM値を大きなものとしている。また本実施例
においては同程度のトルクを出すために2相励磁時のPW
M値は1相励磁時のPWM値の概略 としている。このように本実施例においては相の切換え
を行う毎にPWM値を変えるステップモータ駆動を行って
いる。
また各位置においてキャリッジスピードすなわちモー
タ相の励磁切換え時間を切換えており、例えばワイピン
グ時は通常より遅い所定のスピード(本実施例いおいて
は8ms)の切換えタイミングにて駆動し、確実なワイピ
ングがなされるようにしている。また全体的な動作時間
を短縮するため必要最小限の部分のみその8msとし、そ
の前後では3msと駆動速度を高めている。
さらに、駆動切換え機構部の(A)〜(D)の範囲で
は左方向への移動はバネ26に逆らった移動であり、駆動
トルクが必要なため速度を遅くして5msにて駆動し、逆
に右側への移動はバネ26が復帰する方向であるから3ms
として高速駆動を行っている。
さらに(D)〜(C)への移動では、レール25のカム
形状部分に乗り上げるため、より大きな駆動トルクが必
要なためPWM値を50%,35%と大きな値としている。
なお、制御に必要な諸値はMPU内蔵のROMにテーブル化
しておくことができる。
(制御手段) 第10図および第11図を用いて駆動切換え部(A)〜
(D)に置ける紙送りモータおよびキャリッジモータの
制御態様を説明する。
本実施例においては(A),(H),(B),
(C),(D)の隣接する各位置間におけるキャリッジ
移動がサブルーチン化されている。例えば、(A)〜
(D)までのキャリッジ移動は(A)→(H),(H)
→(B),(B)→(C),(C)→(D)の各ルーチ
ンを合わせた構成となっており、基本的なフローは各ル
ーチンで類似したものとなっているので、次ではそのう
ちの1つを例示する。
第10図に示した手順は各サブルーチンのうちキャリッ
ジがキャップ位置(C)からASF位置(B)まで移動さ
せるときのサブルーチンを示したものである。
まずステップS1における判断について説明する。例え
ば本サブルーチンがコールされる直前に予備吐出の位置
(D)からキャップ位置(C)までの移動がなされてい
た場合は、(D)→(C)への移動ルーチン最後にてス
ライドギヤの圧接解除がなされた状態にて終了してお
り、本手順中ステップS2およびS3にてなされるスライド
ギヤの圧接解除と重複することとなる。そこで時間の短
縮等の目的でステップS2,S3をスキップ(バイパス)す
るようにしている。このバイパス設定の判断について
は、連続移動が生じるときにセットされるフラグ(例え
ばMPU内蔵のRAMに設けておくことができる)を参照して
行うこともできる。
ステップS2,S3についてはスライドギヤ44とシート送
り出力ギヤ34との圧接状態を解除することにより、スラ
イドギヤ44を移動可能状態とし、キャリッジを移動可能
とするためのものである。すなわち、ステップS2にてス
ライドギヤ44を回転させることにより各ギヤのバックラ
ッシユ等をとり十分にシート送り出力ギヤ34に圧接され
た状態とする。この状態より、ステップS3にて、所定パ
ルス(本実施例においては3パルス)分、ステップS2と
逆の回転方向、すなわち正転方向へ回転させることによ
り、スライドギヤとシート送り出力ギヤの圧接が完全に
フリーとされる状態とする。ここで紙送りモータ20は電
流値を大,中,小の3段階に切換え可能に設定されてお
り、シート送り出力ギヤ34に噛み合った状態での必要回
転トルクは大きいため、大電流の設定となっている。な
お本実施例において相切換えタイミングは3msと設定さ
れている。
ステップS4は第11図に示すキャリッジを目的位置まで
移動させるためのルーチンであり、ここではキャリッジ
をASF位置Bの手前約2mmのところまで移動させている。
ここで第11図を用いてこのサブルーチンを説明する。
まずステップS8にて設定しているエラーカウンタは、通
常動作にてキャリッジが目的位置まで到達できない場合
にリカバリーするための動作を制御するのに用いるもの
である。本例では、後述するように第1回目のリカバリ
ーシーケンスにてはキャリッジの駆動力をアップするだ
けにし、第2段以降のリカバリーシーケンスにては紙送
りモータ20の駆動をも合わせて行うように設定してい
る。そして所定回数(EC)回リカバリーシーケンスを実
施しても目的地に到達しない場合はエラーとなるように
制御するため、ステップS8ではそのエラーカウンタに
“EC"をセットする。
このリカバーリーのシーケンスを用いることによりス
テップS9にて設定するキャリッジモータのステップ駆動
条件をある程度のマージンを持った駆動力に設定し、余
分な駆動力を抑えることができ、駆動騒音の低減が可能
となる。
ステップS9において、本実施例では第9図に示した如
く(C)から(B)への移動時のステップモータ駆動は
5msの切換えタイミングによりPWMデューティが1相駆動
時に40%、2相駆動時に30%の1−2相励磁にてなされ
る。またこのとき第8図に示す位置カウンタ101を用い
てMPU102がカウントしている現在のキャリッジ位置と目
的地までの距離との差である移動距離にて算出されたキ
ャリッジモータのステップ数に余裕分の所定ステップを
加えた数を最大ステップとして設定する。
ステップS11は前述のエンコーダ信号を用いて管理さ
れる位置カウンタ101によって目的位置に達したかを判
断する手順であり、到達時点にてステップS12において
キャリッジモータの駆動を止める。
一方、ステップS10により判断されるように、ステッ
プS9にて設定した最大ステップを越えてもキャリッジが
目的位置に達しない場合はリカバリーのシーケンスに入
る。ステップS13によって第1段のリカバリーシーケン
スの場合はステップS17の紙送りモータの駆動は行わな
いようにしている。またステップS14,S15によってこの
リカバリーのシーケンスが所定値(EC)回行われ目的地
に到達しない場合はエラーとなるように制御される。ス
テップS16ではステップS9にて設定された駆動条件にて
は何らかの理由で目的地に到達できないため、駆動力を
アップする方向にて設定される。例えばステップS9にて
(5ms,40%,30%)にて設定されるものに対して(5ms,6
0%,40%)等に駆動力をアップして駆動が行われるよう
にする。
ステップS17は、何らかの理由でスライドギヤ44が各
ギヤから抜けない場合、もしくは噛み合いがなされない
場合等を想定したものであり、紙送りモータ20を低速度
で回転させてこれを解消しようとしている。
再び第10図を参照するに、ステップS4にて目的位置を
ASF位置とせずに、ASF位置のわずか手前に設定している
理由は次のとおりである。すなわち、ステップS4にてキ
ャリッジを移動させる時点では通常スライドギヤ44はAS
F出力ギヤ33と噛み合わない状態となり、板バネ23Dが緩
衝の役目をなすこととなる(詳しくは第3図〜第6図参
照)。この量が大きすぎるとキャリッジの駆動力が多大
となり過ぎたり、大きなバネのたわみが必要となった
り、耐久性に問題が生じたり等するため、一旦ギヤのオ
ーバーラップが少ない時点にてスライドギヤ44をASFギ
ヤ33に噛み合わせるようにしたものである。
次に、ステップS5にて紙送りモータ20を回転させる5
ステップの中でスライドギヤ44とASF出力ギヤ33は噛み
合うことになる。さらにステップS6にてスライドギヤ44
とASF出力ギヤ33との圧接を解除することにより、スラ
イドギヤ44が所定の位置へ移動する。すなわちASF出力
ギヤ33との最終噛み合い位置の手前2mmの位置にて噛み
合った状態となる。
その後スライドギヤ44とASF出力ギヤ33との圧接が解
除されている状態で、ステップS7にてASF位置まで残り
約2mm移動することにより、スライドギヤ44がASF出力ギ
ヤとの最終噛み合い位置に移動する。
前述したように、以上のような隣接位置間のキャリッ
ジ移動ルーチンの組み合わせにより、各位置へのキャリ
ッジの移動が達成される。
(スキップの具体例) 第12図および第13図を用いて第10図中のステップS1に
示すスキップ判断が具体的にどのように使われているか
を説明する。ここで、第12図はキャップが開かれている
状態より記録シートのロードが行われる際の駆動源であ
るモータの動作およびキャリッジの移動状態を示した
図、第13図はキャップされている状態よりASFによって
記録シートのロードが行われる際の駆動源であるモータ
の動作およびキャリッジの移動状態を示した図である。
(A)〜(D)および(H)は前述の切換え動作のた
めのキャリッジの停止位置を示したものであり、“PR○
○○”として示されている位置は前述の第10図中ステッ
プS4に示される各動作位置の左−右方向約2mm程手前の
位置であることを示す(例えば「PRASF」は「ASF」の手
前位置)。従って(A)PUMP〜(D)LFDUMYはキャリッ
ジの移動方向左より順次キャリッジが停止する位置に対
応している。また図中の通常の矢印はキャリッジの移動
もしくは制御の流れの順を示したものであり、太文字で
示した矢印は記録シート送り用モータの正転および逆転
の動作順番を示すものである。そして、その太文字の矢
印の上段には記録シート送り用モータ正転方向のステッ
プ数を示すとともに、( )内にはL(大電流)、M
(中電流)、またはS(小電流)および励磁相切換え時
間が示されており、下段には逆転方向について同様のも
のが示されている。例えば第12図の最初の動作は右隅上
段に記載されているもので、記録シート送り用モータを
逆転方向に大電流3msの相励磁時間にて10ステップ回転
させた後、正転方向に大電流3msの相励磁時間にて3ス
テップ回転させることを示している。
まずスキップ動作をしない第13図より説明する。
キャリッジは(C)のキャップ位置に停止し、キャッ
プされている状態より動作が始まる。この状態で記録シ
ート送り動作等がそれ以前に入っている可能性があるた
めスライドギヤ44と記録シート出力ギヤ34は圧接状態に
ある可能性があり、第10図のステップS2およびS3に示し
た10ステップ逆転,3ステップ正転によるギヤ圧解除の動
作を行う必要がある。しかる後キャリッジ2を(B)の
ASF動作位置の手前2mmのPRASF位置まで移動させ、スラ
イドギヤ44とASF出力ギヤ34を噛み合わせるためのの正
転で5ステップ分回転させた後、ギヤ圧解除のために逆
転で2ステップ分回転させる。その後キャリッジを
(B)のASF動作位置まで移動させた後、ASF給紙ローラ
を343ステップ回転させ、記録シート5の給紙動作を行
う。その後モータを正転18ステップ,逆転2ステップ回
転させスライドギヤ44とASF出力ギヤ34の圧接を解除し
た後、キャリッジ2をキャップ位置手前約2mmの位置ま
で移動させる。次に記録シート送り用モータを正転で10
ステップ回転させることにより、スライドギヤ44を記録
シート送り用出力ギヤ34に噛み合わせる。3ステップの
逆転によりスライドギヤを圧接解除状態にした後キャリ
ッジをさらに(C)のキャップ位置へと移動させる。ス
ライドギヤ44がシート送り用出力ギヤ34に連結したこの
状態にてモータ20を正転させることにより、記録シート
のロードを行う。この時のステップ数×は紙先端位置を
検出した位置よりの所定のステップ数分を回転させるよ
うになっている。
次に第12図の動作について説明する。
(D)の予備吐出位置にキャリッジがある状態にてモ
ータを逆転で10ステップ,正転で3ステップ回転させる
ことによりスライドギヤ44の圧接を解除し、スライドギ
ヤ44およびキャリッジ2の移動が可能となる。次に
(C)のキャップ位置までキャリッジ2を移動するが、
そのあと第13図においては駆動モータの逆転,正転動作
があるのに対して、第12図においてはこの動作が省略さ
れている。これは(D)の予備吐出位置と(C)キャッ
プ位置とにおいては双方ともスライドギヤ44はシート送
り用出力ギヤに噛み合っており、前述(D)の予備吐出
位置にて行ったスライドギヤの圧接解除した状態を保っ
ているので、(C)のキャップ位置にて再度圧接解除す
るための動作は不必要となる。その後の動作は第13図に
示す動作と同じものとなる。
(電源投入時動作) 第14図は連続紙が挿入された状態にて電源が投入され
た時の動作を示したものである。
キャリッジが(C)のキャップ位置にあり、キャッピ
ングが施された状態にて紙送りモータ20を逆転で10ステ
ップ,正転で3ステップ回転させてギヤ圧接を解除した
後、キャリッジ2を右方向に移動させホームポジション
を検知しキャリッジモータ100のイニシャル動作を行
う。その後、キャリッジが(D)の予備吐出位置にいる
状態にて紙送りモータ20を逆転で10ステップ,正転で3
ステップ分回転させてギヤ圧接を解除した後、(C)の
キャップ位置へキャリッジを移動する。第12図で説明し
た如く、(C)のキャップ位置にて紙送りモータ20は駆
動せず、キャリッジ2をASF位置の手前の位置へ移動さ
せる。
この位置にて紙送りモータを正転で5ステップ分送る
ことによりスライドギヤ44がASF出力ギヤに噛み込み、
逆転で2ステップ分送ることによりギヤ圧接解除を行
う。次に、(B)のASF位置までキャリッジを移動させ
る。この状態はスライドギヤ44とASF出力ギヤ33とは圧
接が解除した状態であるため、ここでのギヤ圧接解除の
動作は不必要であり、(H)のギヤ合わせ位置を通り、
回復操作の手前の位置へとキャリッジ2を移動させる。
この間に以後の紙送りモータ20のステップ数をカウント
するギヤカウンタ(このカウンタはRAMの所定領域を用
いることができる)を“0"とする。キャリッジが回復操
作の手前位置にある状態にて紙送りモータ20を5ステッ
プ分正転させ、ギヤの噛み込み操作を行っている。この
時前述のギヤカウンタは5ステップ分カウントアップさ
れ、“5"となっている。さらに1ステップ逆転させるこ
とによりギヤの圧接を解除すると同時に、ギヤカウンタ
を1ステップ分カウントダウンし、“4"とする。
キャリッジ2を(A)の回復操作位置へ動かした後、
紙送りモータ20を正転,逆転等を行い、回復操作を行
う。この間紙送りモータ20を正転させる毎にギヤカウン
タをカウントアップし、逆転させる毎にカウントダウン
していく。回復操作が終了した後、さらに紙送りモータ
20を1ステップ逆転させることにより、ギヤ圧接の解除
を行う。ここでもまたギヤカウンタの値を1ステップ分
カウントダウンする。その後(A)の回復操作位置と
(B)のASF位置との間にあり、スライドギヤ44がポン
プ出力ギヤ32およびASF出力ギヤ33に噛み合わない
(H)のギヤ合わせ位置へとキャリッジを移動させる。
ここでギヤカウンタの値をスライドギヤの1歯分のステ
ップ数(例えば6ステップ)にて除した値の余りをその
符号と逆の方向に回転させる。例えばギヤカウンタの値
が“+26"の場合は26÷6=4余り2となるので逆転方
向へ2ステップ回転させる。また、例えばギヤカウンタ
の値が“−26"の場合は26÷6=4余り2となるので正
転方向へ2ステップ回転させる。このような処理によ
り、スライドギヤの歯の位相が(H)のギヤ合わせ位置
にて回復操作へ行く時と戻ってきた時とで一致させるこ
とができる。
さらに、キャリッジ2をASFの手前位置まで移動した
後、紙送りモータ20を逆に5ステップ回転させてASF出
力ギヤへの噛み込み、正転2ステップにてギヤ圧接解除
が行われる。その後(B)のASF位置へキャリッジ2を
移動させ、さらにキャップ手前位置へと移動させる。こ
こで紙送りモータ20を正転17ステップ回転させればスラ
イドギヤ44が記録シート送り用出力ギヤ34に噛み込む。
さて、前述したように(H)のギヤ合わせ位置にてス
ライドギヤ44の歯の位相は左方向へキャリッジが移動す
る時と右方向へキャリッジ2が移動する時とで一致する
ようになっている。またキャリッジ2が左方向へ移動す
る時、スライドギヤ44がシート送り用出力ギヤ34から離
れて(H)のギヤ合わせ位置まで移動するまでに正転5
ステップ,逆転2ステップ、すなわち結果として正転方
向へ3ステップの回転がなされている。一方、キャリッ
ジ2が右方向へ移動する時(H)のギヤ合わせ位置から
シート送り用出力ギヤ34の手前まで移動するなかで紙送
りモータ20は逆転5ステップ,正転2ステップ、すなわ
ち結果として逆転方向へ3ステップ分の回転がなされる
ように構成されている。このため(H)のギヤ合わせ位
置にてスライドギヤ44の位相を合わせると、キャリッジ
が左方向へ移動しながらシート送り用出力ギヤ34よりス
ライドギヤ44が抜けていく際の位相とキャリッジが右方
向へ移動しながらシート送り出力ギヤにスライドギヤ44
が入っていく時点の位相とを自動的に一致させることが
できる。そこでキャリッジ2が右方向へ移動しつつ、キ
ャップの手前位置へ移動する際、スライドギヤ44はシー
ト送り用出力ギヤ34と衝突することなく円滑に噛み合う
ことが可能となる。ギヤ噛み込みのために駆動される17
ステップの正転動作の駆動力はすべてシート送り用出力
ギヤ34を回転させるために用いられ、シート送り用出力
ギヤ34が17ステップ分回転することになる。
その後の紙幅検知(PW SENSE)等における紙送りモー
タ20の正転および逆転動作を含め、開始時より印字(PR
INT)前までの記録シート送り出力ギヤ34の回転をピッ
クアップしていくと、(逆10,正3),(逆10,正3),
(正17,逆3),(逆10,正3),(正14),(逆10,正
3),(逆10,正3),(正14),(逆10,正3)となり
結果として正逆“0"回転となる。
この結果、イニシャル動作開始時と終了時にて所定位
置にセットされた連続紙はその記録位置がかわらずにす
む。
ここで例えばギヤ合わせの処理をしない場合は前述の
17ステップ正転時にスライドギヤ44と記録シート送り用
出力ギヤ34とが噛み合っていない状態(歯と歯がぶつか
った状態)があり得るので、17ステップ中の最初の数ス
テップ分の駆動にてはシート送り出力ギヤ34を回転でき
ないことになる。そのために正転方向へのシート送り出
力ギヤ34の回転が小さくなり、イニシャル動作後記録シ
ートは後方に下った状態となってしまう。従って上述の
処理は極めて有効である。
(回復時動作) 第15図は回復操作時の動作を示したものである。ここ
でも上述の第14図の説明と同様な動作を行うが、キャリ
ッジが一端左方向へ移動して回復操作位置に達した後一
度右方向へ戻る動作を行うのは(D)の予備吐出位置よ
り右側にある位置にて記録ヘッドの吐出口を拭うワイピ
ング動作(FUKI)を行うからである。その後再び(A)
の回復操作位置まで戻り残りの回復操作を行う。
さて、この一連の動作においても前述のイニシャル動
作と同様にキャリッジ2が右方向へ移動しながらキャッ
プ手前へ移動する際にスライドギヤ44はスムーズにシー
ト送り用出力ギヤ34に噛み合うようになっており、この
位置における紙送りモータ20の駆動力はすべてシート送
り用出力ギヤ34の回転に使われることになる。
この結果、第15図に示されているキャップ手前位置
(PRLFC)より右方向にて行われるすべての紙送りモー
タ動作はすべてシート送り用として使われることによ
り、正転逆方向を相殺して送り量を“0"となるように構
成されている。なお、本処理の前後には画像データ供給
源とのオフライン動作(OFF LINE),オンライン(ON L
INE)が行われる。
(イニシャル時動作) 次に、第16図〜第19図を用いて本実施例による記録装
置のイニシャル時動作を説明する。なお、前述切換動作
と重複する箇所は説明を省略する。
第16図および第17図はイニシャル時動作の手順の一例
を示し、まずステップS18にて本動作がイニシャル動作
であることを設定する。これはステップS19〜S26のサブ
ルーチンをポンプ位置からASF位置への移動時のルーチ
ンと併用しているため、ルーチン中イニシャル動作か否
かの判断時に用いられるものである。
ステップS19の判断によりイニシャル時動作でない場
合すなわちポンプ位置からASF位置への移動処理の場合
は以下の処理に先立ってギヤ圧の解除のため紙送りモー
タ20を1ステップ逆転させるだけであるが、イニシャル
時はステップS28,S29にて逆転10ステップ,正転3ステ
ップのギヤ圧解除動作を行う。この解除動作では、ポン
プ位置,ASF位置,キャップ位置等のどの位置にあっても
解除が可能となる。
次にステップS21にてキャリッジを右方向に9mm移動さ
せる。この位置は第19図において「ケース1」〜「ケー
ス5」のイニシャル時における各キャリッジ位置(●
印)に対して右方向ので示す位置である。例えば、
「ケース3」に示す如く、キャリッジ2がポンプ位置に
ある場合はASF位置手前2mmの位置となる。なお、このル
ーチンにおいて前述した第11図のようなリカバリーの手
順も行われる。
次に、ステップS22にて目的地への到達の有無を判定
するが、前述したリカバリーのシーケンスを行っても到
達できない場合、本イニシャル処理では「ケース5」に
類似した位置、すなわちキャリッジ2が右端付近にいて
それ以上進めない場合と判断し、ステップS34を経てス
テップS35に進む。一方、目的地にキャリッジ2が到達
できると、イニシャル時動作の場合キャリッジがホーム
ポジションセンサにあることを検知するセンサがオンか
否かを判断する(ステップS30)。そのホームポジショ
ンセンサがオフの場合には、キャリッジ2は「ケース
2」,「ケース3」または「ケース4」の場合と判断さ
れ、ステップS24,S25にてギヤ噛み込み,圧接解除を行
った後、ステップS26にてさらに2mmのキャリッジ移動を
行う。この位置は「ケース2」〜「ケース4」における
で示す位置である。さらにステップS27の判断手順に
て、一連の動作(ループ)を3回繰り返していない場合
はステップS19へと戻る。
第19図に示すように、キャリッジ2に搭載した例えば
透過型のホームポジションセンサ29の光路を遮へいして
キャリッジの基準位置であるホームポジション(HP)へ
の設定検知に供される遮へい板をなす固定シャッタ28は
キャリッジ移動方向に長く設けられ、キャリッジ2が予
備吐出位置(D)付近にあるときにもセンサ29をオンす
るように設けられている。このようにスケップS30にて
ホームポジションセンサ29がオンするのは「ケース1」
のような場合であり、この場合はステップS31,S32にて
一旦ホームポジションセンサ29をオフするまでキャリッ
ジ2を右方向へ移動させ、さらにモータを所定ステップ
数(ステップS33にては8ステップ)、余裕のために右
方向にさらに移動させる。
さて、「ケース2」はループ2回目にステップS30に
てセンサがオンした場合、「ケース3」はループ3回目
に初めてステップS30にてオンした場合、「ケース4」
はループ3回にてもオンしなかった場合である。ループ
を3回繰返してもセンサがオンしない場合は、「ケース
4」のようにキャリッジ2がホームポジションセンサ遮
へい板(固定シャッタ)28の右側に移動していると判断
される。ちなみに「ケース5」は2回目のループ時にス
テップS22にて目的地に到達できなかったと判断された
場合である。
以上のように各ケース共キャリッジ2がホームポジシ
ョンセンサ遮へい板28の右側に移動したことが確認され
た後、ステップS35〜S37にてキャリッジ2を左方向に移
動させながらキャリッジがHP位置を通る時に位置カウン
タのセッティングを行う。さらにステップS38,S39にて
数ステップ分キャリッジ2を移動させたところにてキャ
リッジモータ用回路のイニシャル動作を行う。その後は
第18図に示すように前述のギヤ切換動作を行いながら回
復操作を行い、イニシャル動作を修了する。
なお、電源オフ時、通常キャリッジ2はキャップ位置
(「ケース1」の位置)にあり、この場合は上記ループ
が1回となり時間の短縮が図られている。また、前述し
たように例えば「ケース1」〜「ケース5」に示すよう
に、イニシャル動作が完了せず、キャリッジ2がどの位
置にあっても、また記録装置RAM上の位置カウンタがセ
ッティングされる前でも、例えばギヤ圧が解除されずに
キャリッジが動けなくなる等の不都合が生じずにイニシ
ャル動作が行われる。
(他の実施例) 前述の第14図に示した例においては、ギヤ合わせ位置
にて除算を行った余り分を逆方向に回転させたが、スラ
イドギヤの歯のピッチ分のステップ数の整数倍に足りな
い分を同一方向に回転させる処理を行うようにしても良
い。
また第14図において除算を行う際、スライドギヤ44の
歯のピッチ分のステップ数にて除したが、このような処
理の場合、電源オンした後イニシャル動作が終了した時
の紙送りモータの最後の励磁相は一定とはならない。例
えば4相のモータの場合、イニシャルが第1相より始ま
るとすると、例えば電源オフ時が第2相であれば次の電
源オン時点でギヤを余分に同一方向もしくは逆の方向に
回転させてしまうことになる。そこで前述の除算時に一
歯のピッチ分の6ステップとモータ相数4との公倍数で
ある12にて割ることにすれば、シート送り用ギヤに噛み
合う時点でのモータ励磁の相をも合わすことが可能とな
る。その結果、電源オン時に第1相から励磁し始め、イ
ニシャル動作終了時に第4相励磁にて終了するようにな
る。そこで電源をオフとした場合には次の電源オン時に
はまた順番通り第1相より励磁が始まることになり、ギ
ヤの回転量は過不足なく所定の動きを行うことができ
る。そしてその結果電源オンにてイニシャル動作をさせ
た後電源オフする動作を何回繰り返してもシート送り用
出力ギヤ34は位置を変えることなく、すなわち記録紙が
セットされている場合にては記録紙の位置がかわらない
ようになる。
また、他の方法として第14図におけるギヤ合わせ時
に、前述の算出された回転に合わせ、例えば逆方向に例
えば2ステップ回転させておいてから右方向へ移動さ
せ、キャップ手前位置にてスライドギヤ44をシート送り
用出力ギヤ34に噛み合わせるべく正転17ステップとした
ところを17+2(=19)ステップとする方法にても同様
の効果が得られる。この場合の2ステップはギヤ噛み込
みのために用いられ、その時点で位相があうので噛み込
みが行われ、その後の回転力がシート送り用出力ギヤ34
に伝えられることになり、前述と同じ効果が得られる。
但しこの場合逆転ステップ数が例えば6ステップ以上と
なると、1つ手前のギヤ位置にて噛み合ってしまうの
で、多くとも5ステップとしなければならない。
さらに、以上では所定のMPU上のキャリッジ位置を示
すカウンタ値によって閉ループ駆動,ステップモータ駆
動を切り換える例、特にワイパー位置においてステップ
モータ駆動を行う例、または特にギヤ切換え機構位置に
おいてステップ駆動を行う例、また所定のMPU上のキャ
リッジ位置においてステップモータ駆動の相切換えタイ
ミングおよびPWM値を切換える例について本発明を説明
する。
しかし例えばキャリッジ2の位置カウント方法として
エンコーダ出力信号にもとづいたカウンタを用いる代り
に、モータの相切換えタイミング自体によるカウンタに
よりキャリッジ位置を管理することも可能である。ま
た、ステップモータ駆動においてPWM値を切換えていく
例について述べたが、他の電流制限による駆動方法をと
ることも可能である。
加えて、以上ではステップモータ駆動の併用を記録ヘ
ッド走査用キャリッジの駆動モータに適用した場合につ
いて述べたが、分解能を必要とした紙送り駆動用モータ
もしくは騒音の低減が必要とされる紙送り駆動用モータ
についても同様に適用できる。
また上例においては相の切換え毎にPWM値を変えるこ
とにより駆動トルクの調整を行っているが、通常の電流
値制御,定電圧駆動による電圧値の切換え等によっても
電力値の切換えは可能である。
さらに、相励磁方式についても上例のように1−2相
励磁のみならず他の方式をとってもよい。例えば、3−
4相励磁方式,2−3相励磁方式等適宜の励磁方式を採用
できる。
さらに加えて、以上ではリカバリー制御の方法として
第1にキャリッジの移動力を大きくする、第2にキャリ
ッジの移動速度を遅くする、第3にギヤの回転速度を遅
くする、第4にギヤを正逆回転させる等の実施例を示し
たが、例えば全く同じ動作を繰り返し行うようにしても
よい。
また、上例においてはギヤ(スライドギヤ)が所定の
位置に設定完了しているかの判断として、予め設定した
最大ステップ分キャリッジモータがステップ駆動する中
で、エンコーダ信号にもとづいた位置カウンタにより完
了したかを判断するようにしているが、この判断方法は
他の判断方法に行うものでもよい。
(その他) なお、本発明は、上述のようなインクジェット記録装
置のみならず、他の方式による記録装置にも適用できる
が、特にインクジェット記録方式のものを採用する場合
には、その中でもキヤノン株式会社が提唱しているバブ
ルジェット方式の記録ヘッド、記録装置において優れた
効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の
高密度化,高精度化が達成できるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいず
れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合
には、液体(インク)が保持されているシートや液路に
対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対
応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少な
くとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱
変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用
面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対
一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので
有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させ、少なくとも1つの滴
を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時
適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優
れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第446335
9号明細書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載され
ている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うこと
ができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構
成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用い
た構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の
電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換
体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公
報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応
させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた
構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記
録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明に
よれば記録を確実に効率よく行うことができるようにな
るからである。
加えて、上例のようなシリアルタイプのものにおいて
装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に
装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体
からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイ
プの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にイ
ンクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッ
ドを用いた場合にも本発明は有効である。
また、本発明に記録装置の構成として設けられる、記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ま
しいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッ
ドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加
圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素
子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定
した記録を行なうために有効である。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けら
れたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに
対応して複数個数設けられるものであってもよい。すな
わち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主
流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体
的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでも
よいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフル
カラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。
さらに加えて、以上説明した本発明実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化
するもの、あるいはインクジェット方式ではインク自体
を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインク
の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが
一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状
をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギ
による昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変
化のエネルギとして使用せしめることで防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギの記
録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イン
クが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではす
でに固化し始めるもの等のような、熱エネルギによって
初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は
適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54
−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載さ
れるような、多孔質シール凹部または貫通孔に液状又は
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては、
上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した
膜沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、本発明イクジェット記録装置の形態と
しては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末
として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装
置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形
態を採るもの等であってもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば例えばインクジ
ェット記録装置におけるキャリッジの走行により記録ヘ
ッドのインク吐出口面を清掃するワイピング動作時や、
例えばキャリッジの停止位置により駆動力伝達切換えを
行う動作時等に、それに適したモータ駆動が可能とな
り、さらく各位置における最適な駆動条件にてモータ駆
動を行うことが可能となる。一方記録時は騒音が小さ
く、脱調のない閉ループ制御を行うことができる。この
ような各位置における適した制御を行うことにより装置
の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適したインクジェット記録装置の構成
を一例として示す斜視図、 第2図は第1図の記録装置にASFを装備した場合の断面
図、 第3図および第4図は本発明の一実施例による駆動ギヤ
切換え機構の構成を説明するための斜視図、 第5A図は第3図および第4図に示す駆動ギヤ切換え機構
の構成図、 第5B図は第5A図に示すスライドギヤ軸を取出し示す説明
図、 第6A図〜第6C図は本発明の一実施例にかかるキャリッジ
とキャップキャリアとの係合関係を示す説明図、 第7A図および第7B図は、それぞれ、本発明の一実施例に
係るキャリッジ駆動用モータの構成例を示す一部破断斜
視図および断面図、 第8図および第9図は、それぞれ、本発明の一実施例に
かかるキャリッジモータの駆動ブロックおよびその駆動
方法を説明するための図、 第10図および第11図はギヤ切換え部における紙送りモー
タおよびキャリッジモータの駆動手順の一例を示すフロ
ーチャート、 第12図および第13図はバイパス判断を用いたASF給紙に
よる記録紙ロードを説明するための図、 第14図は連続紙がセットされている状態での電源オン時
イニシャル動作を説明するための図、 第15図は回復動作を説明するための図、 第16図および第17図はイニシャル時動作手順の一例を示
すフローチャート、 第18図はイニシャル時動作における紙送りモータの動作
の説明図、 第19図は電源オン前にキャリッジがどの位置にあるかの
違いによってイニシャル動作がどのように変わるかを説
明するための図である。 1……記録ヘッド、2……キャリッジ、5……記録シー
ト、7……フィードローラ、12……排出ローラ、16……
自動給紙装置、20……フィードモータ、23……キャップ
部材、23A……キャップキャリア、23B,23C……腕部、23
D……板ばね、24……キャップガイド軸、25……レー
ル、26……ポンプ、31……ポンプカム、32……ポンプ出
力ギヤ、33……ASF出力ギヤ、34……シート送り用出力
ギヤ、36……ギヤ列、44……スライドギヤ、45……スラ
イドホルダ、47……溝部材、48……ワイパー、100……
キャリッジモータ、100A……キャリッジモータステップ
モータ部、100B……キャリッジモータエンコーダ部、10
1……位置カウンタ、102……MPU、103……速度カウン
タ、104……PWMカウンタ、105……電流切換え回路、106
……エンコーダ回路、107……モータ駆動回路。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被記録材に記録を行う記録装置において、
    ステップモータと、 前記ステップモータの駆動力によって被記録材に沿って
    往復移動可能であって、被記録材に記録を行う記録ヘッ
    ドと、 前記ステップモータのロータの回転角位置を検出する角
    位置検出手段と、 該検出手段の検出結果に応じて前記ステップモータの駆
    動を閉ループ制御する制御手段と、 前記ステップモータをステップモータ駆動する制御手段
    と、 前記記録ヘッドの移動位置を検出するための移動位置検
    出手段と、 当該検出値に応じて前記閉ループ制御とステップモータ
    駆動とを切換える切換え手段と を具えたことを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】ステップモータ駆動に切換えられた中でさ
    らに所定の移動位置により駆動条件を切換える手段を具
    えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 【請求項3】前記記録ヘッドは前記被記録材に対してイ
    ンクを吐出することにより記録を行うインクジェット記
    録ヘッドであり、該記録ヘッドのインク吐出を行う吐出
    口を有した面に前記移動の過程で係合してこれを清掃す
    る部材を具え、当該係合位置ではステップモータ駆動が
    行われることを特徴とする請求項1または2に記載の記
    録装置。
  4. 【請求項4】前記インクジェット記録ヘッドは、前記イ
    ンクの吐出のために利用されるエネルギとしてインクに
    膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】前記記録ヘッドの位置に応じて所定の動作
    を行う手段を具え、当該所定動作がなされる範囲にては
    ステップモータ駆動が行われることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかの項に記載の記録装置。
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