JP2915004B2 - 医療用軟質チューブと硬質部材の嵌合構造 - Google Patents

医療用軟質チューブと硬質部材の嵌合構造

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JP2915004B2 JP1157260A JP15726089A JP2915004B2 JP 2915004 B2 JP2915004 B2 JP 2915004B2 JP 1157260 A JP1157260 A JP 1157260A JP 15726089 A JP15726089 A JP 15726089A JP 2915004 B2 JP2915004 B2 JP 2915004B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、輸液セットや輸血セットなどの各種医療用
具においてしばしば見られる軟質チューブと硬質部材の
嵌合接続構造の改良に関する。
〔従来の技術〕
輸液セットや輸血セットには、塩化ビニル樹脂などの
軟質合成樹脂からなるチューブが多用されており、チュ
ーブと他の部品との接続がいくつかの部分で行われてい
る。ところで、この軟質チューブを硬質樹脂からなる部
品に挿入接続するとき、硬質樹脂がポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン系樹脂から形成されて
いる場合には、適当な接着剤がないので単なる嵌合接続
が行われる。すなわち、軟質チューブの内径よりもやや
外径の大きい硬質部材に軟質チューブを強制的に挿入し
て、軟質チューブが収縮しようとする圧締力と摩擦力に
よって物理的に固定する方式である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、軟質チューブは時間の経過とともに硬質部
材になじんでしまうので、嵌合力が低下してしばしば接
続が外れてしまうという問題があった。本発明者らがこ
の現象を詳細に観察したところでは、チューブと硬質部
材とが密着した部分がなくなったとき、きわめて容易に
チューブは抜けてしまうことがわかった。すなわち、第
6図に示すようにチューブと硬質部材が嵌合していると
き、チューブが硬質部材になじんで圧締力が低下した状
態で、チューブを押し込むような力が働くと、チューブ
の先端はチューブ・ストッパーとして設けられている鍔
4に当接し、軸方向に圧縮されてチューブが拡径する。
その結果、チューブと硬質部材との密着がなくなってし
まい、この状態で少しでもチューブを引くと、嵌合力が
全くなくなっているので、容易に外れてしまうのであ
る。特に、滅菌工程において加熱を受けると、この傾向
が顕著になる。
そこで、硬質部材のチューブ挿入部の径が奥にいくほ
ど大きくなるようにして、嵌合力を高める工夫もなされ
ているが、チューブのなじむ量が大きくなるだけであま
り効果がなかった。また、特開昭63−283651号公報にお
いては、このような問題を生じる点滴筒の下部キャップ
とチューブの接続構造についての改良案が開示されてい
るが、その構造は複雑で製造の難しいものである。さら
に、ポリオレフィン系樹脂に対して接着力のある塩素化
オレフィン系の接着剤を使用することも考えられるが、
接着剤を塗布するとチューブの挿入が著しく困難になる
ので、実用性に乏しい。
本発明の目的は、このような問題を解決するためにな
されたものであり、容易に外れることのない嵌合接続構
造を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、種々の検討を行った結果、チューブの
先端を外側から押さえつけるような突起を設ければ、き
わめて外れにくいものになることを見出し、本発明に到
達した。
すなわち、本発明は、医療用軟質チューブを、鍔付き
のチューブ挿入部を有する硬質部材に外挿して軟質チュ
ーブと硬質部材とを嵌合した嵌合構造において、該硬質
部材の鍔部に軟質チューブの外周が当接する部分周的な
突起を設けたことを特徴とする軟質チューブと硬質部材
の嵌合構造である。
〔作用〕
本発明においては、軟質チューブの端部が鍔に設けた
突起によって外側から押されており、チューブを押し込
むような力が働いた場合でも、チューブの端部は突起に
よって常に硬質部材に押しつけられている。したがっ
て、この部分でチューブと硬質部材との密着は維持され
ており、摩擦力によってチューブが抜けるのが阻止され
る。
〔実施例〕
本発明において使用される軟質チューブは、軟質合成
樹脂から形成されたものであり、軟質塩化ビニル樹脂や
エチレン−酢酸ビニル共重合体を例示することができ
る。また、硬質部材は硬質合成樹脂より形成されたもの
であり、ポリエチレンやポリプロピレンからなるものに
本発明は特に好ましく適用される。
以下、図面を用いて本発明をさらに具体的に説明す
る。
第1図は第1の発明の実施例を示す正面図であり、チ
ューブと硬質部材とを分離した状態を示す。また、第2
図は、この硬質部材の右側面図である。硬質部材2は、
チューブ挿入部3と鍔4を有しており、軟質チューブ1
をその端部が鍔4に当接するまで挿入するのは、従来と
同様である。本発明においては、この鍔4に突起5が設
けられている(図の実施例では2個の突起を設けてい
る)。この突起5を設けたことによって、上述したよう
にチューブの脱落が阻止される。すなわち、第3図に示
すように、チューブを押し込む力が作用したとき、チュ
ーブの端部は突起5によって挿入部3に押しつけられて
密着しているので、次にチューブを引き抜く力が作用し
ても摩擦力によって脱落が阻止されるのである。図の実
施例においては、突起を2個設けたが、個数や大きさに
はとくに制限はない。しかし、1つの周状突起によって
全周をカバーした場合には、嵌合力はやや低くなるの
で、部分周的な突起を設ける方がより好ましい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、従来のものに比べて軟質チューブが
格段に抜け落ちにくい嵌合構造が提供される。そして、
本発明はきわめて簡単な構造であるばかりでなく、従来
のものにわずかの変更を加えるだけでよいので、製造が
容易な利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1の発明の実施例を示す嵌合前の
正面図であり、第2図は硬質部材の右側面図である。ま
た、第3図は、嵌合状態においてチューブを押し込む力
が作用したときの状態を示す部分断面図である。 第4図は、従来の嵌合構造を示す正面図である。 1……硬質チューブ、2……硬質部材 3……チューブ挿入部、4……鍔 5……突起

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】医療用軟質チューブを、鍔付きのチューブ
    挿入部を有する硬質部材に外挿して軟質チューブと硬質
    部材とを嵌合した嵌合構造において、該硬質部材の鍔部
    に軟質チューブの外周が当接する部分周的な突起を設け
    たことを特徴とする軟質チューブと硬質部材の嵌合構
    造。
JP1157260A 1989-06-19 1989-06-19 医療用軟質チューブと硬質部材の嵌合構造 Expired - Fee Related JP2915004B2 (ja)

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