JP2914904B2 - かぶら寿しの包装構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、石川県、富山県の
地域的特産品として冬季間に製造・販売されているかぶ
ら寿しの包装構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】かぶら寿しは、江戸時代の頃、加賀藩出
入りの商人がお殿様に「かぶらのなれ寿し」を献上した
ところ大層喜ばれれたことを起縁として生まれたと伝え
られている、北陸の冬には欠かせない伝統的な加工食品
の一つである。そして、このかぶら寿しは、白かぶに、
寒ブリの切身をはさみ、麹を使って漬け込んだものであ
り、かぶらの歯ごたえと、ブリの旨身と、麹のふくよか
な香りが一体となって独特の風味を醸し出す食品として
全国に向けて出荷されている。

【０００３】ところが、従来かぶら寿し１１は、低温熟
成した樽から取り出し、図３に示すような合成樹脂製の
浅底樽状の容器１２に詰め直し、それを紙製の外箱１３
に収容して出荷していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の包装形態では、出荷運送中に包装容器内のかぶら寿
しに様々の振動や衝撃が容易に伝わり、白かぶの間に挾
まれているブリの切身が間から外れたり衝撃による打ち
身で白かぶが傷んだりなどして、かぶら寿しの品位及び
品質に悪影響を及ぼす懸念があった。

【０００５】そこで本発明は前記事情に基づいてなされ
たものであり、出荷するかぶら寿しの商品に運送中の振
動や衝撃が直接的に伝わらないように包装構造を工夫
し、前記不都合を解消するようにしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、不透水性の袋
に入れられた状態のかぶら寿しを、上方が開放している
編籠内に押し入れて動かないように収め、これを外箱に
収容したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
及び図２に示す図面に基づいて具体的に説明する。本発
明のかぶら寿しの包装構造は、かぶら寿し１を直接に入
れる内外の袋２，３と、袋２，３に入れたかぶら寿し１
を収納する編籠４と、これらを収容する外箱５と、から
構成されている。

【０００８】本実施の形態においてのかぶら寿し１は、
富山県の砺波平野で育った白かぶに寒ブリの切身を挾
み、手造りの麹を使って漬け込み、樽で低温熟成したも
のを使用した。

【０００９】かぶら寿し１を直接にいれる内袋２は、不
透水性の袋、たとえばポリエチレンからなる袋で、該袋
２内にかぶら寿し１を後述する編籠４の形状に対応する
形に整えて適量を丁寧に入れた後、袋の上部開口部分を
中央位置で縛って塞ぎ、これを次に外袋３内に入れる。
外袋３は和紙の内面にプラスチックフィルムのラミネー
ト加工をしたものを使用し、外観上の体裁を良好にする
と共に内袋２内からのかぶら寿し１の水分の万が一の漏
れに対して万全が施されている。また、外袋３は縦長の
ものを使用し、かぶら寿し１の入った内袋２が中に挿入
された外袋３の残余部分を折り曲げて、次に述べる編籠
４内に収め易い形に整える。尚、本実施形態では内外の
２様の袋を使用したが、本発明はかならずしもこれに限
定されず、一つの袋だけを使用してもよい。

【００１０】編籠４は、竹やプラスチックの薄い帯状片
を編んだ竹籠又はプラスチック製籠で、上方が開放され
た浅底の椀状形状をしている。このように構成される編
籠４内に前述の内外袋２，３により入れられたかぶら寿
し１を収めるものであるが、この際、袋中のかぶら寿し
に無理が掛からないように編籠４の弾力を利用して丁寧
に押し入れるようにして収め、かぶら寿し１が編籠４内
で振動等により移動しないようにバランス良く安定状態
で定着させる。尚、符号６は編籠４に収める際に、かぶ
ら寿し１入り袋２，３と編籠４に介在する敷紙である。
また、編籠４の形状は円形形状に限らず、方形形状、多
角形形状、その他の形状等であってもよい。

【００１１】このようにして編籠４内に収められた内外
袋２，３中のかぶら寿し１は、そのままの状態で硬直紙
により成形された外箱５に収容され、商品として出荷さ
れるものである。

【００１２】

【発明の効果】本発明による包装構造によれば、外箱内
に収容されるかぶら寿しが不透水性の袋中に入れられる
と共に、編籠内に収まり良く定着しているので、商品と
して出荷する場合の運送中の振動や衝撃を編籠が弾力的
に吸収して編籠内のかぶら寿しを保護し、振動による切
身の脱落や衝撃に伴う白かぶの打ち身などを未然に防止
し、商品として出荷されるかぶら寿しの品位及び品質の
維持に貢献できるものである。また、袋に入れられたか
ぶら寿しが編籠内に収まり良く収納されているので、外
箱から取り出した外観上の体裁も極めて良好であり、商
品に対して好印象を与える効果も併有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による包装構造の一実施形態を示す一部
切欠した分解斜視図である。

【図２】本発明の実施形態の一部切欠した縦断面図であ
る。

【図３】従来のこの種の包装構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１ かぶら寿し ２ 内袋 ３ 外袋 ４ 編籠 ５ 外箱

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−106259（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−201419（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−111684（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−196953（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−49888（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭49−121969（ＪＰ，Ｕ) 実公 平６−37984（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭48−13081（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭13−693（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A23L 1/10 A23B 7/00 - 7/16 A23L 1/212 A23L 1/325 B65D 85/50 B65D 85/34

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 不透水性の袋（２，３）に入れられたか
   ぶら寿し（１）を、上方が開放する浅底の椀状形状をし
   ている編籠（４）内に定着するように収め、これを硬直
   紙により成形された外箱（５）に収容したことを特徴と
   するかぶら寿しの包装構造。