JP2914442B2 - 符号多重化通信装置 - Google Patents

符号多重化通信装置

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JP2914442B2 JP16834897A JP16834897A JP2914442B2 JP 2914442 B2 JP2914442 B2 JP 2914442B2 JP 16834897 A JP16834897 A JP 16834897A JP 16834897 A JP16834897 A JP 16834897A JP 2914442 B2 JP2914442 B2 JP 2914442B2
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/69Spread spectrum techniques
    • H04B1/707Spread spectrum techniques using direct sequence modulation

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、符号多重化通信装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトラム拡散された符号を多重化し
て送信することにより、大容量通信を実現する符号多重
化通信装置がある。
【0003】従来の符号多重化通信装置の送信側を図7
(a)に、受信側を図7(b)に示す。なお、この符号
多重化通信装置における符号多重化数Nは2とする。
【0004】図7(a)に示すように、この通信装置の
送信側は、送信データを2つのデータ信号に分配する分
配器701と、拡散信号を発生する拡散信号発生器70
2と、分配器702で分配された2つのデータ信号をそ
れぞれスペクトラム拡散する拡散器703、704と、
拡散器703、704からの信号を合成する合成器70
5と、合成器705の出力を変調する変調器706とを
有している。
【0005】また、この通信装置の受信側は、図7
(b)に示すように、逆拡散用の拡散信号を発生する逆
拡散信号発生器711と、受信信号と拡散信号との相関
演算を行う相関器712と、相関器712の出力を等化
する等化器713と、等化器713の出力から送信デー
タを再生する結合器714とを有している。
【0006】送信データは分配器701に入力される。
分配器701は、入力される送信データを2つのデータ
信号に分配する。この結果、拡散器703、704に
は、入力される送信データのシンボルレートの半分のシ
ンボルレートでデータが入力される。
【0007】拡散信号発生器702は、スペクトラム拡
散用の符号を発生する。この符号としては、例えば、1
1ビットのバーカー(Barker)符号がある。また、拡散
器703と拡散器704に供給される符号には、位相の
ずれ、例えば、2チップ分の位相のずれ、を持たせる。
【0008】拡散器703及び704は、それぞれ拡散
信号発生器702からの拡散信号を用いて、分配器70
1で分配されたデータ信号をスペクトラム拡散する。
【0009】合成器705は、拡散器703及び704
でそれぞれスペクトラム拡散された信号を加算して多重
化信号として出力する。
【0010】変調器706は、合成器705からの多重
化信号を無線伝送できる電波形式に変換し、送信信号と
して出力する。
【0011】受信側では、逆拡散信号発生器711がス
ペクトラム逆拡散用の拡散信号を発生し、相関器712
へ供給する。
【0012】相関器712は、受信信号と逆拡散信号発
生器711からの拡散信号との相関演算を行うことによ
り、スペクトラム逆拡散を行う。符号多重された信号
は、ここで、2チップ分離れた2つの信号として分離さ
れる。
【0013】実際のデータ伝送においては、受信信号に
は、伝送途中でマルチパス歪みが加えられる。例えば、
多重化される2つの符号の一方が、マルチパス歪みによ
り、図8(a)に示すような波形を持つ(1つのパルス
が拡げられた)ものとする。また、多重化される他方の
符号が、マルチパスにより図8(b)に示すような波形
を持つものとする。この場合において、これらの符号が
多重化されているとその波形は、互いに干渉し、図8
(c)に示すようになる。このままの状態では、2つの
符号を誤りなく分離することができない。そこで、等化
器713は、このようなマルチパス歪みを除去し、図8
(d)に示すような波形の信号を出力する。
【0014】等化器713としては、図9に示すような
判定帰還型等化器が使用できる。図9の等化器に、図8
(a)に示される信号を入力すると、最初のデータ
“1.0”を受けて、判定器901は、+1を出力す
る。判定器901の出力は、遅延素子902に与えられ
る。次のタイミングでは、データ“0.7”が、加算器
903に入力されるが、この加算器903には、遅延素
子902からの+1を受けた乗算器904から“−0.
7”が入力されるので、その出力は、“0”となる。こ
の結果、判定器901は“0”を遅延器902へ出力す
る。次のタイミングでは、加算器903に“0.3”が
入力される。このとき、加算器903には、遅延素子9
05からの+1を受けた乗算器906から“−0.3”
が入力されるので、その出力は“0”となる。ちなみ
に、乗算器904は、遅延素子902の出力が“0”な
ので“0”である。その結果、判定器901は“0”を
出力する。こうして等化器713からは、マルチパス歪
みが除去された信号が出力される。図8(c)に示す多
重化された信号を、この等化器に入力場合も同様にマル
チパス歪みが除去され、図8(d)に示す出力信号が得
られる。なお、乗算器904、906の乗算係数は、デ
ータ伝送を行う前にプリアンブル信号を伝送することに
より決定することができる。
【0015】以上のようにして、マルチパス歪みが除去
された信号は、結合器714に供給される。結合器71
4は、入力されたデータを、送信データと同一の信号形
式に変換して受信データとして出力する。
【0016】このような、符号多重化通信装置は、例え
ば、特開平9−102758号公報に記載されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】問題点は、従来の符号
多重化通信装置では、自己相関歪みについて考慮されて
おらず、マルチパス歪みが大きくなると自己相関歪みに
よる影響によって、等化器による歪みの除去が十分に行
えなくなることである。
【0018】例えば、11ビットバーカー符号を用いて
相関演算を行うと、自己相関は、図10(a)に示すよ
うな波形になる。即ち、位相が一致しているときは、+
1の値となるが、位相がずれているところは、完全には
0とならず、0と−1/11の値を交互に取る歪みが発
生する。そのため、伝送路において、図10(b)のよ
うなマルチパス歪みが存在すると仮定すると、相関器の
出力は、図10(c)に示すように、位相が一致したと
ころの振幅が変化するのみならず、位相のずれたところ
の歪みも大きくなってくる。
【0019】このように、マルチパス歪みが大きい状況
下では、符号多重化を行うと自己相関歪みが累積され、
信号判定能力に劣化が生じる。
【0020】自己相関歪みは、等化器を用いることによ
り除去することは可能であるが、21チップに広がった
歪みを取り除くには、等化器のタップ係数を長くする必
要があるため、等化器の構成が膨大になる。
【0021】本発明は、簡易な構成で自己相関歪みを除
去でき、もって、信号判定能力の低下を防止し、多重化
数の増加、伝送効率の向上を図ることができる符号多重
化通信装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、入力さ
れるシリアル送信データをN個(Nは2以上の整数)の
信号列に分配する分配手段と、前記N個の信号列に対
し、それぞれ、互いに位相の異なる拡散信号を用いてス
ペクトラム拡散を行うN個の拡散手段と、該N個の拡散
手段でそれぞれスペクトラム拡散されたN個の信号列を
加算し符号多重化された信号を出力する合成手段と、前
記符号多重化された信号を変調する変調手段とを有する
符号多重化通信装置において、前記拡散信号による自己
相関歪みの周波数特性の逆特性を持つフィルター手段を
設けたことを特徴とする符号多重化通信装置が得られ
る。
【0023】ここで、フィルター手段は、前記N個の拡
散手段の後段にそれぞれ設けられるか、または、前記合
成手段の後段に設けられる。
【0024】フィルター手段は、具体的には、複数の遅
延素子と、複数の乗算器と、複数の加算器とで構成され
たトランスバーサル型フィルタでも良いし、複数の遅延
素子と読み出し専用メモリーとで構成されたフィルタで
あってもよい。
【0025】また、本発明によれば、シリアル送信デー
タをN個(Nは2以上の整数)の信号列に分配し、各信
号列に対してそれぞれ、互いに位相の異なる拡散信号
を用いてスペクトラム拡散を行なったあと、これらスペ
クトラム拡散されたN個の信号列を互いに加算し、変調
して送信された符号多重化信号を受信する符号多重化通
信装置であって、受信信号をスペクトラム逆拡散する相
関手段を備えた符号多重化通信装置において、前記相関
手段の前段に前記拡散信号による自己相関歪みの周波数
特性の逆特性を持つフィルター手段を設けたことを特徴
とする符号多重化通信装置が得られる。
【0026】この場合も、フィルター手段は、複数の乗
算器と、複数の加算器とで構成されたトランスバーサル
型フィルタであってもよいし、複数の遅延素子と読み出
し専用メモリーとで構成されたフィルタであってもよ
い。
【0027】また、本発明によれば、スペクトラム拡散
を用いて符号多重データ伝送を行う符号多重化通信装置
において、スペクトラム拡散を行うための拡散信号を生
成し、N分岐して互いに位相をずらした信号として出力
する拡散信号生成器と、入力されたシリアル送信データ
をN個の信号列に変換してパラレルに出力する分配器
と、前記N個の信号列をそれぞれ前記拡散信号でスペク
トラム拡散するN個の拡散器と、前記拡散信号による自
己相関歪みの周波数特性の逆特性で前記N個の拡散器の
出力信号をそれぞれフィルタリングするN個のフィルタ
ーと、該N個のフィルターの出力を加算する合成器と、
該合成器の出力信号を変調し送信信号として出力する変
調器とを備えた送信部と、スペクトラム逆拡散を行うた
めの逆拡散符号を生成して出力する逆拡散信号生成部
と、受信信号と前記逆拡散符号との相関演算を行いスペ
クトラム逆拡散を行う相関器と、該相関器の出力信号か
ら伝送路歪みを除去する等化器と、該等化器の出力信号
を前記分配器の逆の操作を行うことにより受信データを
組み立てる結合器とを備えた受信部と、からなることを
特徴とする符号多重化通信装置が得られる。
【0028】さらに、本発明によれば、スペクトラム拡
散を用いて符号多重データ伝送を行う符号多重化通信装
置において、スペクトラム拡散を行うための拡散信号を
生成し、N分岐して互いに位相をずらした信号として出
力する拡散信号生成器と、入力されたシリアル送信デー
タをN個の信号列に変換してパラレルに出力する分配器
と、前記N個の信号列をそれぞれ前記拡散信号でスペク
トラム拡散するN個の拡散器と、該N個のフィルターの
出力を加算する合成器と、該合成器の出力信号を変調し
送信信号として出力する変調器とを備えた送信部と、受
信信号を前記拡散信号による自己相関歪みの周波数特性
の逆特性でフィルタリングするフィルターと、スペクト
ラム逆拡散を行うための逆拡散符号を生成して出力する
逆拡散信号生成部と、前記フィルターからの出力信号と
記逆拡散符号との相関演算を行いスペクトラム逆拡散を
行う相関器と、該相関器の出力信号から伝送路歪みを除
去する等化器と、該等化器の出力信号を前記分配器の逆
の操作を行うことにより受信データを組み立てる結合器
とを備えた受信部と、からなることを特徴とする符号多
重化通信装置が得られる。
【0029】さらにまた、本発明によれば、スペクトラ
ム拡散を用いて符号多重データ伝送を行う符号多重化通
信装置において、スペクトラム拡散を行うための拡散信
号を生成し、N分岐して互いに位相をずらした信号とし
て出力する拡散信号生成器と、入力されたシリアル送信
データをN個の信号列に変換してパラレルに出力する分
配器と、前記N個の信号列をそれぞれ前記拡散信号でス
ペクトラム拡散するN個の拡散器と、該N個のフィルタ
ーの出力を加算する合成器と、前記拡散信号による自己
相関歪みの周波数特性の逆特性で前記合成器の出力信号
をフィルタリングするフィルターと、該フィルターの出
力信号を変調し送信信号として出力する変調器とを備え
た送信部と、スペクトラム逆拡散を行うための逆拡散符
号を生成して出力する逆拡散信号生成部と、受信信号と
前記逆拡散符号との相関演算を行いスペクトラム逆拡散
を行う相関器と、該相関器の出力信号から伝送路歪みを
除去する等化器と、該等化器の出力信号を前記分配器の
逆の操作を行うことにより受信データを組み立てる結合
器とを備えた受信部と、からなることを特徴とする符号
多重化通信装置が得られる。
【0030】
【作用】本発明の符号多重化通信装置は、スペクトラム
逆拡散を行うときに発生する自己相関歪みを予めキャン
セルするフィルターを送信側または受信側に有してい
る。このため自己相関歪みが伝送特性に影響するような
伝送路歪みの大きな環境下で通信を行うときや、符号多
重化数を増やし大容量データ伝送を行うときであって
も、伝送特性に自己相関歪みの影響が現れない。即ち、
より大容量で、より伝送路特性の劣悪な環境下で、高品
質のデータ伝送が可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0032】図1に、本発明の第1の実施の形態を示
す。なお、以下では、符号多重化数Nを2として説明す
るが、N=3以上の符号を多重化する場合も同様であ
る。
【0033】図1(a)に示すように、送信側通信装置
は、送信データを2つのデータ信号に分配する分配器1
01と、拡散信号を発生する拡散信号発生器102と、
分配器102で分配された2つのデータ信号をそれぞれ
スペクトラム拡散する拡散器103、104と、拡散器
103、104からの信号をそれぞれフィルタリングす
るフィルター105、106と、フィルター105、1
06からの出力信号を合成する合成器107と、合成器
107の出力を変調する変調器108とを有している。
【0034】また、受信側通信装置は、図1(b)に示
すように、逆拡散用の拡散信号を発生する逆拡散信号発
生器111と、受信信号と拡散信号との相関演算を行う
相関器112と、相関器112の出力を等化する等化器
113と、等化器113の出力から送信データを再生す
る結合器114とを有している。
【0035】送信側通信装置のフィルター105、10
6は、ともに受信側の相関器112で生じる自己相関歪
みの特性とは逆特性の伝達関数を持ち、例えば、図2に
示すようなインパルス応答を示す。図2に示すインパル
ス応答の周波数特性は、図10(a)に示す11ビット
のバーカー符号の自己相関値の周波数特性の逆特性にな
っている。即ち、図2のインパルス応答と図10(a)
の応答値とを時間領域で畳み込むとデルタ関数になる。
【0036】このようなフィルター105、106は、
例えば、図3に示すトランスバーサル型フィルターによ
り実現される。ただし、このトランスバーサル型フィル
タは、8個の遅延素子301と、9個の乗算器302
と、8個の加算器303とで構成されており、回路規模
が大きい。そこで、回路規模を縮小するために、これら
のフィルター105、106は、図4に示すように構成
することもできる。
【0037】図4のフィルターは、複数の遅延素子40
1と読み出し専用メモリー(ROM)402とからな
り、複数の遅延素子401を用いて、拡散器103、1
04の出力からアドレス信号を発生させ、ROM402
から出力信号を得る。これは、拡散器103、104
が、+1または−1の2値信号を出力信号して出力する
ことを利用している。また、ROM402には、予め入
力信号と図2のインパルス応答で畳み込まれた信号値と
を書き込んでおくことにより、図3に示すトランスバー
サル型フィルターと同等の信号を得ることができる。
【0038】次に、この通信装置の動作について説明す
る。
【0039】まず、送信データは分配器101に入力さ
れる。分配器101は、入力される送信データを2つの
データ信号に分配する。このとき分配器101は、入力
される送信データを1ビットずつ交互に拡散器103と
104とに出力する。したがって、拡散器103、10
4にそれぞれ入力される信号のシンボルレートは、送信
データの半分になる。例えば、送信データの伝送速度を
2Mbpsとすると、拡散器103、104にそれぞれ
入力される信号のビットレートは1Mbpsとなる。
【0040】拡散信号発生器102は、拡散信号として
疑似乱数符号を発生し、2分岐し、一方を遅延させて拡
散器103及び104に供給する。疑似乱数符号として
は、例えば、11ビットのバーカー(Barker)符号が利
用される。また、拡散信号発生器102は、例えば、2
チップ分だけ位相をずらし、チップレート11Mcps
で疑似乱数符号を出力する。
【0041】拡散器103及び104は、拡散信号発生
器102からの拡散信号を用いて、分配器101で分配
されたデータ信号をスペクトラム拡散する。ここで、拡
散器103及び104に、それぞれ、データ信号がビッ
トレート1Mbpsで入力され、拡散信号がチップレー
ト11Mcpsで入力されるとすると、データ信号は、
帯域が11倍に拡散されることになる。
【0042】フィルター105、106は、それぞれ拡
散器103、104で拡散された信号に所定の歪みを加
える。この歪みは、相関器112において発生する自己
相関歪みを打ち消すために加えられる。
【0043】合成器107は、フィルター105及び1
06で、歪みが加えれれた信号を合成(多重化)する。
【0044】変調器108は、合成器107で合成され
た信号を無線伝送できるように変調し、送信信号として
出力する。送信信号は、図示しない増幅器で増幅され、
アンテナより送出される。
【0045】受信側通信装置では、逆拡散信号発生器1
11がスペクトラム逆拡散用の拡散信号を発生し、相関
器112へ供給する。逆拡散信号発生器111が発生す
る拡散信号は、送信側の拡散信号発生器102が発生す
る拡散信号と同種の符号である。つまり、拡散信号発生
器102が、11ビットのバーカー符号をチップレート
11Mcpsで発生するならば、逆拡散信号発生器11
1も、11ビットのバーカー符号をチップレート11M
cpsで発生する。
【0046】また、相関器112には、図示しないアン
テナで受信し、増幅復調された受信信号が入力される。
そして、相関器112は、受信信号と逆拡散信号発生器
111からの拡散信号との相関演算を行うことにより、
スペクトラム逆拡散を行う。スペクトラム逆拡散には、
自己相関歪みが伴うが、本実施の形態では、その歪みを
相殺するように、予め送信側で歪みが加えられているの
で、相関器112の出力には、図10(c)に示す自己
相関歪みは含まれていない。ただし、相関器112の出
力には、図8(c)に示す伝送路歪みは含まれたままで
ある。
【0047】相関器112から出力される信号に伝送路
歪みが含まれたままであると、多重化信号が相互に干渉
した形になっているので、このままでは正しい信号判定
ができない。そこで、等化器113は、相関器112か
ら出力される信号に含まれる伝送路歪みを除去するため
に、等化を行う。この等化器113は、図9に示す従来
の判定帰還型等化器を使用することができる。
【0048】等化器113から出力される信号は、図8
(d)に示すように、ビットレート11Mbpsの時分
割多重された信号形式になっているので、結合器は、こ
のデータを送信データと同じ2Mbpsの信号形式に変
換する。
【0049】以上のようにして、本実施の形態では、自
己相関歪みを除去することができる。
【0050】次に図5を参照して本発明の第2の実施の
形態について説明する。
【0051】図5の通信装置では、自己相関歪みを取り
除くためのフィルターが受信側に設けられている点で第
1の実施の形態と異なる。即ち、本実施の形態の通信装
置では、受信側通信装置の相関器の前段にフィルター5
01が設けられている。もちろん、このフィルター50
1も、相関器112で生じる自己相関歪みの特性とは逆
特性の伝達関数を持つ。
【0052】第1の実施の形態のように、送信側にフィ
ルターを設けると、送信信号の振幅が大きくなる。この
ため、第1の実施の形態では、送信アンプのダイナミッ
クレンジを大きくするとともに、その非線形歪みを少な
くする必要がある。本実施の形態では、このような必要
がなく、送信アンプの負担が減少する。その一方で、本
実施の形態では、フィルター501に入力する信号(受
信信号)が、2値信号ではなく、多値信号となるので、
フィルター501は、図3に示すようなトランスバーサ
ル型フィルターとしなければならない。
【0053】次に図6を参照して本発明の第3の実施の
形態について説明する。
【0054】図6の通信装置では、自己相関歪みを取り
除くためのフィルター601が送信機側、合成器107
と変調器108との間に設けられる。もちろん、このフ
ィルター601も、相関器112で生じる自己相関歪み
の特性とは逆特性の伝達関数を持つ。
【0055】第1の実施の形態では、多重化数を増加さ
せようとすると、それに伴って、フィルターの数を増加
させなければならない。これに対し、本実施の形態で
は、多重化数に関係なく、1つのフィルターで済む。た
だし、図4に示すように、ROMを用いる方法を採用す
ると、多重化数の増加に伴いアドレス数が幾何級数的に
増大し実現が困難になり、図3示すトランスバーサルフ
ィルタ型フィルターの方が実現しやすい。このため、本
実施の形態では、多重化数に応じてフィルターの構成を
検討する必要がある。
【0056】
【発明の効果】第1の効果は、スペクトラム逆拡散を行
うための相関演算を行う前に、自己相関歪みを補正して
おくことにより、等化器で伝送路歪みを十分に取り除く
ことができ、信頼性の高いデータ伝送が可能になること
である。
【0057】第2の効果は、スペクトラム逆拡散を行う
ための相関演算を行う前に、自己相関歪みを補正してお
くことにより、符号化多重数を増加させることができ、
より高速なデータ伝送が可能になることである。
【0058】第3の効果は、自己相関歪みを取り除くフ
ィルターは、多重化数や装置全体のハードウェア規模を
考慮して、挿入位置や構成を決めることができ、設計の
自由度が高いことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図で
あって、(a)は送信側通信装置を、(b)は受信側装
置を示す。
【図2】図1のフィルター105、106のインパルス
応答を示す図である。
【図3】図1のフィルター105、106の具体的構成
例を示す図である。
【図4】図1のフィルター105、106の他の具体的
構成例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図で
あって、(a)は送信側通信装置を、(b)は受信側装
置を示す。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図7】従来の符号多重化通信装置を示すブロック図で
あって、(a)は送信側通信装置を、(b)は受信側装
置を示す。
【図8】図7の等化器713の動作を説明するための図
である。
【図9】図7の等化器713の具体的構成例を示す図で
ある。
【図10】自己相関歪みを説明するための図である。
【符号の説明】
101 分配器 102 拡散信号発生器 103,104 拡散器 105,106 フィルター 107 合成器 108 変調器 111 逆拡散信号発生器 112 相関器 113 等化器 114 結合器 301 遅延素子 302 乗算器 303 加算器 401 遅延素子 402 読み出し専用メモリー 501 フィルター 601 フィルター 701 分配器 702 拡散信号発生器 703,704 拡散器 705 合成器 706 変調器 711 逆拡散信号発生器 712 相関器 713 等化器 714 結合器 901 判定器 902 遅延素子 903 加算器 904 乗算器 905 遅延素子 906 乗算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04J 13/00 H04B 3/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されるシリアル送信データをN個
    (Nは2以上の整数)の信号列に分配する分配手段と、
    前記N個の信号列に対し、それぞれ、互いに位相の異な
    拡散信号を用いてスペクトラム拡散を行うN個の拡散
    手段と、該N個の拡散手段でそれぞれスペクトラム拡散
    されたN個の信号列を加算し符号多重化された信号を出
    力する合成手段と、前記符号多重化された信号を変調す
    る変調手段とを有する符号多重化通信装置において、前
    記拡散信号による自己相関歪みの周波数特性の逆特性を
    持つフィルター手段を設けたことを特徴とする符号多重
    化通信装置。
  2. 【請求項2】 前記フィルター手段が、前記N個の拡散
    手段の後段にそれぞれ設けられていることを特徴とする
    請求項1の符号多重化通信装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルター手段が、前記合成手段の
    後段に設けられていることを特徴とする請求項1の符号
    多重化通信装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルター手段が複数の遅延素子
    と、複数の乗算器と、複数の加算器とで構成されたトラ
    ンスバーサル型フィルタであることを特徴とする請求項
    1、2、または3の符号多重化通信装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルター手段が複数の遅延素子と
    読み出し専用メモリーとで構成されたフィルタであるこ
    とを特徴とする請求項1、2、または3の符号多重化通
    信装置。
  6. 【請求項6】 シリアル送信データをN個(Nは2以上
    の整数)の信号列に分配し、各信号列に対してそれぞ
    、互いに位相の異なる拡散信号を用いてスペクトラム
    拡散を行なったあと、これらスペクトラム拡散されたN
    個の信号列を互いに加算し、変調して送信された符号多
    重化信号を受信する符号多重化通信装置であって、受信
    信号をスペクトラム逆拡散する相関手段を備えた符号多
    重化通信装置において、前記相関手段の前段に前記拡散
    信号による自己相関歪みの周波数特性の逆特性を持つフ
    ィルター手段を設けたことを特徴とする符号多重化通信
    装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルター手段が複数の遅延素子
    と、複数の乗算器と、複数の加算器とで構成されたトラ
    ンスバーサル型フィルタであることを特徴とする請求項
    6の符号多重化通信装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルター手段が複数の遅延素子と
    読み出し専用メモリーとで構成されたフィルタであるこ
    とを特徴とする請求項6の符号多重化通信装置。
  9. 【請求項9】 スペクトラム拡散を用いて符号多重デー
    タ伝送を行う符号多重化通信装置において、スペクトラ
    ム拡散を行うための拡散信号を生成し、N分岐(Nは2
    以上の整数)して互いに位相をずらした信号として出力
    する拡散信号生成器と、入力されたシリアル送信データ
    をN個の信号列に変換してパラレルに出力する分配器
    と、前記N個の信号列をそれぞれ前記拡散信号でスペク
    トラム拡散するN個の拡散器と、前記拡散信号による自
    己相関歪みの周波数特性の逆特性で前記N個の拡散器の
    出力信号をそれぞれフィルタリングするN個のフィルタ
    ーと、該N個のフィルターの出力を加算する合成器と、
    該合成器の出力信号を変調し送信信号として出力する変
    調器とを備えた送信部と、スペクトラム逆拡散を行うた
    めの逆拡散符号を生成して出力する逆拡散信号生成部
    と、受信信号と前記逆拡散符号との相関演算を行いスペ
    クトラム逆拡散を行う相関器と、該相関器の出力信号か
    ら伝送路歪みを除去する等化器と、該等化器の出力信号
    を前記分配器の逆の操作を行うことにより受信データを
    組み立てる結合器とを備えた受信部と、からなることを
    特徴とする符号多重化通信装置。
  10. 【請求項10】 スペクトラム拡散を用いて符号多重デ
    ータ伝送を行う符号多重化通信装置において、スペクト
    ラム拡散を行うための拡散信号を生成し、N(Nは2以
    上の整数)分岐して互いに位相をずらした信号として出
    力する拡散信号生成器と、入力されたシリアル送信デー
    タをN個の信号列に変換してパラレルに出力する分配器
    と、前記N個の信号列をそれぞれ前記拡散信号でスペク
    トラム拡散するN個の拡散器と、該N個のフィルターの
    出力を加算する合成器と、該合成器の出力信号を変調し
    送信信号として出力する変調器とを備えた送信部と、受
    信信号を前記拡散信号による自己相関歪みの周波数特性
    の逆特性でフィルタリングするフィルターと、スペクト
    ラム逆拡散を行うための逆拡散符号を生成して出力する
    逆拡散信号生成部と、前記フィルターからの出力信号と
    記逆拡散符号との相関演算を行いスペクトラム逆拡散を
    行う相関器と、該相関器の出力信号から伝送路歪みを除
    去する等化器と、該等化器の出力信号を前記分配器の逆
    の操作を行うことにより受信データを組み立てる結合器
    とを備えた受信部と、からなることを特徴とする符号多
    重化通信装置。
  11. 【請求項11】 スペクトラム拡散を用いて符号多重デ
    ータ伝送を行う符号多重化通信装置において、スペクト
    ラム拡散を行うための拡散信号を生成し、N(Nは2以
    上の整数)分岐して互いに位相をずらした信号として出
    力する拡散信号生成器と、入力されたシリアル送信デー
    タをN個の信号列に変換してパラレルに出力する分配器
    と、前記N個の信号列をそれぞれ前記拡散信号でスペク
    トラム拡散するN個の拡散器と、該N個のフィルターの
    出力を加算する合成器と、前記拡散信号による自己相関
    歪みの周波数特性の逆特性で前記合成器の出力信号をフ
    ィルタリングするフィルターと、該フィルターの出力信
    号を変調し送信信号として出力する変調器とを備えた送
    信部と、スペクトラム逆拡散を行うための逆拡散符号を
    生成して出力する逆拡散信号生成部と、受信信号と前記
    逆拡散符号との相関演算を行いスペクトラム逆拡散を行
    う相関器と、該相関器の出力信号から伝送路歪みを除去
    する等化器と、該等化器の出力信号を前記分配器の逆の
    操作を行うことにより受信データを組み立てる結合器と
    を備えた受信部と、からなることを特徴とする符号多重
    化通信装置。
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