JP2914313B2 - フレキシブル基板用コネクタ - Google Patents

フレキシブル基板用コネクタ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータや携帯型小型機器等において、内蔵基板間をフレ
キシブル基板により接続する技術に関し、特に小形、高
密度実装が要求されるフレキシブル基板用コネクタに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のフレキシブル基板用コネク
タには種々の形式のものが開示されている。例えば実開
平5−17968号公報には、図5に示すように、フレ
キシブル基板(以下、FPCと称す)508を無挿拔力
(ZIF)でコネクタハウジング501の中に設けられ
たFPC挿入穴502の中に挿入した後、加圧片507
を具備するカバー505を加圧片挿入穴510の中へ挿
入し、かつカバー505をコネクタハウジング501に
ロックすることによって、複数のコンタクト収容室50
3内に配設された各コンタクト504をFPC508の
端子パターンに押圧して、FPC508と端子部514
との間の導通が得られるようになっている。コンタクト
504は、FPC側反力形成アーム511、加圧片側反
力形成アーム512、共通の基部513および端子部5
14と一体に一枚の金属板から打抜いて形成されてい
る。
【0003】また、実開平6−77186号公報には、
図6(A),(B)に示すように、上方が開口したコネ
クタハウジング601が、開口部に並列に設けられた複
数の保持溝601A内に配設された接触子603を有
し、ハウジング601に設けられた回動支持部605の
まわりに回動可能に支持された加圧部材607を回動さ
せることにより、加圧部材の加圧突部612がフレキシ
ブル基板Fを接触子603のU字状接触フィンガー部6
04の接触部604Aに押圧することによって、接触子
603とフレキシブル基板Fとの導通が得られる。この
とき加圧突部612が回動支持部605の中心と接触部
604Aとを結ぶ線を超えて内側に来るようになってい
るので、加圧部材607はロックされて導通状態が維持
されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のフレキ
シブル基板用のコネクタは、図5に示した第1の従来例
においては、一枚の金属板を加工して作ったコンタクト
504と反力形成アーム511との間のFPC挿入穴5
02の中へFPC508を挿入して、加圧片507によ
ってコンタクト504を押圧し、FPC508とコンタ
クト504との導通をとるようになっているが、この方
法によれば、FPC508の電極は片側の面にしか設け
られないので、コンタクト504の密度を上げる必要が
ある場合には、コンタクト504同士のお互いのピッチ
をさらに狭くしなければならない。しかるに、コンタク
ト同士の絶縁をはかるために、各コンタクト間を絶縁材
料であるコネクタハウジングの部分で形成された壁を介
在させるのが一般的であるが、コンタクト同士のピッチ
を極度の狭くすると上述の絶縁用に設けた壁の厚さが薄
くなって成形加工が困難となり、また壁の強度も低下す
るため、コンタクト間のピッチを狭めるのには限界があ
り、高密度のコネクタを形成できないという欠点があ
る。また加圧片507をスライドさせてコンタクト50
4とFPC508とを接触させる方式は、コンタクト5
04の数が増すとスライドに要する力が過大となって操
作が困難になるという欠点もある。
【0005】また図6に示す第2の従来例においては、
接触子603の接触部604Aがフレキシブル基板Fの
片側の面にしか接触しないため、フレキシブル基板Fの
電極は片側の面にしか設けることはできないので、第1
の従来例と同様に、接触子603の密度を上げるために
は接触子603同士のピッチを狭くする必要があるが、
接触子603を収容する保持溝同士の間の壁厚が薄くな
ってピッチを狭めるにも限界があり、高密度のコネクタ
が形成できないという欠点がある。
【0006】本発明の目的は、フレキシブル基板用コネ
クタにおいて、フレキシブル基板とコネクタとの接続が
容易で、かつ小形で高密度実装が可能なフレキシブル基
板用コネクタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のフレキシブル基
板用コネクタは、両面に接続部を有するフレキシブル基
板用のコネクタであって、上部材、下部材、側部材およ
び上下部材間に平行に配設された中部材とが、それぞれ
板状の絶縁材料から形成され、それらにより一体に形成
された細長い箱状のハウジングと、上部材と中部材との
間に垂直に長手方向に直角に、かつ並列に固設され、第
1の外部端子と、フレキシブル基板の一方の面に接触す
るための第1の接触子とを有する複数の第1の導電体
と、中部材と下部材との間で、第1の導電体に対向して
固設され、第2の外部端子を有し、また二股状に形成さ
れた一方が、フレキシブル基板の他方の面に接触するた
めの第2の接触子を有し、かつ二股状に形成された他方
が、第2の接触子を押圧するための加圧部材の支持部を
有する複数の第2の導電体と、第2の接触子と支持部と
の間に挿入して押下げることにより、第2の接触子を押
圧する加圧部材とを有している。
【0008】第1の接触子と第2の接触子とがフレキシ
ブル基板を挟んで対向するように配設されることが好ま
しく、第1の導電体の第1の接触子が、第2の導電体の
第2の接触子の押圧力に対抗する反撥力を有することが
好適である。
【0009】加圧部材は、第2の接触子を押圧しまたは
解放するための回動軸を有し、その軸は側部材の内側に
設けられたの溝と嵌合し、かつ側部材の内面に沿って内
側の溝と直交する切欠を有する二股部材に挟まれて保持
されて回動軸を形成している。
【0010】加圧部材を押下げて、第2の接触子を押圧
したとき、加圧部材の先端部の輪郭形状の頂点が、回動
軸中心と支持部の支点とを結ぶ直線を超えて外側に在る
ようにすることによって、加圧部材がロックされる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明のフレキシブ
ル基板用コネクタの部分分解斜視図、図2は図1の組立
状態の斜視図で、フレキシブル基板を接続した状態を示
す図、図3は図2のX−X線断面図である。
【0012】絶縁材料で形成されるハウジング101
は、長方形の上板111および下板112と、上板と下
板を長手方向両端において連結する2枚の側板113
と、上板、下板と平行でそれらより幅が狭く、かつ2枚
の側板を連結する中板114とで形成されている。
【0013】上板111と中板114の間には、複数の
幅の狭い第1の導電体201が、上板111および中板
114に垂直に、かつ上板111の長辺に直角に、互い
に並列に、上板111および中板114に固設されてい
る。第1の導電体201の一方の側は棒状接触子203
を形成し、先端部に下向きの接触部202を備えてい
る。また他方の側は棒状接触子と反対側の下方に延び
て、リード端子部204を形成している。
【0014】中板114と下板112の間には、複数の
幅の狭い第2の導電体301が、第1の導電体201を
含む面内において、中板114および下板112に垂直
に、かつ下板の長辺に直角に、互いに並列に、中板11
4および下板112に固設されている。第2の導電体3
01の一方の側には弾性接触子303と支持端子305
とが平行に延びて、二股状接触子306を形成してい
る。弾性接触子303の先端部には上向きの接触部30
2が下向きの接触部202と対向するように設けられて
いる。支持端子305の先端部には上向きに回転支持部
304が設けられている。また他方の側は二股状接触子
306の側と反対側に延びて、リード端子部307を形
成している。
【0015】絶縁性の加圧部材であるロックレバー40
1は、ほぼS字状の断面形状の細長い板状をなし、長手
方向長さはハウジング101の両側板113の内側の間
隔寸法から後述のフック金具403の厚さを除いた寸法
とし、両端部には操作のためのレバー411が形成され
ている。ロックレバー401の先端部412は、二股状
接触子306の弾性接触子303と支持端子305とで
形成される空所へ挿入されて、支持端子305の先端部
に設けられた上向きの回転支持部304を支点とするテ
コの作用によって弾性接触子303を下方から押上げる
ことができる。
【0016】ロックレバー401の先端部412をハウ
ジング101の中の所定の位置に保持するために、先端
部412の長手方向両端面に円柱状の突出部402が設
けられ、またハウジング101の二つの側板113の内
側に、上板111、下板112の面と平行に案内溝10
2が設けられている。案内溝102の断面の寸法は、ロ
ックレバー401の円柱状の突出部402が溝の中を摺
動できる寸法となっている。
【0017】また、円柱状の突出部402を案内溝10
2の中の所定の位置に保持するために、上板111と下
板112にそれぞれ側板113の内側に沿って切欠き部
103が設けられる。さらに、先端が二股のL字状のフ
ック金具403を、ハウジング101の下方から切欠き
部103の中へ挿入して案内溝102の中に在る突出部
402を二股の間に挟んで保持し、フック金具403の
L字形部413を側板113の下端に設けられた段付部
123と係合させることによって、突出部402が所定
の位置に保持されるようになっている。
【0018】次に、本フレキシブル基板用コネクタの使
用方法を図1と図4によって説明する。図4は図3と同
様の断面図で、ロックレバー401を弛めた状態の図で
ある。 図1に示すようなコネクタの分解状態からコネ
クタを組立てるには、図4に示すように、ロックレバー
401の先端部412をほぼ水平にして、回転支持部3
04と上向きの接触部302との間へ挿入しつつ、左右
の円柱状の突起部402をハウジング101の左右の案
内溝102に合わせてほぼ定位置まで進入させる。次に
二股のフック金具403の二股を上にL字形部413を
外側にして、ハウジング101の左右の切欠き部103
の下方から上方へ向かって挿入する。このとき、フック
金具403の二股の先端部分の中へ突出部402が収容
されるように、ロックレバー401を前後進させながら
フック金具403を押上げてL字形部413を側板11
3の段付部123に係合させる。
【0019】このようにして組立てを行ったコネクタに
フレキシブル基板を接続するには、ロックレバー401
のレバー411を図4に示すように上方に位置させれ
ば、第1の導電体201の下向きの接触部202と、第
2の導電体301の上向きの接触部302との間は拡が
った状態となるので、ロックレバー401の上面側から
両接触部の間に、両面にパッド部F1,F2を有するフ
レキシブル基板Fを容易に挿入することができる。
【0020】次に、ロックレバー401のレバー411
を下方に押下げれば、ロックレバー401の先端部41
2は、案内溝102とフック金具403の二股とによっ
て回動可能に支持された突出部402を中心として旋回
して弾性接触子303を上方へ押圧し、したがって上向
きの接触部302と下向きの接触部202とが、その間
に挿入されたフレキシブル基板Fの両面のパッド部F1
とF2とに接触してクランプするから、パッド部F1と
第1の導電体201、およびパッド部F2と第2の導電
体301とはそれぞれ電気的に導通がとられ、それぞれ
のリード端子部204および307に対し、両面にパッ
ド部を有するフレキシブル基板Fから通電が可能とな
る。
【0021】フレキシブル基板Fをコネクタから取外す
には、ロックレバー401の両側のレバー411を上方
に持ち上げれば、弾性接触子303を上方に押圧してい
るテコ力は解除されるので、上向きの接触部302は下
方へ下がってフレキシブル基板と両接触部202,30
2との間に隙間を生じるから、フレキシブル基板Fを容
易に取外すことができる。
【0022】上述の本発明によるコネクタは、両面にパ
ッド部を有するフレキシブル基板に用いることを特徴と
するが、片面にパッド部を有するフレキシブル基板に用
いることができるのは勿論である。
【0023】ロックレバー401の先端部412のテコ
作用による上向きの接触部302のフレキシブル基板へ
の押圧をさらに効果あらしめるために、下向き接触部2
02の形状をバネ力などによる反撥性を有する形状とす
ることが好適であり、また棒状接触子203を弾性接触
子303と同様の弾性を持たせるために、棒状接触子2
03とハウジング101の上板111との間に間隙を設
けることもできる。
【0024】フレキシブル基板をコネクタに挿入した
後、ロックレバー401のレバー411を押下げたと
き、ロックレバー401のクランプ状態が自立して保持
されるための条件は、先端部412の輪郭形状の回転軸
の中心Oから最も離れている点Pが、回転支持部304
上の支点Tと中心Oとを結ぶ直線より外側(ロックレバ
ー側)に在ることである。
【0025】なお、上述の実施の形態のほか、回転支持
部304を第2の導電体に設けずに、ハウジング101
の下板112に設けることもできる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、第1の導
電体と第2の導電体の各々に接触部を設けて、その間に
両面に接続部を有するフレキシブル基板を挿入できるよ
うにし、弾性を有する第2の導電体の接触部をロックレ
バーによってテコ式に押上げてフレキシブル基板の両面
を押圧するようにしたため、従来の片面のフレキシブル
基板用のものに較べて接触可能な接触子の密度を2倍に
向上することができ、したがってコネクタを小形化し得
るという効果がある。さらにテコ式のロックレバーを使
用することにより、両面フレキシブル基板の接続・ロッ
ク・解放がレバーの回動によって容易に行えるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブル基板用コネクタの部分分
解斜視図である。
【図2】図1の組立状態を示す斜視図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】図3と同様の図で、ロックレバーを弛めた状態
の図である。
【図5】従来の技術によるコネクタの断面図である。
【図6】従来の技術によるコネクタの図で、(A)は斜
視図、(B)は断面図である。
【符号の説明】
101,501,601 ハウジング 102 案内溝 103 切欠き部 111 上板 112 下板 113 側板 114 中板 123 段付部 201 第1の導電体 202 下向き接触部/第1の接触子 203 棒状接触子 204 リード端子部 301 第2の導電体 302 上向き接触部/第2の接触子 303 弾性接触子 304 回転支持部 305 支持端子 306 二股状接触子 307 リード端子部 401 ロックレバー 402 円柱状の突出部 403 フック金具 411 レバー 412 先端部 413 L字形部 502 FPC挿入穴 503 コンタクト収容室 504 コンタクト 504b 突起部 505 カバー 507 加圧片 508 フレキシブル基板(FPC) 510 加圧片挿入穴 511 FPC側反力形成アーム 512 加圧片側反力形成アーム 513 共通の基部 514 端子部 601A 保持溝 603 接触子 604 U字状接触フィンガー部 604A 接触部 605 回動支持部 607 加圧部材 612 加圧突部 F フレキシブル基板 F1,F2 パッド部 O 回動軸中心 P 中心Oから最も離れた点 T 回転支持部上の支点

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部材、下部材、側部材および上下部材
    間に配設された中部材が、それぞれ板状の絶縁材料であ
    って、それらにより一体に形成された細長い箱状のハウ
    ジングと、 前記上部材と中部材との間に垂直に長手方向に直角にか
    つ並列に固設され、第1の外部端子と、フレキシブル基
    板の一方の面に接触するための第1の接触子とを有する
    複数の第1の導電体と、 前記中部材と下部材との間で、前記第1の導電体に対向
    して固設され、第2の外部端子を有し、かつ前記フレキ
    シブル基板の他方の面に接触するための第2の接触子お
    よび該第2の接触子を押圧するための加圧部材の支持部
    を具備して二股状に形成された、複数の第2の導電体
    と、 前記第2の接触子と前記支持部との間に挿入して押下げ
    ることにより、前記第2の接触子を押圧する前記加圧部
    材とを有することを特徴とする、両面に接続部を有する
    フレキシブル基板用コネクタ。
  2. 【請求項2】 前記第1の接触子と前記第2の接触子と
    がフレキシブル基板を挟んで対向するように配設され
    る、請求項1に記載の両面に接続部を有するフレキシブ
    ル基板用コネクタ。
  3. 【請求項3】 前記第1の導電体の第1の接触子が、前
    記第2の導電体の第2の接触子の押圧力に対抗する反撥
    力を有する、請求項1または2に記載の両面に接続部を
    有するフレキシブル基板用コネクタ。
  4. 【請求項4】 前記加圧部材は、前記第2の接触子を押
    圧および解放するための回動軸を有し、該軸が前記側部
    材の内側の溝と嵌合し、かつ前記側部材の内面に沿って
    前記内側の溝と直交する切欠を有する二股部材に挟まれ
    て保持される、請求項1ないし3に記載の両面に接続部
    を有するフレキシブル基板用コネクタ。
  5. 【請求項5】 前記加圧部材を押下げて、前記第2の接
    触子を押圧したとき、加圧部材の先端部の輪郭形状の頂
    点が、前記加圧部材の回転中心と前記支持部の支点とを
    結ぶ直線より外側に在る、請求項1ないし4に記載の両
    面に接続部を有するフレキシブル基板用コネクタ。
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