JP2913486B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP2913486B2
JP2913486B2 JP2094657A JP9465790A JP2913486B2 JP 2913486 B2 JP2913486 B2 JP 2913486B2 JP 2094657 A JP2094657 A JP 2094657A JP 9465790 A JP9465790 A JP 9465790A JP 2913486 B2 JP2913486 B2 JP 2913486B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジン出力軸のトルクを負荷駆動軸に伝
幡しかつ負荷駆動軸の回転速度に対するエンジン出力軸
の回転速度の比すなわちギア比を自動的に切換える自動
変速装置に関し、特に、変速ショックを抑制するため
の、変速時の変速機内ブレーキおよびクラッチの圧力制
御に関する。
(従来の技術) この種の自動変速装置では、ある速度段から他の1つ
の速度段に変速するときに、自動変速機内のブレーキお
よびクラッチの少くとも1つの油圧を抜き、他の少くと
も1つに油圧を供給するが、このような油圧の切換によ
り変速ショックが発生しやすい。そこで従来は、自動変
速機のブレーキおよびクラッチにアキュムレータを接続
し、アキュムータの背圧を、変速時にショックを生じな
いように調圧する(例えば特開昭56−138553号公報)。
しかし、この調圧を機械弁で行なうので調圧が比較的に
粗く、より円滑かつ適切に調圧することが望まれる。そ
こで特開昭61−149657号公報の自動変速装置では、油圧
回路に、アキュムレータの背圧を調整する電気付勢によ
る圧力制御弁を備えて、スロットルバルブ開度,シフト
モード,エンジン油温,エンジン冷却水温度,エンジン
吸気温,自動変速機の油温,パターンセレクトスイッチ
のセレクト位置,エンジントルク,エンジン回転速度,
エンジン過給圧,エンジン燃料噴射量,自動変速機の出
力軸トルクおよび自動変速機の出力軸回転速度、の少く
とも1つに対応して、電気付勢による圧力制御弁の通電
デューティ値を定め、この通電デューティ値で圧力制御
弁に通電して該通電デューティ対応の背圧を前記アキュ
ムレータに定める。
これによれば、アキュムレータの背圧を圧力制御弁に
流す電流値(通電デューティ)で微細に調整できるの
で、より適正な背圧をアキュムレータに設定しかつこれ
を円滑に調整しうる。
ところが、エンジン出力トルクが小さい(例えばスロ
ットルバルブ開度が10%以下)状態(パワーオフ)で上
位速度段への変速(アップシフト)が行なわれるとき、
変速前の下位速度段の解除(ローギアクラッチの油圧排
出)と変速後の上位速度段の投入(ハイギアクラッチの
油圧の上昇)のタイミングが合致していないと大きな変
速ショックが発生する。そこで従来は、パワーオフでの
み発生するライン油圧(スロットルバルブ開度連動の調
圧弁を経た油圧)をタイミング弁に加えて、タイミング
弁の、ローギアクラッチ油圧排出ポートをドレインポー
トに接続するようにしている。パワーオンのときには、
タイミング弁は、ローギアクラッチ油圧排出ポートをオ
リフィスを介してドレインポートに接続する。したがっ
てパワーオフのときには、変速開始後ローギアクラッチ
油圧が瞬時に排出され、ハイギアクラッチのトルク伝達
開始時点と、ローギアクラッチのトルク伝達解除完了時
点との間にどのクラッチも入力トルク伝達しない時間
(遅延時間:ニュートラル時間)が発生する。この遅延
時間が変速ショックを小さくする要因の1つである。
(発明が解決しようとする課題) 従来は、パワーオフ/オンは、スロットルバルブ開度
および車速で決定している。しかしある車速でスロット
ルバルブ開度が例えば10%以下ではパワーオフ、10%を
越えるとパワーオンと定めると、エンジンのスロットル
開度/出力トルク相関のばらつき又は経時変化,スロッ
トル開度センサをアクセルペダル回転軸に結合している
ときには、アクセルペダルからスロットルバルブ回転軸
までのリング機構の遊びなどの機械結合系のばらつき、
あるいは、エンジンにおける出力トルクの調整、等によ
って、パワーオフ/オンの判定しきい値に対する車両の
負荷状態(スロットルバルブ開度+車速)はばらつき、
例えばパワーオフの車両負荷状態でパワーオン変速(上
述の遅延時間なし)が行なわれてエンジンが吹上がると
か、パワーオンの車両負荷状態でパワーオフ変速(遅延
時間あり)で駆動トルク不足のため変速ショックを生ず
るなどの不具合を生ずることがある。
本発明は、パワーオン/オフアップシフトにおけるエ
ンジン吹上げとか変速ショックの発生を更に抑制するこ
とを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段1) 本発明は、エンジンの出力軸と負荷駆同軸の間に介挿
され、エンジンの出力軸に結合したトルクコンバータ
(1)と負荷駆動軸に結合した変速機(2,3)を含む自
動変速機(1〜3)の、ブレーキおよびクラッチに選択
的に油圧を供給しまたそれらから選択的に油圧を抜く油
圧回路(第2図),該油圧回路(第2図)にあって前記
ブレーキおよびクラッチに接続されたアキュムレータ,
該アキュムレータの背圧を調整する圧力制御弁(SL
6),変速前の速度段のトルク伝達の解除から変速後の
速度段のトルク伝達の開始までの時間を遅延するための
タイミング制御弁(SL5)、および変速要否を判定し変
速要のときには変速を行なう変速制御手段(130)、を
備える、自動変速機の油圧制御装置において: エンジンの出力軸(8)の回転速度(Ne)を検出する
第1速度検出手段(140); 変速のための油圧の切換により回転速度が切換わる、
前記自動変速機の回転手段(23)、の回転速度(Nt)を
検出する第2速度検出手段(141); 第1速度検出手段(140)が検出した回転速度(Ne)
と第2速度検出手段(141)が検出した回転速度(Nt)
を比較してパワーオフか否かを判定するパワーオフ判定
手段(130);および、 変速制御手段(130)が上位変速段(第3速)への変
速を判定し変速を行なうとき、パワーオフ判定手段(13
0)がパワーオフを判定するとタイミング制御弁(SL5)
を介して変速前の速度段(第2速)のトルク伝達の解除
から変速後の速度段(第3速)のトルク伝達の開始まで
の時間を遅延する遅延制御手段(130); を備えることを特徴とする。
なお、カッコ内の記号は、図面に示し後述する実施例
の対応要素又は対応事項を示す。
(作用1) 第1速度検出手段(140)が検出する回転速度(Ne)
と第2速度検出手段(141)が検出する回転速度(Nt)
との相関は、車両負荷状態に依存し、例えば第2速度検
出手段(141)で主変速機の入力軸(クラッチドラム)
の回転速度を検出すると、パワーオンのときにはNe≧N
t、パワーオフのときにはNe<Ntであり、正確にパワー
オン/オフを判定しうる。
したがって、スロットルバルブ開度には無関係に正確
にパワーオン/オフが判定され、パワーオン/オフアッ
プシフトにおいてエンジン吹上げとか変速ショックをも
たらすことがなくなる。
(課題を解決するための手段2) 本発明は、エンジンの出力軸と負荷駆動軸の間に介挿
され、エンジンの出力軸に結合したトルクコンバータ
(1)と負荷駆動軸に結合した変速機(2,3)を含む自
動変速機(1〜3)の、ブレーキおよびクラッチに選択
的に油圧を供給しまたそれから選択的に油圧を抜く油圧
回路(第2図),該油圧回路(第2図)にあって前記ブ
レーキおよびクラッチに接続されたアキュムレータ,該
アキュムレータの背圧を調整する圧力制御弁(SL6),
変速前の速度段のトルク伝達の解除から変速後の速度段
のトルク伝達の開始までの時間を遅延するためのタイミ
ング制御弁(SL5)、および、変速要否を判定し変速要
のときには変速を行なう変速制御手段(130)、を備え
る、自動変速機の油圧制御装置において: エンジンの出力軸(8)の回転速度(Ne)を検出する
第1速度検出手段(140); 変速のための油圧の切換により回転速度が切換わる、
前記自動変速機の回転手段(23)、の回転測度(Nt)を
検出する第2変速検出手段(141); 第1速度検出手段(140)が検出した回転速度(Ne)
と第2速度検出手段(141)が検出した回転速度(Nt)
を比較してパワーオフか否かを判定するパワーオフ判定
手段(130); 変速制御手段(130)が上位速度段(第3速)への変
速を判定し変速を行なうとき、パワーオフ判定手段(13
0)がパワーオンを判定しているとタイミング制御弁(S
L5)は非遅延に定め、変速制御手段(130)が変速を開
始してから所定時間(0.1sec)内にパワーオフ判定手段
(130)がパワーオフを判定するとタイミング制御弁(S
L5)を、変速前の速度段(第2速)のトルク伝達の解除
から変速後の速度段(第3速)のトルク伝達の開始まで
の時間の遅延に定める遅延制御手段(130); を備えることを特徴とする。
(作用2) 作用1と同様な作用がもたらされる。加えて、変速を
開始した後にも、例えばスロットルバルブが閉方向に回
転している途中にアップシフトが開始され、このアップ
シフト開始直前にはパワーオンと判定されていたが、開
始した直後にパワーオフとなるなど、エンジンの駆動ト
ルクの変動期にアップシフトが重なった場合でも、パワ
ーオンからパワーオフの切換わりに連動して、トルク伝
達の遅延が行なわれるので、変速ショックの発生を抑制
する効果が更に高い。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下
の実施例の説明より明らかになろう。
(実施例) 第1図に、本発明の一実施例の機構概要を示す。第1
図に示す自動変速機は、直結クラッチ50付のトルクコン
バータ1、オーバドライブ機構でなる副変速機2、およ
び、前進3段で後進が1段の歯車変速機構でなる主変速
機3をこの順に結合したものであり、トルクコンバータ
1はポンプ5,タービン6およびステータ7を含む周知の
ものである。ポンプ5は機関クランク軸8と連結され、
タービン6はタービン軸9に連結されている。タービン
軸9はトルクコンバータ1の出力軸をなすものであり、
副変速機2の入力軸となっており、副変速機2における
遊星歯車装置のキヤリア10に連結されている。また機関
クランク軸8とタービン軸9の間には直結クラッチ50が
設けられており、直結クラッチ50作動時には機関クラン
ク軸8とタービン軸9を機械的に連結する(ロックアッ
プ)。キヤリア10によって回転可能に支持されたプラネ
タリピニオン14はサンギア11およびリングギア15と噛み
合っている。サンギア11とキヤリア10の間には、オーバ
ドライブ多板クラッチC0とオーバドライブ一方向クラッ
チF0が設けられており、更にサンギア11とオーバドライ
ブ機構を包含するハウジングあるいはオーバドライブケ
ースの間にはオーバドライブ多板ブレーキB0が設けられ
ている。
副変速機2のリングギア15は、主変速機構3の入力軸
23に連結されている。入力軸23と中間軸29の間にはフロ
ント多板クラッチC1が設けられており、また入力軸23と
サンギア軸30の間にはリバース用の多板クラッチC2が設
けられている。サンギア軸30とトランスミッシヨンケー
スの間には多板ブレーキB1が設けられ、サンギア軸30に
設けられたサンギア32はキヤリア33,該キヤリアによっ
て担持されたプラネタリピニオン34,該ピニオンと噛合
ったリングギア35,他の一つのキヤリア36,該キヤリアに
より担持されたプラネタリピニオン37,該ピニオンと噛
合うリングギア38と共に二列の遊星歯車機構を構成して
いる。キャリア36とトランスミッションケースの間には
一方向クラッチF1とブレーキB2が介挿されている。一方
の遊星歯車機構におけるリングギア35は中間軸29と連結
されている。またこの遊星歯車機構におけるキヤリア33
は他方の遊星歯車機構におけるリングギア38と連結され
ており、これらキヤリアおよびリングギアは出力軸39と
連結されている。かかるオーバドライブ装置付流体式自
動変速機は、後述の油圧制御装置によりエンジンの出力
および車の速度に応じて各クラッチおよびブレーキの係
合または解放が行なわれ、オーバドライブ(O/D)を含
む前進4段(第1速,第2速,第3速,第4速:O/D)の
変速および手動切換による前進1段(第1.5速=LS)お
よび後進1段の変速を行なうようになっている。
上記自動変速機のクラッチC0,C1,C2およびブレーキ
B0,B1,B2、ならびに、トルクコンバータ1の直結クラッ
チ50、を選択的に作用させ、自動変速操作を行なう油圧
回路を第2図に示す。
この第2図に示す油圧回路は、油溜め100,油ポンプ10
1,圧力調整弁102,補助圧力調整弁103,リニアソレノイド
SL6,マニユアル弁200,1−2シフト弁220,2−3シフト弁
230,3−4シフト弁240,1/2間シフト制御用のソレノイド
弁SL1,2/3間シフト制御用のソレノイド弁SL2,3/4間シフ
ト制御用のソレノイド弁SL3,アキユムレータ260,270,28
0,290,アキュムレータ圧制御弁110,モジュレータ弁90,
オリフィス制御弁80,タイミングソレノイド弁SL5,ロー
コーストモジユレータ弁250、排圧弁70,ロックアップコ
ントロール弁360,ロックアップコントロール信号弁370,
ロックアップ制御用のソレノイド弁SL4、および、これ
ら弁間とクラッチ,ブレーキの油圧をサーボ連絡するそ
の他の油圧素子および油路からなる。
油溜め100より油圧ポンプ101により汲み上げられた作
動油は圧力調整弁102で所定の油圧(ライン圧)に調整
されて油路104および油路105へ供給される。油路105を
経て補助圧力調整弁103に供給された圧油はリニアソレ
ノイド弁SL6でスロットル開度および車速に応じ所定の
トルクコンバータ圧,潤滑油圧,およびクーラ圧に調圧
される。油路104と連絡されたマニユアル弁200は、運転
席に設けられたシフトレバーと連結されており、手動操
作によりシフトレバーのレンジに応じてP,R,N,D,S,Lの
各位置に移動される。
第2図に示す油圧回路は、シフト制御用のソレノイド
弁SL1〜SL3の通電(○)/非通電(×)の組合せによ
り、第3図に示すように、第1図に示す自動変速機の変
速段(D,S,Lの欄の数字)を定める。
なお、第3図のO/Dは第4速(オーバドライブ)であ
り、LSは、第1速(ギア比2.905)と第2速(ギア比1.5
30)の中間の速度段(第1.5速:ギア比2.257)である。
ここで上述の自動変速機構(第1図および第2図)の
特徴を説明すると、その第1は、第1速と第2速の間に
LS(第1.5速)があることである。このLS(第1.5速)
は、車載重量が重いときの登板路走行で第1速では速度
が遅く第2速度ではパワー不足となる比較的に不安定な
走行状態(第1速/第2速間変速が比較的に頻繁となり
この状態での第1速/第2速間変速は変速ショックを生
じ易い)でも、ならびに降坂路走行で第1速ではエンジ
ンブレーキがききすぎしかも第2速ではききが悪い走行
状態(第1速/第2速間変速が比較的に頻繁となりこの
状態での第1速/第2速間変速は変速ショックを生じ易
い)でも、登坂路走行においては速度が比較的に速くし
かも十分なパワーが得られる円滑な走行特性を実現する
ために、ならびに、降坂路走行においては適切なエンジ
ンブレーキが得られる円滑な走行特性を実現するため
に、設計されたものである。
仮にDレンジに、第1速と第2速の間としてこの第1.
5速(LS)を自動設定するようにすると、Dレンジの第
1速と第2速に含まれる速度域が2分割から3分割に変
わり、それぞれの速度段の速度域が狭くなって、変速頻
度が多くなり、その分変速ショックや速度段の切換わり
によるドライバの感速異和感が増大する。
そこでこの実施例では、この第1.5速(LS)は、シフ
トレバーの位置がLレンジのときに、ドライバのスイッ
チ操作による第1.5速(LS)の指定に応答して設定する
ようにしている。
第1図に示す自動変速機構では、副変速機2がオーバ
ドライブ(O/D;C0断,B0解放)で主変速機3が第1速(C
1接,C2断,B1解放,B2係合)であるとそのときギア比が第
1速と第2速のギア比(2.950と1.530)の中間値(2.25
7)となるので、これを第1.5速(LS)と定め、第1.5速
指定のときには、副変速機2をO/Dに、主変速機3を第
1速に設定するようにしている(第3図)。
第1図および第2図に示す自動変速機構の特徴の第2
は、変速ショック防止のために、アキュムレータ260,27
0,280および290を備え、その内部のピストン(図示しな
い圧縮コイルスプリングで上に押されている)の背圧を
アキュムレータ圧制御弁110を介してリニアソレノイド
弁SL6で制御し、かつタイミングソレノイド弁SL5で、ブ
レーキB1にはオリフィス81およびオリフィス82を共に介
して(立上りが遅い)、又はオリフィス82はバイパスし
て(立上りが速い)圧油を供給する制御をして、クラッ
チおよびブレーキの投入/解除の切換わり時のそれらの
圧力の切換わりを円滑にしている。
この実施例ではリニアソレノイド弁SL6の出力圧(こ
れに比例した圧力をアクチュエータ圧制御弁110がアキ
ュムレータ260〜290に与える)は、弁SL6の通電デュー
ティに実質上反比例する。すなわちリニアソレノイド弁
SL6の通電デューティ(電流値)が高くなるとアキュム
レータ260〜290のピストン背圧が低下し、上述のクラッ
チ,ブレーキ等への係合油圧が低下する。変速ショック
を生じ易い変速モードのときには、変速ショックを生じ
ないように、リニアソレノイド弁SL6の電流値(通電デ
ューティ)が高く設定される。
タイミングソレノイド弁SL5をオン(デューティ100%
の通電)にするとそれがオリフィス制御弁80のパイロッ
ト圧室をドレインに接触することになるので、オリフィ
ス制御弁80がオリフィス81と82を結ぶ油路をブレーキB1
(アキュムレータ280)にバイパスする。これによりブ
レーキB1を解除するときにはその圧力低下速度が速くブ
レーキ解除速度が速い(ブレーキ係合の場合には係合速
度が速い)。しかし、タイミングソレノイド弁LS5をオ
フ(デューティ0%:通電なし)にすると、オリフィス
制御弁80のパイロット圧室の油圧が上昇し、オリフィス
制御弁80は、オリフィス81と82を結ぶ油路とブレーキB1
(アキュムレータ280)との間を遮断する。これにより
ブレーキB1はオリフィス81および82を通して油圧ライン
に接続されるので、ブレーキB1を解除するときであれば
その圧力低下速度が遅く(ブレーキ解除速度が遅い)、
ブレーキB1を係合させる場合であればその圧力上昇速度
が遅い(ブレーキ係合速度が遅い)。
第4図に、第2図に示す油圧回路のシフトソレノイド
弁SL1〜3,ロックアップ制御ソレノイド弁SL4,タイミン
グ制御ソレノイド弁SL5およびリニアソレノイド弁SL6の
通電を制御する電気制御系の概要を示す。
電気制御系の主体は制御ボード130であり、これはプ
リント基板上にマイクロコンピュータ(以下CPUと称す
る)と、入/出力インターフェイスとを組付けたもので
ある。制御ボード130の入力インターフェイスには、ト
ルクコンバータ1の入力軸(エンジンの入力軸)8の回
転速度Neに比例する周波数の電気パルスを発生するパル
ス発生器140,副変速機2の出力軸(C1ドラム)23の回転
速度Ntに比例する周波数の電気パルスを発生するパルス
発生器141,主変速機3の出力軸(車輪駆動軸)39の回転
速度N0に比例する周波数の電気パルスを発生するパルス
発生器142,第1速(LS)指示スイッチ131,燃料節約走行
指示スイッチ132,第4速(O/D)禁止指示スイッチ133,
シフトレバーポジション検出スイッチ134,エンジン冷却
水の温度を検出する水温センサ135,第2図に示す油圧回
路の、油溜め100の油の温度を検出する油温センサ136,
ブレーキスイッチ137,スロットル開度センサ138,アイド
リング開発センサ139,イグニションキースイチIGSおよ
び車両上のバッテリ163,164が接続されている。
上述の各種入力スイッチには、表示ランプが接続され
ており、第1速指示スイッチ131が閉(第1速指示)に
なるとランプ152が点灯し、燃料節約走行指示スイッチ1
32が閉(節約走行指示)になるとランプ132が点灯し、
第4速(O/D)禁止スイッチ133が閉(禁止指示)になる
とランプ154が点灯する。
シフトレバーポジションがN(ニュートラル)のとき
にはスイッチ134がD位置にあってランプ155が点灯し、
R(バック)のときにはランプ156が点灯し、P(駐
車)のときにはランプ157が点灯する。シフトレバーポ
ジションがLになるとスイッチ134がL位置になってラ
ンプ158および161が点灯し、Sになるとランプ159およ
び161が点灯し、Dになるとランプ160および161が点灯
する。ランプ161の点灯は、シフトレバーポジションが
前進位置にあることを意味する。
ブレーキスイッチ137が閉(ブレーキペダルの踏込み
あり)になるとランプ162が点灯する。
パルス発生器140,141および142が発生する電気パルス
は入力インターフェイスで所定レベルの矩形波に整形さ
れて、制御ボード130のCPUの外部割込入力ポートに印加
される。第1速指示スイッチ131,シフトレバーポジショ
ン検出スイッチ134等の2値的なスイッチの信号(開:
高レベルH=指定なし;閉;低レベルL=指定あり)
は、入力インターフェイスでそのレベルの切換わり時の
チャタリングが消去され単一の立上り又は立下りに整形
されて制御ボード130のCPUの入力ポートに印加される。
水温センサ135,油温センサ136およびスロットルバルブ
開度センサ136のアナログ信号は、入力インターフェイ
スで平滑化およびレベル校正用の増幅を施こされて、制
御ボード130のCPUのアナログ信号入力ポート(A/D変換
入力ポート)に印加される。
制御ボード130のCPUは、パルス発生器140,141,142の
発生パルスの立下り毎に割込み処理を実行してエンジン
回転速度Ne,副変速機出力軸の回転速度Ntおよび車輪駆
動軸の回転速度N0を検知し、上述の各種入力スイッチお
よび検出スイッチの開閉状態(各種指示の有無)を読込
み、水温信号,油温信号およびスロットルバルブ開度信
号をデジタル変換して読込み、第3図に示す速度段の設
定,速度段の切換え(シフト=変速),変速機の異常検
知,水温の異常検知,油温の異常検知等を行ない、異常
を検知したときには異常表示ランプ151を、異常に対応
した点滅パターンで点灯付勢する。
制御ボード130のCPUは、速度段(第3図)の設定およ
び速度段の切換え、ならびにロックアップの投入/解
除、のときのクラッチおよびブレーキの圧力切換えおよ
び圧力調整は、出力インターフェイスを介して、ソレノ
イド弁SL1〜3の通電(オン)/非通電(オフ)の切換
え,ソレノイド弁SL4,5のオン/オフ切換え又は通電デ
ューティ制御、および、スロットルバルブ開度θおよび
車速N0に対応したリニアソレノイド弁SL6の電流値制御
(通電デューティの制御)、により行なう。
制御ボード130には、イグニションキースイッチIGSが
開のときにも、CPUに、メモリ保持用の電圧を常時与え
るメモリバックアップ電源回路が含まれており、イグニ
ションキースイッチIGSが開のときには、CPUはその内部
メモリに書込んでいるデータを保持している。入力スイ
ッチ,ランプおよび各種センサは、イグニションキース
イッチIGSを介してバッテリ163,164より給電される信号
処理電源回路より電力を受ける信号処理回路に接続され
ており、ソレノイド弁SL1〜6は、イグニションキース
イッチIGSを介してバッテリ163,164より給電される高パ
ワー電源回路より電力を受けるソレノイドドライバの出
力端に接続されている。このソレノイドドライバの制御
信号入力回路には、前期信号処理電源回路より所定電圧
が印加される。したがって、イグニションキースイッチ
IGSが開の間は、メモリバックアップ電源回路およびCPU
のみが、極くわずかな電極(バッテリ電力)を消費す
る。
第5a図,第5b図,第5c図,第5d図および第5e図に、制
御ボード130のCPUの制御動作の概要(メインルーチンの
概要)を示す。
制御ボード130に電源が投入される(バッテリ163が制
御ボード130に接続される;第1図のステップ1:以下カ
ッコ内ではステップとかサブルーチンとかの語を省略
し、それに付した数字のみを記す)とCPUは、内部レジ
スタ,タイマ,カウンタ等を初期待機状態に定め、出力
ポートには待機用の信号レベルを出力する(2)。これ
によりSL1〜SL6はすべてオフ(非通電)にされる。
バッテリ164も第4図に示すように接続され、その後
イグニションキースイッチIGSが閉になると、閉になっ
ている間CPUは第5a図〜第5e図のステップ3から69の間
の制御(1サイクルの制御)を、TP周期で繰返す。
1サイクルの制御の先頭では、タイマTPをスタートす
る(3)。次に上述の入力スイッチ,スロットルバルブ
開度センサ等の信号を読込む(4)。そしてデータ処理
1(5)で、読込んだ入力を制御プログラム実行におい
て参照するレジスタに書込み、入力データに基づいて各
部の異常判定を行ない、異常を検知するとランプ151を
点灯する。
制御ボード130のCPUは次に、データ処理2(6)で、
シフトレバーポジションと現在自動変速機(第1図)に
設定している速度段(現速度段)、ならびに燃料節約走
行指示スイッチ132が燃焼節約走行を指示しているか否
か、に対応して、現速度段(現速度段レジスタPSの内
容)からシフトアップ/ダウンしてよい次の速度段(可
能なシフトモード)を決定する。この実施例では、各速
度段(例えば第3速)から他の速度段(第1速,第2
速,第4速)への切換え(シフト=変素)の要否を判定
するための、スロットルバルブ開度をパラメータとする
基準車速値(基準車速値群)が、燃料節約走行指定のと
きに参照すべきのも(エコノミーモードデータ群:第15
b図)と、それが非指定のときに参照すべきもの(パワ
ーモードデータ群:第15a図)の2組があるので、上述
のデータ処理2(6)では、現速度段で可能なシフトモ
ードを示すデータと、エコノミーモードか否かを示すデ
ータでなる、基準車速値群を指定するためのデータを決
定する。
制御ボード130のCPUは次に、前述の入力読込み(4)
で読込み、データ処理1(5)でレジスタに書込んだ入
力データに基づいて、シフトレバーポジション(スイッ
チ134の出力)と第1.5速(LS)指定の有無(スイッチ13
1の開閉)との相関から、第1.5速(LS)を設定すべきか
否かをチェックする(7,11)。この実施例では、シフト
レバーボジションがLであることとスイッチ131が閉
(第1.5速指示)であることの2条件が成立していると
きのみ第1.5速を設定するように定めているので、これ
が成立しているときには、レジスタLSFに1(第1.5速設
定要)を書込む(12)。これが成立していないとレジス
タLSFをクリアする(13)。
次の変速判定(14)では、現速度段(現速度段レジス
タPSの内容),レジスタLSFの内容および第4速禁止ス
イッチ133の入力データを参照して、レジスタLSFの内容
が1(第1.5速設定要)のときには、目標速度段レジス
タDSに1.5速を示すデータを書込む。レジスタLSFの内容
が0(第1.5速指定なし)であったときには、上述のデ
ータ処理2(6)で設定した、現速度段で可能なシフト
モードを示すデータと、エコノミーモードか否かを示す
データでなる、基準車速値群を指定するためのデータに
基づいて、まず、現速度段(レジスタPSの内容)からシ
フトアップしうる速度段(禁止スイッチ133が閉である
と第4速を除外する)の高位の速度段(第SRi速)か
ら、その基準車速値群(第15a図および第15b図に示す実
線曲線の1つ)を特定し、このデータ群から現在のスロ
ットルバルブ開度に対応す基準速度値(特定した実線曲
線上の1点の値)を選択しこれを現在の車速N0と比較し
て車速N0が基準車速値以上(シフトアップ要)であると
その第SRi速を示すデータを目標速度段レジスタDSに書
込むが、基準車速値未満であるとこの書込みはせずに次
の下位の速度段につき同様な判定を行なう。現速度段よ
りも高位の速度段のいずれについても、シフトアップ要
とならなかったら、次に、現速度段からシフトダウンし
うる速度段のうち低位の速度段(第SRj速)から、その
基準車速値群(第15a図および第15b図に示す破線曲線の
1つ)を特定し、このデータ群から現在のスロットルバ
ルブ開度に対応する基準速度値(特定した破線曲線上の
1点の値)を選択しこれを現在の車速N0と比較して車速
N0が基準車速値以下(シフトダウン要)であるとその第
SRj速を示すデータを目標速度段レジスタDSに書込む
が、基準車速値を越えるとこの書込みはせずに次の上位
の速度段につき同様な判定を行なう。なお、スイッチ13
3が閉(第4速禁止)であって、現速度段レジスタPSの
内容が第4速であるときには、第4速から第3速へのシ
フトダウンをするために、目標速度段レジスタDSに第3
速を書込む。
制御ボード130のCPUは次に、現速度段(レジスタPSの
内容)と目標速度段レジスタDSの内容(設定すべき速度
段)とを比較して、両者が不一致(変速要)であると、
現在が変速中でないと次速度段レジスタSSおよび次々速
度段レジスタSSNに目標速度段レジスタDSの速度段を書
込む(15−16−17−18)。現在が変速中であると次々速
度段レジスタSSNにのみ目標速度段レジスタDSの速度段
を書込む(15−16−17−36)。
次に、現在が変速中でないと、TB時限のタイマTBをス
タートし(19)、レジスタTBFに1(タイマTB動作中)
を書込む(20)。タイマTBがタイムオーバすると、ソレ
ノイド弁SL1〜SL3およびタイミングソレノイド弁SL5
を、次速度段レジスタSSに書込まれている速度段を設定
するための通電状態に定め、変速中のクラッチおよびブ
レーキの油圧の切換えを滑らかにするためのタイミング
制御に所要のタイマをスタートし各種レジスタにデータ
を設定する(44〜54)。
そして変速時間(TSO,TSE)の検出(64),リニアソ
レノイド弁SL6の制御(65),タイミングソレノイド弁S
L5の制御(66),ロックアップ制御(7)および出力制
御(68)をこの順に実行し、そしてタイマTPがタイムオ
ーバするのを待って(69)、またタイマTPをスタートし
て(3)、次の1サイクルの制御動作を開始する。この
1サイクルの制御動作の、TP周期の繰返しにより、変速
判定と変速要のときのシフトアップ/ダウン制御等が、
時系列で円滑に実現する。
第5d図に示す変速時間(TSO,TSE)の検出(64)の内
容を第6a図および第6b図に、第5d図に示すリニアソレノ
イドSL6制御(65)の内容を第7図に、また第5d図に示
すタイミングソレノイドSL5制御(67)の内容を第8a図
および第8b図に示す。
これらの図面中の各種記号の意味は次の通りである。
LSF:第1.5速指定の有無情報を格納するレジスタ。その
内容の「1」は、第1.5速指定有りを、「0」は第1.5速
指定無しを表わす。
PS:現速度段レジスタ。その内容が自動変速機(第1
図)の現在の速度段(パーキングP,バックR,ニュートラ
ルN,第1速,第1.5速,第2速,第3速又は第4速)を
表わす。
DS:変速判定により次に設定すべきと決定した速度段
(第1速,第1.5速,第2速,第3速又は第4速)を一
時格納するためのレジスタ。
SS:次速度段レジスタ。設定しなければならない速度段
(第1速,第1.5速,第2速,第3速又は第4速)を格
納するレジスタ。PSとSSの内容で変速モードが定まる。
SSN:次々速度段レジスタ。PSからSSの変速をした後に引
き続いて設定(変速)しなければならない速度段を格納
するレジスタ。
TBF:タイマTBが動作中か否かを示すためのフラグレジス
タ。その内容の1は動作中を、0は非動作中(タイマTB
がスタートしていない)を意味する。
TEF:タイマTEが動作中か否かを示すためのフラグレジス
タ。その内容の1は動作中を、0は非動作中(タイマTE
がスタートしていない)を意味する。
PUF:パワーオンアップシフトか否かを示すフラグレジス
タ。その内容の1は、エンジンに車両推進のための負荷
がかかっている状態(パワーオン)でのシフトアップ
(上位速度段への変速)であることを意味し、0はシフ
トダウン(下位速度段への変速)又はエンジンに車両推
進負荷がかかっていない(パワーオフ:慣性走行又はエ
ンジンブレーキ走行)状態でのシフトアップであること
を意味する。
TEIF:変速期間始点を示すフラグレジスタ。その内容の
1は、タイマTEのスタート直後であることを意味する。
TEFF:変速期間終了直後を示すフラグレジスタ。その内
容の1は、タイマTEがタイムオーバしてからタイマT2D
がタイムオーバするまでの期間であることを意味する。
i,j:回数レジスタ。パワーオン(エンジンに車両推進負
荷が加わっている)か否(パワーオフ)かの検出回数を
書込む。
k:回数レジスタ。変速開始点判定用の、Nt1>Nt2(Nt2:
今回のNt、Nt1:TP前のNt)が成立した回数を格納する。
TTF:変速時間の計測終了を示すフラグレジスタ。の内容
の1は変速時間TTの計測を終了したことを意味し、0は
変速時間検出が終了していないことを意味する。
TCR:変速時間TTの異常を示すフラグレジスタ。その内容
の1が、変速時間異常を意味する。
CR:変速時間TTの適否度合を示すデータを書込むレジス
タ。
POI:リニアソレノイドSL6の通電デューティ初期値の設
定要否を示すフラグレジスタ。その内容の1は、初期値
設定が終了していることを意味する。
ADMEM:リニアソレノイド弁SL6の通電デューティ学習値
を格納するレジスタ。
ADIN:リニアソレノイド弁SL6を付勢する通電デューティ
値(演算値)を格納するレジスタ。
ATIN:タイミングソレノイド弁SL5を付勢する通電デュー
ティ値(演算値)を格納するレジスタ。
次にこの実施例の制御動作の内容を説明する。
(1)Ne,Nt,N0の検出。
制御ボード130のCPUは、イグニションキースイッチIG
Sが閉になった直後に3個(タイマ1〜3)の所定時限
のタイマ(プログラムタイマ)をスタートして、パルス
発生器140,141,142の発生パルスに応答する割込処理を
許可する。そして、例えばパルス発生器140の発生パル
スの立下がりが到来すると割込処理に進んでまずカウン
トレジスタ1の内容を1インクレメントし、次に、タイ
マ1がタイムオーバしているか否かをチェックし、タイ
ムオーバしていないと、この割込処理に進む前の制御に
戻る。タイムオーバしているとカウントレジスタ1の内
容を、速度Ne算出要のレジスタNefに書込み、タイマ1
を再スタートして前の制御に戻る。パルス発生器141の
発生パルスの立下りが到来すると割込処理に進んでまず
カウントレジスタ2の内容を1インクレメントし、次
に、タイマ2がタイムオーバしているか否かをチェック
し、タイムオーバしていないと、この割込処理に進む前
の制御に戻る。タイムオーバしているとカウントレジス
タ2の内容を、速度Nt算出用のレジスタNtfに書込み、
タイマ2を再スタートして前の制御に戻る。パルス発生
器142の発生パルスの立下りが到来すると割込処理に進
んでまずカウントレジスタ3の内容を1インクレメント
し、次に、タイマ3がタイムオーバしているか否かをチ
ェックし、タイムオーバしていないと、この割込処理に
進む前の制御に戻る。タイムオーバしているとカウント
レジスタ3の内容を、速度N0算出用のレジスタN0fに書
込み、タイマ3を再スタートして前の制御に戻る。
これらの割込処理の実行により、速度算出用のレジス
タNef,NtfおよびN0fには、それぞれ、パルス発生器140,
141および142の、最近の所定時限の間の発生パルス数が
書込まれていることになる。制御ボード130のCPUは、上
述の第5a図のデータ処理2(6)で、速度算出用のレジ
スタNef,NtfおよびN0fのデータ(所定時限内のパルス発
生数)より速度Ne,NtおよびN0を算出して、速度レジス
タNe,速度レジスタNtおよび速度レジスタN0に書込む。
これによりこれらの速度レジスタに最新の速度データが
常時存在することになる。
(2)変速要と判定してから変速終了までの制御タイミ
ングの概要。
アップシフトの場合には、第9a図に示すように、変速
判定(14,15)で変速要と判定(白三角)してから、タ
イマTBをスタートし(19)、それがタイムオーバすると
ソレノイドSL1〜3の通電を、次の速度段を設定する状
態に切換える(43〜48)。これが第9a図に黒三角で示す
「変速出力」のタイミングである。例えば、2→3変速
の場合には、ソレノイドSL1〜3の通電/非通電を、第
3図に示すD欄の「3」と表示した行の通電/非通電状
態に設定する。そしてタイマTEをスタートする(46)。
なお、この実施例では、TB=0.2secであるが、TEは、
4→3ダウンシフトのときに0.8secに定められ、他のア
ップ,ダウンシフトのときには1.5secに定められる。こ
れらのTE値は、変速出力(48)をしてから実際に機械的
な切換わりが始まるまでの時間TSOと、機械的な切換わ
りが始まってから機械的な切換わりが完全に終了するま
での時間TT(機械的変速時間:これが実質の変速時間で
ある)の和TSEよりも大きい値に定められている。
(3)機械的変速時間TTの計測。
機械的変速時間TTは、自動変速機(第1図)の摩擦部
材の摩耗状態や車両走行負荷などにより変動し、それが
過小であると変速ショックを発生し易く過大であるとエ
ンジンの吹上げとか加速不良などの不利益を生ずるの
で、自動変速機の良否判定の目安となる。
この実施例では、1→2又は2→3アツプシフトにお
いて、タイマTEをスタートしてから機械的変速時間TTの
計測を行なう。この内容が第6a図に示すものである。こ
れにおいては、速度Ntの低下をTP周期で2回以上連続し
て検出したときに機械的な切換わりが始まったとして機
械的変速時間TTの計時を開始し(81〜87)、TP周期で、
前回のNt値よりも今回のNt値が2.5rpm以下の低下となっ
たときに機械的な切換わりが終了したとしてTTの計時を
停止し、計時値TTをレジスタTTに書込み(88〜90)、TT
計時を終了したことを示すためフラグレジスタTTFに1
を書込む(91)。
(4)機械的変速時間TTによる変速機不良の検出。
車両走行負荷が異常に高いとか、自動変速機(第1
図)のクラッチ,ブレーキ等の摩擦部材の摩耗が大きい
とか、変速機構に何らかの異常を生じるとか、等の、車
両走行異常もしくは変速機構の不良又は異常の場合に
は、機械的変速時間TTが過長又は過小となり、変速ショ
ックあるいはエンジンの吹上げを生ずる可能性が高い。
そこでこの実施例では、第10d図に示すように、スロッ
トルバルブ開度θをパラメータとする基本変速時間(固
定値)TSを中心に〜の8領域を定めて、計測した変
速時間TTがいずれの領域にあるかをチェックして(第6b
図の92)、領域又はであるときには、異常レジスタ
TCRに1を書込んで(103)、異常表示(ランプ151の点
灯付勢)を行なう(104)。領域又はであるときに
は、そうなった回数Anをカウントアップして回数Anが4
未満では適否度合レジスタCRに2を書込む(99〜10
2)。回数が4以上になると、上述の領域又はであ
るときと同様な処理を行なう。領域又はであるとき
には、異常をクリアして(96,97)、適否度合レジスタC
Rに1を書込む(98)。領域又はのときにも異常を
クリアして(93,94)、適否度合レジスタCRに0を書込
む(レジスタCRのクリア:95)。したがって、レジスタC
RとTCRのデータが変速時間の適否度合を示すものとな
る。
(5)多重変速。
変速要を判定してから変速を終了するまでの期間(TB
+TE)の間に、スロットルバルブ開度の変化や車速N0
変化があると、該期間(TB+TE)で更新する速度段とは
異った速度段への変速要となることがある。
TB期間(タイマTBをスタートしてからそれがタイムオ
ーバするまでの間)で変速要を判定すると、これにおい
て次に設定要とした速度段を次速度段レジスタSSに書込
む(第5b図の23)。これによりTB期間の直前にレジスタ
SSに書込んだ速度段が今回の書込みにより消えるので、
タイマTBがタイムオーバしたときの速度段の切換出力
(第5c図の48)は、TB期間中に判定した速度段を設定す
るものとなる。
TB期間を過ぎた後の変速期間(タイマTE動作中すなわ
ちTEF=1)に変速要を判定すると(15−16−17)、す
でに直前に変速切換えを終了しているので、この場合に
は次々速度段レジスタSSNに次に設定する速度段を書込
み(36)、タイマTEがタイムオーバするとそれに引き続
いて新たに変速要と判定した速度段への切換え出力を行
なう(41−42−55−56−57−58−44〜48)。すなわち、
再度TBの期間を置くことなく、前回のTEに引続いて、た
だちに速度段の切換えを行なう。
(6)パワーオンアップシフトの判定。
パワーオンアップシフトでは変速(TE)時に変速ショ
ックを生じ易く、パワーオフアップシフトではエンジン
の吹上げを生じ易い。したがってアップシフト変速(T
E)時には、パワーオン/オフに対応して油圧切換え速
度を定めて、変速ショックやエンジンの吹上げを防止す
る。このためにパワーオン/オフの検出が必要である
が、この検出は、スロットルバルブ開度θ,車速N0,エ
ンジン回転数Neおよび副変速機2の出力軸の回転数Ntが
時々刻々に変化するので、変速(TE)の直前で検出する
のが好ましい。そこでこの実施例では、TB期間中にパワ
ーオン/オフの検出を行なう(16−23〜35)。なお、パ
ワーオフの判定はTE期間中にも行なう(17−36−32〜3
5)。
すなわち、変速モードがアップシフトであるとTB期間
中(TBF=1)に、Ne≧Ntが成立すると回数レジスタi
の内容を1インクレメントし(16−23−24−27−28−2
9)、回数レジスタiの内容が2以上になるとパワーオ
ンアップシフトであることを示す1をフラグレジスタPU
Fに書込む(31)。TB又はTE期間中であればその後Ne<N
tになると回数レジスタjの内容を1インクレメントし
て(32,33)、回数レジスタjの内容が2以上になると
フラグレジスタPUFをクリアする(35)。クリアによる
0は、パワーオフであることを意味する。このようにし
て、シフトモードがアップシフトであると、タイマTBが
タイムオーバするまではパワーオンかオフかが継続して
判定され、タイマTBがタイムオーバした後はパワーオフ
かが判定され、パワーオンと判定したときにPUFの内容
が1とされ、パワーオフと判定されたときにPUFの内容
が0とされる。したがって、変速出力(48)をするとき
には、そのときパワーオンであるか否かを示す情報がレ
ジスタPUFにある。
(7)リニアソレノイドSL6の通電デューティの定常制
御(第7図)。
リニアソレノイドSL6は、その電気コイルの通電電流
値に実質上比例した油圧を発生し、この油圧に比例する
油圧をアキュムレータ圧制御弁110がアキュムレータ260
〜290に、ピストン背圧として与える。リニアソレノイ
ドSL6の通電電流値とアキュムレータ260〜290のピスト
ン背圧との関係を第9b図に示す。この実施例では、リニ
アソレノイドSL6の通電電流値は通電デューティで定め
る。通電デューティと通電電流値(通電/非通電の繰返
しによる平均電流値)との関係は第9b図に示す通りであ
る。
リニアソレノイドSL6は、従来の、スロットルバルブ
の回転軸に機械的に連動しかつエンジン回転速度対応の
ガバナ圧に対応して、ライン圧をスロットルバルブ開度
およびガバナ圧対応の値に調整する、いわゆる従来の油
圧回路の従来のスロットルバルブ、に代えて用いられて
いるものである。制御ボード130のCPUは、特定の変速モ
ードの特定のタイミング(主にTE期間)では、変速ショ
ック防止のためのアキュムレータ260〜290の背圧制御の
ために、次の(8)の背圧制御用の通電デューティ制御
を行なうが、それ以外では、スロットルバルブ開度θと
副変速機2の出力軸の回転速度Ntに対応して、第9c図に
示す電流値(これに対応する通電デューティ)を通電す
る。すなわち、スロットルバルブ開度θおよび回転速度
Ntに対応した圧力をアキュムレータ260〜290ならびに2
→3シフトバルブ60に与える(第7図の115,116)。
(8)変速時のアキュムレータの背圧制御(第7図)。
1→2,2→3又は3→4のパワーオンアップシフト(P
UF=1)のときには、変速ショック防止のために、変速
期間(TE:第9a図参照)中であると、リニアソレノイドS
L6の通電デューティ(アキュムレータ260〜290のピスト
ン背圧)を、まず大略で、 K1×K2×〔K3(1−TT/TS)+ADMEM〕 で定める。
K1は環境変化補正係数であって、K1=K11+K12、K11:
油温補正係数、K12:スロットルバルブ開度対応の補正係
数である。K2は変速モードおよびスロットルバルブ開度
対応の補正係数、K3は変速モード対応の補正係数であ
る。これらの補正係数の値をそれぞれ第10a図,第10b
図,第10c図および第10d図に示す。K11は、油温センサ1
36の検出温度に対応して算出する(第7図の118)。K12
はスロットルバルブ開度θに対応して算出する(11
8)。K2はスロットルバルブ開度θおよび変速モードに
対応して算出する(120)。K3は変速モードに1対1に
対応付けられている値であるので、変速モード(レジス
タPSとSSの内容)に対応する値を選択する。
TTは最新の機械的変速時間TT(第6a図のフローで検出
しレジスタTTに格納しているデータ)であり、TSは基本
変速時間(固定値)である。ADMEMは、これまでの学習
補正によって定めている通電デューティ値である。
制御ボード130のCPUは、上述の K1×K2×〔K3(1−TT/TS)+ADMEM〕 は、次のようにして算出する。まず、これまでの学習値
ADMEM(レジスタADMEMの内容)を最新の機械的変速時間
TTとそのときの変速モードに対応して適値〔K3(1−TT
/TS)+ADMEM〕に修正(学習補正)してレジスタADMEM
に変更書込みし(126)、次に、今回の環境係数K1(=K
11+K12)およびK2を、レジスタADMEMのデータに乗じ
て、これ(すなわちK1×K2×〔K3(1−TT/TS)+ADME
M〕)を出力デューティとして、リニアソレノイドSL6宛
ての出力データレジスタADINに書込む(128)。なお、
出力制御(第5d図の68)において、制御ボード130のCPU
は、出力データレジスタADINのデータが示すデューティ
のオン(通電)/オフ(非通電)信号を、SL6に通電す
るソレノイドドライバに、出力する。
なお、制御ボード130にバッテリ163および164を接続
したときに制御ボード130に電源が入りその後イグニシ
ョンキースイッチIGSが閉になって始めて自動変速機
(第1図)の制御が可能となる。このように可能となっ
たとき、リニアソレノイドSL5の通電デューティの学習
値ADMEMは存在しない。このときレジスタPOIの内容は0
である。そこでPOIの内容が0のときには、レジスタADM
EMに初期値(固定値)を書込みPOIに1(初期値設定
済)を書込む(122,123)。このときには、学習値の更
新(126)は不可であるのでこれはせずに、そのときの
環境対応の対数をADMEMに乗じた値を通電デューティに
定める(124)。
ところで、上記(4)項で説明したように、変速機不
良の場合には変速時間TTが基準値TSよりもずれた値であ
るので、これに基づいた通電デューティの学習補正(12
6)は不適切となる。そこで、変速時間TTの適否度合
(レジスタTCRとCRの内容)を参照して、変速時間TTが
領域,,又は(第10d図)にあるときには、学
習補正(126)はせずに、これまでの通電デューティ値
(ADMEM)に環境変化分の補正を施して、リニアソレノ
イドSL6の通電デューティを定める(125−128)。つま
り、変速時間TTが領域〜にあるときのみ、通電デュ
ーティ値の学習補正を行なう。これにより、自動変速機
の変速特性(TT)が適正な範囲内でのみ、変速時間TTを
適値TSに近づける、自動圧力調整(通電デューティ補
正)が時系列で円滑に行なわれることになる。
第11a図に、2→3シフト時の、ブレーキB1とクラッ
チC2の油圧の時系列変化を示す。この図面において、ブ
レーキB1の油圧は、パワーオンのときのものを実線で、
パワーオフのときのものを破線で示す。クラッチC2の油
圧は、パワーオンのときのものを太い実線,2点鎖線およ
び一点鎖線で示し、パワーオフのときのものは図示して
いない。
上述の、パワーオン時のみに実行されるアキュムレー
タ背圧制御によるリニアソレノイドSL6の通電デューテ
ィに依存して、それが低いと2点鎖線で示すようにクラ
ッチC2の油圧の立上りが速く、変速時間TTが短くなる。
通電デューティが高いと1点鎖線で示すようにクラッチ
C2の油圧の立上りが遅くなって変速時間TTが長くなる。
なお、パワーオフのときには、変速時に通電デューティ
が0(オフ)にされるのでクラッチC2の油圧の立上りが
極く速く、図中に示すニュートラル期間は図示よりも短
くなる。
このように、機械的変速時間TTは通電デューティに対
応してそれが高いと長く、低いと短くなる。上述のアキ
ュムレータ背圧制御では、前回の通電デューティ値に、
+K3(TS−TT)/TSの補正量すなわち変速時間基準値TS
に対応する実変速時間TTの偏差量対応の補正値、を加え
て次回の通電デューティ値とする(第7図の126)の
で、つまり学習補正するので、機械的変速時間TTが基準
値TSに収束する。すなわち、ブレーキ(B1)およびクラ
ッチ(C2)の摩擦部材の摩耗などによる係合特性の変化
に対応して自動的に通電デューティが調整されて実質上
基準値TSの変速時間が維持され、係合特性の変化による
変速ショックを生じない。
(9)変速時のタイミングソレノイドSL5の制御(第8a
図および第8b図)。
タイミングソレノイドSL5は、ブレーキB1の係合油圧
の立上げ速度およびブレーキB1の解除のときの油圧の立
下り速度を定める。ブレーキB1は第2速でのみ係合とさ
れる(第3図参照)ので、ブレーキB1の油圧に関連する
変速モードでブレーキB1の油圧の立上り/立下り速度制
御を行なって変速ショックを防止する。
第11a図に示す2→3シフトの場合は、パワーオンの
ときには、タイミングソレノイドSL5は継続してオフ
(非通電)のままとされる(第8a図の131−132−135−1
45−リターン)。2→3パワーオンシフトの制御タイミ
ングを第11g図に示す。これにより、バイパス弁80は、
オリフィス82をバイパスする流路を閉じている。したが
ってブレーキB1は、それをドレイン(低圧)に接続する
2→3シフト弁60とはオリフィス81および82を通して通
じているので、ブレーキB1の排圧(圧力抜き)速度は低
い。
なお、TE期間に入ってから0.1secが経過するまでにパ
ワーオン(PUF=1)からパワーオフ(PUF=0)になっ
ていると、制御ボード130のCPUは、タイマT1がタイムオ
ーバしたときに、タイミングソレノイドSL5をオンにす
る(132−145〜147:第11a図および第11g図のSL5の欄
の、0.1sec後の破線の立上り)。すなわちタイミングソ
レノイドSL5宛ての出力レジスタATINに通電デューティ1
00%を指定するデータを書込む(147)。この時限値T1
(0.1sec)は、0.1〜0.3secの範囲の、他の値でもよ
く、要は、パワーオフの判定とそれに連動したタイミン
グソレノイドSL5のオン(100%)によりブレーキB1の油
圧が急速に立下がって、クラッチC2が係合(トルク伝
達)を開始するまでにニュートラル期間がとれるまでの
範囲内であればよい。
第11h図に、パワーオフアップシフトのタイミングを
示す。パワーオフの場合には、タイミングソレノイドSL
5をオンにされバイパス弁80がオリフィス82をバイパス
する流路を開く(通流状態にする)ので、ブレーキB1
排圧速度が高くなり、これによりブレーキB1がブレーキ
を早期に解除し、この解除とクラッチC2がトルク伝達を
開始するまでの遅れ時間(ニュートラル時間)が生じ、
これが変速ショックを防止することになる。
なお、TE期間が過ぎると、タイミングソレノイドSL5
はオフ(通電デューティ0%)とされる(131−149−第
5b図の156−157−159)。第11g図には、パワーオフ2→
3シフトのときのブレーキB1およびクラッチC2の圧力変
化を示す。
なお、制御ボード130のCPUは、出力(68:第5d図)
で、タイミングソレノイドSL5宛ての出力レジスタATIN
のデータを参照して、そのデータが示すデューティのオ
ン(通電)/オフ(非通電)信号を、ソレノイドSL5に
接続されたソレノイドドライバに、出力する。
2→3シフトでもパワーオフのときには、制御ボード
130のCPUは、TE期間に入るとタイミングソレノイドSL5
をオン(通電デューティ100%の通電)とし(134)、TE
期間を過ぎるとオフ(通電デューティ0%)とする
((113−149−第5b図の156−157−159)。
パワーオンで第2速に変速するときのタイミングソレ
ノイドSL5の付勢タイミングを第11c図に示す。第2速に
変速するときには、TE期間に入ってから0.4secの間の期
間Aでは、スロットバルブ開度θと主変速機3の出力軸
の回転速度N0とが、第11b図に示す領域I〜IVおよび制
御しない領域のいずれにあるかを判定し(131〜132−13
5〜139)、領域Iにあるときには、タイミングソレノイ
ドSL5の通電デューティを100%(オン)に定め(14
0)、領域IIにあるときには65%に定め(141)、領域II
Iにあるときには50%に定め、領域IVにあるときには0
%(オフ)に定める(142)。第11d図に、領域I〜IVの
実線の区分を示し、第11e図に、判定した領域とそれに
対応して定める通電デューティの関係を示す。そして、
0.4secを経過しTEが経過しない間の期間B(第11c図)
では、スロットルバルブ開度θと主変速機3の出力軸の
回転速度N0とが、第11b図(正確には第11d図)に示す領
域I〜IVおよび制御しない領域のいずれにあるかを判定
し、今回判定した領域Asと前回判定した領域Apとの領域
段階差をチェックして(138)、2領域以上離れがある
と、今回判定した領域Asに対応した通電デューティを定
める(139−140〜143)。領域差が1以下であるときに
は、通電デューティを変更しない(133−144)。このよ
うな通電デューティ制御によるブレーキB1の圧力変化を
第11f図に示す。
パワーオフアップ制御の場合には、2→3又は3→2
シフトのときにはタイミングソレノイドSL5をオン(通
電デューティ100%)とする(132−145−146−133−13
4)。
(10)シフトレバーポジションがD又はSからLに切換
わったときのタイミングソレノイドSL5の通電制御(第8
a図)。
シフトレバーポジションがD又はSからLに切換わる
と制御ボード130のCPUは、マニュアルシフト検出レジス
タに1を書込みT20a(2sec)時限のタイマT20aをスター
トし(131−149−150−151)、それがタイムオーバする
とタイミングソレノイドSL5をオン(通電デューティ100
%)としマニュアルシフト検出レジスタをクリアする
(131−149−150−152−153〜155)。
(11)第1.5速(LS)関連の変速制御。
第1速〜第3速は、副変速機2をロー(SL3:オフ。ハ
イ/ローは副変速機2の出力軸回転速度のレンジを言
う。このローは、ギア比ではハイである。)にし、SL1
およびSL2のオン/オフの組合せによる主変速機3の速
度段設定で定まり、第4速(O/D)は副変速機2をハイ
(SL3:オン。ギア比はロー)にし主変速機3を第3速
(SL1,SL2:オフ)に設定することにより定まるものであ
る。第1速〜第3速間の変速は従って実質上主変速機3
の速度段の切換えのみ(単一切換え変速)となる。
ところが第1.5速は、副変速機2をハイ(SL3:オン)
に、主変速機3を第1速(SL1:オフ/SL2:オン)に設定
することにより定めるものであるので、第1.5速と第2
速および第3速との間の変速は、主変速機3と副変速機
2を共に切換え二重切換え変速となる。
1→1.5シフト 第12a図に、1→1.5シフトのソレノイド制御タイミン
グを示す。このシフト(変速)モードは、主変速機3は
第1速のまま副変速機2をロー(SL3:オフ)からハイ
(SL3:オン)に切換える単一切換え変速である。このシ
フトモードの変速では、タイミングソレノイドSL5はオ
ン(通電デューティ100%の通電)を継続する。ソレノ
イドSL1〜SL3は、TE期間に入ったとき(タイマTBがタイ
ムオーバしたとき)に、第1速を定めるオン/オフから
第1.5速を定めるもの(第3図参照)に切換える。すな
わちSL3をオフ(非通電)からオン(通電)に切換え
る。
リニアソレノイドSL6は、TB期間終了までスロットル
バルブ開度θと副変速機2の出力軸の回転速度Ntに対応
する通電デューティ(第9c図に示す電流値)で付勢する
が、TE期間に入ると、そこで通電デューティを直前の値
に固定する。すなわちTE期間は定デューティの通電とす
る。
1.5→2シフト 第12b図に、1.5→2シフトのソレノイド制御タイミン
グを示す。このシフトモードは、主変速機3を第1速か
ら第2速に、また副変速機2をハイからローに切換える
二重切換変速となる。このシフトモードでは、まずこの
変速を判定したときにタイミングソレノイドSL5をオフ
(通電デューティ0%)とし(第5b図の15〜22)、TB期
間が経過すると第11b図を参照してすでに説明した領域
判定を行なって、判定した領域対応の通電デューティで
付勢する(第8a図の148−136〜144)。リニアソレノイ
ドSL6は、上記1→1.5シフトの場合と同様に制御する。
このシフトモードで変速ソレノイドは、SL1:オフ、SL
2:オン、SL3:オン(1.5速)から、SL1:オン、SL2:オ
ン、SL3:オフ(第2速)に切換えるが、制御ボード130
のCPUは、TE期間に入ると、まずSL1およびSL2を第2速
用にそれぞれオン,オンにするが、SL3のオフへの切換
えは保留する。そして、その後副変速機3の出力軸の回
転速度Ntと、主変速機3がN0対応でその入力軸(副変速
機3の出力軸)にもたらす回転速度1.53N0との差(主,
副変速機間の同期ずれ)ΔN=Nt−1.53N0を算出し、一
方、回転速度N0をパラメータとする参照値(Gmap値:第
13図)を選択して、ΔN≦Gmap値が成立した時点(X
点)にSL3を第2速設定のためオフに切換える。第13a図
にGmap値を示す。
第1.5速は、副変速機2をO/D(第4速)と同様にハイ
に定め、主変速機3を第1速と同様に定めるので、1→
1.5シフトと1.5→1シフトは、実質上副変速機2のみの
ローからハイへの切換え又はハイからローへの切換え
(1つの変速機のみの切換え)で済むが、1.5→2シフ
ト又は1.5→3シフトは、副変速機2をハイからローに
切換えかつ主変速機を第1速から第2速又は第3速に切
換えるアップシフトであるので、2段(2変速機のそれ
ぞれ)の変速ショックを生ずる可能性がある。そこでこ
の1.5→2シフトでは、上述のようにΔN≦Gmap値が成
立した時点(X点)にSL3を第2速設定のためオフに切
換える。これは副変速機2と主変速機3の変速完了をほ
ぼ同期させるために行なうものである。
第13b図に、第12b図に示すタイムチャート(1.5→2
シフト制御)を更に詳しく展開して示す。1.5→2シフ
トでは、第13c図に示すΔN値でSL3をオフとすると(す
なわち、SL1がオン、SL2がオンであるので、SL3のオフ
で第2速にする)と、主変速機3と副変速機2の変速完
了がほぼ同期し変速ショックがない。このような同期特
性をもたらすΔN値は第13c図に示すようにN0をパラメ
ータとするので、Gmap値を第13c図の最右欄(および第1
3a図)に示すように、ΔN値程度の値としている。しか
して上述のX点(SOL3をオフに切換えるタイミング)
を、実ΔN値がGmap値(基準値)以下となる時点として
いるので、常に主変速機3と副変速機2の変速完了がほ
ぼ同期することになり、変速ショックを実質上生じな
い。
1.5→3シフト このシフトモードは、主変速機3を第1速から第3速
に、副変速機2をハイからローに切換える二重切換え変
速である。この制御内容は、上述の1.5→2シフトの制
御と同様であるが、このシフトモードでは、ΔN=Nt−
1.00×N0とする。
1.5→4シフト このシフトモードのときの変速時の制御タイミングを
第12c図に示す。このシフトモードは、主変速機3を第
1速から第3速に切換え、副変速機2はハイを維持する
単一切換えの変速である。これにおいては、このシフト
モードの変速要となると、タイマTBをスタートしたとき
にタイミングソレノイドSL5をオフ(通電デューティ0
%)とし(第5b図の15〜22)、変速を終了(TE期間が終
了)してもオフを継続する。ソレノイドSL1〜SL3のオン
(通電)/オフ(非通電)は、TE期間に入ったときに切
換える。リニアソレノイドSL6の通電デューティ制御
は、上述の1→1.5シフトの場合と同様である。
1.5→1シフト このシフトモードの変速時の制御タイミングを第12d
図に示す。このシフトモードは、副変速機2をハイから
ローに切換え、主変速機3は第1速を継続する単一切換
えのものである。このシフトモードでは、タイミングソ
レノイドSL5はオフ(通電デューティ0%)を継続し、
ソレノイドSL1〜SL3のオン/オフは、TE期間に入ったと
きに第1速を定めるものに切換える。リニアソレノイド
SL6は、TE期間中のスロットルバルブ開度θと副変速機
2の出力軸の回転速度Ntに対応する通電デューティ(第
9c図に示す電流値)で付勢する。
2→1.5シフト このシフトモードの変速時の制御タイミングを12e図
に示す。このシフトモードは、主変速機3を第2速から
第1速にシフトダウンし、副変速機4をローからハイに
シフトアップする二重切換えの変速となる。このシフト
モードでは、TE期間に入るとソレノイドSL1およびSL2の
オン/オフを第2速のものから第1.5速(主変速機3に
関しては第1速)のものに切換えるが、オレノイドSL3
は、それからT15S(0.4sec)が経過してから、すなわち
第5c図のステップ49でスタートしたタイマT4(0.4sec)
がタイムオーバしたときに、オフ(副変速機2ではロ
ー)からオン(ハイ)に切換える。すなわちTE期間に入
るとまず第1速を設定し、それからT15S経過後に第1.5
速を設定する。タイミングソレノイドSL5は、TE期間に
入ってからTDL(2sec)が経過するまではオフ(通過デ
ューティ)を継続し、TDLが経過するとオン(通電デュ
ーティ100%)に切換える。リニアソレノイドSL6は、TE
期間中もスロットルバルブ開度θと副変速機2の出力軸
の回転速度Ntに対応する通電デューティ(第9c図に示す
電流値)で付勢する。
3→1.5シフト このシフトモードの変速時の制御タイミングを第12f
図に示す。このシフトモードは、主変速機3を第3速か
ら第1速にシフトダウンし、副変速機2をローからハイ
にシフトアップする二重切換えの変速である。この制御
内容は、上述の2→1.5シフトの制御と同様である。
4→1.5シフト このシフトモードの変速時の制御タイミングを第12g
図に示す。このシフトモードは、主変速機3を第3速か
ら第1速に切換えるが副変速機2はハイを維持する単一
切換えの変速であるが、第12g図に示すように、まず第
4速から第3速に切換える(副変速機2をハイからロー
に切換える=SL3をオンからオフに切換える)。そしてT
E期間を過ぎるとタイマT2(0.2sec)とタイマT2D(0.2
+TDLsec:TDLは遅延時間)をスタートして(第5c図の55
〜63)、タイマT2がタイムオーバしたときに第1.5速に
定める(第5e図の70〜79。SL3:オフ→オン、SL2:オフ→
オン、すなわち、副変速機2をローからハイに切換え、
かつ主変速機3を第3速から第1速に切換える)。タイ
ミングソレノイドSL5は、タイマT2Dがタイムオーバする
までオフ(通電デューティ0%)を継続し、タイマT2D
がタイムオーバするとオン(通電デューティ100%)に
切換える(第5e図の72〜76;ATINがSL5に宛てた出力レジ
スタである)。リニアソレノイドSL6は、変速中もスロ
ットルバルブ開度θと副変速機2の出力軸の回転速度Nt
に対応する通電デューティ(第9c図に示す電流値)で付
勢する。
(12)定常ロックアップ制御。
第5d図の「ロックアップ制御」(67)では、ロックア
ップ(直結クラッチ50接:ソレノイドSL4オン)をして
いないとき(SL4オフ)には、シフトレバーポジション
がDでブレーキスイッチ137オフ(開:ブレーキペダル
の踏込みなし)であることを条件に、速度段対応のロッ
クアップ投入判定用の、スロットルバルブ開度θをパワ
メータとする基準速度データ群を特定し、該データ群の
中の、現在のスロットルバルブ開度θに対応するもの
(基準車速データ)を特定し、現車速N0が基準車速デー
タ以上であるかをチェックする。現車速N0が基準車速デ
ータ以上であるとロックアップ要であるので、ソレノイ
ドSL4に通電する(ロックアップとする)が、ロックア
ップによるショックを防止するため、SL4の通電デュー
ティを、第14a図に示すように次第に高くする。すなわ
ち、ロックアップ要と判定すると、現スロットルバルブ
開度θ対応の通電デューティDt1を決定して出力レジス
タALINに書込む。開度θとDt1の関係を第14b図に示す。
そしてタイマTLB(0.4sec)とTLON(1.0sec)をスター
トする。その後は、上述のロックアップ条件が成立して
ることを条件に、タイマTLBがタイムオーバするまで、
同一の通電デューティを維持する。タイマTLBがタイム
オーバすると再度、そのときのスロットルバルブ開度θ
対応の通電デューティDt1(第14b図)を演算して通電デ
ューティを今回の演算値に更新する。そしてタイマTLON
がタイムオーバすると、通電デューティを100%(オ
ン)に切換える。これでロックアップ投入(直結クラッ
チ50の接)制御が終了する。
ロックアップ(直結クラッチ50接)としているときお
よび上述のロックアップ投入制御に入っているときに
は、速度段対応のロックアップ解除判定用の、スロット
ルバルブ開度をパラメータとする基準車速データ群を特
定し、該データ群の中の、現在のスロットルバルブ開度
θに対応するもの(基準車速データ)を特定し、現車速
N0が基準車速データ以下であるかをチェックする。現車
速N0が基準車速データ以下であるとロックアップ解除要
であるので、ソレノイドSL4をオフ(通電デューティ0
%)とする(ソレノイドSL4宛ての出力レジスタALINに
通電デューティ0%を指定するデータを書込む)。ただ
し、ロックアップ投入と解除の煩雑な繰返しを避けるた
め、ロックアップ投入制御の終了(タイマTLONのタイム
オーバ)から0.5secの間は、上述のロックアップ解除要
否の判定は実行しない。
なお、上述のロックアップ投入制御中に、タイマTLON
がタイムオーバするまでにロックアップ解除要となる
と、SL4を即座にオフ(通電デューティ0%)とする。
タイマTLBがタイムオーバするまでに変速要となると、S
L4を即座にオフにする。また、タイマTLBがタイムオー
バしタイマTIONがまだタイムオーバしない間に変速要と
なると、次の(13)の制御を行なう。
(13)ロックアップ(直結クラッチ50接)中に変速を生
じたときの、ロックアップ制御ソレノイドSL4の通電制
御。
アップシフトの変速制御のTE期間に入ると、制御ボー
ド130のCPUは、変速ショックをある程度トルクコンバー
タ1で吸収するために、第14c図に示すように、ロック
アップ投入ソレノイドSL4の通電デューティを下げそし
て順次に高くしてTE期間が経過すると通電デューティ10
0%に戻す。すなわち、TE期間に入るとまず、ロックア
ップ投入ソレノイドSL4の通電デューティを、そのとき
のスロットルバルブ開度θ対応のものDt2に下げ、タイ
マTLS(0.4sec)をスタートする。
第14d図に、スロットルバルブ開度θと通電デューテ
ィDt2との関係を示す。そしてタイマTLSのタイムオーバ
を待ち、タイムオーバすると、再度このときのスロット
ルバルブ開度θ対応の通電デューティDt2(第14d図)を
演算して、ソレノイドSL4の通電デューティをこの演算
値に更新する。そしてTE期間が終わると、ソレノイドSL
4の通電デューティを100%に戻す。
ダウンシフトの場合には、TE期間に入ると即座にSL4
をオフ(通電デューティ0%)とする。その後は、上述
の(12)により、要件が満たされればロックアップ投入
を行なう。
(14)シフトレバーポジションの変更等に連動するロッ
クアップ制御。
ブレーキスイッチ137がオン(ブレーキペダルが踏込
まれた)になったとき、もしくは、シフトレバーポジシ
ョンがS,L,N,R又はPに切換わったときには即座にロッ
クアップを解除(SL4オフ)にする。
なお、シフトレバーポジションがSのときには、N0
700rpm、アイドリングスイッチ139閉(アイドリン
グ)、および、Ne<Ntの3条件が同時に成立すると、上
記(12)で説明したロックアップ投入制御でロックアッ
プを確立し、シフトレバーポジションがSから別のレン
ジに切換わったとき、N0<700rpmになったとき、又は、
アイドリングスイッチ139が開になった(スロットルバ
ルブが開かれた)ときには、即座にロックアップを解除
(SL4オフ)する。
以上の通り、制御ボード130のCPUは、シフトレバーポ
ジション(スイッチ134の位置検出)がLレンジでLS
(第1.5速)指示スイッチ131が閉(第1.5速指定)のと
きに、レジスタLSFに1を書込み(7−11−12)、「変
速判定」(14)では、レジスタLSFの内容が1のとき
に、次に設定すべき速度段として第1.5速をレジスタDS
に書込み、現在の速度段(レジスタPSの内容)がレジス
タDSの第1.5速と異なるときには、変速要と判定して(1
5)、現速度段(第1速,第2速,第3速又は第4速)
から第1.5速に変速する(第12a図,第12e図,第12f図又
は第12g図)。
その後スイッチ131が開(第1.5速指定なし)になる
と、又は、シフトレバーポジションがLレンジからSレ
ンジ又はDレンジに切換わると、レジスタLSFをクリア
して(0の書込みと同義:7,11−13)、「変速判定」(1
4)でSレンジ又はDレンジで規定される速度段の中
の、現在のスロットルバルブ開度θおよび車輪駆動軸回
転速度N0に対応する速度段(第X段)を判定してこれを
レジスタDSに書込んで、1.5→X変速(X=1,2,3又は
4。第12b図,第12c図,第12d図)を行ない、その後
は、シフトレバーポジションがDレンジであると第1
速,第2速,第3速および第4速の間の変速のみを行な
い、Sレンジであると第1速と第2速の間の変速のみを
行ない、スイッチ131が開(第1.5速指定なし)であると
Lレンジでは第1速のみを設定する。いずれにしても第
1.5速は設定しない。
〔発明の効果〕 以上のように本発明によれば、第1速度検出手段(14
0)が検出する回転速度(Ne)と第2速度検出手段(14
1)が検出する回転速度(Nt)との相関は、車両負荷状
態に依存し、例えば第2速度検出手段(141)で主変速
機の入力軸(クラッチドラム)の回転速度を検出する
と、パワーオンのときにはNe≧Nt、パワーオフのときに
はNe<Ntであり、正確にパワーオン/オフを判定しうる
(第5b図の23〜35)。
したがって、スロットルバルブ開度には無関係に正確
にパワーオン/オフが判定され、パワーオン/オフアッ
プシフトにおいてエンジン吹上げとか変速ショックをも
たらすことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の変速機構の構成概要を示
すブロック図である。 第2図は、第1図に示す変速機構の各種ブレーキおよび
クラッチに油圧を供給しあるいはそれらから油圧を抜く
油圧回路を示すブロック図である。 第3図は、第2図に示す油圧回路の速度段決定用のソレ
ノイド弁SL1〜SL3の通電/非通電の組合せと第1図に示
す各種ブレーキおよびクラッチの係合/解除との関係を
示す平面図である。 第4図は、第2図に示すソレノイド弁SL1〜SL3,ロック
アップ制御用のソレノイド弁SL4,タイミングソレノイド
弁SL5およびリニアソレノイド弁SL6に通電する電気回路
構成の概要を示すブロック図である。 第5a図,第5b図,第5c図,第5d図および第5e図は、第4
図に示す制御ボード130のマイクロコンピュータの制御
動作(メインルーチン)を示すフローチャートである。 第6a図および第6b図は、第5d図に示す「TSO,TSEの検
出」(64)の内容を示すフローチャートである。 第7図は、第5d図に示す「リニアソレノイド制御」(6
5)の内容を示すフローチャートである。 第8a図および第8b図は、第5d図に示す「タイミングソレ
ノイド制御」(66)の内容を示すフローチャートであ
る。 第9a図は、第4図に示す制御ボード130のマイクロコン
ピュータが実行する、変速判定,変速出力および変速完
了のタイミングを示すタイムチャートである。 第9b図は、第2図に示すリニアソレノイド弁SL6の電気
コイルの通電電流値と、該弁SL6が出力する油圧の関係
を示すグラフである。 第9c図は、第4図に示す制御ボード130のマイクロコン
ピュータが、スロットルバルブ開度θおよびクラッチC1
のドラム回転速度Ntに基づいて定める、リニアソレノイ
ド弁SL6への通電電流値を示すグラフである。 第10a図は、第7図の通電デューティ値の決定(117〜12
8)で用いる、油温対応の補正値K11の値を示すグラフで
ある。 第10b図は、第7図の通電デューティ値の決定(117〜12
8)で用いる、スロットルバルブ開度θ対応の補正値K12
の値を示すグラフである。 第10c図は、第7図の通電デューティ値の決定(117〜12
8)で用いる、変速モードおよびスロットルバルブ開度
θ対応の補正値K2の値を示すグラフである。 第10d図は、スロットルバルブ開度θ対応の機械的変速
時間基準値TSと、それを基準とする領域区分との関係を
示すグラフである。 第11a図は、2→3変速のときの、第1図に示すブレー
キB1とクラッチC2の油圧変化を示すグラフであり、実線
がパワーオンシフトの場合を示す。 第11b図は、スロットルバルブ開度θと車輪駆動軸回転
速度N0の領域区分を示すグラフである。この領域に対応
して第2図に示すタイミングソレノイドSL5の通電デュ
ーティが決定される。 第11c図は、第3速又は第4速から第2速にパワーオン
で変速するときの、第2図に示すタイミングソレノイド
弁SL5の通電デューティ切換えタイミングを示すタイム
チャートである。 第11d図は、第11b図に示す領域区分の1つの実例を示す
グラフである。 第11e図は、第11d図に示す領域とこれに対応して定めら
れる通電デューティの関係を示すグラフである。 第11f図は、1→2変速のときの、第11e図に示す通電デ
ューティ設定によりもたらされる第1図に示すブレーキ
B1の油圧立上り特性を示すグラフである。 第11g図は、パワーオン2→3変速のときの第1図に示
すブレーキB1とクラッチC2の油圧変化を示すグラフであ
る。 第11h図は、パワーオフ2→3変速のときの第1図に示
すブレーキB1とクラッチC2の油圧変化を示すグラフであ
る。 第12a図,第12b図,第12c図,第12d図,第12e図,第12f
図および第12g図は、第1.5速から他の速度段に、あるい
はその逆に変速するときの、第2図に示す速度段設定用
のソレノイド弁SL3のオン/オフ切換えタイミングおよ
びタイミングソレノイド弁SL5のオン/オフ切換えタイ
ミングを示すタイムチャートである。 第13a図は、第12b図に示す、速度段設定用のソレノイド
弁SL3のオン/オフ切換え点Xを決定するために参照す
るデータを示す平面図である。 第13b図は、第12b図に示す1.5→2変速のときの、第1
図に示すブレーキB0〜B2のブレーキ圧変化を示すグラフ
である。 第13c図は、第12b図に示す1.5→2変速のときの、変速
ションクを実質上生じない、出力軸回転速度N0対応のク
ラッチC1ドラムの回転速度変化値を示す平面図である。 第14a図は、第1図に示す直結クラッチ50を接(ロック
アップ)とするときの、ソレノイド弁SL4の通電デュー
ティの時系列変化を示すタイムチャートである。 第14b図は、スロットルバルブ開度θに対応して定め
る、第14a図に示すDt1に割り当てるソレノイド弁SL4付
勢用の通電デューティを示すグラフである。 第14c図は、第1図に示す直結クラッチ50を接としてい
るときの変速中の、変速ショック軽減のためのソレノイ
ド弁SL4の通電デューティ調整を示すタイムチャートで
ある。 第14d図は、スロットルバルブ開度θに対応して定め
る、第14c図に示すDt2に割り当てるソレノイド弁SL4付
勢用の通電デューティを示すグラフである。 第15a図は、第5a図に示す「変速判定」(14)におい
て、エコノミーモードが指定されていないときに変速要
否を判定するための基準車速値群を示すグラフである。 第15b図は、第5a図に示す「変速判定」(14)におい
て、エコノミーモードが指定されているときに変速要否
を判定するための基準車速値群を示すグラフである。 1:トルクコンバータ 2:副変速機 3:主変速機(1〜3:自動変速機) SL1,SL2:速度段設定用のソレノイド弁 SL3:速度段設定用のソレノイド弁 SL4:ロックアップ設定用のソレノイド弁 SL5:タイミングソレノイド弁(タイミング制御弁) SL6:リニアソレノイド弁(圧力制御弁) 50:直結クラッチ 60:2−3シフトタイミングバルブ 70:排圧バルブ 80:オリフィス制御バルブ 81,82:オリフィス 90:モジュレータバルブ 100:油溜め 101:油圧ポンプ 102:主調圧バルブ 103:副調圧バルブ 104,105,132:流路 110:アキュムレータ圧制御バルブ 200:マニュアルバルブ 220:1−2シフトバルブ 230:2−3シフトバルブ 240:3−4シフトバルブ 250:ローコーストモジュレータバルブ 260〜290:アキュムレータ 360:ロックアップ制御バルブ 370:ロックアップシグナルバルブ 130:制御ボード(変速制御手段,パワーオフ判定手段,
遅延制御手段) 131:第1.5速指示スイッチ 132:エコノミーモード指示スイッチ 133:第4速禁止スイッチ 134:シフトレバーポジション検出スイッチ 135:水温センサ 136:油温センサ 137:ブレーキスイッチ 138:スロットルバルブ開度センサ 139:アイドリング検出スイッチ 140:パルス発生器(第1速度検出手段) 141:パルス発生器(第2速度検出手段) 142:パルス発生器 163,164:車載バッテリ IGS:イグニションキースイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−112058(JP,A) 特開 昭63−266256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの出力軸と負荷駆動軸の間に介挿
    され、エンジンの出力軸に結合したトルクコンバータと
    負荷駆動軸に結合した変速機を含む自動変速機の、ブレ
    ーキおよびクラッチに選択的に油圧を供給しまたそれか
    ら選択的に油圧を抜く油圧回路,該油圧回路にあって前
    記ブレーキおよびクラッチに接続されたアキュムレー
    タ,該アキュムレータの背圧を調整する圧力制御弁,変
    速前の速度段のトルク伝達の解除から変速後の速度段の
    トルク伝達の開始までの時間を遅延するためのタイミン
    グ制御弁、および、変速要否を判定し変速要のときには
    変速を行なう変速制御手段、を備える、自動変速機の油
    圧制御装置において: 前記エンジンの出力軸の回転速度を検出する第1速度検
    出手段; 変速のための油圧の切換により回転速度が切換わる、前
    記自動変速機の回転手段、の回転速度を検出する第2速
    度検出手段; 前記第1速度検出手段が検出した回転速度と第2速度検
    出手段が検出した回転速度を比較してパワーオフか否か
    を判定するパワーオフ判定手段;および、 前記変速制御手段が上位変速段への変速を判定し変速を
    行なうとき、前記パワーオフ判定手段がパワーオフを判
    定すると前記タイミング制御弁を介して変速前の速度段
    のトルク伝達の解除から変速後の速度段のトルク伝達の
    開始までの時間を遅延する遅延制御手段; を備えることを特徴とする、自動変速機の油圧制御装
    置。
  2. 【請求項2】エンジンの出力軸と負荷駆動軸の間に介挿
    され、エンジンの出力軸に結合したトルクコンバータと
    負荷駆動軸に結合した変速機を含む自動変速機の、ブレ
    ーキおよびクラッチに選択的に油圧を供給しまたそれか
    ら選択的に油圧を抜く油圧回路,該油圧回路にあって前
    記ブレーキおよびクラッチに接続されたアキュムレー
    タ,該アキュムレータの背圧を調整する圧力制御弁,変
    速前の速度段のトルク伝達の解除から変速後の速度段の
    トルク伝達の開始までの時間を遅延するためのタイミン
    グ制御弁、および、変速要否を判定し変速要のときには
    変速を行なう変速制御手段、を備える、自動変速機の油
    圧制御装置において: 前記エンジンの出力軸の回転速度を検出する第1速度検
    出手段; 変速のための油圧の切換により回転速度が切換わる、前
    記自動変速機の回転手段、の回転速度を検出する第2変
    速検出手段; 前記第1速度検出手段が検出した回転速度と第2速度検
    出手段が検出した回転速度を比較してパワーオフか否か
    を判定するパワーオフ判定手段;および、 前記変速制御手段が上位速度段への変速を判定し変速を
    行なうとき、前記パワーオフ判定手段がパワーオンを判
    定していると前記タイミング制御弁は非遅延に定め、前
    記変速制御手段が変速を開始してから所定時間内に前記
    パワーオフ判定手段がパワーオフを判定すると前記タイ
    ミング制御弁を、変速前の速度段のトルク伝達の解除か
    ら変速後の速度段のトルク伝達の開始までの時間の遅延
    に定める遅延制御手段; を備えることを特徴とする、自動変速機の油圧制御装
    置。
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