JP2912502B2 - オルタネータ負荷の検出によるアイドル空気量補正方法 - Google Patents

オルタネータ負荷の検出によるアイドル空気量補正方法

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JP2912502B2 JP22165692A JP22165692A JP2912502B2 JP 2912502 B2 JP2912502 B2 JP 2912502B2 JP 22165692 A JP22165692 A JP 22165692A JP 22165692 A JP22165692 A JP 22165692A JP 2912502 B2 JP2912502 B2 JP 2912502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に自動車用エンジン
のアイドル回転数を所望の値に保つために吸入空気量を
補正する際のオルタネータ負荷の検出によるアイドル空
気量補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車においては、バッテリの充
電系にエンジンの動力の一部を利用して駆動されるオル
タネータを採用し、そのオルタネータの出力電圧をIC
レギュレータにより調整するようにしているのが一般的
である。そのようなオルタネータでは、発電中とそうで
ない場合とでは、エンジンにかかる負荷が異なってく
る。そこでエンジンを制御するにあたって、オルタネー
タの発電仕事量を検出し、その検出値を考慮してエンジ
ンを制御することが行われている。
【0003】このような状況において、例えば特開平2
−146241号公報に記載の機関回転数の制御装置の
ように、エンジンにより駆動される発電機の出力電流を
電流検出手段である電流センサで検出し、その検出値に
相応してエンジン回転数を所望の値に保持するのに必要
な吸入空気量の補正量を求めて補正するものが知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
もののように、発電機の出力電流の検出のために電流セ
ンサを使用すると、エンジンを制御する制御装置の中の
マイクロコンピュータを共用して発電仕事量を算出させ
るように構成して、専用の発電仕事量算出手段を備える
必要をなくしても、電流センサのために製造コストが上
昇するため好ましくなかった。また通常、オルタネータ
は、内部に整流用のダイオードを内蔵して直流を出力す
るように構成されているので、例えば非接触にて電流を
検出することができる電流変成器を使用する場合は、電
流変成器を内蔵できるオルタネータを準備するか、ある
いはオルタネータを改造して交流出力とする必要があ
り、安価に構成することが難しかった。さらに、アイド
リング中に電気負荷が変化し、そのためにアイドリング
回転数が変動すると、これをフィードバック制御により
吸入空気量を補正してアイドリング回転数に戻す場合、
制御が複雑になり、設計時点においてはプログラムのス
テップ数が多くなり、そのために処理時間が長くなって
元に戻すまでに時間がかかり、エンジン回転数が不安定
になり問題があった。
【0005】このような問題を解決すべく、負荷状態を
一定の基準の下に、大、中、及び小と検出し、中負荷及
び大負荷の場合にそれぞれ値の異なる予め設定した補正
空気量により吸入空気量を補正し、小負荷の場合は吸入
空気量を補正しない方法が考えられた。ところが、この
ような方法では、小負荷から中負荷になった場合、小負
荷では補正されていないことに起因して、中負荷におけ
る補正までの間に回転の落ち込みが発生して安定さに問
題があった。
【0006】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係るオルタネータ負荷の検出に
よるアイドル空気量補正方法は、オルタネータのフィー
ルドコイルの通電時間と、断電時間とを計時し、該通電
時間と断電時間との合計時間に対する通電時間の比率を
計算してオルタネータの発電仕事量を検出し、該発電仕
事量を平均化処理して少なくとも2つの異なる平均値を
演算し、前記平均値を少なくとも2つの設定値と比較し
少なくとも3つの負荷状態を判定し、判定した負荷
態が最も小さい負荷状態である場合に、その負荷判定時
の状態が前記発電仕事量と一方の平均値との差が所定値
以上となっていることを判定し、その判定により所定の
増量空気量を瞬時に補正することを特徴とする。
【0008】
【作用】このような構成のものであれば、検出しようと
している負荷が時間とともに変化している場合に、オル
タネータの発電仕事量を検出してそれを平均化処理して
少なくとも2つの異なる平均値を算出し、発電仕事量の
推移する傾向をそれらの平均値により検出する。平均値
は、検出した発電仕事量に比べて緩やかな変化を示し、
したがって、最初に検出した発電仕事量が設定値と比較
され、その後それぞれの平均値が比較される。この場合
に、それぞれの平均値が、少なくとも2つの設定値と比
較される順序及び時間から、負荷の大きさを前記設定値
との関係で段階的に判定する。そして小負荷の場合に、
発電仕事量と一方の平均値とが所定の条件を満たしてい
る場合は、所定の増量空気量を瞬時に補正することによ
り、小負荷より大きな負荷を検出するまでの間の回転の
落ち込みを抑制する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0010】図1に概略的に示したエンジンは自動車用
のもので、その吸気系11には図示しないアクセルペダ
ルに応動して開閉するスロットルバルブ12を配設する
とともに、このスロットルバルブ12を迂回するバイパ
ス通路13を設け、このバイパス通路13にアイドル回
転数制御用の流量制御弁14を介設している。流量制御
弁14は、VSVと略称される電磁開閉式のものであっ
て、その端子14aに印加する駆動電圧のデューティ比
を制御することによってその実質的な開度を変化させる
ことができ、それによって前記バイパス通路13の空気
流量を調整し得るようになっている。
【0011】吸気系11にはさらに燃料噴射弁15が設
けてあり、この燃料噴射弁15や前記流量制御弁14を
電子制御装置4により制御するようにしてある。この電
子制御装置(E/G ECU)4は、図2に示すオルタ
ネータ1の発電仕事量FDUTYの検出をもするもので
ある。このエンジンにおいては、ベースアイドル回転数
と充放電収支回転数とが同一となっている。
【0012】電子制御装置4は、中央演算処理装置4a
と、記憶装置4bと、入力インターフェース4cと、出
力インターフェース4dとを具備してなるマイクロコン
ピュータシステムを主体に構成されている。そして、そ
の入力インターフェース4cには、サージタンク16内
の圧力を検出する吸気圧センサ17からの信号a、エン
ジン回転数NEを検出するための回転数センサ18から
の信号b、車速を検出するための車速センサ19からの
信号c、スロットルバルブ12の開閉状態を検出するた
めのアイドルスイッチ20からの信号d、エンジンの冷
却水温を検出するための水温センサ21からの信号e、
ディストリビュータ22に内蔵されるクランク角基準位
置センサ23からの信号f等が入力されるとともに、オ
ルタネータ1の発電を制御するICレギュレータ2から
制御信号gが入力される。
【0013】図2に示すオルタネータ1は、図示しない
プーリとベルトとによってエンジンの回転数に応じた回
転数により回転駆動されるもので、発電制御のためのI
Cレギュレータ2が接続されるとともに、バッテリ3が
接続される。このオルタネータ1は、ステータの溝中に
巻かれて3相星形結線される3つのステータコイルL1
〜L3と、ステータの内側で回転可能に支持されたロー
タの中に巻かれたフィールドコイルLfとを有し、ステ
ータコイルL1〜L3から出力される3相交流をダイオ
ードD1〜D6により全波整流して出力する構成であ
る。ダイオードD1,D3,D5のカソードは、バッテ
リ3の正極に接続されるとともにICレギュレータ2の
充電端子Bに接続される。また、ダイオードD2,D
4,D6のアノードは接地してある。
【0014】ICレギュレータ2は、その電源入力端子
IGが、バッテリ3の端子電圧をモニタするためにその
正極に接続され、フィールドコイル制御端子Fがオルタ
ネータ1のフィールドコイルLfに接続されるとともに
電子制御装置4に接続され、相信号入力端子Pがステー
タコイルL1に接続されている。このICレギュレータ
2の2つのトランジスタTr1,Tr2は、IC2aか
ら出力される信号によりオン・オフし、一方のトランジ
スタTr1がオン・オフすることにより公知のレギュレ
ート動作を行う。つまり、この実施例のものでは、トラ
ンジスタTr1をオンさせることによってオルタネータ
1のフィールドコイルLfに励磁電流を流して(電子制
御装置4に対してはオン信号Sonが出力されたことに
相当する)、オルタネータ1のステータコイルL1〜L
3に電流を誘起させて発電を行う。また、他方のトラン
ジスタTr2をオンさせることによって図示しないチャ
ージングランプ(端子Lに接続される)を点灯させる。
すなわち、トランジスタTr1のオン・オフは、バッテ
リ3の端子電圧が一定になるようにオルタネータ1の発
電を制御するもので、電源入力端子IGに入力されるバ
ッテリ3の端子電圧とIC2aに設定された目標電圧
(例えば14.5V)とを比較し、端子電圧が目標電圧
より低ければオン、反対に高ければオフとされる。上記
したように、トランジスタTr1がオンすると、フィー
ルドコイル制御端子Fからはオン信号Sonが電子制御
装置4に出力され、またオフすることによりオフ信号S
offが出力されることになる。なお、ダイオードD1
〜D6に並列に設けた2個のダイオードD7,D8から
なる直列接続体5は、中性点ダイオードであり、オルタ
ネータ1の作動時にステータコイルL1〜L3の中性点
に生じる電位変動を還元してエネルギの有効利用を図る
ものである。
【0015】そして、電子制御装置4には、吸気圧セン
サ17と回転数センサ18からの信号を主な情報として
燃料噴射弁開成時間を決定し、その決定により燃料噴射
弁15を制御してエンジン負荷に応じた燃料を該燃料噴
射弁15から吸気系11に噴射させるためのプログラム
が内蔵させてあるとともに、オルタネータ1のフィール
ドコイルLfの通電時間Tonと断電時間Toffとを
計時し、該通電時間Tonと断電時間Toffとの合計
時間に対する通電時間Tonの比率を計算してオルタネ
ータの発電仕事量FDUTYを検出し、該発電仕事量F
DUTYを平均化処理して少なくとも2つの異なる平均
値FDAVF、FDAVSを演算し、前記平均値FDA
VF、FDAVSを少なくとも2つの設定値と比較して
少なくとも3つの負荷状態を判定し、判定した負荷状態
が最も小さい負荷状態である場合に、その負荷判定時の
状態が前記発電仕事量FDUTYと一方の平均値との差
が所定値以上となっていることを判定し、その判定によ
り所定の増量空気量を瞬時に補正するプログラムが内蔵
されている。
【0016】このアイドリング時の吸入空気量補正プロ
グラムの概要は、図4及び図6に示すようなものであ
る。まず、吸入空気量の補正に先立って行われるオルタ
ネータ1の発電仕事量FDUTYの検出について説明す
る。オルタネータ1の発電仕事量FDUTYの検出は、
単位時間あたりのオン信号Sonとオフ信号Soffと
からなるFDUTY信号のオン/オフ比率により行われ
る。具体的には、前記単位時間として、ピストンの上死
点TDCから次の上死点TDCまでの時間を1つの区切
として行われる。これは、アイドリング状態や電気負荷
の少ない状態では、スパークプラグで消費するエネルギ
が、電子制御装置4や燃料噴射弁あるいはフューエルポ
ンプなどで消費されるそれに比べて大きく、フィールド
コイル制御端子FからのFDUTY信号のオン/オフ切
替わりタイミングは、ほぼ点火のタイミングに同期して
いるためである。この上死点TDCの検出は、前記クラ
ンク角基準位置センサから出力される圧縮上死点を示す
N(気筒判別)信号を使用して行うものである。そし
て、電子制御装置4は、内蔵するカウンタにより入力イ
ンターフェース4cに入力されるフィールドコイル制御
端子FからのFDUTY信号のオン/オフそれぞれの持
続時間tonα,toffα(αは正の整数とする)を
測定する。この場合、カウンタは、それぞれの持続時間
tonα,toffαを個別に計時するために2つと
し、それぞれのカウンタは時間を積算して計時できるも
ので、上死点TDCのタイミングでクリアされるものと
する。この持続時間tonα,toffαの測定は、図
3に示すように、上死点TDCから次の上死点TDCの
間の区間MPに行われ、その間のオン信号Sonの持続
時間tonαの合計とオフ信号Soffの持続時間to
ffαの合計とが、フィールドコイルLfの通電時間T
onと断電時間Toffとして後述する発電仕事量の検
出に使用される。
【0017】オルタネータ1の発電仕事量FDUTY
は、区間MPの時間Tmp(=Ton+Toff)に対
する通電時間Tonの比率により検出されるもので、下
式により算出される。
【0018】 FDUTY(%) =Ton ×100 /Tmp=Ton ×100/(Ton+Toff) 図3に示す場合にあっては、点火(図中矢印Iで示す)
に対応してオン信号Sonが出力され、オルタネータ1
がその都度発電を行うもので、区間Tmpの中間には前
回の点火から次回の点火までの中間のタイミングがあ
り、その部分ではオフ信号Soffが出力されておりオ
ルタネータ1の発電が停止する場合がある。電子制御装
置4は、ICレギュレータ2から出力されるこれらオン
信号Son及びオフ信号Soffの持続時間をカウンタ
にて計時する。この場合、カウンタは、入力インターフ
ェースに上死点TDCの信号が入力されたことを受けて
オン信号Son1の持続時間を計時し、次にオフ信号S
offの持続時間を計時し、さらにオン信号Son2の
持続時間を次回の上死点TDCの信号が入力されるまで
計時する。そして得られたそれぞれの信号Son1,S
on2,Soffの持続時間に基づいて、オルタネータ
1の発電仕事量FDUTYを、以下のように演算する。
【0019】 Ton =Son1+Son2 Toff =Soff FDUTY(%) =Ton ×100 /(Ton +Toff) =(Son1 +Son2) ×100/(Son1+Son2+Soff) これらの演算を繰り返し行うことで、エンジンが運転中
のオルタネータ1の発電仕事量FDUTYがリアルタイ
ムで検出される。検出された発電仕事量FDUTYは、
検出ダイレクト値DFDとして格納され、以下に説明す
る平均化処理によりその平均値が演算される。平均化処
理は、方向指示器やヘッドライトなどが点灯された場合
には、電気負荷全体に対するイグニッションコイルの占
める割合が少なくなり、検出ダイレクト値DFDが検出
される毎に上下する可能性があり、利用しずらくなるの
で、検出ダイレクト値DFDのばらつきを吸収するため
に行う。実際の平均化は、下式を用いて行う。
【0020】 FDAVn (%) = FDUTYn + (FDUTY n-1 − FDUTY n )/ N ただし、Nはなまし数、FDUTYは今回検出された
発電仕事量、FDUTYn−1は前回検出された発電仕
事量である。
【0021】上記の式において、なまし数Nを異なる数
値にして演算することにより、少なくとも2つの平均値
FDAVF,FDAVSを得るものである。すなわち、
第1平均値FDAVFは、負荷の変動、言い換えれば検
出された検出ダイレクト値DFDの変動、に対して比較
的敏感に反応し、また、第2平均値FDAVSは、検出
ダイレクト値DFDの変動に対して緩やかに反応するも
のである。したがって、図6に示すように、検出ダイレ
クト値DFDが瞬時に100%の値に変化すると、まず
第1平均値FDAVFが時間の経過とともに徐々に立ち
上がり、その後第2平均値FDAVSが立ち上がるもの
となる。
【0022】次に、負荷の大きさを判定するために設定
される、少なくとも2つの設定値について説明する。
【0023】第1の設定値である負荷1HI判定レベル
KFDFHI及び負荷1LO判定レベルKFDFLO
は、第1平均値FDAVFに対する比較レベルで、負荷
1HI判定レベルKFDFHIが負荷1LO判定レベル
KFDFLOより大なる値に設定してある。また、第2
の設定値である負荷2HI判定レベルKFDSHI及び
負荷2LO判定レベルKFDSLOは、第2平均値FD
AVSに対する比較レベルで、上記第1の設定値同様、
負荷2HI判定レベルKFDSHIが負荷2LO判定レ
ベルKFDSLOより大なる値に設定してある。なお、
負荷1HI判定レベルKFDFHIと負荷2HI判定レ
ベルKFDSHIとは、同一値であってもよいし、若干
負荷1HI判定レベルKFDFHIが負荷2HI判定レ
ベルKFDSHIより大なる設定であってもよい。ま
た、負荷1LO判定レベルKFDFLOと負荷2LO判
定レベルKFDSLOとについても、同様である。
【0024】以上のようにしてオルタネータ1の発電仕
事量FDUTYが検出される状態において、負荷の大小
を判定して、中負荷及び大負荷の場合の吸入空気量を補
正する全体的な制御について、図4に示す第1フローチ
ャートにて説明する。
【0025】まずステップ51では、負荷ステージ1フ
ラグFDSTG1がオフ(=0)しているか否かを判定
し、オフの場合はステップ52に移行し、そうでない場
合はステップ53に進む。この負荷ステージ1フラグF
DSTG1は、後述する、例えばブレーキランプやスモ
ールランプ等の中程度の負荷を判定するために設定され
た負荷ステージ1に、負荷があると判定された場合にオ
ン(=1)となるフラグである。これと同様にして、負
荷ステージ2に対して負荷ステージ2フラグFDSTG
2が設定されている。ステップ52では、第1平均値F
DAVFが負荷1HI判定レベルKFDFHI以上か否
かを判定し、以上である場合はステップ54に進み、未
満の場合にはステップ56に移行する。ステップ53で
は、第1平均値FDAVFが負荷1LO判定レベルKF
DFLO未満か否かを判定し、未満であればステップ5
5に進み、以上であればステップ56に移行する。ステ
ップ54では、負荷ステージ1フラグFDSTG1をオ
ンし(1をセットする)、ステップ55では、負荷ステ
ージ1フラグFDSTG1をオフする(0をセットす
る)。
【0026】ステップ56では、負荷ステージ2フラグ
FDSTG2がオフ(=0)しているか否かを判定し、
オフの場合はステップ57に移行し、そうでない場合は
ステップ58に進む。この負荷ステージ2フラグFDS
TG2は、後述する、例えばヘッドライトやファンモー
タ等の大きな負荷を判定するために設定された負荷ステ
ージ2に、負荷があると判定された場合にオンとなるフ
ラグである。ステップ57では、第2平均値FDAVS
が負荷2HI判定レベルKFDSHI以上か否かを判定
し、以上である場合はステップ59に進み、未満の場合
にはステップ61に移行する。ステップ58では、第2
平均値FDAVSが負荷2LO判定レベルKFDSLO
未満か否かを判定し、未満であればステップ60に進
み、以上であればステップ61に移行する。ステップ5
9では、負荷ステージ2フラグFDSTG2をオンし
(1をセットする)、ステップ60では、負荷ステージ
2フラグFDSTG2をオフする(0をセットする)。
【0027】ステップ61では、負荷ステージ2フラグ
FDSTG2がオンしているか否かを判定し、オンして
いる場合はステップ62に進み、オフの場合にはステッ
プ63に移行する。ステップ62では、DUTY補正空
気量DSETFDを予め設定された負荷2用補正空気量
KDST2とする空気量の制御を行う。ステップ63で
は、負荷ステージ1フラグFDSTG1がオンしている
か否かを判定し、オンしている場合はステップ64に進
み、オフの場合にはステップ65に移行する。ステップ
64では、DUTY補正空気量DSETFDを予め設定
された負荷1用補正空気量KDST1とする空気量の制
御を、またステップ65ではDUTY補正空気量DSE
TFDを0とする制御をそれぞれ行う。
【0028】次に、上記した第1フローチャートが実行
された後に実行される、小負荷における吸入空気量の瞬
時の補正制御について、図5に示す第2フローチャート
により説明する。
【0029】まずステップ70では、今回検出した検出
ダイレクト値DFDが100%であるか否かを判定
し、100%である場合はステップ71に進み、そうで
ない場合はステップ75に移行する。ステップ71で
は、前回検出した検出ダイレクト値DFDn−1もまた
100%であるか否かを判定し、100%である場合は
ステップ72に進み、そうでない場合はステップ75に
移行する。ステップ72では、今回の検出ダイレクト値
DFDと第1平均値FDAVFとの差を演算し、その
差が吸入空気量のスキップ入力を決定するために予め設
定された検出レベルKDFDTY、例えば発電仕事量F
DUTYの20%、以上であるか否かを判定し、以上で
あればステップ73に進み、未満の場合にはステップ7
5に移行する。ステップ73では、負荷ステージ1フラ
グFDSTG1及び負荷ステージ2フラグFDSTG2
の両方のフラグFDSTGがオフ(=0)であるか否か
を判定し、オフの場合にはステップ74に進み、オンの
場合にはステップ75に移行する。ステップ74では、
スキップ入力されるスキップ補正量DSKPFDをスキ
ップ補正量初期値KDSPFDINにして、吸入空気量
の補正を行う。同様に、ステップ75では、今回のスキ
ップ補正量DSKPFDを前回のスキップ補正量DS
KPFDn−1からスキップ補正減衰量KSPFDDC
を減算したものとし、吸入空気量の補正を行う。ここ
で、ステップ73が小負荷であることの条件となり、ス
テップ70、71、72が吸入空気量の補正を決定する
ための所定の条件となる。
【0030】以上の構成において、時間の経過に伴っ
て、図6に示すように負荷の状態が変化する場合につい
て説明する。
【0031】まず、第1平均値FDAVFと第2平均値
FDAVSとが、負荷1HI判定レベルKFDFHIと
負荷2HI判定レベルKFDSHIより下方にある場合
は、制御は、ステップ51→52→56→57→61→
63→65と進み、負荷ステージ0を判定する。すなわ
ち小負荷であることを判別したので、中及び大負荷に対
応する吸入空気量の補正は行わない。この場合、小負荷
であるので、スキップ入力のための制御は、ステップ7
0→71→75と進み、スキップ補正量DSKPFD
を設定する。検出ダイレクト値DFDが100%となる
負荷が発生した時点、すなわち図7中T1で示す負荷オ
ン時点では、前回のスキップ補正量DSKPFDn−1
がないため、実質的には補正は行われない。しかしなが
ら、この数点火の後には、負荷ステージ0の状態で、そ
の時点で検出された検出ダイレクト値DFDの前の検
出ダイレクト値DFDn−1も100%に達している状
態となる。しかも、第1平均値FDAVFが立ち上がる
までの、検出ダイレクト値DFDとの差が検出レベル
KDFDTY以上となっている状態では、制御は、ステ
ップ70→71→72→73→74と進み、図7に示す
ように、スキップ補正量DSKPFDをスキップ補正量
初期値KDSPFDINとして、瞬時に吸入空気量の補
正を行う。
【0032】この後、前記差が検出レベルKDFDTY
以上となると、制御は、ステップ70→71→72→7
5と進み、補正される吸入空気量がスキップ補正減衰量
KSPFDDCずつ減少されて、空気量制御が継続され
る。さらにこの後、第1平均値FDAVFが負荷1HI
判定レベルKFDFHI以上となり、一方、第2平均値
FDAVSは負荷2HI判定レベルKFDSHIより下
方にある場合は、制御は、ステップ51→52→54→
56→57→61→63→64と進み、負荷ステージ1
を判定してDUTY補正空気量DSETFDを負荷1用
補正空気量KDST1として空気量の補正を行う。この
負荷ステージ1は、中程度の負荷に対して設定されてお
り、図6中負荷状態1で示す期間、負荷ステージ1フラ
グFDSTG1がオンして、負荷が中程度と判定してい
る。
【0033】さらに時間の経過の後、オルタネータ1の
負荷が増加すると、第1平均値FDAVFが負荷1HI
判定レベルKFDFHI以上であるとともに、第2平均
値FDAVSが負荷2HI判定レベルKFDSHI以上
となる。この場合、制御は、ステップ51→53→56
→57→59→61→62と進み、負荷ステージ2を判
定してDUTY補正空気量DSETFDを負荷2用補正
空気量KDST2として空気量の補正を行う。この負荷
ステージ2は、大きな負荷に対して設定されており、図
6中負荷状態2で示す期間、負荷ステージ2フラグFD
STG2が負荷ステージ1フラグFDSTG1とともに
オンしている。この状態では、負荷は大と判定してい
る。
【0034】この後、負荷が減少して検出ダイレクト値
DFD及び第1平均値FDAVFが負荷1HI判定レベ
ルKFDFHIより小さくなり、さらに負荷1LO判定
レベルKFDFLOより小さくなると、制御は、ステッ
プ51→53→55→56→58→61→62と進み、
ヒステリシスを持って設定されたそれぞれの判定レベル
のために、負荷ステージ1フラグFDSTG1はオフと
なったものの負荷ステージ2フラグFDSTG2がオン
しているので、DUTY補正空気量DSETFDを負荷
2用補正空気量KDST2としての空気量の補正を継続
する。そして、この状態から負荷の増加がなく第2平均
値FDAVSも負荷2LO判定レベルKFDSLOより
小さくなると、制御は、ステップ51→53→55→5
6→58→60→61→63→65と進み、負荷ステー
ジ2フラグFDSTG2と負荷ステージ1フラグFDS
TG1とがオフとなって負荷が小さい状態であるとして
空気量の補正は行わない。この後はフィードバック制御
にて補正空気量の調節を行う。
【0035】このように、負荷の大小は、負荷ステージ
1フラグFDSTG1及び負荷ステージ2フラグFDS
TG2の状態をモニタすることで判定できる。つまり、
それぞれのフラグFDSTG1、FDSTG2がオンし
ていない場合は、負荷は小さく、吸入空気量の補正は上
記した所定の条件が成立した場合に瞬時にステップ的に
行われ、その後は負荷ステージ1フラグFDSTG1が
オンするまで減少させながら継続される。次に負荷ステ
ージ1フラグFDSTG1のみがオンしている場合、つ
まり、この後負荷ステージ2フラグFDSTG2がオン
することなく負荷ステージ1フラグFDSTG1がオフ
するような場合は、中程度の負荷と判定する。さらに、
図6に示したもののように、負荷ステージ1フラグFD
STG1及び負荷ステージ2フラグFDSTG2が同時
にオンしている場合は、大きい負荷と判定する。
【0036】以上の構成によれば、アイドリング時に電
気負荷が小負荷から中負荷に変動しても、吸入空気量を
瞬時に補正するので、回転の落ち込みを未然に防ぐこと
ができる。そして、変動する負荷に対して、その時のオ
ルタネータ1の発電仕事量FDUTYを検出し、その値
により補正空気量を決定するので、フィードバック制御
により吸入空気量を制御するものに比べ、電気負荷の変
動から時間を経ずに適正な吸入空気量にすることがで
き、したがってアイドル回転数の変動を小さく抑えるこ
とができる。
【0037】なお、本発明は以上に説明した実施例に限
定されるものではない。例えば、2つの平均値FDAV
F,FDAVSを得るための平均化処理としては、次式 FDUTYn (%) = FDUTYn + FDUTYn-1 +……+ FDUTYn-N /(N +1) により演算するものであってもよい。
【0038】その他、各部の構成は図示例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形が可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、オル
タネータの発電仕事量をフィールドコイルの通電時間を
計時して検出するので、出力電流を検出するための手段
をオルタネータに付設する必要がなくなり、発電仕事量
の検出を安価な構成により行うことができる。また、小
負荷の際に検出した発電仕事量と一方の平均値とが所定
の条件を満たせば、中負荷が判定されるまでの間に瞬時
に吸入空気量を補正するので、その間の回転の落ち込み
を防止する事ができる。さらに、検出した発電仕事量と
それを平均化処理して得た平均値とを少なくとも2つ
設定値と比較して負荷を判定し、その判定結果に基づい
て吸入空気量を補正するので、制御が複雑にならず、し
たがって処理時間が短縮できるので、アイドリング時の
補正空気量を電気負荷の変動発生から時間をおかず迅速
にかつ適正に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成説明図。
【図2】同実施例のオルタネータに関係する部分の電気
回路図。
【図3】同実施例の発電仕事量の検出タイミングを示す
波形図。
【図4】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図5】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図6】同実施例の作動説明図。
【図7】同実施例の作動説明図。
【符号の説明】
1…オルタネータ 2…ICレギュレータ 3…バッテリ 4…電子制御装置 4a…中央演算処理装置 4b…記憶装置 4c…入力インターフェース 4d…出力インターフェース Lf…フィールドコイル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オルタネータのフィールドコイルの通電時
    間と、断電時間とを計時し、 該通電時間と断電時間との合計時間に対する通電時間の
    比率を計算してオルタネータの発電仕事量を検出し、 該発電仕事量を平均化処理して少なくとも2つの異なる
    平均値を演算し、 前記平均値を少なくとも2つの設定値と比較して少なく
    とも3つの負荷状態を判定し、 判定した負荷状態が最も小さい負荷状態である場合に、
    その負荷判定時の状態が前記発電仕事量と一方の平均値
    の差が所定値以上となっていることを判定し、 その判定により所定の増量空気量を瞬時に補正すること
    を特徴とするオルタネータ負荷の検出によるアイドル空
    気量補正制御方法。
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