JP2911976B2 - 新規なアジド化合物およびその製造方法並びにネフィラトキシン類の製造方法 - Google Patents

新規なアジド化合物およびその製造方法並びにネフィラトキシン類の製造方法

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JP2911976B2
JP2911976B2 JP2209043A JP20904390A JP2911976B2 JP 2911976 B2 JP2911976 B2 JP 2911976B2 JP 2209043 A JP2209043 A JP 2209043A JP 20904390 A JP20904390 A JP 20904390A JP 2911976 B2 JP2911976 B2 JP 2911976B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アミノ酸、ペプチドヘジアミンを導入する
上で有用な新規なアジド化合物およびその製造方法並び
にネフィラトキシン類の製造方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 近年、生物毒中の成分として、アミノ酸及びペプチド
と、ポリアミンとが結合した化合物が見いだされてい
る。例えば、ジョロウグモ毒中には、グルタミン酸レセ
プター遮断剤として機能するJSTX類、NSTX類、およびネ
フィラトキシン(Nephilatoxin)類が含まれ、これら
は、ポリアミンとしてカダベリン、すなわち1,5−ジア
ミノペンタンを含むペプチド様化合物である[Y.Aramak
i et al.,Proc.Acad.Jpn.,Ser.B,62,359(1986)、T.To
ki et al.,Biomed.Res.,9,421(1988)、およびT.Toki
et al.,Jpn.J.Sanit.Zool.,41,9(1990)参照]。
これらの化合物の中で、JSTX−3、及びNSTX−3の合
成例が報告されている。また、JSTX−3の場合には、カ
ダベリン導入時に、隣接するアミノ酸の活性エステルと
カダベリンとを直接反応させており[Y.Hashimoto et a
l.,Tetrahedron Lett.,28,3511(1987)参照]、NSTX−
3の場合には、カダベリン導入時に、アミノ酸の活性エ
ステルとN−t−ブトキシカダベリンとを反応させてい
る[T.Teshima et al.,Tetrahedron Lett.,28,3509(19
87)参照]。
しかしながら、前者の方法では、副反応を防止するた
め、カダベリンを大過剰に使用する必要がある。また、
後者の方法では、原料として使用するN−t−ブトキシ
カダベリンの収率が著しく低いため、N−t−ブトキシ
カダベリン、ひいてはNSTX−3を大量に調製することが
困難である。
さらに、ネフィラトキシン類の合成については、未だ
報告されていない。
従って、本発明の目的は、アミノ酸及びペプチドに、
副反応を防止しながら、ジアミンを効率よく導入できる
新規なアジド化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の如き優れた特性を有する
化合物を収率よく得ることができる新規なアジド化合物
の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ネフィラトキシン類の製
造方法を提供することにある。
[発明の構成] 上記目的を達成するため、本発明者らは、ジアミンの
導入法について鋭意検討した結果、特定のアジド化合物
を用いることにより、アミノ酸及びペプチドにジアミン
を円滑に導入できることを見いだし本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式[I] R1−NH(CH2)mN3 [I] (式中、R1は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
mは5を示す) で表される新規なアジド化合物を提供する。
さらに本発明は、一般式[II] R1−NH(CH2)mOR2 [II] (式中、R1は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
R2は、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、
又はアラルキルスルホニル基を示し、mは5を示す) で表される化合物とアジ化物とを反応させる新規なアジ
ド化合物の製造方法を提供する。
また、下記一般式 H2N(CH2)mOH (式中、mは5を示す) で表される化合物と、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル
基、アシル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチ
ルビニル基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフ
ェニルスルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニ
ル基、2−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィ
ニル基、ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメ
チルホスフィノチオイル基から選択されたアミノ保護基
を導入するための試薬と、 下記一般式 R2X (式中、R2は、アルカンスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、又はアラルキルスルホニル基を示し、Xはハロ
ゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させて、前
記式[II]で表される化合物を得る新規なアジド化合物
の製造方法も提供する。
さらに、本発明は、一般式[I]で表されるアジド化
合物と、 一般式[V] R3−Asn−R4 [V] (式中、R3は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
R4は活性エステル残基を示し、Asnはアスパラギン残基
を示す)で表される化合物、 一般式[VII] (式中、R4は前記に同じ)で表される化合物、および 一般式[IX] (式中、R5は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
Ornはオルニチン残基を示し、R3およびR4は前記に同
じ)で表される化合物とを順次反応させて、 一般式[III] (式中、mは5を示し、R3、R5、Asn、およびOrnは前記
に同じ)で表される化合物を生成させ、この化合物を還
元反応に付し、 一般式[XI] (式中、mは5を示す) で表されるネフィラトキシン類を製造する方法を提供す
る。
また、一般式[I]で表されるアジド化合物と、 一般式[V] R3−Asn−R4 [V] (式中、R3は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
R4は活性エステル残基を示し、Asnはアスパラギン残基
を示す)で表される化合物、 一般式[VII] (式中、R4は前記に同じ)で表される化合物、および 一般式[IX] (式中、R5は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
Ornはオルニチン残基を示し、R3およびR4は前記に同
じ)で表される化合物とを順次反応させて、 一般式[III] (式中、mは5を示し、R3、R5、Asn、およびOrnは前記
に同じ)で表される化合物を生成させて、一般式[II
I]で表される化合物と、 一般式[X] (R6)3−Arg−R4 [X] (式中、R6は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
R4は活性エステル残基、Argはアルギニン残基を示す)
で表される化合物を反応させて、 一般式[IV] (式中、mは5を示し、R5およびR6は、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオ
キシカルボニル基、アシル基、トリチル基、2−ベンゾ
イル−1−メチルビニル基、p−トルエンスルホニル
基、o−ニトロフェニルスルフェニル基、3−ニトロピ
リジンスルフェニル基、2−ニトロフェニルチオ基、ジ
フェニルホスフィニル基、ジフェニルホスフィノチオイ
ル基、およびジメチルホスフィノチオイル基から選択さ
れたアミノ保護基を示し、Asnはアスパラギン残基、Orn
はオルニチン残基、Argは前記に同じ)で表される化合
物を生成させ、この化合物を還元反応に付し、 一般式[XII] (式中、mは5を示す) で表されるネフィラトキシン類を製造する方法を提供す
る。
前記一般式[I]中、R1のアミノ保護基には、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラ
ルキルオキシカルボニル基、アシル基、トリチル、2−
ベンゾイル−1−メチルビニル基、p−トルエンスルホ
ニル基、o−ニトロフェニルスルフェニル基、3−ニト
ロピリジンスルフェニル基、2−ニトロフェニルチオ
基、ジフェニルホスフィニル基、ジフェニルホスフィノ
チオイル基、ジメチルホスフィノチオイル基が含まれ
る。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペ
ンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、
p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル、9−フ
ルオレニルメトキシカルボニル、メチルスルホニルエト
キシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ル、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、イ
ソニコチニルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカ
ルボニル基などの置換基を有していてもよいアルコキシ
部分の炭素数が1〜6のアルコキシカルボニル基が例示
できる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェ
ノキシカルボニル、α−ナフチルオキシカルボニル、β
−ナフチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
アラルキルオキシカルボニル基としては、例えば、ベ
ンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニ
ル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、トリチルオキシ
カルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p
−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキ
シ−α,α−ジメチルベンジルオキシカルボニル基など
の置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニ
ル基が挙げられる。
アシル基としては、ホルミル、フタロイル、ジチアス
クシノイル基などが挙げられる。
また、一般式[I]中、mは5であり、ネフィラトキ
シン−9及び11合成用のジアミンとして有用である。
前記一般式[I]で表されるアジド化合物は、例え
ば、一般式[II] R1−NH(CH2)mOR2 [II] (式中、R1、R2、及びmは前記に同じ) で表わされる化合物とアジ化物とを反応させることによ
り製造できる。
一般式[II]中、R2のアルカンスルホニル基として
は、メタンスルホニル、エタンスルホニル、プロパンス
ルホニル、イソプロパンスルホニル、ブタンスルホニ
ル、t−ブタンスルホニル、ペンタンスルホニル、ヘキ
サンスルホニル基などが挙げられる。アリールスルホニ
ル基としては、フェニルスルホニル、2−メチルフェニ
ルスルホニル、4−メチルフェニルスルホニル、4−ニ
トロフェニルスルホニル、4−メトキシフェニルスルホ
ニル、3−クロロフェニルスルホニル、α−ナフチルス
ルホニル基などの置換又は未置換のアリールスルホニル
基が例示される。アラルキルスルホニル基としては、例
えば、ベンジルスルホニル、フェネチルスルホニル、2
−メチルベンジルスルホニル、4−メチルベンジルスル
ホニル、4−ニトロベンジルスルホニル、4−メトキシ
ベンジルスルホニル、3−クロロベンジルスルホニル、
α−ナフチルメチルスルホニル基などの置換又は未置換
のアラルキルスルホニル基が例示される。
アジ化物としては、例えば、アジ化水素酸、アジ化ア
ンモニウム、アジ化リチウム、アジ化ナトリウム、アジ
化カリウムなどのアジ化アルカリ、アジ化カルシウム、
アジ化バリウムなどのアジ化アルカリ土類金属などが挙
げられる。好ましいアジ化物はアジ化アルカリである。
前記一般式[II]で表される化合物とアジ化物との反
応は、通常有機溶媒の存在下で行なわれる。
有機溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないもので
あればいずれも使用可能であり、例えば、メタノール、
エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサンなど
の脂環族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチ
ルエチルケトンなどんケトン類;酢酸メチル、酢酸エチ
ルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなど
の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒が挙
げられる。
反応は、アジ化物の特性に応じて、例えば、室温〜15
0℃程度の温度で30分〜48時間程度撹拌することにより
行なうことができる。
前記一般式[II]で表される化合物は、例えば、下記
一般式 H2N(CH2)mOH (式中、mは前記に同じ) で表されるアミノアルコールと、前記アミノ保護基を導
入するためのアミノ基保護試薬と、下記一般式 R2X (式中、R2は前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す)
で表される化合物との反応により得ることができる。
前記アミノ基保護試薬としては、前記アミノ保護基R1
に対応する試薬が用いられる。好ましいアミノ基保護試
薬としては、例えば、2−t−ブトキシカルボニル−オ
キシイミノ−2−フェニルアセトニトリル、S−t−ブ
トキシカルボニル−4,6−ジメチル−2−チオピリミジ
ン、ジ−t−ブチル−ジカルボナート、フェニルオキシ
カルボナート、ベンジルオキシカルボナートなどが挙げ
られる。特に好ましいアミノ基保護試薬は、t−ブトキ
シカルボニル化試薬である。
ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子
が含まれる。
前記一般式[II]で表される化合物は、下記反応工程
式1に示されるように、一般式[IIa]で表される化合
物と前記アミノ基保護試薬とを反応させ、次いで、生成
した一般式[IIb]で表される化合物と一般式[IIc]で
表される化合物と反応するのが好ましい。
(式中、R1、R2、X及びmは前記に同じ) 上記一般式[IIa]で表される化合物と前記アミノ基
保護試薬との反応は、溶媒中、塩基性化合物の存在下で
行なうことができる。溶媒としては、反応に悪影響を及
ぼさないものであればよく、例えば、水;メタノール、
エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサンなど
の脂環族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトン、メチ
ルエチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチ
ルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなど
の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒が挙
げられる。溶媒としては、水、又は水と有機溶媒との混
合溶媒が好ましい。水と有機溶媒との混合比は、通常、
1:1〜1:2(容積比)程度である。
塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基、ナ
トリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどのアル
コラート類;トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメ
チルアミノピリジン、N−メチルモルホリンなどの有機
塩基が挙げられる。塩基性化合物の使用量は、通常、前
記アミノ基保護試薬に対して1〜1.5倍モル程度であ
る。
前記アミノ基保護試薬の使用量は、通常、一般式[II
a]で表されるアミノアルコールのアミノ基に対して、
少なくとも等モル、好ましくは1〜2倍モル程度であ
る。
反応は、通常0〜100℃程度の温度で行なわれ、1〜4
8時間程度で終了する。なお、前記アミノ基保護試薬
は、反応系に、冷却下、例えば氷冷下で添加するのが好
ましい。
前記一般式[IIb]で表される化合物と一般式[IIc]
で表される化合物との反応は、通常、前記と同様の溶媒
及び塩基性化合物の存在下で行なうことができる。
一般式[IIc]で表される化合物の使用量は、生成し
た化合物の水酸基に対して、少なくとも等モル、好まし
くは1〜3倍モル量程度である。
塩基性化合物の使用量は、一般式[IIc]で表される
化合物に対して、少なくとも等モル、好ましくは1〜2
倍モル量である。アミノ基保護試薬の添加は0℃以下で
行うことが好ましい。
反応は0〜100℃程度の温度で30分〜数時間で終了す
る。
そして、一般式[II]で表される化合物をアジ化物と
前記のようにして反応させることにより、本発明の前記
一般式[I]で表されるアジド化合物を高い収率で得る
ことができる。
前記一般式[I]で表されるアジド化合物は、アミノ
酸及びペプチドにジアミン成分を導入する上で有用であ
る。アミノ酸及びペプチドへの導入は、慣用の方法で行
なうことができる。例えば、前記一般式[I]で表され
るアジド化合物を、酸で処理してアミノ酸保護基R1を脱
離した後、生成したアミノ基と、目的とするアミノ酸及
びペプチドのC末端とを、通常のペプチド合成法に従っ
て縮合させる。
ペプチド合成法としては、(a)アミノ酸及びペプチ
ドのC末端、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロ
キシコハク酸イミドエステル、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾールエステルなどの活性エステルとし、アミノ基
と反応させる活性エステル法、(b)N,N′−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(DCC)などの縮合剤の存在
下、アミノ酸及びペプチドのC末端に、アミノ基を縮合
させるDCC方法、(c)DCC−アディティブ(additive)
法などが挙げられる。
一方、前記一般式[I]で表される化合物のアジド基
を還元してアミノ基とし、前記と同様な方法により、生
成したアミノ基と、アミノ酸及びペプチドのC末端を縮
合することにより、アミノ酸、ペプチドの導入を行なう
ことができる。
本発明のアジド化合物を用いると、アミノ酸及びペプ
チドに、副反応を防止しながら、ジアミン成分を効率よ
く導入できる。従って、クモ毒成分JSTX類、NSTX類に限
らず、従来、合成が困難であったクモ毒成分のネフィラ
トキシン類を容易かつ収率よく得ることができる。
以下、本発明のアジド化合物を用いて、活性エステル
法を利用して、アミノ酸及びペプチドにジアミンを導入
する方法、およびネフィラトキシン類の製造方法を下記
反応工程式IIに従って説明する。
[式中、R1及びmは前記に同じ。R3、R5及びR6は、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アラルキルオキシカルボニル基、アシル基、トリチル
基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル基、p−トルエ
ンスルホニル基、o−ニトロフェニルスルフェニル基、
3−ニトロピリジンスルフェニル基、2−ニトロフェニ
ルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、ジフェニルホス
フィノチオイル基、およびジメチルホスフィノチオイル
基から選択されたアミノ保護基、R4は活性エステル残
基、Asnはアスパラギン残基、Ornはオルニチン残基、Ar
gはアルギニン残基を示す。] 活性エステル残基としては、p−ニトロフェニルエス
テル残基、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル残
基、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル残基な
どが挙げられる。
一般式[V]で表されるアスパラギン誘導体との反応
に先立って、一般式[I]で表されるアジド化合物を、
通常、溶媒の存在下で、酸で処理して置換基R1を脱離さ
せてアミノ基を生成させる。
酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機
酸;エタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸など
が使用できる。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれ
ば、いずれの溶媒も使用できる。このような溶媒として
は、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ヘ
キサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール
類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等の非プロトン性極性溶媒;これらの混合溶媒が例示さ
れる。
一般式[I]で表されるアジド化合物の酸による処理
は、通常、0〜50℃程度で行なうことができる。
酸処理後の一般式[I]で表されるアジド化合物と一
般式[V]で表される化合物との反応は、通常、前記と
同様な有機溶媒及び塩基性化合物の存在下で行なれる。
一般式[V]で表される化合物の使用量は、通常、一
般式[I]で表されるアジド化合物に対して、少なくと
も等モル、好ましくは1〜2倍モル量程度である。反応
は、0〜50℃程度の温度で1〜48時間程度で終了する。
上記反応により生成した一般式[VI]で表される化合
物と一般式[VII]で表されるインドール酢酸誘導体と
から、一般式[VIII]で表される化合物を生成させる反
応は、前記一般式[I]で表されるアジド化合物と一般
式[V]で表される化合物との反応と同様に、一般式
[VI]で表されるアジド化合物を酸処理して、一般式
[VII]で表される化合物との反応に供することにより
行なうことができる。
生成した一般式[VIII]で表される化合物を還元して
アジド基をアミノ基に変換する。還元反応は、通常、還
元触媒の存在下、接触還元することにより行なうことが
できる。還元触媒には、例えば、白金、酸化白金、パラ
ジウムブラック、パラジウム炭素、ラネーニッケルなど
の通常の接触還元触媒が含まれる。還元触媒の使用量
は、通常、一般式[VIII]で表される化合物に対して、
0.001〜1倍重量程度である。接触還元反応は、例え
ば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランな
どの溶媒中、1〜10kg/cm2程度の水素ガス雰囲気中、−
30℃〜溶媒の沸点温度で、撹拌することにより行なうこ
とができる。
還元処理に付した一般式[VIII]で表される化合物と
一般式[IX]で表されるオルニチン誘導体とから、一般
式[III]で表される化合物を生成される反応は、前記
酸処理された一般式[I]で表されるアジド化合物と一
般式[V]で表される化合物との反応と同様に行なうこ
とができる。
一般式[III]で表される化合物と一般式[X]で表
されるアルギニン誘導体とから、一般式[IV]で表され
る化合物を生成させる反応も、前記一般式[I]で表さ
れるアジド化合物と一般式[V]で表される化合物との
反応と同様に、一般式[III]で表される化合物を酸処
理して、一般式[X]で表される化合物と反応させるこ
とにより行なうことができる。
前記一般式[III]で表される化合物を前記と同様の
還元反応に付すことにより、一般式[XI]で表されるネ
フィラトキシン類が生成する。一般式[I]中、m=5
の化合物を用いると、ネフィラトキシン−11が生成す
る。前記一般式[IV]で表される化合物を前記と同様の
還元反応に付すことにより、一般式[XII]で表される
ネフィラトキシン類が生成する。一般式[I]中、m=
5の化合物を用いると、ネフィラトキシン−9が生成す
る。ネフィラトキシン−11及びネフィラトキシン−9は
グルタミン酸レセプター遮断剤として機能する生理活性
物質である。
このように、前記一般式[I]で表されるアジド化合
物を用いることにより、ジアミン成分を分子中に含む種
々の生理活性物質を収率よく多量に得ることができる。
なお、前記反応においては、活性エステル法を利用し
ているが、前記のようにDCC法なども利用できる。
目的化合物は、例えば、溶媒抽出法、再結晶法、カラ
ムクロマトグラフィー等の通常の分離精製手段により容
易に単離精製することができる。また、得られた化合物
の同定は、沸点、融点、元素分析、NMRスペクトル、IR
スペクトルなど既知の測定法により行うことができる。
[発明の効果] 本発明の新規なアジド化合物を用いると、アミノ酸及
びペプチドに、副反応を防止しながら、ジアミンを効率
よく導入できる。
また、本発明の新規なアジド化合物の製造方法では、
上記の如きアジド化合物を収率よく得ることができる。
さらに、本発明のネフィラトキシン類の製造方法で
は、グルタミン酸レセプター遮断剤として有用なネフィ
ラトキシン類を収率よく多量に得ることができる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1 5−アミノ−1−ペンタノール0.310gと炭酸ナトリウ
ム0.955gを水30mlに溶解し、この溶液にジ−t−ブチル
−ジカルボネート1.974gを添加し、室温で1晩撹拌し
た。反応液を酢酸エチルで抽出し、分離した水層を再度
酢酸エチルで抽出し、先の有機層と合わせ、飽和塩化ナ
トリウム水溶液で洗浄した。溶媒を減圧下で留去した
後、得られた黄色油状物質をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1容積比)で精
製し、無色透明の油状物0.603gを得た。
得られた化合物2.971gの無水ジクロロメタン溶液20ml
を0℃に冷却し、ピリジン11mlと塩化メタンスルホニル
2.5mlを順次添加し、0℃で1時間撹拌した。反応混合
物に水20mlを加え、室温で30分撹拌した。有機層を分離
し、水層をジクロロメタンで抽出し、先の有機層と合わ
せ、水で2回、飽和硫酸銅水溶液で1回洗浄した後、溶
媒を減圧下で留去することにより、白色固体4.720gを得
た。
これを、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解し、
アジ化ナトリウム1.092gを添加し、室温で1晩撹拌し
た。反応混合物を酢酸エチル40mlで希釈し、水で3回、
飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄した後、溶媒を減
圧下にて留去し、無色油状物4.907gを得た。無色油状物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル=3/1容積比)で精製することにより、無色油
状の化合物[1−アジド−5−(N−t−ブトキシカル
ボニル)アミノペンタン]3.175gを得た。
第1図(A)に1H−NMRスペクトル、第1図(B)に
第1図(A)の部分拡大図、第2図にIRスペクトルを示
す。
沸点:131℃/2mmHg 元素分析: C H N 理論値 52.61 8.83 24.54 計算値 52.72 8.72 24.22 1H−NMRスペクトル(CDCl3) δ:1.47(S,9H)、1.4〜1.8(m,6H)、3.02〜3.40
(m,4H)、4.58(brs,1H)ppm IRスペクトル(νneat): 3351、2990、2863、2100、1700、1250、1171cm-1 実施例2(クモ毒成分ネフィラトキシン(Nephilatoxi
n)−9の合成) 実施例1で得られた化合物0.742gをジクロロメタン6m
lに溶解し、トリフルオロ酢酸2.5mlを加えて室温で3時
間撹拌した。溶媒とトリフルオロ酢酸を減圧下にて留去
した後、残渣にジクロロメタンを加えて溶解し、再び溶
媒を留去した。この操作を3度繰り返してトリフルオロ
酢酸を除去した。得られたアミンを、N,N−ジメチルホ
ルムアミド6mlに溶解し、トリエチルアミン4.6ml、N−
t−ブトキシカルボニル−アスパラギン−p−ニトロフ
ェノールエステル1.722gに加えて1晩撹拌した。反応液
をジクロロメタンで希釈し、これを、順次50%塩化ナト
リウム水溶液で2回、水で1回、飽和塩化ナトリウム水
溶液で1回洗浄した。溶媒を減圧下にて留去し、得られ
た白色アモルファス状物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ジクロロメタン/エタノール=1/0〜10/1容
積比)により精製して1−アジド−5−(N−t−ブト
キシカルボニル−アスパラギニル)アミノペンタン0.74
6gを得た。
得られた化合物109.4mgをジクロロメタン1mlに溶解
し、トリフルオロ酢酸0.25mlを加え室温で3時間撹拌し
た。溶媒とトリフルオロ酢酸を減圧下にて留去した後、
残渣にジクロロメタンを加えて溶解し、再び溶媒を留去
した。この操作を3回繰り返してトリフルオロ酢酸を除
いた後、得られたアミンをジメチルホルムアミド1mlに
溶解し、トリエチルアミン0.45mlを加えた後に、インド
ール酢酸−p−ニトロフェノールエステル113.8mgを加
えて1晩撹拌した。反応液をジクロロメタンで希釈し、
これを、順次50%塩化ナトリウム水溶液で2回、水で1
回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄した。有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下にて
留去し、淡黄色の粗生成物を得た。これをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン/
エタノール=3/1/0.3容積比)で精製し、白色結晶の1
−アジド−5−(インドール−3−アセチルアスパラギ
ニル)アミノペンタン91.9mgを得た。
得られた化合物をエタノール4mlに懸濁し、酢酸0.5ml
を加えて完全に溶解した。これを担持量10重量%のパラ
ジウム炭素(Pd/C)9.2mgを加え、水素ガス雰囲気下、
室温で2日間撹拌した。触媒を濾別し、得られた濾液を
減圧下で濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド
1.5mlに溶解し、この溶液にα−N−t−ブトキシカル
ボニル−δ−N−Cdz−オルニチン−p−ニトロフェノ
ールエステル(Cbz−はベンジルオキシカルボニル基を
表す)128mgを加えて1晩撹拌した。溶媒を減圧下で留
去し、得られた白色粗生成物を酢酸エチル、含水アセト
ニトリルの順で洗浄することにより、白色結晶のN−
(インドール−3−アセチルアスパラギニル)−N′−
(α−N−t−ブトキシカルボニル−δ−N−Cdz−オ
ルニチル)カダベリン97.5mgを得た。
得られた化合物8.4mgをジクロロメタンに懸濁させた
トリフルオロ酢酸0.03mlを加え、室温で4時間撹拌し
た。溶媒とトリフルオロ酢酸を減圧下にて留去後、残渣
にジクロロメタンを加えて溶解し再び溶媒を留去した。
この操作を3回繰り返してトリフルオロ酢酸を除去し
た。得られたアミンをN,N−ジメチルホルムアミド0.3ml
に溶解し、この溶液にトリ−Cbz−アルギニン−N−ヒ
ドロキシコハク酸イミドエステル11.3mgを加えて1晩撹
拌した。溶媒を減圧下で留去し、得られた粗生成物を酢
酸−水から再結晶し、さらに2度再結晶を繰り返すこと
により、白色結晶のN−(インドール−3−アセチルア
スパラギニル)−N′−(トリ−Cbz−アルギニル−δ
−N−Cdz−オルニチル)カダベリン8.2mgを得た。
得られた化合物10.1mgを酢酸0.5mlに溶解し、トリフ
ルオロ酢酸0.2mlと担持量10重量%のパラジウム炭素(P
d/C)3.7mgを加え、水素ガス雰囲気下、室温で4時間撹
拌した。触媒を濾別した後、濾液を減圧下に留去して褐
色の粗生成物10.1mgを得た。粗生成物を0.1%のトリフ
ルオロ酢酸を含む30%アセトニトリル水溶液を用いて、
前処理用カラム[ケムコ(Chemco)社製Sep ODS−A、2
50mg]に通し、溶出液を逆相高速液体クロマトグラフィ
ー(HPLC)カラム[東ソー社製TSK−Gel ODS−120T 4.6
×250mm]を用い、0.1%トリフルオロ酢酸を含む15%ア
セトニトリル水溶液を移動相として分取し、4.3mgのネ
フィラトキシン−9を得た。
なお、得られた化合物は、マススペクトル(M/Z=64
5,M+1)、HPLCの保持時間、及びNMRスペクトルより、
天然物のネフィラトキシン−9と同一であると確認され
た。
実施例3(クモ毒成分ネフィラトキシン(Nephilatoxi
n)−11の合成 前記実施例2で中間体として得られた白色結晶のN−
(インドール−3−アセチルアスパラギニル)−N′−
(α−N−t−ブトキシカルボニル−δ−N−Cdz−オ
ルニチル)カダベリンを、前記実施例2と同様の接触還
元反応に付し、分離精製することにより、ネフィラトキ
シン−11を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は実施例1で得られた化合物の1H−NMRス
ペクトル、同図(B)は第1図(A)の1H−NMRスペク
トルの部分拡大図、 第2図は実施例1で得られた化合物の赤外線吸収スペク
トルである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 271/20,269/06,247/04 C07D 209/18 C07K 5/068 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] R1−NH(CH2)mN3 [I] (式中、R1は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
    ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
    基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
    ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
    −ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
    ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
    フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
    mは5を示す) で表される新規なアジド化合物。
  2. 【請求項2】一般式[II] R1−NH(CH2)mOR2 [II] (式中、R1は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
    ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
    基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
    ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
    −ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
    ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
    フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
    R2は、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、
    又はアラルキルスルホニル基を示し、mは5を示す) で表される化合物とアジ化物とを反応させる新規なアジ
    ド化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】下記一般式 H2N(CH2)mOH (式中、mは5を示す) で表される化合物と、アルコキシカルボニル基、アリー
    ルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル
    基、アシル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチ
    ルビニル基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフ
    ェニルスルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニ
    ル基、2−ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィ
    ニル基、ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメ
    チルホスフィノチオイル基から選択されたアミノ保護基
    を導入するための試薬と、 下記一般式 R2X (式中、R2は、アルカンスルホニル基、アリールスルホ
    ニル基、又はアラルキルスルホニル基を示し、Xはハロ
    ゲン原子を示す)で表される化合物とを反応させて、前
    記式[II]で表される化合物を得る請求項2記載の新規
    なアジド化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載のアジド化合物と、 一般式〔V〕 R3−Asn−R4 [V] (式中、R3は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
    ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
    基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
    ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
    −ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
    ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
    フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
    R4は活性エステル残基を示し、Asnはアスパラギン残基
    を示す)で表される化合物、 一般式[VII] (式中、R4は前記に同じ)で表される化合物、および 一般式[IX] (式中、R5は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
    ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
    基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
    ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
    −ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
    ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
    フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
    Ornはオルニチン残基を示し、R3およびR4は前記に同
    じ)で表される化合物とを順次反応させて、 一般式[III] (式中、mは5を示し、R3、R5、Asn、およびOrnは前記
    に同じ)で表される化合物を生成させ、この化合物を還
    元反応に付し、 一般式[XI] (式中、mは5を示す) で表されるネフィラトキシン類を製造する方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載のアジド化合物と、 一般式[V] R3−Asn−R4 [V] (式中、R3は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
    ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
    基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
    ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
    −ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
    ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
    フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
    R4は活性エステル残基を示し、Asnはアスパラギン残基
    を示す)で表される化合物、 一般式[VII] (式中、R4は前記に同じ)で表される化合物、および 一般式[IX] (式中、R5は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
    ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
    基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
    ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
    −ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
    ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
    フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
    Ornはオルニチン残基を示し、R3およびR4は前記に同
    じ)で表される化合物とを順次反応させて、 一般式[III] (式中、mは5を示し、R3、R5、Asn、およびOrnは前記
    に同じ)で表される化合物を生成させて、一般式[II
    I]で表される化合物と、 一般式[X] (R6)3−Arg−R4 [X] (式中、R6は、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アシ
    ル基、トリチル基、2−ベンゾイル−1−メチルビニル
    基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロフェニルス
    ルフェニル基、3−ニトロピリジンスルフェニル基、2
    −ニトロフェニルチオ基、ジフェニルホスフィニル基、
    ジフェニルホスフィノチオイル基、およびジメチルホス
    フィノチオイル基から選択されたアミノ保護基を示し、
    R4は活性エステル残基、Argはアルギニン残基を示す)
    で表される化合物を反応させて、 一般式[IV] (式中、mは5を示し、R5およびR6は、アルコキシカル
    ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオ
    キシカルボニル基、アシル基、トリチル基、2−ベンゾ
    イル−1−メチルビニル基、p−トルエンスルホニル
    基、o−ニトロフェニルスルフェニル基、3−ニトロピ
    リジンスルフェニル基、2−ニトロフェニルチオ基、ジ
    フェニルホスフィニル基、ジフェニルホスフィノチオイ
    ル基、およびジメチルホスフィノチオイル基から選択さ
    れたアミノ保護基を示し、Asnはアスパラギン残基、Orn
    はオルニチン残基、Argは前記に同じ)で表される化合
    物を生成させ、この化合物を還元反応に付し、 一般式[XII] (式中、mは5を示す) で表されるネフィラトキシン類を製造する方法。
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