JP2911339B2 - カセットローディング機構 - Google Patents

カセットローディング機構

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録再生装置に於
いて、カセットをシャーシに着脱せしめるフロントメカ
機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来にあっては、この種のフロントメカ
は、図1、図6乃至図9に示すように構成されている。
尚、以下の説明にあっては、回転シリンダ(800)が設け
られている方を後方、カセット(600)装着位置を前方と
する。図1(a)に示すように、シャーシ(100)には、カセ
ット(600)をシャーシ(100)に着脱するフロントメカ(76
0)が取り付けられている。フロントメカ(760)の前面に
は、操作ボタン(図示せず)が設けられたフロントパネル
(770)が取り付けられている。フロントメカ(760)の左側
板(762)と右側板(763)との間には、カセット(600)が載
置されるトレイ(765)が配備されている。図1(a)及び図
1(b)に示すように、トレイ(765)の両側は上方に折曲し
て、カセット保持板(771)を形成し、左側のカセット保
持板(771)からは、2本の突起(765a)、(765b)が、右側
のカセット保持板(771)からは、3本の突起(765a)、(76
5b)、(765c)が夫々側方に突出している。突起(765c)
は、突起(765a)よりも後方低位置に設けられ、突起(765
b)は突起(765a)、(765c)よりも後方高位置に設けられて
いる。
【0003】図6に示すように、両側板(762)、(763)に
は、トレイ(765)の突起(765a)、(765b)が夫々嵌合すべ
きガイド溝(764)、上ガイド溝(772)が開設されている。
右側板(763)の内側には、断面凹状のガイド穴溝(773)が
設けられている。トレイ(765)の摺動案内は、ガイド溝
(764)と上ガイド溝(772)で足りるが、突起(765a)とガイ
ド溝(764)或いは突起(765b)と上ガイド溝(772)の嵌合ガ
タを抑え、トレイ(765)の動作を安定ならしめるべく、
突起(765c)がガイド穴溝(773)に嵌合している。カセッ
ト(600)がフロントメカ(760)に挿入可能な状態では、突
起(765a)、(765b)、(765c)は、夫々ガイド溝(764)、上
ガイド溝(772)及びガイド穴溝(773)の前端に当接してい
る。右側板(763)のガイド溝(764)、上ガイド溝(772)の
形状は、以下の違いがある。
【0004】1 図8(a)に示すように、上ガイド溝(77
2)は、前方から後方に向かって開設された上水平溝(772
a)と、上水平溝(772a)の後端から下方に向かって開設さ
れた垂直溝(772b)を一体に具えている。ガイド溝(764)
は、ガイド溝(772)と同様の形状である。 2 図8(b)に示すように、上ガイド溝(772)は、前方か
ら後方に向かって、上方へ緩やかに傾斜した上傾斜溝(7
72c)と上傾斜溝(772c)の後端から下方に向かって後方に
傾斜した下降溝(772d)及び下降溝(772d)の下端から下方
に向かった垂直溝(772b)を一体に具えている。ガイド穴
溝(773)は、ガイド溝(772)と同様の形状である。ガイド
溝(764)は、上傾斜溝(772c)と平行で、上傾斜溝(772c)
と同一長さを有する傾斜溝(764c)と傾斜溝(764c)の後端
から下方に向かった垂直溝(764b)を一体に具えている。 3 図8(c)に示すように、ガイド溝(772)は、上水平溝
(772a)と上水平溝(772a)の後端から下方に向かって前方
に傾斜した逆傾斜溝(772e)及び逆傾斜溝(772e)の下端か
ら下方に向かって開設された垂直溝(772b)を一体に具え
ている。ガイド溝(764)は、ガイド溝(772)と同様の形状
である。 4 図9(a)に示すように、ガイド溝(772)は、上傾斜溝
(772c)と上傾斜溝(772c)の後端から後方に向かった上水
平溝(772a)及び上水平溝(772a)の後端から下方に向かっ
た垂直溝(772b)を一体に具えている。ガイド溝(764)
は、傾斜溝(764c)と傾斜溝(764c)の後端から下方に向か
った垂直溝(764b)を一体に具えている。 5 図9(b)に示すように、ガイド溝(772)は、上水平溝
(772a)と上水平溝(772a)の後端から上方に向かった円弧
溝(772f)及び円弧溝(772f)の後端から下方に向かった垂
直溝(772b)を一体に具える。ガイド溝(764)は、ガイド
溝(772)と同様の形状である。
【0005】図6に示すように、右側板(763)には、回
動ギア(766)が軸支され、回動ギア(766)から突出したア
ーム(766b)に開設された長溝(766d)には、右側板(763)
のガイド溝(764)を貫通したトレイ(765)の突起(765a)が
嵌合している。回動ギア(766)の時計方向の回転によっ
て、図7に示すように、突起(765a)を介して、トレイ(7
65)はガイド溝(764)に沿って後方に摺動し、突起(765a)
が垂直溝(764b)の下端に達して、カセット(600)が水平
な状態で、シャーシ(100)に装填される。このとき、突
起(765b)、(765c)は夫々上ガイド溝(772)、ガイド穴溝
(773)を摺動する。カセット(600)装填位置の内側で、回
転シリンダ(800)の手前側には、カセット(600)から磁気
テープ(601)を引き出す先導ガイドブロック(804)等のテ
ープ走行系部品が位置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のガイド溝形状
は、夫々以下のような問題があった。 1 図8(a)、図8(c)及び図9(b)に示す上ガイド溝(77
2)、ガイド溝(764)の形状では、カセット(600)はフロン
トメカ(760)に挿入されてから、水平に移動するので、
フロントメカ(760)のカセット(600)挿入部分とフロント
パネル(770)上面との隙間が小さくなる。従って、フロ
ントパネル(770)の上部が強度的に弱くなり、この隙間
を広く設けると装置全体の高さが高くなってしまう。従
って、装置全体が大きくなるという問題がある。 2 図8(b)に示す上ガイド溝(772)、ガイド溝(764)の
形状では、トレイ(765)の突起(765a)が傾斜溝(764c)
を、突起(765b)が上傾斜溝(772c)を、夫々摺動している
場合には、トレイ(765)及びカセット(600)は後端が上方
に持ち上がった状態で摺動する。突起(765a)が垂直溝(7
64b)を摺動し、かつ突起(765b)が下降溝(772d)、垂直溝
(772b)を摺動した状態で、トレイ(765)は突起(765a)を
中心として下方に回動しつつ下降し、カセット(600)は
傾きを修正されて下降する。従って、カセット(600)の
テープ走行系部品が挿入する部分の水平方向の変位量が
大きく、テープ走行系部品にカセット(600)内の磁気テ
ープ(601)が引っ掛かる虞れがある。 3 図9(a)に示す上ガイド溝(772)、ガイド溝(764)の
形状では、カセット(600)がフロントメカ(760)に挿入さ
れた直後に、突起(765b)が上水平溝(772a)を摺動して、
トレイ(765)の傾きが修正されるので、図8(a)に示す場
合と同様に、フロントメカ(760)のカセット(600)挿入部
分とフロントパネル(770)上面との隙間が小さくなる。
本発明は、フロントメカ(760)のカセット(600)挿入部分
とフロントパネル(770)上面との隙間を大きく設けるこ
とができ、かつカセット(600)装着時に、磁気テープ(60
1)がテープ走行系部品に引っ掛かる虞れがないフロント
メカ機構に関するものである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】フロントメカ(760)のトレ
イ(765)側部からは、突起(765a)と突起(765a)よりもカ
セット(600)投入方向側かつ上方に位置する突起(765b)
が突設されている。突起(765b)が嵌合すべきガイド溝(7
72)は、カセット(600)挿入側から、カセット(600)投入
方向に向かって上方に緩やかに傾斜した傾斜溝(772c)と
傾斜溝(772c)の上端から、シャーシ(100)に向かって垂
直下方に延びる垂直溝(772b)を具えている。突起(765a)
が嵌合するガイド溝(764)は、前記傾斜溝(772c)と略平
行に、かつ略同一長さに開設された傾斜溝(764c)と傾斜
溝(764c)の上端から、カセット(600)挿入側に向かって
開設された滑降溝(764d)と滑降溝(764d)の下端から下方
に延びる垂直溝(764b)を一体に具えている。
【0008】
【作用】カセット(600)をフロントメカ(760)に挿入する
と、突起(765a)が傾斜溝(764c)を、突起(765b)が傾斜溝
(772c)を夫々摺動し、トレイ(765)はカセット(600)進行
方向に向かって上昇しつつ摺動する。傾斜溝(764c)と傾
斜溝(772c)は互いに平行で、かつ同一長さに設けられて
いるので、突起(765a)が傾斜溝(764c)の上端に位置した
状態では、突起(765b)は傾斜溝(772c)の上端に位置して
いる。突起(765b)が傾斜溝(772c)の上端を通って、垂直
溝(772b)を下降する場合には、突起(765a)は滑降溝(764
d)を摺動し、トレイ(765)は傾斜した状態から、水平状
態に修正されながら下降する。突起(765a)が垂直溝(764
b)を下降する場合には、トレイ(765)は水平状態になっ
ている。
【0009】
【発明の効果】カセット(600)をフロントメカ(760)に挿
入すると、カセット(600)は傾斜溝(772c)、(764c)に沿
って、斜め上方に摺動する。従って、カセット(600)を
フロントメカ(760)に挿入する位置では、カセット(600)
挿入部分と、フロントパネル(770)上面との隙間を大き
く設けることができ、装置全体の高さを低くすることが
できる。また、カセットローディング時には、トレイ(7
65)は突起(765b)を中心として傾斜状態から水平状態に
修正されながら下降する。従って、カセット(600)は進
行方向側の一端を中心として、回転しながら下降するの
で、テープ走行系部品が嵌合するカセット(600)の進行
方向側の一端部は、水平方向の変位量が小さくなる。故
に、カセット(600)内の磁気テープ(601)が、テープ走行
系部品に引っ掛かる虞れがない。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図面に沿っ
て詳述する。図1に示すように、従来と同様に、トレイ
(765)右端のカセット保持板(771)からは、突起(765a)、
(765b)、(765c)が外向きに突出している。突起(765a)、
(765b)、(765c)が夫々嵌合すべきフロントメカ(760)の
右側板(763)のガイド溝(764)、上ガイド溝(772)及びガ
イド穴溝(773)は、図2に示すように形成されている。
上ガイド溝(772)は、前方から後方に向かって、緩やか
に上昇する直線状の上傾斜溝(772c)と上傾斜溝(772c)の
後端から下方に向かって開設された垂直溝(772b)を一体
に具えている。ガイド溝(764)は前述の上傾斜溝(772c)
に平行に設けられた傾斜溝(764c)と傾斜溝(764c)の後端
から下方に向かって手前に緩やかに傾斜した滑降溝(764
d)と滑降溝(764d)の下端から下方に向かった垂直溝(764
b)を、一体に具えている。ガイド穴溝(773)は、ガイド
溝(764)と同様の形状を有している。 即ち、傾斜溝(76
4c)に平行な傾斜穴溝(773a)と傾斜穴溝(773a)の後端か
ら滑降溝(764d)と同様に、手前に緩やかに傾斜した滑降
穴溝(773b)と滑降穴溝(773b)の下端から下方に向かった
垂直穴溝(773c)を一体に具えている。
【0011】カセットローディング時には、図3乃至図
5に示すように、トレイ(765)は後方に摺動し、その後
下降する。図3に示すように、カセット(600)をトレイ
(765)に挿入すると、回動ギア(766)に連繋した駆動機構
(図示せず)が作動し、回動ギア(766)が時計方向に回転
する。突起(765a)は傾斜溝(764c)を、突起(765b)は上傾
斜溝(772c)を夫々後方に向かって摺動し、トレイ(765)
は、カセット(600)後端が持ち上がって傾斜した状態
で、直線状に移動する。突起(765c)は、ガイド穴溝(77
3)の傾斜穴溝(773a)を摺動する。突起(765a)が、傾斜溝
(764c)と滑降溝(764d)を繋ぐ円弧溝(764f)を通過する
と、図4(a)に示すように、突起(765a)は滑降溝(764d)
に、突起(765c)は滑降穴(773b)に夫々沿って、下方前方
に摺動するとともに、突起(765b)が上ガイド溝(772)の
垂直溝(772b)に沿って真下に下降する。滑降溝(764d)及
び滑降穴溝(773b)は、下方に向かって、垂直溝(772b)か
ら離れるように斜めに開設されているので、突起(765a)
が滑降溝(764d)を、突起(765c)が滑降穴溝(773b)を夫々
摺動する場合には、突起(765a)及び突起(765c)は前方に
向かいながら、下降する。即ち、トレイ(765)の下降に
伴い、突起(765a)及び突起(765c)は突起(765b)から離れ
る向きに案内されるから、トレイ(765)は突起(765b)を
中心として、シャーシ(100)に垂直で、カセット挿入方
向を含む面内にて、時計方向に回動する。これにより、
カセット(600)は、水平になるべく傾斜が修正されつつ
下降する。図4(b)に示すように、突起(765a)が滑降溝
(764d)を通過後、垂直溝(764b)を摺動すると、傾斜状態
から水平状態に修正されたトレイ(765)は、カセット(60
0)底面がシャーシ(100)に平行となった状態で下降す
る。図5に示すように、突起(765a)が垂直溝(764b)の下
端に接した位置に於いて、突起(765b)は垂直溝(764b)の
下端に、突起(765c)は垂直穴(773c)の下端に接する。か
かる状態で、カセット(600)が、シャーシ(100)上に設け
られたカセット受け(604)に装着される。先導ガイドブ
ロック(804)により磁気テープ(601)がカセット(600)か
ら引き出されて、回転シリンダ(800)に巻き付けられ、
テープ走行が行なわれる。
【0012】上記の如く、フロントメカ(760)にカセッ
ト(600)が挿入可能な状態では、トレイ(765)は後端部が
持ち上がり、傾斜した位置にある。従って、フロントメ
カ(760)のカセット(600)挿入部とフロントパネル(770)
上面との隙間を、大きく設けることができる。また、カ
セット(600)ローディング時に於いては、トレイ(765)が
傾斜した状態で直線状に摺動した後に、突起(765b)を中
心とした回動によって、傾斜状態から水平状態に修正さ
れつつ、下降する。即ち、カセット(600)後端部を中心
とした回転により傾斜が修正されるので、カセット(60
0)後端部の水平方向の変位量が小さく、カセット(600)
後端部に位置している先導ガイドブロック(804)等のテ
ープ走行系部品に磁気テープ(601)が引っ掛かり、カセ
ット(600)がカセット受け(604)に装填不完全となる虞れ
がない。
【0013】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はフロントメカとシャーシの平面図であ
り、(b)はトレイ側部の斜視図である。
【図2】フロントメカの右側板に形成されたガイド溝及
びガイド穴溝の側面図である。
【図3】カセットがフロントメカに挿入された状態での
側面図である。
【図4】カセットローディング状態の側面図である。
【図5】カセットローディング完了状態での側面図であ
る。
【図6】従来のフロントメカに於いて、カセットがフロ
ントメカに挿入された状態の側面図である。
【図7】同上のカセットローディング完了状態の側面図
である。
【図8】従来のフロントメカの右側板に形成されたガイ
ド溝及びガイド穴溝の側面図である。
【図9】上記に同じである。
【符号の説明】
(760) フロントメカ (764) ガイド溝 (765) トレイ (772) ガイド溝

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャーシ(100)の両側部に一対の側板(76
    2)、(763)を具え、両側板に配備されたトレイ(765)にカ
    セット(600)が嵌合した状態で、トレイ(765)を両側板に
    開設されたガイド溝に沿って摺動させることにより、カ
    セット(600)のシャーシ(100)への着脱を行なうフロント
    メカ(760)を具えたカセットローディング機構に於い
    て、 トレイ(765)側部からは、突起(765a)と突起(765a)より
    もカセット(600)投入方向側かつ上方に位置する突起(76
    5b)が突設され、突起(765b)が嵌合すべきガイド溝(772)
    は、カセット(600)挿入側から、カセット(600)投入方向
    に向かって上方に緩やかに傾斜した傾斜溝(772c)と傾斜
    溝(772c)の上端から、シャーシ(100)に向かって垂直下
    方に延びる垂直溝(772b)を具え、 突起(765a)が嵌合するガイド溝(764)は、前記傾斜溝(77
    2c)と略平行に、かつ略同一長さに開設された傾斜溝(76
    4c)と傾斜溝(764c)の上端から、カセット(600)挿入側に
    向かって開設された滑降溝(764d)と滑降溝(764d)の下端
    から下方に延びる垂直溝(764b)を一体に具えたことを特
    徴とするフロントメカ(760)を具えたカセットローディ
    ング機構。
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