JP2911332B2 - 降伏点制御圧延形鋼 - Google Patents

降伏点制御圧延形鋼

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JP2911332B2
JP2911332B2 JP7195693A JP7195693A JP2911332B2 JP 2911332 B2 JP2911332 B2 JP 2911332B2 JP 7195693 A JP7195693 A JP 7195693A JP 7195693 A JP7195693 A JP 7195693A JP 2911332 B2 JP2911332 B2 JP 2911332B2
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泰 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建造物の構造部材とし
て用いられる形鋼の降伏点範囲を保証した耐震性能に優
れた降伏点制御圧延形鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の超高層化、大スパン化とそれに
ともなう耐震性などの安全規準の厳格化から、梁用に用
いられる、薄手サイズのH形鋼にも一層の高強度化、高
靱性化、低降伏比化が求められている。最近は、これら
に加え、構造物部材の設計強度と実際に使用される鋼材
との強度の差を少なくし、より信頼性を高めるために、
降伏点の上限を規定した、狭幅YP鋼が求められてい
る。このような要求特性を満たすために、厚鋼板分野で
は鉄鋼協会講演集、CAMP−ISIJ Vol.4
(1991)758pに示されているように、圧延終了
後に焼準及び焼き戻しなどの熱処理を施すことが行われ
た。形鋼においても、同様な処理を施せば材質特性は満
たすことが可能であるが、熱処理の付加は熱処理コスト
と生産効率の低下、あるいはH形鋼のように、フランジ
とウェブの肉厚比が2〜3倍になる形状を有する部材で
は、後熱処理時にウェブとフランジ間の熱膨張差による
応力の発生によりウェブに変形を生じるなど、経済性と
形状性能の低下とに問題がある。
【0003】一般に、フランジを有する形鋼、例えばH
形鋼をユニバーサル圧延により製造すると、圧延造形上
の制約およびその形状の特異性からウェブ、フランジ、
フィレットの各部位で圧延仕上げ温度、圧下率、冷却速
度に差を生じる。その結果、部位間に強度、延性、靱性
のバラつきが発生し、例えば溶接構造用圧延鋼材(JI
S G3106)等の規準に満たない部位が生じる。ま
た、最近、ウェブ厚がフランジ厚に比し約1/3とし
た、薄肉ウェブ化し軽量化した高断面性能を有する外法
一定H形鋼が開発された。この中で特にウェブ厚12mm
以下の薄手サイズの製造にはウェブとフランジ間の熱膨
張差からの応力によるウェブの変形を防止するため、フ
ランジを強制冷却している。このような製造条件では必
然的に低温仕上げとなり、組織が細粒化し高降伏点にな
り、要求値の範囲のJISで規定されたYPの最低値+
100N/mm2 以内を満たせない難点があった。
【0004】これらの課題を解決するためには圧延まま
で高性能の材質特性を得られるように、新しい合金設計
による鋼の開発が必要となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来の問題点を
解決するためには、薄手材の製造プロセスでは必然的に
低温圧延となり、フェライトの細粒化により、高降伏点
となるようなプロセス条件下においても、低降伏点を達
成する鋼を開発する必要がある。降伏点はフェライト粒
径の他にフェライト自身の強度にも支配される。したが
って、フェライト粒径を圧延プロセスにより粗粒化でき
ない条件下では、このフェライトの強度を低下させるこ
とが有効である。この目的には固溶体強化元素の特に固
溶Nの低減が有効である。しかし、現実の製鋼工程での
固溶Nの低減には経済性から限界があり、実用的ではな
い。また、強力な窒化物形成元素のTi,Zr,Hf等
の添加による固溶Nの低減も考えられるが、これらの元
素は強力な炭化物形成元素でもありフェライトを析出強
化し降伏点を上昇させるので好ましくない。その他に、
H形鋼のフランジとウェブの結合部のフィレット部はC
Cスラブの中心偏析部と一致し、この部位に存在するM
nSは低温圧延条件下では著しく延伸し、板厚方向の絞
り値を低下させ、溶接時にラメラティアを生じる場合が
ある。このように従来の技術では目的の信頼性の高い降
伏点制御形鋼をオンラインで製造し安価に提供すること
は困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであって、本発明圧延形鋼の要旨は、(1)重
量%でC:0.04〜0.20%、Si:0.01〜
0.30%、Mn:0.4〜2.0%、P:0.02%
以下、S:0.015%以下、N:0.005%以下で
Al:0.15〜0.30%を基本成分とし、かつ、Δ
S(%)=S(%)−0.8×Ca(%)−1.3×M
g(%)−0.2×REM(%)の式に示すΔSが−
0.005%〜0.010%になるようにCa:0.0
05%以下、Mg:0.005%以下、REM:0.0
1%以下のいずれかの1種または2種以上を含有する降
伏点制御圧延形鋼、(2)重量%でC:0.04〜0.
20%、Si:0.01〜0.30%、Mn:0.4〜
2.0%、P:0.02%以下、S:0.015%以
下、N:0.005%以下でAl:0.15〜0.30
%を基本成分とし、かつ、ΔS(%)=S(%)−0.
8×Ca(%)−1.3×Mg(%)−0.2×REM
(%)の式に示すΔSが−0.005%〜0.010%
になるようにCa:0.005%以下、Mg:0.00
5%以下、REM:0.01%以下のいずれかの1種ま
たは2種以上を含有し、加えてNb:0.05%以下、
V:0.1%以下、Ti:0.03%以下、B:0.0
03%以下のいずれかの1種または2種以上を含有する
降伏点制御圧延形鋼、(3)重量%でC:0.04〜
0.20%、Si:0.01〜0.30%、Mn:0.
4〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.015%
以下、N:0.005%以下でAl:0.15〜0.3
0%を基本成分とし、かつ、ΔS(%)=S(%)−
0.8×Ca(%)−1.3×Mg(%)−0.2×R
EM(%)の式に示すΔSが−0.005%〜0.01
0%になるようにCa:0.005%以下、Mg:0.
005%以下、REM:0.01%以下のいずれかの1
種または2種以上を含有し、加えてCr:1.0%以
下、Mo:1.0%以下、Ni:3.0%以下、Cu:
1.0%以下のいずれかの1種または2種以上を含有す
る降伏点制御圧延形鋼、(4)重量%でC:0.04〜
0.20%、Si:0.01〜0.30%、Mn:0.
4〜2.0%、P:0.02%以下、S:0.015%
以下、N:0.005%以下でAl:0.15〜0.3
0%を基本成分とし、かつ、ΔS(%)=S(%)−
0.8×Ca(%)−1.3×Mg(%)−0.2×R
EM(%)の式に示すΔSが−0.005%〜0.01
0%になるようにCa:0.005%以下、Mg:0.
005%以下、REM:0.01%以下のいずれかの1
種または2種以上を含有し、加えてNb:0.05%以
下、V:0.1%以下、Ti:0.03%以下、B:
0.003%以下のいずれかの1種または2種以上を含
有し、さらにCr:1.0%以下、Mo:1.0%以
下、Ni:3.0%以下、Cu:1.0%以下のいずれ
かの1種または2種以上を含有する降伏点制御圧延形鋼
にある。
【0007】
【作用】以下、本発明の作用について説明する。鋼材の
降伏強度はピッカリング(Pickering)による
と以下の実験式で示される。 降伏応力(MPa) =15.4〔 3.5+2.1(%Mn) +5.4(%Si)
+23 (% Nf )1/2+1.13d-1/2〕 この式で%Nf はフェライト中に固溶しているN量であ
り、dはフェライト粒径(mm)である。鋼材の強度レベ
ルを定めれば、C,Mn,Si等の主成分はほぼ規定さ
れるので、降伏強度を低くするにはフェライト中の固溶
Nの低減とフェライト粒径を大きくすることである。こ
のフェライト粒径は製造プロセスと析出物の分散に支配
される。そのために、複雑な形状を圧延により成形する
形鋼圧延においては圧延制約が多く、圧延条件を変えフ
ェライト粒径を制御することは極めて困難である。した
がって、このような圧延条件下においての低降伏点化に
はフェライト中の固溶Nの低減が有効である。その方法
としては実操業での極低N化が考えられるが、製鋼工程
における脱ガス、ガスシールなど設備能力から限界があ
ることと、実現できたとしても著しいコスト上昇をまね
き現実的ではない。また強窒化物形成元素のTi,T
a,Nb等による固溶Nの低減は有効な手段ではある
が、これらの元素の多くは炭化物をも同時に析出し、析
出強化を生じ降伏点を上昇させる。
【0008】この課題を克服するために、鋼中で炭化物
を形成しないで強力な窒化物を形成する元素を探究した
ところAlが最も有効なことをつきとめた。しかしなが
ら、フェライト中でのNの溶解度積は大きく、従来のA
lキルド程度のAl添加量では、熱間圧延工程において
固溶NをAlNとし析出、固定するには不十分であり、
降伏点の低減には効果がない。そこで、多量のAl添加
することによって固溶Nを完全にAlNとし固定するこ
とを発案し実施したところ、薄手形鋼特有の低温圧延条
件下においても、フェライトの降伏点を低下させること
ができ、目的の降伏点制御圧延形鋼がオンラインで製造
可能になった。加えて、Alはフェライト形成元素でも
あり、多量Al添加によりフェライト変態点を上昇さ
せ、フェライト組織割合の増加と、同時にその粒径をも
大きくする効果をももたらし、低YP化をさらに促進す
ることが判明した。
【0009】次に本発明鋼の基本成分範囲の限定理由に
ついて述べる。Cは鋼の強度を向上させる有効な成分と
して、添加するもので、0.04%未満では構造用鋼と
して必要な強度が得られず、また、0.20%を超える
過剰の含有は、母材靱性、溶接割れ性、HAZ靱性など
を著しく低下させるので、上限を0.20%とした。
【0010】Siは母材の強度確保、脱酸などに必要で
あるが、0.3%を超えると溶接熱影響部に硬化組織の
高炭素マルテンサイトを生成し、靱性を低下させる。ま
た、0.01%未満では脱酸不足となるためにSi含有
量を0.01〜0.30%に制限した。Mnは母材の強
度、靱性を確保するために0.4%以上の含有を要する
が、溶接部の靱性、割れ性などの特性を満たす必要から
上限を2.0%とした。
【0011】Pは固溶体強化し降伏点を上昇させるの
で、できるだけ低減する必要があるが0.02%以下に
すればその影響は少ないので上限を0.02%とした。
SはMnSを生成し、γの細粒化と粒内フェライト核と
して作用しフェライトを細粒化し降伏点を上昇さる。さ
らに薄手材で必然的に低温圧延となることからMnSは
延伸し、UST欠陥、ラメラティアを生じるため、C
a,Mg,REMを添加し延伸しない硫化化合物組成に
改質する必要がある。しかし、Sが0.015%を超え
ると、この硫化物数が増加し、UST欠陥、ラメラティ
アを改善することはできないので0.015%以下とし
た。
【0012】NはAlN,TiN、などの窒化物を形成
することによるフェライトの細粒化と、フェライトへの
固溶体強化とにより降伏強度を高めるので、その上限を
0.005%とした。次にAlはフェライト中の固溶N
をAlNとして固定し、さらに、フェライト組織割合を
増加させるために添加するものであり、これらの効果を
発揮させるには、全Alで0.15%以上を含有する必
要がある。また0.30%を超えると、これらの効果が
飽和することと、粗大なAl2 3 を多数生成し、靱性
の低下を生じるために上限を0.30%とした。
【0013】以上の記述が本発明の成分組成の基本をな
すものであるが、低温圧延時に顕著となるMnSの延伸
に起因する、UST欠陥の防止、耐ラメラティア特性の
改善を目的にCa,Mg,REMの1種または2種以上
を含有できる。Ca,Mg,REMの効果は、高温変形
能の小さいCa,REM,Mgの酸硫化物を生成させ、
熱間圧延時に延伸するMnSの生成を阻止し、圧延によ
り延伸しない介在物組成に変化させることで、UST欠
陥の防止、耐ラメラティア特性の改善をもたらすもので
ある。しかし、重量%でCaが0.005%を、Mgが
0.005%を、REMで0.01%を、超えると、生
成する酸硫化物は粗大介在物となり、母材及び、溶接部
の靱性悪化をもたらすので、これらの元素の含有量の上
限を各々、Ca:0.005%、Mg:0.005%、
REM:0.01%に制限した。加えて、Ca,Mg,
REMの含有量が含有S量に対し、ΔS(%)=S
(%)−0.8×Ca(%)−1.3×Mg(%)−
0.2×REM(%)で示す式でΔSを−0.005%
〜0.010%に制限したのは、ΔSが−0.005%
未満ではCa,Mg,REMが過剰に酸硫化物を生成
し、UST欠陥、ラメラティア特性を悪化し、靱性低下
をももたらすために下限を−0.005%とし、ΔSが
0.01%を超えるとCa,Mg,REMが不足し、酸
硫化物が十分に生成できずMnSの生成を防止できない
ために上限を0.010%とした。
【0014】さらに、上記の本発明の基本成分組成に、
制御圧延による圧延組織制御をおこない母材の強度、靱
性を得る目的から、マイクロアロイ元素のNb,V,T
i,Bの1種または2種以上を添加することができる。
Nb,V,Ti,Bは微量添加により圧延組織を微細化
できることから低合金化でき溶接特性を向上できる。し
かしながら、これらの元素の過剰な添加は溶接部の硬化
や、母材の高降伏点化をもたらすので、各々の含有量の
上限をNb:0.05%、V:0.1%、Ti:0.0
3%、B:0.003%とした。
【0015】加えて、本発明鋼の基本成分組成に、母材
強度、靱性を得る目的で、Cr,Mo,Ni,Cuの1
種または2種以上を添加することができる。Cr,Mo
は主に母材の高強度化のために添加するものであるが、
各々が1.0%を超えると溶接熱影響部を硬化し溶接割
れ性を高めるために上限を1.0%とした。
【0016】Ni,Cuは強度を高めると同時に靱性を
高め、有効であるがNiが3%を超えるとベイナイトを
生成し明瞭な降伏点が得られなくなるために上限を3%
とした。Cuは1%を超えると熱間圧延時に表面疵を生
じ易くなるために上限を1%とした。
【0017】
【実施例】試作形鋼は転炉溶製し、連続鋳造により25
0〜300mm厚鋳片に鋳造した後、1280℃に加熱
し、図1に示すユニバーサル圧延装置列(粗圧延工程の
図示は省略)でH形鋼に圧延した。ウェブの変形防止の
ためのフランジ外面水冷は中間圧延機4の前後に水冷装
置5aを設け、圧延パス間でのスプレー冷却とリバース
圧延の繰り返しと仕上げユニバーサル圧延機6で圧延を
終了した後、仕上げユニバーサル圧延機の後面に設けた
冷却装置5bでスプレー冷却した。圧延後の水冷はフラ
ンジ1/4F部での平均冷却速度で、H400×200
×6/12サイズでは9℃/s、H700×250×9
/16では7℃/sになるように加速冷却した。
【0018】機械特性は図2に示すフランジ2の板厚t
2 の中心部(1/2t2 )でフランジ幅全長(B)の1
/4,1/2幅(1/4B,1/2B)から試験片を採
取し求めた。なお、これらの箇所の特性を求めたのはフ
ランジ1/4F部はH形鋼の平均的な機械特性を示し、
フランジ1/2F部は耐ラメラティア特性の指標となる
板厚方向の引張り試験での絞り値が最も低下するので、
これらの2箇所により本発明の目的とする機械試験特性
を代表できるとしたためである。
【0019】表1には、基本成分組成を有する試作鋼と
比較鋼の化学成分値を、表2および表3にはこの基本成
分組成に加えNb,V等のマイクロアロイとCr,Mo
等の合金元素を含有させた試作鋼と比較鋼の化学成分値
を示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】これらのH形鋼の圧延仕上げ温度とH形鋼
の各部位の機械試験特性を各々表4および表5、表6お
よび表7に示す。なお、圧延加熱温度を1280℃に揃
えたのは、一般的に加熱温度の低減は機械特性を向上さ
せることは周知であり、高温加熱条件は機械特性の最低
値を示すと推定され、この値がそれ以下の加熱温度での
特性を代表できると判断したためである。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】表4および表5、表6および表7に示すよ
うに、本発明による鋼1〜7、鋼D1〜D13は、目標
のSM400ではYP=245〜345N/mm2 、SM
490ではYP=324〜424N/mm2 、SM570
ではYP=461〜561N/mm2 のJIS規格の下限
値+100N/mm2 の範囲内に制御され、しかも、降伏
比(YP/TS)も0.80以下の低YR値を満たし、
抗張力(前記JISG3106)と−5℃でのシャルピ
ー値47(J)以上を十分に満たしている。また、耐ラ
メラティア特性の基準値となる1/2Fの板厚方向の引
張り試験の絞り値も、目標の25%以上を満たしてい
る。一方、比較鋼の鋼8,9、NlはAl含有量が発明
の範囲の下限値より低く、固溶Nが低減できず目標のY
PのJIS規格の下限値+100N/mm2 の範囲を超
え、満足しない。加えてCa,Mg,REMが含有され
ておらず、MnSの生成を低減できないために、1/2
Fの板厚方向の引張り試験の絞り値が目標の25%以下
となりラメラティア特性を改善できない。また、比較鋼
の鋼10はYPはSM570におけるYP=461〜5
61N/mm2 の範囲にあるものの、絞り値が25%以下
となり目標を満足できない。一方、鋼N2はCaが添加
されΔS%が本発明の範囲にあるので、絞り値は25%
以上にあるものの、Al含有量が発明の範囲の下限値を
はずれているためにYPがSM570の上限値の561
N/mm2 を超え、目的のYP値を得られない。
【0029】即ち、本発明の要件が総て満たされた時
に、表4および表5、表6および表7に示される形鋼1
〜7、D1〜D13のように、薄手サイズの圧延形鋼の
低温圧延による高降伏点化を抑制し、優れた耐ラメラテ
ィア特性を有する建材用構造部材に適合した、圧延まま
での形鋼の製造が可能になる。なお、本発明が対象とす
る圧延形鋼は上記実施例のH形鋼に限らずI形鋼、山形
鋼、溝形鋼、不等辺不等厚山形鋼等のフランジを有する
形鋼、厚鋼板にも適用できることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】本発明による圧延形鋼は低温圧延条件下
においても降伏点をJIS規格の下限値+100N/mm
2 の範囲に制御でき、狭幅降伏点と耐ラメラティア特性
を有する、建築用形鋼製造がインラインで可能になり、
大型構造物の信頼性の向上、経済性等の産業上の効果は
極めて顕著なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施する装置配置例の略図である。
【図2】H形鋼の断面形状および機械試験片の採取位置
を示す図である。
【符号の説明】
1…H形鋼 2…フランジ 3…ウェブ 4…中間圧延機 5a…中間圧延機前後面の水冷装置 5b…仕上げ圧延機後面冷却装置 6…仕上げ圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C:0.04〜0.20%、 Si:0.01〜0.30%、 Mn:0.4〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 N:0.005%以下 Al:0.15〜0.30%を基本成分とし、かつ、Δ
    S(%)=S(%)−0.8×Ca(%)−1.3×M
    g(%)−0.2×REM(%)の式に示すΔSが−
    0.005%〜0.010%になるようにCa:0.0
    05%以下、Mg:0.005%以下、REM:0.0
    1%以下のいずれかの1種または2種以上を含有するこ
    とを特徴とする降伏点制御圧延形鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で C:0.04〜0.20%、 Si:0.01〜0.30%、 Mn:0.4〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 N:0.005%以下 Al:0.15〜0.30%を基本成分とし、かつ、Δ
    S(%)=S(%)−0.8×Ca(%)−1.3×M
    g(%)−0.2×REM(%)の式に示すΔSが−
    0.005%〜0.010%になるようにCa:0.0
    05%以下、Mg:0.005%以下、REM:0.0
    1%以下のいずれかの1種または2種以上を含有し、加
    えてNb:0.05%以下、V:0.1%以下、Ti:
    0.03%以下、B:0.003%以下のいずれかの1
    種または2種以上を含有することを特徴とする降伏点制
    御圧延形鋼。
  3. 【請求項3】 重量%で C:0.04〜0.20%、 Si:0.01〜0.30%、 Mn:0.4〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 N:0.005%以下 Al:0.15〜0.30%を基本成分とし、かつ、Δ
    S(%)=S(%)−0.8×Ca(%)−1.3×M
    g(%)−0.2×REM(%)の式に示すΔSが−
    0.005%〜0.010%になるようにCa:0.0
    05%以下、Mg:0.005%以下、REM:0.0
    1%以下のいずれかの1種または2種以上を含有し、加
    えてCr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Ni:
    3.0%以下、Cu:1.0%以下のいずれかの1種ま
    たは2種以上を含有することを特徴とする降伏点制御圧
    延形鋼。
  4. 【請求項4】 重量%で C:0.04〜0.20%、 Si:0.01〜0.30%、 Mn:0.4〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 N:0.005%以下 Al:0.15〜0.30%を基本成分とし、かつ、Δ
    S(%)=S(%)−0.8×Ca(%)−1.3×M
    g(%)−0.2×REM(%)の式に示すΔSが−
    0.005%〜0.010%になるようにCa:0.0
    05%以下、Mg:0.005%以下、REM:0.0
    1%以下のいずれかの1種または2種以上を含有し、加
    えてNb:0.05%以下、V:0.1%以下、Ti:
    0.03%以下、B:0.003%以下のいずれかの1
    種または2種以上を含有し、さらにCr:1.0%以
    下、Mo:1.0%以下、Ni:3.0%以下、Cu:
    1.0%以下のいずれかの1種または2種以上を含有す
    ることを特徴とする降伏点制御圧延形鋼。
JP7195693A 1993-03-30 1993-03-30 降伏点制御圧延形鋼 Expired - Lifetime JP2911332B2 (ja)

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