JP2910470B2 - 加水分解性の有機ケイ素化合物を含有する塩化水素の精製方法 - Google Patents

加水分解性の有機ケイ素化合物を含有する塩化水素の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加水分解性の有機ケイ
素化合物を含む塩化水素を経済的に精製再利用すること
を可能にした塩化水素の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】加水分
解性の有機ケイ素化合物(特に、エステルシランなど)
は、近年その反応性の良さから各種シリコーン工業製品
の中間原料や各種添加剤(例えば、塗料添加剤)として
大量に用いられるようになってきた。
【0003】この加水分解性の有機ケイ素化合物の製造
は、例えばエステルシランでは通常クロルシランをエス
テル化して行われる。この際の反応は脱塩酸反応である
ので、加水分解性の有機ケイ素化合物を含有した大量の
塩化水素が発生する。現在、この塩化水素は工業的に安
価なアルカリ源である苛性ソーダで有機ケイ素化合物と
共に中和処理されている。
【0004】しかし、経済的には中和せずに副生する塩
化水素を回収再利用する方が有利であるので、回収再利
用することが望まれていたが、含有する加水分解性の有
機ケイ素化合物が回収操作上の障害となり、今まで実用
化には至っていなかった。
【0005】即ち、ガス中の加水分解性の有機ケイ素化
合物を分離する方法としては、塩化水素と加水分解性の
有機ケイ素化合物とが混在する状態で水或は塩酸水と接
触させて有機ケイ素化合物を加水分解し、ゲル状固形物
として系外に除去する方法があるが、この方法では粘着
性のゲルが生成するために濾過等の工業的な固液分離手
段では分離が困難であった。
【0006】一方、これらの方法の他に、加水分解性の
有機ケイ素化合物の種類に関係なくガス中の加水分解性
の有機ケイ素化合物を除去する方法として吸着法が知ら
れており、この方法は有機ケイ素化合物が例えばクロル
シラン等の無機シランである場合には、活性炭等の吸着
剤を用いても吸脱着操作の繰り返し回数の多い、耐久寿
命の長い工業化技術として実用化されている。また、加
水分解性の有機ケイ素化合物が塩化水素と共存しない場
合、例えば窒素、水素等の単一ガス中に含まれる場合に
は、有機ケイ素化合物の除去手段として吸着剤を用いる
吸着法は十分かつ吸脱着操作の繰り返し回数が多く、耐
久寿命の長い実用上有効な方法であった。
【0007】しかし、加水分解性の有機ケイ素化合物と
塩化水素が共存する場合には、塩化水素存在下における
加水分解性の有機ケイ素化合物独特の反応性のために短
時間で吸着性能が低下するので、実用化するに当っては
頻繁な吸着剤の入れ替えが必要で、このため加水分解性
の有機ケイ素化合物を含む塩化水素を吸着法で精製する
ことは、経済的には成立し難い方法であった。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
事情に鑑み、加水分解性の有機ケイ素化合物を含有する
塩化水素を経済的に有利に精製再利用し得る精製方法を
開発することを目的として鋭意検討を重ねた結果、加水
分解性の有機ケイ素化合物を含有する塩化水素から活性
炭を用いて加水分解性の有機ケイ素化合物を吸着除去し
て精製する際、活性炭として細孔直径が30〜40オン
グストローム(Å)のものを使用した場合、意外にも加
水分解性の有機ケイ素化合物が活性炭表面へ化学吸着す
ることが可及的に防止され、このため活性炭の細孔の閉
塞による吸着性能の低下が防止され、長時間にわたって
物理吸着を持続させ得ること、それ故加水分解性の有機
ケイ素化合物を含有する塩化水素を活性炭を用いた吸着
法で吸着操作の繰り返し回数を多く、耐久寿命を伸ばし
て効率良く精製し得て、上記目的を達成し得ることを見
い出し、本発明をなすに至った。
【0009】従って、本発明は、加水分解性の有機ケイ
素化合物を含有する塩化水素から活性炭を用いて加水分
解性の有機ケイ素化合物を吸着除去して精製する際、活
性炭として細孔直径が30〜40Åのものを使用するこ
とを特徴とする加水分解性の有機ケイ素化合物を含有す
る塩化水素の精製方法を提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明において除去対象となる加水分解性の有機ケイ素化合
物は、加水分解性の有機シラン化合物及びシロキサン化
合物であり、このような加水分解性の有機ケイ素化合物
としては、下記一般式(1)又は(2)で示すものが挙
げられる。
【0011】
【化1】
【0012】ここで、R1〜R6は互に同一又は異種の加
水分解可能な基又は置換もしくは非置換の一価炭化水素
基であり、nは0〜20の整数を示す。また、R7,R8
はR1〜R6と同様の基、mは3〜20の整数である。こ
の場合、上記式(1),式(2)の化合物は少なくとも
一つの加水分解可能な基を含むもので、式(1)におい
て、n=0の場合、R1,R4〜R6の少なくとも一つは
加水分解可能な基、n=1〜20の場合、R1〜R6の少
なくとも一つは加水分解可能な基、R7とR8のうち少な
くとも一つは加水分解可能な基である。
【0013】この場合、加水分解可能な基としては、水
素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルコ
キシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基等が挙げられ
る。また、一価炭化水素基は炭素数1〜10であること
が好ましく、メチル、エチル、プロピル等のアルキル
基、ビニル、アリル等のアルケニル基、フェニル等のア
リール基、ベンジル等のアラルキル基、これらの基の一
部又は全部の水素をハロゲン原子やシアノ基等で置換し
た置換一価炭化水素基などが挙げられる。
【0014】より具体的には、加水分解性の有機シラン
化合物として、例えばエステルシラン類やその部分ハロ
ゲン置換体などが挙げられ、これにはトリメトキシシラ
ン,ジメトキシシラン,テトラメトキシシラン,テトラ
エトキシシラン,トリエトキシシラン,ジエトキシシラ
ン及びこれらの化合物のアルコキシル基をハロゲン置換
した化合物等が例示される。
【0015】なお、本発明ではこれらの化合物であれば
環状、直鎖状を問わず、ポリマー的な性質を持つもので
あっても良い。
【0016】また、本発明では、精製処理(上記有機ケ
イ素化合物の吸着処理)に用いる活性炭として、細孔直
径が30〜40Åのものを使用するもので、細孔直径が
30Åより小さいと加水分解性の有機ケイ素化合物が活
性炭表面に化学吸着して活性炭の細孔を塞ぎ、活性炭の
吸着性能を著しく低下させるため、短い破過時間で加水
分解性の有機ケイ素化合物が破過し、寿命耐久性が短く
なる。また、細孔直径が40Åより大きいと分離すべき
加水分解性の有機ケイ素化合物が活性炭表面に十分に物
理吸着されず、同様に短い破過時間で加水分解性の有機
ケイ素化合物が破過する。
【0017】なお、加水分解性の有機ケイ素化合物を効
率よく吸着させるためには、吸着塔への充填効率の良い
成形炭を用いることが好ましい。
【0018】本発明においては、上記加水分解性の有機
ケイ素化合物を含有する塩化水素から細孔直径が30〜
40Åの活性炭を用いて有機ケイ素化合物を吸着除去
し、塩化水素を精製するもので、かかる処理を行う方法
としては吸着塔を用いる方法が好適に採用される。
【0019】即ち、この方法においては、まず吸着塔に
吸着剤である活性炭を充填する。次に、加水分解性の有
機ケイ素化合物を含有する塩化水素ガスを一方より吹き
込み、加水分解性の有機ケイ素化合物を活性炭に吸着さ
せる。加水分解性の有機ケイ素化合物が破過する前に上
記ガスの吹き込みを停止し、活性炭に吸着した加水分解
性の有機ケイ素化合物を脱着させる。この脱着操作の際
には、効率良く有機ケイ素化合物を脱着させるために搬
送ガスを流し、40Torr以下の減圧度にし、100
〜200℃に加熱しながら行うことが最も好ましい。ま
た、この搬送ガスには、脱着時に除去した加水分解性の
有機ケイ素化合物が反応して脱着後の後処理が難しくな
らないように窒素等の不活性ガスを用いるのが好まし
い。なお、通常吸着操作で採られているように、複数の
吸着塔を組み合わせて用いれば、この吸脱着操作を間断
なく行うことができる。
【0020】上述の方法では、通常上記の吸脱着操作を
20〜80回程度繰り返すと、繰り返しを重ねるに従い
能力が低下し、最終的には能力が完全に失われる。そこ
で、本発明では活性炭の吸脱着操作の繰り返しで失活し
た活性炭をアルカリ性水溶液又は酸性水溶液を用いて洗
浄して再生させることが好ましく、この洗浄により活性
炭を吸着処理前の活性に近い状態にまで賦活させること
ができる。
【0021】ここで、活性炭の洗浄液として用いるアル
カリ性水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液やその
アルコールと水の混合溶液、アンモニア、テトラメチル
ハイドロオキサイド等の有機アルカリ性水溶液等が挙げ
られる。また、アルカリ性水溶液の濃度は10〜30%
(重量%、以下同様)、特に20〜30%であることが
好ましい。濃度が10%に満たないと吸着剤の再生作用
が弱まってしまう場合があり、濃度が30%を超えると
洗浄操作のハンドリングを悪くする場合がある。
【0022】更に、失活した活性炭表面は有機ケイ素化
合物の残基により疎水性になっているので、活性炭表面
と洗浄液との濡れ性を向上させて洗浄効果を高めるため
に、アルカリ性水溶液としてアルコールと水の混合溶液
を用いることが好ましく、アルコールと水とを1:3〜
1:1の割合で混合したものを用いることが好適であ
る。なお、アルコールとしては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等を用いることができる。
【0023】また、本発明方法では浸漬時間を長くすれ
ばするほど洗浄処理後に能力の高い活性炭が得られる。
この浸漬時間は、温度及び洗浄するアルカリ性水溶液の
濃度を高くすることによって短縮することができるが、
温度及び洗浄するアルカリ性水溶液の濃度を高くしすぎ
ると、液相での活性炭表面の再生洗浄効果が減少し、洗
浄処理後に能力の高い活性炭を得られなくなるので、洗
浄処理に用いるアルカリ性水溶液の沸点以下で3〜24
時間、特に3〜10時間とすることが望ましい。
【0024】一方、洗浄剤として使用する酸性水溶液と
しては、例えばフッ化水素酸、リン酸等の無機酸、シュ
ウ酸、クエン酸等の有機酸の水溶液などが挙げられる。
また、この酸性水溶液の濃度は、濃い方が活性炭表面に
化学吸着した珪素化合物がエッチングされて浸漬時間が
短くなって良いが、吸着塔の材質に対する腐食性を考慮
し、1〜10%とするのが好ましい。
【0025】酸性水溶液を用いた場合の浸漬時間は3〜
10時間程度とすることが好ましい。この浸漬時間も前
述のアルカリ性水溶液の場合同様、洗浄処理の温度を上
げることにより短縮することができるが、実際上は酸性
水溶液の沸点以下の浸漬温度条件下で行うのが好まし
い。
【0026】更に、活性炭の洗浄は、失活した活性炭が
充填されている吸着塔の一方よりアルカリ性水溶液又は
酸性水溶液を流し込み、活性炭を浸漬させて十分な浸漬
を行った後、吸着塔に流し込んだ水溶液を塔底より抜取
ることで行うことができる。また、上記酸性水溶液又は
アルカリ性水溶液による他の再生洗浄方法の一例とし
て、外部に酸又はアルカリの貯槽を設け、吸着塔間をポ
ンプで循環洗浄する方法が挙げられ、この方法によれば
効果的な固−液接触及び薬品の経済的な使用が図れる。
【0027】上記のようにして洗浄した後は、洗浄液を
抜き取り、酸性水溶液の場合には弱アルカリ性水溶液、
アルカリ性水溶液の場合には弱酸性水溶液で洗浄し、そ
の後中性水でpHが中性を示すまで洗浄することが好ま
しい。このように弱アルカリ性水溶液又は弱酸性水溶液
を用いると、表面処理に用いた強酸性水溶液又は強アル
カリ性水溶液と中和反応をして、洗浄の回数を少なくで
きるので好ましいが、中和によって水溶性の塩ができる
ように、また中和反応でできた塩によって再生しようと
している活性炭の細孔が塞がれないように中性水で十分
に洗浄することが望ましい。
【0028】中和後は減圧乾燥し、活性炭表面に残留す
る水分を除去するが、この活性炭の減圧乾燥は加温して
行う方が効率が良く、100〜150℃で行うことが好
ましい。
【0029】このように活性炭を洗浄すると、吸着除去
操作で失活した活性炭の活性が吸着処理前の活性に近い
状態に賦活再生するもので、このため洗浄後は洗浄前と
同様に吸脱着操作を連続して行うことが可能である。
【0030】この場合、本発明によれば、細孔直径が3
0〜40オングストロームの活性炭を用いているので、
この範囲外の細孔直径の活性炭を用いるより、活性炭の
賦活再生可能回数が多くなり、約20〜50サイクル程
度の活性炭の賦活再生が可能で、活性炭寿命がより長期
化する。ここで、1サイクルとは、有機ケイ素化合物の
活性炭処理を活性炭に対しその能力が低下するまで数回
〜数十回の吸脱着操作を繰り返しながら行い、次いで失
活した活性炭を再生するまでの一連の工程をいう。
【0031】具体的には、活性炭が失活するまでの吸脱
着可能回数及び上記洗浄操作による活性炭再生可能サイ
クルと活性炭の細孔直径とは概略表1のような関係があ
る。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の塩化水素の精製方法によれば、
加水分解性の有機ケイ素化合物を含有する塩化水素を今
まで吸着剤がすぐに失活してしまうために経済性の点で
用いることができなかった吸着操作を用いて吸着効率良
く低コストで分離除去することができるもので、短時間
で吸着効率が低下することなく、吸脱着操作の繰り返し
回数も多く、寿命耐久性が長いものである。更に、本発
明方法は精製した塩化水素を再度塩素源として用いるこ
とができる上、今まで加水分解性の有機ケイ素化合物を
含有する塩化水素を中和するために大量に使用していた
アルカリ源を節約でき、極めて経済的に有利な方法であ
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
【0035】〔実施例1〕図1に示す吸着装置を用い、
下記方法で塩化水素を精製した。まず、吸着塔1に50
gの活性炭を充填した。なお、使用前に比表面積を多点
式のBET法で測定し、1243m2/gの値を、細孔
直径についてはBJH法で測定し、33〜36Åの値を
得た。
【0036】活性炭を充填後、温度150℃で、1時間
活性炭の減圧乾燥を行った。その後、表2のガス組成の
吸着ガスを吸着塔1の塔底より吹き込み、吸着剤に吸着
させた。この場合、N 2ガスはN 2搬入管2,2’から搬
入し、一方はシランバブラー3中央に設置されたシラン
を入れた容器4内を通し、他方はメタノールバブラー
3’中央に設置されたメタノールを入れた容器4’内を
通し、またHCl搬入管5からHClガスを搬入し、ガ
ス搬入管6から吸着塔1内に吹き込んだ。
【0037】吸着塔1を通過したガスは、塔頂に連結し
たガス排出管7からドライアイスとメタノールとを収容
した深冷トラップ8内の空容器9、水を満たした洗気ビ
ン10、ガスメーター11を通して外部に排出した。
【0038】破過時間は、塔頂にサンプリング口を設
け、吸着剤を通過してくるガスをサンプリングしてガス
クロマトグラフにて分析し、加水分解性の有機ケイ素化
合物から派生すると思われるピークが検出された時間と
した。
【0039】加水分解性の有機ケイ素化合物の破過を確
認した後、吸着操作を止め、150℃、15mmHgの
減圧下、塔頂に連結されたN 2搬入管12よりN 2ガスを
吸着塔1に導入し、排出ガスは排出管13、上記空容器
9を通し、ポンプ14により外部に排出した。なお、搬
送N 2量0.3Nl/minで3時間の脱着を行った。
この吸脱着を5回繰り返したところ、破過時間は表3に
示すとおりであった。終了後、活性炭を吸着塔1から取
り出し、上記と同様の方法で比表面積を測定し、110
8m2/gの値を得た。
【0040】
【表2】
【0041】〔実施例2,比較例1,2〕活性炭として
表3に示すものを使用する以外は実施例1と同様にして
操作を行った。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3の比表面積と破過時間の測定結果よ
り、本発明の特長である細孔直径の範囲の活性炭を用い
ると、破過時間が長くなることから、効率良く加水分解
性の有機ケイ素化合物を含有した塩化水素から加水分解
性の有機ケイ素化合物を分離することができることがわ
かった。従って、本発明の精製方法により加水分解性の
有機ケイ素化合物を含有した塩化水素を吸着操作で安価
に精製することが可能になることがわかった。
【0044】〔実施例3、比較例3,4〕図1に示す吸
着装置を用い、下記方法で塩化水素を精製した。まず、
吸着塔1に50gの活性炭を充填した。なお、細孔直径
についてはBJH法で測定し、36〜40Åの値を得
た。
【0045】活性炭を充填後、温度150℃で、1時間
活性炭の減圧乾燥を行った。その後、表2のガス組成の
吸着ガスを吸着塔1の塔底より吹き込み、吸着剤に吸着
させた。この場合、N 2ガスはN 2搬入管2,2’から搬
入し、一方はシランバブラー3中央に設置されたシラン
を入れた容器4内を通し、他方はメタノールバブラー
3’中央に設置されたメタノールを入れた容器4’内を
通し、またHCl搬入管5からHClガスを搬入し、ガ
ス搬入管6から吸着塔1内に吹き込んだ。
【0046】吸着塔1を通過したガスは、塔頂に連結し
たガス排出管7からドライアイスとメタノールとを収容
した深冷トラップ8内の空容器9、水を満たした洗気ビ
ン10、ガスメーター11を通して外部に排出した。
【0047】破過時間は、塔頂にサンプリング口を設
け、吸着剤を通過してくるガスをサンプリングしてガス
クロマトグラフにて分析し、加水分解性の有機ケイ素化
合物から派生すると思われるピークが検出された時間と
した。
【0048】加水分解性の有機ケイ素化合物の破過を確
認した後、吸着操作を止め、150℃、30mmHgの
減圧下、塔頂に連結されたN 2搬入管12よりN 2ガスを
吸着塔1に導入し、排出ガスは排出管13、上記空容器
9を通し、ポンプ14により外部に排出した。なお、搬
送N 2量0.4Nl/minで3時間の脱着を行った。
【0049】この吸脱着操作を初期は失活するまで、そ
の後は15回行った時点で活性炭の再生操作を下記のよ
うに行った。
【0050】まず、再生すべき活性炭を25重量%の苛
性ソーダ水溶液に80℃で5時間浸漬させた後、純水で
洗浄水が中性になるまで洗浄した。その後、150℃,
30mmHgの減圧下、塔頂に連結しされたN2搬入管
によりN2ガスを吸着塔1に導入し、排出ガスは排出管
13を通し、ポンプ14により外部に排した。なお、搬
送N2量は0.1Nl/minであり、3時間乾燥させ
た。
【0051】この操作終了後、上記と同様にして吸脱着
操作を繰り返した。また、以上のサイクル(吸脱着操作
及び活性炭の再生操作)を活性炭が完全に失活するまで
繰り返した。
【0052】比較のため、細孔直径の小さい活性炭、大
きい活性炭を使用して同様に実験を行った。
【0053】表4に、初期(1回目)の吸脱着操作の繰
り返しで活性炭が完全に失活するまでの吸脱着回数、上
記サイクルの繰り返しで活性炭が完全に失活するまでの
サイクル数を示すと共に、初期(1回目)乃至16回目
までの各サイクルにおける初回吸着時の破過時間を示
す。
【0054】
【表4】
【0055】表4の結果より、本発明の範囲内にある細
孔直径の活性炭を用いると、活性炭の寿命が長くなるこ
とから、本発明によれば加水分解性の有機ケイ素化合物
を含有した塩化水素を活性炭により効率良く安価に精製
することが可能になることが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した吸着装置の概略図である。
【符号の説明】
1 吸着塔 2,2’ N2ガス搬入管 3 シランバブラー 3’ メタノールバブラー 4,4’ 容器 5 HClガス搬入管 6 ガス搬入管 7 ガス排出管 8 深冷トラップ 9 空容器 10 洗気ビン 11 ガスメーター 12 N2ガス搬入管 13 排出管 14 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 孝明 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社 合成技術研究 所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 7/07

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解性の有機ケイ素化合物を含有す
    る塩化水素から活性炭を用いて該加水分解性の有機ケイ
    素化合物を吸着除去して精製する際、活性炭として細孔
    直径が30〜40オングストロームのものを使用するこ
    とを特徴とする加水分解性の有機ケイ素化合物を含有す
    る塩化水素の精製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の精製方法において、活性
    炭への吸脱着操作の繰り返しで失活した活性炭をアルカ
    リ性水溶液又は酸性水溶液で洗浄して賦活させる加水分
    解性の有機ケイ素化合物を含有する塩化水素の精製方
    法。
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