JP2910134B2 - β―(p―ヒドロキシフエニル)プロピオグアナミン及びその製造法 - Google Patents

β―(p―ヒドロキシフエニル)プロピオグアナミン及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は塗料,積層板材料,成形材料として有用な熱
硬化性樹脂を与える新規な2,4−ジアミノ−s−トリア
ジン誘導体であるβ−(p−ヒドロキシフエニル)プロ
ピオグアナミン及びその製造法に関する。
(従来の技術) 従来より種々の,アミノ基を含有するトリアジン誘導
体が知られている。これらの誘導体は塩基性触媒の存在
下にホルムアルデヒド等のカルボニル化合物と反応させ
ると,アミノ基にカルボニル化合物が付加したメチロー
ル化物が得られ,このものは熱硬化性樹脂として有用で
ある。また,メチロール化物は通常,溶媒に難溶なの
で,メタノールやn−ブタノール等の飽和脂肪族アルコ
ールと反応させてアルキルエーテルとし,可溶性を与え
ることが行なわれている。このものは単独で使用する
他,熱硬化性アクリル樹脂やアルキツド樹脂等の塗料用
樹脂の硬化剤としても使用されている。これらの用途に
使用されるアミノ基含有トリアジン誘導体には,メラミ
ン(2,4,6−トリアミノ−s−トリアジン)や,ベンゾ
グアナミン(2,4−ジアミノ−6−フエニル−s−トリ
アジン)があり,この二種の化合物が需要の大部分を占
めている。メラミンやベンゾグアナミンでは特性を満足
できない用途に,変性剤として,あるいは単独で,アジ
ポグアナミンやCTUグアナミンが使用されている。
(発明が解決しようとする課題) 脂肪族ポリアミン等の種々のアミノ化合物が,エポキ
シ樹脂の硬化剤として使用されているが,これらのアミ
ノ基含有トリアジン誘導体は極めて難溶性であるため,
エポキシ樹脂への適用は困難であつた。本発明は有機溶
媒に易溶なアミノ基含有トリアジン誘導体であるβ−
(p−ヒドロキシフエニル)プロピオグアナミン及びそ
の製造法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は,式〔I〕で表わされるβ−(p−ヒドロキ
シフエニル)プロピオグアナミンに関する。
また,本発明はβ−(p−ヒドロキシフエニル)プロ
ピオニトリルとジシアンジアミドとを塩基性触媒の存在
下に反応させることを特徴とする,前記式〔I〕で表わ
されるβ−(p−ヒドロキシフエニル)プロピオグアナ
ミンに関する。
本発明になるβ−(p−ヒドロキシフエニル)プロピ
オグアナミンはメチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒
に易溶であり,他のアミノ基含有トリアジン化合物であ
るメラミンやベンゾグアナミン,アジポグアナミン,CTU
グアナミン等がほとんどの有機溶媒に極めて難溶である
のに比べて著しい特長を有する。本発明になるβ−(p
−ヒドロキシフエニル)プロピオグアナミンはメチルセ
ロソルブ等のセロソルブ系溶媒に易溶であるので,エポ
キシ樹脂と共に溶解することにより,ガラスクロス等に
含浸可能なワニスが容易に得られる。このワニスを溶剤
揮散後加熱硬化して得られる硬化物は熱的・化学的に極
めて安定なトリアジン環を有するため,耐熱性の優れた
ものとなる。しかも,末端のフエノール性水酸基もエポ
キシ樹脂との反応性を有するため,硬化反応に関与し,
耐熱性を向上できる。
β−(p−ヒドロキシフエニル)プロピオグアナミン
は,例えば,β−(p−ヒドロキシフエニル)プロピオ
ニトリルとジシアンジアミドとを塩基性触媒存在下で反
応させることにより得ることができる。β−(p−ヒド
ロキシフエニル)プロピオニトリルは,例えばアクリロ
ニトリルとフエノールとを塩化アルミニウムの存在下に
反応させることにより得られることができる(工業化学
雑誌第61巻第5号(1958),619頁)。β−(p−ヒドロ
キシフエニル)プロピオニトリルに対してジシアンジア
ミドは2〜3倍モルの範囲で使用されることが好まし
い。2倍モル未満では目的物のトリアジン誘導体の収率
が悪くなる傾向があり,3倍モルを超えるとジシアンジア
ミドの使用量が多くなり経済性が劣る傾向がある。
塩基性触媒としては,例えば,水酸化ナトリウム,水
酸化カリウム,ナトリウムメトキシド等の強アルカリが
使用できる。塩基性触媒はフエノール性水酸基により消
費されるため,β−(p−ヒドロキシフエニル)プロピ
オニトリルに対して1.1〜1.5倍モルの範囲で使用される
ことが好ましい。1.1倍モル未満では,反応が進行しに
くいことがあり,1.5倍モルを超えても収率はあまり向上
しない。反応溶媒としては例えばメチルセロソルブ,ブ
タノール等の極性溶媒が使用できる。反応温度は100〜1
50℃とされることが好ましい。100℃未満では反応が進
行しにくく,150℃を超えるとジシアンジアミドの分解等
好ましくない副反応が生じやすくなる。反応終了後反応
混合物を濃塩酸等の酸で中和し,その中和液を水等の貧
溶媒に注ぐことにより,β−(p−ヒドロキシフエニ
ル)プロピオグアナミンを白色結晶として析出させるこ
とができる。酸は塩基性触媒に対して1.1〜1.5倍モルの
範囲で使用されることが好ましい。
本発明のアミノ基含有トリアジン化合物とエポキシ樹
脂とを適当な溶剤に溶解することにより,ガラスクロス
等に含浸させて積層板を作成するのに好適なワニスを得
ることができる。
(実施例) 以下,実施例によつて本発明を説明する。
実施例1 攪拌機,蒸留装置および温度計を備えた300ml容の四
ツ口フラスコ中にβ−(p−ヒドロキシフエニル)プロ
ピオニトリル29.4g(0.2モル),ジシアンジアミド21.0
g(0.25モル),メチルセロソルブ160mlを仕込み,攪拌
しながら,ナトリウムメチラート−メタノール溶液(約
28重量%)50.0g(0.26モル)を5分間で加えた後,加
熱昇温した。反応液の温度が91℃になるとメタノールが
留出を始めたので,メタノールを抜き出しながら加熱昇
温を続けた。反応液の温度が118℃まで上昇した時点で
全還流に切替え,反応を続けた。この間,反応液は均一
な溶液であつた。昇温開始後3時間反応させた後,放冷
し,濃塩酸28.4g(0.28モル)で中和した。この中和液
を水300mlに注ぐと目的物のβ−(p−ヒドロキシフエ
ニル)プロピオグアナミンの白色結晶が析出した。析出
物を別し,熱水300mlに分散させて過する操作を3
回線り返して,不純物を除去した後,140℃で真空乾燥し
たところ,淡黄色の粉末状結晶が得られた。収量は34.6
gであり,収率は理論値に対して74.8gであつた。
得られた結晶を元素分析した結果,炭素57.25%,水
素5.51%,窒素30.14%であり,β−(p−ヒドロキシ
フエニル)プロピオグアナミンの理論値である炭素57.1
5%,水素5.67%,窒素30.28%に良く一致した。
次いでこの結晶の融点を測定したところ,253〜259℃
であつた。
この結晶の赤外スペクトルを第1図に示した。原料の
β−(p−ヒドロキシフエニル)プロピオニトリルの有
する−C≡N基の吸収(2270cm-1)が消失し,目的物に
あるべきトリアジン環の吸収(1635cm-1,1550cm-1)が
観測された。
さらに,この結晶の1H‐NMR(日立製作所製日立R-250
型核磁器共鳴スペクトロメーター,溶媒;重水素化ジメ
チルスルホキシド)スペクトルを第2図に示した。
2.5ppm付近に観測される吸収は溶媒に用いたジメチル
スルホキシドによるものであり,3.8ppm付近の吸収は水
によるものである。フエノール性水酸基に基づく吸収が
9.1ppm付近に存在し,ベンゼン環に結合する4ケの水素
に基づく吸収が7.0〜6.0ppm付近,トリアジン環に結合
した2ケのアミノ基に基づく吸収が6.6ppm付近,ベンゼ
ン環とトリアジン環とを結合するメチレン鎖に基づく吸
収が2.9〜2.5ppm付近に存在し,これらの吸収の積分値
の比は1:4:4:4であり,理論値とよく一致した。以上の
結果から得られた結晶はβ−(p−ヒドロキシフエニ
ル)プロピオグアナミンであることが確認できた。
応用例1 エポキシ樹脂エピコート828(油化シエルエポキシ社
製,エポキシ当量188)3.76gとβ−(p−ヒドロキシフ
エニル)プロピオグアナミン0.92(エポキシ樹脂のエポ
キシ基に対して0.2倍モル)とをメチルセロソルブ7.64g
に添加したところ,透明なワニスが得られた。このワニ
スは室温で一昼夜放置しても結晶が析出しなかつた。
比較例1 応用例1と同一のエポキシ樹脂3.76gとメラミン0.42g
(エポキシ樹脂のエポキシ基に対して0.167倍モル)と
をメチルセロソルブ6.82gに添加したし,良く攪拌した
が,メラミンの溶解性が悪く透明なワニスは得られなか
つた。
(発明の効果) 本発明のβ−(p−ヒドロキシフエニル)プロピオグ
アナミンは,メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒に
易溶であるので,エポキシ樹脂の硬化剤等として有用な
化合物である。
【図面の簡単な説明】
第1図はβ−(p−ヒドロキシフエニル)プロピオグア
ナミンの赤外吸収スペクトル及び第2図はβ−(p−ヒ
ドロキシフエニル)プロピオグアナミンの1H‐NMRスペ
クトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 251/18 CA(STN) REGISTRY

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式〔I〕で表わされるβ−(p−ヒドロキ
    シフエニル)プロピオグアナミン。
  2. 【請求項2】β−(p−ヒドロキシフエニル)プロピオ
    ニトリルとジシアンジアミドとを塩基性触媒の存在下に
    反応させることを特徴とする式〔I〕で表わされるβ−
    (p−ヒドロキシフエニル)プロピオグアナミンの製造
    法。
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