JP2909693B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気カード等の磁気記録
媒体に対する情報の読み書きを行なうための磁気ヘッド
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリペイドカードによる利用が
可能な公衆電話機等には、挿入されたプリペイドカード
に磁気記録されている度数情報を磁気ヘッドを介して読
み取り、その度数情報から利用度数を減じた度数情報を
磁気ヘッドを介してプリペイドカードに書き込んで返却
するカード処理装置が設けられている。
【0003】この種のカード処理装置には、図6に示す
ように、プリペイドカードCの度数情報を読み取るため
の磁気回路2とプリペイドカードCに度数情報を書き込
むための磁気回路3とを内部に有する磁気ヘッド1が用
いられている。各磁気回路2、3は、コア2a、3a
と、コア2a、3aに巻かれたコイル2b、3bとから
成り、各コイル2b、3bは、ヘッド端子4〜7を介し
てヘッド外部のリード回路8とライト回路9に接続され
ている。
【0004】リード回路8は読み取り用の磁気回路2か
らのアナログ信号をディジタル信号に変換して制御回路
10へ送出し、ライト回路9は制御回路10からのディ
ジタルの書込み信号を所定レベルの書込み信号に変換し
て書込み用の磁気回路3を駆動する。
【0005】制御回路10は、CPU11、ROM12
およびRAM13からなるマイクロコンピュータによっ
て構成されており、挿入されたプリペイドカードCを搬
送しながら、リード回路8の出力を受けてそのカードの
度数情報を読み取り、読み取った度数情報を公衆電話機
の回線制御用のCPU(図示せず)へ通信し、回線制御
用のCPUからの徴収信号を受けて度数情報の減額を行
い、プリペイドカードCを搬送しながら、減額した残度
数をライト回路9へ送出してプリペイドカードCの度数
情報を書き換える。
【0006】このカード処理によって、プリペイドカー
ドの度数情報は、もとの度数情報から利用額に応じた分
だけ減額された度数情報に書換えられて利用者に返却さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ようなカード処理装置では、マイクロコンピュータ構成
の制御回路10のCPU11が暴走等によって異常な制
御状態になると、プリペイドカードCに対する異常な情
報の読み書きがなされてしまい、そのプリペイドカード
Cを使用できなくしてしまう恐れがある。
【0008】また、プリペイドカードCに対する不正な
度数情報の書込みが、制御回路10とライト回路9の間
や磁気ヘッド1のヘッド端子6、7から、制御回路10
を介さずに行なわれてしまう恐れがあった。
【0009】本発明は、この問題を解決し、読み書きの
ための外部回路に異常が発生してもカードに対する情報
の異常な読み書きがなされず、また、プリペイドカード
に対する不正な情報の書込みが出来ないようにした磁気
ヘッドを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の請求項1の磁気ヘッドは、磁気回路を有す
るヘッド本体に、前記磁気回路と該磁気回路を介して磁
気記録媒体に対する情報の記録再生を行うためのリード
回路およびライト回路との間の信号経路を接続、遮断す
るためのスイッチと、前記ヘッド本体外部の制御回路と
の間で所定の通信を行い、該通信が正しく行えたときの
み前記磁気回路と前記リード回路およびライト回路との
間の信号経路が接続状態となるように前記スイッチを駆
動するスイッチ制御回路とを内蔵したことを特徴として
いる。
【0011】また、本発明の請求項2の磁気ヘッドは、
磁気回路を有するヘッド本体に、前記磁気回路を介して
磁気記録媒体に対する情報の記録再生を行うためのリー
ド回路およびライト回路と、前記リード回路およびライ
ト回路に対する電源供給をオンオフするためのスイッチ
と、前記ヘッド本体外部の制御回路との間で所定の通信
を行い、該通信が正しく行えたときのみ前記リード回路
およびライト回路に電源が供給されるように前記スイッ
チを駆動するスイッチ制御回路とを内蔵したことを特徴
としている。
【0012】
【作用】このように構成したため、本発明の請求項1の
磁気ヘッドでは、内部のスイッチ制御回路と外部の制御
回路との間で所定の通信がなされると、ヘッド本体内の
スイッチによって磁気回路とリード回路およびライト回
路との間の信号経路が接続され、磁気記録媒体に対する
情報の読み書きが可能となる。
【0013】また、本発明の請求項2の磁気ヘッドで
は、内部のスイッチ制御回路と外部の制御回路との間で
所定の通信がなされると、ヘッド本体内のスイッチによ
ってリード回路およびライト回路に対する電源供給がな
され、磁気記録媒体に対する情報の読み書きが可能とな
る。
【0014】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。図1は一実施例の磁気ヘッド20の外観を示
し、図2はその内部構造を示して、図3は、この磁気ヘ
ッド20内の回路構成と、この磁気ヘッド20を介して
プリペイドカードに対する度数情報の読み書きを行なう
ための外部回路の構成を示している。
【0015】この磁気ヘッド20のヘッド本体21に
は、読み取り用の磁気回路22と書込み用の磁気回路2
3とが設けられている。各磁気回路22、23は、ギャ
ップをヘッド本体21の前面21aに向けたコア22
a、23aと各コア22a、23aに巻かれたコイル2
2b、23bによって形成されている。
【0016】ヘッド本体21の後部は、金属ケース24
で覆われている。この金属ケース24は、ヘッド本体2
1の後部外壁にスポット溶接等によって固定されてお
り、その背面24aには、4つのヘッド端子25〜2
8、電源端子29、30および通信端子31が金属ケー
ス24と絶縁された状態で突設されている。
【0017】金属ケース24内には、プリント基板32
が収納されている。このプリント基板32には、図3に
示すように、各磁気回路22、23のコイルリードの一
方側とヘッド端子25、28との間をそれぞれ開閉する
アナログスイッチ34、35と、アナログスイッチ3
4、35を駆動するスイッチ制御回路36とが形成され
ている。
【0018】アナログスイッチ34、35は、スイッチ
制御回路36からの接続信号が入力されているときのみ
オンして、磁気回路22、23とヘッド端子25〜28
との間を電気的に接続する。
【0019】スイッチ制御回路36は、CPU37とR
OM38とRAM39とからなる1チップのマイクロコ
ンピュータで構成されている。スイッチ制御回路36へ
の電源は、電源端子29、30を介して外部から供給さ
れる。
【0020】スイッチ制御回路36のROM38には、
通信端子31を介して後述する制御回路42との間で所
定の通信を行ない、この通信が正しく行なわれたことを
判定して、アナログスイッチ34、35をオンさせるた
めのプログラムが予め格納されている。また、RAM3
9には、この通信に必要な特定のコードが予め格納され
ており、スイッチ制御回路36は、図4に示すようにこ
の特定のコードを用いて外部の制御回路42との間で通
信をおこない、アナログスイッチ34、35の制御を行
なう。
【0021】即ち、スイッチ制御回路36は、制御回路
42からの読み取り要求コードあるいは書込み要求コー
ドを受けると、この要求コードとともに送られてきたコ
ードとRAM39内の特定コードとが一致するか否かを
判定し、一致しない場合には、アナログスイッチ34、
35を開状態のままとし、一致した場合には、要求コー
ドに応じたスイッチをオンさせて、要求に対する許可コ
ードを制御回路42へ送出し、制御回路42による読み
取りあるいは書込みが終了したことを示す終了コードを
受けると、スイッチを開状態に戻す。
【0022】このように、スイッチ制御回路36と外部
の制御回路42との間で特定コードによる通信が正しく
行なわれたときのみ、プリペイドカードCに対する度数
情報の読み取りまたは書込みが可能となる。なお、この
磁気ヘッド20の金属ケース21の内部の隙間には、例
えばエポキシ系の接着材等が充填されている。
【0023】磁気ヘッド20のヘッド端子25、26に
は、ヘッド本体21内の磁気回路22からのアナログの
読み取り信号をディジタルの読み取り信号に変換して制
御回路42へ出力するリード回路40が接続され、ヘッ
ド端子27、28には、制御回路42から出力されるデ
ィジタルの書込み信号を所定の書込み信号に変換して、
ヘッド内の磁気回路23を励磁駆動するライト回路41
が接続されている。
【0024】制御回路42は、CPU43、ROM44
およびRAM45からなるマイクロコンピュータで構成
されており、磁気ヘッド20の通信端子31を介しての
スイッチ制御回路36との通信、リード回路40からの
読み取り信号の解読、ライト回路41への書込み信号の
出力およびプリペイドカードCに対する搬送制御等の処
理を、ROM44内のプログラムにしたがって行なう。
【0025】即ち、制御回路42は、プリペイドカード
Cの度数情報の読み取りが必要なときには、磁気ヘッド
20のスイッチ制御回路36に対して特定コードと読み
取り要求コードとを送出し、スイッチ制御回路36から
読み取りを許可するコードを受けると、プリペイドカー
ドCを磁気ヘッド20に対して搬送させながら、リード
回路40からの読み取り信号を解読して、その度数情報
を検出し、その度数情報を公衆電話機の通話制御部(図
示せず)へ送出する。また、プリペイドカードCの度数
情報の書換えが必要なときには、磁気ヘッド20のスイ
ッチ制御回路36に対して特定コードと書込み要求コー
ドとを送出し、スイッチ制御回路36から書込みを許可
するコードを受けると、プリペイドカードCを磁気ヘッ
ド20に対して搬送させながら、ライト回路41へ新た
な度数情報に対応した書込み信号を送出して、プリペイ
ドカードCの度数情報を書き換える。
【0026】なお、この制御回路42の電源は、磁気ヘ
ッド20の電源端子36に接続された電源と共通であ
り、この電源は公衆電話機本体側から供給されている。
【0027】このように、磁気ヘッド20の磁気回路2
2とリード回路40との間および磁気回路23とライト
回路41との間は、スイッチ制御回路36と制御回路4
2との間で所定の通信がなされたときのみ接続される。
したがって、制御回路42に暴走等による異常が発生し
た場合、制御回路間で所定の通信が行なえないため、ア
ナログスイッチ34、35がオン状態とならず、プリペ
イドカードCに対する異常な度数情報の読み書きを防ぐ
ことができる。
【0028】また、制御回路42以外からライト回路4
1に対して不正に書込み信号が入力されたとしても、こ
のライト回路41からの書込み信号は、アナログスイッ
チ35によって遮断されているため、プリペイドカード
Cに対する度数情報の不正な書込みはできない。また、
カード処理装置全体の電源供給が一度でも停止すると、
スイッチ制御回路36のRAM39内に記憶された特定
コードが消去されてしまうので、不正利用の目的でカー
ド処理装置を公衆電話機等から外したりすれば、磁気ヘ
ッドによる書込みや読み取りは全く行なうことができな
くなり、不正利用を防止できる。
【0029】また、アナログスイッチ34、35および
スイッチ制御回路36がヘッド内にあって外から視認で
きないので、不正使用がされにくくなる。
【0030】なお、この実施例では、読み取り用の磁気
回路と書込み用の磁気回路とを内部に有する磁気ヘッド
について説明したが、書込み用と読み取り用の磁気ヘッ
ドがそれぞれ独立している場合には、それぞれのヘッド
内にスイッチとスイッチ制御回路を設ければよい。
【0031】
【他の実施例】前記実施例の磁気ヘッドは、アナログス
イッチ34、35およびスイッチ制御回路36を内部に
備えていたが、図5に示す磁気ヘッド20′のように、
リード回路40とライト回路41とをヘッド内に設ける
ようにしてもよい。この場合には、リード回路40およ
びライト回路41への電源供給は、電源端子29、30
を用いてスイッチ制御回路36と共通にするか、あるい
は専用の電源端子を別に設けて供給すればよく、このよ
うにリード回路40とライト回路41をヘッド内に設け
ることによって、アナログ信号経路が最短となり、しか
も金属ケースでシールドされるので、外乱に対して強く
なるという効果がある。また、アナログスイッチ34、
35を用いずに、リード回路40とヘッド端子25の間
およびライト回路41とヘッド端子28との間にゲート
回路を設け、このゲート回路をスイッチ制御回路36で
制御することもできる。
【0032】また、前記実施例では、信号経路そのもの
を開閉するスイッチを用いていたが、磁気ヘッド内にリ
ード回路40やライト回路41を設けた場合には、各回
路40、41への電源の供給をスイッチでオンオフする
ようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気ヘッ
ドは、内部のスイッチ制御回路と外部の制御回路との間
で所定の通信がなされると、ヘッド本体内のスイッチに
よって、磁気回路とリード回路およびライト回路との間
の信号経路が接続され、またはヘッド本体内のリード回
路およびライト回路に電源が供給されて、磁気記録媒体
に対する情報の読み書きが可能となる。
【0034】このため、外部の制御回路に異常がある
と、スイッチ制御回路との間の所定の通信が正常に行な
えず、ヘッドの磁気回路と外部の回路との間は遮断され
た状態のままとなり、磁気記録媒体への異常な読み書き
が無くなる。
【0035】また、磁気記録媒体に対する情報の記録再
生は、外部の制御回路とスイッチ制御回路との間で所定
の通信を行なわれたときのみ可能で、しかも、スイッチ
およびスイッチ制御回路とが、ヘッド内に設けられてい
るので、外部の制御回路を介さない不正な記録再生が不
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気ヘッドの外観を示す斜
視図である。
【図2】一実施例の磁気ヘッドの内部構造を示す側面図
である。
【図3】一実施例の磁気ヘッドの回路構成と、この磁気
ヘッドを介してプリペイドカードに対する情報の読み書
きを行なう外部回路のブロック図である。
【図4】一実施例の要部の処理手順を示すフローチャー
トである。
【図5】本発明の他の実施例を示す回路図である。
【図6】従来の磁気ヘッドを用いたカード処理装置の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
20 磁気ヘッド 21 ヘッド本体 22、23 磁気回路 24 金属ケース 25〜28 ヘッド端子 29、30 電源端子 31 通信端子 32 プリント基板 34、35 アナログスイッチ 36 スイッチ制御回路 37 CPU 38 ROM 39 RAM 40 リード回路 41 ライト回路 42 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 郁子 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気回路を有するヘッド本体に、 前記磁気回路と該磁気回路を介して磁気記録媒体に対す
    る情報の記録再生を行うためのリード回路およびライト
    回路との間の信号経路を接続、遮断するための スイッチ
    と、前記ヘッド本体外部の制御回路との間で所定の通信を
    い、該通信が正しく行えたときのみ前記磁気回路と前記
    リード回路およびライト回路との間の信号経路が接続状
    態となるように前記スイッチを駆動するスイッチ制御回
    路とを内蔵したことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】磁気回路を有するヘッド本体に、 前記磁気回路を介して磁気記録媒体に対する情報の記録
    再生を行うためのリード回路およびライト回路と、 前記リード回路およびライト回路に対する電源供給をオ
    ンオフするためのスイッチと、 前記ヘッド本体外部の制御回路との間で所定の通信を行
    い、該通信が正しく行えたときのみ前記リード回路およ
    びライト回路に電源が供給されるように前記スイッチを
    駆動するスイッチ制御回路とを内蔵したことを特徴とす
    る磁気ヘッド。
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JP5091269B2 (ja) * 2010-03-31 2012-12-05 日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 データ書込装置およびそれを備えたカード処理装置

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