JP2909671B2 - 広帯域増幅器 - Google Patents

広帯域増幅器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力から入力への負帰
還によって増幅周波帯域を広帯域化した広帯域増幅器に
関する。
【0002】
【従来の技術】出力信号を広帯域に可変する信号発生器
や、入力信号を広帯域に分析する各種分析器等では、高
域側が数GHzにおよぶ広帯域増幅器が各所に用いられ
ている。
【0003】図7は、このような目的で用いられる従来
の広帯域増幅器1の回路を示している。
【0004】この広帯域増幅器1は、入力端子2へ入力
された信号を入力結合コンデンサC1を介して増幅素子
であるFET(電界効果型トランジスタ)3のゲートG
へ入力する。
【0005】このFET3のソースSはアースに接続さ
れており、ゲートGには、所定のバイアス電源−Vg
が、チョークコイルL1を介して印加されている。
【0006】FET3のドレインDには、電源Vdがチ
ョークコイルL2を介して接続されている。このドレイ
ンDには、入力信号が反転増幅された信号が表われ、こ
の信号が出力結合コンデンサC2を介して出力端子4へ
出力される。
【0007】このドレインDとゲートGとの間には、負
帰還抵抗R1と負帰還結合コンデンサC3の直列回路で
形成される帰還回路5の両端が接続されている。
【0008】この増幅器の裸特性、即ち、帰還回路が無
い状態の増幅帯域特性は、図8のPに示すように高域側
遮断周波数f1までほぼ増幅度A1が一定な特性を示し
ている。
【0009】これに対して、図7に示した回路では、負
帰還抵抗R1の大きさによって決まる帰還量Bの分だけ
増幅度が低下した特性Qとなり、このときの高域側遮断
周波数は、f2(数GHz)まで延び、広帯域な増幅が
可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来の広帯域増幅器1で、高域側とともに低域側
の帯域を10KHz程度まで広げるために、入出力の結
合コンデンサC1、C2とともに、負帰還結合コンデン
サC3の容量を大きくすると、次のような問題が発生す
る。
【0011】即ち、信号ラインから分岐された負帰還結
合コンデンサC3に形状の大きな大容量のコンデンサを
用いた場合、コンデンサ自身や配線等のインダクタンス
成分とともに高周波(数GHz帯)での共振回路を形成
してディップ点を発生することが多く、帯域特性が図8
のRに示すように高域側で大きくあばれてしまう。
【0012】このため、大容量の負帰還結合コンデンサ
C3を用いた低周波用の増幅器と、小容量の負帰還結合
コンデンサC3を用いた高周波用の増幅器とを、入力信
号の周波数に対応させて切換えて使用しているのが現状
であった。
【0013】ところが、2つの増幅器を切換えて使用す
る場合、その増幅器間のゲイン合わせが必要となり、し
かも、高周波帯でロスの少ない切換えスイッチ等を用い
なければならず、回路構成が複雑化し、高価になってし
まう。
【0014】本発明は、この課題を解決した広帯域増幅
器を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の広帯域増幅器は、トランジスタで形成され
た反転増幅素子と、第1の負帰還抵抗と、所定周波数以
下の信号に対して前記第1の負帰還抵抗より大きなイン
ピーダンスを有する第1の負帰還結合コンデンサとの直
列回路で形成され、前記反転増幅素子の出力端子から入
力端子へ所定周波数以上の信号成分を帰還する第1の帰
還回路と、前記反転増幅素子の入力端子に一端側を接続
された第1の高周波チョークコイルと、前記反転増幅素
子の出力端子に一端側を接続された第2の高周波チョー
クコイルと、前記第1の負帰還抵抗とほぼ同一抵抗値の
第2の負帰還抵抗と、前記第1の負帰還結合コンデンサ
より大きな容量値の第2の負帰還結合コンデンサとの直
列回路で形成され、前記第1の高周波チョークコイルの
他端側と前記第2の高周波チョークコイルの他端側との
間に接続されて、前記所定周波数以下の信号成分を前記
反転増幅素子の出力端子から入力端子へ帰還する第2の
帰還回路とを備えている。
【0016】
【作用】したがって、このように構成された本発明の広
帯域増幅器では、所定周波数より高い高周波域では、第
2の帰還回路が第1、第2の高周波チョークコイルによ
って反転増幅素子から切離され、第1の帰還回路による
負帰還がかかる。また、所定周波数より低い低周波域で
は、第1の帰還回路が、第1の負帰還結合コンデンサの
インピーダンス増加によって反転増幅素子から切離さ
れ、第1、第2の高周波チョークコイルのインピーダン
ス低下によって第2の帰還回路が反転増幅素子の入出力
間に接続される。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。
【0018】図1は、一実施例の広帯域増幅器10の回
路図である。
【0019】この広帯域増幅器10は、入力端子12に
入力される信号を入力結合コンデンサC11を介して反
転増幅素子であるFET13の入力端子、即ち、ゲート
Gへ入力する。
【0020】入力結合コンデンサC11は、数10KH
zの信号に対して十分低いインピーダンスとなる容量
(例えば0.1μF)を有している。
【0021】また、FET13自身の出力端子であるド
レインDと、出力端子14との間に接続された出力結合
コンデンサC12は、C11と同様に数10KHzの信
号に対して十分低いインピーダンスとなる容量を有して
いる。
【0022】FET13のドレインDからゲートGの間
には、高域用の負帰還抵抗R11と負帰還結合コンデン
サC13との直列回路で形成される第1の帰還回路15
が接続されている。
【0023】負帰還抵抗R11は、高域側の遮断周波数
が所望する周波数f10(数GHz)となるための帰還
量を与える抵抗値(例えば200Ω)に設定されてい
る。
【0024】また、負帰還結合コンデンサC13は、所
望する帯域の間の所定周波数f11(例えば7MHz)
で負帰還抵抗R11とほぼ等しいインピーダンスとなる
少ない容量値(例えば100pF)に設定されている。
【0025】FET13のゲートGおよびドレインDに
は、第1、第2の高周波チョークコイルL11、L12
の一端がそれぞれ接続されている。
【0026】第1、第2の高周波チョークコイルL1
1、L12は、前述の周波数f11の信号に対してR1
1のほぼ1/2に等しいインピーダンスとなるインダク
タンス値(例えば2μH)を有している。
【0027】第1、第2の高周波チョークコイルL1
1、L12の他端には、第1、第2の低周波チョークコ
イルL13、L14の一端側がそれぞれ接続されてい
る。
【0028】第1、第2の低周波チョークコイルL1
3、L14は、所望する低域側の遮断周波数f12以上
の信号に対して十分大きなインピーダンスをもつ大きな
インダクタンス値(例えば1mH)を有している。
【0029】第1、第2の低周波チョークコイルL1
3、L14の他端側には、FET13のゲートGへバイ
アス電圧を供給するバイアス電源−Vgと、ドレインD
へ電源を供給する電源Vdとがそれぞれ接続されてい
る。
【0030】また、第1の高周波チョークコイルL11
と第1の低周波チョークコイルL13の接続点と、第2
の高周波チョークコイルL12と第2の低周波チョーク
コイルL14の接続点との間には、第2の帰還回路16
が接続されている。第2の帰還回路16は、負帰還抵抗
R12と負帰還結合コンデンサC14との直列回路で形
成されている。
【0031】負帰還抵抗R12は、負帰還抵抗R11と
同一抵抗値を有しており、負帰還結合コンデンサC14
は、前述の低域側の遮断周波数f12に対して、十分低
いインピーダンスとなる容量(例えば1μF)を有して
いる。
【0032】以上のように構成された広帯域増幅器10
では、入力信号の周波数がf12からf11の範囲の低
周波域にある場合、負帰還結合コンデンサC13のイン
ピーダンスが負帰還抵抗R11に対して大きく、しか
も、第1、第2の高周波チョークコイルL11、L13
のインピーダンスは、負帰還抵抗R12に比べて小さ
い。
【0033】このため、この広帯域増幅回路10は、図
2に示すように第1の帰還回路15が切離された状態と
等価となり、第2の帰還回路16による負帰還のみがか
けられ、その帰還量の帯域特性は、図3のNF1に示す
ように、ほぼf12(数10KHz)からf11(数M
Hz)の間で一定(B1)となる。
【0034】また、入力信号の周波数がf11からf1
0の範囲の高周波域にある場合、第1、第2の高周波チ
ョークコイルL11、L12のインピーダンスは、負帰
還抵抗R12に比べて非常に大きくなるため、図4に示
すように、第2の帰還回路16がFET13側から切離
された状態となる。
【0035】このため、第1の帰還回路15による負帰
還のみがかけられ、その帰還量の帯域特性は、図5のN
F2に示すように、周波数f11からf10までの範囲
でほぼ一定(B2)となる。
【0036】また、第1、第2の帰還回路15、16の
負帰還抵抗R11、R12が等しいため、低周波帯域
(f12〜f11)での帰還量B1と高周波帯域(f1
1〜f10)での帰還量B2は等しい。
【0037】したがって、この広帯域増幅器10の全帯
域の増幅度特性は、図6のQ1に示すように、増幅度が
数10KHzのf12から数GHzのf10までA3で
一定な極めて広帯域な特性となる。
【0038】なお、前述したように、周波数f11にお
いて、負帰還結合コンデンサC13のインピーダンスは
ほぼR11に等しく、また第1、第2の高周波チョーク
コイルL11、L12の直列インピーダンスはR12に
等しいため、両方の帰還経路からB1(=B2)のほぼ
半分ずつの量の帰還がかかり、この周波数での増幅度
も、低周波域および高周波域と等しくなる。
【0039】また、f12より低域側の特性は、入出力
結合コンデンサC11、C12のインピーダンス増加に
よって制限され、f10より高域側の特性は、前述した
FET13の裸特性によって制限されている。
【0040】なお、この実施例では、反転増幅素子とし
てFET13を用いていたが、バイポーラ型のトランジ
スタを用いてもよい。また、2つ以上のトランジスタを
カスケード接続した反転増幅素子を用いてもよい。
【0041】また、前記実施例では、第1、第2の高周
波チョークコイルの他端側に第1、第2の低周波チョー
クコイルL13、L14を接続して、FET13のゲー
トGとドレインDにバイアス電源−Vgと電源Vdとを
供給していたが、第1、第2の低周波チョークコイルL
13、L14を、FET13のゲートGとドレインDに
直結して、電源を供給するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明の広帯域増幅器は、前記説明のよ
うに、所定周波数f11より高い周波数域では、第1、
第2の高周波チョークコイルのインピーダンス増加によ
って、反転増幅素子から第2の帰還回路を切離し、所定
周波数f11より低い周波数域では、第1の負帰還結合
コンデンサのインピーダンス増加によって第1の帰還回
路15を切離すように構成されている。
【0043】このため、2台の増幅器のレベル合せや切
換えスイッチが不要となり、大容量の負帰還結合コンデ
ンサの共振等による悪影響のない状態で数10KHzか
ら数GHzまでの広帯域増幅を1台の増幅器で安定に行
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図である。
【図2】一実施例の低周波域での等価回路である。
【図3】一実施例の低周波域での帰還量特性図である。
【図4】一実施例の高周波域での等価回路である。
【図5】一実施例の高周波域での帰還量特性図である。
【図6】一実施例の全帯域の増幅特性図である。
【図7】従来装置の回路図である。
【図8】従来装置の増幅特性図である。
【符号の説明】
10 広帯域増幅器 12 入力端子 13 FET 14 出力端子 15 第1の帰還回路 16 第2の帰還回路 C11 出力結合コンデンサ C12 出力結合コンデンサ C13、C14 負帰還結合コンデンサ R11、R12 負帰還抵抗 L11 第1の高周波チョークコイル L12 第2の高周波チョークコイル L13 第1の低周波チョークコイル L14 第2の低周波チョークコイル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランジスタで形成された反転増幅素子
    (13)と、 第1の負帰還抵抗と、所定周波数以下の信号に対して前
    記第1の負帰還抵抗より大きなインピーダンスを有する
    第1の負帰還結合コンデンサとの直列回路で形成され、
    前記反転増幅素子の出力端子から入力端子へ所定周波数
    以上の信号成分を帰還する第1の帰還回路(15)と、 前記反転増幅素子の入力端子に一端側を接続された第1
    の高周波チョークコイル(L11)と、 前記反転増幅素子の出力端子に一端側を接続された第2
    の高周波チョークコイル(L12)と、 前記第1の負帰還抵抗とほぼ同一抵抗値の第2の負帰還
    抵抗と、前記第1の負帰還結合コンデンサより大きな容
    量値の第2の負帰還結合コンデンサとの直列回路で形成
    され、前記第1の高周波チョークコイルの他端側と前記
    第2の高周波チョークコイルの他端側との間に接続され
    て、前記所定周波数以下の信号成分を前記反転増幅素子
    の出力端子から入力端子へ帰還する第2の帰還回路(1
    6)とを備えた広帯域増幅器。
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