JP2908074B2 - 制電性布帛 - Google Patents

制電性布帛

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JP2908074B2 JP3166116A JP16611691A JP2908074B2 JP 2908074 B2 JP2908074 B2 JP 2908074B2 JP 3166116 A JP3166116 A JP 3166116A JP 16611691 A JP16611691 A JP 16611691A JP 2908074 B2 JP2908074 B2 JP 2908074B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制電性布帛に関する。更
に詳細には、本発明は導電性繊維を含有する布帛の裏面
に特定された導電性短繊維をバインダーを介して添着せ
しめた制電性布帛に関し、車両内装材、室内装材、壁装
材、フロア材等の用途にも使用することのできる高制電
性布帛を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】布帛に帯電する静電気は種々の障害、例
えば人体への電撃ショック、ゴミの吸着汚染、半導体部
品の破壊、電気電子部品の誤動作、布帛のまとわりつき
等の障害を引き起こすため、その障害を防止する制電性
布帛に関して、従来より多くの提案、開発がなされてき
た。
【0003】従来の制電性布帛としては、まず布帛に
帯電防止剤を付着せしめる方法が良く知られている。し
かしこの方法は低湿度では効果が極めて低い。次に布
帛中に導電性繊維を含有させる方法も知られ、以前より
制電服やクリーンルーム衣等の制電性衣類として多用さ
れている。しかしカーシートや椅子張り地あるいはカー
ペット等の用途に使用される場合には人体の電撃ショッ
クを解消する程の制電性は得られず、効果不足である。
更には、布帛の片面に導電性のコーティング層を設け
る方法がある。この方法はカーボンブラック、導電性ウ
ィスカー等の導電性微粒子あるいは炭素繊維等の導電性
繊維状物をコーティング層中に含有させてコーティング
層に導電性を付与するものであって、例えば特公昭63
−48708号公報や特公昭56−38029号公報に
はコーティング層に炭素繊維を配合する例が開示されて
いる。しかし、これらの方法もある程度の制電性は得ら
れるものの、人体の電撃ショックを解消するほどの効果
はなくやはり効果不足である。
【0004】そしての方法、即ちととを組み合わ
せた方法が開示されている。特開昭47−39769号
公報にはパイル中に導電性繊維を打ち込み、その裏面に
別の導電性繊維の連続糸を這わせたパイルカーペットが
開示されているが、この方法は別の導電性繊維の連続糸
を極めて多数用意せねばならず加工が極めて煩雑で生産
性に欠ける。特公昭61−206643号公報には導電
性繊維を含有する不織布の表面に導電性ウィスカを含有
する皮膜層を形成して導電性シートを得る方法が開示さ
れている。しかし内装材等においては表面にかかる皮膜
層を形成させることは本来の布帛表面品位を損なうので
採用できず、また少量配合では低抵抗の導電層が得られ
ないため、高価な導電性ウィスカーを大量に配合する必
要があり、著しいコスト上昇を招き、実用性に欠ける。
実開昭60−40497号公報には、導電性繊維を含有
する布帛の裏面にカーボンブラックを含有するバッキン
グ層を設けたシートファブリックが開示されている。こ
の方法は適性な条件を満足すれば人体の電撃ショックを
防止できるだけの高い制電効果を期待できるが、しかし
カーボンブラックによってバッキング層全体が黒色を呈
するため、布帛、特に厚みの薄い布帛や淡明色の布帛の
場合には布帛の色相が変化しやすい欠点を有するのに加
えて、布帛の組織を固定するバッキング加工の目的から
してバッキング液をある程度まで布帛内部に侵入せしめ
るので、厚みの薄い布帛や淡色色相の布帛あるいは目開
きの大きい布帛に対しては該現象の発生は避けられず、
この方法は適用できない。特開平2−234982号公
報には導電性繊維を含有するカーペットの裏面にカーボ
ンブラックと炭素繊維との混合物を配合したバッキング
層を持つカーペット複合体が開示されているが、この方
法もカーボンブラックが一成分として配合されているた
め上記実開昭60−40497号公報と同じ問題点を有
する。
【0005】の方法の内、バッキング層中の導電性物
質としてカーボンブラックに代えて導電性繊維を使用す
る方法が多数開示されている。特公昭57−2328号
公報には制電性合成繊維をパイルとするカーペットの裏
面に炭素繊維を含有させたバッキング層を設け、炭素繊
維の配列方向をカーペットのパイル糸方向に一致させた
制電性カーペットが開示されている。また、特公昭56
−38209号公報には制電性合成繊維をパイルの一部
に使用した他は上記特公昭57−2328号公報と同じ
内容の制電性カーペットが開示されている。更に特公昭
55−31227号公報の実施例1には制電性ナイロン
を一部含むパイルカーペットの裏面に有機導電性繊維を
混入したバッキング層を有する制電性カーペットが開示
されている。しかし、これらの各公報で開示されている
ものは単に炭素繊維又は有機導電性繊維などをバッキン
グ液の中に混入しているに過ぎず、パイル中の導電性繊
維と導電バッキング層との電気的導通、即ちパイル中の
導電性繊維と導電バッキング層中の導電性短繊維との間
に電気的導通はほとんど無いか、有ったとしても頻度的
に過小であるため、充分なる制電性は得難い。
【0006】高度な制電性、例えば人体の電撃ショック
を解消できる程の高い制電性布帛を得るためには、特開
平2−234982号公報でも述べられているように布
帛中に含有された導電性繊維と導電バッキング中の導電
性物質とが高頻度で接触して電気的に導通していること
が必要である。しかし、単に導電性繊維をバッキング中
に混用するだけでは、かかる導通は得られないことを本
発明者等は見いだした。
【0007】特開平1−168935号公報には上記し
た布帛中に含有する導電性繊維と導電バッキング層とを
導通させる概念のみはあるが、しかし具体的手段は全く
記されていない。特公昭60−44468号公報には上
記の概念が記載されているものの、バッキング層中の炭
素繊維長等の手段については全く触れられていない。特
開平2−60849号公報には基布の裏面にまで貫通す
るように打ち込まれた導電性繊維を含有するパイルと、
パイルと裏打ち材との間に形成されて前記導電性繊維と
接触状態に設けられた導電性材料よりなる導電層とを備
えた自動車用マットが開示されているが、しかし、この
方法は金型上に塗布されたゾル状の裏打ち材表面に導電
性材料を散布し、更にこの上に別途作成済みのパイル基
布を乗せ、次いで金型を加熱して裏打ち材をゾル化せし
めて自動車マットを製造するものであって、いわゆる熱
成型時にパイル中の導電性繊維と導電層中の導電性材料
とを接触させるものであって、布帛自体に関するもので
はない。更に該公報には、かかる接触を充分たらしめる
導電性材料の条件は開示されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のごとく、導電性
繊維を含有する布帛の裏面に導電性繊維が混在する導電
性バッキング層を設けた制電性布帛、特に内装材用布帛
において、人体の電撃ショックが起こらない高い制電性
布帛を得るためには布帛中に含有される導電性繊維とバ
ッキング層中の導電性短繊維とが電気的に導通する、即
ち実質的に接触させることが必要であるが、かかる接触
を充分な程度に、また積極的に行なわしめる方法は従来
の技術では開示されていない。
【0009】導電性繊維がパイルとともに裏面にまで貫
通するように打ち込まれたとしても該導電性繊維が裏表
面上に露出する確率は低く、まして導電性繊維がパイル
の裏面の最頂点部において他の物体と接触可能な状態に
露出する確率は更に小さいものである。一方、従来、開
示されているバッキング層中の導電性繊維において、実
施例に記載されている具体的な繊維長は裏面のパイル頂
点間よりも長いものであって、この場合は必然的に該頂
点上に導電性繊維が単に乗っている形態である。従って
バッキング層中の導電性短繊維と布帛中の導電性繊維と
が接触する機会は多くはないという問題点を有してい
る。
【0010】まして、パイルカーペットとは異なる布
帛、例えばカーシート地、椅子張り地等の織編物、特に
スパン糸より構成される非パイル織編物や縮絨織物等の
布帛においては裏面に毛羽を有するものが多く、且つ非
パイル布帛の場合は布帛中に打ち込まれた導電性繊維が
布帛裏面の最外表面に露出する機会が非常に少いため
に、従来の技術では布帛中の導電性繊維とバッキング層
中の導電性繊維とが電気的に導通する機会はないか、有
ったとしても極めて少く、到底、高度な制電性を発現す
る布帛は期待できない。
【0011】本発明は上記した従来の技術の問題点を解
決するものである。即ち本発明の目的は、バッキング層
中の導電性短繊維と布帛中に配した導電性繊維とに良好
な導通性を付与せしめることにより高性能の制電性布帛
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的
を達成するために鋭意研究した結果、導電性繊維を含有
する布帛の裏面に、特定の繊維長を有する導電性短繊維
をバインダーを介して添着せしめることにより、上記し
た従来の問題点が解決できることを見いだし本発明に到
達した。
【0013】即ち本発明は、導電性繊維を配した布帛の
裏面に、下記の繊維長の異なる導電性短繊維の混合体を
バインダーを介して添着せしめたことを特徴とする制電
性布帛である。
【0014】 繊維長0.7mm超 1〜80重量% 繊維長0.3mm以上0.7mm以下 20〜99重量% 本発明における布帛とは、織物、編物、不織布などの繊
維で構成されるシート状物であり、帯電防止加工、難燃
加工、撥水加工、柔軟加工、樹脂加工などの化学的加工
や起毛加工、剪毛加工、熱加工などの物理的加工が施さ
れたものも含まれる。本発明において好ましい布帛分野
としては、車両内装材用布帛、インテリア内装材用布
帛、家具用布帛などであり、特に好ましくは車両内装材
用布帛である。車両内装材布帛としては、例えば織物、
モケット、トリコット、ダブルラッセル、シンカーパイ
ルなどが挙げられる。本発明が適用できる布帛に特に制
約はないが、本発明の効果を顕著に発揮できる布帛は5
00g/m2 以下の低目付の布帛、厚み2.0mm以下の
薄い布帛、淡色色相の布帛、非パイル織編物、目開きの
大きな布帛あるいは裏面に毛羽等を有する布帛などであ
る。
【0015】本発明においては布帛中に導電性繊維を配
する。本発明における導電性繊維としては通常の導電性
繊維を用いることができ、例えばステンレススチールな
どの金属繊維、ニッケルなどの金属を被覆した金属被覆
繊維、炭素繊維、有機導電性繊維などである。使い易さ
の点からは有機導電性繊維が好ましい。有機導電性繊維
としては、例えば合成繊維表面にカーボンブラックなど
の導電性微粒子層を設けたもの、導電性微粒子を分散し
た重合体を芯成分や鞘成分あるいは海島の島成分として
複合紡糸した合成繊維、繊維表面ないし繊維内に金属化
合物を固着したもの等が挙げられる。本発明において、
導電性繊維の好ましい形態としては繊維表面の少なくと
も一部に導電性成分が露出しているタイプである。
【0016】導電性繊維を布帛に配するには、導電性繊
維を混紡した糸を一部又は全面に用いて布帛を構成した
り、導電性長繊維を別の糸条と引き揃えまたは合撚して
得た糸を部分的に使用して製織、製編する等の公知の方
法を利用できる。本発明における導電性繊維の形態とし
ては長繊維の使用がより好ましい。また、導電性長繊維
を別の糸条と引き揃えまたは合撚する際、導電性長繊維
はできるだけ他の糸条の表面に出るようにするのが好ま
しく、他の糸条の表面に螺旋状に巻くのが最も望まし
い。
【0017】本発明において、布帛の裏面にバインダー
を介して添着せしめる導電性短繊維としては公知の導電
性繊維の短繊維状物を用いることができる。例えば前記
したような金属繊維、金属被覆繊維、炭素繊維、有機導
電性繊維等の短繊維状物あるいはこれらの混合物を挙げ
ることができ、価格/性能的な点から好ましいものは炭
素繊維の短繊維状物である。
【0018】本発明において重要な点は、特定された繊
維長の異なる導電性短繊維をバインダーを介して布帛裏
面に添着せしめることによって、布帛に配されている導
電性繊維と該導電性短繊維との間に良好な接触導通をな
さしめ、且つ布帛裏面に形成されるバインダー層自体に
も導電性を付与せしめることにある。即ち繊維長の異な
る導電性繊維の内、繊維長の長いもの、例えば織編物の
織り目又は編み目の距離よりもかなり長い繊維長のもの
は必然的に布帛裏面とほぼ平行に添着され主としてバイ
ンダー層の平面方向に導電性を与える役割を果す。しか
し、繊維長の長いものは布帛裏面の最表面よりも布帛の
内側に入りえないため、また、布帛の断面方向にも配置
しえないために、布帛に配されている導電性繊維と接触
できる機会は前に述べた理由から極めて少ない。特に布
帛の裏面上に毛羽が存在する場合には、繊維長の長いも
のは完全に毛羽の上に乗っかった状態で添着されて布帛
の実質的裏面と空間的に隔離されるために、布帛に配さ
れている導電性繊維と全く接触できない。一方、繊維長
の短いもの例えば、織り目又は編み目などの繊維束間、
あるいは単繊維間や毛羽間で形成される孔、もしくはバ
インダー層の孔(ここで孔とは窪みも含む)よりも短い
繊維長のものは、その短さに応じてかかる孔の中に入
り、あるいは布帛裏面と非平行にも配置(即ち布帛の断
面方向にも配置)するので、また布帛裏面の最外表面よ
りも布帛の内側にも侵入できるので、布帛裏面の毛羽が
少ない場合はもちろん、たとえ布帛裏面に毛羽が多く存
在したとしても、布帛に配されている導電性繊維と接触
する機会が格段に高まる。なお、本発明においては繊維
長の短い導電性短繊維の一部が布帛裏面の最表面よりも
内側に配置できればよく、その配置状態について特に限
定されるものではないが、その一部は布帛裏面と非平行
(断面方向)に配向しているのが好ましい。他方、本発
明における導電性短繊維は繊維長が短いものでもなお繊
維状であるので、布帛表面にまで出てくることはなく、
布帛の表面外観を損なわない利点を有する。
【0019】本発明においては、下記の繊維長の異なる
導電性短繊維の混合体を用いる。
【0020】 繊維長0.7mm超 1〜80重量% 繊維長0.3mm以上0.7mm以下 20〜99重量% 繊維長0.7mm超の短繊維が1重量%未満の場合はバッ
キング層を導電性にするに必要な導電性短繊維の合計添
着量が過大となり、また80重量%を超える場合は布帛
に配されている導電性繊維との接触が不足してくるので
共に不適である。
【0021】本発明において更に好ましい導電性短繊維
の混合体としては下記のものである。
【0022】 繊維長1.5mm超 1〜30重量% 繊維長0.7mm超1.5mm以下 0〜50重量% 繊維長0.3mm以上0.7mm以下 20〜70重量% この範囲の混合体を用いれば、布帛に配されている導電
性繊維との接触度合い、バインダー層自体の導電性、バ
インダー液の作業性及び導電性繊維の合計添着量の特性
バランスを良好に取ることができる。なお一般に、導電
性短繊維はある程度の繊維長分布を有しており、特に繊
維長数mm以下のものは粉砕、分級して得られる場合が多
くかなり広い分布を有している。本発明においては混合
する前の各導電性短繊維の分布はどうであれ、導電性短
繊維の混合体において本発明の要件を満足していれば良
い。
【0023】本発明におけるバインダーとは、接着剤や
結合剤等を意味し、導電性短繊維を布帛裏面に固着し、
また布帛組織を安定化させるものである。バインダーと
しては公知のものが使用できる。例えば熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、天然樹脂あるいはこれらの混合物等であ
る。バインダーとして好ましいものは熱可塑性樹脂で、
例えばポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリエチレン等のポリオレフィ
ン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニルコポ
リマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ニトリル−
ブタジエンコポリマーなど、あるいはこれらの変成物ま
たは混合物等である。
【0024】上記のバインダー成分は水に分散したエマ
ルジョンないしディスパージョンあるいは水溶液や有機
溶剤に溶かした溶液等の公知の形態で使用できる。かか
る形態のバインダーの中に導電性短繊維を均一に分散さ
せて塗液を得る。本発明においては塗液の中に、バイン
ダー及び導電性短繊維以外の他の成分を含有してもよ
く、塗液中に例えば、充填剤、顔料、滑剤、着色剤、界
面活性剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、発泡
剤、硬化剤などを必要に応じて添加することができる。
【0025】布帛の裏面に塗液を塗布する手段としては
例えばナイフコーティング法、キスロールコーティング
法、トランスロールコーティング法、スリットコーティ
ング法、カーテンフローコーティング法、スプレーコー
ティング法等の公知の技術、装置があり、これらの手段
を適宜選択して行なう。塗液を塗布後、乾燥ないし熱処
理を施せば布帛の裏面にコーティング層が形成される。
【0026】本発明において布帛の裏面に添着される導
電性短繊維は、布帛に配されている導電性繊維と導通す
ること及びコーティング層の平面方向に導電性をもたら
すことを満足すればよく、コーティングされるバインダ
ー量、導電性短繊維量及びその繊維長構成は、用途、布
帛特性、布帛裏面の状態、布帛に配される導電性繊維の
特性と露出状態等に応じて適宜選択する。本発明におい
ては、一般的に言って導電性短繊維の添着量は数g/m
2 以上は必要であり、5〜40g/m2 の範囲が好まし
い。また、本発明においては、添着された導電性短繊維
は上記の2条件を満足していればよく、布帛裏面に添着
された導電性短繊維が必ずしも単糸一本一本に別れた状
態で均一に分散されている必要はなく、導電性短繊維が
ある程度凝集したり、あるいは部分的に不均一でも構わ
ない。
【0027】以下、実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はそれに何等限定されない。なお、評価は下
記の方法で実施した。試験環境はいずれも20℃、相対
湿度36%である。 <人体帯電圧及び電撃ショック>試験布を車両シートの
上に置き、アクリル布をつけた人がそのシートの上に腰
掛けて摩擦動作をした後、立ち上がった時の帯電圧(人
体帯電圧)及び電撃ショックを測定した。 <コーティング層の表面抵抗率>試験布裏面のコーティ
ング面の表面抵抗率を絶縁計(東亜電波工業株式会社
製、超絶縁計SM−8205)を用いJIS−K691
1参考法で測定した。印加電圧は250vである。なお
抵抗率は電極定数で補正した値である。 <布帛に配されている導電性繊維とコーティング層との
導通>試験布からタテ方向6cmヨコ方向1.5cmの長方
形試料を採取し、一端のヨコ糸をタテ方向に1cm抜き取
り、その間をタテ糸のみとし、タテ糸のみの最端部に導
電性接着剤をヨコ方向全巾に塗布する。次いで絶縁計
(東亜電波工業株式会社製、超絶縁計SM−8205)
の一極を導電性接着剤部にあて、他極をコーティング層
にあてて印加電圧250vにて抵抗を測定し導通の有無
を調べた。
【0028】
【実施例1】繊維表面の一部に導電部が露出している導
電性長繊維(帝人株式会社製、セルカット、25デニー
ル/3フィラメント)をウール紡績糸に300回/mの
割合でカバリング合撚した糸状をタテ及びヨコに0.5
cm間隔で打ち込んで製織したジャガード織物生機を縮絨
加工及び表面剪毛加工して目付300g/m2 、厚み
0.8mm、通気度30cc/cm2 /sec で色相が淡いベー
ジュ色の縮絨梳毛織物を得た。この織物の裏面に下記組
成の塗液を増粘してナイフコーティングした。
【0029】
【表1】<塗液組成> アクリル酸エステル系エマルジョン (固形分濃度50重量%) 80部 繊維長3mmの炭素繊維 0.5部 繊維長1.5mm以下、 平均繊維長0.7mmの炭素繊維 6部 繊維長0.7mm以下、 平均繊維長0.3mmの炭素繊維 4部 分散剤 0.6部
【0030】得られた制電性布帛は、乾燥塗膜(コーテ
ィング層)の塗布量が80g/m2 であり、人体帯電圧
は2.1KV、電撃ショックはなし、コーティング層の
表面抵抗率は5×104 オーム、また布帛に配されてい
る導電性繊維とコーティング層とは導通(3×107
ーム)していた。
【0031】
【実施例2】帯電防止剤をディップ加工した以外は実施
例1と同じ縮絨梳毛織物の裏面に表2の塗液を増粘して
ナイフコーティングした。
【0032】
【表2】<塗液組成> アクリル酸エステル系エマルジョン (固形分濃度50重量%) 100部 繊維長3mmの炭素繊維 1.5部 繊維長0.7mm以下で 平均繊維長0.3mmの炭素繊維 5部 難燃剤 10部 分散剤 0.6部
【0033】得られた制電性布帛は乾燥皮膜が70g/
2 であり、人体帯電圧は2.3KV、電撃ショックは
なし、コーティング層の表面抵抗率は4×104 オー
ム、また布帛に配されている導電性繊維とコーティング
層とは導通(2×108 オーム)していた。
【0034】
【比較例1】実施例1と同じ縮絨梳毛織物の裏面に表3
の塗液を増粘してナイフコーティングした。
【0035】
【表3】<塗液組成> アクリル酸エステル系エマルジョン (固形分濃度50重量%) 100部 繊維長6mmの炭素繊維 2部 分散剤 1部
【0036】得られた制電性布帛は乾燥塗膜の塗布量が
160g/m2 であり、人体帯電圧は4.8KV、電撃
ショックあり、コーティング層の表面抵抗率は5×10
3 オーム、布帛に配されている導電性繊維とコーティン
グ層とは導通がなかった(10×1012オーム以上で測
定不能)。この制電性布帛は、制電対策を全く施してい
ないウール縮絨梳毛織物について評価した人体帯電圧は
14KVであり、これに対し制電効果は認められるもの
の電撃ショックを解消するほどの高い制電性能は有して
いない。
【0037】
【比較例2】実施例1と同じウール縮絨梳毛織物の裏面
に、アクリル酸エステル系エマルジョン(固形分濃度5
0重量%)100部と繊維長0.1mmの炭素繊維との配
合において炭素繊維の配合量のみを変更した塗液を増粘
して乾燥塗布量が70g/m2 となるようにナイフコー
ティングし、得られた乾燥塗布面の表面抵抗率を測定し
たが、該炭素繊維を35部配合したものでも塗布面は導
電性にならなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の制電性布帛は、導電性短繊維を
含有するバッキング層の導電性及び該導電性短繊維と布
帛に配されている導電性繊維との導通性の両方が共に優
れる、高度な制電性布帛であって、特に低目付、低厚
み、淡色色相などの布帛あるいは目開きの大きい布帛や
裏面に毛羽を有する布帛についても商品価値を損なうこ
とのない高度な制電性布帛である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−80674(JP,A) 特開 昭58−13773(JP,A) 特開 平1−148881(JP,A) 特開 昭59−100764(JP,A) 特公 昭55−31227(JP,B2) 特公 昭48−16480(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性繊維を配した布帛の裏面に、下記
    の繊維長の異なる導電性短繊維の混合体をバインダーを
    介して添着せしめることを特徴とする制電性布帛。 繊維長0.7mm超 1〜80重量% 繊維長0.3mm以上0.7mm以下 20〜99重量%
  2. 【請求項2】 導電性短繊維の混合体が 繊維長1.5mm超 1〜30重量% 繊維長0.7mm超1.5mm以下 0〜50重量% 繊維長0.3mm以上0.7mm以下 20〜70重量% である請求項1記載の制電性布帛。
JP3166116A 1991-06-12 1991-06-12 制電性布帛 Expired - Fee Related JP2908074B2 (ja)

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