JP2907866B2 - 回転陽極x線管 - Google Patents

回転陽極x線管

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JP2907866B2 JP1120305A JP12030589A JP2907866B2 JP 2907866 B2 JP2907866 B2 JP 2907866B2 JP 1120305 A JP1120305 A JP 1120305A JP 12030589 A JP12030589 A JP 12030589A JP 2907866 B2 JP2907866 B2 JP 2907866B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、回転陽極X線管に関する。
(従来の技術) 第8図は、従来の軸受(図では玉軸受)を示す断面図
である。この図に示すように、軸受はめあい面1と回転
軸2間に配設される玉軸受3は、内輪4と外輪5とその
間に回動自在に配置される複数個の玉6から構成されて
いる。また、内輪4,外輪5及び玉6の摩擦面には適当な
潤滑剤(不図示)が塗布されている。
ところで、上記した玉軸受3を備えた装置を高温,真
空中で使用する場合、玉軸受3も高温になるのでこのよ
うな状況でも良好に潤滑作用が行われるよう従来は、鉛
や銀が潤滑剤として用いられている。
しかしながら、玉軸受3の摩擦面の潤滑剤として鉛を
用いた場合には、温度上昇によって鉛の蒸発速度が増加
し、高真空状態を維持できない不都合が生じる。また、
銀を潤滑剤として用いた場合は、高温で高速回転させた
時に玉軸受3の摩擦条件が厳しくなって安定した潤滑状
態を維持することができなくなり寿命が低下する欠点が
あった。
第9図は従来の回転陽極X線管を示す概略断面図であ
る。この図に示すように、真空容器10内には電子を放射
する陰極11と、回転軸12に回転子13と一体に固着された
陽極ターゲット14とが対向して配置され、回転軸12は、
2個の玉軸受15a,15bによって支持軸16に回動自在に支
持されている。玉軸受15a,15bは、内輪17と外輪18とそ
の間に回動自在に配置される複数個の玉19とで構成され
ている。そして、回転子13が、真空容器10の外側に設け
た磁界発生器(不図示)で発生される回転磁界によって
回転軸12と一体に回転することにより、陽極ターゲット
14が回転する。
上記回転陽極X線管では、陰極11から放射された電子
が陽極ターゲット14に衝突するとX線が発生し、陽極タ
ーゲット14及び真空容器10内は高温になる。このよう
に、陽極ターゲット14及び真空容器10が高温になると、
輻射や回転軸12,支持軸16からの熱伝導により、玉軸受1
5a,15bも高温になる。このため、玉軸受15a,15bの内輪1
7,外輪18,玉19の摩擦面に潤滑剤を塗布して、焼付け摩
耗等を防止する。この時の潤滑剤としては、高温、高真
空であるために油潤滑が不可能なので、鉛や銀などの固
体潤滑剤が用いられる。
ところで、上記した回転陽極X線管においては、出力
を上げるためには、陽極ターゲット14への電子の衝突を
増加させる必要があるので陽極ターゲット14が更に高温
になり、この結果、玉軸受15a,15bの温度が上昇する。
また、電子の衝突により陽極ターゲット14が局部的に温
度上昇して溶融しないように、陽極ターゲット14を高速
回転させる必要がある。
しかしながら、出力上昇により陽極ターゲット14の温
度が上昇すると、玉軸受15a,15bの摩擦面の潤滑剤とし
て鉛を用いた場合には鉛の蒸発速度が増加し、高真空状
態を維持できない不都合が生じる。つまり、潤滑剤とし
て鉛を用いた場合には300℃程度までは使用が可能であ
るが400℃程度になると、もはや使用不可となってしま
う。また、銀を潤滑剤として用いた場合は、玉軸受15a,
15bの摩擦が大きくなって安定した潤滑状態を維持する
ことができなくなり寿命が低下する欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 前記したように、従来の軸受では高温、真空中で使用
する場合、摩擦面の潤滑油として鉛や銀が用いられるの
で、真空度の低下や摩擦が大きくなって安定した潤滑状
態を維持することができない欠点があった。
また、従来の回転陽極X線管では、その軸受の摩擦面
の潤滑剤としての鉛や銀を用いた場合、温度上昇による
真空度の低下や摩擦が大きくなって、軸受の潤滑機能が
低下する欠点があった。
本発明は上記した課題を解決する目的でなされ、高
温、真空中でも安定した潤滑状態を維持することができ
る軸受と、出力を上昇させても安定した潤滑状態を維持
することができる回転陽極X線管を提供しようとするも
のである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 前記した課題を解決するために本発明は、真空容器内
に電子を放射する陰極と、該陰極から放射される電子の
衝突によりX線を発生する陽極ターゲットと、該陽極タ
ーゲットと一体的に固着される回転子と、前記陽極ター
ゲットを回動自在に支持する複数の軸受とを有する回転
陽極X線管において、少なくとも陽極ターゲット側に位
置する前記軸受の母材の少なくとも一つをセラミックに
より形成するとともに、該軸受の摩擦面を、温度400℃
において蒸気圧が1×10-8Torr以下の固体であり、か
つ、常温下における引張り強さが10kg/mm2以下のアルミ
ニウムからなる潤滑剤により被覆したものである。
また、他の発明は、真空容器内に電子を放射する陰極
と、該陰極から放射される電子の衝突によりX線を発生
する陽極ターゲットと、該陽極ターゲットと一体的に固
着される回転子と、前記陽極ターゲットを回動自在に支
持する複数の軸受とを有する回転陽極X線管において、
少なくとも陽極ターゲット側に位置する前記軸受の摩擦
面を、予め耐火金属で被覆し、更にその表面を、温度40
0℃において蒸気圧が1×10-8Torr以下の固体であり、
かつ、常温下における引張り強さが10kg/mm2以下のアル
ミニウムからなる潤滑剤により被覆するとともに、前記
潤滑剤で被覆された摩擦面と摺動する摩擦面を耐火金属
で被覆したものである。
さらに、他の発明は、真空容器内に電子を放射する陰
極と、該陰極から放射される電子の衝突によりX線を発
生する陽極ターゲットと、該陽極ターゲットと一体的に
固着される回転子と、前記陽極ターゲットを回動自在に
支持する複数の軸受とを有する回転陽極X線管におい
て、少なくとも陽極ターゲット側に位置する前記軸受の
摩擦面を、温度400℃において蒸気圧が1×10-8Torr以
下の固体であり、かつ、常温下における引張り強さが10
kg/mm2以下である潤滑剤により被覆するとともに、前記
潤滑剤によって被覆された摩擦面を昇温させる加熱手段
を備えたものである。
(作用) 本発明によれば、軸受及び回転陽極X線管の軸受の摩
擦面を被覆する高温下で低蒸気圧な潤滑剤、特にアルミ
ニウム(Al)は、第7図に示すように、従来一般に使用
されている鉛(Pb)に比べて蒸気圧が低いので、真空度
を低下させることはなく、高温、特に350℃以上で、且
つ真空中でも安定した潤滑状態を維持することができ
る。
更に、アルミニウム(Al)においては、融点が比較的
高く液化が起こりにくいが、従来の銀(Ag)と比較して
充分に軟らかいため潤滑性能は格段に優れている。
(実施例) 以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。尚、従来と同一部材には同一符号を付して説明す
る。
第1図は本発明に係る軸受を玉軸受に適用した実施例
を示す断面図である。この図に示すように、玉軸受3
は、内輪4と外輪5とその間に回動自在に配置される複
数個の玉6から構成されており、軸受はめあい面1と回
転軸2間に配設されている。内輪4、外輪、玉6は窒化
ケイ素で形成されており、玉6の表面には、内輪4、外
輪5及び玉6の摩擦面の潤滑のためにアルミニウム7aが
被覆されている。また、軸受はめあい面1にもアルミニ
ウム7bが被覆されており、嵌合される外輪5との間を潤
滑する。
アルミニウム7a,7bは、第7図に示すように、温度400
℃において蒸気圧が1×10-8Torr以下の固体であり、且
つ後述する表1に示すように、常温下における引張り強
さが10kg/mm2以下のアルミニウムである。また、このア
ルミニウムニウムは、第7図に示したように、従来一般
に使用されている鉛に比べて蒸気圧が低いので高温、真
空中では蒸発による真空度低下を招くことはなく、且
つ、高速回転時でも潤滑状態を維持することができる。
このように、玉6の表面及び軸受はめあい面1に被覆
したアルミニウム7a,7bは、軟質金属なので固体状態で
も液体状態でも潤滑性があり、また、第7図に示したよ
うに、融点と蒸気圧が低いので高温、真空中では溶融状
態で蒸発による真空度低下を招くことなく、且つ、高速
回転時でも安定した潤滑状態を維持することができる。
尚、前記した実施例では玉6の表面及び軸受はめあい
面1をアルミニウム7a,7bで被覆したが、内輪4の転走
面4aと外輪5の転走面5aをアルミニウム7aで被覆しても
良く、また、外輪5の外径面5bをアルミニウム7bで被覆
しても良い。また、玉6だけを被覆しても良い。
更に、前記実施例では玉軸受を用いた例であったが、
保持器(リテーナ)を設けた軸受やころがり軸受さらに
はすべり軸受等でも、前記同様摩擦面を錫で被覆するこ
とにより高温、真空中で安定した潤滑状態を維持するこ
とができる。
また、玉6の表面をアルミニウム7aで被覆したことに
よって、高温によりアルミニウム7aが液化しても内輪
4、外輪5、玉6が窒化ケイ素で形成されているので、
内輪4、外輪5、玉6の摩擦面が腐食により損傷するこ
とはない。
尚、特にアルミニウム(Al)は、表1(常温下での測
定値)に示すように、従来使用されている銀(Ag)に比
べて引張強さが小さく伸びが大きい軟質金属なので、高
温、真空中でも蒸発による真空度低下を招くことなく、
且つ、液化が起こりにくく固体状態であるにもかかわら
ず潤滑性があり低摩擦の潤滑状態を維持することができ
る。
また、本発明者等の種々の実験によると引張強さと潤
滑性能については密接な関係があることが確認でき、引
張強さが小さい方が潤滑性能は良い。このことは、鉛
(Pb)と銀(Ag)の引張強さの値(表1参照)により、
鉛は引張強さが小さく潤滑性が良く銀は引張強さが大き
く潤滑性が悪いという結果からも理解できる。
また、前記実施例では、玉軸受3の内輪4、外輪5、
玉6を窒化ケイ素で形成したが、この他にも炭化ケイ
素、アルミナ又はジルコニアのいずれかで形成しても良
い。
これらは、いずれも耐腐食性に優れているため、溶融
状態で使用される錫(Sn)、インジウム(In)等と組合
せると特に効果的である。
第2図は本発明に係る回転陽極X線管を示す概略断面
図である。この図に示すように、真空容器10内には電子
を放射する陰極11と、回転軸12に回転子13と一体に固着
された陽極ターゲット14とが対向して配置され、回転軸
12は、2個の玉軸受15a,15bによって支持軸16に回動自
在に支持されている。玉軸受15a,15bは、内輪17と外輪1
8とその間に回動自在に配置される複数個の玉19とで構
成されている。また、真空容器10の外側には磁界発生器
(不図示)が設けられており、この磁界発生器で発生さ
れる回転磁界によって回転子13が回転することにより、
回転軸12、陽極ターゲット14も一体に回転する。これら
の構成は第9図に示した従来の回転陽極X線管と同じで
ある。
そして、陽極ターゲット14側の玉軸受15aの内輪17、
外輪18、玉19は窒化ケイ素で形成され、また、陽極ター
ゲット14と反対側の玉軸受15bの内輪17、外輪18、玉19
は高速度工具鋼(SKH−4)で形成されている。また、
玉軸受15aの玉19の表面には潤滑のためにアルミニウム2
0aが被覆されており、玉軸受15bの玉19の表面には潤滑
のためにアルミニウム20cが被覆されている。
本発明に係る回転陽極X線管は上記のように構成され
ており、陰極11から放射される電子が高速回転している
陽極ターゲット14に衝突するとX線が発生する。電子の
衝突によって陽極ターゲット14は高温になり、輻射や回
転軸12,支持軸16からの熱伝導により、玉軸受15a,15bも
高温になる。
この時、玉軸受15aの玉19の表面を被覆したアルミニ
ウム20a、及び玉軸受15bの玉19の表面を被覆したアルミ
ニウム20cは潤滑を行うが、玉軸受15aの方が玉軸受15b
よりも陽極ターゲット14までの距離が近いので、温度上
昇が大きい。特に、大容量のX線管では軸受温度は400
℃程度以上にもなる。そして、玉軸受15aの玉19に被覆
されるアルミニウム20aは、第7図に示したように、蒸
気圧と融点が低いので、高温まで蒸発による真空容器10
内の真空度の低下を招くことなく、液化により低摩擦で
良好な潤滑を行うことができる。
また、玉軸受15aの内輪17、外輪18、玉19を窒化ケイ
素で形成したことによって、高温によりアルミニウム20
aが液化しても内輪17、外輪18、玉19の摩擦面が腐食に
より損傷することはない。また、陽極ターゲット14と反
対側の玉軸受15bの内輪17、外輪18、玉19を高速度工具
鋼(SKH−4)で形成して、それらの表面にアルミニウ
ム20cを被覆したことにより、外部からこの玉軸受15bと
回転軸12を介して陽極ターゲット14に所定の電圧を印加
することができる。
したがって、陽極ターゲット14への電子の衝突を増加
させて出力を上げた時に玉軸受15a,15bが更に高温状態
で高速回転される場合でも、安定した潤滑状態を維持す
ることができる。
尚、前記した実施例では、陽極ターゲット14側に位置
する玉軸受15aの玉19の表面をアルミニウム20aで被覆し
たが、玉軸受15aの内輪17の転走面と外輪18の転走面を
アルミニウム20aで被覆しても良い。
尚、特にアルミニウム(Al)は、表1に示したよう
に、従来使用されている銀(Ag)に比べて引張強さが小
さく延びが大きい軟質金属なので、先に述べた理由によ
り高温、真空中でも蒸発による真空度低下を招くことな
く、且つ、固体状態でも潤滑性があり低摩擦の潤滑状態
を維持することができる。
また、前記実施例では、玉軸受15aの内輪17、外輪1
8、玉19を窒化ケイ素で形成したが、この他にも耐腐食
性に優れた炭化ケイ素、アルミナ又はジルコニアのいず
れかで形成しても良い。
また、前記実施例では、玉軸受15bの内輪17、外輪1
8、玉19を高速度工具鋼(SKH−4)で形成して、その表
面をアルミニウム20cで被覆したが、玉軸受15bの内輪1
7、外輪18、玉19を他の金属で形成して、その表面を銀
等の固体潤滑剤で被覆しても良い。
第3図は本発明の他の実施例に係る回転陽極X線管を
示す概略断面図である。本例はこの図に示すように、真
空容器10内には電子を放射する陰極11と、回転軸12に回
転子13と一体に固着された陽極ターゲット14とが対向し
て配置されており、回転軸12は、2個の玉軸受15a,15b
によって支持軸16に回動自在に支持されている。玉軸受
15a,15bは、内輪17と外輪18とその間に回動自在に配置
される複数個の玉19とで構成されている。また、真空容
器10の外側には磁界発生器(不図示)が設けられてお
り、この磁界発生器で発生される回転磁界によって回転
子13が回転することにより、回転軸12、陽極ターゲット
14も一体に回転する。これらの構成は第2図に示した回
転陽極X線管と同じである。玉軸受15a,15bの玉19の表
面には、内輪17、外輪18及び玉19の摩擦面の潤滑のため
にアルミニウム20aが被覆されている。また、支持軸16
の軸受はめあい面16aには、回転子13の温度変化による
軸方向の延び縮みに起因する外輪18の外形面18aとの摺
動を潤滑するためにアルミニウム20aが被覆されてい
る。
そして、陰極11から放射される電子が高速回転してい
る陽極ターゲット14に衝突するとX線が発生する。電子
の衝突によって陽極ターゲット14は高温になり、輻射や
回転軸12,支持軸16からの熱伝導により、玉軸受15a,15b
も高温になる。
この時、玉軸受15aの玉19の表面及び支持軸16の軸受
はめあい面16aを被覆したアルミニウム20a,20bは、固体
状態でも液体状態でも潤滑性があり、第7図に示したよ
うに、融点と蒸気圧が低いので、高温時には溶融状態で
蒸発による真空容器10内の真空低下を招くことなく、良
好な潤滑が行われる。
したがって、陽極ターゲット14への電子の衝突を増加
させて出力を上げた時に玉軸受15a,15bが更に高温状態
で高速回転される場合でも、安定した潤滑状態を維持す
ることができる。
尚、前記した実施例では玉19の表面及び軸受はめあい
面16aをそれぞれアルミニウム20a,20bで被覆したが、内
輪17の転走面17aと外輪18の転走面18bをアルミニウム20
aで被覆しても良く、また、外輪18の外径面18aをアルミ
ニウム20bで被覆しても良い。更に、回転軸12の周面又
は内輪17の内径面17bにもアルミニウムを被覆しても良
い。
第4図は本発明の他の実施例に係る回転陽極X線管の
軸受を示す断面図である。
本例では、玉軸受15a,15bの玉19の表面を耐火金属で
あるモリブデン21aで被覆した後その表面をアルミニウ
ム20aで被覆し、更に、内輪17の転走面17aと外輪18の転
走面18bをモリブテン21bで被覆し、更に支持軸16の軸受
はめあい面16aと外輪18の外径面18a間を、アルミニウム
20bの被覆を間に挾んだモリブデン21cで被覆した構成で
ある。他の構成は前記第3図と同様である。
このように、本例ではアルミニウム20a,20bを被覆し
たモリブデン21a,21b,21cは耐食性に優れているので、
温度上昇によって溶融したアルミニウム20a,20bによる
腐食を防止することができる。
尚、本例では耐火金属としてモリブデンを用いたが、
これに限らず例えばタングステン等を用いても良い。
第5図は本発明の他の実施例に係る回転陽極X線管の
軸受を示す断面図である。
本例では、外輪18の転走面18aに、アルミニウム20aを
被覆した玉19の上方と下方に位置するようにシールド板
22a,22bを配設し、更に、上下の外輪18間に、支持軸16
の軸受はめあい面16aを被覆したアルミニウム20bに当接
してスリーブ23を配設する構成である。他の構成は前記
第3図と同様である。
このように、本例ではシールド板22a,22b、スリーブ2
3によって溶融したアルミニウム20a,20bの飛散を防止す
ることができるので、溶融したアルミニウム20a,20bが
玉軸受15a,15bの回転によって飛散し、回転子13等に付
着して回転バランスに悪影響を及ぼすことが防止され、
陽極ターゲット14に振動が発生するのを抑制することが
できる。
尚、この構成は、他の溶融状態で使用するインジウム
等にも有効である。
第6図は本発明の他の実施例に係る回転陽極X線管の
軸受を示す断面図である。
本例では、支持軸16の外周面16bに加熱手段としてヒ
ータ24を配設した構成であり、他の構成は前記第3図と
同様である。
このように、本例ではヒータ24に通電して錫120a,120
bを加熱することにより、溶融した錫120a,120bが回転陽
極X線管の停止により温度が低下して固化した場合に、
錫120a,120bで被覆された面とその相対する面とが固着
されて再起動トルクが大きくなる不都合を防止すること
ができる。
尚、前記実施例では加熱手段としてヒータ24を用いた
が、回転陽極X線管の停止時に鈴120a,120bを融点以上
に加熱可能であれば他の加熱手段でも良く、また、その
位置に限定されることはない。
また、第1図に示した玉軸受3においても、第4図〜
第6図に示した各実施例と同様の構成にすることにより
同様の効果を得ることができる。
以上のように潤滑剤として高温下(350℃以上程度)
において低蒸気圧なものを使用することによって、高温
真空中においても優れた潤滑状態が得られる。
[発明の効果] 以上、実施例に基づいて具体的に説明したように本発
明に係る軸受は、高温、真空中で用いた場合でも安定し
た潤滑状態を維持することができ、寿命が長くなる。ま
た、本発明に係る回転陽極X線管は、出力を上げた時で
も軸受の潤滑状態を良好に維持することができ、寿命が
長くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る軸受を示す断面図、第2図は本発
明に係る回転陽極X線管を示す概略断面図、第3図は本
発明の他の実施例に係る回転陽極X線管を示す概略断面
図、第4図、第5図及び第6図はそれぞれ本発明の他の
実施例に係る回転陽極X線管の軸受を示す断面図、第7
図は錫、アルミニウム、ガリウム、インジウム、白金、
鉛、銀の各融点及び蒸気圧を示す図、第8図は従来の軸
受を示す断面図、第9図は従来の回転陽極X線管を示す
概略断面図である。 3,15a,15b……玉軸受、4,17……内輪、5,18……外輪、 6,19……玉、7a,7b,20a,20b,20c……アルミニウム、 10……真空容器、11……陰極、12……回転軸、13……回
転子、 14……陽極ターゲット、16……支持軸、21a,21b,21c…
…モリブデン、 22a,22b……シールド板、23……スリーブ、24……ヒー
タ、 120a,120b……錫
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−181352(JP,A) 特開 昭62−287555(JP,A) 特開 昭63−72051(JP,A) 実開 昭59−39857(JP,U) 実開 昭58−165966(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 35/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に電子を放射する陰極と、該陰
    極から放射される電子の衝突によりX線を発生する陽極
    ターゲットと、該陽極ターゲットと一体的に固着される
    回転子と、前記陽極ターゲットを回動自在に支持する複
    数の軸受とを有する回転陽極X線管において、 少なくとも陽極ターゲット側に位置する前記軸受の母材
    の少なくとも一つをセラミックにより形成するととも
    に、該軸受の摩擦面を、アルミニウムのみからなる潤滑
    剤により被覆したことを特徴とする回転陽極X線管。
  2. 【請求項2】真空容器内に電子を放射する陰極と、該陰
    極から放射される電子の衝突によりX線を発生する陽極
    ターゲットと、該陽極ターゲットと一体的に固着される
    回転子と、前記陽極ターゲットを回動自在に支持する複
    数の軸受とを有する回転陽極X線管において、 少なくとも陽極ターゲット側に位置する前記軸受の摩擦
    面を、予め耐火金属で被覆し、更にその表面を、アルミ
    ニウムのみからなる潤滑剤により被覆するとともに、前
    記潤滑剤で被覆された摩擦面と摺動する摩擦面を耐火金
    属で被覆したことを特徴とする回転陽極X線管。
  3. 【請求項3】真空容器内に電子を放射する陰極と、該陰
    極から放射される電子の衝突によりX線を発生する陽極
    ターゲットと、該陽極ターゲットと一体的に固着される
    回転子と、前記陽極ターゲットを回動自在に支持する複
    数の軸受とを有する回転陽極X線管において、少なくと
    も陽極ターゲット側に位置する前記軸受の摩擦面を、錫
    若しくはインジウムを主成分とする潤滑剤により被覆す
    るとともに、前記潤滑剤によって被覆された摩擦面を昇
    温させる加熱手段を備えたことを特徴とする回転陽極X
    線管。
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