JP2906897B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置

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JP2906897B2 JP2388493A JP2388493A JP2906897B2 JP 2906897 B2 JP2906897 B2 JP 2906897B2 JP 2388493 A JP2388493 A JP 2388493A JP 2388493 A JP2388493 A JP 2388493A JP 2906897 B2 JP2906897 B2 JP 2906897B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの排気浄化装置
に関し、詳しくは、排気中の未燃燃料を吸着捕集する吸
着材と、燃料タンク内の蒸発燃料を吸着捕集するキャニ
スタとを備えたエンジンにおいて、前記吸着材及びキャ
ニスタの脱離に伴う排気性状の悪化を回避し得る技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジンの排気通路に活性炭
のような吸着材を介装し、排気浄化触媒の処理機能が低
下する冷間始動時に、前記吸着材によって未燃燃料(H
C)を吸着して未燃燃料の大気への放散を防ぎ、触媒の
温度が高まって所期の処理機能を発揮するようになって
から、前記吸着材から脱離される未燃燃料を触媒で処理
させる構成の排気浄化システムが提案されている(特開
昭55−101715号公報等参照)。
【0003】また、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を
キャニスタに吸着捕集させる一方、該キャニスタに吸着
捕集された蒸発燃料を脱離させてエンジンに供給させる
システムも提案されている(特開昭62−7962号公
報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のキャ
ニスタで吸着捕集された蒸発燃料量が極めて多くなる
と、当初定めた運転条件(例えば定常運転中)での脱離
(パージ)では、吸着捕集した蒸発燃料を全て脱離させ
ることができず、吸着材の脱離を行わせる条件の一例で
あるエンジンの減速運転中に、キャニスタのパージを行
わなければならない状況が生じることがあった。即ち、
基本的な脱離条件では、キャニスタと吸着材との脱離が
重ならない場合であっても、キャニスタに吸着捕集され
た蒸発燃料が多い場合には、通常はキャニスタの脱離を
行なわない吸着材の脱離条件においてもキャニスタの脱
離を行なわせることがあったものである。
【0005】ここで、吸着材における未燃燃料の脱離が
プログラム通りに行われると、キャニスタからの蒸発燃
料の脱離と、吸着材からの未燃燃料の脱離とが同時に行
われることになる。そして、上記の脱離状態では、シリ
ンダから排出される排気中に含まれる未燃燃料がキャニ
スタの脱離により増大すると共に、かかる排気に対して
更に吸着材から脱離された未燃燃料が付加されるから、
排気浄化触媒に導入される未燃燃料の量が処理能力を超
えて多くなり、未燃燃料が未処理のまま大気中に排出さ
れてしまう惧れがあった。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、燃料タンク内の蒸発燃料を吸着捕集するキャニス
タと、排気中の未燃燃料を吸着捕集する吸着材とを備え
たエンジンにおいて、前記キャニスタ,吸着材における
脱離が重なって、排気浄化触媒で処理しきれない未燃燃
料が発生することを回避できるようにして、未処理の排
気が大気中に排出されることを未然に防止することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1に係る
エンジンの排気浄化装置は、燃料タンク内の蒸発燃料を
吸着捕集すると共に、該吸着捕集した蒸発燃料を脱離し
てエンジンの吸気通路に供給するキャニスタと、排気浄
化触媒上流側の排気通路に備えられ、排気中の未燃燃料
を吸着捕集すると共に、該吸着捕集した未燃燃料を脱離
する吸着材と、前記キャニスタの脱離条件と、前記吸着
材の脱離条件とが同時に成立したときに、前記キャニス
タと吸着材とのいずれか一方のみで脱離を行わせるべ
く、前記キャニスタにおける脱離と吸着材における脱離
との少なくとも一方を制御する脱離選択手段と、を含ん
で構成される。 また、請求項2に係るエンジンの排気浄
化装置は、図1に示すように構成される。図1におい
て、キャニスタは、燃料タンク内の蒸発燃料を吸着捕集
すると共に、該吸着捕集した蒸発燃料を脱離してエンジ
ンの吸気通路に供給する。
【0008】また、吸着材は、エンジンの排気通路に備
えられ、排気中の未燃燃料を吸着捕集すると共に、該吸
着捕集した未燃燃料を脱離して排気浄化触媒の上流側の
排気通路に供給する。そして、キャニスタ脱離制御手段
は、運転条件に応じて前記キャニスタにおける脱離を制
御し、吸着材脱離制御手段は、運転条件に応じて前記吸
着材における脱離を制御する。
【0009】一方、キャニスタ脱離優先手段は、キャニ
スタ脱離制御手段によるキャニスタの脱離と、吸着材脱
離制御手段による吸着材の脱離とが重なる条件のとき
に、吸着材の脱離を行なわせずにキャニスタの脱離を優
先的に実行させる。ここで、請求項3に係るエンジンの
排気浄化装置では、キャニスタ脱離優先手段によりキャ
ニスタの脱離を優先的に行なわせる時間が所定時間以上
継続したときに、キャニスタの脱離を強制的に所定期間
だけ一時的に停止させ、該停止期間中に吸着材脱離制御
手段による吸着材の脱離を行わせる吸着材脱離割込み実
行手段を設ける構成とした。
【0010】
【作用】かかる構成のエンジンの排気浄化装置による
と、燃料タンク内の蒸発燃料を吸着捕集するキャニスタ
と、排気中の未燃燃料を吸着捕集する吸着材とを備えた
エンジンにおいて、キャニスタにおける脱離と、吸着材
における脱離とが同時に行われようとする場合には、
ずれか一方のみの脱離が行われるように制御されること
になり、キャニスタ及び吸着材で同時に脱離が行われ、
排気浄化触媒の処理能力を超える未燃燃料が排気中に含
まれるようになることを回避する。 ここで、キャニスタ
における脱離と、吸着材における脱離とが同時に行われ
ようとする場合に、吸着材における脱離を行なわせず
に、キャニスタにおける脱離のみを優先して行なわせる
構成とすることで、キャニスタ及び吸着材で同時に脱離
が行われ、排気浄化触媒の処理能力を超える未燃燃料が
排気中に含まれるようになることを回避し、また、キャ
ニスタの脱離を確実に実行させる。
【0011】また、上記のようにキャニスタにおける脱
離を優先させると、吸着材における脱離を行わせる機会
が失われてしまうことがあるので、キャニスタの脱離を
優先的に実行させる状態が所定時間以上継続した場合に
は、キャニスタ脱離の優先実行を一時的に停止させて、
その間に、キャニスタの脱離に代えて吸着材の脱離を行
わせ、吸着材の脱離が全く行われないまま放置されるこ
とを回避する。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
のシステム構成を示す図2において、エンジン1には、
エアクリーナ2で濾過された空気が、吸気ダクト3,ス
ロットルチャンバ4,吸気マニホールド5を介して吸引
される。
【0013】前記吸気ダクト3には、エンジン1の吸入
空気流量を計量するエアフローメータ6が介装されてい
る。このエアフローメータ6の他、エンジン1の回転数
や冷却水温度などの運転条件を検出する各種センサ(図
示省略)が設けられており、マイクロコンピュータを内
蔵したコントロールユニット7は、前記各種センサから
の検出信号に基づいて、図示しない燃料噴射装置等を制
御する構成となっている。
【0014】前記燃料噴射装置は、燃料タンク8から燃
料ポンプ(図示省略)によって吸引圧送される燃料を、
エンジン1に噴射供給するものであり、この燃料噴射量
を制御することで所定空燃比の混合気を形成させる。そ
して、エンジン1からの排気は、排気マニホールド9,
排気ダクト10,排気浄化触媒11を介して大気中に排出さ
れる。
【0015】また、本実施例のエンジン1には、前記燃
料タンク8内の蒸発燃料を吸着捕集するための活性炭等
からなるキャニスタ12が設けられている。該キャニスタ
12は、燃料タンク8の上部空間に連通路13を介して連通
しており、燃料タンク8内の蒸発燃料が前記連通路13を
介してキャニスタ12に吸着捕集される。そして、キャニ
スタ12から脱離された蒸発燃料は、スロットルチャンバ
4(吸気通路)に連通するパージ通路14を介して、エン
ジン1に供給されるようになっている。
【0016】前記キャニスタ12に新気を導入する導入口
15には、キャニスタ12における脱離(パージ)を制御す
るためのパージコントロールバルブ16が介装されてお
り、このパージコントロールバルブ16が開かれると、脱
離された蒸発燃料がエンジン1の負圧によって前記導入
口15から導入される新気と共に前記パージ通路14を介し
てエンジン1の吸気系(吸気通路)に供給される。パー
ジコントロールバルブ16は、前記コントロールユニット
7によって開閉制御される。
【0017】また、前記排気浄化触媒11上流側の排気ダ
クト10(排気通路)から分岐延設され、該分岐部よりも
下流側でかつ触媒11上流側の排気ダクト10に合流するバ
イパス通路17が設けられている。前記バイパス通路17に
は、排気中の未燃燃料を吸着捕集する活性炭等からなる
吸着材18が介装される。前記吸着材18は、低温時に排気
中の未燃燃料を吸着捕集し、高温時には吸着捕集した未
燃燃料を脱離するものである。
【0018】前記バイパス通路17の分岐部及び合流部に
はそれぞれ開閉弁19,20が介装されており、前記開閉弁
19,20の開閉切り換えによって、バイパス通路17(吸着
材18)を介して排気を触媒11に導入させるルート(図3
参照)と、バイパス通路17(吸着材18)を介することな
く直接的に排気を触媒11に導入させるルートとのいずれ
か一方を選択できるようになっている。
【0019】ここで、バイパス通路17を介して排気を流
通させるルートを選択すれば、吸着材18の温度が低いと
きには、排気中の未燃燃料が吸着材18に吸着捕集され、
また、吸着材18の温度が高いときには、低温時に吸着捕
集された未燃燃料が脱離されて、該脱離された未燃燃料
が排気浄化触媒11で処理されることになる。更に、エア
クリーナ2の下流でかつエアフローメータ6の上流側の
吸気ダクト3と、前記吸着材18の上流側とを連通する二
次空気導入路21が設けられており、未燃燃料の脱離のた
めにバイパス通路17を排気が流通するときに、該二次空
気導入路21を介して二次空気を導入し、バイパス通路17
を流通する排気に二次空気を供給できるようになってい
る(図3参照)。
【0020】前記二次空気導入路21には、開閉弁22が介
装されており、この開閉弁22は、前記開閉弁19,20と共
に、前記コントロールユニット7によって開閉制御さ
れ、バイパス通路17を排気が流通するときにのみ前記開
閉弁22を開いて二次空気をバイパス通路17に供給できる
ようにしてある。ここで、前記パージコントロールバル
ブ16及び開閉弁19,20,22の開閉制御を介して行われる
コントロールユニット7によるキャニスタ12,吸着材18
の脱離(パージ)制御を、図4のフローチャートに従っ
て説明する。
【0021】尚、本実施例では、前記図2のシステム構
成及び前記図4のフローチャートに示すように、キャニ
スタ脱離制御手段は、コントロールユニット7とパージ
コントロールバルブ16とによって構成され、吸着材脱離
制御手段は、コントロールユニット7と開閉弁19,20,
22とによって構成され、更に、コントロールユニット7
は、脱離選択手段及びキャニスタ脱離優先手段としての
機能を有している。
【0022】まず、キャニスタ12,吸着材18の脱離を行
なわせる条件を判定するために、例えば車速,エンジン
冷却水温度,エンジン負荷,触媒温度,エンジン回転数
などの各種運転条件を読み込む(S1)。そして、前記
読み込んだ各種運転条件に基づいて、先にキャニスタ12
における脱離を行う条件であるか否かを判別する(S
2)。
【0023】ここで、キャニスタ12における脱離を行う
条件が成立していると判別されたときには、前記パージ
コントロールバルブ16を開いて、キャニスタ12に吸着捕
集されている蒸発燃料の脱離を開始させ、該脱離した蒸
発燃料をエンジン1に吸引させる(S3)。キャニスタ
12から脱離された蒸発燃料をエンジン1に供給すると、
混合気の空燃比がリッチ化し、排気中の未燃燃料が増大
して、排気性状を悪化させる。そこで、前記空燃比のリ
ッチ化を、例えば排気マニホルード9に設けた酸素セン
サ25で検出される排気中の酸素濃度に基づいて検知し
(S4)、該検知結果に基づいて燃料噴射量をフィード
バック制御することで(S5)、キャニスタ12の脱離に
よる空燃比ずれを補正し、キャニスタ12の脱離に伴う排
気性状の悪化を抑止することが好ましい。
【0024】ここで、キャニスタ12からの蒸発燃料の脱
離が終了すれば、脱離に伴う空燃比のリッチ化は解消さ
れることになるから、例えばキャニスタ12の脱離中にお
ける前記空燃比検出値に基づく燃料噴射量の補正要求レ
ベルに基づいて脱離終了を判定する(S6)。キャニス
タ12の脱離が終了しない場合には、前記空燃比フィード
バック制御を伴ったキャニスタ12の脱離を継続させ(S
6→S4)、キャニスタ12の脱離が終了した段階(S
7)で、初めて吸着材18の脱離条件が成立しているか否
かを判別する(S8)。従って、キャニスタ12の脱離が
終了する前に吸着材18の脱離が開始されることがない。
【0025】尚、キャニスタ12に吸着捕集されている蒸
発燃料が多く、キャニスタ12における脱離が基本の脱離
条件で終了しない場合には、脱離を行なわせる条件を拡
大させて脱離の機会を増やし、速やかに脱離が終了する
ようにすることが好ましい。キャニスタ12の脱離終了後
に吸着材18の脱離条件が成立しているか否かを判別し
(S8)、脱離条件が成立していると判別されると、今
度は、吸着材18に吸着捕集されている未燃燃料の脱離を
行なわせるべく前記開閉弁19,20,22を制御して、排気
が前記吸着材18を介して触媒11に導入されるようにし
て、吸着材18の脱離を開始させると共に(S9)、バイ
パス通路17を通過する排気に二次空気導入路21を介して
二次空気が供給されるようにする(図3参照)。
【0026】ここでも、吸着材18からの未燃燃料の脱離
に伴って触媒11に導入される排気空燃比がリッチ化する
ことを抑止できるように、触媒11の直前での排気中酸素
濃度を酸素センサ26により検出し(S10)、該検出結果
に基づいて燃料噴射量を補正制御するようにすると良い
(S11)。吸着材18の脱離終了は、時間によって推定し
ても良いが、上記のように、吸着材18の下流かつ触媒11
の上流側で排気空燃比を検出する構成を備える場合に
は、前記排気空燃比の検出結果に基づいて吸着材18にお
ける脱離終了を判定させることもできる。
【0027】また、前記吸着材18の脱離状態では、図3
に示すように、二次空気導入路21に介装される開閉弁22
を開いて二次空気を導入するから、吸着材18を介して流
れて脱離された未燃燃料が混入する排気に対して二次空
気を供給でき、触媒11の入口の排気空燃比状態が吸着材
18の脱離によってリッチ化することを抑止できるように
なっている。
【0028】尚、キャニスタ12における脱離条件が成立
していないと判別された場合には、キャニスタ12の脱離
を行なわせることなく、吸着材18の脱離条件が成立して
いるかを判別させ(S2→S8)、吸着材18の脱離条件
が成立しているときには、吸着材18の脱離を実行させる
が(S8→S9)、いずれの脱離条件も成立していない
場合には、再度運転条件の読み込みを行なわせて(S8
→S1)、脱離条件の成立を待つ。
【0029】前記吸着剤18は、前述のように低温時に未
燃燃料を良好に吸着するから、排気温度の低い状態で
は、前記開閉弁19,20によって排気が吸着材18に導入さ
れるようにし、吸着した未燃燃料の脱離が開始される温
度条件であっても、触媒11が充分に活性化されない温度
のときには、脱離した未燃燃料が非活性状態の触媒11に
導入されることを回避できるような脱離条件とする。
【0030】上記のように、本実施例では、キャニスタ
12の脱離条件でない場合、若しくは、キャニスタ12の脱
離が終了しているときに、吸着材18の脱離条件を判定さ
せて吸着材18からの未燃燃料の脱離を行なわせるから、
たとえキャニスタ12の脱離条件と吸着材18の脱離条件と
が重なっても、キャニスタ12及び吸着材18の脱離が同時
に行なわれることはない。
【0031】従って、キャニスタ12の脱離と吸着材18の
脱離とが同時に行なわれて、触媒11の処理能力を大きく
超える未燃燃料が発生することを回避でき、以て、排気
性状が脱離に伴って大きく悪化することを防止できる。
また、脱離条件の判別をキャニスタ12について先に行な
わせて、キャニスタ12の脱離を優先的に行なわせるか
ら、脱離が同時に行なわれることを回避しつつ、キャニ
スタ12の脱離を確実に行なわせることができ、燃料タン
ク8内で発生した蒸発燃料を確実に処理できる。
【0032】例えばキャニスタ12における脱離条件を、
エンジン冷却水温度が所定値以上で、かつ、車速が所定
値以上である定常運転状態とする一方、吸着材18の脱離
条件を、例えば触媒温度が所定値以上である減速運転時
や、前記キャニスタ12における脱離条件と重ならない定
常時とすると、それぞれの脱離を個別に制御しても、脱
離条件が異なることから、キャニスタ12の脱離と吸着材
18の脱離とが同時に実行されることはない(図5参
照)。
【0033】しかしながら、キャニスタ12に吸着捕集さ
れている蒸発燃料が多く、基本的な脱離条件のときのみ
では脱離を終了させることができない場合には、脱離条
件を拡大させて速やかに脱離を終了させるようにするこ
とが望まれ、例えば図5に示す吸着材18の脱離条件と重
なる減速運転時にも脱離を実行させたい場合が生じる。
【0034】ここで、通常に吸着材18の脱離を減速運転
状態で実行させると、キャニスタ12の脱離と吸着材18の
脱離とが同時に実行されることになり、これによって、
触媒11で処理し切れない未燃燃料が排気中に含まれるよ
うになって、結果、大気中に排出される未燃燃料の量が
増大してしまう惧れがある。そこで、本実施例では、上
記のようにしてキャニスタ12の脱離条件と吸着材18の脱
離条件とが重なるとき(減速運転時)には、図6に示す
ように、吸着材18における脱離を行なわせずに、キャニ
スタ12の脱離を優先的に実行させることにより、触媒11
に導入される排気中に含まれる未燃燃料の量を抑えて、
大気中に未処理のまま排出される未燃燃料の量を充分に
小さなレベルに抑制できるようにした。また、キャニス
タ12の脱離を優先的に実行させることにより、燃料タン
ク8内の蒸発燃料を良好にキャニスタ12に吸着捕集させ
ることができる。
【0035】尚、図5及び図6に示した脱離条件を限定
するものではなく、如何なる脱離条件であっても、キャ
ニスタ12,吸着材18の脱離条件が同時に成立し、脱離が
同時に行なわれようとするときに、キャニスタ12側の脱
離を優先的に実行させ、その間、吸着材18の脱離を行な
わせない構成とし、吸着材18の脱離はキャニスタ12の脱
離条件以外若しくはキャニスタ12の脱離終了後に行なわ
せる構成であれば良い。
【0036】また、図2に示すキャニスタ12の脱離制御
機構や吸着材18の構成を限定するものではなく、例えば
キャニスタ12の脱離制御は、パージ通路14を開閉する構
成のものであっても良く、吸着材18は、触媒11から未処
理のまま排出された未燃燃料を吸着捕集する一方、脱離
した未燃燃料を触媒11の上流側に供給する構成とするこ
ともできる。
【0037】ところで、前述のように、キャニスタ12に
吸着捕集されている蒸発燃料が多いために、吸着材18に
おける脱離条件のときにもキャニスタ12の脱離を行なわ
せる場合には、キャニスタ12の脱離を優先させることに
より、吸着材18の脱離条件であるにも関わらず、吸着材
18の脱離がキャニスタ12側の脱離が終了するまで行なえ
ないことになる。従って、キャニスタ12の脱離終了まで
に長時間を要する場合には、その間、吸着材18の脱離が
全く行なえないことになり、吸着材18の脱離機会を失わ
せることになる惧れがある。
【0038】そこで、キャニスタ12の脱離優先によって
吸着材18の脱離を行なわせることができない時間が所定
時間以上になった場合には、図7に示すように、キャニ
スタ12の脱離を強制的に所定期間だけ一時停止させ、そ
の間に、吸着材18の脱離を行なわせるようにすると良
い。かかるコントロールユニット7による制御を、図8
のフローチャートに従って説明する。尚、本実施例にお
いてコントロールユニット7は、前記図8のフローチャ
ートに示すように吸着材脱離割込み実行手段としての機
能を有している。
【0039】まず、エンジン運転条件を読み込み(S2
1)、脱離(パージ)条件の判定を行なわせる(S2
2)。次いで、キャニスタ12,吸着材18の脱離が必要な
状態をそれぞれ示すフラグ(キャニスタパージフラグ,
吸着材パージフラグ)と、前記読み込んだエンジン運転
条件とに基づいて、いずれの脱離条件が成立しているか
を判別させる(S23)。
【0040】ここで、キャニスタ12の脱離条件のみが成
立しているときには、キャニスタ12の脱離を実行させ
(S24)、また、吸着材18の脱離条件のみが成立してい
るときには、吸着材18の脱離を実行させる(S25)。そ
して、吸着材18の脱離を行なわせた場合には、吸着材の
脱離終了を例えば脱離時間などに基づいて判定させ(S
26)、終了判定されたときには、始動判定に伴ってセッ
トした吸着材パージフラグ(S30,S31)を解除させる
(S27)。
【0041】一方、キャニスタ12と脱離条件と、吸着材
18の脱離条件とが同時に成立していると判別されたとき
には、前述のように、吸着材18の脱離を行なわせずにキ
ャニスタ12の脱離を優先実行させるが、このようにキャ
ニスタ12の脱離を優先させる時間、換言すれば、吸着材
18の脱離を強制的に停止させる時間(吸着材18脱離猶予
時間:図7参照)を、カウンタtによって計測させる
(S28)。
【0042】そして、前記カウンタtと所定値Aとを比
較することによって、吸着材18の脱離を強制的に順延さ
せている時間を判定させ(S29)、前記カウンタtが所
定値A未満である場合には、キャニスタ12の脱離を優先
実行させるが(S24)、前記カウンタtが所定値A以上
になると、優先的に行なわれているキャニスタ12の脱離
を一旦停止させて、吸着材18の脱離を実行させる(S2
5)。
【0043】吸着材18の脱離を所定期間だけ行なわせた
後は、キャニスタ12の脱離を優先させるモードに復帰さ
せる。このように、キャニスタ12の脱離を優先させるた
めに、吸着材18の脱離を行なわせることができない時間
が長引くと、一時的に、キャニスタ12の脱離を強制的に
停止させることで、キャニスタ12の脱離と重ならないで
吸着材18の脱離を行なえる状況を作り出す。そして、前
記キャニスタ12の脱離を停止させている間に、吸着材18
の脱離を行なわせることにより、脱離条件が重なったと
きにキャニスタ12の脱離を優先させることによって、吸
着材18の脱離機会が失われてしまうことを回避する。
【0044】従って、キャニスタ12に吸着捕集されてい
る蒸発燃料が多量で、吸着材18の脱離条件のときにも脱
離を行なわせる必要性が生じ、然も、前記吸着材18と重
なる条件での脱離を長時間に渡って行なわせる場合であ
っても、その間に、吸着材18の脱離が全く行なわれずに
放置されることがなく、キャニスタ12と吸着材18との脱
離をバランス良く実行させることができる。
【0045】尚、上記のように、キャニスタ12の脱離を
優先させることを一時的に停止させ、その間に吸着材18
の脱離を行なわせるに当たっては、前記吸着材18の脱離
が充分に行なえる期間だけキャニスタ12の優先脱離を停
止させても良いし、また、ある時間が経過した後は、キ
ャニスタ12の脱離と吸着材18の脱離とを交互に実行させ
る構成としても良い。
【0046】更に、キャニスタ12の優先脱離を一時停止
させ、吸着材18の脱離を割込み実行させるまでの時間を
運転条件によって変化させても良い。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
キャニスタと吸着材との脱離が同時に行なわれようとす
るときに、いずれか一方のみを行わせるので、キャニス
タと吸着材との脱離が同時に行なわれることによって、
排気浄化触媒の処理能力を超える未燃燃料が生じること
を回避でき、脱離に伴って排気性状が悪化するを回避で
きるという効果がある。 また、キャニスタと吸着材との
脱離が同時に行なわれようとするときに、キャニスタの
脱離を優先的に実行させることで、排気浄化触媒の処理
能力を超える未燃燃料が生じることを回避しつつ、キャ
ニスタの脱離を確実に実行させることができるという効
果がある。
【0048】また、上記のようにキャニスタの脱離を優
先実行させるときに、かかる優先実行時間が長引き、吸
着材の脱離が行なわれないまま放置される時間が所定時
間以上になると、一旦キャニスタの優先脱離を停止さ
せ、かかる停止期間中に吸着材の脱離を行なわせるよう
にしたので、キャニスタの脱離を優先的に実行させるこ
とによって、吸着材の脱離機会が失われてしまうことを
回避できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図。
【図2】実施例のシステム構成を示す概略図。
【図3】同上実施例における吸着材の脱離状態を示す
図。
【図4】同上実施例における脱離制御を示すフローチャ
ート。
【図5】脱離条件が重ならない場合の様子を示すタイム
チャート。
【図6】脱離条件が重なった場合の制御を示すタイムチ
ャート。
【図7】キャニスタ脱離の優先実行中における吸着材の
脱離制御の様子を示すタイムチャート。
【図8】キャニスタ脱離の優先実行中における吸着材の
脱離制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン 4 スロットルチャンバ 7 コントロールユニット 8 燃料タンク 10 排気ダクト 11 排気浄化触媒 12 キャニスタ 13 連通路 14 パージ通路 16 パージコントロールバルブ 17 バイパス通路 18 吸着材 19,20,22 開閉弁 21 二次空気導入路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 25/08 F01N 3/08 F01N 3/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンク内の蒸発燃料を吸着捕集すると
    共に、該吸着捕集した蒸発燃料を脱離してエンジンの吸
    気通路に供給するキャニスタと、排気浄化触媒上流側の排気通路に備えられ 、排気中の未
    燃燃料を吸着捕集すると共に、該吸着捕集した未燃燃料
    を脱離する吸着材と、前記キャニスタの脱離条件と、前記吸着材の脱離条件と
    が同時に成立したときに、前記キャニスタと吸着材との
    いずれか一方のみで脱離を行わせるべく、前記キャニス
    タにおける脱離と吸着材における脱離との少なくとも一
    方を制御する脱離選択手段と、 を含んで構成されることを特徴とするエンジンの排気浄
    化装置。
  2. 【請求項2】燃料タンク内の蒸発燃料を吸着捕集すると
    共に、該吸着捕集した蒸発燃料を脱離してエンジンの吸
    気通路に供給するキャニスタと、 エンジンの排気通路に備えられ、排気中の未燃燃料を吸
    着捕集すると共に、該吸着捕集した未燃燃料を脱離して
    排気浄化触媒の上流側の排気通路に供給する吸着材と、 運転条件に応じて前記キャニスタにおける脱離を制御す
    るキャニスタ脱離制御手段と、 運転条件に応じて前記吸着材における脱離を制御する吸
    着材脱離制御手段と、 前記キャニスタ脱離制御手段による前記キャニスタの脱
    離と、前記吸着材脱離制御手段による前記吸着材の脱離
    とが重なる条件のときに、前記吸着材の脱離を行なわせ
    ずに前記キャニスタの脱離を優先的に実行させるキャニ
    スタ脱離優先手段と、 を含んで構成されることを特徴とするエンジンの排気浄
    化装置。
  3. 【請求項3】 前記キャニスタ脱離優先手段により前記キ
    ャニスタの脱離を優先的に行なわせる時間が所定時間以
    上継続したときに、キャニスタの脱離を強制的に所定期
    間だけ一時的に停止させ、該停止期間中に前記吸着材脱
    離制御手段による前記吸着材 の脱離を行わせる吸着材脱
    離割込み実行手段を設けたことを特徴とする請求項2記
    載のエンジンの排気浄化装置。
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