JP2905415B2 - タービン軸受油温度制御装置 - Google Patents

タービン軸受油温度制御装置

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JP2905415B2
JP2905415B2 JP690895A JP690895A JP2905415B2 JP 2905415 B2 JP2905415 B2 JP 2905415B2 JP 690895 A JP690895 A JP 690895A JP 690895 A JP690895 A JP 690895A JP 2905415 B2 JP2905415 B2 JP 2905415B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火力発電所・原子力発
電所或いはコンバインドサイクル発電所等に設置される
スティームタービン或いはガスタービン等の軸受に供給
され、この軸受を潤滑すると共に冷却するタービン軸受
油の温度制御装置の改良に関し、特にタービン軸受油温
度制御装置の軸受油冷却水流量が過流量になるのを防止
する軸受油冷却水過流量防止回路を備えたタービン軸受
油温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用に供されるスティームタービン或
いはガスタービン等(以下タービンと記す)は、その容
量においては最大級の大型機であり、そのため、運転停
止時にもロータの熱変形を防止するために、毎分数回転
の極めて低速度で回転させるターニングを行い、さらに
起動から運転に向けて数時間かけて極めて徐々に昇速
し、運転時においては毎分数千回転の高速度で回転する
横軸回転機である。
【0003】上記理由から、その軸受に供給して軸受を
潤滑すると同時に冷却するタービン軸受油の温度は、温
度により変化する軸受油の粘度が最適値となるように、
タービンの回転速度に応じて定められた適正な値に厳密
に制御する必要がある。
【0004】図示はしないが、従来のタービン軸受油温
度制御装置においては、軸受油冷却器に送水される軸受
油冷却水の過流量を防止するための回路は設けられてお
らず温度制御のための制御器としては、単にPID制御
[(P)比例動作+(I)積分動作+(D)微分動作の
3動作制御]のみにより制御ゲインを遅くし、軸受油冷
却水の送水流量を制御する軸受油温度調節弁の開度が過
大にならないようにして、軸受油冷却水の流量が過大に
なるのを防止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PID
制御だけでは軸受油冷却水の流量が過大になるのを完全
に防止することはできず、タービンの通常運転時にも発
生するが、特に試運転時において、しばしば軸受油冷却
水流量が過大となり、通常2台設置されている常用の軸
受油冷却水ポンプの吸込み圧力が低下することにより、
予備の非常用軸受油冷却水ポンプが起動してしまい、そ
のため軸受油冷却水流量は更に増加して軸受油を過冷却
し軸受油温度が異常に低下してしまうという問題があつ
た。
【0006】上記のように、従来のタービン軸受油温度
制御装置には軸受油冷却水の過流量を防止するための回
路は無く、PID制御の過渡応答時のレスポンスを良く
するためのチューニングによって軸受油冷却水の過流量
が発生していた。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、軸受油冷却水の過流量を防止する
回路を付加し、PID制御のパラメータの設定値に関係
なく軸受油冷却水の過流量を防止することのできるター
ビン軸受油温度制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、タービンの軸受に給油されるタービン軸
受油を、軸受油温度調節弁の開度制御によってその流量
が調整される軸受油冷却水により冷却するタービン軸受
油冷却器と、前記タービン軸受油の温度を検出して軸受
油温度を出力する軸受油温度検出器と、前記タービンの
回転速度を検出して回転速度を出力する回転速度検出器
と、前記回転速度を入力され、前記タービンの回転速度
に応ずる前記タービン軸受油の最適温度設定値を出力す
る関数変換器と、前記軸受油温度と前記最適温度設定値
とを入力され、両入力の温度偏差信号を出力する比較器
と、前記温度偏差信号を入力され、この温度偏差信号に
比例、積分、微分等の演算を行い、前記軸受油温度調節
弁の操作信号を出力するPID演算器と、前記軸受油温
度調節弁の予め定められた最大開度制限値が設定される
第1の開度設定器と、前記軸受油温度調節弁の全開開度
値が設定される第2の開度設定器と、前記第1の開度設
定器の最大開度制限値と前記第2の開度設定器の全開開
度値とが入力され、前記関数変換器の出力する最適温度
設定値または前記タービンの回転速度の少なくともいず
れか一方が予め定められた値より小さいときには前期最
大開度制限値を出力し、前記関数変換器の出力する最適
温度設定値または前記タービンの回転速度の少なくとも
いずれか一方が予め定められた値より大となると切換え
られて前期全開開度値を出力する切換器と、前記操作信
号と前記切換器の出力とが入力され、両入力の中の低い
方の値を有する入力を通過させて前記軸受油温度調節弁
へ出力する低値優先回路と、を備えたことを特徴とす
る。
【0009】
【作用】軸受油冷却水の過流量防止回路を付加すること
により、タービンのターニング時およびタービン軸受油
温度の設定温度が例えば40〜45度C,タービンの回
転速度が定格回転速度の略々95%の3500rpm以
下の時に、軸受油温度調節弁の最大開度を例えば50%
に制限し、それ以外の時には、上記の開度制限を解除す
るようにしたから、PID制御のパラメータの設定値に
関係なく軸受油冷却水の過流量を防止することが可能に
なる。
【0010】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説
明する。図1は、本発明のタービン軸受油温度制御装置
の一実施例を示す図である。
【0011】図1において、10はタービン、10aは
タービン10の軸受、11はタービン10の回転速度を
検出して出力する回転速度検出器である。
【0012】13は、図示しないタービン軸受油槽から
軸受油ポンプ15により汲上げられ、給油配管16を介
してタービン10の軸受10aへ供給される軸受油を冷
却するための軸受油冷却器であり、17は軸受給油の温
度を検出して出力する軸受油温度検出器である。
【0013】19は、図示しない軸受油冷却水温度制御
装置により制御されて予定の一定温度に調整された軸受
油冷却水を、軸受油冷却水配管20を介して軸受油冷却
器13に送水する軸受油冷却水ポンプであり、21は、
軸受油冷却水配管20に設けられ、後述のタービン軸受
油温度制御装置によりその開度が制御されて、軸受油冷
却水の流量を調整する軸受油温度調節弁である。
【0014】25は第1の関数変換器であり、上記の回
転速度検出器11により検出されたタービン10の回転
速度が入力され、入力されたタービン回転速度に応ずる
軸受油の最適温度信号(最適温度設定値)を出力する。
【0015】26は比較器であり、上記の第1の関数変
換器25の出力である最適温度設定値と上記の軸受油温
度検出器17より得られた軸受油温度とがそれぞれ入力
され両入力温度の温度偏差信号を出力する。
【0016】27は、入力として上記の比較器26の出
力である温度偏差信号が与えられ、この温度偏差信号に
対して、比例(P)、積分(I)、微分(D)等の演算
を行って、上記の軸受油温度調節弁21の操作信号を出
力するPID演算器である。
【0017】その全体を一点鎖線で囲み符号30を付し
た部分は、本発明に直接は関係のないタービン軸受油の
温度が過上昇するのを防止するための軸受油温度オーバ
ーシュート防止回路である。
【0018】このオーバーシュート防止回路30は、第
2の関数変換器31と、固定端子aおよびbとこれらの
固定端子a、b間を切換えて固定端子cとの間を接続す
る切換接触子Tとを有する第1の切換器32と、軸受油
温度調節弁21の最小開度制限値が設定される最小開度
設定器33と、異なる値を有する2つの入力が与えら
れ、2つの入力の中の高い方の値を有する入力を通過さ
せて出力する高値優先回路34とから構成される。
【0019】第2の関数変換器31は、軸受油温度検出
器17により検出された軸受油温度が入力され、入力さ
れた軸受油温度に応ずる軸受油温度調節弁21の最適開
度信号を出力する。
【0020】第1の切換器32は、その固定端子aには
軸受油温度調節弁21の例えば0%の最小開度制限値が
設定される最小開度設定器33の設定値出力が入力さ
れ、また固定端子bには第2の関数変換器31の出力が
入力される。軸受油の最適温度設定値が例えば46度C
で、且つ軸受油の温度が例えば43度C以上の時には、
切換接触子Tは図示のように固定端子b−c間を接続
し、上記以外のタービンの通常運転時には、切換接触子
Tは自動的に固定端子a側に切換えられて、固定端子a
−c間を接続する。
【0021】高値優先回路34には、その一方の入力と
して第1の切換器32の出力と、他方の入力としてPI
D演算器27が出力する操作信号とがそれぞれ入力され
て、高い方の値を有する入力を通過させて出力する。
【0022】その全体を一点鎖線で囲み符号40を付し
た部分が、本発明により追加した軸受油を冷却する軸受
油冷却水の過流量防止回路であり、軸受油温度調節弁2
1の最大開度制限値が設定される第1の開度設定器41
と、固定端子aおよびbとこれらの固定端子a、b間を
切換えて固定端子cとの間を接続する切換接触子Tとを
有する第2の切換器42と、軸受油温度調節弁21の全
開開度値が設定される第2の開度設定器43と、異なる
値を有する2つの入力が与えられ、2つの入力の中の低
い方の値を有する入力を通過させて出力する低値優先回
路44とから構成される。
【0023】第2の切換器42は、その固定端子aには
第2の開度設定器43に設定された全開開度値100%
の設定値出力と、固定端子bには第1の開度設定器41
に設定された最大開度制限値の例えば50%の設定値出
力とがそれぞれ入力され、軸受油の最適温度設定値が例
えば43度C以下、或いはタービンの回転数が例えば3
500rpm以下の時には、切換接触子Tは図示のよう
に固定端子b−c間を接続し、上記以外のタービンの通
常運転時には、切換接触子Tは自動的に固定端子a側に
切換えられて固定端子a−c間を接続する。
【0024】低値優先回路44には、その一方の入力と
して上記の高値優先回路34の出力と、他方の入力とし
て上記の第2の切換器42の出力とがそれぞれ与えられ
て、低い方の値を有する入力を通過させて出力する。
【0025】なお既述のように、オーバーシュート防止
回路30は本発明に直接は関係ないので、この回路30
を使用しない場合には、高値優先回路34は除外され、
低値優先回路44には、その一方の入力として上記のP
ID演算器27の出力の操作信号が与えられることは言
うまでもない。
【0026】次に、上記構成の本発明の作動を図1〜図
3を参照して詳細に説明するが、本発明においては、下
記の2項が前提条件となっている。
【0027】すなわち、(1) 図示しないタービン軸
受油槽から軸受油ポンプ15により汲上げられ、軸受油
冷却器13により冷却されて給油配管16を介してター
ビン10の軸受10aへ供給されるタービン軸受油の流
量は、予定の一定値に保持されている。
【0028】(2) 軸受油冷却水ポンプ19から吐出
され、軸受油温度調節弁21の開度に応じその流量が調
整されて上記の軸受油冷却器13に送水され、軸受油を
冷却する軸受油冷却水の温度は、本発明には関係のない
軸受油冷却水温度制御装置により調整されて、予定の一
定値に保持されている。
【0029】図2および図3は、本発明の作動を説明す
るための曲線図である。
【0030】図2は、横軸に時間を、縦軸に軸受油温度
(度C)をとり、実線で示す曲線aは、軸受油温度曲線
であり、一点鎖線で示す曲線bは、軸受油の最適温度設
定値曲線である。
【0031】また図3は、横軸に時間を、縦軸に軸受油
温度調節弁21の開度(%)をとり曲線cは軸受油冷却
水過流量防止回路40による軸受油温度調節弁21に対
する最大開度制限曲線であり、曲線dは軸受油温度オー
バーシュート防止回路30による軸受油温度調節弁21
に対する最小開度制限曲線である。
【0032】さて、タービン10の起動前のターニング
中においては、タービン10は毎分数回転の低速で回転
している。この時、軸受油温度調節弁21の最小開度制
限値を設定する最小開度設定器33には、図示のよう
に、例えば最小開度制限値0%が設定され、第1の開度
設定器41には例えば最大開度制限値50%が、第2の
開度設定器43には例えば全開開度値100%がそれぞ
れ設定されている。
【0033】第1の関数変換器25から出力されるター
ビン軸受油の最適温度設定値は、図示のように、例え
ば、入力されるタービン10の回転数が800rpm未
満においては30度C、800rpm〜タービンの定格
回転数3600rpmにおいては回転数にほぼ比例した
温度、3600rpm以上においては46度Cである。
また、第2の関数変換器31から出力される軸受油温度
調節弁21の最適開度信号は、図示のように、例えば、
入力されるタービン軸受油の温度が43度C未満におい
ては0%、43〜46度Cにおいては温度にほぼ比例し
た開度、46度Cにおいては15%である。
【0034】したがって、ターニング中におけるタービ
ン10の回転数は毎分数回転であるから、第1の関数変
換器25は30度Cの最適温度設定値を出力し、この最
適温度設定値は比較器26にその一方の入力として加え
られる。また、軸受油温度検出器17により検出された
軸受油の温度は、比較器26にその他方の入力として加
えられるから、比較器26は両入力温度の温度偏差信号
を出力し、この温度偏差信号はPID演算器27に加え
られる。PID演算器27は、入力された温度偏差信号
に比例(P)、積分(I)、(D)等の演算を行って操
作信号を出力し、この操作信号は軸受油温度オーバーシ
ュート防止回路30の高値優先回路34にその一方の入
力として加えられる。
【0035】軸受油温度検出器17により検出された軸
受油の温度は、さらに上記の第2の関数変換器31に加
えられるが、この時の軸受油の最適温度設定値は30度
Cであるから、第1の切換器32の切換接触子Tは図示
とは反対の固定接点a側に切換えられa−c間が接続さ
れている。よって、第2の関数変換器31の出力は制御
上関係のない値となり無視されて、最小開度設定器33
に設定された軸受油温度調節弁21の最小開度制限値0
%が高値優先回路34にその他方の入力として加えられ
る。
【0036】したがって、高値優先回路34は、高値と
なるPID演算器27の出力である操作信号を通過させ
て出力し、この操作信号は軸受油冷却水過流量防止回路
40の低値優先回路44に、その一方の入力として加え
られる。
【0037】軸受油冷却水過流量防止回路40におい
て、第2の切換器42の固定接点bとaとには、それぞ
れ第1の開度設定器41から軸受油温度調節弁21の最
大開度制限値50%と、第2の開度設定器43から軸受
油温度調節弁21の全開開度値100%とが加えられて
いる。そして、この時の軸受油の最適温度設定値は30
度Cでありタービンの回転速度も3500rpm以下で
あるから、切換接触子Tは図示のように固定接点b側に
切換えられb−c間が接続されている。よって、低値優
先回路44には、その他方の入力として50%が加えら
れる。
【0038】このようにして、低値優先回路44には、
その一方の入力としてPID演算器27の出力である操
作信号が加えられ、その他方の入力として第2の開度設
定器41の最大開度制限値50%が加えられる。
【0039】そしてこの場合、上記の操作信号は、最大
開度制限値50%以下であるから、低値として低値優先
回路44を通過して出力され軸受油温度調節弁21に加
えられる。そして、この操作信号により軸受油温度調節
弁21の開度は制御され、軸受油冷却器13には適量の
軸受油冷却水が給水される。この時、タービン10はタ
ーニング中で、その回転速度は800rpm以下である
から、軸受油の温度は、その最適温度設定値でありター
ニングに適温の30度Cに制御される。
【0040】次に、タービン10がターニングを離脱
し、点Sにおいて起動し、順次昇速してその回転速度が
800rpmに達し、さらに昇速すると、第1の関数変
換器25が出力する軸受油の最適温度設定値も、30度
Cから回転速度に応じて次第に上昇する。この軸受油の
最適温度設定値の上昇につれて、軸受油の温度はこの最
適温度設定値に時間遅れを伴いつつ追従して昇温制御さ
れ、次第に上昇して行く。さらにタービンの回転速度が
上昇して、その定格速度のほぼ95%の3500rpm
近傍に達すると、第1の関数変換器25は、軸受油の最
適温度設定値として46度Cを出力する。
【0041】斯くして、タービン10の回転速度が35
00rpmに達するか、或いは軸受油の最適温度設定値
が46度Cに達すると、第2の切換器42の切換接触子
Tは図示とは反対の固定接点a側に切換えられてa−c
間が接続される。そのため、低値優先回路44への開度
設定値入力は、第1の開度設定器41の最大開度制限値
の50%から第2の開度設定器43の全開開度値の10
0%へ切換えられて、この全開開度値100%が入力さ
れるから、軸受油温度調節弁21の開度制限は解除され
る。
【0042】図2の左側部分は、上記のタービン10の
ターニング中から起動制御の終了近傍に至るまでの軸受
油の温度制御における軸受油の温度(曲線a)およびそ
の最適温度設定値(曲線b)を示し、図3の左側部分
は、上記温度制御における軸受油温度調節弁21の最大
開度制限値(曲線c)および最小開度制限値(曲線d)
を示している。
【0043】このようにして、軸受油の最適温度設定値
が43度C以下、或いはタービン10の回転数が350
0rpm以下においては、軸受油温度調節弁21の開度
は、その最大開度制限値の50%に制限されているか
ら、PID演算器27の出力の操作信号が50%を超え
ても、低値優先回路44の作用によって、軸受油温度調
節弁21の開度が、この最大開度制限値50%を超えて
開制御されることは無く、軸受油冷却水の過流量は防止
される。
【0044】さらにタービン10が3500rpmを超
えて昇速して行くと、軸受油の温度も43度Cを超えて
上昇するから、軸受油温度に応ずる軸受油温度調節弁2
1の最適開度信号を出力する第2の関数変換器31の出
力も、軸受油の温度上昇に応じて0から次第に上昇し、
この出力は第1の切換器32に加えられるが、この時点
では未だ第1の切換器32の切換条件は成立していない
から、この上昇した出力が高値優先回路34に加えられ
ることは無く、温度制御には無関係である。
【0045】タービン10の回転速度がその定格速度
(運転速度)である3600rpmに達すると、第1の
関数変換器25は、軸受油の最適温度設定値として46
度Cを出力する。そしてこの時、軸受油の温度も上記の
ように43度Cに達しているから、上記の第1の切換器
32の切換条件(軸受油の設定温度が46度Cで且つ軸
受油の温度が43度C以上)は成立し、その切換接触子
Tは固定接点aから固定接点bに切換えられ、図示のよ
うにb−c間が接続される。
【0046】したがって、高値優先回路34には、第1
の関数変換器31から軸受油の温度上昇に応じて0から
次第に上昇した軸受油温度調節弁21の最適開度信号が
加えられることになる。継続する温度制御により、やが
て軸受油の温度が46度Cに達すると、第2の関数変換
器31は軸受油温度調節弁21の最適開度信号として例
えば15%を出力し、この15%の出力は高値優先回路
34に加えられる。
【0047】上記のように、タービン10の回転速度が
その運転速度である3600rpmに達し、第1の関数
変換器25が軸受油の最適温度設定値として46度Cを
出力すると、軸受油の温度は、最適温度設定値の46度
Cに向けて上昇制御される。しかし軸受油の温度は、図
2の軸受油温度曲線aに示すように、この最適温度設定
値の46度Cを超えて上昇するオーバーシュート状態に
なるが、オーバーシュート防止回路30の上記の高値優
先回路34の作用によって、オーバーシュート値は順次
低値に抑制され、やがて軸受油の温度は最適温度設定値
の46度Cに落ち着く。
【0048】以上、タービン10のターニングから起
動、運転に至るまでの軸受油の温度制御について説明し
たが、次にタービン10の停止時の制御について簡単に
説明する。
【0049】図2において、点PSにて図示しない制御
盤からタービン10に停止指令が発せられると、タービ
ン10の回転速度は低下に転じ、運転速度の3600r
pmから低下する。このタービン10の回転速度の低下
に伴い軸受油の最適温度設定値が低下して46度C以下
になると、第1の切換器32の切換接触子Tは固定接点
b側からa側に切換えられてa−c間が接続される。そ
のため高値優先回路34への入力は、第2の関数変換器
31の出力の最適開度信号から最小開度設定器33の出
力へ切換えられ最小開度制限値0%が入力されて、軸受
油温度調節弁21の最小開度制限値は、図示のように1
5%から0%に切換えられる。
【0050】また、タービン10の回転速度が低下し
て、点Pにおいて3500rpmに低下すると、第2の
切換器42の切換接触子Tは、図示のように固定接点a
側からb側に切換えられて図示のようにb−c間が接続
される。したがって、低値優先回路44への開度設定値
入力は、第2の開度設定器43の出力から第1の開度設
定器41の出力へと切換えられ、最大開度制限値50%
が入力されて、軸受油温度調節弁21の最大開度制限値
は、図示のように100%から50%に切換えられる。
【0051】そして、タービン10の回転速度の下降に
つれて、軸受油の最適温度設定値は次第に低下し、軸受
油の温度も最適温度設定値に時間遅れを伴いつつ追従し
て降温制御され、最適温度設定値と共に次第に下降して
30度Cになる。
【0052】上記のようにして、軸受油冷却水過流量防
止回路40は、軸受油の最適温度設定値が43度C以
下、或いはタービン10の回転速度が3500rpm以
下の状態においては、低値優先回路44から軸受油温度
調節弁21の開度が50%以上にならないように開度制
限出力される。その結果、タービン10の起動・停止等
の過渡変化時における軸受油冷却水の過流量に起因する
軸受油の過冷却を確実に防止することができる。また、
軸受油温度調節弁21の開度制限を設けることにより、
軸受油の過冷却による軸受油温度のアンダーシュートも
併せて防止することができる。
【0053】
【発明の効果】以上、本発明について詳細に説明した
が、本発明のタービン軸受油温度制御装置においては、
軸受油温度調節弁の予め定められた最大開度制限値が設
定される第1の開度設定器と、軸受油温度調節弁の全開
開度値が設定される第2の開度設定器と、これらの最大
開度制限値と全開開度値とが入力され、タービン軸受油
の最適温度設定値またはタービンの回転速度のいずれか
一方が予め定められた値より小さいときには前記最大開
度制限値を出力し、タービン軸受油の最適温度設定値ま
たはタービンの回転速度のいずれか一方が予め定められ
た値より大となると切換えられて前記全開開度値を出力
する切換器と、この切換器の出力とPID演算器の操作
信号出力とが入力される低値優先回路とから構成される
軸受油冷却水過流量防止回路を付加し、低値優先回路の
出力により軸受油温度調節弁の開度制御を行うようにし
たから、PID制御のパラメータの設定値に関係なく容
易に軸受油冷却水の過流量を防止することが可能とな
り、特に、タービンの試運転調整において、軸受油冷却
水の過流量の制約を受けることなく、簡単にタービン軸
受油温度制御の自動調整が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタービン軸受油温度制御装置の一実施
例を示す図である。
【図2】本発明の作動を説明するための軸受油温度曲線
図である。
【図3】本発明の作動を説明するための軸受油温度調節
弁の制限開度曲線図である。
【符号の説明】
10 タービン 10a タービン10の軸受 11 回転速度検出器 13 軸受油冷却器 15 軸受油ポンプ 16 給油配管 17 軸受油温度検出器 19 軸受油冷却水ポンプ 20 軸受油冷却水配管 21 軸受油温度調節弁 25 第1の関数変換器 26 比較器 27 PID演算器 30 軸受油温度オーバーシュート防止回路 31 第2の関数変換器 32 第1の切換器 33 最小開度設定器 34 高値優先回路 40 軸受油冷却水過流量防止回路 41 第1の開度設定器 42 第2の切換器 43 第2の開度設定器 44 低値優先回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01D 25/00 F02C 7/06 F16C 37/00 G05D 23/00 G05D 23/19 F01D 25/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービンの軸受に給油されるタービン軸
    受油を、軸受油温度調節弁の開度制御によってその流量
    が調整される軸受油冷却水により冷却するタービン軸受
    油冷却器と、前記タービン軸受油の温度を検出して軸受
    油温度を出力する軸受油温度検出器と、前記タービンの
    回転速度を検出して回転速度を出力する回転速度検出器
    と、前記回転速度を入力され、前記タービンの回転速度
    に応ずる前記タービン軸受油の最適温度設定値を出力す
    る関数変換器と、前記軸受油温度と前記最適温度設定値
    とを入力され、両入力の温度偏差信号を出力する比較器
    と、前記温度偏差信号を入力され、この温度偏差信号に
    比例、積分、微分等の演算を行い、前記軸受油温度調節
    弁の操作信号を出力するPID演算器と、前記軸受油温
    度調節弁の予め定められた最大開度制限値が設定される
    第1の開度設定器と、前記軸受油温度調節弁の全開開度
    値が設定される第2の開度設定器と、前記第1の開度設
    定器の最大開度制限値と前記第2の開度設定器の全開開
    度値とが入力され、前記関数変換器の出力する最適温度
    設定値または前記タービンの回転速度の少なくともいず
    れか一方が予め定められた値より小さいときには前期最
    大開度制限値を出力し、前記関数変換器の出力する最適
    温度設定値または前記タービンの回転速度の少なくとも
    いずれか一方が予め定められた値より大となると切換え
    られて前期全開開度値を出力する切換器と、前記操作信
    号と前記切換器の出力とが入力され、両入力の中の低い
    方の値を有する入力を通過させて前記軸受油温度調節弁
    へ出力する低値優先回路と、を備えたことを特徴とする
    タービン軸受油温度制御装置。
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