JP2905154B2 - 動圧スピンドル装置 - Google Patents

動圧スピンドル装置

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JP2905154B2
JP2905154B2 JP25041996A JP25041996A JP2905154B2 JP 2905154 B2 JP2905154 B2 JP 2905154B2 JP 25041996 A JP25041996 A JP 25041996A JP 25041996 A JP25041996 A JP 25041996A JP 2905154 B2 JP2905154 B2 JP 2905154B2
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正和 上杉
正浩 角振
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の動圧を利用
してスピンドル主軸を支承した動圧スピンドル装置に係
り、詳細には、該スピンドル主軸の負荷容量及び剛性を
高めるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動圧スピンドル装置とし
ては、特開平6−241222号公報、特開平6−24
9236号公報、特開平7−19236号公報等に開示
されたものが知られている。かかる動圧スピンドル装置
は、工作機械の主軸頭等に固定されるハウジングと、駆
動手段に連結されて回転するスピンドル主軸と、所定の
軸受隙間を介して対向する回転側部材及び固定側部材か
ら構成されると共に上記スピンドル主軸をハウジングに
対して回転自在に支承するラジアル動圧軸受とを備えて
おり、上記ラジアル動圧軸受の回転側部材には深さ10
〜15μm程度の動圧発生用溝が所定のパターンで形成
されている。
【0003】このように構成された動圧スピンドル装置
においては、上記スピンドル主軸の回転に伴ってラジア
ル動圧軸受の軸受隙間に介在する潤滑流体が加圧され、
スピンドル主軸はこの加圧流体によって浮揚状態とな
り、その状態のままで回転を支承される。このため、ス
ピンドル主軸の回転に対しては極僅かな回転抵抗しか作
用せず、しかも回転時における振動も殆ど発生しないこ
とから、該スピンドル主軸に対して毎分1万回転以上の
高速回転を与えて使用することも可能といった優れた特
質を有している。
【0004】その一方、かかる動圧スピンドル装置では
スピンドル主軸の回転に伴って潤滑流体を加圧している
ことから、ラジアル動圧軸受の回転側部材と固定側部材
との軸受隙間が過大であると、該軸受隙間において潤滑
流体の圧力を十分に高めることができず、スピンドル主
軸の外部荷重に対する負荷能力及び剛性が低下してしま
う。このため、前述した従来のスピンドル装置では軸受
隙間を数μm程度に設定し、スピンドル主軸の低速回転
においても潤滑流体を十分に加圧できるようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スピンドル主
軸が回転すると潤滑流体には剪断摩擦熱が発生し、この
剪断摩擦熱によってラジアル動圧軸受の回転側部材及び
固定側部材が膨張するので、上記軸受隙間を決定するに
当たってはこの膨張分を予め見込んでおかなければなら
ず、軸受隙間を当初から小さく設計することには限界が
あった。特に毎分数万回転の高速回転を予定しているス
ピンドル装置においてはより多くの剪断摩擦熱が発生す
るので、かかる軸受隙間はその分だけ大きく見込まなけ
ればならず、スピンドル主軸の負荷能力及び剛性を十二
分に高め得る程度にまで軸受隙間を小さくすることは困
難であった。
【0006】また、ラジアル動圧軸受で多量の剪断摩擦
熱が発生すると、かかる熱量がスピンドル主軸それ自体
にも流入することから、スピンドル主軸の軸長が寸法変
化を起こすこととなり、例えばスピンドル主軸の出力端
に工具を取り付けてワークを加工する際に、加工精度が
低下するといった問題点があった。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、スピンドル主軸
の回転に伴うラジアル動圧軸受の発熱を抑え、該ラジア
ル動圧軸受の軸受隙間の変動を可及的に防止することに
より、高い負荷能力及び剛性を備えた動圧スピンドル装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の動圧スピンドル装置は、ハウジングと、駆
動手段に連結されて回転するスピンドル主軸と、所定の
軸受隙間を介して対向する回転側部材及び固定側部材か
ら構成され、上記スピンドル主軸をハウジングに対して
回転自在に支承するラジアル動圧軸受とを備え、上記ラ
ジアル動圧軸受の固定側部材には該軸受の軸受隙間に対
して潤滑流体を供給する供給流路を開設する一方、上記
回転側部材には上記供給流路の開設位置を挟んで一対の
ポンプアウト型の動圧発生用溝を形成し、上記スピンド
ル主軸の回転に伴いラジアル動圧軸受の軸受隙間に介在
する潤滑流体を該軸受の軸方向の両端へ向けて排出する
ようにしたことを特徴とするものである。
【0009】このような技術的手段によれば、上記スピ
ンドル主軸が回転すると上記ラジアル動圧軸受の回転側
部材も共に回転し、かかる回転側部材に形成された一対
の動圧発生用溝はラジアル動圧軸受の軸受隙間に介在す
る潤滑流体を加圧する。このとき、上記動圧発生用溝は
固定側部材に開設された潤滑流体の供給流路を挟んで形
成されており、しかもそのパターンはポンプアウト型に
形成されていることから、スピンドル主軸が回転する
と、ラジアル動圧軸受の軸受隙間に介在する潤滑流体は
該軸受の軸方向の両端にから軸受外へ排出され、これに
伴って上記供給流路からは新たな潤滑流体が軸受隙間に
吸引される。
【0010】このため、スピンドル主軸の回転によって
昇温した潤滑流体は速やかに軸受外へ排出される一方、
上記供給流路からは比較的低温の新たな潤滑流体が軸受
隙間に流入することとなり、ラジアル動圧軸受の回転側
部材及び固定側部材の昇温を抑えることが可能となる。
従って、回転側部材及び固定側部材の熱膨張を可及的に
小さくすることができるので、該軸受隙間を小さく設定
してスピンドル主軸の負荷能力及び剛性を高めることが
可能となる。
【0011】また、このような技術的手段において、上
記ラジアル動圧軸受の昇温の更なる防止を図るために
は、該軸受隙間における単位時間当たりの潤滑流体の流
量をできるだけ多くすれば良い。但し、上記動圧発生用
溝は前述したようにその深さが10μm程度であり、潤
滑流体の加圧といったその本来の目的を考慮すると、か
かる動圧発生用溝の深さを余り大きく設定できないこと
から、いくら動圧発生用溝をポンプアウト型に形成した
としても、軸受隙間の潤滑流体の流量には限界があると
考えられる。
【0012】従って、潤滑流体の流量の増大を図るため
には、上記ラジアル動圧軸受の回転側部材の周面に上記
動圧発生用溝よりも深溝の螺旋状溝を形成し、スピンド
ル主軸の回転に伴って該螺旋状溝を潤滑流体の圧送のた
めのポンプとして機能させるのが好ましい。このように
構成すれば、スピンドル主軸の回転に伴って多量の潤滑
流体をラジアル動圧軸受の軸受隙間に吸引すると共にこ
れを該軸受隙間から排出することができ、動圧発生用溝
のみで潤滑流体の吸引及び排出を行っている場合と比較
して、ラジアル動圧軸受の昇温、ひいてはスピンドル主
軸の昇温を防止することが可能となる。
【0013】また、かかる螺旋状溝は固定側部材に開設
された潤滑流体の供給流路と各動圧発生用溝との間に対
応させて、上記回転側部材の周面に形成するのが好まし
い。このように構成すれば、潤滑流体が動圧発生用溝に
よって加圧される以前の段階で該潤滑流体を螺旋状溝で
僅かなりとも加圧することができるので、動圧発生用溝
によって一層高い動圧を発生させることができ、結果的
にスピンドル主軸の負荷能力を向上させることも可能と
なる。
【0014】一方、ラジアル動圧軸受の回転側部材及び
固定側部材が熱膨張を生じた際に、固定側部材の内径に
収容される回転側部材が固定側部材よりも大きく膨張し
たのでは、ラジアル動圧軸受の軸受隙間が所定値よりも
狭くなってしまい、極端な場合には回転側部材と固定側
部材とが固体接触を生じてしまう懸念もある。従って、
かかる事態の発生を防止するためには、上記固定側部材
の熱膨張係数を回転側部材のそれよりも大きく設定する
のが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の動圧スピンドル装置を詳細に説明する。図1は研削盤
の研削軸として用いられる動圧スピンドル装置に本発明
を適用した第一実施例を示すものであり、符号1は軸端
にクイル軸を介して砥石(図示せず)が装着されるスピ
ンドル主軸を、符号2は該スピンドル主軸1を支承する
ハウジング本体を、符号3は上記スピンドル主軸1を駆
動するモータを、符号4は上記モータ3をハウジング本
体2に固定するためのモータハウジングを、符号5は上
記ハウジング本体2に固定されたエンドキャップを夫々
示している。
【0016】上記スピンドル主軸1は空気を潤滑流体と
したラジアル動圧軸受6によってその回転を支承されて
おり、該ラジアル動圧軸受6は所定の軸受隙間を保って
対向する一対の外輪(固定側部材)7及び内輪(回転側
部材)から構成されている。上記外輪7はハウジング本
体2の内径に固定される一方、上記内輪はスピンドル主
軸1の外径に固定されるが、本実施例ではスピンドル主
軸1それ自体を内輪として機能させることにより上記内
輪を省略し、構成の簡素化を図っている。
【0017】上記外輪7はAl23、ZrO2等のセラ
ミクス材から形成されており、その軸方向の中央にはハ
ウジング本体2の外の空気を上記ラジアル動圧軸受6の
軸受隙間、すなわち外輪7の内径とスピンドル主軸1の
外径との隙間に導く潤滑流体の供給流路8が開設されて
いる。軸受隙間に対して潤滑流体たる空気が円滑に流入
するよう、この供給流路8は外輪7の円周方向の複数箇
所に形成されている。
【0018】一方、上記スピンドル主軸1は、ラジアル
動圧軸受6の内輪としてのジャーナル部9と、上記クイ
ル軸の取付け孔10を有する先端部11と、上記モータ
3のロータ12が固定される後端部13とから構成さ
れ、これら部位を結合して形成されている。上記ジャー
ナル部9は外輪7と同様にセラミクス材から形成されて
いるが、スピンドル主軸1の回転時におけるジャーナル
部9の熱膨張によって、該ジャーナル部9と外輪7とが
固体接触を生じるのを防止するため、外輪7のセラミク
ス材よりも熱膨張係数の小さなSi34、SiC等のセ
ラミクス材を使用している。
【0019】また、ジャーナル部9に結合された上記先
端部11には該ジャーナル部のセラミクス材よりも熱膨
張係数が低い合金、例えばインバー合金等が使用され、
スピンドル主軸1の発熱時における軸先端の伸びを防止
している。
【0020】図3は上記スピンドル主軸1を示すもので
あるが、ラジアル動圧軸受6の外輪7の内径と対向する
ジャーナル部9の周面には間隔をおいて一対の螺旋状溝
14,14が形成され、更にこれら螺旋状溝14の外側
には一対の動圧発生用溝15,15が形成されている。
また、これら一対の螺旋状溝14及び動圧発生用溝15
は上記外輪7に開設された供給流路8を挟むようにして
形成されており、換言すれば該記供給流路8は一対の螺
旋状溝14,14の中間において軸受隙間と連通連結さ
れている。
【0021】かかる螺旋状溝14はスピンドル主軸1の
回転に伴って潤滑流体を軸端方向へ付勢する向きに巻き
回されており、一対の螺旋状溝14,14は互いに逆ね
じの関係に形成されている。また、上記動圧発生用溝1
5はやはりスピンドル主軸1の回転に伴って潤滑流体を
軸端方向へ加圧する所謂ポンプアウト型に形成されてお
り、一対の動圧発生用溝15,15は互いに反対の向き
に形成されている。ここで、上記動圧発生用溝15の溝
深さは10μmであるが、上記螺旋状溝14の溝深さは
動圧発生用溝15よりも深い0.1mmに設定した。
【0022】一方、上記スピンドル主軸1は空気を潤滑
流体としたスラスト動圧軸受16によってその軸方向の
移動を規制されており、該スラスト動圧軸受16はスピ
ンドル主軸1に固定されたカラー17及び所定の軸受隙
間を保って該カラー17を挟み込む一対のスラスト板と
から構成されている。但し、この実施例ではラジアル動
圧軸受6とスラスト動圧軸受16を隣接して配置してい
ることから、スペーサ19を介してラジアル動圧軸受6
の外輪7と一枚のスラスト板18とを隣接配置すると共
に、これら外輪7とスラスト板18とで上記カラー17
を挟み込み、もう一枚のスラスト板を省略して構成の簡
素化を図っている。
【0023】上記スラスト板18は上記ラジアル動圧軸
受6の外輪7と同じセラミクス材から、またカラー17
はスピンドル主軸1のジャーナル部9と同じセラミクス
材から形成されており、上記カラー17の両表面にはス
パイラル状の動圧発生用溝20,21が夫々形成されて
いる。図3に示すように、カラー17の外輪6側の表面
に形成された動圧発生用溝20はスピンドル主軸1の回
転に伴って潤滑流体を外径方向へ加圧する所謂ポンプア
ウト型に、図4に示すように、カラー17のスラスト板
18側の表面に形成された動圧発生用溝21はスピンド
ル主軸1の回転に伴って潤滑流体を内径方向へ加圧する
所謂ポンプイン型に形成されている。尚、この実施例に
おいて、カラー17に形成された夫々の動圧発生用溝2
0,21の溝深さは15μmとした。
【0024】また、スピンドル主軸1の回転時における
カラー17の熱膨張によって、該カラー17と外輪7、
あるいはスラスト板18とが固体接触するのを防止する
ため、外輪7とスラスト板18との間に挟み込むスペー
サ19にはカラー17よりも熱膨張係数の大きな材料を
使用している。
【0025】更に、上記スラスト軸受16の軸受隙間は
ラジアル動圧軸受6の軸受隙間と連通連結されており、
ラジアル動圧軸受6の軸受隙間から排出された潤滑流体
がスラスト動圧軸受16の軸受隙間に流入し、スラスト
動圧軸受16から外部へ排出されるようになっている。
【0026】尚、本実施例において、ラジアル動圧軸受
6における外輪7とスピンドル主軸1との軸受隙間、及
びスラスト動圧軸受16におけるカラー17と外輪6又
はスラスト板18との軸受隙間は何れも7.5μmとし
た。
【0027】更に、この実施例ではスピンドル主軸1の
起動時及び停止時にスラスト動圧軸受16のカラー17
とスラスト板18とが接触するのを防止するため、スピ
ンドル主軸1の自重のみを支える低圧の静圧をカラー1
7とスラスト板18との間に付与している。このため、
図1に示すように、上記スラスト板18には図示外のコ
ンプレッサに連通する静圧孔22が穿設されており、ス
ピンドル主軸1の起動時及び停止時等のようにカラー1
7とスラスト板18との間に十分な動圧か発生していな
い場合であっても、カラー17をスラスト板18から浮
揚させることができるようになっている。
【0028】そして、以上のように構成された本実施例
の動圧スピンドル装置においては、モータ3によってス
ピンドル主軸1に回転が与えられると、上記ラジアル動
圧軸受6及びスラスト動圧軸受16の軸受隙間に潤滑流
体たる空気の動圧が発生し、スピンドル主軸1は高圧空
気の潤滑膜によって非接触でその回転を支承される。
【0029】このとき、上記ラジアル動圧軸受6ではス
ピンドル主軸1のジャーナル部9に形成された動圧発生
用溝15がポンプアウト型に形成されていることから、
スピンドル主軸1が回転すると、ラジアル動圧軸受6の
軸受隙間の空気がジャーナル部9の軸方向の端部に向け
て排出される一方、外輪7に形成された供給流路8から
はハウジング本体2の外の新たな空気か該軸受隙間に吸
引される。このため、スピンドル主軸1の回転に伴いラ
ジアル動圧軸受6の軸受隙間の空気が昇温したとして
も、かかる高温の空気は順次ラジアル動圧軸受6から排
出され、軸受隙間には低温の空気が流入してくるので、
スピンドル主軸1のジャーナル部9の熱膨張が可及的に
防止される。
【0030】特に、本実施例では該ジャーナル部9に螺
旋状溝14が形成されており、該螺旋状溝14はスピン
ドル主軸1の回転に伴って軸受隙間の潤滑流体を軸端方
向へ付勢するポンプとしての機能を果たしているので、
かかる螺旋状溝14の作用によって大量の潤滑流体がハ
ウジング本体2の外からラジアル動圧軸受6の軸受隙間
に吸引される。このため、動圧発生用溝15のみをジャ
ーナル部9に形成した場合と比較して軸受隙間を流れる
潤滑流体の流量を多く設定することができ、その分だけ
該ジャーナル部9の冷却効果を高めることができるよう
になっている。
【0031】従って、スピンドル主軸1が高速で回転す
ればするほどジャーナル部9の冷却効果は高まり、スピ
ンドル主軸9が毎分数万回転の高速で回転しても、上記
ジャーナル部9が空気の剪断摩擦熱によって昇温するの
を確実に防止することができ、スピンドル主軸1の熱膨
張を防止することができるものである。その結果、本実
施例のスピンドル装置ではラジアル動圧軸受6の軸受隙
間を必要最小限に設定することができ、その分だけラジ
アル動圧軸受6の負荷能力及び剛性を高めることがで
き、ひいては外力に対するスピンドル主軸1の負荷能力
及び剛性を高めることができるものである。
【0032】また、前述したように、ラジアル動圧軸受
6の外輪7はスピンドル主軸1のジャーナル部9よりも
熱膨張係数の大きなセラミクス材で形成されていること
から、たとえ潤滑流体の剪断摩擦熱によってこれら外輪
7及びジャーナル部9が昇温したとしても、ラジアル動
圧軸受6の軸受隙間が狭まることはなく、外輪7とジャ
ーナル部9との固体接触を防止することができるように
なっている。
【0033】更に、本実施例ではスピンドル主軸1のジ
ャーナル部9に動圧発生用溝15と隣接して上記螺旋状
溝14を形成し、供給流路8からラジアル動圧軸受6の
軸受隙間に吸引した潤滑流体を該螺旋状溝14で上記動
圧発生用溝15の形成部位に押し込むようにしているの
で、動圧発生用溝15によって昇圧される空気は既に螺
旋状溝14によって大気圧から加圧された状態にある。
従って、大気圧にある空気を動圧発生用溝15のみで昇
圧させる場合と比較して一層高圧の空気潤滑膜を軸受隙
間に形成することができるのであって、その分だけスピ
ンドル主軸1の負荷能力及び剛性を高めることができる
ようになっている。
【0034】図5は、ラジアル動圧軸受6における潤滑
流体の排出機構を具備しない従来の動圧スピンドル装置
と、潤滑流体の排出機構を具備した本実施例のスピンド
ル装置とに関し、運転時間の経過に伴うスピトンル主軸
1の温度上昇の結果をプロットしたグラフである。この
グラフから明らかなように、本実施例の動圧スピンドル
装置は毎分42000回転で継続的に運転してもスピン
ドル主軸1の温度上昇は10°C程度であり、従来の動
圧スピンドル装置を毎分30000回転で運転した場合
よりもその温度上昇は小さかった。
【0035】また、図6は、従来のスピンドル装置と本
実施例のスピトンル装置とに関し、熱膨張によるスピン
ドル主軸1の軸方向の伸びを比較したグラフである。こ
のグラフから明らかなように、毎分30000回転及び
42000回転の何れにおいても本実施例のスピンドル
装置の方がスピンドル主軸1の伸びは小さかった。これ
により、本実施例のスピンドル装置はこれを工作機械等
に用いた場合のワークの加工精度においても、従来のス
ピンドル装置より優れていることが理解される。
【0036】次に、図7は上記スピンドル主軸の他の例
を示すものである。概ねの構成は図2に示したスピンド
ル主軸1と同じであるが、ジャーナル部9の外周面の後
端部側の縁部にも動圧発生用溝23が形成されている点
において前述のスピンドル主軸1と異なる。該動圧発生
用溝23は、スピンドル主軸1の回転に伴い、ラジアル
動圧軸受6の軸受隙間の潤滑流体をジャーナル部9の中
央に向けて加圧する所謂ポンプイン型に形成されてい
る。
【0037】従って、このスピンドル主軸1が回転する
と、ラジアル動圧軸受6の軸受隙間の潤滑流体はポンプ
アウト型の動圧発生用溝15によってジャーナル部9の
端部方向へ加圧される一方、ポンプイン型の動圧発生用
溝23によってジャーナル部9の中央方向に向けて加圧
され、結果的に軸受隙間の潤滑流体はこれら動圧発生用
溝15,23の間において高い圧力を示すこととなる。
従って、スピトンル主軸1のジャーナル部9ではよりモ
ータ3に近い場所で高圧の空気潤滑膜が発生するので、
スピトンル主軸1の高速回転に伴いモータ3で振動が発
生しても、この振動に抗してスピンドル主軸1を支承す
ることが可能となる。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の動圧
スピンドル装置によれば、スピンドル主軸の回転に伴っ
てラジアル動圧軸受の軸受隙間に存在する潤滑流体は入
れ換えられ、かかる入れ換えによって軸受隙間で発生し
た剪断摩擦熱はラジアル動圧軸受の外部に持ち去られる
ので、ラジアル動圧軸受の回転側部材及び固定側部材の
熱膨張を可及的に小さくすることができ、その分だけ動
圧軸受の軸受隙間を小さく設定してスピンドル主軸の負
荷能力及び剛性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の動圧スピンドル装置の実施例を示す
断面図である。
【図2】 実施例に係るスピトンル主軸を示す正面図で
ある。
【図3】 実施例に係るカラーに形成されたポンプアウ
ト型の動圧発生用溝のパターンを示す図である。
【図4】 実施例に係るカラーに形成されたポンプイン
型の動圧発生用溝のパターンを示す図である。
【図5】 時間経過に伴うスピンドル主軸の温度上昇を
示すグラフである。
【図6】 回転時におけるスピンドル主軸の軸方向への
伸びを本実施例の動圧スピンドル装置と従来のそれとで
比較したグラフである。
【図7】 スピンドル主軸の他の例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1…スピンドル主軸、6…ラジアル動圧軸受、7…外輪
(回転側部材)、14…螺旋状溝、15…動圧発生用
溝、16…スラスト動圧軸受、18…供給流路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−21435(JP,A) 実開 昭59−175717(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 17/00 - 17/26 F16C 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、駆動手段に連結されて回
    転するスピンドル主軸と、所定の軸受隙間を介して対向
    する回転側部材及び固定側部材から構成され、上記スピ
    ンドル主軸をハウジングに対して回転自在に支承するラ
    ジアル動圧軸受とを備えた動圧スピンドル装置におい
    て、 上記ラジアル動圧軸受の固定側部材には該軸受の軸受隙
    間に対して潤滑流体を供給する供給流路を開設する一
    方、上記回転側部材には上記供給流路の開設位置を挟ん
    で一対のポンプアウト型の動圧発生用溝を形成し、上記
    スピンドル主軸の回転に伴いラジアル動圧軸受の軸受隙
    間に介在する潤滑流体を該軸受の軸方向の両端へ向けて
    排出するように構成し、更に、 上記ラジアル動圧軸受の回転側部材の周面には、上記供
    給流路の開設位置と各動圧発生用溝の形成位置との間に
    対応して該動圧発生用溝よりも深溝の螺旋状溝を形成
    し、上記スピンドル主軸の回転に伴って上記供給流路か
    らラジアル動圧軸受の軸受隙間に潤滑流体を吸引し、且
    つ、これを動圧発生用溝の形成部位に押し込むようにし
    ことを特徴とする動圧スピンドル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動圧スピンドル装置にお
    いて、上記ラジアル動圧軸受の固定側部材の熱膨張係数
    を回転側部材のそれよりも大きく設定したことを特徴と
    する動圧スピンドル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の動圧スピンドル装
    置において、上記スピンドル主軸の出力端と上記ラジア
    ル動圧軸受との間には該スピンドル主軸の軸方向への移
    動を規制するスラスト動圧軸受を設けると共に、上記ス
    ピンドル主軸にはこのスラスト動圧軸受を構成するカラ
    ーを固定し、このカラーよりもラジアル動圧軸受側に位
    置するスピンドル主軸のジャーナル部をセラミクス材で
    形成する一方、上記カラーよりも出力端側に位置するス
    ピンドル主軸の先端部を上記セラミクス材よりも熱膨張
    係数の低い材料で形成したことを特徴とする動圧スピン
    ドル装置。
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