JP2905089B2 - 鋳物砂再生方法 - Google Patents

鋳物砂再生方法

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JP2905089B2
JP2905089B2 JP6138190A JP13819094A JP2905089B2 JP 2905089 B2 JP2905089 B2 JP 2905089B2 JP 6138190 A JP6138190 A JP 6138190A JP 13819094 A JP13819094 A JP 13819094A JP 2905089 B2 JP2905089 B2 JP 2905089B2
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富三 森田
正則 田中
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耕治 横山
俊治 檀
正樹 影山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シェルモールド鋳造の
鋳型形成に使用された鋳物砂を再生するための鋳物砂再
生方法に関する。
【0002】
【課題解決のための手段】本発明は、上記目的を達成す
るため、シェルモールド鋳造の鋳型形成に使用された鋳
物砂を再生するための鋳物砂再生方法において、回収し
た鋳型材を流動焙焼処理に適した大きさに粉砕して鋳物
砂にする工程と、この鋳物砂からレジン等を燃焼除去す
る流動焙焼工程と、該流動焙焼工程で焙焼された鋳物砂
を冷却する流動冷却工程と、該流動冷却工程を通った鋳
物砂を粒度調整した後該鋳物砂と新砂および添加物と混
練する工程と、を備え、前記流動焙焼工程は、鋳物砂を
パンチングプレート上に供給するとともに、熱風を該パ
ンチングプレートの下方から前記鋳物砂を通して上方へ
循環させ、該パンチングプレート上の鋳物砂を除去すべ
きレジンの燃焼により前記熱風の温度よりさらに高い温
度で流動焙焼するとともに前記熱風によって踊らせなが
ら排出口へ向けて移動させる工程とし、前記流動冷却工
程は、前記流動焙焼工程の後の鋳物砂をパンチングプレ
ート上に供給するとともに、空気流を該パンチングプレ
ートの下方から鋳物砂を通して上方へ循環させ、該パン
チングプレート上の鋳物砂を前記空気流によって踊らせ
ながら排出口へ向けて移動させる工程とし、前記流動焙
焼工程から排出される熱風を比較的大きな粉塵およびダ
ストを遠心分離するための共通のサイクロンに導き、前
記共通のサイクロンで処理された熱風の一部を前記流動
焙焼工程に還流して再びバーナーで加熱して前記パンチ
ングプレートを通して循環させるとともに前記熱風の他
の一部を共通の集塵機へ導き、前記流動冷却工程から排
出される冷却風も前記共通のサイクロンに導き、この共
通のサイクロンで処理された冷却風も前記共通の集塵機
へ導くことを特徴とする。
【0003】前記鋳物砂はシェルモールド鋳造の鋳型と
して使用された後これを再生して繰り返し使用すること
が行なわれている。本発明は、使用された鋳物砂(レジ
ンコーテッドサンド)を再度使用できるように再生する
ための鋳物砂再生方法の改良に係わるものである。この
鋳物砂再生方法は、回収した鋳型材の表面に付着した鉄
分等を磁気分離し、該鋳型材を処理に適した大きさの粒
に粉砕し、レジンを除去するための流動焙焼処理を行
い、必要に応じて新しい砂を加え、そして、前述の粘結
剤や硬化促進剤などの添加物を混入するという手順で行
われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鋳物砂再生方法では、流動焙焼炉や流動冷却装置の構成
が複雑でしかも処理効率が充分に高くないことから、各
処理装置を設置するために広い敷地面積を必要とし、設
備費が高くなり、粉塵や臭気の除去が不充分であるなど
の不都合がある。
【0005】本発明はこのような従来技術に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の目的は、流動焙焼工程および
流動冷却工程を簡単かつコンパクトで安価な構成で実施
することができ、設備の敷地面積を低減するとともに設
備費を節減することができ、しかも、熱の有効利用によ
る省エネルギーを実現することができ、さらに、粉塵や
臭気の発生を低減して低公害化を図ることができる鋳物
砂の再生方法を提供することである。
【0006】
【課題解決のための手段】請求項1の発明は、上記目的
を達成するため、シェルモールド鋳造の鋳型形成に使用
された鋳物砂を再生するための鋳物砂再生方法におい
て、回収した鋳型材を流動焙焼処理に適した大きさに粉
砕して鋳物砂にする工程と、この鋳物砂からレジン等を
燃焼除去する流動焙焼工程と、該流動焙焼工程で焙焼さ
れた鋳物砂を冷却する流動冷却工程と、該流動冷却工程
を通った鋳物砂を粒度調整した後該鋳物砂と新砂および
添加物と混練する工程と、を備え、前記流動焙焼工程か
ら排出される熱風を比較的大きな粉塵を遠心分離するた
めのサイクロンに導き、前記サイクロンで処理された熱
風の一部を前記流動焙焼工程に還流するとともに他の一
部を集塵機へ導き、前記流動冷却工程から排出される冷
却風を前記共通のサイクロンに導き、この共通のサイク
ロンで処理された冷却風を前記共通の集塵機へ導くこと
を特徴とする。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明による鋳物砂再生方法を実施するの
に好適な設備の全体構成を示す配置図であり、図2は本
発明による鋳物砂再生方法を実施するのに好適な各工程
を順に示すフローチャートである。なお、図1中の各部
に付した数字と図2中の各工程に付した番号とはそれぞ
れ対応しており、それぞれの番号の装置では対応する番
号の工程が行われる。
【0011】図3は図1中の線3−3に沿って見た装置
の立面図である。図1〜図3において、1はシェルモー
ルド鋳造の鋳型形成に使用された鋳物砂(シェル砂)を
回収する台車、2は鋳物砂を積載した台車1を供給位置
へ搬送するためのスキップコンベア、3はスキップコン
ベア2からの回収砂を通過させるスクリーン、4は回収
砂を受け入れる回収砂ホッパー、5はホッパー4の出口
に設けられた電磁フィーダー、6は電磁フィーダー5か
ら供給される回収砂を運搬するベルトコンベア、7は搬
送中の回収砂に混入している鉄分を分離除去するための
電磁式吊り下げ磁選機である。
【0012】図1〜図3において、8は前記ベルトコン
ベア6から供給される回収砂(回収した鋳型材)を所望
の大きさ(後述する流動焙焼炉での処理に適した大き
さ)に粉砕するためのハンマーミル、9は粉砕された回
収砂(鋳物砂)を運搬するベルトコンベア、10は前記
ベルトコンベア9から供給された回収砂を後述する流動
焙焼炉への供給位置へ運搬するためのバケットコンベア
である。
【0013】図4は図1中の線4−4に沿って見た装置
の立面図である。図1、図2および図4において、11
は前記バケットコンベア10から供給される回収砂(鋳
物砂)からレジン(添加物)を燃焼除去するための流動
焙焼炉、12は流動焙焼炉11から排出される鋳物砂を
搬送するスクリュウコンベア、13は焙焼された鋳物砂
を冷却するための流動冷却装置である。
【0014】図5は図1中の線5−5に沿って見た装置
の立面図である。図1、図2、図4および図5におい
て、14は前記流動冷却装置13から排出される鋳物砂
を搬送するスクリュウコンベア、15は電磁フィーダー
式のスクリーン(ふるい)、16は前記スクリュウコン
ベア14から前記スクリーン15を通して送給される鋳
物砂を所定高さの供給位置へ搬送するためのバケットコ
ンベアである。
【0015】本実施例の鋳物砂再生装置では、回収砂を
再生して得た再生砂と新しい鋳型用砂(新砂)とを一定
割合で混合するように構成されている。図1、図2およ
び図5において、17は以上の各工程で再生処理された
鋳物砂(再生砂)を前記バケットコンベア16から受け
取って貯留する再生砂タンク、18は前記再生砂タンク
17内の再生砂を取り出すためのロータリーフィーダ
ー、19は前記ロータリーフィーダー18を通して供給
される再生砂を搬送するベルトコンベアである。この再
生砂は後述する新砂と混合(混練)される。
【0016】図1、図2および図5において、31は新
砂供給ホッパー、32は前記ホッパー31から取り出し
た新砂を所定の供給位置へ搬送するためのバケットコン
ベア、33は前記バケットコンベア32から供給される
新砂を貯留する新砂タンク、34は前記新砂タンク33
内の新砂を取り出すためのロータリーフィーダー、35
は前記ロータリーフィーダー34を通して供給される新
砂を搬送するベルトコンベアである。
【0017】図6は図1中の線6−6に沿って見た装置
の立面図である。図1、図2および図6において、20
は前記ベルトコンベア19上の再生砂と前記ベルトコン
ベア35上の新砂を受け取って運搬するベルトコンベ
ア、21は前記ベルトコンベア20から再生砂および新
砂を受け取って所定高さの供給位置へ搬送するスキップ
コンベア、22は前記スキップコンベア21から鋳物砂
(再生砂および新砂)を受け取るホッパー、23は前記
ホッパー22から供給される鋳物砂を所定温度(例えば
約170℃)に加熱するためのサンドヒーターである。
【0018】図1、図2および図6において24は混練
ミキサーである。図1および図2において、36はフェ
ノールレジン等の粘結剤を供給するレジン供給装置、3
7はヘキサミン等のシェルモールド硬化促進剤を供給す
るたヘキサ水供給装置、38は鋳物砂同士をほぐすため
のステアリン酸カルシュウム等を供給するステカル供給
装置である。そして、前記混練ミキサー24に対して、
前記サンドヒーター23で加熱処理された鋳物砂(再生
砂および新砂)の他に、前記レジン供給装置36、前記
ヘキサ水供給装置37および前記ステカル供給装置38
からレジンコーテッドサンド用の各種添加物が供給さ
れ、これらは該混練ミキサー24内で混練される。
【0019】図1および図2において、前記ミキサー2
4で混練された鋳物砂(鋳型材)は冷却用振動コンベア
25上へ供給される。この冷却用振動コンベア25で鋳
物砂は乾燥されながら所定温度(例えば80℃)まで冷
却される。前記冷却用振動コンベア25からの鋳物砂は
スクリーン(フルイ)26を通してバケットコンベア2
7へ供給され、さらに、該鋳物砂は、前記バケットコン
ベア27からRCS(レジンコーテッドサンド)製品ホ
ッパー28へ供給され、該ホッパー28からフレキシブ
ルコンテナバッグ29へ充填される。
【0020】図1および図2において、30は集塵機を
示し、この集塵機30に対しては次に列挙する各装置
(各工程)がダクト配管を通して接続されている。すな
わち、スクリーン3、回収砂ホッパー4、ベルトコンベ
ア6、ハンマーミル8、バケットコンベア10、流動焙
焼炉11、流動冷却装置13、再生砂タンク17、ベル
トコンベア19、ベルトコンベア20、スキップコンベ
ア21、サンドヒーター23、スクリーン26、RCS
製品ホッパー28、新砂供給ホッパー31、新砂タンク
33およびベルトコンベア35が不図示のダクト配管を
通して集塵機30に接続されている。
【0021】なお、これらの装置のうち、流動焙焼炉1
1、流動冷却装置13およびサンドヒーター23は、比
較的重い塵埃であるダストを遠心分離するためのサイク
ロン39に接続され、該サイクロン39を介して前記集
塵機30に接続されている。また、前記混練ミキサー2
4の内部の集塵は前記流動焙焼炉11へ内部雰囲気を導
くことにより行われ、それによって、該混練ミキサー2
4内で発生するフェノールガスの臭気も同時に除去する
ことができる。
【0022】図1および図3中のハンマーミル8として
は、例えば株式会社竹内鉄工所の竹内式D型粉砕機を使
用することができる。図7および図8はこの竹内式D型
粉砕機を例にとってハンマーミル8の構造を示し、図7
は該ハンマーミル8の一部破断正面図であり、図8は図
7のハンマーミル8の一部破断側面図である。図7およ
び図8において、40は本体ケース、41は回収砂が供
給されるホッパー、42は異物排出口、43はケース本
体40の内周面に添着されたライニング、44はケース
本体の中心部に回転自在に軸支されたシャフト、45は
該シャフト44の突出端部に固定されたプーリー、46
は前記シャフト44のケース本体内部の位置に固定され
たハンマーホルダー、47はハンマー、48は前記ハン
マー47を前記ハンマーホルダー46に着脱可能に取付
けるためのハンマーピン、49は粉砕された回収砂を粒
度調整しながら下方(矢印方向)へ排出するためのフル
イである。
【0023】図9は前記ハンマー47を示す斜視図であ
る。前記ハンマーミル8により回収砂は粒度10mm以
下に粉砕される。ハンマーミル8で粉砕された回収砂は
前記ベルトコンベア9で前記バケットコンベア10へ向
けて搬送されるが、このベルトコンベア9は磁選プーリ
ー付になっており、したがって、該ベルトコンベア9が
搬送する際に回収砂に付着している鉄分の分離除去が行
われる。
【0024】次に図1および図4を参照して流動焙焼炉
11の構造および作用について説明する。図4におい
て、耐火材の壁から成る密閉室50の内部には水平方向
にパンチングプレート51が設置され、バケットコンベ
ア10からの回収砂(鋳物砂)は上部の砂入口52を通
して前記パンチングプレート51上に供給される。一
方、密閉室50の前記パンチングプレート51より下側
の部分には高温空気の流入口53が設けられ、該流入口
53にはガスバーナー54が接続されており、ブロアー
(送風機)により該ガスバーナー54で加熱されて高温
になった空気を前記パンチングプレート51およびその
上の鋳物砂を通して下方から上方へ送風するように構成
されている。前記パンチングプレート51の前記砂入口
52の反対側(図示左側)には流動焙焼処理された鋳物
砂お排出口55が設けられている。
【0025】前記流動焙焼炉11の仕様は例えば次のよ
うに設定される。前記流動焙焼炉11へブロアーにより
供給される高温空気の風量は毎分約150m3 、供給さ
れる空気(熱風)の温度は約550℃、ガスバーナー5
4の静圧は水柱で約150mm、燃料ガスの流量は毎時
約42m3 、ガスバーナー54の発熱量は毎時約28万
(Kcal)程度である。こうして、前記流動焙焼炉11にお
ける鋳物砂(回収砂)からレジンを除去する焙焼工程
は、鋳物砂をパンチングプレート51上に供給するとと
もに、熱風を該パンチングプレート51の下方から鋳物
砂を通して上方へ循環させ、該パンチングプレート51
上の鋳物砂を前記熱風によって踊らせながら排出口55
へ向けて移動させながら行われる。
【0026】この場合、前記パンチングプレート51上
の鋳物砂は図示右側から図示左側へ移動(流動)するの
に対し、ブロアーにより前記バーナー54を通して送ら
れる高温空気は図示左側に設けられた流入口53から上
記鋳物砂の流動方向とは逆の方向から供給される。こう
して、きわめてコンパクトな構成で設置に必要な面積を
大幅に低減することが可能な流動焙焼炉が実現されてい
る。
【0027】また、前記パンチングプレート51に形成
される孔の直径は0.5mm〜3.0mm、より好まし
くは0.5mm〜1.5mm程度に選定され、これらの
孔の配列は縦横約10mmピッチの第1の配置と該第1
の配置から縦横に半ピッチ(約5mm)ずらした同じく
縦横約10mmピッチの第2の配置とを組み合わせたも
のに選定されている。
【0028】図4において、前記パンチングプレート5
1および鋳物砂を下方から上方へ通過した熱風は、密閉
室50の頂部に設けられた排風口(流出口)56からサ
イクロン39へ導かれる。サイクロン39では比較的大
きな粉塵が遠心分離され、この分離された粉塵は該サイ
クロン39の下部よりダストとして排出される。一方、
サイクロン39で処理された熱風はダンパー57により
分岐され、一部(例えば約10%)は集塵機30へ導か
れ、残り(約90%)は還流路58から前記ガスバーナ
ー54を通して前記流入口53へ導かれる。すなわち、
流動焙焼炉11では、鋳物砂の焙焼に使用された熱風の
少なく一部を再使用する熱のリサイクル方式が採用され
ている。
【0029】図4において、前記パンチングプレート5
1上に供給される鋳物砂(回収砂)には数%(例えば3
%)程度のレジンが含まれており、前記熱風により該レ
ジンは燃焼してしまう。前記ガスバーナー54から送風
される熱風の温度は約550℃程度であるが、前記レジ
ンの燃焼(回収砂の自燃)によって回収砂の燃焼温度は
約700℃程度まで上昇させることができる。すなわ
ち、前記流動焙焼炉11は、レジン含有の回収砂の自燃
による発熱量まで有効利用してレジン等の添加物を焙焼
除去するように限界設計され、熱効率に優れた構成にな
っている。
【0030】前記流動焙焼炉11における焙焼処理によ
り、粒度が10mm程度であった回収砂は約20〜25
0メッシュ(約100メッシュ)程度の鋳物砂(再生
砂)へ再生される。また、前記流動焙焼炉11では、処
理中に発生するフェノールガス、アンモニアガス、C
O、CO2 などを含む臭気ガスも殆ど完全に燃焼除去す
ることができ、これらの燃焼が密閉室50内で行われる
ことから、振動シュートを用いて搬送したりロータリー
キルンで流動焙焼処理したりする従来方式に比べ、塵埃
や臭気の放出を殆ど無くすことができ、低公害化に優れ
た流動焙焼炉を構成することができる。
【0031】前記流動焙焼炉11でレジン等を除去処理
された再生砂は、スクリューコンベア12で流動冷却装
置13へ送給され、該流動冷却装置13において約50
0℃から約200℃程度に冷却される。この流動冷却装
置13は、寸法や風量等の具体的仕様を除き、構造的に
は、前述した流動焙焼炉11からガスバーナー54のみ
を省いた構造になっている。ただし、密閉室から排出さ
れる空気(冷却風)は前記サイクロン39へ導かれるだ
けであり、流入口53Aからはブロアーからの新鮮な空
気が導入されるように構成されている。図4中には、流
動冷却装置13の前記流動焙焼炉13の各構成部分に対
応する部分は、それぞれ同一番号に英文字Aを追加した
符号で示されている。
【0032】すなわち、この流動冷却装置13は、密閉
室50A内に略水平にパンチングプレート51Aを設置
し、砂入口52Aから再生砂(鋳物砂)を前記パンチン
グプレート51A上に供給するとともに、ブロアーによ
り空気流(冷却風)を密閉室50A内に送り込んで前記
パンチングプレート51Aの下方から前記再生砂を通し
て上方へ循環させ、該パンチングプレート51A上の鋳
物砂を空気流によって踊らせながら排出口55Aへ向け
て移動させ、その間に該鋳物砂を約500℃から約20
0℃程度まで冷却するように構成されている。なお、こ
の冷却方法は、鋳物砂全般における砂冷却に有効であ
り、生砂造型や自硬性造型など全ての造型に適用可能で
ある。
【0033】前記流動冷却装置13内で発生する塵埃等
は冷却風とともに排風口56Aから前記サイクロン39
へ導入され、該サイクロン39を通して集塵機30等へ
送給されることにより処理される。したがって、この流
動冷却装置13も、前記流動焙焼炉と同様、極めてコン
パクトで設置に必要な面積を大幅に減らすことができ、
しかも、塵埃の放出が殆ど無い低公害化された構成にな
っている。
【0034】図1および図2において、前記電磁フィー
ダー式のスクリーン(ふるい)15は振動によって再生
砂の粒度を調整するためのものである。また、本実施例
の鋳物砂再生装置では、前記再生砂タンク18からの再
生砂と前記新砂タンク33からの新砂とを一定割合で混
合するように構成されているが、その割合は、例えば、
再生砂80kgに対し新砂20kgの割合に選定され
る。さらに、前記サンドヒーター23で鋳物砂は約17
0℃程度に加温され、前記混練ミキサー24では約15
0℃程度で鋳物砂と添加物との混練が行われる。そし
て、この混練ミキサー24から排出される鋳物砂は、前
記冷却用振動コンベア25上で約80℃程度まで冷却さ
れる。
【0035】前記サンドヒーター23内の雰囲気も前記
サイクロン39へ送給されて低公害化処理を施される。
また、前記混練ミキサー24内では塵埃や臭気が発生し
やすいことから、該混練ミキサー24内の雰囲気は、前
記流動焙焼炉11内へ導入され、熱風と一緒にサイクロ
ン39へ送られて処理される。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば、シェルモールド鋳造の鋳型形成に使用された
鋳物砂を再生するための鋳物砂再生方法において、回収
した鋳型材を流動焙焼処理に適した大きさに粉砕して鋳
物砂にする工程と、この鋳物砂からレジン等を燃焼除去
する流動焙焼工程と、該流動焙焼工程で焙焼された鋳物
砂を冷却する流動冷却工程と、該流動冷却工程を通った
鋳物砂を粒度調整した後該鋳物砂と新砂および添加物と
混練する工程と、を備え、前記流動焙焼工程は、鋳物砂
をパンチングプレート上に供給するとともに、熱風を該
パンチングプレートの下方から前記鋳物砂を通して上方
へ循環させ、該パンチングプレート上の鋳物砂を除去す
べきレジンの燃焼により前記熱風の温度よりさらに高い
温度で流動焙焼するとともに前記熱風によって踊らせな
がら排出口へ向けて移動させる工程とし、前記流動冷却
工程は、前記流動焙焼工程の後の鋳物砂をパンチングプ
レート上に供給するとともに、空気流を該パンチングプ
レートの下方から鋳物砂を通して上方へ循環させ、該パ
ンチングプレート上の鋳物砂を前記空気流によって踊ら
せながら排出口へ向けて移動させる工程とし、前記流動
焙焼工程から排出される熱風を比較的大きな粉塵および
ダストを遠心分離するための共通のサイクロンに導き、
前記共通のサイクロンで処理された熱風の一部を前記流
動焙焼工程に還流して再びバーナーで加熱して前記パン
チングプレートを通して循環させるとともに前記熱風の
他の一部を共通の集塵機へ導き、前記流動冷却工程から
排出される冷却風も前記共通のサイクロンに導き、この
共通のサイクロンで処理された冷却風も前記共通の集塵
機へ導く構成としたので、流動焙焼工程および流動冷却
工程からの熱風をリサイクルすることから熱の有効利用
による省エネルギーを実現することができ、流動焙焼工
程からの熱風および流動冷却工程からの冷却風を共通の
サイクロン処理した後、さらに共通の集塵機で処理する
ことにより、粉塵を分離除去した後の極めて微細な少量
のダストのみを含有する熱風を流動焙焼工程へ還流させ
て再利用することを可能にするとともに集塵機で全ての
ダストを容易に吸引除去することを可能にすることがで
き、パンチングプレート上の鋳物砂を熱風によって移動
させながら流動焙焼するとともにパンチングプレート上
の鋳物砂を空気流によって移動させながら流動冷却する
ことから、燃焼と流動を同時に行う連続処理を容易に確
実に実行することができ、また、流動焙焼工程からの熱
風および流動冷却工程からの冷却風を共通のサイクロン
および共通の集塵機で処理することにより、流動焙焼工
程および流動冷却工程を簡単かつコンパクトで安価な構
成で実施することができ、設備の敷地面積を低減すると
ともに設備費を節減することができ、さらに、粉塵や臭
気の発生を低減して低公害化を図ることができる鋳物砂
再生方法が提供される。
【0037】
【0038】
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鋳物砂再生方法を実施するのに好
適な設備の全体構成を示す配置図である。
【図2】本発明による鋳物砂再生方法を実施するのに好
適な各工程を順に示すフローチャートである。
【図3】図1中の線3−3に沿って見た装置の立面図で
ある。
【図4】図1中の線4−4に沿って見た装置の立面図で
ある。
【図5】図1中の線5−5に沿って見た装置の立面図で
ある。
【図6】図1中の線6−6に沿って見た装置の立面図で
ある。
【図7】図1中のハンマーミルの一部破断正面図であ
る。
【図8】図7のハンマーミルの一部破断側面図である。
【図9】図7のハンマーミル内のハンマーを示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 シェル砂回収台車 4 回収砂ホッパー 5 電磁フィーダー 7 電磁式吊り下げ磁選機 8 ハンマーミル 9 ベルトコンベア(磁選プーリー付き) 10 バケットコンベア 11 流動焙焼炉 12 スクリュウコンベア 13 流動冷却装置 17 再生砂タンク 18 ロータリーフィーダー 20 ベルトコンベア 23 サンドヒーター 24 混練ミキサー 25 冷却用振動コンベア 28 RCS製品ホッパー 29 フレキシブルコンテナバック 30 集塵機 31 新砂供給ホッパー 33 新砂タンク 34 ロータリーフィーダー 35 ベルトコンベア 36 レジン供給装置 37 硬化促進剤供給装置 38 ほぐし剤供給装置 39 サイクロン 40 ハンマーミルの本体ケース 41 ホッパー 44 シャフト 46 ハンマーホルダー 47 ハンマー 49 ふるい 50 密閉室 51 パンチングプレート 52 砂入口 53 流入口 54 ガスバーナー 55 排出口 56 排風口 57 ダンパー 58 還流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上山 林 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 森田 富三 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 田中 正則 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 西川 民雄 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 横山 耕治 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 檀 俊治 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 影山 正樹 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (56)参考文献 特開 昭62−57733(JP,A) 特開 昭57−25243(JP,A) 特開 昭56−144842(JP,A) 特開 昭53−71628(JP,A) 特開 昭54−124823(JP,A) 実開 昭53−81615(JP,U) 実開 昭53−81616(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22C 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェルモールド鋳造の鋳型形成に使用
    された鋳物砂を再生するための鋳物砂再生方法におい
    て、 回収した鋳型材を流動焙焼処理に適した大きさに粉砕し
    て鋳物砂にする工程と、この鋳物砂からレジン等を燃焼
    除去する流動焙焼工程と、該流動焙焼工程で焙焼された
    鋳物砂を冷却する流動冷却工程と、該流動冷却工程を通
    った鋳物砂を粒度調整した後該鋳物砂と新砂および添加
    物と混練する工程と、を備え、 前記流動焙焼工程は、鋳物砂をパンチングプレート上に
    供給するとともに、熱風を該パンチングプレートの下方
    から前記鋳物砂を通して上方へ循環させ、該パンチング
    プレート上の鋳物砂を除去すべきレジンの燃焼により前
    記熱風の温度よりさらに高い温度で流動焙焼するととも
    に前記熱風によって踊らせながら排出口へ向けて移動さ
    せる工程とし、 前記流動冷却工程は、前記流動焙焼工程の後の鋳物砂を
    パンチングプレート上に供給するとともに、空気流を該
    パンチングプレートの下方から鋳物砂を通して上方へ循
    環させ、該パンチングプレート上の鋳物砂を前記空気流
    によって踊らせながら排出口へ向けて移動させる工程と
    し、 前記流動焙焼工程から排出される熱風を比較的大きな粉
    塵およびダストを遠心分離するための共通のサイクロン
    に導き、 前記共通のサイクロンで処理された熱風の一部を前記流
    動焙焼工程に還流して再びバーナーで加熱して前記パン
    チングプレートを通して循環させるとともに前記熱風の
    他の一部を共通の集塵機へ導き、 前記流動冷却工程から排出される冷却風も前記共通のサ
    イクロンに導き、 この共通のサイクロンで処理された冷却風も前記共通の
    集塵機へ導くことを特徴とする鋳物砂再生方法。
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