JP2904894B2 - 密閉形電動圧縮機 - Google Patents

密閉形電動圧縮機

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    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B39/00Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、冷蔵庫,空気調和機等に用いる密閉形電動
圧縮機に係り、特に、密閉容器内に圧縮機本体を圧縮コ
イルばねで弾性的に支持する形式の支持構造に好適な密
閉形電動圧縮機に関するものである。
[従来の技術] 従来の密閉形電動圧縮機の支持構造は、例えば実公昭
58-52391号公報に記載されているように、密閉容器内に
圧縮機部と電動機部とからなる圧縮機本体を弾性的に支
持する圧縮コイルばねと、該コイルばねと固定子締付ボ
ルトのヘッドとの間に取付けられる合成樹脂製媒体部材
とを有したものであった。
この合成樹脂製媒体部材は、その上部を固定子外周よ
り突き出すようにしたカラーを形成して搬送時における
横方向のストッパとしている。そこで、以下この部材を
プラスチック製ストッパという。
前記プラスチック製ストッパの上端面は固定子端面に
当接し、該ストッパの下部は締付ボルトヘッドより下方
に突出した搬送時における鉛直下方向のストッパともな
っていた。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来技術においては、プラスチック製ストッパの
上端カラーを固定子外周より突出し、搬送時における横
方向の衝撃を受ける際のストッパとしている。このカラ
ー部の破損を防ぐため塑性変形によって衝撃エネルギー
を吸収させるに十分な軟性を有するプラスチック材を使
用する必要があるため、ストッパ部材の射出成形加工性
が劣るという問題があった。
また、前記プラスチック製ストッパは、上端面を電動
機部の固定子端面に当接させ、かつ下部は固定子締付ボ
ルトのヘッドより下方に突出して鉛直下方のストッパと
なっていた。
このような密閉容器内の圧縮機本体の支持構造は、密
閉容器の大きさを一定として電動機部の固定子鉄心積厚
を数種類に変化させたシリーズ構成とする場合、固定子
締付ボルトの長さとプラスチック製ストッパの長さとを
変化させる必要が生じ、部品種類の増加および型製作費
用の増加により製作コストがアップするという問題があ
った。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために成
されたもので、搬送時の衝撃力は固定子締付ボルトの鍔
部で受け、合成樹脂製媒体部材では直接受けることがな
いようにして合成樹脂製媒体部材の低グレード材化を可
能とし、材料コストの低減および射出成型性の向上によ
り加工コストの低減を図りうる密閉形電動圧縮機を提供
することを、その目的とするものである。
また、本発明の他の目的は、電動圧縮機のシリーズ化
を図る上で合成樹脂製媒体部材の共用化を可能にし、部
品の標準化と型製作費の低減を図りうる密閉形電動圧縮
機を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明に係る密閉形電動
圧縮機の構成は、密閉容器内に圧縮機部と電動機部とか
らなる圧縮機本体を弾性的に支持する圧縮コイルばね
と、この圧縮コイルばねと前記電動機部の固定子締結用
ボルト頭部との間に設ける合成樹脂製の媒体部材とを有
してなる密閉形電動圧縮機において、 前記固定子の締結用ボルト頭部に、前記圧縮コイルば
ねの外径より大で、かつ前記固定子外周より突出した鍔
部を形成し、この鍔部と前記圧縮コイルばねとの間に、
合成樹脂製媒体部材を挟み込むものとし、かつ、前記締
結用ボルトの鍔部外径が前記合成樹脂製媒体部材の上端
外周径より大きく形成されているものである。
[作用] 上記技術的手段による働きは次のとおりである。
固定子締付ボルト頭部の鍔部外径が固定子外周より突
出し、かつ、合成樹脂製媒体部材上端部外径より大とな
っているので、搬送中の横方向の衝撃が直接合成樹脂製
媒体部材に加わらないようになっており、合成樹脂製媒
体部材の材質を射出成形性に適した低グレード材化する
ことが可能である。
また、固定子締付ボルトの頭部中間に前述の鍔部を形
成し、この鍔部下端面に合成樹脂製媒体部材の上端面を
当接させることによって、電動圧縮機のシリーズを図る
うえで電動機部の固定子鉄心積厚を変化させる場合に前
記ボルトの鍔部高さを調整することにより、寸法吸収が
可能となり、合成樹脂製媒体部材自体の寸法変更を行な
わなくともすむようになる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図ないし第7図を参照
して説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る密閉形電動圧縮機
の縦断面図、第2図は、密閉容器を開放して示した略示
平面図、第3図は、第2図のA−A線矢視断面図、第4
図は、従来の支持構造を示す要部断面図、第5図は、本
発明の一実施例に係る支持構造を示す要部断面図、第6
図は、第4図に示す要部の寸法図、第7図は、第5図に
示す要部の寸法図である。
第1図に示すように、圧縮機本体1は、上部に圧縮機
部2を、下部に電動機部3を配置してなるもので、複数
個の圧縮コイルばね4によって密閉容器5内に弾性的に
支持,収納されている。
その弾性支持構造は、第3図に示すとおりであり、圧
縮コイルばね4の上部は、電動機部4の固定子3aを締結
する固定子締付ボルト(以下単にボルトという)6の頭
部6aに装着した合成樹脂製媒体部材7に遊びをもって嵌
め合わされている。
また、コイルばね4の下部は、密閉容器5の底部に設
置された突起部8に圧入されている。
前記ボルト6の頭部中間には、該ボルト頭部6a外径よ
り大で、かつ、固定子3a外周より突き出したボルト鍔部
6bが形成されている。
一方、合成樹脂製媒体部材7は、その上部に前記ボル
ト鍔部6bの外径より小なる鍔部7aを形成し、かつ、その
上端はボルト鍔部6bに当接している。また、合成樹脂製
媒体部材7の下部は、ボルト頭部6aより下方に伸びた胴
体部7bをほぼ均一な肉厚を保持した中空円筒形状に形成
している。さらに、コイルばね4の上端とボルト鍔部6b
との間に前記合成樹脂媒体部材7の鍔部7aが挟みこまれ
ている。
上記支持構造の密閉形電動圧縮機における、圧縮機の
シリーズ化を図る場合について以下に述べる。
通常、密閉容器の大きさを一定として、圧縮機本体を
収納しうる範囲において数種類の異なった電動機固定子
積厚を有していることは周知のとおりである。
第4図に示す従来の支持構造によって電動圧縮機のシ
リーズ化を図った場合、電動機固定子積厚をL1、ボル
ト6Aの長さをL2、合成樹脂製媒体部材7Aの長さをL3
して、これらの関係について、第6図に75W,85W,100Wの
シリーズの例を示す。すなわち、合成樹脂製媒体部材7A
の上端面が電動機固定子3aの下端面に直接当接している
ことから、電動機固定子積厚L1のシリーズ別の変化に
ともなってボルト厚さL2と合成樹脂製媒体部材長さL3
を変えることが必須となる。
一方、第5図に示す本実施例の支持構造によって電動
圧縮機のシリーズ化を図る場合は、第7図に、第6図同
様、75W,85W,100Wのシリーズの例を示すように電動機固
定子積厚L1が変化してもこれにともなってボルト長さ
2およびL2′を調整するのみで、合成樹脂製媒体部材
長さL3は一定にすることが可能となる。
ここで、ボルト長さL2は、支持構造の如何に拘らず
電動機固定子積厚L1の変化に応じて変更することは避
けられない。したがって、シリーズ化を図る上で本実施
例の支持構造によれば、ボルト6のみの変更で合成樹脂
製媒体部材7を一種類とすることが可能となる。また、
前述の合成樹脂製媒体部材7の上部に形成した鍔部7aの
外径はボルト鍔部6bの外径より小さく内側となっている
ため搬送時の衝撃力を直接受けないので破損することが
無く、射出成型性の比較的優れた低グレードの樹脂材を
使用することが可能となる。
さらに、合成樹脂製媒体部材7の下部に形成したボル
ト頭部6aより下方に伸びた胴体部7bはほぼ均一な肉厚を
保持した中空円筒形状となすことにより射出成型性を向
上することができる。また、この胴体部7bの下端面と密
閉容器5の底部に設置した突起部8の上端面とは通常は
適当な間隙を保持し、搬送時の鉛直下方の衝撃に対する
ストッパを兼ねている。
本実施例によれば、ボルト頭部の中間に電動機固定子
の外周より突き出す鍔部を設け、このボルト鍔部とばね
上端との間に挟み込んだ合成樹脂製媒体部材の上部鍔部
外径を前記ボルト鍔部外径より小さくすることにより、
搬送時の衝撃力はボルト鍔部で受け、合成樹脂製媒体部
材の上部鍔部では直接受けることがない。したがって、
合成樹脂製媒体部材の低グレード材化が可能となり、材
料コストの低減および射出成型性の向上により加工コス
トを低減することができる。
また、合成樹脂製媒体部材の上端面をボルト鍔部に当
接させることにより、電動圧縮機のシリーズ化を図る上
で、ボルトのみの変更で比較的高価な型製作費を要する
合成樹脂製媒体部材は一種類にすることが可能となり、
部品の標準化と大巾な型製作費の低減を図ることができ
る。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、本発明によれば、搬送時
の衝撃力は固定子締付ボルトの鍔部で受け、合成樹脂製
媒体部材では直接受けることがないようにして合成樹脂
製媒体部材の低グレード材化を可能とし、材料コストの
低減および射出成型性の向上により加工コストの低減を
図りうる密閉形電動圧縮機を提供することができる。
また、本発明によれば、電動圧縮機のシリーズ化を図
る上で合成樹脂製製媒体部材の共用化を可能にし、部品
の標準化と型製作費の低減を図りうる密閉型電動圧縮機
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る密閉形電動圧縮機の
縦断面図、第2図は、密閉容器を開放して示した略示平
面図、第3図は、第2図のA−A線矢視断面図、第4図
は、従来の支持構造を示す要部断面図、第5図は、本発
明の一実施例に係る支持構造を示す要部断面図、第6図
は、第4図に示す要部の寸法図、第7図は、第5図に示
す要部の寸法図である。 1……圧縮機本体、2……圧縮機部、3……電動機部、
4……圧縮コイルばね、5……密閉容器、6……ボル
ト、6a……ボルト頭部、6b……ボルト鍔部、7……合成
樹脂製媒体部材、7a……鍔部、7b……胴体部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 光司 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内 (56)参考文献 特開 昭52−130015(JP,A) 実公 昭58−52391(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04B 39/00 F16F 15/06 F16M 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内に圧縮機部と電動機部とからな
    る圧縮機本体を弾性的に支持する圧縮コイルばねと、こ
    の圧縮コイルばねと前記電動機部の固定子締結用ボルト
    頭部との間に設ける合成樹脂製の媒体部材とを有してな
    る密閉形電動圧縮機において、 前記固定子の締結用ボルト頭部に、前記圧縮コイルばね
    の外径より大で、かつ前記固定子外周より突出した鍔部
    を形成し、 この鍔部と前記圧縮コイルばねとの間に、合成樹脂製媒
    体部材を挟み込むものとし、 かつ、前記締結用ボルトの鍔部外径が前記合成樹脂製媒
    体部材の上端外周径より大きく形成されている ことを特徴とする密閉形電動圧縮機。
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