JP2903886B2 - 新規アミラーゼおよびその製造法 - Google Patents

新規アミラーゼおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアミラーゼおよ
びその製造法ならびに該アミラーゼ産性能を有する新規
糸状菌に関する。
【0002】
【従来の技術】アミラーゼは、デンプンのα−1,4−
グリコシド結合を特異的に加水分解する酵素であり、そ
の性質を利用して特に食品工業で広く用いられている。
とりわけデンプン工業では、実用上の問題から耐熱性の
アミラーゼが要求されており、バシラス属由来の極めて
耐熱性の高い酵素が実用化されている(特公昭46−1
2946号、特公昭53−2955号)。また、このよ
うな耐熱性のアミラーゼは、製パン、製餅などの食品加
工分野にも広く使用されている。
【0003】一方このような食品加工分野では、近年、
いわゆるソフト化の傾向が顕著であり、ソフトパンなど
の製品が急速に普及し始めている。しかしながら、耐熱
性のアミラーゼは焼き上げの昇温時にその活性が最大と
なってしまい、望ましい性状を著しく損なうことから、
直ちにこれらの製品に応用することはできない。このよ
うな製品に望ましいアミラーゼとしては、中性付近で作
用する性質を有し、かつ、一定の温度以上では速やかに
失活するような耐熱性の低いものが望ましい。
【0004】また、アミラーゼは研究分析用の試薬とし
ても利用されている。例えば、畜産の分野において飼料
中の細胞壁物質の定量は飼料の栄養評価の上で必須であ
るが、ほとんどの飼料がデンプンを含んでおり、前記定
量に先立ちデンプンの除去が必要となる。現在、バシラ
ス・サブチリス由来のアミラーゼがその目的に使用され
ている。しかし、このアミラーゼはその最大活性をpH
5.8に持つため、まずこのpHにおいて処理が必要で
あり、その後プロテアーゼ処理のためpHを7.4に再
調整する必要がある。もし、中性付近に最大活性を示す
アミラーゼが利用できれば、このpHの再調整が不要と
なり、操作の簡略化が可能となる。
【0005】以上のような観点から、耐熱性があまり高
くなく、かつ、中性付近に最大活性を有するアミラーゼ
が望まれているといえる。
【0006】[発明の概要]
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、耐熱
性があまり高くなく、かつ、中性付近に最大活性を有す
る新規なアミラーゼを提供することを目的としている。
【0007】また本発明は、上記アミラーゼを産生する
新規微生物およびその微生物を利用した上記アミラーゼ
の製造法を提供することを目的としている。
【0008】さらに本発明は、上記アミラーゼの製造法
ならびに上記アミラーゼ産性能を有する新規微生物を提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による第一のアミ
ラーゼ(以下、「アミラーゼI」という場合がある)
は、下記の理化学的性質を有するもの、である。 (a) 作用および基質特異性:デンプン、アミロース、
アミロペクチンおよびそれらの部分分解物のα−1,4
−グリコシド結合を特異的に加水分解し、主としてデキ
ストリンおよびマルトオリゴ糖を生成する。 (b) 最適pH:最適作用pHは6.0〜6.5であ
る。 (c) 温度安定性:pH7.5、カルシウムイオン存在
下10分間保持の条件下で、50℃までは安定である
が、55℃を越える温度において急速に失活し、65℃
において90%以上の活性を失う。 (d) 等電点が7.0〜7.2である。
【0010】本発明による第二のアミラーゼ(以下、
「アミラーゼII」という場合がある)は、下記の理化学
的性質を有するもの、である。 (a) 作用および基質特異性:デンプン、アミロース、
アミロペクチンおよびそれらの部分分解物のα−1,4
−グリコシド結合を特異的に加水分解し、主としてデキ
ストリンおよびマルトオリゴ糖を生成する。 (b) 最適pH:最適作用pHは6.0〜6.5であ
る。 (c) 温度安定性:pH7.5、カルシウムイオン存在
下10分間保持の条件下で、50℃までは安定である
が、55℃を越える温度において急速に失活し、65℃
において90%以上の活性を失う。 (d) 等電点が7.8〜8.0である。
【0011】さらに本発明の好ましい態様によれば、本
発明による二種のアミラーゼは、下記の理化学的性質を
さらに有するもの、である。 安定pH:37℃、30分間の条件下でpH6.0〜
8.5において安定である。 最適温度:最適pHにおいて約45〜50℃である。 分子量:約50、000(SDS電気泳動法による)
【0012】また、本発明によるアミラーゼの製造法
は、アクレモニウム属に属し、アミラーゼ産性能を有す
る微生物を培養し、その培養物からアミラーゼを採取す
ることを含んでなるものである。
【0013】さらに本発明による新規微生物は、pH1
0以上でも生育が可能であり、アミラーゼ産性能を有す
るアクレモニウムsp.である。
【0014】本発明によるアミラーゼIおよびIIは、従
来アミラーゼを産生することが知られていなかったアル
カリ耐性糸状不完全菌から得られたものである。本発明
によるアミラーゼは、中性付近に最適pHを有し、熱安
定性も比較的低いという特徴を有している。
【0015】[発明の具体的説明]新規アミラーゼ産生菌 本発明による新規アミラーゼIおよびIIは微生物を用い
て生産され得る。その生産菌としてはアクレモニウム
(Acremonium)属に属し、上記性質を有する酵素を産生
する能力を有するものであればよい。
【0016】本発明によるアミラーゼを産生する能力を
有する微生物の好ましい具体例としては、アクレモニウ
ムsp.TOTO−9102株が挙げられる。この菌株
は、本発明者らにより北九州市の一般家屋内の空気中よ
り分離された糸状不完全菌であり、寄託番号「微工研菌
寄第12018号(FERM P−12018)のもと
に、工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されてい
る。
【0017】本発明によるTOTO−9102株の菌学
的性質を列挙すれば下記の通りである。 I.形態的性質 1 大型分生子:なし 2 分生子 :楕円形、2〜3×3〜7μm 一細胞性、擬頭状 3 分生子柄 :長い 4 厚膜胞子 :なし 5 菌糸 :細い 6 その他 :分生子柄上に湿潤な分生子塊を形成す
る。
【0018】II.各培地における生育状態 1 ポテト・デキストロース寒天培地 (29℃、11日間培養) 集落直径:85mm以上 綿毛状、クリーム色、裏面無色、一部湿性菌糸を放射状
に形成する。 2 ツァペック寒天培地 (29℃、11日間培養) 集落直径:85mm以上 綿毛状、クリーム〜白色、裏面無色
【0019】III.生理学的性質 1 生育pH範囲:3.0〜11.0 最適生育pH4.0〜10.0、アルカリ耐性 2 生育温度範囲:10〜50℃ 最適生育温度25〜35℃ 3 アミラーゼ産性能を有する
【0020】以上の性状より、J.W.CarmichaelらのGene
ra of Hyphomycetes(1980)およびW.GamsらのCephalospo
rium-artige Schimmelpiltze(1971)を参照して検索した
結果、本菌株はアクレモニウム属に属する一菌種である
ことが判明した。このアクレモニウム属は、Gamsにより
詳細な検討がなされ、以前Cephalosporium属として記載
されていた属に代わって近年採用された属名であり、数
多くの種を包含している。しかしながら、本菌株のよう
にpH10以上で生育し、かつ、アミラーゼ産性能を有
する菌種は本属中には知られていない。
【0021】従って、本菌株はアクレモニウム属に属す
る新種であると判断し、本菌株をアクレモニウムsp.
TOTO−9102と命名した。
【0022】なお、本発明による新規アミラーゼの製造
に用いられる微生物は、アクレモニウム属に属し、上記
性質を有する酵素の産生能力を有するものであればよ
く、上記した菌株とその変種、変異株に限定されるもの
ではない。
【0023】培養条件 上記菌株を培養するための培地は格別である必要はな
く、通常の培地が用いられる。炭素源としては、各種デ
ンプン(例えば、可溶性デンプン、デンプン液化液な
ど)、デキストリン、アミロペクチン、アミロースなど
が用いられる。窒素源としては、硝酸塩、アンモニウム
塩などの無機物、尿素、ペプトン、乾燥酵母、酵母エキ
ス、ダイズ粉、コーン・スティープ・リカー、カゼイ
ン、肉エキス、アミノ酸などが用いられる。これらの炭
素源や窒素源のほかに、各種の塩、例えばマグネシウム
塩、カリウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩等が必要に応
じて添加されてよい。さらに、別に殺菌した炭酸水素ナ
トリウムまたは炭酸ナトリウムなどを添加して培地のp
Hをアルカリ性にするのが好ましい。
【0024】培養は上記のような培地中で、培養温度2
0〜50℃、好ましくは25〜35℃で3〜7日間、好
気的に攪はんまたは振とうしながら培養する。
【0025】本発明によるアミラーゼは、上記のような
条件のもとでの培養によって、主として培養液中に分泌
され蓄積される。さらに、本発明による中性アミラーゼ
は基質誘導法により効率よく菌体外に分泌される性質を
有している。
【0026】酵素の採取 上記培養液からの本発明によるアミラーゼの採取、精製
には、既知の精製法が単独もしくは併用して利用でき
る。
【0027】本発明によるアミラーゼIおよびIIは、主
として菌体外、すなわち培養液中に分泌されるため、例
えば瀘過または遠心分離により菌体を除去することによ
って容易に粗酵素液を得ることができる。この粗酵素
は、さらに既知の精製法によって精製することができ
る。好ましい精製法としては、硫安などによる塩析、有
機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトンな
ど)による沈殿法、生デンプンによる吸着法、限外瀘
過、ゲル瀘過クロマトグラフィー、イオン交換クロマト
グラフィー、その他の各種クロマトグラフィーなどが挙
げられる。
【0028】また、多くの場合、アミラーゼIおよびII
は同時に産生されるので、これを分離したい場合には分
離操作が必要となる。その方法としては、その等電点の
差を利用した方法、例えばショ糖密度勾配等電点電気泳
動法、IEF(等電点焦点電気泳動法)、イオン交換樹
脂を用いたHPLC等によるのが好ましい。
【0029】より好ましい精製法を挙げれば次の通りで
ある。まず、培養瀘液に85%飽和硫安を添加して塩析
を行い、得られた沈殿を透析する。ついで、DEAE−
トヨパール(東ソー社製)カラムによるクロマトグラフ
ィー(pH8.5、0〜0.6M NaCl濃度勾配)
を行う。透析後、HiLoad Q-Sepharoseカラム(FPL
C、ファルマシア社製)によるクロマトグラフィー(p
H8.5、0〜1M NaCl濃度勾配)を行い、透析
後にLKB社製110ml容量カラムを用いたショ糖密度
勾配等電点電気泳動を行うことによって、SDS電気泳
動的に均一な精製酵素を得ることができる。
【0030】酵素の性質 本発明によるアミラーゼIおよびIIの性質を検討した。
その結果は次に示される通りである。なお、以下におい
て活性測定法とは次の方法をいうものとする。
【0031】(活性測定法)0.2Mリン酸緩衝液に溶
解させた0.15%の可溶性デンプンを基質として使用
する。基質溶液500μlに、1mM酢酸カルシウムで
適当に希釈した酵素液500μlを添加して、37℃で
10分間反応させた後、0.5N酢酸・塩酸混合液
(5:1)5mlを入れて反応停止させる。これに0.0
2%ヨウ素溶液(0.2%ヨウ化カリウムを含む)0.
3mlを加えて発色させ、室温で20分間放置し、その後
660nmの吸光度を測定する。アミラーゼの活性単位
(アミラーゼユニット:AU)は、次式により求める。
【0032】
【0033】 作用および基質特異性 可溶性デンプン、アミロース、アミロペクチンをそれぞ
れ基質として、活性測定法に準じて酵素反応を行った。
反応液を経時的に採り、HPTLCにより反応生成物を
調べた。その結果、本発明による両酵素はデンプンの他
にアミロース、アミロペクチンおよびそれらの部分分解
物に作用して、α−1,4−グリコシド結合を特異的に
加水分解(エンド型分解)して、主としてデキストリン
およびマルトオリゴ糖を生成することが分かった。
【0034】 最適pHおよび安定pH 両酵素を用いてpH2〜10の範囲のpH条件下で活性
測定法に準じてそれぞれ酵素反応を行った。なお、緩衝
液としては、ブリットン‐ロビンソン(Britton
‐Robinson)広域緩衝液を使用した。その相対
活性は図1に示されるとおりである。図1より、両酵素
の最適pHは37℃において約6.0〜6.5であるこ
とが分かる。
【0035】また、両酵素をそれぞれブリットン‐ロビ
ンソン広域緩衝液に加え、37℃で30分間保持した
後、その残存活性を測定した。その結果は図2に示され
るとおりである。図2からは両酵素の安定pH域は、い
ずれも37℃で30分間の加熱条件下においてpH6.
0〜8.5であることが分かる。
【0036】 最適温度および安定温度 両酵素を用いて25〜70℃の範囲の温度条件下で、活
性測定法に準じてそれぞれ酵素反応を行った。その相対
活性を図3に示す。図3から、両酵素の最適温度はいず
れも約45〜50℃であることが分かる。
【0037】両酵素をそれぞれ1mM塩化カルシウム添加
の条件下でMOPS緩衝液(pH7.5)に加え、25
〜70℃の範囲の温度条件下で10分間保持した後の残
存活性を測定した。その結果は図4に示されるとおりで
ある。図4から、両酵素はいずれも50℃まで、カルシ
ウムイオン非存在下で35℃まで安定であることが分か
る。
【0038】 分子量 両酵素の分子量をSDS電気泳動法によって測定したと
ころ、分子量はいずれも50,000であった。
【0039】 等電点 両酵素の等電点を等電点電気泳動法でそれぞれ測定した
ところ、等電点はアミラーゼIが7.0〜7.2であ
り、アミラーゼIIが7.8〜8.0であった。
【0040】次に、両酵素と、これまでに報告されてい
る糸状菌由来のアミラーゼとの比較を行った。第1表に
各種アミラーゼの特徴(最適pH、最適温度、安定p
H、安定温度、分子量および等電点)を示す。
【0041】
【表1】
【0042】第1表から、両酵素の最適pHはいずれも
6.0〜6.5であり、他のいずれのアミラーゼの最適
pHよりも高く、これらの酵素とは明らかに異なること
が分かる。また、酵素タンパク質の重要な指標である等
電点が他の酵素に比べ著しく高い点においても大きく相
違する。したがって、本発明のアミラーゼIおよびII
は、既知のアミラーゼのいずれとも異なる新規な酵素で
ある。
【0043】
【実施例】本発明を以下の実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1 粗酵素粉末の調製 アクレモニウムsp. TOTO−9102株の前培養
液50ml(28℃、4日間振とう培養)を、可溶性デン
プン 1%、酵母エキス 0.1%、NaNO 0.
3%、KHPO 0.1%、MgSO・7H
0.05%、KCl 0.05%、FeSO・7H
O 0.001%および、別殺菌して添加したNaH
CO 1%を含有する培地(pH9.5)5.51を
入れた小型ジャーファーメンターに植菌し、28℃で5
日間、通気量1v/v/min 、回転数200rpmで培
養を行った。培養終了後、培養液を8,000rpm1
0分間遠心分離して菌体を除去した。得られた上清液を
凍結乾燥して、300AU/mgの粗酵素粉末を2g得
た。
【0044】実施例2 精製酵素の調製 実施例1と同様の培地5.5Lをいれた小型ジャーファ
ーメンターに、アクレモニウムsp. TOTO−91
02株の前培養液50mlを植菌した。これを実施例1と
同様に培養した後、遠心分離により上清液5Lを得た。
この上清液のpH6.0におけるアミラーゼ活性は10
0AU/mlであった。次いで、この上清液に硫安粉末を
85%飽和になるまで加え、8000rpmで10分間
遠心分離してその沈澱を回収した。この沈澱を10mM
リン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、同緩衝液に対し
て透析を行った。その後、透析内液を10mM トリス緩
衝液(pH8.5)で平衡化したDEAE‐トヨパール
カラム(φ5×30cm)に通じて活性画分を吸着させ、
0〜0.6M のNaCL 濃度勾配で溶出させた。活性画
分を透析後、HiLoad Q-Sepharoseカラム(pH8.0、
ファルマシア社製)を用いたFPLCを行い、吸着画分
を0〜1M NaCl濃度勾配により溶出させた。活性
画分を透析後低温下において減圧濃縮を行い、ショ糖密
度勾配等電点電気泳動による分画を行なった。すなわ
ち、Ampholine (LKB)を用いたpH域6〜8でLK
B社製110ml容量カラムを用い、初期電圧300V、
7mA、最終電圧700V、0.6mA、通電時間40
時間、1℃の温度設定で泳動を行なった。pH7.1お
よびpH7.9付近の活性画分を回収することにより、
これら2つのアミラーゼは完全に分離され、その結果6
000AU/mlの精製アミラーゼIを10ml、そして6
500AU/mlのアミラーゼIIを20mlを得た。これら
は、SDS電気泳動的にもゲル濾過的にもそれぞれ単一
バンドおよび単一ピークを示し、酵素タンパク質として
均一であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)および(b)は、それぞれ本発明に
よるアミラーゼIおよびIIの最適pHを示すグラフであ
る。
【図2】図2(a)および(b)は、それぞれ本発明に
よるアミラーゼIおよびIIの安定pHを示すグラフであ
る。
【図3】図3(a)および(b)は、それぞれ本発明に
よるアミラーゼIおよびIIの最適温度を示すグラフであ
る。
【図4】図4(a)および(b)は、それぞれ本発明に
よるアミラーゼIおよびIIの安定温度範囲を示すグラフ
である。
【図5】ショ糖密度勾配等電点電気泳働法によるアミラ
ーゼIおよびIIの分離パターンを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:645) (72)発明者 満 生 慎 二 福岡県北九州市小倉北区中島二丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 荒 井 基 夫 大阪府堺市鴨谷台3丁2番20−204号 (72)発明者 南 憲 二 大阪府東大阪市中野21番地82号 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 9/26 - 9/34 C12N 1/14 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の理化学的性質を有する新規アミラー
    ゼ。 (a) 作用および基質特異性:デンプン、アミロース、
    アミロペクチンおよびそれらの部分分解物のα−1,4
    −グリコシド結合を特異的に加水分解し、主としてデキ
    ストリンおよびマルトオリゴ糖を生成する。 (b) 最適pH:最適作用pHは6.0〜6.5であ
    る。 (c) 温度安定性:pH7.5、カルシウムイオン存在
    下10分間保持の条件下で、50℃までは安定である
    が、55℃を越える温度において急速に失活し、65℃
    において90%以上の活性を失う。 (d) 等電点が7.0〜7.2である。 (e) 安定pH:37℃、30分間保持の条件下でpH
    6.0〜8.5において安定である。 (f) 最適温度:最適pHにおいて約45〜50℃であ
    る。 (g) SDS電気泳動法による分子量が約50,000
    である。
  2. 【請求項2】下記の理化学的性質を有する新規アミラー
    ゼ。 (a) 作用および基質特異性:デンプン、アミロース、
    アミロペクチンおよびそれらの部分分解物のα−1,4
    −グリコシド結合を特異的に加水分解し、主としてデキ
    ストリンおよびマルトオリゴ糖を生成する。 (b) 最適pH:最適作用pHは6.0〜6.5であ
    る。 (c) 温度安定性:pH7.5、カルシウムイオン存在
    下10分間保持の条件下で、50℃までは安定である
    が、55℃を越える温度において急速に失活し、65℃
    において90%以上の活性を失う。 (d) 等電点が7.8〜8.0である。 (e) 安定pH:37℃、30分間保持の条件下でpH
    6.0〜8.5において安定である。 (f) 最適温度:最適pHにおいて約45〜50℃であ
    る。 (g) SDS電気泳動法による分子量が約50,000
    である。
  3. 【請求項3】アクレモニウム属に属し、アミラーゼ産性
    能を有する微生物を培養し、その培養物からアミラーゼ
    を採取することを含んでなる、請求項1または2記載の
    アミラーゼの製造法。
  4. 【請求項4】培養がpH8.0〜11.0で行われる、
    請求項3記載のアミラーゼの製造法。
  5. 【請求項5】pH10以上でも生育が可能であり、請求
    項1または2記載のアミラーゼ産性能を有するアクレモ
    ニウムsp.TOTO−9102株(FERM P−1
    2018)。
  6. 【請求項6】微生物が請求項5記載のアクレモニウムs
    p.である、請求項3記載の中性アミラーゼの製造法。
  7. 【請求項7】請求項1または2記載のアミラーゼを有効
    成分として含んでなる、アミラーゼ製剤。
  8. 【請求項8】食品加工に用いられる、請求項7に記載の
    アミラーゼ製剤。
  9. 【請求項9】分析試薬として用いられる、請求項7に記
    載のアミラーゼ製剤。
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