JP2903781B2 - 超音波振動子の駆動回路 - Google Patents

超音波振動子の駆動回路

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JP2903781B2
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良和 岩澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波振動子の駆動回路
に関し、特に圧電型の超音波振動子の駆動回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波振動子を負荷とする送信器
で周波数を同調させる方法として、超音波振動子から送
波された音を外部に配備したマイクロホンで検出して最
大音圧になるように送信周波数をコントロールするか、
超音波振動子を流れる電流が最大になる様に送信周波数
をコントロールするか、もしくは電圧電流の位相差を検
出し位相差が零となるように送信周波数をコントロール
して共振点を検出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の周波数
同調方法のうち、マイクロホンを外付して使用する方法
は、送信回路の外にマイクロホンの信号を受信しレベル
を検出する回路が必要となり、構造的に大きくなるとい
う欠点がある。
【0004】また、超音波振動子を流れる電流を最大と
するようにコントロールする方法では、回路定数の値に
より必らずしも共振点が回路インピーダンスの最小値と
一致せず、共振の鋭さを示すQの値が高い場合にはわず
かな周波数のずれが、超音波振動子の送波出力に影響を
及ぼすことが避けられないという欠点がある。
【0005】さらに、回路に発生する電圧、電流の位相
差を検出する方法では、波形立上りにノイズ等の不要信
号が重畳されていると、実際の位相差が零でないところ
で、あたかも位相差が零であるとの判断がなされてしま
うという欠点がある。
【0006】本発明の目的は上述した欠点を除去し、外
付マイクロホンを不要とし、Q値が高い場合でも最適周
波数での駆動が可能であり、かつ波形立上り時のノイズ
による影響を排除した超音波振動子の駆動回路を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波振動子の
駆動回路は、超音波振動子を所定の周波数で駆動する超
音波振動子の駆動回路であって、前記超音波振動子に印
加する駆動電圧と前記超音波振動子を流れる駆動電流
検出する手段と、前記駆動電圧と前記駆動電流とを乗算
する手段と、前記乗算する手段によって求めた乗算値に
重畳するノイズを除去する手段と、前記乗算値のピーク
値を検出する手段と、前記ピーク値を常に最大ならしめ
るように駆動周波数を制御する手段を備えて構成され
る。
【0008】また、本発明の超音波振動子の駆動回路
は、前記超音波振動子が、圧電型の超音波振動子を対象
とするものとした構成を有する。
【0009】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0010】図1は、本発明の一実施例の構成図であ
る。
【0011】本実施例の構成は、等価回路で表現した圧
電型の超音波振動子6と、送信周波数を発生し、超音波
振動子6の共振点のズレに対応した周波数制御を行なう
周波数コントローラ1と、超音波振動子6を駆動する駆
動電力を発生する電力増幅回路2と、出力トランス3
と、超音波振動子6に対する印加電圧を検出する電圧検
出回路4と、超音波振動子6の駆動電流を検出する電流
検出回路5と、超音波振動子6との直列共振をとる整合
コイル7と、検出した駆動電圧と駆動電流を乗算する乗
算器10と、乗算後の波形の含む雑音を除去するフィル
タ11と、乗算後のピーク値を検出し、検出ピーク値を
常に最大にさせるように周波数コントローラ1を制御す
るピーク検出器12とを備えて成る。
【0012】次に、本実施例の動作について説明する。
【0013】周波数コントローラ1は、送信周波数を発
生し、電力増幅器2で電力増幅される。
【0014】電力増幅器2の出力は出力トランス3を介
して超音波振動子6に印加される。
【0015】電圧検出回路4は、出力トランス3の二次
例の駆動電圧を分圧抽出して検出電圧8として乗算器8
に送出する。
【0016】電流検出回路5は、駆動電流を検出して検
出電流9として乗算器10に送出する。
【0017】超音波振動子6は、整合コイル7を直列に
挿入されて直列共振状態に設定される。
【0018】図2は、超音波振動子の常態で動アドミッ
タンスループ(a)と共振周波数のずれた状態での動ア
ドミッタンスループ(b)の一例を示す特性図である。
【0019】図2(a)に示すような、常態における動
アドミッタンスループを示す圧電型の超音波振動子の共
振の鋭さQは、Q=f0 /(f2−f1 )として示され
る。ここでf0 は共振周波数であり、f1 およびf2
それぞれコンダクタンスG軸上の動アドミッタンスルー
プの切点Pから上下に45度方向に引いた動アドミッタ
ンスループとの交点である。この共振周波数f0 で駆動
するとき、最大出力の送波が確保できる。
【0020】しかしながら、Qが高い場合には、水圧印
加等の外部要因によって共振周波数が僅かずれる場合で
も、図2(b)に示すように動アドミッタンスループ上
での共振周波数の位置は大きく移動し、従って周波数f
0 で送波すると最大出力は確保できなくなり、この場合
は周波数f3 で送波する必要がある。
【0021】図3(a)は、Qが高い超音波振動子6の
容量性リアクタンスXC 13と、直列共振させるための
整合コイル7の誘導性リアクタンスXL 14の常態にお
ける特性を示す。超音波振動子6のQが高いため、周波
数が少しずれただけで容量性リアクタンスXC 13の値
が図3(a)に示す如く大きく変化する。当初共振点の
周波数がf0 であったとすれば、電圧、電流の乗算値は
最大であるが、共振周波数f0 がシフトして図3(b)
のf3 になった場合にもとのままの周波数f0 で送信す
ると電圧、電流の乗算値は低下してしまう。これに対
し、乗算値が最大となるように周波数をコントロールし
てf3 の周波数で送信するようにする。
【0022】乗算器10は、検出電圧8と検出電流9を
入力してその乗算値をとる。
【0023】この乗算値はフィルタ11に通して雑音な
どの不要成分を除去したあとビーク検出器12でピーク
値検出を受ける。
【0024】ピーク検出器12で検出したピーク値は周
波数コントローラ1に提供され、ピーク検出器12によ
る検出ピーク値が最大となるよう出力周波数を制御し、
こうして共振周波数のずれに対応して送信周波数を適応
変化させ、常に最大出力による送波を確保している。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、超音波振
動子の駆動電圧と駆動電流の値を乗算して、この乗算値
が常に最大になるように駆動周波数を制御することによ
り、共振のQ値が高い場合でも最適な周波数で超音波振
動子を駆動することが可能となり、付加マイクロホンが
不要となり小型化が可能となる効果がある。
【0026】また、駆動電圧と駆動電流の位相差で検出
する場合の波形の立上りにおけるノイズによる周波数誤
設定も除去できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【図2】常態における超音波振動子の動アドミッタンス
ループの特性図(a)、および共振点ずれを生じた場合
の動アドミッタンスループの特性図(b)である。
【図3】常態における超音波振動子のリアクタンス特性
図(a)、および共振点ずれを生じた場合のリアクタン
ス特性図(b)である。
【符号の説明】
1 周波数コントローラ 2 電力増幅回路 3 出力トランス 4 電圧検出回路 5 電流検出回路 6 超音波振動子 7 整合コイル 8 検出電圧 9 検出電流 10 乗算器 11 フィルタ 12 ピーク検出器 13 容量性リアクタンス 14 誘導性リアクタンス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子を所定の周波数で駆動する
    超音波振動子の駆動回路であって、前記超音波振動子に
    印加する駆動電圧と前記超音波振動子を流れる駆動電流
    を検出する手段と、前記駆動電圧と前記駆動電流とを乗
    算する手段と、前記乗算する手段によって求めた乗算値
    に重畳するノイズを除去する手段と、前記乗算値のピー
    ク値を検出する手段と、前記ピーク値を常に最大ならし
    めるように駆動周波数を制御する手段を備えて成ること
    を特徴とする超音波振動子の駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記超音波振動子が、圧電型の超音波振
    動子を対象とするものとしたことを特徴とする請求項1
    記載の超音波振動子の駆動回路。
JP15932391A 1991-07-01 1991-07-01 超音波振動子の駆動回路 Expired - Lifetime JP2903781B2 (ja)

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JPH0514997A JPH0514997A (ja) 1993-01-22
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