JP2901948B1 - 複合回転作業装置 - Google Patents

複合回転作業装置

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JP2901948B1
JP2901948B1 JP1639398A JP1639398A JP2901948B1 JP 2901948 B1 JP2901948 B1 JP 2901948B1 JP 1639398 A JP1639398 A JP 1639398A JP 1639398 A JP1639398 A JP 1639398A JP 2901948 B1 JP2901948 B1 JP 2901948B1
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Abstract

【要約】 【課題】 缶、石等を破砕する破砕装置、固まった
粉粒体等を粉砕する粉砕装置、又は電気ひげそり機等の
切断装置における、詰まり等を防止してスムースな作業
を行なうとともに駆動源への過負荷を防止する。 【解決手段】 公転及び自転を行う偏心軸3と、破砕、
粉砕又は切断装置を駆動する回転作業軸4を連動させ、
一方向の回転に一定角度の揺動運動を加えた複合運動を
回転作業軸4にさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機、空気圧動
力装置(エアモーター、エアシリンダー)、油圧動力装
置(油圧モーター、油圧シリンダー)等の動力装置によ
り駆動される、ごみ、石、紙、空き缶等の破砕装置、粉
粒体の粉砕装置、電気ひげそり機等の切断装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の動力装置により駆動する破砕装
置、粉砕装置、切断装置においては、これらの回転破砕
具、回転粉砕具、回転切断具等の回転作業部材を、動力
装置により一方向に回転して作業が行われていた。
【0003】しかしながら、回転作業部材を一方向にの
み回転して、破砕、粉砕、切断等すべき物体に対して、
単に破砕、粉砕、切断すべき方向の力のみを加えるだけ
であると、物体が詰まっていたり、固まっていたり、硬
い場合等には、その抵抗力により回転作業部材の回転が
極端に鈍ったり、あるいは停止したりしてしまうことが
生じていた。又、このような場合は、電動機等の動力装
置に対して過負荷となり、装置の寿命の観点からも好ま
しくないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の動力装置により駆動する破砕装置、粉砕装置、
切断装置における問題点を解決する手段を提供すること
であり、破砕、粉砕、切断等する回転作業部材を単に一
方向に回転して、破砕、粉砕、切断等の方向のみの力を
加えるのではなく、その力を適宜断続的に緩ませながら
行うようにして、破砕、粉砕、切断等スムースに、効率
的に行うようにし、動力装置への過負荷も防止すること
である。いわば、砕氷船における砕氷作業でひたすら前
方に進み砕氷を行うのでなく適宜砕氷力を断続的に緩ま
せながら行うような破砕装置、粉砕装置、切断装置にお
いて実現することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、本発明は、複合回転機構と、該複合回転機構を
駆動する動力装置とを有し、前記複合回転機構の回転作
業軸により、該回転作業軸の先端に取り付けられる破砕
作業部材を回転させる複合回転破砕装置において、前記
複合回転機構は、前記複合回転機構を配設するフレーム
内に固着された固定内歯車と、前記フレーム内に回転可
能に設けられたキャリアプレートと、前記キャリアプレ
ートに枢着されており、前記動力装置で回転され、前記
固定内歯車と同心の太陽歯車と、前記キャリアプレート
に枢着され、前記太陽歯車及び前記固定内歯車と噛み合
う遊星歯車と、前記キャリアプレートに枢着され、前記
遊星歯車の一つ、前記太陽歯車と同心一体の歯車又は前
記固定内歯車の内の一つのみと噛み合う歯車及び偏心カ
ムを有する偏心カム軸と、前記回転作業軸に対して直角
方向に伸び、前記回転作業軸と前記偏心カムを連結し、
前記回転作業軸と前記偏心カムのいずれか一方に対して
摺動可能に取り付けられた連結杆とを具備することを特
徴とする複合回転破砕装置を提供することである。
【0006】さらに、本発明は、複合回転機構と、該複
合回転機構を駆動する動力装置とを有し、前記複合回転
機構の回転作業軸により、該回転作業軸の先端に取り付
けられる粉砕作業部材を回転させる複合回転粉砕装置に
おいて、前記複合回転機構は、前記複合回転機構を配設
するフレーム内に固着された固定内歯車と、前記フレー
内に回転可能に設けられたキャリアプレートと、前記
キャリアプレートに枢着されており、前記動力装置で回
転され、前記固定内歯車と同心の太陽歯車と、前記キャ
リアプレートに枢着され、前記太陽歯車及び前記固定内
歯車と噛み合う遊星歯車と、前記キャリアプレートに枢
着され、前記遊星歯車の一つ、前記太陽歯車と同心一体
の歯車又は前記固定内歯車の内の一つのみと噛み合う歯
車及び偏心カムを有する偏心カム軸と、前記回転作業軸
に対して直角方向に伸び、前記回転作業軸と前記偏心カ
ムを連結し、前記回転作業軸と前記偏心カムのいずれか
一方に対して摺動可能に取り付けられた連結杆とを具備
することを特徴とする複合回転粉砕装置を提供すること
である。
【0007】さらに、本発明は、複合回転機構と、該複
合回転機構を駆動する動力装置とを有し、前記複合回転
機構の回転作業軸により、該回転作業軸の先端に取り付
けられる切断作業部材を回転させる複合回転切断装置に
おいて、前記複合回転機構は、前記複合回転機構を配設
するフレーム内に固着された固定内歯車と、前記フレー
内に回転可能に設けられたキャリアプレートと、前記
キャリアプレートに枢着されており、前記動力装置で回
転され、前記固定内歯車と同心の太陽歯車と、前記キャ
リアプレートに枢着され、前記太陽歯車及び前記固定内
歯車と噛み合う遊星歯車と、前記キャリアプレートに枢
着され、前記遊星歯車の一つ、前記太陽歯車と同心一体
の歯車又は前記固定内歯車の内の一つのみと噛み合う歯
車及び偏心カムを有する偏心カム軸と、前記回転作業軸
に対して直角方向に伸び、前記回転作業軸と前記偏心カ
ムを連結し、前記回転作業軸と前記偏心カムのいずれか
一方に対して摺動可能に取り付けられた連結杆とを具備
することを特徴とする複合回転切断装置を提供すること
である。
【0008】そして、本発明は、上記の各装置の回転作
業軸の軸心をキャリアプレートの軸心と偏心して配設し
てもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照にして説明する。本発明の実施例を説明す
る前に、本発明の特徴である複合回転動作の原理を説明
する。図1において、円形のキャリアプレート1は点O
を中心に回転する。このキャリアプレート1に、偏心カ
ム2を有する偏心カム軸3が点O’で枢着されており、
キャリアプレート1と一緒に公転するとともに自転す
る。このキャリアプレート1と同心的に、キャリアプレ
ート1とは独立して回転可能な回転作業軸4が設けられ
ている。回転作業軸4より連結杆5が伸びている。この
連結杆5の軸心は回転作業軸4の軸心を通る延長線上に
配置され、その基端が回転作業軸4に固定され、その先
端には長孔6が設けられている。この長孔6に偏心カム
2が摺動可能に挿通されている。
【0010】このような構成によると、その作動は次の
ようになる。偏心カム軸3は、自転し、さらにキャリア
プレート1の時計方向の回転に応じて、時計方向に公転
する。偏心カム軸3が時計方向に公転すると、連結杆5
を介して回転作業軸4が点Oを中心に回転する。ところ
が、偏心カム軸3自体が自転しているので、キャリアプ
レート1が回転しないで静止していると仮定すると、偏
心カム2により連結杆5の先端が点Oを中心に一定角度
で往復回転(揺動)するので、この連結杆5を介して、
回転作業軸4は点Oを中心に、一定の角度で往復回転す
る。従って、キャリアプレート1が回転すると、偏心カ
ム軸3が公転し、連結杆5を介して回転作業軸4も時計
方向に回転し、さらに偏心カム軸3の自転に従って連結
杆5を介して回転作業軸4も点Oを中心に一定角度で往
復回転する。結局、回転作業軸4は、点Oを中心に時計
方向の回転中に、この時計方向の回転とは速度の違う時
計・反時計方向の揺動運動をすることとなる。
【0011】なお、図1では、連結杆5の先端の長孔6
内を偏心カム2が摺動する構成としたが、連結杆5の基
端が回転作業軸4の孔7に摺動可能に取り付けられ、連
結杆5の先端が偏心カム2に枢着されている構成にして
もよい。
【0012】以上の複合回転動作の原理に基づく具体的
な本発明の複合回転駆動装置の構成について説明する。
図3(a)は本発明の複合回転機構の要部の断面図であ
り、原理図とその具体的な構成との対応を明確にするた
めに、原理図の各要素に対応した部材については同じ番
号を使用する。図3(a)及び図4において、本発明の
複合回転駆動装置8は、複合回転機構9と動力部10と
を有する。複合回転機構9は、フレーム11内に配設さ
れ、フレーム11の先端開口はキャッププレート12が
被せられてボルト13により固定されている。動力部1
0は、フレーム11内に電動機、空気圧動力装置、油圧
動力装置、又はその他の動力装置14が配設されてい
る。
【0013】本発明の複合回転機構9について説明す
る。図3(b)は複合回転機構の歯車の組合わせを特に
示す要部平面図である。図3(a)、(b)及び図4に
おいて、内歯車15が、固定用環体16により押さえら
れ、ボルト17によってフレーム11に固定されてい
る。内歯車15と同心的に、固定用環体16に軸受18
を介してキャリアプレート1が回転可能に取り付けられ
ている。
【0014】円形のキャリアプレート1は、上部1aと
下部1bとから成る。下部1bには周方向に等間隔に三
つの円柱形突部1b’が形成されており、ボルト25
は、この突部1b’を通して螺着され、上部1aと下部
1bとが一体に締結される。キャリアプレート1の中心
に太陽軸19が回転可能に枢着されている。この太陽軸
19は太陽歯車20を固定しており、歯車19’及び1
9”から成る減速歯車機構を介して動力部10の動力装
置14の出力軸に結合されて駆動される。太陽歯車20
及び内歯車15に噛み合う三つの遊星歯車21、22、
23が、突部1b’に回転可能に嵌合されることにより
キャリアプレート1に枢着されている。
【0015】内歯車15の内方に位置し、偏心カム軸3
がキャリアプレート1に軸受26を介して回転可能に取
り付けられている。この偏心カム軸3の下部には、遊星
歯車の一つ23と噛み合う歯車27が形成されており、
偏心カム軸3の上面には偏心カム2が形成されている。
【0016】キャリアプレート1の外方に位置して、キ
ャリアプレート1と同心的に回転作業軸4が、キャップ
プレート12に軸受28を介して回転可能に取り付けら
れている。回転作業軸4の先端に、後記するごみ、石、
紙、空き缶等の破砕装置、粉粒体の粉砕又は掻落ホッパ
供給装置、ひげそり等の切断装置の破砕ローラ、粉砕羽
根、掻落板、粉砕供給バルブ、ひげそり回転内刃等、後
で詳述する回転作業部材29が取付けられている。
【0017】図3(c)は、図3(a)では省略した連
結杆5による偏心カム2と回転作業軸4の連動構造を特
に説明するための要部平面図である。図3(c)におい
て、回転作業軸4の基端には連結杆5の基端部が固定さ
れている。連結杆5の先端部には長手方向に長孔6が形
成されている。この長孔6内に偏心カム2の先端部が摺
動可能に挿通されている。
【0018】以上の構成による複合回転駆動装置8の作
用を説明する。動力装置14を回転すると、その回転力
は減速歯車機構を介して太陽歯車20に伝動され、太陽
歯車20が回転する。太陽歯車20が例えば時計方向に
回転すると、遊星歯車21、22、23は反時計方向に
自転しながら内歯車15内を太陽歯車20を中心に時計
方向に公転する。又、遊星歯車23と噛み合う歯車27
は時計方向に自転する。
【0019】遊星歯車23及び偏心カム軸3は、各々キ
ャリアプレート1に回転可能に取り付けられているの
で、遊星歯車23が時計方向に公転すると、キャリアプ
レート1は時計方向に回転し、歯車27も時計方向に公
転するとともに時計方向に自転する。
【0020】歯車27が時計方向に公転すると、連結杆
5を介して回転作業軸4はその軸心を中心にして時計方
向に回転する。そして、偏心カム軸3が時計方向に自転
すると、偏心カム軸3の軸心を中心に偏心カム2が回転
し、これにより連結杆5の一端が作業軸の4の軸心を中
心に揺動する。即ち、偏心カム2の先端は、連結杆5の
長孔6に摺動可能に挿通されているので、連結杆5全体
としては、回転作業軸4の軸心を中心に一定角度をもっ
て時計方向及び反時計方向に往復回転(揺動運動)す
る。これにより回転作業軸4は、時計方向及び反時計方
向の往復回転(揺動運動)をする。
【0021】従って、偏心カム軸3がキャリアプレート
1とともに時計方向に公転すると、回転作業軸4は、連
結杆5を介して時計方向へ回転するが、偏心カム軸3の
自転により偏心カム2が偏心カム軸3の軸心の回りに回
転すると、回転作業軸4は連結杆5を介し時計方向及び
反時計方向の一定角度の往復回転が行われる。この結
果、回転作業軸4及びその先端に取り付けられた後で詳
述する破砕ローラ、粉砕羽根、掻落板、粉砕供給バル
ブ、ひげそりの回転内刃等の回転作業部材29は、時計
方向に回転しながらも、速度の違う時計方向・反時計方
向の揺動運動をするという複合回転が生じることとな
る。
【0022】ところで、回転作業軸4は、偏心カム軸3
の公転による時計方向の回転と、偏心カム軸3の自転に
よる反時計方向への逆回転が同時にできないのではない
かという疑問が生じるところである。しかしながら、本
発明では、互いに別個の運動である、偏心カム軸3の公
転に伴う回転作業軸4の回転運動と、偏心カム軸3の自
転に伴う回転作業軸4の往復回転運動が、同時に複合的
に行われているだけであり、何等不明な点はない。
【0023】偏心カム軸3の偏心カム2の偏心距離(偏
心カム軸3の軸心と偏心カム2の軸心との距離)の大小
により、連結杆の往復回転角度が変わるので、複合回転
駆動装置8の用途の応じて適宜設計すればよい。
【0024】上記実施例では、回転作業軸4をキャリア
プレート1と同心的に配設したが、キャリアプレート1
と偏心的に設計してもよい。この場合は、回転作業軸4
の回転位置に応じて、偏心カム軸3が180度回転する
間に、一回の往復回転(揺動)が大きな揺動角度から小
さな揺動角度に変化し、後で詳述する破砕ローラ、粉砕
羽根、掻落板、粉砕供給バルブ、ひげそりの回転内刃等
の回転作業部材29に複雑な動作をさせることができ
る。
【0025】なお、上記実施例以外に、複合回転機構9
における内歯車15、遊星歯車及び偏心カム軸の歯車2
7の関係的構成は、図5及び図6に示すような構成とし
てもよい。即ち、図5において、偏心カム軸3はキャリ
アプレート1(図示せず)の回転とともに公転するが、
その自転は内歯車15との噛み合いにより行わせてもよ
い。又、図6において、歯車27の公転は図5と同様で
あるが、自転は太陽歯車20と一体の歯車30との噛み
合いにより行ってもよい。
【0026】ところで、本発明は、上記複合回転駆動装
置8を、回転しながら物を破砕、粉砕、切断等の動作を
行うローラ、羽根、切断刃等の回転作業部材29の駆動
手段として用いることにより、これらの動作がスムース
に効率的に行なえる複合回転作業装置とした点である。
そこで、以下、上記複合回転駆動装置を適用した本発明
の実施例としてごみ、石、紙、空き缶等の複合回転破砕
装置、粉粒体の粉砕又は掻落し等の複合回転粉砕装置、
電気ひげそり機等の切断装置の三種類の複合回転作業装
置について説明する。
【0027】本発明の第1の実施例として、複合回転破
砕装置、具体的には、空き缶プレス破砕装置について説
明する。図7及び図8において、31は、空き缶プレス
破砕装置であり、空き缶プレス破砕装置31において、
フレーム32内の支持枠33に、表面に複数のパンチ3
4を有した一対の破砕ローラ35、35が、互いに一定
の間隔をおいて平行に回転可能に取付けられている。こ
の一対の破砕ローラ35、35は、夫々互いに平行な回
転軸36、37に固定されており、この回転軸36、3
7が支持枠33にベアリング38を介して回転可能に取
付けられている。フレーム32内には、複合回転駆動装
置8が配設されており、回転作業軸4が一対の伝動歯車
39、40を介して、回転軸36、37に連結され、破
砕ローラ35、35を図8の矢印方向に回動させる。
【0028】この実施例の空き缶プレス破砕装置31の
作用について説明する。空き缶41が、上方から一対の
ローラ35、35の間に投入されると、この一対のロー
ラ35、35の間を通過する際に、両ローラ35、35
により押し潰され、かつパンチ34により破断され金屑
42として破砕される。
【0029】従来の空き缶プレス破砕装置では、一対の
破砕ローラ35、35間に、破砕されるべき空き缶が詰
まってしまい動きが取れなくなるとともに、駆動源であ
るモータ等に過負荷を与える等の問題が多々発生してい
たが、本発明のこの実施例の空き缶プレス破砕装置31
によると、複合回転駆動装置8が、一方向に回転中に揺
動運動を加えて複合回転動作をさせているので、一対の
ローラ35、35は、空き缶41を押し潰す方向に回転
しながらも、その押し潰す力を断続的に緩めるので、ス
ムースな押潰しないし破砕が行なわれる。これにより、
空き缶41が一対の破砕ローラ35、35間での無理な
押し潰しが防止され、一対のローラ間に空き缶が詰まっ
てしまうような問題は解消される。
【0030】なお、本発明の複合回転破砕装置の例とし
て、空き缶プレス破砕装置の実施例で説明したが、その
他ごみ、石、空き瓶、紙等の複合回転破砕装置として実
施し利用可能であることは言うまでもない。
【0031】次に、本発明の第2〜第4の実施例とし
て、粉砕装置に適用された実施例、具体的には、粉ミル
ク等の粉粒体の供給に利用される粉粒体供給ホッパ装置
について説明する。
【0032】図9は、本発明の第2の実施例を示すもの
で、本発明の複合回転粉砕装置としての粉粒体供給ホッ
パ装置43のバルブ装置44である。図9において、4
5は、粉ミルク等を供給する粉粒体供給装置のフレーム
であり、このフレーム45内に粉粒体供給ホッパ46が
配設されている。ホッパ46の底部に通路47を介して
球形のバルブ枠48が形成されており、このバルブ枠4
8内に球形バルブ49が回転可能に配設されている。球
形バルブ49の軸心と一致して水平に取付けられた回転
軸50がバルブ枠48にベアリング51を介して回転可
能に取付けられ、これにより球形バルブ49は、回転軸
50とともに回動可能である。
【0033】球形バルブ49はその中心を通り上記回転
軸50の軸心とは直交する方向に、粉粒体を通過させる
通孔52が形成されている。フレーム45には、複合回
転駆動装置8が配設されており、その回転作業軸4が減
速装置53を介して回転軸50に連結されている。フレ
ーム45の底部には、粉粒体の排出孔54が形成されて
いる。
【0034】この粉粒体供給ホッパ装置43のバルブ装
置44の作用を説明する。バルブ装置44が閉止してい
るときには、通路47の下端に球形バルブ49の球面が
面して通路47と排出孔54が閉じられているが、ホッ
パ46内に貯蔵された粉粒体を供給するときには、複合
回転駆動装置8を動作させて球形バルブ49を回動させ
る。そして、図9に示すように球形バルブ49の通孔5
2が、ホッパ46の底部の通路及び排出孔54と一軸上
に一致した位置で複合回転駆動装置8の動作を停止し、
粉粒体は、ホッパ46の底部から通路47、通孔52及
び排出孔54を通過して外部へ供給される。
【0035】従来、粉粒体供給ホッパ装置では、粉粒体
が、通路から球形バルブの表面にかけて、又球形バルブ
49とバルブ枠の隙間等に固まって詰まり、いわゆるジ
ャミング状態となり、球形バルブ49の回転動作が重く
なり、駆動源の電動機に過負荷がかかったりする問題が
生じていた。
【0036】しかし、本発明の粉粒体供給ホッパ装置4
3では、複合回転駆動装置8により、球形バルブ49
が、一方向に回転中に揺動運動を加えて複合回転動作を
するので、球形バルブ49は、粉粒体の固まりの発生を
防止する効果があり、又粉粒体が固まっても、この固ま
った粉粒体に揺さぶりを与え粉砕しながら回転して、球
形バルブ49の回転には支障なくスムースな開閉動作が
行なわれる。
【0037】図10及び図11は、第3の実施例を示す
もので、本発明の複合回転駆動としての粉粒体供給ホッ
パ装置43の回転羽根粉砕装置である。図10及び図1
1において、55は、粉ミルク等を供給する粉粒体を粉
砕する回転羽根粉砕装置であり、適時、回転粉砕羽根を
回転してホッパ46内に貯蔵された粉粒体が固まらない
ようにする装置である。
【0038】回転羽根粉砕装置55の設けられる粉粒体
供給ホッパ装置43は、ホッパ46の上方に支持柱57
により複合回転駆動装置8が配設されおり、その回転作
業軸4が下方のホッパ46内に伸びている。この回転作
業軸4に上下方向に一定間隔をもって複数の回転粉砕羽
根56が水平方向に取付けられている。
【0039】この回転羽根粉砕装置55の作用を説明す
る。粉粒体を貯蔵し、供給する粉粒体供給ホッパ46内
では、粉粒体が湿気等を吸収して固まりやすく流動性が
失われ、供給排出孔54から外部へ供給しにくくなる。
回転羽根粉砕装置55は、このように粉粒体が固まって
固形化することを防止し、又固まってしまった粉流体を
粉砕するもので、複合回転駆動装置8が回転すると、回
転粉砕羽根56がホッパ46内で回転し、ホッパ46内
に貯蔵された粉粒体の固まりを粉砕する。
【0040】特に本発明の回転羽根粉砕装置55は、複
合回転駆動装置8により、回転羽根装置56が、一方向
に回転中に揺動運動を加えて複合回転動作をするので、
この固まった粉粒体にいわば粉砕方向に強い力を加える
だけでなく、粉砕する力を断続的に緩めるようにしなが
ら回転するので、ホッパ46内で固まった粉粒体をスム
ースに、効率的に、しかも駆動源である電動機等に過負
荷を与えることなく粉砕していくことができる。
【0041】図12及び図13は、第4の実施例を示す
もので、本発明の複合回転粉砕装置としての粉粒体供給
ホッパ装置43の回転掻取粉砕装置である。図12及び
図13において、58は、ホッパ46の内壁にこびり付
いた粉粒体を掻き取る回転掻取粉砕装置であり、掻取粉
砕櫛59を回転してホッパ46内に貯蔵された粉粒体が
固まらないようにする装置である。
【0042】第3の実施例と同様にホッパ46の上方に
複合回転駆動装置8が配設されおり、その回転作業軸4
が下方のホッパ46内に伸びている。この回転作業軸4
に、環体60と、その円周方向に一定間隔をおいて下方
に伸びた複数の掻取棒61が一体となって構成された掻
取粉砕櫛59が取付けられている。
【0043】この回転掻取粉砕装置58の作用を説明す
る。粉粒体を貯蔵し、供給する粉粒体供給ホッパ46で
は、粉粒体が湿気等を吸収して固まり、特にホッパ46
の内壁面にこびりつきやすい。回転掻取粉砕装置58
は、ホッパ46内壁面にこびりついた粉粒体の固まりを
粉砕して防止するもので、複合回転駆動装置8が回転す
ると、掻取粉砕櫛59がホッパ46内で回転し、ホッパ
46内壁面にこびりついた粉粒体の固まりを粉砕して掻
取る。
【0044】特に本発明の回転掻取粉砕装置58は、複
合回転駆動装置8により、掻取粉砕櫛59が一方向に回
転中に揺動運動を加えて複合回転動作をするので、この
固まった粉粒体にいわば粉砕方向に強い力を加えるだけ
でなく、断続的に粉砕する力を緩めるようにしながら回
転するので、ホッパ46の内壁面に固まってこびりつい
た粉粒体をスムース、効率的に、しかも駆動源である電
動機等に過負荷を与えることなく粉砕していくことがで
きる。
【0045】次に、本発明の第5の実施例として、複合
回転切断装置に適用された実施例として、電気ひげそり
機について説明する。図14及び図15において、62
は、電気ひげそり機であり、電気ひげそり機62は、フ
レーム63を有し、フレーム63内の先端部に設けられ
たひげ切断部は、回転軸64に固定された円筒状の回転
内刃65と、この回転内刃に対して静止して配設された
メッシュ孔の形成された薄板状の外刃66から構成され
ている。回転軸64の左右はフレーム63にすべり軸受
67により回動可能に取り付けられている。
【0046】フレーム63の略中央部には複合回転駆動
装置8が、その回転作業軸4が回転軸64と平行な状態
となるように、配設されている。複合回転駆動装置8の
回転作業軸4は伝導歯車機構69を介して回転軸64に
連動している。フレーム63の基端部には、電源用の電
池69が配設されている。
【0047】この電気ひげそり機62の作用を説明す
る。複合回転駆動装置8が動作すると、伝導歯車機構6
8を介して回転軸64を回転させ、これにより回転内刃
65を回転させる。外刃66のメッシュ孔からひげそり
の内方へ入ったひげを回転内刃65により切断する。
【0048】従来の電気ひげそり機では、ひげが濃かっ
たり硬い場合、あるいは切断されたひげのそり屑が詰ま
ったりすると、その抵抗力により回転内刃等の回転が鈍
ったりあるいは回転が停止したりするようなことも生じ
た。しかしながら、本発明の電気ひげそり機は、複合回
転駆動装置8により、回転内刃が、一方向に回転中に揺
動運動を加えて複合回転動作をするので、従来の回転式
の電気ひげそり機に較べて内歯が外刃66のメッシュ孔
からひげそりの内方へ入ったひげを、回転内刃が一方向
への回転による前進中にメッシュ孔の前縁とともに切断
し、又回転内刃の揺動による後退中にメッシュ孔の後縁
とともに切断する。即ち、メッシュ孔の前後縁において
ひげ効率的に切断される。そして、ひげのそり屑等で詰
まっても回転内刃が停止したり、駆動源である電動機等
に過負荷を与えることなく切断していくことができる。
又従来の揺動式の電気ひげそり機に較べて内歯が回転す
るためにひげの剃り屑等がつまりづらく、内歯の周長が
長くとれるために内歯の寿命も長くなる
【0049】図16、図17は、本発明の第6の実施例
を示すもので、70は、第5の実施例の電気ひげそり機
とは別の形態の電気ひげそり機である。この電気ひげそ
り機70では、フレーム71内の中央部に複合回転駆動
装置8が縦方向に配設されており、その回転作業軸4が
フレーム71の頂部のすべり軸受72を介して回転可能
に支持されているとともに、その先端はフレーム71の
頂部を通して伸びている。
【0050】回転作業軸4の先端には回転内刃73が着
脱可能に取り付けられる。回転内刃73に対面するよう
にメッシュ孔の形成された薄板円形ドーム状の外刃74
がフレームの先端外周面に着脱可能に螺着される。フレ
ーム71内の下部には電池75が配設されている。
【0051】このような電気ひげそり機70の作用を説
明する。使用に際し外刃74を顔に当接した場合、外刃
74のメッシュ孔から内部に入ったひげは、実施例5の
電気ひげそり機同様に、メッシュ孔の前後縁において効
率的に、スムースに切断される。従来の電気ひげそり機
のように、回転内刃の動きが重くなったり停止したり、
又電動機に過負荷を与えるようなことが防止される。
【0052】なお、本発明の適用される複合回転切断装
置は電気ひげそり装置以外に、事務書類の廃棄裁断装
置、野菜の切断装置等各種の利用可能であることはいう
までもない。
【0053】
【発明の効果】本発明の複合回転駆動装置8では、一方
向の回転中、揺動運動を加えて複合回転動作をさせてい
るので、破砕、粉砕、切断等すべき物体に対して、単に
破砕、粉砕、切断すべき方向の力のみを加えるだけでな
く、その力を適宜断続的に緩めながら行うので、破砕、
粉砕、切断等をスムースに、効率的に行うことができる
とともに、電動機等の駆動源に対しても過負荷をかける
ことがないので、装置の寿命も向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合回転駆動装置の原理を説明する図
である。
【図2】本発明の複合回転駆動装置の原理を説明する別
の図である。
【図3】本発明の複合回転駆動装置の実施例を説明する
図である。
【図4】本発明の複合回転駆動装置の実施例の要部を説
明する斜視図である。
【図5】本発明の複合回転駆動装置の複合回転機構の別
の態様を示す図である。
【図6】本発明の複合回転機構のさらに別の態様を示す
図である。
【図7】本発明の第1の実施例である複合回転破砕装置
である
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】本発明第2の実施例の粉粒体供給ホッパ装置の
バルブ装置である。
【図10】本発明第3の実施例の粉粒体供給ホッパ装置
の回転羽根粉砕装置である。
【図11】図10のB−B断面図である。
【図12】本発明第4の実施例の粉粒体供給ホッパ装置
の回転掻取粉砕装置である。
【図13】図12のC−C断面図である。
【図14】本発明の第5の実施例の電気ひげそり機であ
る。
【図15】図15のD−D断面図である。
【図16】本発明の第6の実施例の電気ひげそり機の外
刃を外した状態の上面図である。
【図17】本発明の第6の実施例の電気ひげそり機の断
面図である。
【符号の説明】
1 キャリアプレート 2 偏心カム 3 偏心カム軸 4 回転作業軸 5 連結杆 6 長孔 8 複合回転駆動装置 9 複合回転駆動機構 10 動力部 11 フレーム 12 キャッププレート 14 動力装置 15 内歯車 20 太陽歯車 21、22,23 遊星歯車 27 歯車 29 回転作業部材 31 空き缶プレス破砕装置 35 破砕ローラ 41 空き缶 43 粉粒体供給ホッパ装置 44 バルブ装置 46 ホッパ 49 球形バルブ 52 通孔 54 排出孔 55 回転羽根粉砕装置 56 回転粉砕羽根 58 回転掻取粉砕装置 59 掻取粉砕櫛 62、70 電気ひげそり機 65、73 回転内刃 66、74 外刃

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合回転機構と、該複合回転機構を駆
    動する動力装置とを有し、前記複合回転機構の回転作業
    軸により、該回転作業軸の先端に取り付けられる破砕作
    業部材を回転させる複合回転破砕装置において、前記複合回転機構は、 前記複合回転機構を配設する フレーム内に固着された固
    定内歯車と 前記フレーム 内に回転可能に設けられたキャリアプレー
    トと、 前記キャリアプレートに枢着されており、前記動力装置
    で回転され、前記固定内歯車と同心の太陽歯車と、 前記キャリアプレートに枢着され、前記太陽歯車及び
    固定内歯車と噛み合う遊星歯車と、 前記キャリアプレートに枢着され、前記遊星歯車の一
    つ、前記太陽歯車と同心一体の歯車又は前記固定内歯車
    の内の一つのみと噛み合う歯車及び偏心カムを有する偏
    心カム軸と、 前記回転作業軸に対して直角方向に伸び、前記回転作業
    軸と前記偏心カムを連結し、前記回転作業軸と前記偏心
    カムのいずれか一方に対して摺動可能に取り付けられた
    連結杆とを具備することを特徴とする複合回転破砕装
    置。
  2. 【請求項2】 複合回転機構と、該複合回転機構を駆
    動する動力装置とを有し、前記複合回転機構の回転作業
    軸により、該回転作業軸の先端に取り付けられる粉砕
    業部材を回転させる複合回転粉砕装置において、前記複合回転機構は、 前記複合回転機構を配設する フレーム内に固着された固
    定内歯車と 前記フレーム 内に回転可能に設けられたキャリアプレー
    トと、 前記キャリアプレートに枢着されており、前記動力装置
    で回転され、前記固定内歯車と同心の太陽歯車と、 前記キャリアプレートに枢着され、前記太陽歯車及び
    固定内歯車と噛み合う遊星歯車と、 前記キャリアプレートに枢着され、前記遊星歯車の一
    つ、前記太陽歯車と同心一体の歯車又は前記固定内歯車
    の内の一つのみと噛み合う歯車及び偏心カムを有する偏
    心カム軸と、 前記回転作業軸に対して直角方向に伸び、前記回転作業
    軸と前記偏心カムを連結し、前記回転作業軸と前記偏心
    カムのいずれか一方に対して摺動可能に取り付けられた
    連結杆とを具備することを特徴とする複合回転粉砕装
    置。
  3. 【請求項3】 複合回転機構と、該複合回転機構を駆
    動する動力装置とを有し、前記複合回転機構の回転作業
    軸により、該回転作業軸の先端に取り付けられる切断
    業部材を回転させる複合回転切断装置において、前記複合回転機構は、 前記複合回転機構を配設する フレーム内に固着された
    固定内歯車と 前記フレーム 内に回転可能に設けられたキャリアプレー
    トと、 前記キャリアプレートに枢着されており、前記動力装置
    で回転され、前記固定内歯車と同心の太陽歯車と、 前記キャリアプレートに枢着され、前記太陽歯車及び
    固定内歯車と噛み合う遊星歯車と、 前記キャリアプレートに枢着され、前記遊星歯車の一
    つ、前記太陽歯車と同心一体の歯車又は前記固定内歯車
    の内の一つのみと噛み合う歯車及び偏心カムを有する偏
    心カム軸と、 前記回転作業軸に対して直角方向に伸び、前記回転作業
    軸と前記偏心カムを連結し、前記回転作業軸と前記偏心
    カムのいずれか一方に対して摺動可能に取り付けられた
    連結杆とを具備することを特徴とする複合回転切断装
    置。
  4. 【請求項4】 回転作業軸の軸心がキャリアプレート
    の軸心と偏心して配設されていることを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の装置。
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