JP2901884B2 - 振出式釣竿 - Google Patents

振出式釣竿

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JP2901884B2 JP21187494A JP21187494A JP2901884B2 JP 2901884 B2 JP2901884 B2 JP 2901884B2 JP 21187494 A JP21187494 A JP 21187494A JP 21187494 A JP21187494 A JP 21187494A JP 2901884 B2 JP2901884 B2 JP 2901884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は振出式釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】振出式釣竿の一例としての振出式中通し
釣竿の構造が、例えば実公昭62−22139号公報に
開示されており、元竿先端内面に振出式に継ぎ合わせす
る中竿の後端に、釣糸を案内する案内栓を固定し、元竿
に形成した長孔状の釣糸導入口を通して導入された釣糸
を案内栓の後端から竿管内部に導入できる構造を示し、
該釣糸を竿管内に挿通させた状態で中竿を元竿内部に収
納できる構造が開示されている。また、中通しに限ら
ず、釣糸を外通しする釣竿や先端に結び付ける釣竿等に
おいても、振出式に構成したタイプにおいて、釣竿の長
さを調節できるよう構成したい場合がある。例えば、実
開平4−16562号公報には、中竿の先端部に元竿の
内径と略同一の外径を有するフランジを取り付けた振出
式釣竿が開示さている。このフランジの付いた中竿まで
を元竿内に収納して振出式釣竿の長さを調節している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の場合では、釣糸
を竿管内に挿通させたまま中竿を元竿内に収納すると、
中竿後端の案内栓と元竿の尻栓との間で釣糸が押しつぶ
されたり、切断される虞がある。従って、中竿等の小径
竿管先端を大径竿管に吊した状態にして収納し、後端部
に空間を確保することが必要となる。また、振出式であ
るため小径竿管を大径竿管の後部から抜きとって、掃除
等のメインテナンスを容易にすることが必要である。後
者の場合では、フランジが元竿の内径程度の寸法である
ため元竿の後部からこの中竿を抜きとって掃除等はでき
るが、短く収納した場合に元竿に対して常に一定の位置
に保持できる構造ではない。従って、釣り場の広さや釣
りポイントに応じた長さ調節や、一定のポイントに投擲
するような使用の場合には調節した長さが不安定では使
用し難く、長さ調節のメリットが低減する。
【0004】依って本発明は、竿管に釣糸を挿通させた
ままこの釣糸を損傷させることなく小径竿管を収納でき
ると共に、かつ手入れの容易な振出式中通し釣竿の提供
を目的とする。また、釣竿を正確に所定の長さに短く調
節できて操作性がよく、手入れも容易にできる振出式
通し釣竿の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、請求項1に対応して、弾性的に伸縮できる環状部材
と、大径竿管に直接に振出し継ぎ合わせされる小径竿管
に設けられ、大径竿管内を挿通できる大きさの係止本体
部の外周に形成され、前記環状部材を取外し可能に保持
でき、保持された前記環状部材が前記大径竿管の先端面
に当接して引っ掛る状態になる外径を有すると共に、該
環状部材の位置から小径竿管の後端までの長さが大径竿
管の深さよりも短くなる位置の係止部とを具備すること
を特徴とする振出式中通し釣竿を提供する。請求項2に
対応して、弾性的に伸縮できる環状部材と、大径竿管に
直接に振出し継ぎ合わせされる小径竿管に設けられ、大
径竿管内を挿通できる大きさの係止本体部の外周に形成
され、前記環状部材を取外し可能に保持でき、保持され
た前記環状部材が前記大径竿管の先端面に当接して引っ
掛る状態になる外径を有する係止部と、前記係止本体部
が前記大径竿管の先部に位置した場合に、大径竿管と小
径竿管とが引き抜き可能な程度に押圧し合う押圧部とを
具備することを特徴とする振出式中通し釣竿を提供す
る。
【0006】
【作用】請求項1に対応して、小径竿管に設けられた係
止本体部の外周に形成された係止部に、弾性的に伸縮で
きる環状部材を取外し可能に保持させ、小径竿管を大径
竿管内に収納させるとこの環状部材が大径竿管の先端面
に当接して引っ掛り、小径竿管の収納位置が正確に定ま
る。また、小径竿管の該環状部材から後端までの長さが
大径竿管の深さよりも短いため、小径竿管の後端と大径
竿管との間に空間が確保でき、これにより釣糸を挿通さ
せたまま小径竿管を収納しても、該釣糸は押し潰される
ことは無く、損傷が防止される。また、環状部材は弾性
的に伸縮できるため、係止本体部の係止部から取り外し
たり移動することができ、これを取り外した小径竿管は
大径竿管内を挿通でき、大径竿管の後端から抜き取って
掃除等のメインテナンスができる。
【0007】請求項2に対応して、小径竿管に設けられ
た係止本体部の外周に形成された係止部に、弾性的に伸
縮できる環状部材を取外し可能に保持させ、小径竿管を
大径竿管内に収納させるとこの環状部材が大径竿管の
端面に当接して引っ掛り、小径竿管の収納位置が正確に
定まる。また、この状態にまで収納された場合に、大径
竿管と小径竿管とが引き抜き可能な程度に押圧し合う押
圧部を具備しているため、環状部材が大径竿管の先端に
引っ掛った位置で小径竿管が大径竿管に対して保持さ
れ、振れが防止され、環状部材の位置決め作用によって
釣竿長さが正確に所定の長さに設定されていることと併
せて、釣竿の操作性がよくなる。また、環状部材は弾性
的に伸縮できるため、係止本体部の係止部から取り外し
たり移動することができ、これを取り外した小径竿管は
大径竿管内を挿通でき、大径竿管の後端から抜き取って
掃除等のメインテナンスができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
き、更に詳細に説明する。図1は本発明に係る振出式中
通し釣竿の仕舞状態を示しており、図2はその先部の拡
大図を示す。大径竿管としての元竿10の適宜位置には
リール装着装置20が設けられており、これにリール2
2が取り付けられている。
【0009】リール装着装置20の前方位置の元竿10
の先近くには、セラミックスによる釣糸導入ガイド26
が設けられている。小径竿管としての第1中竿12には
該第1中竿に直接に継ぎ合わせされる第2中竿14が、
該第2中竿には穂先竿16が夫々収容され、前記第1中
竿12が元竿10に直接収容されている。また、第1中
竿12の後端にはセラミックス製ガイド28を保持した
合成樹脂、金属、セラミックス等の保持体30が分離可
能に螺着されている。
【0010】第1中竿12を収納する場合に、後述の構
成によって該第1中竿12が元竿後端に分離可能に螺着
された竿尻部品18から離れて、元竿に宙吊り状態に保
持される。また、前記リール22から引き出された釣糸
24を第1中竿12の後端から内部に挿通させたままで
あり、該第1中竿の外周と元竿10の内周との間には釣
糸が自由に挿通できる空隙SPが存在している。従っ
て、釣糸24を竿管内に挿通させた状態で各竿管を仕舞
っても、該釣糸は損傷することなくリール22によって
自在に巻取ることができる。
【0011】図2を参照すると、第1中竿12の先部外
側には、合成樹脂やアルミニウム合金等によって形成さ
れた係止本体部13が接着等によって固定されている。
この係止本体部13は第1中竿12に一体に形成しても
よく、また、別体に形成したものを着脱自在に装着して
もよく、更にはこの例のように接着等によって固定して
もよい。この係止本体部13は元竿10の内部に挿通可
能な大きさに形成されている。その略中央位置には係止
部としての環状の溝13Aが形成されており、これに弾
性部材からなるO−リング32を保持係止させれば、第
1中竿12の収納時にこのO−リング32が元竿継合部
10Aの端面に当り、該O−リング32の位置から第1
中竿12後端までの長さが元竿10の深さよりも短く設
定しているため宙吊りになり、図1に示すように元竿1
0の後部には空間Kが生ずる。従って、釣糸24が押し
潰されることが防止できる。また、ストッパーの役目を
果たすO−リング等の環状部材が弾性を有しているた
め、第1中竿12を収納する際に落下しても元竿端面と
の衝撃が緩衝されて、損傷が防止される。
【0012】第1中竿12等を掃除したり、その他のメ
インテナンスが必要な場合に、元竿10の竿尻部品18
を取り外して後部から抜き取る必要がある。そこで、上
記O−リング32を環状溝13Aから取り外せば、第1
中竿12は元竿10の後部から抜き取れる。また、環状
溝13Aから取り外したO−リング32等の弾性的に伸
縮できる環状部材を紛失しないために、係止本体部13
の外周であって、前記環状溝13Aよりも後方位置に設
けた環状溝13Bに仮に保持させておき、この状態で第
1中竿を元竿から後方に抜き取る。この環状溝13Bは
その外径を前記環状溝13Aの外径よりも小さく設定し
てあり、ここにO−リング32を仮保持させた場合に、
そのまま元竿10内を挿通できるように形成している。
この仮保持用の環状溝13Bを環状溝13Aの後方位置
に設けたのは、O−リング32を移動させる際に前方に
移動させたのでは弾性力のために飛ばしてしまい、紛失
する虞が有るからである。また、後方への移動を容易に
するため、環状溝13Aの後方壁は低く形成し、乗り越
え易くしている。
【0013】更には、係止本体部13の先部には、第1
中竿12を元竿10内に収納した状態から再び引き出す
場合にその操作が容易なように指の係止部13Kを設け
ている。然しながら、この実施例では、第1中竿12を
O−リング32で吊りしているものの、その保持はして
いないため、仕舞状態の元竿10を下方に傾斜させれば
第1中竿12は容易に取り出せる。また逆にこのことを
防止するためには、仕舞い状態の釣竿の先端部に上栓を
装着したり、或いは、係止本体部13の環状溝13Aの
後部13Sが元竿の継合部10Aの内面に軽く押圧する
ように形成し、第1中竿12を収納してO−リング32
が元竿の先端に当接してストッパーとして作用し、更に
上記後部13Sの軽い押圧によって第1中竿を保持し、
収納時に第1中竿12が元竿10内に落下しても弾性作
用の環状部材と共に衝撃を緩和するように構成してもよ
い。
【0014】また、上記環状溝13Bの外径を調節して
形成し、ここにO−リング32を仮保持させた場合に元
竿10内に第1中竿12を収納してO−リング32が元
竿10内面に軽く接触するように設定すれば、第1中竿
が保持でき、元竿の内径が略一定の範囲内では任意の位
置に軽い保持力で保持される。従って、第1中竿12を
こうした任意位置で保持させた状態で釣り操作を行うこ
ともでき、長さ調節に便利である。更には、上述の後部
13Sの作用も含めてこれらのように第1中竿12が元
竿10に軽く押圧されて収納されていると、持ち運び時
において元竿10内で第1中竿12が回転せず、釣糸2
4が該第1中竿12に絡まず、その後の引き出し操作が
円滑に行える。
【0015】上記O−リング32の代りに、同様に弾性
変形するゴム製の環状部材や、ワッシャのように切欠き
があり、弾性を示す金属リング等を使用することもでき
る。更には、上記実施例では元竿10を大径竿管とし、
第1中竿12を小径竿管としているが、第1中竿12に
釣糸導入ガイドが設けられている場合には、該第1中竿
12を大径竿管とし、第2中竿14を小径竿管として本
発明を適応できる。また、上記実施例では係止本体部1
3は第1中竿12の先端に設けているが、途中位置に設
けてもよい。
【0016】次に図3は本発明の釣竿の第2実施例を示
す。この釣竿は中通し釣竿とは限らず、外通し釣竿や、
釣糸を先端に結び付けるタイプの釣竿であってもよく、
振出式釣竿である。特に渓流竿のように長さを調節する
必要性の高い釣竿に適用することが好ましい。即ち、元
竿10には第1中竿12が直接に振出し継ぎ合わせ可能
に収納されている。第1中竿12は先端部と途中に係止
本体部13’を設けている。更には、後部には継合部1
2Aが設けられている。また、前記各係止本体部13’
には係止部としての環状の溝13A’が夫々形成されて
おり、これらには上記と同様なO−リング32等の弾性
的に伸縮する環状部材が係止保持でき、第1中竿12が
収納された場合に、この係止保持されたO−リング32
が元竿10の先端に当接する。従って、第1中竿12の
収納位置が正確に定まり、振出式釣竿の長さを所定量短
く調節できる。
【0017】また、係止本体部13’の環状溝13A’
(O−リング32)の後部外周13T’は、第1中竿1
2が収納された場合に、元竿10の継合部10Aの先端
内面10Tに対して引き抜き可能な程度に軽い押圧力で
押圧し合う押圧部を構成している。また、継合部12A
は元竿10の内径が略一定の範囲内では第1中竿12が
収納される際の案内部の役割を果たすと共に、係止本体
部の後部外周13T’が元竿の先端内面10Tに押圧状
態になった場合に、ここと協働して第1中竿12が振れ
ることを更に有効に防止する。従って、長さを正確に短
く調節できて、しかもその状態で振れが防止されて釣り
操作が安定する。また、継合部12Aのみが、元竿10
内径が略一定の範囲内で押圧部としての作用をする外径
寸法に形成されていても、第1中竿12の振れが防止で
きる。
【0018】また、第1中竿12を元竿10の後部から
抜き取る場合には、環状溝13A’からO−リング32
を取り外し、係止本体部13’の後方の第1中竿本体部
等に移動させた状態で、上記の軽い押圧力に抗して元竿
10の後部から引き抜くことができる。こうして第1中
竿12の掃除等のメインテナンスが容易に行える。更に
は、本実施例では、上記係止本体部13’は2箇所に設
けられており、この実施例では環状部材32を第1中竿
12の先部の環状溝13A’に移動させ、この先部まで
収納させれば、更に短くなる。このため長さ調節の自由
度が大きくなる。3箇所以上に設けていれば更に自由度
が大きくなる。O−リング等の環状部材を仮保持させる
溝を設けてもよいことは図1と図2に示した実施例の場
合と同様である。また、環状部材として割りの入った金
属リングを使用してもよいことも同様である。また、第
2中竿を小径竿管とし、第1中竿を大径竿管としたりで
きることも同様である。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
請求項1によれば、竿管に釣糸を挿通させたまま小径竿
管を収納しても係止本体部の環状部材が正確な位置決め
ストッパーの役目を果たすと共に、該環状部材の位置か
ら小径竿管の後端までの長さが大径竿管の深さよりも短
ため、小径竿管が宙吊りになり、釣糸を損傷させるこ
となく収納でき、また、この環状部材が弾性を示すた
め、取り外したり移動させることができ、こうして小径
竿管を大径竿管の後部から抜き取れ、手入れの容易な振
出式釣竿を提供することができる。また、請求項2で
は、係止部に保持された環状部材の作用によって釣竿を
正確に所定の長さに短く調節できて、しかも押圧部の存
在によって振れが防止されるため、操作性がよくなり、
また、環状部材が弾性を示すため、取り外したり移動さ
せることができ、こうして小径竿管を大径竿管の後部か
ら抜き取れ、手入れの容易な振出式釣竿を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る釣竿の仕舞状態の縦断面図
である。
【図2】図2は図1の釣竿の仕舞状態の先部の拡大部分
断面図である。
【図3】図3は本発明に係る他の実施例を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 元竿(大径竿管) 12 第1中竿(小径竿管) 13,13’ 係止本体部 13A,13A’ 環状溝(係止部) 32 O−リング(環状部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平4−9561(JP,U) 実開 平4−55275(JP,U) 実開 平3−92968(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性的に伸縮できる環状部材と、 大径
    竿管に直接に振出し継ぎ合わせされる小径竿管に設けら
    れ、大径竿管内を挿通できる大きさの係止本体部の外周
    に形成され、前記環状部材を取外し可能に保持でき、保
    持された前記環状部材が前記大径竿管の先端面に当接し
    引っ掛る状態になる外径を有すると共に、該環状部材
    の位置から小径竿管の後端までの長さが大径竿管の深さ
    よりも短くなる位置の係止部とを具備することを特徴と
    する振出式中通し釣竿。
  2. 【請求項2】 弾性的に伸縮できる環状部材と、 大径
    竿管に直接に振出し継ぎ合わせされる小径竿管に設けら
    れ、大径竿管内を挿通できる大きさの係止本体部の外周
    に形成され、前記環状部材を取外し可能に保持でき、保
    持された前記環状部材が前記大径竿管の先端面に当接し
    引っ掛る状態になる外径を有する係止部と、 前記係止本体部が前記大径竿管の先部に位置した場合
    に、大径竿管と小径竿管とが引き抜き可能な程度に押圧
    し合う押圧部とを具備することを特徴とする振出式中通
    釣竿。
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