JP2899392B2 - 事故判定システム - Google Patents

事故判定システム

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JP2899392B2 JP2263321A JP26332190A JP2899392B2 JP 2899392 B2 JP2899392 B2 JP 2899392B2 JP 2263321 A JP2263321 A JP 2263321A JP 26332190 A JP26332190 A JP 26332190A JP 2899392 B2 JP2899392 B2 JP 2899392B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は電力系統の情報を常に入力しながら、電力系
統の事故区間を判定する事故判定システムに関する。
(従来の技術) 電力系統で事故が発生すると、これを管轄する集中制
御所では保護リレーと、しゃ断器の動作状況から事故の
可能性のある設備を推定する。この作業は停電地域への
送電操作のベースとなるため、極めて重要である。例え
ば送電線や変圧器で事故が発生した場合、その設備を特
定し、その設備を健全系統から切り離して別の送電線、
または変圧器を使って停電地域に電力を送ることにな
る。しかしながら何等かの理由で事故設備を特定できな
いと、例えば停電している設備全てを事故設備と想定す
るなど、本来活用できる設備まで健全系統から切り離さ
ざるを得なくなり、停電地域へ電力を送る経路の選択に
大変な制約が与えられることになる。
そこで従来、事故判定は経験豊かな運転員が担当して
おり、そのノウハウを利用して近年知識ベースと推論機
構とを用いた知識処理システムが提案されている。ここ
では運転員が電力系統の情報をどのような形で受け取っ
ているか、そして提案されている知識処理システムにど
のような問題点が残っているかを説明する。
第6図は電力系統を示しており、これを3つの集中制
御所が分担して監視していることを示している。図中の
記号は次の意味を持っている。G1は電源、Ass,Bss,Css,
Dss,Ess,Fssは夫々変電所、L1,L2,L3,L4,L5,L6は夫々送
電線、CB1,CB2,CB3,CB4,CB5,CB6,CB7は夫々しゃ断器、
Fは送電線L3に発生した事故点、Z1,Z2,Z3は夫々図示し
ていない集中制御所1,集中制御所2,集中制御所3の管轄
範囲を示している。このような状況でZ1を管轄する集中
制御所1には第7図に示す情報が、またZ2を管轄する集
中制御所2には第8図に示す情報が与えられる。そして
L3の事故Fでは集中制御所1の運転員は送電線L2の遠方
に事故があったか、または後備保護リレーが誤動作した
かの2つの可能性を考え、集中制御所2へ電話連絡す
る。一方、集中制御所2では送電線L3に事故が発生し、
Dssが停電したこと、Cssが何等かの理由で停電したこと
を考え、電源側の集中制御所1へ電話連絡する。この電
話連絡の結果、CB5の誤不動作によって送電線L2の後備
保護リレーが動作してCB3がしゃ断し、Cssが停電したこ
とのつじつまが合い、事故点をL3に絞り込むことが可能
となる。このような電話連絡は事故発生直後の緊迫した
中で行なわれるため運転員の大きな負担となっており、
これを自動化する技術や経験の浅い運転員を支援する技
術が望まれていた。
一方、近年提案されている知識処理システムは、上に
述べた夫々の集中制御所に設置されて、自動的に入力さ
れる限定された情報から事故点を判定することを目的と
している。
つまり、運転員が上に述べた方法で他の集中制御所に
電話連絡して判断するような、総合的な判断機能は実現
するものではない。従来技術の延長としては電力系統の
情報を全て1個所に伝送して知識処理することになる
が、伝送路の制約で不可能であった。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来方式において事故判定を自動化することや、
経験の浅い運転員にも事故判定を容易にできる環境を作
れなかった理由は、次の通りである。
事故設備は保護リレーとしゃ断器の動作状況から判定
できるが、この場合、保護リレーとしゃ断器が常に正常
動作するとは限らず、正常動作しなかったことも考慮し
た判定を行なうことが必要であり、ベテラン運転員の豊
富な知識が必要であること。
さらに、広域停電の場合には、監視している地域外の
保護リレーとしゃ断器の動きを把握する必要があるが、
その情報は伝送路の制約から自動入力されないため、隣
接する集中制御所や中央給電指令所などと連絡をとり、
そこでの判断を参考として総合的な判断をすること、つ
まり従来手法では広域停電に対しては自動的に入力され
る情報に不足があって、十分な事故判定ができなかっ
た。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来
複数の集中制御所の間で電話などを使って連絡をとり合
っていた事柄を、電子計算機の判断で自動的に実施する
ことにより、事故判定を自動化し、経験の浅い運転員に
も事故判定を容易にできるようにした事故判定システム
を提供することを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明では上記目的を達成するため、分割した被監視
電力系統の夫々に対して電子計算機を有する複数の集中
制御所を設けて、電力系統の事故点を判定する事故判定
システムにおいて、前記各電子計算機には、夫々の集中
制御所が管轄する電力系統の構成設備の状態や保護リレ
ーの動作状態などの系統データを格納する電力系統デー
タ格納手段と、事故判定の際に用いられる事故判定知識
を格納する事故判定知識格納手段と、前記電力系統デー
タ格納手段の系統データを用い前記事故判定知識格納手
段の事故判定知識に基づいて事故の可能性のある設備を
判定すると共に、判定結果及び判定条件を黒板情報格納
手段を介して黒板手段に出力する第1の事故判定手段
と、前記第1の事故判定手段による判定結果が判定条件
付きのとき前記黒板手段から前記黒板情報格納手段を介
して取り込む他の集中制御所の判定結果及び判定条件を
用い前記事故判定知識格納手段の事故判定知識に基づい
て事故の可能性のある設備を判定する第2の事故判定手
段とを備えた。
(作用) 電力系統に事故が発生すると電力系統に設置されてい
る保護リレーとしゃ断器の状態が伝送路を通じて電力系
統データ格納手段に格納される。これらのデータは一般
に伝送路の制約から管轄としている電力系統に限定され
ている。このデータと事故判定の知識を使って事故の可
能性のある設備を判定し、その結果と判定の過程で使わ
れたデータを黒板に伝送する。この黒板には第1図
(a)に示したように複数の集中制御所が接続してお
り、黒板には全ての集中制御所における事故判定結果
や、これを得る過程で使われたデータが格納されてい
る。事故の可能性のある設備を判定する際に、保護リレ
ーとしゃ断器の状態が事故判定の知識で説明できない場
合は、黒板システムに格納されているデータを使って事
故判定を行なう。事故判定の結果はCRTに表示する。
(実施例) 以下図面を参照して実施例を説明する。
第1図(a),第1図(b)は本発明による事故判定
システムの一実施例の構成図である。第1図において、
1は電力系統であり、しゃ断器,保護リレー,送電線,
変圧器,母線などの設備により構成される。そしてZ1,Z
2,Z3は夫々所定の集中制御所に管轄される地域の区分を
示している。
21は電力系統1のZ1の情報を伝送する送信局、31は集
中制御所であり送信局21からの情報を受信する受信局31
1と電子計算機312と送受信局313とから構成されてい
る。そして送受信局313には送受信局4を介して黒板5
に接続している。22は電力系統1のZ2の情報を伝送する
送信局、32は集中制御所であり送信局22からの情報を受
信する受信局321と電子計算機322と送受信局323とから
構成されている。そして送受信局323は送受信局4を介
して黒板5に接続している。23は電力系統1のZ3の情報
を伝送する送信局、33は集中制御所であり送信局23から
の情報を受信する受信局331と電子計算機332と送受信局
333とから構成されている。そして送受信局333は送受信
局4を介して黒板5に接続している。
次に第1図(b)によって集中制御所31の構成を説明
する。受信局311によって受信した情報は電子計算機312
に入力される。電子計算機312は、電力系統データ格納
手段3121,事故判定知識格納手段3122,この電子計算機が
管轄する系統の情報による事故判定を行なう手段3123
(以下事故判定手段3123),管轄する系統の情報の他、
黒板の情報を使って事故判定を行なう手段3124(以下事
故判定手段3124),黒板の情報を格納する手段3125(以
下黒板情報格納手段3125),事故判定手段3123と事故判
定手段3124の出力を表示する装置3126(以下CRT 3126)
から構成される。第1図(b)には集中制御所31の構成
を示したが、32,33についても同様であり説明を省略す
る。また電子計算機312の構成要素である3121,3122,312
3,3124,3125,3126は夫々、電子計算機322の構成要素で
ある3221,3222,3223,3224,3225,3226、電子計算機332の
構成要素である3321,3322,3323,3324,3325,3326に相当
するものとして以下の説明を行なう。
次に実施例の作用を第2図に示したフローチャートに
よって説明する。フローチャートはステップS21からS26
までの6つのステップからなり、この内S21からS24まで
を第1図(b)の事故判定手段3123で、残りのS25とS26
を事故判定手段3124で実行する。第2図に示したフロー
チャートは全ての集中制御所で夫々実行される。
以下第1図(a)に示した3つの集中制御所夫々で行
なわれる処理を第2図のフローチャートを使って説明す
る。電力系統が第6図のように構成され、そのうちZ1の
範囲を集中制御所31が、Z2を集中制御所32が、Z3を集中
制御所33が管轄しているとする。このような状況でまず
集中制御所31における処理を説明する。
(集中制御所31における処理) ステップS21では電力系統を構成する母線,送電線,
変圧器など各設備の充停電を電力系統データ格納手段31
21のデータから判定する。この場合集中制御所31の電力
系統データ格納手段3121には第3図(a)のようにZ1の
電力系統データが格納される。
第3図(a)の電力系統データ1は設備名がAss、動
作リレーなし、動作CBなし、事故前の接続状態が発電機
G1に接続、送電線L1に接続、事故後の接続状態が発電機
G1に接続、送電線L1に接続であることを示している。電
力系統データ2も同様にして理解できるので説明を省略
する。
ステップS21ではこれらのデータを使って、不足電圧
リレーの動作状況と電源からの接続状態を認識すること
によって変電所の母線,送電線夫々の充停電状態を判定
する。次にステップS22では事故前の系統の接続状態か
ら後備保護リレーの保護範囲を判定する。ここではBss
の送電線L2方向を保護する後備保護リレーがその対象と
なるが、L2以遠がZ1の範囲外であるためL2のみが判定さ
れる。ステップS23では事故候補設備として事故後に停
電している設備を抽出する。すなわちL2が抽出されワー
キングメモリに登録される。ステップS24では管轄内情
報すなわち、第6図のZ1の範囲についての情報を使って
事故判定を行なう。ここでは事故判定知識格納手段3122
に格納されている知識が使われる。第4図はその一例を
示したものである。
知識1ではステップS23でワーキングメモリに登録さ
れていた設備すなわち、L2をチェックし、これが事故前
停電ではないことから事故候補設備であると判断され、
ワーキングメモリにその旨登録される。
次に知識1によってワーキングメモリに登録された事
故候補設備すなわち、L2について、事故が発生したと仮
定する。これを説明するには、仮定した事故設備の主保
護リレーが誤不動作であり、Assに設置されている後備
保護リレーが誤不動作であることを仮定する必要があ
る。しかし、ここでは2つ以上の不正動作リレーの存在
を仮定しているので、知識3によって最初の仮定が否定
され、L2は健全設備であると判断される。
次にステップS25では以上の判定内容が保護リレーの
不正動作を条件としたものであるかチェックされる。し
かしL2は健全設備と判定されているので、NOと判定され
ステップS2は実行されずに終了する。
この結果は黒板5に伝送され、第5図(a)に示した
ように保存される。ここで黒板データ1は、事故仮説が
L2、事故仮説を保護範囲とする動作リレーがL2、事故仮
説を保護範囲とする動作リレーがL2後備保護リレーで、
事故前のCB3開閉状態が入り、事故後のCB3開閉状態が切
り、判定結果は健全であることを示している。
(集中制御所32における処理) 以上に集中制御所31における処理を説明したが、これ
と並行して実行されている集中制御所32における処理に
ついて説明する。
既に述べたように、ステップS21では電力系統を構成
する各設備の充停電を電力系統データ格納手段3221のデ
ータから判定する。第6図のZ2と示されている範囲を集
中制御所32が管轄しており、その電力系統データ格納手
段3221には第3図(b)のようにZ2の電力系統データが
格納される。
第3図(b)の電力系統データ3は設備名がCss、動
作リレーは送電線L3主保護リレーとCss母線不足電圧リ
レー、動作CBなし、事故前の接続状態が送電線L2に接
続、送電線L3に接続、事故後の接続状態が送電線L2に接
続、送電線L3に接続であることを示している。電力系統
データ4も同様にして理解できるので説明を省略する。
ステップS21では以上に説明した電力系統データ格納
手段3221のデータを使って、電源からの接続状態を認識
することによって変電所の母線,送電線夫々の充停電状
態を判定する。次にステップS22では事故前の不足電圧
リレーの動作状況と系統の接続状態から後備保護リレー
の保護範囲を判定する。ここでは後備保護リレーが動作
していないため、次のステップS23に進む。ステップS23
では事故候補設備として事故後に停電している設備を抽
出する。すなわち、L2,Css母線,L3,Dss母線,L4が抽出さ
れ、その設備名がワーキングメモリに登録される。
ステップS24では管轄内情報を使って事故判定を行な
う。ここでは事故判定知識格納手段3222に格納されてい
る知識、すなわち第4図に示した知識が使われる。知識
1ではステップS23でワーキングメモリに登録された設
備すなわち、L2,Css母線,L3,Dss母線,L4をチェックし、
これらが全て事故前停電でないことから全てが事故候補
設備であると判断されワーキングメモリにその旨登録さ
れる。次に知識2では動作したL3の主保護リレーは、L3
を事故候補設備としているため正動作リレーであること
を判断する。
次に知識1によってワーキングメモリに登録された全
ての事故候補設備について、1つずつ、あるいは任意の
2つの組み合わせで事故が発生したと仮定し、知識3を
使って以下に示す方法で判定していく。
まず最初にL2を事故設備と仮定する。仮定した事故設
備の主保護リレーが誤不動作であり、Cssに設置されて
いるL3主保護リレーが誤動作であることを仮定する必要
がある。しかし、ここでは2つ以上の不正動作リレーの
存在を仮定しているので知識3から最初の仮定が否定さ
れ、L2は健全設備であると判定できる。
この結果は黒板5に伝送され第5図(b)の黒板デー
タ2に示すように保存される。ここで事故仮説はL2、事
故仮説を保護範囲とする動作リレーはなし、事故前のCB
4開閉状態は入り、事故後のCB4は開閉状態は入り、判定
結果は健全であることを示している。
同様にCssの母線を事故設備と仮定したとき、その主
保護リレーが誤不動作であり、事故設備と仮定していな
いL3の主保護リレーが誤動作していることの2つを仮定
しなければならない。従ってCss母線は健全であると判
定できる。
この結果は黒板データ3として保存される。ここで事
故仮説はCss母線、事故仮説を保護範囲とする動作リレ
ーはCss母線不足電圧リレー、事故前のCB開閉状態はCB4
が入り、CB5が入り、事故後のCB開閉状態はCB4が入り、
CB5が入り、判定結果は健全であることを示している。
また、L3を事故設備と仮定したとき、Css母線に設置
されている不足電圧リレーが誤動作していることを仮定
すれば説明がつく。この場合は仮定せざるを得ない不正
動作リレーは1つであるため、条件付きでL3は事故設備
と鑑定される。この結果は黒板データ4として保存され
る。以下黒板データの内容は前述と同様にして理解でき
るので説明を省略する。
同様にしてDss母線と、L4は健全と判断され、夫々黒
板データ5,黒板データ6として保存される。
以上は1つの設備すなわち単一事故を仮定した場合で
あるが、次は2つの事故すなわち多重事故を仮定した場
合を判定する。
L2とCss母線の多重事故を仮定した場合、L2主保護リ
レーが誤不動作、Css母線主保護リレーが誤不動作して
いることの2つを仮定しなければならない。従ってL2と
Css母線の多重事故は否定され、黒板データ7として保
存される。
Css母線とL3の多重事故を仮定した場合、Css母線主保
護リレーが誤不動作していることを仮定すると説明がつ
く。従って条件付きで事故の可能性があると判定され、
黒板データ8として保存される。
同様にDss母線とL3の多重事故を仮定した場合、Dss母
線主保護リレーが誤不動作、事故設備より電源側のCss
母線の不足電圧リレー誤動作の2つを仮定しなければな
らない。従ってこの多重事故は否定され、黒板データ9
として保存される。
Dss母線とL4の多重事故を仮定した場合、Dss母線主保
護リレーが誤不動作、L4主保護リレーが誤不動作してい
ることの2つを仮定しなければならない。従ってこの多
重事故は否定され、黒板データ10として保存される。
以上をまとめると、集中制御所32のステップS24では
次の2つの判定結果を得る。
L3事故 ……ただし、Css母線に設置されている不足電圧リレ
ーの誤動作を仮定。
Css母線とL3の多重事故 ……ただし、Css母線に設置されている母線主保護リ
レーの誤不動作を仮定。
ステップS32ではS24で得られた判定結果が保護リレー
不正動作の条件付きであるか否かのチェックが行なわれ
る。ここでは上記2つの条件付き判定結果があることか
ら、ステップS26が実行され、黒板データを含めた事故
判定が行なわれる。
ところで、いま黒板データ1から黒板データ7までが
黒板5に保存されているとする。ステップS26ではまず
黒板5のデータから電力系統の接続状態を認識して、ス
テップS22と同様に後備保護リレーの保護範囲を判定す
る。L2は後備保護リレーの整定値がL2,Css母線,L3を保
護範囲とするものであったとして以下に説明を続ける。
このような状況で黒板データ4と黒板データ8に示され
ている2つの仮説を再チェックする。
まずL3事故を仮定すると、知識4によって事故設備の
主保護リレーすなわち送電線L3主保護リレーが動作、し
ゃ断すべきCB5の状態が入り、設備を保護範囲とする他
の設備の後備保護リレーすなわちL2後備保護リレーが動
作、後備保護リレーの設置されている区間L2が停電であ
ることから、CB5の誤不動作が導かれる。つまり、CB5の
誤不動作を仮定するだけで、保護リレーの不正動作を条
件とせずにL3の事故を説明できることが判明した。
次にCss母線事故とL3事故の2重事故を仮定すると、
この場合はステップS24の判定と同様にCss母線主保護リ
レーが誤不動作していることを仮定すると説明がつくた
め、黒板データ8と同一の判定結果となる。その結果、
ステップS26では新たな結論として、L3事故、その条件
としてCB5の誤不動作という判定結果が得られる。これ
によりCss母線の事故を仮定することなく現象を説明で
きることになる。すなわち事故設備をL3ひとつに絞り込
むことができたといえる。
(集中制御所33における処理) 以上に集中制御所31,32における処理を説明したが、
これと並行して実行されている集中制御所33における処
理について説明する。
既に述べたように、ステップS21では電力系統を構成
する各設備の充停電を電力系統データ格納手段3321のデ
ータから判定する。第6図のZ3と示されている範囲を集
中制御所33が管轄しており、その電力系統データ格納手
段3321には第3図(c)のように格納される。
第3図(c)の電力系統データ5は設備名がEss、動
作リレーなし、動作CBなし、事故前の接続状態が送電線
L5に接続、送電線L6に接続、事故後の接続状態が送電線
L5に接続、送電線L6に接続であることを示している。
電力系統データ6も同様にして理解できるので説明を
省略する。
ステップS21では以上に説明した電力系統データ格納
手段3321のデータを使って不足電圧リレーの動作状況と
電源からの接続状態を認識することによって変電所の母
線,送電線夫々の充停電状態を判定する。次にステップ
S22では事故前の系統の接続状態から後備保護リレーの
保護範囲を判定する。ここでは後備保護リレーが動作し
ていないため次のステップS32に進む。ステップS23では
事故候補設備として事故後に停電している設備を抽出す
る。
Z3の範囲では停電していないため事故候補設備がなく
処理を終了する。
以上述べたように本発明によれば、集中制御所1,集中
制御所2,集中制御所3夫々で判断できる場合は、夫々の
管轄する電力系統から入力する情報によって事故判定を
行ない、条件付きで説明できるケースについては、黒板
のデータを使って総合的に判断し、個々の集中制御所で
全体系統の情報を集めることなく効率的に判定できるシ
ステムを提供できる。黒板に登録されるデータは事故の
仮説としてピックアップされたものに限定されるため、
電力系統の全情報を中央に集める方法に比べて伝送路の
負担が少なく実現が容易である。
上記実施例では事故の例として、事故が1つ発生した
例、事故が2つ発生した例をあげた。また条件として保
護リレーの誤動作,誤不動作が2つ以上同時に発生しな
いと仮定した。これらの考え方は電力系統運用のための
割り切りの知識であるため、本発明はこれに限定される
ものではない。例えば多重事故を3つ,4つなど多くして
もよいし、保護リレーやCBの誤動作,誤不動作について
もその可能性の最大数を変更しても可能であることは勿
論である。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば複数の集中制御所
の管轄を越えた広域停電事故に際しても事故判定を的確
に行なえ、事故判定の自動化あるいは経験の浅い運転員
にも事故判定を容易にできる環境を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),第1図(b)は本発明の構成図、第2図
は本発明の処理内容を示すフローチャート、第3図
(a),第3図(b),第3図(c)は本発明の電力系
統データの例を示す図、第4図は事故判定の知識例、第
5図(a),第5図(b)は黒板のデータの例を示す
図、第6図は電力系統をあらわす図、第7図と第8図は
電力系統で事故が発生したときに運転員に与えられる情
報を示す図である。 1……電力系統、21,22,23……送信局 31,32,33……集中制御所 311,321,331……受信局 312,322,332……電子計算機 313,323,333,4……送受信局 3121……電力系統データ格納手段 3122……事故判定知識格納手段 3123……管轄系統情報による事故判定手段 3124……黒板情報を含めた事故判定手段 3125……黒板情報格納手段 5……黒板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−89022(JP,A) 特開 昭61−224830(JP,A) 特開 昭60−114938(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分割した被監視電力系統の夫々に対して電
    子計算機を有する複数の集中制御所を設けて、電力系統
    の事故点を判定する事故判定システムにおいて、前記各
    電子計算機には、夫々の集中制御所が管轄する電力系統
    の構成設備の状態や保護リレーの動作状態などの系統デ
    ータを格納する電力系統データ格納手段と、事故判定の
    際に用いられる事故判定知識を格納する事故判定知識格
    納手段と、前記電力系統データ格納手段の系統データを
    用い前記事故判定知識格納手段の事故判定知識に基づい
    て事故の可能性のある設備を判定すると共に、判定結果
    及び判定条件を黒板情報格納手段を介して黒板手段に出
    力する第1の事故判定手段と、前記第1の事故判定手段
    による判定結果が判定条件付きのとき前記黒板手段から
    前記黒板情報格納手段を介して取り込む他の集中制御所
    の判定結果及び判定条件を用い前記事故判定知識格納手
    段の事故判定知識に基づいて事故の可能性のある設備を
    判定する第2の事故判定手段とを備えたことを特徴とす
    る事故判定システム。
JP2263321A 1990-10-01 1990-10-01 事故判定システム Expired - Lifetime JP2899392B2 (ja)

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