JP2899221B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2899221B2
JP2899221B2 JP6334262A JP33426294A JP2899221B2 JP 2899221 B2 JP2899221 B2 JP 2899221B2 JP 6334262 A JP6334262 A JP 6334262A JP 33426294 A JP33426294 A JP 33426294A JP 2899221 B2 JP2899221 B2 JP 2899221B2
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靖 三浦
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走行諸性能を保持しつつ
走行時における通過騒音を低減でき、しかも耐ワンダリ
ング性能に優れた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車技術の発展に伴う車両の高
速化とともに、自動車騒音も増し、その低下が望まれて
いる。
【0003】自動車騒音におけるタイヤ騒音の寄与率
(車両全体の騒音エネルギーに占めるタイヤ騒音エネル
ギーの比率)は、車両の騒音対策(駆動系、排気系、吸
気系等の静粛化)の進歩により定常走行時で60〜70
%、加速走行時でも10〜30%とその値が近年増加し
つつあり、特に加速走行時においては車両全体の騒音エ
ネルギーが大であるため、タイヤの低騒音化が必要とな
る。
【0004】タイヤのトレッドには、例えば図13に示
す如くタイヤ周方向に連続しかつ溝巾が10〜20mm程
度の縦溝a…を複数本配置して、雨天走行時のトレッド
表面と路面との間の水を排除することによりウエットグ
リップ性能を維持している。しかしこの縦溝aは、排水
性を向上させる一方で、タイヤ騒音の原因となる。
【0005】縦溝が発生する騒音の一つに、気柱共鳴に
よるものがある。この気柱共鳴は、タイヤ接地面におい
て、縦溝と路面との間で形成される気柱内の空気が、タ
イヤ転動中におけるタイヤパターンによる加振力、路面
からの入力により共振し、特定波長、すなわち気柱の長
さの約2倍の波長の音が発生する。
【0006】この現象は気柱共鳴と呼ばれ、耳障りな6
30Hz〜1kHzの騒音の主たる音源となる。この気柱共
鳴音の波長は、タイヤの速度によらずほぼ一定周波数と
なり、車内音及び車外音を増加させる。
【0007】この気柱共鳴を防止する手段としては、縦
溝の本数、容積を減らすこと、さらには溝内に隔壁を設
けることが知られているが、これはウエットグリップ性
能、特にウエット路面を高速走行する際に発生するハイ
ドロプレーニング現象を防止する性能の低下を招来す
る。
【0008】一方、ウエットグリップ性能を向上させる
ためには、逆に縦溝の本数、容積を増加させればよい
が、これは前記のように、タイヤ騒音の増加を招くと考
えられていた。又それらの増加は接地面積の減少による
ドライグリップ性能の低下、トレッドパターンの剛性低
下による操縦安定性能の低下を招くと考えられてきた。
【0009】したがって、従来、このような相反する性
能を、そのタイヤに要求されている性能に応じてその都
度調整していた。
【0010】なおウエットグリップ性能を向上させるこ
とを意図して、特開昭63−34204は、トレッドの
中央部に窪みを作り、その両側のトレッド表面を小さな
半径の円弧で形成する技術を提案している。これは、2
つの小さな半径の円弧により、それぞれの両側に水を排
出してウエットグリップ性能を向上させるものである
が、トレッド全体の接地面積が減少するため、ドライグ
リップ性能や操縦安定性能の低下を引き起こしやすく、
又大して低騒音化をなしえない。
【0011】出願人は特願平4−327454号におい
てトレッド中央部に広巾の縦溝を設けタイヤ騒音を低減
する提案を行ったが、このものは、トレッド陸部が摩耗
により低くなり騒音が実質的には支障がない程度に低下
した後であっても、依然として急速なトレッド周面の摩
耗が進行し、かつ溝底面が広くなるため異物の噛込みに
より溝底の損傷が多くなるなど耐久性を低下させること
になる。
【0012】そこで出願人は、特願平5−212224
号によって、リブパターンのタイヤにおいて、少なくと
も1つのリブについて、隣り合うリブより低いリブを介
在させることにより騒音低下を図る提案を行った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記提案により形成さ
れた空気入りタイヤは、低騒音化と耐ウエット性能の向
上とを図り得たものの、わだちを乗越す際に挙動が不安
定となり耐ワンダリング性能に劣るという問題が新たに
発生した。
【0014】これは低いリブを設けることによって、そ
の部分に非接地領域が広巾状に存在することとなり、従
来のタイヤに比べて低いリブの隣りに位置するリブにお
いて、低いリブに向く溝壁面の角部がわだちを乗越す際
に路面に引っ掛かるための考えられる。
【0015】本発明は、トレッド面の低いリブに向くリ
ブに向くリブ壁面がトレッド面に連なる付近にワンダリ
ング防止用の傾斜面又は細溝からなる切条部を設けるこ
とを基本として、通過騒音を低減でき、しかも耐ワンダ
リング性能に優れる空気入りタイヤの提供を目的として
いる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部に
周方向に連続する複数本の周方向溝を設けることによ
り、トレッド部を、トレッド縁と周方向溝との間の外の
リブと、周方向溝間の内のリブとに区分したリブパター
ンの空気入りタイヤであって、少なくとも1つの内のリ
ブは、このリブを挟む周方向溝の溝底面からリブ上面ま
での高さH2を、その周方向溝を隔てて隣り合う外又は
内のリブの高さである基準高さH1よりも小であって、
正規内圧、正規荷重を付加した正規状態において平坦な
接地路面との間に空隙を介在させる低いリブとして形成
し、しかもこの低いリブに周方向溝を隔てて隣り合う前
記外又は内のリブのトレッド面に前記周方向溝の溝壁で
あるリブ壁面が連なる付近に位置してワンダリング防止
用の切条部を設けたことを特徴とする空気入りタイヤで
ある。
【0017】前記切条部は、前記リブ壁面とトレッド面
とがなす溝縁部を斜めに切除することにより形成された
傾斜面として形成でき、その傾斜面は、実質上平坦面で
あり、かつリブ壁面と交わる交点でのトレッド面からの
切除高さDが2mm以上かつ前記基準高さH1の0.7倍
以下、しかも前記切除高さDと傾斜面のタイヤ軸方向の
長さWとの比W/Dが0.8以上かつ1.3以下である
ことが好ましい。
【0018】なお、傾斜面は必ずしも周方向に連続して
いる必要はなく、例えばD=5mm、W=5mmからなる傾
斜部と、D=3mm、W=5mmからなる傾斜部とを周方向
に互い違いに並べてもよい。このように段違いの複数の
傾斜部を周方向に並べて傾斜面を形成した場合には、悪
路走行時の操縦性をより向上しうる。この場合周方向全
体での傾斜部の切除高さD及び長さWが前記規制値に含
まれておれば良いが、さらに好ましくは、傾斜面のすべ
てにおいて前記D及びWの値及び比W/Dが前記規制値
内にあることである。
【0019】又、切条部は、前記リブ壁面に近い位置で
前記トレッド面に配され周方向にのびる細溝として形成
でき、その細溝のうちリブ壁面に最も近い位置に配され
る前記細溝について、SDを細溝深さ、SLをリブ壁面
から細溝の溝中心までの距離としかつ前記SD、SL、
及びH1の値をmm表示とするとき、次の(1)及び
(2)式をともに充足することが好ましい。 1.5≦SL≦9mm (1) 0.5≦(SD/SL)≦(H1/2)−1 (2)
【0020】
【作用】低いリブは、このリブを挟む周方向溝の溝底面
からリブ上までの高さH2を、その周方向溝を隔てて隣
り合う外又は内のリブの高さH1よりも小とすることに
より、平坦な接地路面との間に空隙を介在させている。
【0021】前記空隙が介在することにより、接地状態
にあっても低いリブを挟む2つの周方向溝が一連に連な
るため、溝空間が拡大することとなる。従ってタイヤ走
行時において2つの周方向溝と、接地路面とがなす広い
断面積の気柱が形成されるため、この気柱を通る空気の
振動が減じ気柱共鳴による騒音の発生が抑制される結
果、通過騒音、特に耳障りな630〜1000Hz帯の
騒音の低減を図りうる。
【0022】さらに、この低いリブに周方向溝を隔てて
隣り合う外又は内のリブのトレッド面に、前記周方向溝
の溝壁をなすリブ壁面が連なる付近に位置して切条部を
設けている。
【0023】この切条部は、タイヤがわだちを乗り越す
際に前記リブ壁面及びその付近のトレッド面が路面に引
掛かるのを防止し、わだち乗越し時に生じがちであった
挙動の不安定を排除でき、前記構成による低いリブが存
在するタイヤであっても、通過騒音の低減を図るととも
に耐ワンダリング性能の低下を防止し、かつ走行諸性能
を保持することが出来る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて詳述
する。図1〜3において空気入りタイヤ1は、トレッド
部2に周方向に連続する複数本の周方向溝3…を設ける
ことにより、トレッド部2にトレッド縁Eと周方向溝3
との間の外のリブ4と、周方向溝3、3間の内のリブ5
とを形成したリブパターンのタイヤである。
【0025】又空気入りタイヤ1は、前記トレッド部2
の両端からタイヤ半径方向内側にのびる1対のサイドウ
ォール部13、13と、該サイドウォール部13の半径
方向内方にビード部14を連設している。
【0026】又前記トレッド部2からサイドウォール部
13を通りビード部14のビードコア15の廻りを折返
すカーカス16と、前記トレッド部2の内方かつカーカ
ス16のタイヤ半径方向外側に配されるベルト層17と
を具える。
【0027】前記カーカス16は、カーカスコードをタ
イヤの赤道Cに対して本実施例では60度〜90度の角
度で配列したいわゆるラジアル又はセミラジアルの方向
配列体として形成され、本例では90度の角度で配列し
たラジアル方向配列としている。又カーカスコードとし
て、スチール、又はナイロン、ポリエステル、レーヨン
等の有機繊維コードが採用することができ、本実施例で
はスチールコードを採用している。
【0028】前記ベルト層17は、ベルトコードをタイ
ヤ赤道に対して例えば0〜70度の角度で配列した単数
又は複数枚、本実施例では4枚のベルトプライ17A…
から形成され、各ベルトプライ17Aは、ベルトコード
がプライ間相互で交差するように向きを違えて重置して
いる。なおベルトコードとしては、カーカス16と同様
に、及びナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊
維コード又はスチール等の金属コードを用いることがで
き、本実施例ではスチールコードを用いている。
【0029】トレッド部2には、その周面2Aに周方向
に連続する複数本、本実施例では4本の周方向溝3…が
設けられ、これらの周方向溝3…により、トレッド部2
をトレッド縁Eと周方向溝3との間に介在する1対の外
のリブ4、4と、前記4本の周方向溝3…によって、こ
れらの周方向溝3、3間に介在する3つの内のリブ5、
5、5とが形成される。
【0030】これらの周方向溝3は、外のリブ4、又は
内のリブ5の周面を結ぶトレッド輪郭仮想線Sからの溝
深さHGをトレッド巾WTの0.02〜0.15倍、本
実施例では0.07倍とし、かつ周方向溝3…相互の間
では略同一溝深さとしている。
【0031】又、前記内のリブ5のうち少なくとも1
つ、本実施例ではタイヤ赤道C上に位置する1つの中央
の内リブは、このリブを挟む周方向溝3A、3Aについ
ては、これらの周方向溝3Aの溝底面7からのリブ上面
8までの高さH2をその周方向溝3A、3Aを隔てて隣
り合う外又は内のリブ4、5、本例では内のリブ5、5
の溝底面7からの高さである基準高さH1、即ち前記溝
深さHGよりも小とした低いリブ6として形成される。
【0032】なお本実施例では、この低いリブ6の前記
高さH2は、隣り合う外又は内のリブ4、5の前記基準
高さH1の0.1倍以上かつ0.5倍以下であることが
好ましく、本実施例では0.23倍としている。従っ
て、該タイヤ1をリムに装着しかつ規定される正規内圧
と、正規荷重を付加した正規状態において、低いリブ6
は、そのリブ上面8と、トレッド周面が接地する平坦な
接地路面Fとの間に空隙Gが形成される。これによって
低いリブ6を挟む両側の周方向溝3A、3Aは、前記正
規状態における接地時にあっても互いに導通することに
なる。
【0033】低いリブ6の高さH2が隣り合う外又は内
のリブ4、5の前記高さH1の0.1倍未満では、低い
リブ6を形成するゴムのゴム厚さが薄くなり、該リブ6
は石噛み等によって破損しやすい。又、0.5倍をこえ
ると、低いリブ6のリブ上面8と接地路面Fとの間の空
隙Gが少なくなり通過騒音の低減に対する効果が少とな
るからである。しかも低いリブ6は、前記の如く高さH
2を有しているため、トレッド部2の摩耗末期において
騒音が低下した状態において、はじめてそのリブ上面8
が接地する。低いリブ6の前記上面8が接地することに
よって、接地圧が緩和さるため、トレッド部2の周面を
なすトレッド面2Aは、摩耗の進行速度が低下すること
となり、トレッド部2の耐久性を向上しうるのである。
【0034】さらに前記低いリブ6に周方向溝3A、3
Aを隔てて隣り合う外のリブ4、5溝壁9A、9A間の
タイヤ軸方向の距離Lを、前記リブの高さHの0.5倍
を溝底面7から半径方向外方に隔てる中間位置M、Mに
おいてトレッド巾WTの0.1倍以上かつ0.35倍以
下、好ましくは0.2倍以上かつ0.3倍以下とするの
がよい。なお本実施例では0.24倍としている。
【0035】気柱共鳴音は溝断面の形状が正方形である
ときには最も大きく、偏平化することによって低下する
傾向にある。前記距離Lがトレッド巾0.1未満では、
低いリブ6と接地路面Fとがなす空隙Gが正方形に近づ
き低騒音化の効果が少なく、又排水性が不十分となるこ
とによってウエット路面走行時における走行状態が低下
する。逆に0.35倍をこえると接地面における陸部の
面積が小となり耐摩耗性に劣ることとなる。
【0036】なお他の周方向溝3、3は、その溝巾WG
を前記中間位置Mにおいてトレッド巾WTの0.02倍
〜0.15倍の範囲とするのが好ましく、本例では0.
03倍としている。又周方向溝の溝深さHGはトレッド
巾TWの0.02〜0.12倍が好ましく本実施例では
0.07倍としている。
【0037】さらに本実施例では、前記低いリブ6にお
いては、そのリブ上面8にタイヤ軸方向にS字状に折曲
がる、即ちタイヤ周方向に対して交わる向きにのびる多
数の横溝10…が設けられる。この横溝10は溝巾WG
1が0.5〜3.5mm、溝深さHG1は低いリブの高さ
H2の0.3〜0.8倍の範囲とするのが好ましく本実
施例では溝巾WG1を1.0mm溝深さHG1を低いリブ
の高さH2の0.33倍としている。なお本例では前記
横溝10は、両側の周方向溝3A、3Aに連通する長い
横溝10Aと両端がリブ内で途切れる短い横溝10Bと
を交互に配している。
【0038】このような横溝10…はトレッド部の摩耗
末期において、低いリブ6が接地したときにグリップ力
を高めタイヤ走行性能を安定させうる。
【0039】さらに、前記低いリブ6に周方向溝3A、
3Aを隔てて隣り合う内のリブ5、5のトレッド面2A
に、前記周方向溝3Aの溝壁であるリブ壁面11が連な
る付近に位置して切条部12が設けられる。
【0040】この切条部12は、本実施例では前記リブ
壁面11とトレッド面2Aとがなす溝縁部19を斜めに
切除することにより形成される傾斜面20として形成さ
れる。
【0041】傾斜面20は、実質上平坦面であり、リブ
底面11と交わる交点Pでは、トレッド面2Aからの切
除高さDが2mm以上かつ前記基準高さH1の0.7倍以
下とし、さらに前記切除高さDと傾斜面20のタイヤ軸
方向の長さWとの比W/Dを0.8以上かつ1.3以下
としている。
【0042】なお切除高さDが2mm未満では、キャンバ
ースラストの増加が少なく、ワンダリング対策の効果が
充分に達成できない。他方、切除高さDが基準高さH1
の0.7倍をこえると耐ワンダリング性能が向上せず、
接地面の面積が減少することによって摩耗が早くなり耐
久性に劣るということとなる。
【0043】又比W/Dが0.8未満になると傾斜面2
0の傾斜角度が急となりキャンバースラストの増加が少
なく、耐ワンダリング性能に劣ることとなる。さらに前
記比W/Dが1.3をこえると傾斜面20の傾斜角度が
緩くなりすぎキャンバースラストの増加が少なく、ワン
ダリング対策の効果が達成できないからである。
【0044】図6〜8に切条部12の他の態様を示す。
本例では前記切条部12は、前記リブ壁面11に近い位
置でトレッド面2Aに配される単数本又は複数本の、本
例で3本の細溝群22の中でリブ壁面11に最も近い位
置に配される細溝23によって形成される。なお、前記
リブ壁面11とトレッド面2Aとは半径1mm程度の小円
弧によって接続される。
【0045】この細溝23は、細溝の深さをSD、リブ
壁面から細溝23の溝中心までの距離をSLとしかつ前
記SD、SL、及びH1の値をmm表示したときに次の
(1)及び(2)式をともに充足する範囲とするのが好
ましい。 1.5≦SL≦9mm (1) 0.5≦(SD/SL)≦(H1/2)−1 (2)
【0046】(1)式において、SLの値が1.5mm未
満となれば細溝23とリブ壁面11との間の細リブ24
が巾狭となりその細リブ24の剛性が低下することによ
って溝縁部19の隅部が路面に引っ掛かりやすく、耐ワ
ンダリング性能が低下する。又細リブ24の剛性が低下
することによって、キャンバースラストの増加が少な
く、ワンダリング対策効果が充分に達成できず、又細リ
ブ24の剛性が低いことによって細リブ24にゴム欠け
の損傷が発生しやすくなる。より好ましくは2mm以上、
さらに好ましくは3mm以上である。又、SLの値が9mm
をこえると細リブの剛性が高くなりすぎキャンバースラ
ストの増加が少なくなり耐ワンダリング性能が低下す
る。より好ましくは8mm以下、さらに好ましくは6mm以
下である。
【0047】(2)式において、比(SD/SL)が
0.5未満では前記細リブ24の剛性が低下することに
よって溝縁部19の隅部が路面に引っ掛かりやすく耐ワ
ンダリング性能が低下する。又比(SD/SL)が(H
1/2)−1より大きくなると、前記細リブ24の剛性
が低くなりすぎ、その細リブ24においてゴム欠けが発
生しやすく耐久性に劣ることとなる。
【0048】さらに、SDがH1より大きくなると細溝
23の溝底におけるゴム厚さを確保しづらく、この溝底
よりクラックが発生しやすくなる。この溝底のゴム厚さ
を厚くするとトレッド部全体のゴム厚さが厚くなり、タ
イヤ重量の増大、コストの増加を招き好ましくない。従
ってSD≦SHが好ましい。
【0049】なお、図6、8に示すように複数本の細溝
によって細溝群22を形成した場合には、前記細溝23
のリブ中心側に位置する第2、第3の細溝26、27
は、それらの細溝間の間隔SL2、SL3及び各溝深さ
SD2、SD3は前記(1)式及び(2)式に準拠して
設定するのが好ましい。
【0050】又、低いリブ6に隣り合う外又は内のリブ
4、5においては該リブの中央部側ほどリブの剛性を高
めるのが耐ワンダリング性能、及び操縦性能を両立させ
るためには好ましい。従って前記比(SD/SL)の値
を第2の細溝26、第3の細溝27と中央部側に位置す
る細溝ほど漸減するのが好ましい。
【0051】これらの細溝23、26、27はその溝巾
SWを0.5〜3.0mmの範囲とするのが適当である。
0.5mm未満では金型の製造が困難であり、3.0をこ
えると耐ワンダリング性の向上はなく、かえって接地面
積が減少することによって耐摩耗性が低下し、細溝間に
形成される細リブと、リブ本体とがそれぞれ個別に変形
して接地部の剛性低下を招き操縦安定性を低下させるこ
ととなる。前記溝巾SWを1.0〜2.0mmの範囲とす
るのがより好ましい。
【0052】図11はトレッド部2に2本の周方向溝
3、3を配し、この周方向溝3、3の間の内のリブ5を
低いリブ6として形成した他の態様を示す。本例では、
低いリブ6は外のリブ4、4と隣り合わせている。本例
では、この低いリブ6に周方向溝3を隔てて隣り合う外
のリブ4のトレッド面2Aにリブ壁面11が連なる付近
に傾斜面20からなる切条部12を設けている。
【0053】さらに、他の態様として4本の周方向溝を
用いてトレッド部に前記の如く外のリブと内のリブとか
らなる5リブのリブパターンを形成し、両側の外のリブ
4にそれぞれ隣接して1対の低いリブを配設してもよ
い。しかし、低騒音化のためには低いリブ6を図1、図
6、及び図11に示すようにトレッド面2Aの中央部に
配するのが最も効果的である。
【0054】なお周方向溝3及び細溝23は直線溝と形
成する他、ジグザグ状に折曲げてもよい。ジグザグ溝の
場合には、前記距離L及びSLはジグザグの振れの中心
を基準として設定する。このように本発明は種々な態様
のものに変形できる。
【0055】
【具体例】
A)テスト1 タイヤサイズが11R22.5 14PRでありかつ切
条部を傾斜面によって形成した図1〜3の構成を有する
タイヤについて基準高さH1を13mm、切除高さDを5
mmにそれぞれ固定し、傾斜面のタイヤ軸方向の長さWを
変化させて、比(W/D)と耐ワンダリング性能との関
係を調査した。なおワンダリング試験は、各試供タイヤ
を7.50×22.5のリムにリム組みしかつ内圧7.
0kgf/cm2 のもとで2−D・4車に装着し該車両を密
粒アスコン路上を走行させるとともに、ドライバーによ
る5点法による官能評価を行った。大きいほど耐ワンダ
リング性能が優れていることを示し、3点以上が市場で
は問題にならないレベルである。
【0056】テストの結果を図4に示す。比(W/D)
が0.8〜1.3の範囲で耐ワンダリング性が最も優れ
ていることを確認出来た。
【0057】B)テスト2 テスト1と同サイズかつ同一構成のタイヤについて、基
準高さH1を13mm、比(W/D)が1.0になるよう
に傾斜面の切除高さD及び軸方向の長さWとをともに変
動させ、切除高さDと耐ワンダリング性能との関係を調
査した。なおテストはテスト1と同じ方法を用いた。
【0058】テストの結果を図5に示す。切除高さDが
2mm未満では、ワンダリング対策効果が充分に達成され
ず2mm以上必要であることが確認出来た。
【0059】C)テスト3 タイヤサイズがテスト1と同サイズであり、かつ切条部
を細溝によって形成した図6〜8の構成を有するタイヤ
について、細溝の溝巾SWを1.5mm、基準高さH1を
13mmとし、比(SD/SL)が2.0になるよう距離
SL及び細溝深さSDを変化させ、SLの値と耐ワンダ
リング性能との関係を調査した。なお、耐ワンダリング
性能についてのテスト方法及び評価方法はテスト1と同
じ条件により行った。テスト結果を図9に示す。
【0060】D)テスト4 タイヤサイズ及びタイヤ構成がテスト3と同じタイヤに
ついて、細溝の溝巾を1.5mm、基準高さH1を13m
m、細溝深さSDを8.0mmとし、距離SLを変化させ
て比(SD/SL)と耐ワンダリング性能との関係を調
査した。なお耐ワンダリング性能についてのテスト方法
及び評価方法はテスト1と同じ条件であり、そのテスト
結果を図10に示す。なお図中■は周上2ケ所、又▲印
は図上13ケ所において細リブにゴム欠けが発生した。
【0061】E)テスト5 タイヤサイズが11R22.5 14PRでありかつ図
1又は図6の基本構成を有するタイヤ(実施例1〜3)
について試作するとともに、その通過騒音及び耐摩耗性
についてテストを行った。なお比較のため従来の構成に
係るタイヤ(従来例)及び本願構成外のタイヤ(比較
例)について併せてテストを行いその性能を比較した。
なおテストタイヤは何れも7.0kg/cm2 の内圧を付加
した。テスト条件は次の通り。
【0062】1)通過騒音テスト JASO C606に規定する実車惰行試験によって実
施し、試供タイヤを装着した11ton 積の2−D4のト
ラックを直進状のテストコースにおいて、通過速度を5
0km/Hとしかつ50mの距離を惰行させるとともに、
該コースの中間点において走行中心線から横に7.5m
を隔てて、かつテスト路面から高さ1.2mmの位置に設
置した定置マイクロホンにより通過騒音を測定し、その
通過最大音レベルdB(A)を示した。
【0063】2)走行、耐摩耗テスト 前記車両を、一般路上において11万km走行させた後、
トレッド部の損傷状況及び走行後の周方向溝の残溝深さ
からトレッド部の摩耗量を判定するとともに、従来例を
100とする指数で表示した。数値が大きいほど摩耗が
少ないことを示す。 3)ウエット制動テスト 試供タイヤを前述の車両に同一条件で装着し、その車両
を水深5mmの直線路に時速50km/Hで進入するととも
に、全輪ロックにて該車両に急制動を加え、スリップし
た距離を測定し、従来例を100とする指数で表示し
た。数値が小さいほどウエット制動性が良好であること
を示す。テスト結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】テスト1〜5の結果から本願構成のもの
(各実施例)は、本願構成外のもの(比較例、従来例)
に対してウエット制動性及び耐摩耗性を保持しつつ通過
騒音を低減でき、しかも耐ワンダリング性能にも優れて
いることが確認出来た。
【0066】
【発明の効果】叙上のごとく本発明の空気入りタイヤ
は、前記構成を具えることにより、耐摩耗性、耐ウエッ
ト制動性など基本とするドライ時及びウエット時におけ
る走行諸性能を保持しつつ通過騒音を低減できしかも耐
ワンダリング性能に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】そのトレッドパターンを示す展開平面図であ
る。
【図3】その切条部を拡大して示す部分断面図である。
【図4】比W/Dと耐ワンダリング性との関係を示すグ
ラフである。
【図5】切除高さDと耐ワンダリング性との関係を示す
グラフである。
【図6】他の実施例を示す断面図である。
【図7】そのトレッドパターンを示す展開平面図であ
る。
【図8】その切条部を拡大して示す部分断面図である。
【図9】比(SL/H1)と耐ワンダリング性能との関
係を示すグラフである。
【図10】比(SD/SL)と耐ワンダリング性能との
関係を示すグラフである。
【図11】トレッド部の他の実施例を示す断面図であ
る。
【図12】(A)、(B)ともに切条部の他の態様を示
す部分断面図である。
【図13】従来技術を示す断面図である。
【図14】従来技術を示す部分断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3、3A 周方向溝 4 外のリブ 5 内のリブ 6 低いリブ 7 溝底面 8 リブ上面 9、9A 溝壁 11 リブ壁面 12 切条部 20 傾斜面 23 細溝 D 切除高さ E トレッド縁 F 接地 G 空隙 H1 隣り合うリブの高さ H2 低いリブの高さ L 溝壁間のタイヤ軸方向の距離 SD 細溝深さ SL リブ壁面から細溝の溝中心までの距離 SW 組溝巾 W 傾斜面のタイヤ軸方向の長さ WT トレッド巾
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−218407(JP,A) 特開 平7−195910(JP,A) 特開 平8−80711(JP,A) 特開 平2−225109(JP,A) 特開 平5−606(JP,A) 特開 平7−47812(JP,A) 特開 平3−50002(JP,A) 特開 平3−169720(JP,A) 特開 平4−197804(JP,A) 特開 平2−88312(JP,A) 特開 平6−183213(JP,A) 特開 平6−183214(JP,A) 特開 平8−80711(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 11/00,11/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部に周方向に連続する複数本の周
    方向溝を設けることにより、トレッド部を、トレッド縁
    と周方向溝との間の外のリブと、周方向溝間の内のリブ
    とに区分したリブパターンの空気入りタイヤであって、 少なくとも1つの内のリブは、このリブを挟む周方向溝
    の溝底面からリブ上面までの高さH2を、その周方向溝
    を隔てて隣り合う外又は内のリブの高さである基準高さ
    H1よりも小であって、正規内圧、正規荷重を付加した
    正規状態において平坦な接地路面との間に空隙を介在さ
    せる低いリブとして形成し、 しかもこの低いリブに周方向溝を隔てて隣り合う前記外
    又は内のリブのトレッド面に前記周方向溝の溝壁である
    リブ壁面が連なる付近に位置してワンダリング防止用の
    切条部を設けたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記切条部は、前記リブ壁面とトレッド面
    とがなす溝縁部を斜めに切除することにより形成された
    傾斜面であることを特徴とする請求項1記載の空気入り
    タイヤ。
  3. 【請求項3】前記傾斜面は、実質上平坦面であり、かつ
    リブ壁面と交わる交点でのトレッド面からの切除高さD
    が2mm以上かつ前記基準高さH1の0.7倍以下、しか
    も前記切除高さDと傾斜面のタイヤ軸方向の長さWとの
    比W/Dが0.8以上かつ1.3以下であることを特徴
    とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】前記切条部は、前記リブ壁面に近い位置で
    前記トレッド面に配され周方向にのびる細溝であること
    を特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】前記リブ壁面に最も近い位置に配される前
    記細溝は、SDを細溝深さ、SLをリブ壁面から細溝の
    溝中心までの距離としかつ前記SD、SL、及びH1の
    値をmm表示とするとき、次の(1)及び(2)式をとも
    に充足することを特徴とする請求項4記載の空気入りタ
    イヤ。 1.5mm≦SL≦9mm (1) 0.5≦(SD/SL)≦(H1/2)−1 (2)
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