JP2899161B2 - 選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ごみの中から再資源
化に適する缶、ビン類を選別するための選別装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より再資源化に適する缶、ビン類の
うちの円筒もしくはそれに類似した形状のもの（以下
「丸物」という）については、例えば実開昭５７−１５
２９７８号公報に開示されているように、コンベアベル
ト式の選別装置によって選別することが行われている。

【０００３】上記選別装置は、コンベアベルトを前上が
りに傾斜させたものであり、ベルト上に投入されたごみ
のうちの丸物については、上記ベルト上を転がせて後方
（搬送方向上流側）に回収することができ、それ以外の
例えば木片、瓦礫等（以下「角物」という）について
は、ベルトとの摩擦力にて前方（搬送方向下流側）に移
送して回収することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記の構成の選別装置
によれば、ごみがベルト上に投入された際に、丸物の後
方に角物が位置すると、この角物によって丸物の後方へ
の転がりが規制されて、角物とともに丸物も前方に移送
されることになり、選別効率が悪いという問題があっ
た。

【０００５】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、簡易な構造にて丸物を確実に選別すること
ができる選別装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の選別装置としては、所定間隔離して配置さ
れた一対のローラ間に、無端回動するベルトを巻き掛
け、上記ベルトの搬送面側の中間部分を押上部材によっ
て押し上げて、搬送方向に向かって傾斜する後方傾斜面
と、搬送方向と交差する方向に向かって傾斜する側方傾
斜面とを形成したことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】上記の構成の選別装置によれば、丸物と角物と
が混在したごみを後方傾斜面に投入すると、一部の丸物
は後方傾斜面を転がって後方に移動し、残りの丸物は角
物によって後方への転がりが規制されて前方へ搬送され
る。この搬送された丸物は、後方傾斜面から側方傾斜面
に移動した時点で、側方傾斜面上を搬送方向と交差する
方向に転がって角物から分離される。

【０００８】

【実施例】以下実施例を示す添付図面により詳細に説明
する。図１はこの発明の選別装置の一実施例を示す側面
図である。１は前後の支脚２にて前上がりに支持された
架台であり、この架台１は左右一対の主桁３と主桁３間
に設けた横桁３ａ（図３参照）とからなっている。

【０００９】上記主桁３の前後端（図１における左右
端）には、軸受４を介して回転可能に支持された前部ロ
ーラ５と後部ローラ６とが設けられている。上記前部ロ
ーラ５は、図示しない駆動手段にて図１の矢印Ｘ方向に
回転されるようになっている。上記前部ローラ５と後部
ローラ６との間には、無端状のベルト７が巻き掛けられ
ており、このベルト７は前部ローラ５の回転に伴って無
端回動される。

【００１０】上記主桁３間の中央には、前後方向（搬送
方向）に延びる台枠８が配置されている（図３参照）。
この台枠８は横桁４上に固定されており、その上面には
前後方向に所定間隔離して２つの押上部材としての押上
ローラ９が設けられている。上記押上ローラ９は、搬送
面側のベルト７の中間部分の中央部を所定高さ押し上げ
ているものであり、これよってベルト７上の後方（搬送
方向上流側）に三角形平面の後方傾斜面１０が、側方に
台形平面の左側方傾斜面１１および右側方傾斜面１２
が、前方（搬送方向下流側）に前方移送面１３がそれぞ
れ形成されている（図２および図４参照）。上記各傾斜
面１０，１１，１２の傾斜角度は、丸物が転がり易い角
度（例えば１５度程度）に設定されている。

【００１１】図面符号中１４はベルト７の側端を支持す
るための補助台であり、この補助台１４は、主桁３に固
定されている。また、１５はごみをベルト上に投入する
ために後下がりに配置されたシュートであり、このシュ
ート１５によって、丸物のような軽量物は、図１の実線
で示すように、後方傾斜面１０の後方寄りに投入され、
角物のような重量物は、図１の点線で示すように、後方
傾斜面１０の前方寄りに投入される。従って、後方傾斜
面１０において丸物が角物よりもできるだけ後方に位置
することになる。

【００１２】以上の構成であれば、丸物と角物とが混在
したごみをシュート１５からベルト７の後方傾斜面１０
に投入すると、丸物は当該後方傾斜面１０に沿って後方
に転がって選別される。この際、上記シュート１５によ
り軽量の丸物が重量のある角物よりも後方傾斜面１０の
より後方側に投入されるので、丸物が角物によって後方
に転がるのを規制される確率を少なくすることができ
る。

【００１３】そして、角物によって転がりが規制された
丸物は、角物とともに左右側方傾斜面１１，１２に移送
された時点で、転がり方向が約９０度変化することか
ら、搬送方向の両側に向かって転がって選別される。さ
らに、角物は前方移送面１３を通って前方に回収され
る。したがって角物と丸物とを効率良く選別することが
できる。

【００１４】この発明は上記実施例に限定されるもので
なく、例えば第５図に示すように、ベルト１７の前端部
側を、１つの押上ローラ１６によって押し上げて後方傾
斜面１８および左右側方傾斜面１９，２０をそれぞれ形
成してもよい。また、図６および図７に示すように、２
つの押上ローラ２１を搬送方向と交差する方向へ偏心さ
せて、後方傾斜面２２および左右側方傾斜面２３，２４
を形成してもよく、この場合には、後方傾斜面２２を通
ったごみを、左側方傾斜面２３と右側方傾斜面２４の双
方に移送することができる。

【００１５】さらに上記実施例においては、押上部材と
して押上ローラ９を使用したが、パイプ材やバー材等の
他の部材を使用することもできる。また、押上部材の個
数としても適宜増減して実施することができる。この
他、押上部材をごみの種類に応じて前後左右に移動可能
に配置してもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上のようにこの発明の選別装置によれ
ば、ベルトの搬送面に互いに傾斜方向が異なる後方傾斜
面と側方傾斜面とを形成しているので、後方傾斜面にて
丸物の転がりが規制されていても、側方傾斜面によって
丸物をベルトの側方に転がすことができ、ごみの中から
丸物を確実に選別することができるという特有の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の選別装置の一実施例を示す側面図で
ある。

【図２】同じく平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】他の実施例を示す平面図である。

【図６】さらに他の実施例を示す平面図である。

【図７】図６のＣ−Ｃ線断面図である。

【符号の説明】 ５ 前部ローラ ６ 後部ローラ ７ ベルト ９ 押上ローラ １０，１８，２２ 後方傾斜面 １１，１９，２３ 左側方傾斜面 １２，２０，２４ 右側方傾斜面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−349981（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B07B 13/00 - 13/18

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定間隔離して配置された一対のローラ間
   に、無端回動するベルトを巻き掛け、上記ベルトの搬送
   面側の中間部分を押上部材によって押し上げて、搬送方
   向に向かって傾斜する後方傾斜面と、搬送方向と交差す
   る方向に向かって傾斜する側方傾斜面とを形成したこと
   を特徴とする選別装置。