JP2898631B1 - 道路橋継目部の構造及び道路橋継目部の施工方法 - Google Patents
道路橋継目部の構造及び道路橋継目部の施工方法Info
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Abstract
動・騒音の低減を図る。 【解決手段】道路橋幅員方向に延びる継手4の後打ちコ
ンクリート部5と橋面舗装12との路面に現れる境界線
6が、上記継手4の延設方向と実質的に平行にならない
ように、該延設方向に対して一方へ斜めに直線状に延び
る部分と他方へ斜めに直線状に延びる部分とが交互に連
なったジグザグに形成されている。後打ちコンクリート
部5は、床版端部の切欠段部9に打設されているととも
に、この後打ちコンクリート部5の端部が床版上面15
に実質的に一定幅で載っている。
Description
造及び道路橋継目部の施工方法に関する。
−2484号公報に記載されている。それは、継手背部
の後打ちコンクリート部と舗装との境界線を波形に形成
するというものである。このようにすれば、舗装が轍ぼ
り等によって摩耗して該舗装と後打ちコンクリートとの
間に段差を生じても、車両の進行方向と当該境界線とが
斜めに交叉するから、該境界を通過するときの車輪の落
ち込みが緩和され、振動・騒音が小さくなるとともに、
車両の走行性が向上する。
線は車両走行性の向上等に有利になるが、そのような境
界線を得るための施工が難しい、という問題がある。す
なわち、新設道路橋に継手を構築する場合は、床版端部
に切欠段部を形成し床版遊間を塞いで床版遊間上及び切
欠段部上に床版上面高さまで充填材を設け、該床版上面
及び充填材の上に舗装を連続して施し、しかる後に床版
上面の舗装を切欠段部に沿って切断し、該切断線より床
版遊間側の舗装及び充填材を除去し、継手を設置し、該
継手の背部に後打ちコンクリートを打設する、という方
法が一般に採用されている。その場合に、波形境界線を
得るには上記舗装を波形に切断する必要があるが、それ
に適した機械が開発されていない。舗装等を切断する機
械としてはコンクリートカッターが一般に知られている
が、このカッターは直径数十cmの円板状のものであ
り、舗装を直線状に切断することには適していても、同
公報に記載されているような台形波状や曲波状(サイン
カーブ状)に舗装を切断することはできない。波形境界
線を得ることが難しいという点は、既設の道路橋の継目
部を補修する場合も同じである。
び充填材を除去したときに、橋面舗装が切欠段部上に張
り出すと、後からこの張り出した橋面舗装の下側にコン
クリートを打設しても、コンクリートの充填不足を生じ
て当該張り出し部分が輪荷重で破損し易くなる。また、
橋面舗装の端面と切欠段部の立ち上がり面とが面一にな
った場合でも、該橋面舗装の下側のコンクリート部分が
施工中に欠け易く、同様の問題を生ずる。そのために、
通常は橋面舗装の端面は切欠段部の立ち上がり面よりも
後退させ、後打ちコンクリートの一部を床版上面に打設
して該後打ちコンクリート部が橋面舗装に対して床版上
面上で連なるようにされている。
述の如き波形に切断することができたとしても、後打ち
コンクリート部の床版上面に載る幅が部分的に広くなる
不具合がある。すなわち、波形境界線の継手側に突き出
た凸部では後打ちコンクリート部が床版上面への載る幅
を例えば50mm程度にしても、凹部ではその幅が100
〜150mmにもなり、この載り幅が大きくなった部分で
は後打ちコンクリート部が床版の上面から剥離し易くな
る。
明は、そのような境界線を実際に採用することができれ
ば格別な効果が得られるにも拘わらず、利用されずに埋
もれているのが実情である。
することができるように改良したものである。
る発明は、道路橋幅員方向に延びる継手の背部に後打ち
コンクリートが打設され、該後打ちコンクリート部(の
上層部)がコンクリート床版上面の舗装に連なっている
道路橋継目部において、上記後打ちコンクリート部と舗
装との路面に現れる境界線は、上記継手の延設方向と実
質的に平行にならないように、該延設方向に対して斜め
に直線状に延びる直線部よりなるジグザグに形成されて
いることを特徴とする道路橋継目部の構造である。
ート部と舗装との境界線が斜めに延びる直線部で構成さ
れたジグザグ形状であるから、コンクリートカッターに
よって舗装を切断して形成することができるとともに、
後打ちコンクリート部と舗装との間に段差を生じても、
車輪通過時の振動・騒音が大きくなることを避けること
ができ、また、良好な車両走行性が維持される。
は3〜10度が好適である。この程度であれば、当該境
界線の各直線部を例えば1〜2mの長さにしても、この
境界線がジグザグに揺れる幅は100〜300mm前後の
小さなものになる。よって、後打ちコンクリート部の端
部を床版上面に載せる場合でもその載り幅が広くなら
ず、該後打ちコンクリート部の剥離防止に有利になる一
方、載せない場合は床版端部の切り欠き幅が過度に広く
なることがなく、後打ちコンクリートの打設量の節減に
有利になる。また、各直線部を長くすることができるか
ら、コンクリートカッターによる施工も容易になり、ま
た、その程度の角度があれば車輪が通過する際の振動・
騒音の低減、車両走行性の向上も図れる。
幅員方向に延びる継手の背部に後打ちコンクリートが打
設され、該後打ちコンクリート部がコンクリート床版上
面の舗装に連なっている道路橋継目部において、上記後
打ちコンクリート部と舗装との路面に現れる境界線は、
橋長方向に出入りのある凹凸に形成され、上記後打ちコ
ンクリート部は、上記床版端部の切欠段部に打設されて
いるとともに、その一部が床版上面に実質的に一定幅で
載るように打設されていることを特徴とする道路橋継目
部の構造である。
ート部と舗装との路面に現れる境界線が凹凸に形成され
ているから、後打ちコンクリート部と舗装との間に段差
を生じても、車輪通過時の振動・騒音が大きくなること
を避けることができ、また、良好な車両走行性が維持さ
れる。また、後打ちコンクリート部の端部が床版上面に
載る幅は実質的に一定幅になっているから、該後打ちコ
ンクリート部の剥離防止に有利になる。
が部分的に狭くなる部分を生じてもよい、という意味で
ある(以下、同じ。)。その幅は、10〜100mm程度
であることが好ましく、より好ましいのはその幅を50
mm前後にすることである。また、「凹凸」には上述のジ
グザグの他、台形波、サインカーブ状のもの等を含む。
継目部のコンクリート床版の遊間を存して相対する端部
に切欠段部が形成され、該床版遊間を塞ぐように両切欠
段部に跨る覆い板が設けられ、該両切欠段部及び覆い板
の上に床版上面高さまで充填材が設けられ、該床版上面
及び充填材の上に舗装が連続して施されている道路橋継
目部において、上記床版上面の舗装を上記切欠段部に沿
って道路橋幅員方向へ延び且つ橋長方向に出入りのある
凹凸切断線で切断し、上記切断線より床版遊間側の舗装
及び充填材を除去し、上記床版上面が上記舗装の切断端
面から実質的に一定幅で該切断端面に対応する凹凸状に
なって露出するように上記切欠段部の立ち上がり面を上
記舗装の切断端面に沿った凹凸面になるように形成し、
上記両切欠段部の立ち上がり面間に継手を設置し、上記
継手の両背部に後打ちコンクリートをその一部が上記一
定幅の床版上面に載るように打設することを特徴とする
道路橋継目部の施工方法である。
2に係る道路橋継目部の構造を施工することができる。
いる道路橋継目部の施工方法であって、コンクリート床
版上面の舗装を上記継手に沿って道路橋幅員方向へ延び
且つ橋長方向に出入りのある凹凸切断線で切断し、上記
切断線より道路橋継目側の舗装、継手背部の後打ちコン
クリート及び上記継手を除去し、且つ上記床版上面が上
記舗装の切断端面から実質的に一定幅で該切断端面に対
応する凹凸状になって露出するように床版端部に切欠段
部を形成し、新たな継手を設置し、上記継手の背部に後
打ちコンクリートをその一部が上記一定幅の床版上面に
載るように打設することを特徴とする。
換して上記請求項2に係る道路橋継目部の構造を得るこ
とができる。
いる道路橋継目部の施工方法であって、コンクリート床
版上面の舗装を上記継手に沿って道路橋幅員方向へ延び
且つ橋長方向に出入りのある凹凸切断線で切断し、上記
切断線より道路橋継目側の舗装を除去し、上記継手背部
の後打ちコンクリート部に床版上面の舗装厚よりも深い
段下げ部が形成されるように該後打ちコンクリート部の
上部を除去し、且つ上記床版上面が上記舗装の切断端面
から実質的に一定幅で該切断端面に対応する凹凸状にな
って露出するように該段下げ部の立ち上がり面を上記舗
装の切断端面に沿った凹凸面になるように形成し、上記
継手の背部にコンクリートをその一部が上記一定幅の床
版上面に載るように舗装面高さに打設することを特徴と
する。
請求項2に係る道路橋の継目部構造を得ることができ
る。ここに、新設されるコンクリートは、既設の後打ち
コンクリートの上に打継がれることになるが、その打継
がれるコンクリート厚さが舗装厚よりも厚いためその剥
離の問題を避けることができる。
によれば、後打ちコンクリート部と舗装との境界線が斜
めに延びる直線部で構成されたジグザグ形状であるか
ら、コンクリートカッターによって舗装を切断して形成
することができるとともに、後打ちコンクリート部と舗
装との間に段差を生じても、車輪通過時の振動・騒音が
大きくなることを避けることができ、また、良好な車両
走行性が維持される。
後打ちコンクリート部と舗装との路面に現れる境界線が
凹凸に形成され、しかも該後打ちコンクリート部の端部
が床版上面に載る幅は実質的に一定幅になっているか
ら、後打ちコンクリート部と舗装との間に段差を生じて
も、車輪通過時の振動・騒音が大きくなることを避ける
ことができ、また、良好な車両走行性が維持されるとと
もに、該後打ちコンクリート部の剥離防止に有利にな
る。
床版上面の舗装を切欠段部に沿って道路橋幅員方向へ延
び且つ橋長方向に出入りのある凹凸切断線で切断し、該
切断線より床版遊間側の舗装及び充填材を除去し、該舗
装の切断端面から床版上面が実質的に一定幅で該切断端
面に対応する凹凸状になって露出するように上記切欠段
部の立ち上がり面を上記舗装の切断端面に沿った凹凸面
になるように形成し、継手を設置してその背部に後打ち
コンクリートをその一部が上記一定幅の床版上面に載る
ように打設するようにしたから、新設道路橋において請
求項2に係る道路橋継目部の構造を得ることができ、車
輪通過時の振動・騒音の低減、良好な車両走行性の維
持、後打ちコンクリート部の剥離防止の効果が得られ
る。
床版上面の舗装を橋長方向に出入りのある凹凸切断線で
切断し、該切断線より道路橋継目側の舗装、継手背部の
後打ちコンクリート及び上記継手を除去し、且つ上記舗
装の切断端面から床版上面が実質的に一定幅で該切断端
面に対応する凹凸状になって露出するように床版端部に
切欠段部を形成し、新たな継手を設置してその背部に後
打ちコンクリートをその一部が上記一定幅の床版上面に
載るように打設するようにしたから、既設の継手を新た
な継手に交換して上記請求項2に係る道路橋継目部の構
造を得ることができ、車輪通過時の振動・騒音の低減、
良好な車両走行性の維持、後打ちコンクリート部の剥離
防止の効果が得られる。
床版上面の舗装を橋長方向に出入りのある凹凸切断線で
切断し、該切断線より道路橋継目側の舗装を除去し、継
手背部の後打ちコンクリートの上部を床版上面の舗装厚
よりも深い段下げ部が形成されるように除去し、且つ上
記舗装の切断端面から床版上面が実質的に一定幅で該切
断端面に対応する凹凸状になって露出するように該段下
げ部の立ち上がり面を上記舗装の切断端面に沿った凹凸
面になるように形成し、上記継手の背部にコンクリート
をその一部が上記一定幅の床版上面に載るように舗装面
高さに打設するようにしたから、既設の継手をそのまま
残して請求項2に係る道路橋の継目部構造を得ることが
でき、車輪通過時の振動・騒音の低減、良好な車両走行
性の維持、コンクリートの剥離防止の効果が得られる。
に基づいて説明する。
において、符号1〜3の各々は車両の走行車線、4は道
路橋継目部に設置した継手、5は継手4の背部の後打ち
コンクリート部、6は後打ちコンクリート部5と橋面舗
装との路面に現れた境界線である。
(道路橋幅員方向)と実質的に平行にならないように、
該延設方向に対して一方へ斜めに直線状に延びる部分と
他方へ斜めに直線状に延びる部分とが交互に連なったジ
グザグに形成されている。この境界線6の各直線部の長
さは一つの車線幅の略半分の長さであり、一つの車線の
幅の中央において互いに反対方向に斜めに延びる直線部
が出会っている。
に、継手4は、2枚の波形板7,7を対向させて路面に
開口する波形遊隙8が形成されるようにしてなるもので
あり、この対向する各波形板7の背部に後打ちコンクリ
ートが打設されている。また、同図では境界線6の内側
(後打ちコンクリート部5側)に該境界線6に沿って延
びる破線を描いているが、これは後述する床版切欠段部
9のラインであり、後打ちコンクリート部5は、その舗
装側の端部が道路橋幅員の全長にわたって床版上面に実
質的に一定幅で載るように打設されているものである。
すなわち、境界線6と破線(9)との間隔が後打ちコン
クリート部5の床版上面に載っている部分の幅に相当す
る。この点を図3により具体的に説明する。
床版)、12は橋面舗装(アスファルト舗装)である。
床版11はその道路橋継目に臨む端部が断面L字状に切
り欠かれており、このL字状の切欠段部9に後打ちコン
クリート5が打設されている。継手4を構成する波形板
7は、その背部に突出したアンカー13を備えており、
このアンカー13を後打ちコンクリート部5に埋設する
ことによってこの後打ちコンクリート部5に強固に固定
されているものである。また、上記波形遊隙8にはシー
ル部材14が改装されており、このシール部材14はそ
の両側部が両波形板7,7の対向する面に固着されてい
る。
段部9の立ち上がり面9aよりも数十ミリ後退して、床
版上面の端部が当該切欠段部分に段15になって現れて
おり、この状態で後打ちコンクリート5が切欠段部9及
び上記段15に打設されてるものである。
方法>図4は後付工法によって継手4を構築するときの
道路橋継目部の状態を示す。同図において、16は床版
遊間であり、その両側の切欠段部9,9に床版遊間16
を塞ぐ覆い板17が跨り、この覆い板17及び切欠段部
9,9の上に充填材18が床版上面高さまで設けられて
いる。そして、この床版上面及び充填材18の上に舗装
12が連続して施されている。以下、施工方法を工程順
に説明する。
12の面に切欠段部9に沿って道路橋幅員方向へ延び且
つ橋長方向に出入りのある凹凸カットラインBをマーキ
ングする。カットラインBは切欠段部9にかからないよ
うにする。本例のカットラインBはジグザグであり、上
記境界線6に相当するものである。
においてコンクリートカッターによって切断する。図4
の符号Cは切断位置を示す。コンクリートカッターは比
較的長い距離を直線状に切断することに適しているとこ
ろ、この場合のカットラインBは直線状に延びる部分が
長いためこのコンクリートカッターの使用に適する。コ
ンクリートカッターはこれに進行方向に対して横向きの
力を加えれば、半径4m程度の曲線切りを行なうことが
できる。従って、上記ジグザグの屈曲点に関しては、そ
こに差し掛かる手前でコンクリートカッターに対して横
向きの力を加え、半径4m程度の曲線となるように処理
すればよい。つまり、これにより、コンクリートカッタ
ーによって橋面舗装12を連続的に切断することができ
る。もちろん、カットラインBの各直線部を個別に切断
していき、当該屈曲点で切断線同士が出会うようにして
もよい。
より床版遊間16側の舗装及び充填材18を除去する。
舗装の除去にはコンクリートブレーカを用いることがで
きる。
記舗装12の切断端面に沿った凹凸面(ジグザグ面)に
なるように形成することによって、上記舗装12の切断
端面から床版上面が実質的に一定幅で該切断端面に対応
する凹凸状(ジグザグ状)になって露出するようにする
(図3の立ち上がり面9a及び段15参照)。
継手4を設置する。
リート5をその一部が上記一定幅の床版上面(段15)
に載るように打設する。
従前の道路橋継目部構造(後打ちコンクリート部5と橋
面舗装12との境界線Aが継手4の延設方向と平行にな
っているもの)を本発明の構造に変更する補修方法を工
程順に説明する。
2の面にジグザグのカットラインBをマーキングする。
このカットラインBは上記境界線6に相当するものであ
る。
においてコンクリートカッターによって切断する。
より道路橋継目側(継手4側)の舗装、継手4及びその
背部の既設後打ちコンクリートを除去する。
しては、橋面舗装12の切断端面に沿って道路橋幅員方
向にジグザグに延びる実質的に一定幅の床版上面(上述
の段15)が残るように床版端部を切り欠いて整形す
る。つまり、図3に示すように、上記切断端面に沿った
立ち上がり面9aを有する断面L字状の切欠段部9を形
成する。
面間に継手4を設置する。
の間に、すなわち、床版端部の切欠段部9、並びに橋面
舗装12から露出した一定幅の床版上面(段15)に後
打ちコンクリート5を打設する。
法は、既設の継手4をそのまま残して新たな継目部構造
にするものである。以下、その方法を工程順に説明す
る。
線で示すジグザグカットラインBを橋面舗装12の面に
マーキングする。
12を上記カットラインBにおいてコンクリートカッタ
ーによって切断する。
より道路橋継目側(継手4側)の舗装を除去する。
打ちコンクリート5の上部を舗装厚よりも深い段下げ部
19が形成されるように除去する。そのとき、該段下げ
部19の立ち上がり面19aが上記舗装12の切断端面
に沿ったジグザグ面になるように床版11の端部をはつ
る。これにより、上記舗装の切断端面から床版上面(段
15)が実質的に一定幅で該切断端面に対応する凹凸状
になって露出するようにする。段下げ部19の深さは例
えば100mm前後にすればよい。
その一部が上記一定幅の床版上面(段15)に載るよう
に舗装面高さに打設する。
ぼり等によって摩耗してきた場合、この橋面舗装12と
後打ちコンクリート部5(上記補修方法2の場合は新設
の後打ちコンクリート20のこと。以下、同じ。)との
境界に段差を生ずる。しかし、当該境界線6は道路橋幅
員方向に対して斜めに延びているから、継目部を通過す
る車両の車輪はその全幅が同時に段差に差し掛かるので
はなく、この段差に掛かる部位が車輪の一端から他端へ
と移行していく。このため、当該段差を通過するときの
車輪ないしは車両に加わる衝撃がその車輪のタイヤの変
形によって吸収され易くなり、その衝撃は小さなものに
なる。従って、車両走行性が良くなるだけでなく、道路
橋の振動・騒音も小さくなる。
の車線の幅中央を中心として左右対称に斜めに延びてい
るが、車両は必ずしもその幅中央が車線の幅中央に一致
するように走行するものではないため、車両左右の車輪
はいずれか一方が先に境界線6に差し掛かり、その後に
他方の車輪が境界線6に差し掛かることが多い。その場
合は、車両の全荷重が境界線6の段差に同時に加わらな
いため、この段差を通過するときの衝撃がさらに小さな
ものになり、車両の走行性向上、振動・騒音の低減に有
利である。
版上面に載って薄くなっているが、その幅が狭いから床
版11から剥離することが避けられる。すなわち、上記
境界線6を上述の如くジグザグに形成した場合、従来通
り切欠段部9の立ち上がり面を道路橋幅員方向と平行に
形成すると、この切欠段部9から見てジグザグの凹部に
当たる部位では橋面舗装12から露出する床版上面の幅
が広くなる。従って、その部位では後打ちコンクリート
部5が床版上面に載って薄くなる部分の幅が広くなり、
床版から剥離し易くなるものである。この問題が上述の
後打ちコンクリート部5の床版上面に載る幅を一定にす
るという構造によって解決されるものである。
つの車線に互いに逆向きになった2つの山が左右に間隔
をおいて形成されるようにジグザグ境界線21を構成し
た例を示す。この境界線21は先の実施形態と同じく後
打ちコンクリート部5と橋面舗装12との境界線であ
り、後打ちコンクリート部5の一部は床版上面に実質的
に一定幅で載っている。
界線21を通過するとき、その左右の車輪は、いずれか
一方が先に境界線21に差し掛かり、該一方の車輪が境
界線21を越えた後に他方の車輪が境界線21に差し掛
かる可能性が極めて高くなり、車両走行性の向上、振動
・騒音の低減にさらに有利になる。また、ジグザグの振
れ幅自体は先の実施形態のものと同じ幅であるから、切
欠段部9が過度に広くなって後打ちコンクリート量が増
えることもない。
波(サインカーブ状)にしたものである。この場合も図
5の境界線構造と同様の作用効果が得られる。
方の山の頂点(屈曲点ないし変曲点)が当該車線の端か
らその車線幅の1/4の距離に配置されているが、当該
車線の端からその車線幅の1/8から3/8の距離に配
されるようにすればよい。
手を例示したが、本発明が継手の種類を問わず適用で
き、また、本発明の構造が、道路橋継目部に先に継手を
設置し、後から橋面舗装を施す先付け工法において採用
することができることはもちろんである。
片側の後打ちコンクリートを除いて描いた斜視図。
断面図。
状態を示す平面図。
つ継手片側の後打ちコンクリートを除いて描いた斜視
図。
図。
す平面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 道路橋幅員方向に延びる継手の背部に後
打ちコンクリートが打設され、該後打ちコンクリート部
がコンクリート床版上面の舗装に連なっている道路橋継
目部において、 上記後打ちコンクリート部と舗装との路面に現れる境界
線は、上記継手の延設方向と実質的に平行にならないよ
うに、該延設方向に対して斜めに直線状に延びる直線部
よりなるジグザグに形成されていることを特徴とする道
路橋継目部の構造。 - 【請求項2】 道路橋幅員方向に延びる継手の背部に後
打ちコンクリートが打設され、該後打ちコンクリート部
がコンクリート床版上面の舗装に連なっている道路橋継
目部において、 上記後打ちコンクリート部と舗装との路面に現れる境界
線は、橋長方向に出入りのある凹凸に形成され、 上記後打ちコンクリート部は、上記床版端部の切欠段部
に打設されているとともに、その一部が床版上面に実質
的に一定幅で載るように打設されていることを特徴とす
る道路橋継目部の構造。 - 【請求項3】 道路橋継目部のコンクリート床版の遊間
を存して相対する端部に切欠段部が形成され、該床版遊
間を塞ぐように両切欠段部に跨る覆い板が設けられ、該
両切欠段部及び覆い板の上に床版上面高さまで充填材が
設けられ、該床版上面及び充填材の上に舗装が連続して
施されている道路橋継目部において、 上記床版上面の舗装を上記切欠段部に沿って道路橋幅員
方向へ延び且つ橋長方向に出入りのある凹凸切断線で切
断し、 上記切断線より床版遊間側の舗装及び充填材を除去し、 上記床版上面が上記舗装の切断端面から実質的に一定幅
で該切断端面に対応する凹凸状になって露出するように
上記切欠段部の立ち上がり面を上記舗装の切断端面に沿
った凹凸面になるように形成し、 上記両切欠段部の立ち上がり面間に継手を設置し、 上記継手の両背部に後打ちコンクリートをその一部が上
記一定幅の床版上面に載るように打設することを特徴と
する道路橋継目部の施工方法。 - 【請求項4】 継手が設置されている道路橋継目部の施
工方法であって、 コンクリート床版上面の舗装を上記継手に沿って道路橋
幅員方向へ延び且つ橋長方向に出入りのある凹凸切断線
で切断し、 上記切断線より道路橋継目側の舗装、継手背部の後打ち
コンクリート及び上記継手を除去し、且つ上記床版上面
が上記舗装の切断端面から実質的に一定幅で該切断端面
に対応する凹凸状になって露出するように床版端部に切
欠段部を形成し、 新たな継手を設置し、上記継手の背部に後打ちコンクリ
ートをその一部が上記一定幅の床版上面に載 るように打設することを特徴とする道路橋継目部の施工
方法。 - 【請求項5】 継手が設置されている道路橋継目部の施
工方法であって、 コンクリート床版上面の舗装を上記継手に沿って道路橋
幅員方向へ延び且つ橋長方向に出入りのある凹凸切断線
で切断し、 上記切断線より道路橋継目側の舗装を除去し、 上記継手背部の後打ちコンクリート部に床版上面の舗装
厚よりも深い段下げ部が形成されるように該後打ちコン
クリート部の上部を除去し、且つ上記床版上面が上記舗
装の切断端面から実質的に一定幅で該切断端面に対応す
る凹凸状になって露出するように該段下げ部の立ち上が
り面を上記舗装の切断端面に沿った凹凸面になるように
形成し、 上記継手の背部にコンクリートをその一部が上記一定幅
の床版上面に載るように舗装面高さに打設することを特
徴とする道路橋継目部の施工方法。
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