JP2898590B2 - クレ−ン等における結合ピンの回り止め防止構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、クレ−ン等におけ
る結合ピンの回り止め防止構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１は代表的なクロ−ラクレ−ンの全体
側面図である。１は上部旋回体で、この上にブ−ム２が
ブ−ム元付け用の結合ピン３で起伏可能に取付けられて
いる。ブ−ム２はブ−ム支持ロ−プ４で支持されてい
る。ブ−ム支持ロ−プ４はマスト５の頂部に設けたブ−
ム起伏装置６に接続されている。マスト５は上部旋回体
１上にマスト結合ピン７によって枢着されている。これ
らブ−ム元付け用の結合ピン３やマスト結合ピン７は上
部フレ−ム側に保持ブラケット１０を介し取付けた伸縮
シリンダ８（図２）の伸縮ロッド８ａの端に固着され、
伸縮ロッド８ａの伸縮によってブ−ムフ−ト及び上部フ
レ−ムに設けたピン穴に対し挿脱している。

【０００３】伸縮シリンダ８を用いた結合ピン３には、
ピンの回り止め機構が無く、挿入後にロック用のロック
ピン９を結合ピン３のピン穴１１とロックピン取付ブラ
ケット１２のロック穴１３に挿入する時、ロックピン９
と結合ピン３に設けたピン穴１１、ロック穴１３がずれ
て入れ難かった。又その穴を合わせる時、微妙な位置合
せには指を使用しなければならなかったが、このとき指
を挟まれる危険性も有り、問題であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】結合ピン３を挿脱する
とき、指を使用しなくてもその挿脱が容易で、従来の如
く挿脱時に指を挟まれたりする危険の全くないクレ−ン
における結合ピンの回り止め機構を提供することを課題
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】結合ピン３の端面に回り
止め防止用のガイドプレ−ト１４を固着し、該ガイドプ
レ−ト１４を、伸縮シリンダ８を上部フレ−ムに対し取
付ける円筒状のガイドブラケット１５で案内するように
したものであって、前記ガイドプレ−ト１４が互に反対
方向に向け突出した一対の突出片１４ａを有し、該一対
の突出片１４ａに対応し前記ガイドブラケット１５には
その長手方向に一対の案内用スリット１５ａを有し、一
対の突出片１４ａを一対の案内用スリット１５ａで案内
し、結合ピン３を長手方向にのみ摺動可能にした。

【０００６】

【発明の実施の形態】図３に基いて説明する。図３で１
５は伸縮シリンダ８を上部フレ−ムに対し取付けると共
に、ガイドプレ−ト１４を長手方向に案内する円筒状の
ガイドブラケットである。ガイドプレ−ト１４は結合ピ
ン３の伸縮シリンダ側の端面にねじ１６で固着され、そ
の形状は中央取付部に互に反対方向に突出した一対の突
出片１４ａを備えている。この一対の突出片１４ａがガ
イドブラケット１５の長手方向に設けた案内用スリット
１５ａに案内されて摺動する。円筒状をしたガイドブラ
ケット１５はその一端で伸縮シリンダ８のフランジ８ｂ
に固着されている。

【０００７】結合ピン３を挿・脱する場合、ガイドプレ
−ト１４に設けた突出片１４ａがガイドブラケット１５
に設けた案内用スリット１５ａに係合し、結合ピン３の
回り止めの働きをなし、結合ピン３は回転することなく
挿・脱される。この為、結合ピン３の挿入後にロックピ
ン９をピン穴１１及びロック穴１３にさし込むとき、ロ
ック穴１３とピン穴１１との穴合わせは不要となる。
又、ガイドプレ−ト１４はクレ−ン作業時の結合ピン３
の共回り防止の役割りも果すので、ロックピン９の共回
り防止装置の必要性は無い。

【０００８】（作用）結合ピン３の挿・脱に際し、結合
ピン３に取付けたガイドプレ−ト１４がガイドブラケッ
ト１５の案内用スリット１５ａでガイドされ、回転する
事なく真直ぐ移動する。この為、結合ピン３をロックす
るためのロックピン９を入れる時、ピン穴１１とロック
穴１３が常に一致し、非常に挿入しやすい。結合ピン３
を入れる為の指による穴合わせも不要となり、指の挟ま
れ事故の防止にも役立つ。

【０００９】以上の説明において、クロ−ラクレ−ンの
ブ−ムフ−ト部の結合ピンを例にとって説明したが、こ
れ以外の部分のピン結合部にも同様に適用できる。例え
ば、ライブマスト（ガントリ−）のフ−トピンあるいは
ハイマストのフ−トピンに適用することができる。

【００１０】

【効果】伸縮シリンダ８の伸縮で挿脱される結合ピン３
は、ガイドプレ−ト１４が伸縮シリンダ８を固着した円
筒状のガイドブラケット１５の案内用スリット１５ａに
案内されて移動するので、回り止め効果を奏し、結合ピ
ン３の抜け止め用ロックピン９の挿入を極めて容易に行
うことができる。又結合ピン３の挿入時に穴合せ等に指
を使う必要がないので、指を挟まれる等の事故も防が
れ、簡単な構造であるが、安全作業上極めて好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】代表的クレ−ラクレ−ンの側面図。

【図２】従来のブ−ム元付ピンの構造を示し、(ａ)は全
体側面図、(ｂ)はブ−ムフ−ト部の拡大図、(ｃ)は結合
ピンの構造を示す。

【図３】本発明の結合ピンの構造を示し、(ａ)は全体
図、(ｂ)は(ａ)の右側面図、(ｃ)は(ａ)のＡ矢視図。

【符号の説明】

１ 上部旋回体 ２ ブ−ム ３ 結合ピン ４ ブ−ム支持ロ−
プ ５ マスト ６ ブ−ム起伏装置 ７ マスト結合ピン ８ 伸縮シリンダ 8a 伸縮ロッド 8b フランジ ９ ロックピン 10 保持ブラケット 11 ピン穴 12 ロックピン取付
ブラケット 13 ロック穴 14 ガイドプレ−ト 14a 突出片 15 ガイドブラケッ
ト 15a 案内用スリット 16 ねじ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 結合ピン(３)の端面に回り止め防止用の
   ガイドプレ−ト(14)を固着し、該ガイドプレ−ト(14)
   を、伸縮シリンダ(８)を上部フレ−ムに対し取付ける円
   筒状のガイドブラケット(15)で案内するようにしたもの
   であって、前記ガイドプレ−ト(14)が互に反対方向に向
   け突出した一対の突出片(14a）を有し、該一対の突出片
   (14a）に対応し前記ガイドブラケット(15)にはその長手
   方向に一対の案内用スリット(15a)を有し、前記一対の
   突出片(14a)を前記一対の案内用スリット(15a）で案内
   し、結合ピン(３)を長手方向にのみ摺動可能にしたこと
   を特徴とするクレ−ン等における結合ピンの回り止め防
   止構造。