JP2898587B2 - 半導体製造装置の移載機のティーチング方法 - Google Patents

半導体製造装置の移載機のティーチング方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置及
び半導体製造装置において半導体ウェーハ等の基板を搬
送処理する移載機に関し、特に、移載機の動作をティー
チングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば図5に示すように、半導体製造装
置では、多数枚のウェーハ1をボート2に装填して反応
炉(図示せず)内に装填し、これらウェーハ1に成膜や
アニール等の所定の処理を施している。そして、このよ
うな処理を施されるウェーハ1やこのような処理が施さ
れたウェーハ1はカセット3に収容され、これらウェー
ハ1は移載機4によってボート2とカセット3との間で
搬送される。なお、図示の移載機4は5本のツィーザ5
を有しており、5枚のウェーハ1をまとめて搬送処理す
る。また、カセット3はカセット棚6に納められてお
り、処理済のウェーハ1が納められたカセット3は図外
の搬送装置によって新たなカセットと交換される。
【0003】上記した移載機4はコントローラ7の制御
に基づいてウェーハ1の搬送処理を行い、この搬送処理
を詳述すると下記の通りである。まず、移載機4がカセ
ット3に納められたウェーハ1をツィーザ5で掬い上げ
た後、移載機4がボート2側へ移動するとともにツィー
ザ5をボート2に対向させ、ボート2のウェーハ挿填用
溝にウェーハ1を装填する。そして、ボート2に装填し
たウェーハ1に所定の処理が施された後、移載機4がボ
ート2に挿填されているウェーハ1をツィーザ5で掬い
上げ、移載機4がカセット3側へ移動するとともに回転
してツィーザ5をカセット3に対向させ、カセット3の
ウェーハ挿填用溝にウェーハ1を装填する。
【0004】ここで、上記のような搬送処理において
は、ウェーハ1をウェーハ挿填用溝に正確に挿填する必
要がある。すなわち、ボート2への挿填を例にとると、
図6に示すように、ボート2の柱部2aに設けた挿填用
溝8に対して、ツィーザ5(移載機4)によってウェー
ハ1を、前後方向(X軸方向)、左右方向(Y軸方
向)、上下方向(Z軸方向)で正確に位置決めして挿填
する必要がある。このため、実際の搬送処理(実プロセ
ス)に先立って、移載機4の動作をティーチングし、実
プロセスにおける搬送処理では、移載機4によってウェ
ーハ1が正確に位置決めして挿填用溝8に挿填されるよ
うにしている。
【0005】このような移載機4のティーチングは、従
来では下記のように作業者の感覚に依存した作業によっ
て行われていた。まず、実プロセスに対する前処理とし
て、移載機4を作業者が手動操作してウェーハ1を搬送
し、その移動距離を移載機4の駆動モータが発生するパ
ルス数でカウントする。そして、ウェーハ1が挿填用溝
8内で、前後方向、左右方向、上下方向で適切な位置に
搬送されたことを作業者が目視で確認する。すなわち、
図7の(a)に示すように、ウェーハ1の左右のボート
柱2aに対するスキ間(クリアランス)を目視確認し、
同図の(b)に示すように、ウェーハ1のボート柱2a
に対する上下方向でのスキ間(クリアランス)を目視確
認し、同図の(c)に示すように、ウェーハ1の奥のボ
ート柱2aに対するスキ間(クリアランス)を目視確認
する。
【0006】そして、上記の各スキ間が所定の間隔とな
ったところで、移載機4の移動距離パルス数をメモリに
記憶させて前処理を終了する。この後、実プロセスで
は、上記メモリに記憶させたパルス数を用いて移載機4
を動作させ、ウェーハ1を前後方向、左右方向、上下方
向で適切なクリアランスをもった状態でボート2の挿填
用溝8に挿填する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のティー
チング方法にあっては、作業者がウエーハ1の各クリア
ランスを目視確認しつつ移載機4を操作して、ウェーハ
1をボート柱2aに対して所定のクリアランスをもった
位置へ搬送させなければならないため、作業者に高度な
熟練が要求されるという問題があった。そして、このよ
うな煩雑な作業を行わなければならないため、如何に熟
練した作業者と言えども、ティーチング作業にかなりの
時間を費やさなければならず、また、各半導体製造装置
毎に一定した精度でティーチング作業を行うことができ
ないという問題があった。
【0008】本発明は上記従来の事情に鑑みなされたも
ので、ティーチング方法を実施するに際して用いて好適
な冶具を用いることにより、作業者の高度な熟練を必要
とせず、常に一定の精度をもって迅速に作業を行うこと
ができる移載機のティーチング方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載した移載機のティーチング方法は、
移載機によって半導体製造装置の所定の基板挿填位置へ
処理対象の基板(ウエーハ)を搬送処理するに際して、
当該移載機のポジションデータを予め記憶手段に格納さ
せるティーチング方法において、円板部と当該円板部の
中心に立設されたピンとを石英によって製作した冶具を
基板挿填位置に所定のクリアランスをもって設置し、検
知手段が当該円板部のエッジを検出し当該ピンに基づい
て当該冶具の中心位置を検知してポジションデータを取
得することにより移載機のポジションデータを記憶手段
に格納した後、実プロセスにおいて、前記記憶手段に格
納したポジションデータに基づいて移載機を動作させて
前記基板挿填位置に対する処理対象の基板の搬送処理を
行うことを特徴とする。
【0010】また、請求項2に記載した移載機のティー
チング方法は、請求項1の方法と同様な処理を行うが、
円板部と当該円板部の中心からずれた位置に立設された
ピンとを石英によって製作した冶具を用い、当該冶具を
前記基板挿填位置に所定のクリアランスをもって設置
し、検知手段が当該円板部のエッジを検出し当該ピンに
基づいて当該冶具の位置を検知してポジションデータを
取得することにより移載機のポジションデータを記憶手
段に格納する。
【0011】これら本発明に係る移載機のティーチング
方法によると、検知手段がピン及び円板部のエッジを検
知することにより容易且つ確実に冶具の位置を検知する
ことができ、また、当該冶具が石英によって製作されて
いるため、このようなティーチング作業を行っても半導
体プロセスの清浄な状態を維持することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明の一実施例に係る半
導体製造装置を図面を参照して説明する。なお、前述し
た従来例と同一部分には同一符号を付して説明する。図
1に示すように、本実施例の半導体製造装置は、反応室
内で所定の処理を施すために多数枚のウェーハ1が挿填
されるボート2と、処理済或いは未処理のウェーハ1を
複数枚収容するカセット3と、ボート2とカセット3と
の間でウエーハ1を5枚ずつ搬送する移載機4と、移載
機4によるウエーハ1の搬送処理を制御するコントロー
ラ7と、を備えている。なお、カセット3は半導体製造
装置に備えられたカセット棚6に載置され、移載機4に
は5本のツィーザ5が備えられている。
【0013】本実施例の半導体製造装置では、移載機4
の前面部(ツィーザ5の近傍)に検知手段10が設けら
れており、この検知手段10で検出された位置データは
アナログ/デジタル変換器11を介して外部端末(P
C)12に入力される。検知手段10は後述(図3)す
るように検出用基板(本実施例では冶具21)の位置を
光学的に検知するセンサであり、この検知情報がポジシ
ョンデータとして外部端末12へ出力される。また、こ
の半導体製造装置には外部端末12とコントローラ7と
の間の通信を司る通信制御手段13が備えられており、
この通信制御手段13を介して、外部端末12からの動
作命令がコントローラ7に入力されるとともに、コント
ローラ7で得られたステータスやエンコーダ値が外部端
末12に入力される。このエンコーダ値は移載機4の駆
動モータが発生するパルス数であり、これによって移載
機4の移動距離(すなわち、ツィーザ5の移動距離)を
検出しつつ動作制御を行うことができる。
【0014】外部端末12にはメモリ14が備えられて
おり、検知手段10から入力されたポジションデータ及
びコントローラ7から入力されたエンコーダ値がメモリ
14に格納される。これらポジションデータ及びエンコ
ーダ値は後述するように移載機4の動作を制御するため
のデータであり、実プロセスにおけるウエーハ1の搬送
処理においては、外部端末12及びコントローラ7はメ
モリ14に格納されたデータに基づいて移載機4を動作
させる。
【0015】このポジションデータを得るために、実プ
ロセスに先立って行われるティーチング操作では、処理
対象のウエーハ1に代えて図2に示す冶具21が用いら
れる。この冶具21は、ウエーハ1と同一の形状で且つ
同一の大きさの円板部21aと、円板部21aの中心位
置に立設された円柱状のピン21bとから構成されてお
り、全体として石英によって作成されている。なお、こ
のように冶具21をボート2と同じ石英で作成すること
によって、ティーチング操作に際してボート2を汚染し
てしまうことはなく、半導体製造プロセスを清浄な状態
に維持することができるとともに、清浄さを保持するた
めの洗浄処理も既存の設備によって容易に行うことがで
きる。
【0016】上記構成の半導体製造装置では下記のよう
にしてティーチング操作がなされ、その後に実プロセス
の搬送処理がなされる。まず、ティーチング操作におい
て、作業者が冶具21をボート2に挿填し、図7に示し
たように、冶具21の左右のボート柱2aに対するスキ
間(クリアランス)、冶具21のボート柱2aに対する
上下方向でのスキ間(クリアランス)、冶具21の奥の
ボート柱2aに対するスキ間(クリアランス)を所定の
間隔となるように調整する。そして、移載機4を動作の
基準位置となるホームポジションに固定した状態で、所
定のクリアランスをもってボート2に挿填された冶具2
1の位置を検知手段10で検知し、この検知処理におい
て得られるポジションデータをメモリ14に格納する。
【0017】すなわち、図3の(a)に示すように、検
知手段10からレーザ光RをY軸方向(左右方向)へ旋
回照射して、反射光の有無からピン21bの左右両端を
検知し、その二等分位置(すなわち、冶具21のセン
タ)を冶具21のY軸方向の位置として検出する。ま
た、同図の(b)に示すように、検知手段10からレー
ザ光RをZ軸方向(上下方向)へ上下動照射して反射光
の有無から円板部21aのエッジを検知し、その位置を
冶具21のZ軸方向の位置として検出する。また、同図
の(c)に示すように、検知手段10がピン21bから
の反射光に基づいてピン21b(すなわち、冶具21の
センタ)のX軸方向(前後方向)の位置(すなわち、冶
具21のセンタと移載機4との距離)を検出する。
【0018】上記の検知処理において、本実施例では検
知手段10として発光素子と光位置検出素子(PSD)
を組み合わせて構成した光学式変位センサを用いてお
り、特に上記のX軸方向の距離は三角測量法を応用した
方法で検出している。このセンサによる検知処理を更に
詳しく説明すると、発光ダイオードや半導体レーザ等か
ら成る発光素子の光を投光レンズで集光して冶具21に
照射し、冶具21から拡散反射された光の一部を受光レ
ンズを通して光位置検出素子上に集光させ、この集光さ
れた光の有無によりY軸方向位置及びZ軸方向位置を検
知するとともに、集光された光のスポット位置に基づい
てX軸方向の距離を検知する。
【0019】すなわち、センサ10と冶具21との距離
に応じて集光された反射光の光位置検出素子が形成され
たスポットの位置に応じた電圧を出力し、この出力電圧
値に基づいてX軸方向の距離が検知される。このよう
に、センサ10全体としてはY軸方向及びZ軸方向の位
置並びにX軸方向の距離を検知する3つの機能を備えて
いる。なお、上記の検知処理は移載機4及びツィーザ5
をホームポジションに設置した状態で行われるが、セン
サ10とツィーザ5の先端とは予め位置関係が測定さ
れ、センサ10で得たポジションデータによって動作制
御しても、ツィーザ5の位置を実プロセスにおいて正確
に制御することができる。
【0020】したがって、所定のクリアランスをもった
適切な状態で冶具21(すなわち、ウエーハ1)をボー
ト2に挿填することができるポジションデータがメモリ
14に格納される。この後、実プロセスでは、メモリ1
4に記憶させたポジションデータをコントローラ7に出
力し、移載機4を動作させると、ウェーハ1は前後方
向、左右方向、上下方向で適切なクリアランスをもった
状態でボート2の挿填用溝8に挿填される。なお、本実
施例では移載機4の5本のツィーザ5によってウエーハ
1が5枚ずつ搬送処理されて、ボート2に所定のクリア
ランスをもって挿填される。
【0021】ここで、冶具21の円板部21aの中心位
置は、立設されたピン21bにより、光学的な手法によ
って容易且つ正確に検知することができる。しかしなが
ら、本実施例の半導体製造装置のようにボート2が柱2
aを立設した形式であるときには、検知手段10によっ
てボート柱2aとピン21bとを区別して検知し得ない
場合が生ずる。そこで、図4に示すように、円板部21
aにボート柱21aを隠すようにフィン21cを立設す
れば、検知手段10でレーザ光によりピン21bを確実
に検知することができ、このような不具合を回避するこ
とができる。
【0022】なお、図8に示すように、ピン21bを円
板部21aの中心からずらせた位置に立設することも可
能であり、この場合には、冶具21の位置を正確に検出
するために、冶具21をボート2に対してピン21bが
常に同じ位置になるように挿填し、更に、円板部21a
の中心とピン21bとのずれ量aから検出したX軸方向
及びY方向の位置を補正する必要がある。
【0023】また、上記の実施例はボート2側でのウエ
ーハ搬送処理のティーチングを例にとって説明したが、
本発明はカセット3へのウエーハ搬送処理についてのテ
ィーチングにも勿論適用することができる。
【0024】また、上記の実施例は5枚のウエーハ1を
同時に搬送する移載機4を例にとって説明したが、移載
機によるウエーハの搬送枚数には特に限定はない。ま
た、本発明では検知手段10として種々な光学的センサ
を用いることができ、例えば、冶具やウエーハを画像と
して検知してその位置を検出するセンサを用いることも
できる。更に、検知手段10としては光学的なセンサ以
外にも、例えば、超音波を対象物に発射してその反射波
が戻ってくるまでの時間から距離を検出する超音波セン
サを用いることも可能であり、要は、冶具やウエーハの
位置を検知し得るものであれば特にその方式に限定はな
い。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
検出用冶具をボートやカセットに所定のクリアランスを
もって設置し、この検出用冶具を検知手段により検知
し、これによって、移載機のポジションデータを取得し
て記憶手段に格納するようにしたため、作業者の感覚に
依存した作業が大幅に減少し、高度な熟練度を有しない
作業者によっても、移載機のティーチング作業を常に一
定した精度で迅速に行うことができる。したがって、実
プロセスを早期に実施することができ、半導体製造装置
の稼働効率を向上させることができるとともに、実プロ
セスでの基板搬送処理を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る半導体製造装置の構
成図である。
【図2】 本発明のティーチング操作に用いる冶具の一
例を示す斜視図である。
【図3】 検知手段による冶具位置の検知方法を説明す
る概念図である。
【図4】 本発明のティーチング操作に用いる冶具の他
の一例を示す平面図である。
【図5】 従来例に係る半導体製造装置の構成図であ
る。
【図6】 ウエーハの位置決めを説明する概念図であ
る。
【図7】 目視によるウエーハ位置の検知方法を説明す
る概念図である。
【図8】 本発明のティーチング操作に用いる冶具の他
の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ウエーハ、 2 ボート、 3 カセット、 4 移載機、 5 ツィーザ、 7 コントローラ、 8 ウエーハ挿填溝、 10 検知手段、 12 外部端末、 14 メモリ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B25J 9/22 B65G 49/07 G05B 19/42 H01L 21/68

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移載機によって半導体製造装置の所定の
    基板挿填位置へ処理対象の基板を搬送処理するに際し
    て、当該移載機のポジションデータを予め記憶手段に格
    納させるティーチング方法において、 円板部と当該円板部の中心に立設されたピンとを石英に
    よって製作した冶具を前記基板挿填位置に所定のクリア
    ランスをもって設置し、検知手段が当該円板部のエッジ
    を検出し当該ピンに基づいて当該冶具の中心位置を検知
    してポジションデータを取得することにより移載機のポ
    ジションデータを記憶手段に格納した後、 実プロセスにおいて、前記記憶手段に格納したポジショ
    ンデータに基づいて移載機を動作させて前記基板挿填位
    置に対する処理対象の基板の搬送処理を行うことを特徴
    とする半導体製造装置における移載機のティーチング方
    法。
  2. 【請求項2】 移載機によって半導体製造装置の所定の
    基板挿填位置へ処理対象の基板を搬送処理するに際し
    て、当該移載機のポジションデータを予め記憶手段に格
    納させるティーチング方法において、 円板部と当該円板部の中心からずれた位置に立設された
    ピンとを石英によって製作した冶具を前記基板挿填位置
    に所定のクリアランスをもって設置し、検知手段が当該
    円板部のエッジを検出し当該ピンに基づいて当該冶具の
    位置を検知してポジションデータを取得することにより
    移載機のポジションデータを記憶手段に格納した後、 実プロセスにおいて、前記記憶手段に格納したポジショ
    ンデータに基づいて移載機を動作させて前記基板挿填位
    置に対する処理対象の基板の搬送処理を行うことを特徴
    とする半導体製造装置における移載機のティーチング方
    法。
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