JP2898277B1 - スライドパネルのガイドシュー - Google Patents

スライドパネルのガイドシュー

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JP2898277B1 JP14239498A JP14239498A JP2898277B1 JP 2898277 B1 JP2898277 B1 JP 2898277B1 JP 14239498 A JP14239498 A JP 14239498A JP 14239498 A JP14239498 A JP 14239498A JP 2898277 B1 JP2898277 B1 JP 2898277B1
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達明 上原
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Abstract

【要約】 【課題】 スライドパネルのガイドシューを、がたつき
を抑制しつつ摺動抵抗の低減を図ることの可能なように
構成する。 【解決手段】 ガイドレールの互いに対向する一対のガ
イド面12a・12bに対するそれぞれの対応関係が定
められた複数のブロック14・15からなり、これら複
数のブロックの各々は、摺動方向についての圧縮力をば
ね部材16により加えられると共に、このばね部材の圧
縮力をこれに直交する向きの押出力に変向させる傾斜面
19・20を介して相互に当接しており、これら複数の
ブロックのうちの主に摺動方向前側に位置するものに摺
動推力が加わるように複数のブロックを摺動推力発生手
段としてのステー8に係合させたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のサンルーフ
などのように、固定ルーフに形成された開口を開閉する
スライドパネルを、ガイドレールに対して摺動可能に支
持するためのガイドシューに関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のルーフの一部が開閉自在になって
いるサンルーフにおけるスライドパネルは、断面形状が
コ字形をなす案内溝を備えたガイドレールの内側に嵌入
するガイドシューによって摺動自在に支持されることが
一般的である。この種のガイドシューにおいては、ガイ
ドレールの案内溝との間に隙間があると、それが原因で
がたつきが生じることから、このがたつきを防止すると
同時に円滑な摺動を確保するために、ばね力を利用して
案内溝のガイド面にその摺接面を常時弾発的に圧接させ
るように構成されたものが種々、発案・実用化されてい
る(実開昭56−97116号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スライドパ
ネル駆動用モータの負荷やガイドシューの摩耗を低減す
る上で、案内溝のガイド面との間の摺動抵抗を低くする
のが望ましい。この摺動抵抗の低減には、自己潤滑性に
富む材料を使用する等して摩擦係数を小さくすれば良い
が、この手法には自ずから限界がある。一方、ガイド面
に対する接触圧を低くすることでも摺動抵抗の低減が可
能であるが、従来構成のガイドシューでは、ばね力自体
を低く抑えるしかなく、その結果、がたつきの抑制が不
十分になる不都合が生じるため、これも摺動抵抗低減の
要望を十分に満足するものではない。
【0004】本発明は、このような従来技術の問題点を
解消し、がたつきを抑制しつつ摺動抵抗の低減を図るこ
との可能なスライドパネルのガイドシューを提供するこ
とを目的に案出されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明においては、スライドパネルのガイドシ
ューの構成を、ガイドレールの互いに対向する一対のガ
イド面12a・12bに対するそれぞれの対応関係が定
められた複数のブロック14・15からなり、これら複
数のブロックの各々は、摺動方向についての圧縮力をば
ね部材16により加えられると共に、このばね部材の圧
縮力をこれに直交する向きの押出力に変向させる傾斜面
19・20を介して相互に当接しており、これら複数の
ブロックのうちの主に摺動方向前側に位置するものに摺
動推力が加わるように複数のブロックを摺動推力発生手
段8に係合させたものとした。
【0006】これによると、スライドパネルの静止時に
は、傾斜面の作用でガイド面に直交する向きの押出力に
変換されたばね力により、複数のブロックが各々対応す
るガイド面に常時押し付けられた状態に保持されるた
め、がたつきを確実に抑制し得る。そして摺動推力発生
手段に摺動推力が生じると、その摺動推力が主に摺動方
向前側のブロックに加えられ、後側のブロックはばね部
材を介して前側のブロックに牽引された状態となり、複
数のブロック間には後側のブロックの摺動抵抗を差し引
いた大きさの圧縮力が作用する。このため、ガイド面に
対するブロックの接触圧が静止時に比較して低下する。
したがって、ばね力を低く抑えなくても摺動抵抗の低減
が可能となる。
【0007】特に、前記のとおりガイドシューを複数の
ブロックで構成する場合、製造工程での取扱が面倒にな
らないように、複数のブロックが連結部を介して相互に
連結された態様で合成樹脂材料にて一体成型されたもの
であると好ましい。この場合、連結部が、ブロックの相
対変位を過度に拘束しない程度の可撓性を有するものと
するのが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発
明の構成を詳細に説明する。
【0009】図1は、本発明が適用されるスライドパネ
ルの要部縦断面図である。このスライドパネル1は、固
定ルーフ2に形成された開口3の内側の左右両側に延設
された一対のガイドレール4に案内され、開口3を全面
的に閉鎖する位置から固定ルーフ2の後部内面に向けて
前後方向に摺動可能なようにされたものである。
【0010】スライドパネル1は、シール部材5a・5
b及び接着剤6を介してパネルホルダ7に固着された板
ガラスからなっている。そしてパネルホルダ7の前部両
側下面には、断面形状を略L字形に形成したステー8が
固定されており、このステー8の垂下部を外向きに曲折
して形成された取付部8aに、ガイドシュー9が装着さ
れている。
【0011】一方、ガイドレール4は、実質的にフラッ
トなベース部10と、このベース部10の上面に立設さ
れたT字状部11とからなっており、このT字状部11
の内側部分に、ガイドシュー9を受容してこれを紙面に
直交する前後方向に案内するガイド溝12が形成されて
いる。
【0012】ガイドシュー9は、図2及び図3に詳しく
示すように、ガイド溝12の上下に対向した一対のガイ
ド面12a・12bにそれぞれ摺接する第1・第2の一
対のブロック14・15と、両ブロック14・15をガ
イド面12a・12bに沿う摺動方向の両側から挟み込
む略C字形状の板ばね16とからなっており、ステー8
の取付部8aに対してこれを挟み込むように装着されて
いる。
【0013】第1ブロック14は、上下のガイド面12
a・12b間の距離より僅かに短寸な高さを有する直方
体の高さ方向中心部に、取付部8aが上下に遊びをもっ
て嵌入可能な幅を有する係合溝18を凹設すると同時
に、この係合溝18を挟んでその上下の部分を、ガイド
面12a・12bに対して傾斜した互いに平行な2つの
平面に沿って切り落として上下に第1・第2の2つの傾
斜面19・20を形成した略鋸歯形状の断面形状をなし
ている。
【0014】第2ブロック15は、第1ブロック14と
同一形状のものであり、第1ブロック14に対して傾斜
面19・20が互いに入れ違った状態で接するように組
み付けられている。これらのブロック14・15は、例
えばフッ素樹脂のように弾性に富み、かつ自己潤滑性に
富む合成樹脂材にて形成されている。
【0015】ブロック14・15の外周面には、板ばね
16の取付溝22が凹設されている。この取付溝22に
板ばね16を装着した上でブロック14・15をガイド
溝12に嵌入すると、板ばね16が押し広げられた状態
となり、ブロック14・15に摺動方向の圧縮力が作用
するようになっている。
【0016】この板ばね16の圧縮力は、傾斜面19・
20の作用で、ガイド面12a・12bに直交する向き
にブロック14・15を押し出す力に変向され、第1ブ
ロック14の上面14aが上側のガイド面12aに、第
2ブロック15の下面15bが下側のガイド面12bに
それぞれ圧接する。このとき、第1ブロック14の下面
14bと下側のガイド面12bとの間、並びに第2ブロ
ックの上面15aと上側のガイド面12aとの間にはそ
れぞれ僅かな隙間が形成される。
【0017】このように傾斜面19・20の作用で板ば
ね16の圧縮力がこれに直交する向きの押出力に変向さ
れるが、このとき、板ばね16のばね力が作用する方向
に対する傾斜面19・20の傾斜角度を45゜より小さ
く設定することで倍力作用が得られる。本実施形態のよ
うに傾斜面を複数設けると、ガイドシューの寸法を大き
くしなくても傾斜面の傾斜角度を小さく設定することが
でき、後に説明する傾斜面を1つ備えた態様に比較し
て、大きな押出力が得られる点で有利である。
【0018】なお、ステー8の取付部8aの下面に接す
る第1ブロック14に対して、取付部8aを介してスラ
イドパネルの重量が作用する。このスライドパネルの重
量は、傾斜面19・20を介して第2ブロック15に伝
達され、板ばね16によるブロック14・15の押出力
を減衰させるように作用するが、板ばね16のばね力を
適切に設定することでがたつきを回避し得る。
【0019】一方、摺動推力発生手段としてのステー8
に矢印Aで示す向きの推力が生じると、取付部8aの摺
動方向の前端面が第1ブロック14の係合溝18の底面
を押圧して、第1ブロック14が摺動を始める。このと
き、第2ブロック15には取付部8aからの推力が殆ど
作用せず、第2ブロック15は板ばね16を介して牽引
された状態で摺動する。したがって、両ブロック14・
15間には第2ブロック15と下側のガイド面12bと
の間の摺動抵抗を差し引いた大きさのばね力が作用する
ことになり、ブロック14・15とガイド面12a・1
2bとの間の接触圧が低下し、結果として摺動抵抗が小
さくなる。矢印Aで示す向きと逆方向の推力が取付部8
aに生じる場合も前記と同様にして摺動抵抗が小さくな
る。
【0020】ところで、このようにガイドシューを一対
のブロック14・15で構成すると、製造工程での取扱
が面倒になることから、図4に示すように、両ブロック
14・15を相互に連結する連結部23を板ばね16の
取付溝22を避けるように設けて、両ブロック14・1
5を一体成型するように構成すると良い。この連結部2
3は、両ブロック14・15の相対変位を過度に拘束し
ない程度の柔軟性を有するものが望ましく、ここでは、
比較的薄肉で、かつ両ブロック14・15の相反する側
の端部を相互に連絡するように長尺に形成されている。
【0021】図5及び図6は、本発明によるスライドパ
ネルのガイドシューのもう一つの実施形態を示してい
る。このガイドシューは、前記図2及び図3に示した実
施形態と同様に、互いに同一な形状の第1・第2の一対
のブロック31・32と、ブロック31・32を挟み込
む略C字形状をなす板ばね33とで構成されている。
【0022】ブロック31・32には、前記実施形態と
は大きく異なり、1つの傾斜面34しか形成されておら
ず、しかも各々の中心部に穿設された係合孔37にステ
ー8の第1・第2の一対の取付部35・36をそれぞれ
嵌合することで、ステー8に装着されるようになってい
る。係合孔37は、取付部35・36がそれぞれ上下並
びに前後に所要の遊びをもって嵌入可能な寸法に形成さ
れている。この係合孔37の互いに対向する一対の角隅
部には、傾斜面34と同じ向きに傾斜したテーパー面4
0が形成されている。
【0023】このように構成すると、前記図2及び図3
に示した実施形態に比較して、ステー8への取付性が良
くなる。すなわち、前記実施形態では、ブロック14・
15に板ばね16を装着することで、両ブロック14・
15の係合溝18により画成される孔の寸法が小さくな
り、取付部8aへの装着が面倒になるのに対して、本実
施形態ではこのような不都合は生じない。すなわち、板
ばね33をブロック31・32の外周に凹設された取付
溝39に装着することで、両ブロック31・32の係合
孔37同士の間隔が狭くなるものの、係合孔37の寸法
に変化がないため、比較的簡単にステー8に装着するこ
とができる。
【0024】一方、前記の実施形態に比較して、板ばね
33のばね力の作用方向に対する傾斜面34の傾斜角度
が大きくなるため、ブロック31・32を挟み込む板ば
ね33の圧縮力を両ブロック31・32を上下に押し出
す力に変換する際の傾斜面34による倍力作用はあまり
期待し得ない。
【0025】摺動抵抗の低減作用は、前記の実施形態と
略同様である。すなわち、矢印Aで示す向きの推力がス
テー8に生じると、第1取付部35の摺動方向前側の端
面が第1ブロック31の係合孔37の面を押圧すること
で第1ブロック31が摺動を始める。一方、第2ブロッ
ク32の係合孔37と第2取付部36との間には間隙が
あるために第2取付部36から第2ブロック32に推力
が殆ど作用せず、第2ブロック32は板ばね33を介し
て牽引された状態で摺動を始める。このため、第2ブロ
ック32の摺動抵抗を差し引いた大きさのばね力が両ブ
ロック31・32間に作用し、ブロック31・32とガ
イド面12a・12bとの間の接触圧が低下して摺動抵
抗が小さくなる。推力が矢印Aで示す向きと逆方向に作
用する場合も同様して摺動抵抗が低減する。
【0026】なお、前記の両実施形態では、一対のブロ
ックと1つのばね部材とでガイドシューを構成したが、
本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ブロ
ックの個数を3以上とすることも可能である。もっと
も、ブロックの個数を殊更増やしても機能上大差ないか
若しくは却って低下する場合もあり、通常、前記のとお
り一対のブロックで構成すれば十分である。
【0027】ところで、前記図1に示したスライドパネ
ル1は、プッシュプルケーブルを減速機付きモータにて
押し引き駆動することによって開閉駆動されるが、前記
の各実施形態では、このスライドパネル1の開閉動作に
追随して動作するステー8に装着したガイドシューにつ
いて示した。そこでは、摺動推力がステー8からガイド
シューを構成するブロックに作用しており、ステー8が
摺動推力発生手段として機能している。これに対して、
プッシュプルケーブルの駆動力がスライドパネル1並び
にステー8を介さずに直接、摺動推力としてガイドシュ
ーに作用する態様も可能であり、その場合の一例を図7
に示す。
【0028】ここでは、前記の図2及び図3に示したガ
イドシュー9と同一構成のガイドシュー51が、プッシ
ュプルケーブル52の端末のケーブルホルダ53と一体
的に形成された係合部材54に装着されており、この係
合部材54が摺動推力発生手段として機能する。プッシ
ュプルケーブル52並びにケーブルホルダ53は、ガイ
ドレール55に設けられたC字状部56に内設されてお
り、その内溝に沿って変位するケーブルホルダ53に追
随して動作する係合部材54から摺動推力がガイドシュ
ー51を構成するブロック14・15に作用し、前記と
同様の原理で、小さな摺動抵抗でガイドシュー51がT
字状部57の内側のガイド溝に沿って摺動する。
【0029】なお、ここでは図示しないが、プッシュプ
ルケーブル52の駆動力をスライドパネルに伝達するた
め、例えば、スライドパネル側に一端が連結された部材
の他端を、C字状部56とT字状部57との間の間隙を
通って係合部材54に連結させる等、適宜な形態の連結
部材を介してケーブルホルダ53とスライドパネルとが
相互に連結されている。
【0030】
【発明の効果】このように本発明によれば、摺動時にガ
イド面に対するブロックの接触圧が低下するため、ばね
力を小さくすることなく摺動抵抗を低減することが可能
となり、がたつきがなく、かつ摺動抵抗が小さく摩耗し
難いガイドシューを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたスライドルーフの要部縦断
面図。
【図2】本発明によるガイドシューの側面図。
【図3】図2に示したガイドシューの分解斜視図。
【図4】図2に示したガイドシューの変形例を示す分解
斜視図。
【図5】本発明によるガイドシューの他の実施形態を示
す側面図。
【図6】図5に示したガイドシューの分解斜視図。
【図7】本発明によるガイドシューの他の実施形態を示
す斜視図。
【符号の説明】
1 スライドパネル 2 固定ルーフ 3 開口 4 ガイドレール 5a・5b シール部材 6 接着剤 7 パネルホルダ 8 ステー、8a 取付部 9 ガイドシュー 10 ベース部 11 T字状部 12 ガイド溝、12a・12b 上下のガイド面 14・15 ブロック 16 板ばね 18 係合溝 19・20 傾斜面 22 取付溝 23 連結部 31・32 ブロック 33 板ばね 34 傾斜面 35・36 取付部 37 係合孔 39 取付溝 40 テーパー面 51 ガイドシュー 52 プッシュプルケーブル 53 ケーブルホルダ 54 係合部材 55 ガイドレール 56 C字状部 57 T字状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−282019(JP,A) 特開 平3−25026(JP,A) 実開 平7−23621(JP,U) 実開 昭63−188220(JP,U) 実公 平2−28968(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60J 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の固定ルーフに形成された開口の
    開閉を行うスライドパネルを、固定ルーフ側に設けられ
    たガイドレールに対して摺動可能に支持するためのガイ
    ドシューであって、 当該ガイドシューは、前記ガイドレールの互いに対向す
    る一対のガイド面に対するそれぞれの対応関係が定めら
    れた複数のブロックからなり、 前記複数のブロックの各々は、摺動方向についての圧縮
    力をばね部材により加えられると共に、前記ばね部材の
    圧縮力を該圧縮力に直交する向きの押出力に変向させる
    傾斜面を介して相互に当接しており、 前記複数のブロックのうちの主に摺動方向前側に位置す
    るものに摺動推力が加わるように前記複数のブロックを
    摺動推力発生手段に係合させていることを特徴とするス
    ライドパネルのガイドシュー。
  2. 【請求項2】 前記複数のブロックは、可撓性に富む
    連結部を介して相互に連結された態様で合成樹脂材料に
    て一体成型されたものであることを特徴とする請求項1
    に記載のスライドパネルのガイドシュー。
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