JP2898242B2 - 酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄剤 - Google Patents

酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄剤

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JP2898242B2 JP8066988A JP6698896A JP2898242B2 JP 2898242 B2 JP2898242 B2 JP 2898242B2 JP 8066988 A JP8066988 A JP 8066988A JP 6698896 A JP6698896 A JP 6698896A JP 2898242 B2 JP2898242 B2 JP 2898242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンタクトレンズ、特に
酸素透過性のハードコンタクトレンズの洗浄に用いる洗
浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素透過性のハードコンタクトレンズの
洗浄に対して、従来は一般のコンタクトレンズと同様に
塩素系洗浄剤が用いられていた。塩素系洗浄剤は脱脂力
が大きいと共に蛋白質分解能も大きく短時間に汚れを除
去するためである。ところが、塩素は眼に刺激を与え眼
の炎症の原因となるため危険であり、装用前には、コン
タクトレンズを十分に水洗する必要があり取り扱いが面
倒となっていた。このため、安全性の観点から酵素系洗
浄剤が近年、開発されている。これは、酵素の蛋白質分
解活性を利用して汚れを除去するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら酵素系洗
浄剤はおだやかな洗浄を行う反面、脱脂性などの洗浄力
が塩素系洗浄剤よりも劣り、汚れを十分に除去できない
間題がある。特に酸素透過性のコンタクトレンズは長時
間、装用ができるとことから、汚れが付着しやすいと共
に強固に付着する。このため酸素透過性のコンタクトレ
ンズに対して、酸素系洗浄剤は十分に作用していないの
が現状である。本発明は上記事情を考慮してなされたも
のであり、安全性が高く、しかも酸素透過性のハードコ
ンタクトレンズの汚れを十分に除去できる洗浄力を有
し、取り扱い性が良好な洗浄剤を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の洗浄剤は、過炭
酸塩、蛋白分解酵素、界面活性剤および中和剤を含有し
た顆粒状となっており、水に溶解して使用することを特
徴とし、また、前記過炭酸塩および蛋白質分解酵素の少
なくとも一方が水溶性コーティング剤によりコーティン
グされた顆粒状となっていることを特徴とし、また、前
記過炭酸塩が過炭酸ナトリウム、蛋白質分解酵素がズブ
チリシン、界面活性剤が非イオン系界面活性剤、中和剤
がチオ硫酸塩および硼酸であることを特徴とし、また、
水への溶解時に前記過炭酸ナトリウムが0.1〜5.0
%であり、前記ズブチリシンが0.0001〜0.01
ユニット/mlの分解酸素活性となるように調合されて
いることを特徴とする。以上のような本発明の洗浄剤を
溶解する水とは、水道水、精製水、蒸留水、生理食塩水
あるいは市販されている界面活性剤入りの酸素透過性コ
ンタクトレンズ保存液を指すものである。
【0005】本発明において、過炭酸塩は炭酸塩に過酸
化水素が配位したペルオクソ炭酸塩である。この過炭酸
塩は乾燥状態では安定しているが、水に溶かすと急速に
分解して、過酸化水素を生じる。この過酸化水素からは
酸素が遊離し、この遊離酸素が有機物を分解する。この
ため脂質の除去に有効となる。この過炭酸塩としては、
過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウムの内の1種または複
数を用いることができる。過炭酸ナトリウムの場合、N
CO・H、NaCO・2/3H
その他の化学式のものを選択することができる。また過
炭酸塩の配合比は、本発明の洗浄剤が水に溶かして用い
ることから水への溶解時の濃度から決定される。例え
ば、過炭酸塩として過炭酸ナトリウムを用いる場合、水
への溶解時に0.1〜5.0%、好ましくは1.0〜
3.0%の濃度となるように、その配合比が設定され
る。
【0006】蛋白質分解酵素は、その蛋白分解活性によ
り蛋白質を分解するものである。この蛋白質分解酵素と
しては、ズブチリシン、トリプシンなどの1種または複
数を選択できる。蛋白質分解酵素は単独で蛋白質を分解
するが、本発明では過炭酸塩と共に用いる点に特徴があ
る。すなわち、上述の蛋白質分解酵素は過炭酸塩との共
存下において、蛋白質分解能が飛躍的に増強される。こ
の理論的根拠は未だ、明らかではないが、過炭酸塩から
生じた酸素により酵素活性が高まるためと、蛋白質分解
酵素が分解しにくい脂質を過炭酸塩が分解するため、蛋
白質に直接にアタックできるためと思われる。いずれに
しても、過炭酸塩との共存下では、蛋白質分解能が相乗
的に増強される経験則から、本発明の洗浄剤は汚れを強
力に除去することができる。この蛋白質分解酵素の配合
比も、水への溶解時を基準として決定され、ズブチリシ
ンの場合、水溶液中に0.0001ユニット/ml〜
0.01ユニット/mlの分解酵素活性を有するように
配合される。
【0007】界面活性剤はその界面活性によりコンタク
トレンズと水との接触を助長する。本発明の洗浄剤の洗
浄対象が酸素透過性のハードコンタクトレンズであり、
このコンタクトレンズは疎水性を有している。界面活性
剤はこの疎水性のコンタクトレンズ表面の濡れ性を向上
させ、レンズ表面と水との接触を図る。これにより水溶
液中の過炭酸塩および蛋白質分解酵素がレンズ表面に有
効に作用して、汚れの除去が行われる。かかる界面活性
剤は眼への刺激性の観点から非イオン系界面活性剤が良
好であり、特にブルロニック界面活性剤(商品名)が有
効である。なお界面活性剤の配合比は10%前後であ
り、特に限定するものではない。中和剤は洗浄剤の液性
を中性、より好ましくはpH8程度の弱アルカリ性とす
ると共に、この液性を安定させるために使用する。洗浄
剤の液性を中性あるいは弱アルカリ性とすることによ
り、コンタクトレンズに対するアタック性がなくなり、
安全に使用できると共に、コンタクトレンズの洗浄に使
用した洗浄剤をそのまま保存液として使用することがで
きる。かかる中和剤としては、チオ硫酸塩及び硼酸を使
用するものである。チオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナト
リウム(Na)、チオ硫酸カルシウム(Ca
)等を選択できるが、特に、解毒剤として使用
されているチオ硫酸ナトリウムが良好である。硼酸(H
BO)は弱酸であり、これをチオ硫酸塩と共に使用
することにより、チオ硫酸塩のアルカリ度を低減させ
る。これにより洗浄剤の液性を中性、より好ましくは弱
アルカリ性とすることができる。また、硼酸はそれ自体
が殺菌力及び防腐力を有している。このため硼酸を用い
ることにより、レンズ面の細菌の繁殖やかびの発生を防
止することができる。かかる硼酸としては、オルト硼
酸、メタ硼酸、四硼酸のいずれも使用することができ
る。
【0008】本発明の洗浄剤は以上の組成が顆粒状の形
態で供給される。使用に際しては、上述した各種の水の
内の一種に溶解し、この水溶液にコンタクトレンズを浸
漬して、1晩(例えば6〜8時間)放置することにより
洗浄する。この浸漬により、レンズ表面の汚れを除去で
きるばかりでなく、レンズ内部の着色も漂白することが
できる。また、経時的使用においても、レンズを変色さ
せることがない。顆粒状として供給する場合、各化合物
の相互接触により、過炭酸塩が分解したり、蛋白質分解
酵素の分解活性が低下することがある。このため、各化
合物を個々に分包し、使用時に精製水に溶解、混合して
も良い。これに限らず、本発明では、過炭酸塩、蛋白質
分解酵素の内のいずれか一方または双方を水溶性コーテ
ィング剤によりコーティングしたカプセルとすることが
できる。図1はこのカプセルの一例を示し、内層1に過
炭酸塩または蛋白質分解酵素が充填され、この内層1を
包む外層2が水溶性コーティング剤から構成される。本
発明では、かかる外層2の厚さを適宜、変更して、その
溶解時間を調整することができる。すなわち過炭酸塩、
蛋白質分解酵素が効力を発揮する時期を外層2の厚さで
調整するものである。図2はカプセルの別例を示し、全
体が4層となっている。最内層の第1層3には過炭酸
塩、蛋白質分解酵素の内のいずれか一方が充填され、中
間層の第3層5には他方が充填されている。そして、こ
れらの化合物が水溶性コーティング剤からなる第2層4
によって分画されて相互接触が防止されており、これら
の全体が水溶性コーティング剤からなる第4層6により
包まれている。図3はカプセルのさらに別例を示し、第
1のカプセル10および第2のカプセル20の2種類か
らなり、これらのカプセル10、20の所定量が袋体3
0に封入されている。第1のカプセル10は内層11に
過炭酸塩が充填され、この内層11が水溶性コーティン
グ剤からなる外層12に包まれている。第2のカプセル
20には蛋白質分解酵素が充填された小カプセル21
と、チオ硫酸塩及び硼酸からなる中和剤が充填された小
カプセル22とがそれぞれ適量充填され、これらの小カ
プセル21、22の全体を水溶性コーティング剤からな
る外層23が包んでいる。この第2のカプセル20にお
ける小カプセル21、22は第1のカプセル10あるい
は図1に示すカプセルと同様な二層構造となっている。
この図3に示すカプセルにおいては、水との接触当初
(たとえば15秒後)に第1のカプセル10が溶解し、
その後、所定時間(例えば30分)経過後に第2のカプ
セル20が溶解するように、それぞれのカプセル10、
20の外層12、23の厚さを調整する。これにより過
炭酸塩の作用により蛋白質を含む有機物が簡単な構造と
なるまで分解され、この状態で蛋白質分解酵素が有機物
に作用するため、蛋白質を確実に分解でき、洗浄性が向
上する。なお、これらのカプセル10、20を封入する
袋体としては、アルミニウム箔とプラスチックフィルム
とを積層したシート材を用いるものであり、これにより
光や湿気が遮断されて過炭酸塩の分解や蛋白質分解酵素
の失活を防止することができる。これらの場合における
水溶性コーティング剤としては、HPMC(ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース),PEG(ポリエチレング
リコール),HEC(ピドロキシエチルセルロース)あ
るいはゼラチンを適宜、選択することができる。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】表3は以上の洗浄結果を加味して各洗浄剤
の特性を表したものであり「○○」が優、「○」が良、
「△」がやや否、「×」が否を示す。なお「内部着色」
はコンタクトレンズの内部着色の除去能を、「変色」は
レンズ表面の透明度劣下をそれぞれ示す。
【0012】
【表3】
【0013】図4はこの実施の形態における製造プロセ
スを示す。過炭酸ナトリウムとエマルゲンPP−290
をエタノール内で混合した後、乾燥することで、過炭酸
ナトリウムをエマルゲンPP−290でコーティングす
る。このコーティング物に対して、チオ硫酸ナトリウム
と硼酸とを混合し、さらにズブチリシンとしてサブチリ
シンAである商品名「クリアレンズプロ2.5MG」を
添加し、混合の後、包装することで製品とするものであ
る。
【0014】
【発明の効果】本発明の洗浄剤は過炭酸塩と蛋白質分解
酵素とにより、脂質および蛋白質を除去し、界面活性剤
によりレンズへの濡れ性を向上し、中和剤により液性を
弱アルカリ性とするため、酸素透過性ハードコンタクト
レンズの汚れを確実に落とすことができる。また、安全
性が高いと共に、顆粒状のため取り扱いやすく、洗浄操
作も簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーティングの一例を示す断面図
【図2】コーティングの別例を示す断面図
【図3】コーティングのさらに別例を示す状態図
【図4】製造工程を示すフローチャート
【符号の説明】
1 内層 2 外層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過炭酸ナトリウムと、蛋白質分解酵素で
    あるズブチリシンと、非イオン系界面活性剤と、中和剤
    として作用するチオ硫酸塩及び/または硼酸と、を含有
    する顆粒状に形成されており、該顆粒状体を水に溶解し
    て使用する酸素透過性ハードコンタクト用洗浄剤であっ
    て、前記過炭酸塩ナトリウムおよびズブチリシンの少な
    くとも一方が水溶性コーティング剤によってコーティン
    グされた顆粒状に形成されたことを特徴とする酸素透過
    性ハードコンタクトレンズ用洗浄剤。
  2. 【請求項2】 水に溶解した際に、前記炭酸ナトリウム
    が0.1〜5.0%であり、前記ズブリシチンが0.0
    001〜0.01ユニット/mlの分解酸素活性となる
    ような配合比に調合されていることを特徴とする、請求
    項1に基際の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄
    剤。
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