JP2897317B2 - 浴室用演出照明器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は浴室のムード照明として利用する間接照明の
構成およびその取り付け手段に関するものである。

従来の技術 従来、浴室の照明は照度を得る事を目的とするもので
あり、白熱灯を壁や天井面に設けるものがほとんどであ
った。しかし、近年生活が豊かになり入浴も単に汚れを
落とす、汗を流すという本来の目的以外に、入浴を楽し
むあるいは入浴時間を有効に活用する事が望まれるよう
になり、これに答えるために種々の機能を持ったシステ
ムバスが種々提案され始めた。これに伴い、浴室の照明
も色や照明方法を変化させるムード照明が導入されるよ
うになりつつある。

たとえば第４図に示すような、特願平１−36795号に
記載のものは天井面１に埋め込んだ照明器具２に白熱灯
３と蛍光灯４の２灯を設け、蛍光灯４を青色蛍光管とし
てスイッチ（図示せず）により浴室Ａの照明色を切り替
えるものが提案されている。特に青色蛍光管４は浴室を
スチームで充満させてスチーム浴を楽しむ場合などに、
幻想的な雰囲気を演出するのに非常に有効である。

また、ドーム型天井に間接照明を組み込んだものも天
井の奥行きを演出する上で効果があり、市場で人気を読
んでいる。

発明が解決しようとする課題 しかし、第４図の構成では天井１の形状が固定されて
しまい浴室空間を広く感じさせるドーム型天井には使用
できない。また集合住宅などで階高が制限されるなどで
天井面に照明器を設置できない構成の浴室や、建築の構
成上、浴室の壁から外部に突出する事が許されない浴室
では演出照明が取り付けられないという課題があった。

また間接照明は演出効果が得られるが照度が低下し、
天井の全周に設けない限り、浴室全体が薄暗い感じにな
ってしまうという課題があった。

本発明の第１の目的は、色の異なる蛍光灯を少なくと
も２本使用して間接照明で演出効果を得る構成で、個々
の蛍光灯の光が干渉しない構成を得る事にある。

また、間接照明で有るにも関わらず、浴室内が暗くな
る事を防止する直接照明の効果も得られる構成を実現す
る事を第２の目的とする。

さらに、間接照明の光が浴室のドーム天井部の湾曲面
に沿って照射される構成を得る事を第３の目的とする。

さらに、青色蛍光灯の光がシェードの下部から透過し
てムードの向上を得る構成を実現する事を第４の目的と
する。

また、浴室天井をフラット部とドーム部に分離し、そ
の接合部に設けたドーム天井を間接光で照射する間接照
明器で、フラット天井部にも間接光を照射させて浴室全
体を照明する事を実現する構成を得る事を第５の目的と
する。

課題を解決するための手段 本発明の浴室用演出照明器は、上記第１の課題を解決
するために、発光色の異なる少なくとも２灯の蛍光灯
と、この蛍光灯を取り付ける照明器台とからなり、照明
器台には各々の蛍光灯管が段違いになるように配置して
電力を供給する構成の蛍光灯ソケットを有する構成とし
た。

また第２の課題を解決するために、発光色の異なる少
なくとも２灯の蛍光灯と、この蛍光灯を浴室の垂直面に
段違いになるように取り付ける照明器台と、蛍光灯を覆
い間接光により浴室を照明するシェードとからなり、シ
ェードには蛍光灯の光を透過する窓を設けた構成とし
た。

さらに第３の課題を解決するために、発光色の異なる
少なくとも２灯の蛍光灯と、この蛍光灯を浴室のドーム
状の天井の一部に設けた垂直面に段違いに取り付ける照
明器台と、蛍光灯を覆い間接光により浴室の天井を照明
するシェードとからなり、このシェードには蛍光灯の光
を透過する窓を設けた構成とした。

第４の課題を解決するために、白色に発光する第１の
蛍光灯と、青色に発光する第２の蛍光灯と、各々の蛍光
灯を浴室の垂直面に水平に保持し、且つ第１の蛍光灯を
上部に、第２の蛍光灯を下部に取り付けるように段差を
設けて配された蛍光灯ソケットを有する照明器台と、蛍
光灯を覆い間接光により浴室を照明するシェードとから
なり、このシェードには蛍光灯の光を透過する窓を設け
た構成とした。

また第５の課題を解決するために、浴室の天井を２分
して一方をドーム型に、他方をフラットに構成し、ドー
ム天井部とフラット天井部の接続部に垂直面を設ける構
成とし、この垂直面に発光色の異なる２灯の蛍光灯と、
この蛍光灯を段差を設けて取り付ける照明器台と、この
蛍光灯を覆い間接光によりドーム天井部を照明するシェ
ードとからなり、シェードには蛍光灯の光がフラット天
井面にも光を照射する後部窓を設けた構成とした。

作用 本発明の浴室用演出照明器は、上記第１の手段より、
色の異なる蛍光灯を少なくとも２本使用して間接照明で
演出効果を得る構成に於いて、個々の蛍光灯の光が干渉
せずに光が有効に照射されるという作用を有する。

また第２の手段により、間接照明にも関わらず、直接
照明の効果も得られ、浴室内が暗くなる事を防止すると
いう作用を有する。

さらに第３の手段により、間接光がドーム天井の曲面
に沿って照射され、さらに直接光で浴室内部を照らすと
いう作用を有する。

第４の手段により、間接照明光および直接照明光の色
が暖色系の白色と寒色系の青色に切り替え、季節や雰囲
気に応じて浴室内の照明を任意に選択できるという作用
を有する。

最後に第５の手段により、浴室天井を２分割にして、
半面をドームに、他面をフラットに構成する事により、
天井裏の施工、メンテの向上をはかると同時に、フラッ
ト面とドーム面共に間接照明光が照射できるという作用
を有する。

実施例 以下、本発明の実施例を第１図から第３図を用いて説
明する。

第１図で５と６は発光色が異なる例えば直管の蛍光灯
で、５は白色で６は青色の発光をするものである。各々
の蛍光灯は蛍光灯ソケット7,8により電力を供給される
と共に照明器台９に段差を設けて設置されている。10は
蛍光灯5,6を覆い浴室天井との間隙から蛍光灯の光を間
接光として照射するためのシェードである。シェード10
には蛍光灯の光を直接光として浴室を照らすための窓11
を設けてある。

第２図に実際の取付状態を示す。第１図と同一部品は
同一符号を付す。ここでは浴室Ａの側壁12と天井13の角
部に照明器台９を取り付けた例である。白色蛍光灯５の
光は図の実線矢印、青色蛍光体６の光は破線矢印に示す
ように浴室に照射される。この例では窓11からの直接光
は青色蛍光灯６の光が主体であり白色蛍光灯５の光はほ
とんど間接光として照射される。また青色蛍光灯６の光
もソケット7,8で段差を設けているために白色蛍光灯５
の下をくぐり、間接光として照射される。（矢印ｂ）窓
11から白色蛍光灯５の光を照射させるのであれば青色蛍
光灯６と白色蛍光灯５を交換して設置すれば良い。

第３図に浴室のドーム天井に本発明の浴室用演出照明
器を取り付けた例を示す。照明器台９はドーム天井14の
一部に設けた垂直面15に設置される構成としている。

この構成で間接光は矢印ｃのようにドーム天井14の曲
面に沿って照射される。また窓11から直接光（矢印ｄ）
が浴室内を照らす。

第２図，第３図の実施例では青色蛍光灯６を白色蛍光
灯５の下部に配置し、且つ蛍光灯ソケット8,9により白
色蛍光灯５が青色蛍光灯６よりも照明器台９から離れた
位置に段差を設けて設置されている。さらにシェード10
に設けた窓11は青色蛍光灯６に対向して開口される構成
となっている。この構成により白色蛍光灯５を点灯した
ときには間接光ｃで浴室内をソフトに照明し、青色蛍光
灯６を点灯したときには白色蛍光灯５と同様間接光ｃで
浴室全体を照射すると同時に窓11より直接光ｄが照射さ
れ、浴室のタブ16や洗い場17から青色の光が眺める事が
できる。

さらに第３図では浴室の天井をドーム天井14とフラッ
ト天井18に二分割とし、フラット天井18に天井換気扇19
等の天井設置機器や天井点検口（図示せず）を設ける構
成としている。これにより、ドーム天井14側に天井の上
のスペースが不要となり、種々の建築に対応できると同
時に設置工事やメンテナンスが容易になる。

このとき間接光は図の矢印ｃに示す方向でドーム天井
を照らす構成となるために、バスタブ側が暗くなり、何
等かの補助照明が必要となるが、本願発明ではシェード
10に後部窓20を設け、間接光が矢印ｅの方向にも照射す
る構成としてこれを解決した。

本発明で述べた浴室用演出照明器は、発光色の異なる
２灯の蛍光灯を段差を設けて浴室に設置するものである
が、個々の蛍光灯管の点消灯は任意の組み合わせで行っ
て良い。たとえば白色蛍光灯と青色蛍光灯をスイッチで
切り替えて使用する構成が一般的に考えられるが、２灯
同時に点灯する構成も蛍光灯の発光色の組み合わせによ
り新しい演出効果が期待できる。さらに本発明の器具と
他の照明器（例えば白熱灯）と組み合わせて使用する事
も容易に考えられる。

このように本発明は所期の目的を達成するように種々
展開できる。

発明の効果 （１）以上のように本発明の浴室用演出照明器は、発光
色の異なる少なくとも２灯の蛍光灯を段違いに設けて設
置し、これらの蛍光灯管を覆うシュードを有する構成と
したために、いずれの蛍光灯を点灯しても浴室内を間接
光により照明可能となり、好みや雰囲気に応じて任意な
色の間接照明が、スイッチ一つで切り替えて使用でき
る。

（２） さらに、これらの蛍光灯を浴室の側壁などの垂
直面に設け、またシェードには蛍光灯の光を透過する窓
を設ける構成とする事により、間接照明で有るにも関わ
らず、窓からの光の照射により浴室内が暗くなる事を防
止し、明るい浴室が演出できる。

（３） また、これらの蛍光灯をドーム型の浴室天井の
一部に設けた垂直面に設置する構成とすることにより、
間接光がドーム天井の湾曲面に沿って照射するため、種
々の色の光で天井面全体が光り、幻想的な雰囲気の中で
入浴を楽しむ事が実現できる。

（４） また、白色蛍光灯と青色蛍光灯を使用し、青色
蛍光灯を下側に配すると共に、この青色蛍光灯と対向す
る位置にシェードの窓を設けているから、冬季には白色
蛍光灯で照明し、夏季や浴室内が蒸気で充満している時
などは青色光で照明する事により、季節感や雰囲気を向
上させるとともに、青色光を点灯時にシェードに設けた
窓から青色の光りが下に照射され、浴室内の照度の向上
とムードの向上になる。

（５） 浴室天井を２分割し一方をドーム天井に、他方
をフラット天井にする構成とする事により、浴室の設置
作業性やメンテナンス性の向上につながるが、このとき
に本願発明の照明器具をドーム天井を間接光で照射する
ようにフラット天井部とドーム天井部の接続部に設置し
てシェードに後部窓を設けているから、間接光がフラッ
ト天井部にも照射され、他の補助照明を使用しなくても
フラット天井部が暗くなるのを防止でき、浴室全体が一
様に照明できる。

（６） 演出照明を実現するために必要な部材は照明器
具とシェードのみであり、非常にシンプルな構成で信頼
性、安全性共に高く、安価に種々の効果ある演出照明が
実現可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す浴室用演出照明器の分
解斜視図、第２図は同浴室に取り付けた状態を示す側面
図、第３図はドーム天井に取り付けた状態を示す浴室の
側断面図、第４図は浴室用演出照明器の従来例の断面図
である。 ５……白色蛍光灯（第１の蛍光灯）、６……青色蛍光灯
（第２の蛍光灯）、7,8……段差を設けた蛍光灯ソケッ
ト、９……照明器台、10……シェード、11……窓、12…
…浴室の側壁（浴室の垂直面）、13……浴室の天井、14
……ドーム天井部、15……天井の垂直面、18……フラッ
ト天井部、20……後部窓。

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】発光色の異なる少なくとも２灯の蛍光灯
   と、前記蛍光灯を取り付ける照明器台とからなり、前記
   照明器台には各々の蛍光灯管が段違いになるように配置
   して電力を供給する構成の蛍光灯ソケットを有する浴室
   用演出照明器。
2. 【請求項２】発光色の異なる少なくとも２灯の蛍光灯
   と、前記蛍光灯を浴室の垂直面に段違いになるように取
   り付ける照明器台と、前記蛍光灯を覆い間接光により浴
   室を照明するシェードとからなり、前記シェードには蛍
   光灯の光を透過する窓を設けた浴室用照明器。
3. 【請求項３】発光色の異なる少なくとも２灯の蛍光灯
   と、前記蛍光灯を浴室のドーム状の天井の一部に設けた
   垂直面に段違いに取り付ける照明器台と、前記蛍光灯を
   覆い間接光により浴室の天井を照明するシェードとから
   なり、前記シェードには蛍光灯の光を透過する窓を設け
   た構成の浴室用演出照明器。
4. 【請求項４】白色に発光する第１の蛍光灯と、青色に発
   光する第２の蛍光灯と、前記各々の蛍光灯を浴室の垂直
   面に水平に保持し、且つ第１の蛍光灯を上部に、第２の
   蛍光灯を下部に取り付けて両者間に段差を設けて配され
   た蛍光灯ソケットを有する照明器台と、前記蛍光灯を覆
   い間接光により浴室を照明するシェードとからなり、前
   記シェードには蛍光灯の光を透過する窓を設けた浴室用
   演出照明器。
5. 【請求項５】浴室の天井を２分して一方をドーム型に、
   他方をフラットに構成し、前記ドーム天井部とフラット
   天井部の接続部に垂直面を設ける構成とし、この垂直面
   に発光色の異なる２灯の蛍光灯と、前記蛍光灯を段差を
   設けて取り付ける照明器台と、前記蛍光灯を覆い間接光
   によりドーム天井部を照明するシェードとからなり、前
   記シェードには蛍光灯の光がフラット天井面にも光を照
   射する後部窓を設けた浴室用演出照明器。