JP2897175B2 - ウェーハ割断方法 - Google Patents

ウェーハ割断方法

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JP2897175B2
JP2897175B2 JP7192764A JP19276495A JP2897175B2 JP 2897175 B2 JP2897175 B2 JP 2897175B2 JP 7192764 A JP7192764 A JP 7192764A JP 19276495 A JP19276495 A JP 19276495A JP 2897175 B2 JP2897175 B2 JP 2897175B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脆性材料からなる
略方形ウェーハの割断方法に関し、特にウエーハを真直
ぐに割断する割断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウェーハのスクライブに用いるレーザス
クライブ法は、パルスモードのCO2レーザ、あるいは
YAGレーザを微小スポットに集光して走査し、ミシン
目状に微小穴開けを連続させる方法であるが、飛散した
溶融粒子の再付着により汚染が発生しやすい。
【0003】そこで、これらの問題点のないレーザ照射
による加熱を利用した割断方法が開発されている。
【0004】この割断方法を用いた、従来の半導体ウェ
ーハの割断方法の一例を図2から説明する。図におい
て、1は割断前半導体ウェーハ、2は割断後半導体ウェ
ーハで、第一割断片2a、第二割断片2b、第三割断片
2c、割断残り片2dに割断される。
【0005】3a〜3cは割断予定線(想像線)で、第
一割断予定線3a、第二割断予定線3b、第三割断予定
線3cからなり、半導体ウェーハ1の上辺1aから下辺
1b間に真直ぐに引かれている。4a〜4cは半導体ウ
ェーハ1の上辺1aの対応する割断予定線3a〜3c上
にダイヤモンドポイントで一定間隔に入れられた初亀
裂、5a〜5cは対応する初亀裂4a〜4cから割断予
定線3a〜3c上で下辺1b方向に略一定距離離して、
レーザを照射して加熱する最初のレーザ照射点である。
【0006】6a〜6cは割断面で、第一割断片2aと
第二割断片2b間の第一割断面6aの中間部6dは半導
体ウェーハ1の図の右辺1c側に微小寸法例えば0.2
〜0.3mm膨らんでいる。第二割断片2bと第三割断
片2c間の第二割断面6b、の中間部6eの膨らみは第
一割断面6aの中間部6dの膨らみより小さい。第三割
断面6cの中間部6fの膨らみはさらに小さい。
【0007】ここでは、割断されて分離された両側の割
断面6a〜6cは同じ記号を付し、また、割断面6a〜
6cの中間部6d〜6fも同様に同じ記号を付し説明し
た。
【0008】この割断方法を以下に説明する。半導体ウ
ェーハ1の上辺1aに一定間隔の割断予定線3a〜3c
上にダイヤモンドポイントで初亀裂4a〜4cを形成す
る。つづいて、第一割断予定線3a上の初亀裂4aから
第一割断予定線3a上で、下辺1b方向に一定距離離れ
た最初のレーザ照射点5aをレーザで照射して加熱し、
熱応力により第一割断面をレーザ照射点5aまで進行さ
せる。この操作を繰り返して半導体ウェーハ1の上辺1
aから下辺1bまで割断し、第一割断片2aを割断す
る。
【0009】このときの、第一割断面6aの中間部6d
近傍は右辺1c方向に膨らんでいる。この原因は、第一
割断予定線3aの左右で半導体ウェーハ1の大きさが異
なり、それにともなって熱の拡散速度が異なるためであ
る。熱の拡散の遅い第一割断片2a側、即ちレーザ照射
点5aの右辺1c側に徐々に熱が蓄積され温度が高くな
る。その結果、第一割断片2aの第一割断面6aは中間
部6dに向かうにしたがって右辺1c側に応力が集中す
る。初亀裂4a〜4cから進行する亀裂は応力が集中し
た方向に進行するために、右辺1c側に膨らんで割断さ
れる。レーザ照射点5aが第一割断予定線3aの下辺1
bに近付くにつれて、割断されていない下辺1b方向の
面積が狭くなり、下辺1b方向への熱拡散が遅くなり、
レーザ照射点5の両側の温度差は少なくなる。したがっ
て、第一割断面6a、6bは第一割断予定線3aに近付
いてくる。
【0010】つづいて、第二割断予定線3b上の初亀裂
4bから第二割断予定線3b上で、下辺1b方向に一定
距離離れた最初のレーザ照射点5bをレーザで照射して
加熱し、初亀裂4bをレーザ照射点5bまで進行させ
る。この操作を繰り返して半導体ウェーハ1の上辺1a
から下辺1bまで割断し、第二割断片2bを割断する。
【0011】このときの第二割断面6bの中間部6e近
傍は第一割断面6aの方向に膨らんでいる。しかし、第
一割断面6aの膨らみの大きさに比べると小さい。この
原因は、第二割断予定線3bの左右の半導体ウェーハ1
の大きさの比が、第一割断面6aの左右の面積の比に比
べて1に近くなり、温度の偏りが少なくなるためであ
る。
【0012】さらに、同様にして、第三割断予定線3c
を割断し、第三割断片2cを割断する。このときの、第
三割断予定線3cの左右の半導体ウェーハ1の大きさの
比がさらに1に近くなり、第三割断面6cの中間部6f
の膨らみはさらに小さくなる。
【0013】この割断方法においては、半導体ウェーハ
1をXYテーブル上に載せて、一定距離移動させてレー
ザを照射したり、半導体ウェーハ1を固定して、レーザ
を一定距離移動後照射したりしている。
【0014】しかし、上記割断法では、割断面6a〜6
cが曲がると言う問題があった。この問題を解決するた
めに、一部に用いられている割断法を図3から説明す
る。図において、11は割断前半導体ウェーハ、12は
割断後半導体ウェーハで、第一割断片12a、第二割断
片12b、第三割断片12c、と割断残り片12dに割
断される。
【0015】13a〜13cは半導体ウェーハ11の上
辺11aから下辺11bまで引かれたレーザ照射予定線
で、半導体ウェーハ11の右辺11cからレーザ照射予
定第一線13a、レーザ照射予定第二線13b、レーザ
照射予定第三線13cが形成されている。レーザ照射予
定第一線13aは中間部13dで、レーザ照射予定第二
線13b側に膨らんでいる。レーザ照射予定第二線13
bは中間部13eで同様にレーザ照射予定第三線13c
側に膨らんでいるが、レーザ照射予定第一線13aの中
間部13dの膨らみよりは小さい。レーザ照射予定第三
線13cの中間部13fの膨らみはさらに小さい。
【0016】14a〜14cは半導体ウェーハ11の上
辺11aの対応するレーザ照射予定線13a〜13c上
にダイヤモンドポイントで一定間隔で入れた初亀裂、1
5a〜15cは対応する初亀裂14a〜14cからレー
ザ照射予定線13a〜13c上で下辺11b方向に略一
定距離離して、レーザで照射して加熱する最初のレーザ
照射点、16a〜16cは割断面で、第一割断面16a
で第一割断片12aを割断し、第二割断面16bで第二
割断片12bを割断し、第三割断面16cで第三割断片
12cを割断する。ここでは、割断されて分離された両
側の割断面16a〜16cは同じ記号を付して説明す
る。
【0017】この割断方法を以下に説明する。半導体ウ
ェーハ11の上辺11aに一定間隔に形成したレーザ照
射予定線13a〜13c上に、ダイヤモンドポイントで
初亀裂14a〜14cを形成する。つづいて、半導体ウ
ェーハ11の幅と第一割断片12aの幅より予備実験で
求めた、第一割断面16aを曲がりのない真直ぐにする
ための、湾曲したレーザ照射予定第一線13aをレーザ
装置に記憶させる。つづいて、記憶させた湾曲したレー
ザ照射予定第一線13aに沿って初亀裂14aから一定
距離離れた位置の最初のレーザ照射点15aをレーザで
照射して加熱し、熱応力により初亀裂14aをレーザ照
射点15aまで進行させる。この操作を繰り返して下辺
11bまで進めて、第一割断片12aを割断する。
【0018】つづいて、半導体ウェーハ11から第一割
断片12aを除いた幅と第二割断片12bの幅より予備
実験で求めた、第二割断面16bを曲がりのない真直ぐ
にするための、湾曲したレーザ照射予定第二線13bを
レーザ装置に記憶させる。このレーザ照射予定第二線1
3bの湾曲は、レーザ照射予定第一線13aの湾曲より
小さい。つづいて、第一割断片12aと同様に第二割断
片12bを割断する。
【0019】つづいて、同様に第三割断片12cを割断
するが、割断残り片2dの幅が第三割断片12cの幅に
近付くとレーザ照射予定第三線13cは真直ぐに近付
く。しかし、事前に予備実験で確認しておく必要はあ
る。この曲がりは割断の割断幅の比と熱伝導度により異
なる。
【0020】この割断方法においても、半導体ウェーハ
11をXYテーブル上に載せて、一定距離移動させてレ
ーザを照射したり、半導体ウェーハ11を固定して、レ
ーザを一定距離移動後照射したりしている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記方法では、割断す
る両辺の幅で真直ぐに割断するためのレーザ照射予定線
13を決める予備実験をする必要があり、また、このと
きのレーザ照射予定線13の曲線を記憶させて、半導体
ウェーハ11またはレーザを移動させ、その曲線に沿っ
てレーザ照射する高価な設備を必要としていた。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために提案されたもので、脆性材料からなる略方形
ウェーハを割断予定線に沿ってレーザ照射で加熱して割
断する方法であって、割断予定線はウエーハの一辺の中
央に形成された初亀裂から、ウェーハを対称に割断する
ものであり、レーザ照射は初亀裂の先端近傍の割断予定
線上を照射し、熱応力により初亀裂から亀裂を進行さ
せ、この操作を繰り返すことを特徴とするウェーハ割断
方法を提供する。
【0023】また、ウェーハ割断方法を繰り返し、ウェ
ーハを短冊状に割断したり、レーザ照射する初亀裂の近
傍である位置が、初亀裂から5mm以内の位置であるウ
ェーハ割断方法を提供する。
【0024】さらに、ウェーハが化合物半導体ウェーハ
であるウェーハ割断方法を提供する。
【0025】
【作用】この割断において、割断予定線であるウェーハ
の中心線上にレーザを照射するので、このとき発生した
熱は左方向と右方向に同じように拡散するために、レー
ザ照射点の中心に応力が集中し、割断の先端から真っす
ぐに割断予定線上に割断が進行する。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図1から説明す
る。図において、31は脆性材料からなる略方形半導体
ウェーハ、32a〜32gは半導体ウェーハ31の上辺
31aの上辺割断点、33a〜33gは半導体ウェーハ
31の下辺31bの下辺割断点、34a〜34gは上辺
割断点32a〜32gから下辺割断点33a〜33gに
向かって割断する割断予定線、35a〜35gは上辺割
断点32a〜32gに形成した初亀裂、36a〜36g
は初亀裂35a〜35g近傍の割断予定線34a〜34
g上でレーザで照射し加熱する最初のレーザ照射点36
a〜36g、37は割断が完了した割断辺である。
【0027】この割断方法を以下に説明する。まず、半
導体ウェーハ31の上辺31aの中央、即ち第一割断予
定線34a上の第一上辺割断点32aにダイヤモンドポ
イントで初亀裂35aを付ける。つづいて、第一割断予
定線34a上で初亀裂35aの下辺割断点33a方向に
略一定距離離れた最初のレーザ照射点36aにレーザを
照射して加熱し、熱応力により初亀裂35aをレーザ照
射点36aまで進行させる。この操作を繰り返して下辺
31bまで割断する。
【0028】この割断において、第一割断予定線34a
である半導体ウェーハ31の中心線上にレーザを照射す
るので、このとき発生した熱は左辺31c方向と右辺3
1d方向に同じように拡散するために、レーザ照射点3
6aの中心に熱応力が集中し、初亀裂35aの先端から
真っすぐに亀裂が進行する。この操作を繰り返して割断
する。
【0029】中央の点から線対称に第二割断予定線34
b、34cに沿って割断し、つづいて、同様に第三割断
予定線第三34d〜34gに沿って割断し、短冊状割断
片37を形成する。
【0030】全ての初亀裂35a〜35gを最初につけ
て、順次割断してもよい。初亀裂35a〜35gの延長
線上で所定距離離れたレーザ照射点36a〜36gは、
5mm以下が適切である。
【0031】半導体ウェーハ11を例に説明したが、脆
性材料からなるウェーハであれば、セラミック等の非晶
質でも単結晶でもよい。単結晶を割断する場合に、結晶
面に沿って割断すると、結晶面に沿った割断面が現われ
る。特に、化合物半導体ウェーハに適用すると効果が大
きい。
【0032】さらに、同様に直角方向に割断して角状ペ
レットを形成することもできる。このとき、半導体ウェ
ーハ31では各短冊状割断片37毎に初亀裂35a〜3
5gをダイヤモンドポイントまたは硬度の高い物質で形
成するか、半導体ウェーハ31形成時に、初亀裂35a
〜35gの働きをする凹部を形成しておいてもよい。セ
ラミックでは粒界が初亀裂35a〜35gになる場合が
あるので、そのようなときは初亀裂35a〜35gを必
要としない。
【0033】図では割断毎に間隔を開けて記したが、こ
れは理解し易くするためで、割断する毎に間隔を開ける
必要はない。
【0034】レーザの照射点36a〜36gの移動は半
導体ウェーハ31を水平に載せたXYテーブルを一定距
離移動させて、レーザで照射してもよいし、レーザを一
定距離移動させてレーザで照射してもよい。
【0035】本方法は、予備実験を必要とせず、真直ぐ
にレーザを照射していけば、真直ぐに割断される。また
設備も簡単な装置でよい。
【0036】また、本方法ではレーザスクライブ法のよ
うに、溶融粒子の付着による汚染もなく、切り代も必要
としない。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、脆性材料からなるウェ
ーハを幅の中央に割断予定線方向を向けて初亀裂を形成
し、初亀裂の延長線上の割断予定線をレーザ照射で加熱
し、熱の拡散を初亀裂の両側に均等にすることにより、
応力によりレーザ照射点まで初亀裂を進行させ、この操
作を繰り返すことにより真直ぐに割断する。また、予備
実験を必要とせず、真直ぐにレーザを照射していけば、
真直ぐに割断される。また設備もウェーハまたはレーザ
がXY方向に直線状態で移動できる簡単な装置でよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明のウェーハ割断前の割断予定線
を示す平面図 (b)本発明のウェーハの第一割断完了後の平面図 (c)本発明のウェーハの第二割断完了後の平面図 (d)本発明のウェーハの第三割断完了後の平面図
【図2】 (a)従来のウェーハ割断前の割断予定線を
示す平面図 (b)従来のウェーハ割断後平面図
【図3】 (a)改善された従来のウェーハ割断前の割
断予定線を示す平面図 (b)改善された従来のウェーハ割断後平面図
【符号の説明】
31 略方形ウェーハ(半導体ウェーハ) 31a 一辺(上辺) 34a〜34g 割断予定線 35a〜35g 初亀裂 36a〜35g レーザ照射点

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脆性材料からなる略方形ウェーハを割断予
    定線に沿ってレーザ照射で加熱して割断する方法であっ
    て、上記割断予定線はウエーハの一辺の中央に形成され
    た初亀裂からこのウェーハを対称に割断するものであ
    り、上記レーザ照射は初亀裂の先端近傍の割断予定線上
    を照射し、熱応力により初亀裂から亀裂を進行させ、こ
    の操作を繰り返すことを特徴とするウェーハ割断方法。
  2. 【請求項2】前記ウェーハ割断方法を繰り返し、ウェー
    ハを短冊状に割断し、所定のウェ−ハの大きさにするこ
    とを特徴とする請求項1記載のウェーハ割断方法。
  3. 【請求項3】前記レーザの照射をする位置が、前記初亀
    裂から5mm以内の割断予定線上の位置であることを特
    徴とする請求項1記載のウェーハ割断方法。
  4. 【請求項4】前記ウェーハが化合物半導体ウェーハであ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のウェ
    ーハ割断方法。
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