JP2896665B2 - 木削片板およびその製造方法 - Google Patents
木削片板およびその製造方法Info
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- JP2896665B2 JP2896665B2 JP21391297A JP21391297A JP2896665B2 JP 2896665 B2 JP2896665 B2 JP 2896665B2 JP 21391297 A JP21391297 A JP 21391297A JP 21391297 A JP21391297 A JP 21391297A JP 2896665 B2 JP2896665 B2 JP 2896665B2
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- Japan
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- wood
- glyoxal resin
- wood chip
- adhesive substance
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
- Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木削片板およびその
製造方法に関する。
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】木削片板等の木質材の寸法安定性を向上
させるための一般的な技術として、WPC処理、アセチ
ル化処理、エーテル化処理、ポリエチレングリコール処
理、ホルマール化処理等が実施あるいは提案されてい
る。
させるための一般的な技術として、WPC処理、アセチ
ル化処理、エーテル化処理、ポリエチレングリコール処
理、ホルマール化処理等が実施あるいは提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術は各々、大がかりな設備を必要とする、処理時間
が長くかかる、木質材に変色を生じさせたり脆くさせ
る、あるいは処理剤の毒性や廃液の処理問題等の不利欠
点を伴い、生産性とコストを両立させることができない
ものであった。
の技術は各々、大がかりな設備を必要とする、処理時間
が長くかかる、木質材に変色を生じさせたり脆くさせ
る、あるいは処理剤の毒性や廃液の処理問題等の不利欠
点を伴い、生産性とコストを両立させることができない
ものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、生産性
に優れると共にコスト面でも有利な木削片板の寸法安定
化技術を提供することを目的とする。
に優れると共にコスト面でも有利な木削片板の寸法安定
化技術を提供することを目的とする。
【0005】この目的を達成するため、請求項1記載の
本発明による木削片板は、グリオキザール樹脂が含浸固
着された木削片が接着性物質を介して成形一体化されて
なることを特徴とする。
本発明による木削片板は、グリオキザール樹脂が含浸固
着された木削片が接着性物質を介して成形一体化されて
なることを特徴とする。
【0006】さらに本発明はかかる木削片板を製造する
ための方法を提供するものであって、請求項2記載の本
発明による木削片板の製造方法は、木材を切削して得ら
れた木削片にグリオキザール樹脂を含浸した後、加熱乾
燥して該木削片にグリオキザール樹脂を固着させ、かく
して得られた木削片を接着性物質を介して成形一体化す
ることを特徴とする。
ための方法を提供するものであって、請求項2記載の本
発明による木削片板の製造方法は、木材を切削して得ら
れた木削片にグリオキザール樹脂を含浸した後、加熱乾
燥して該木削片にグリオキザール樹脂を固着させ、かく
して得られた木削片を接着性物質を介して成形一体化す
ることを特徴とする。
【0007】請求項3記載の本発明による木削片板の製
造方法は、木材を切削して得られた木削片にグリオキザ
ール樹脂および接着性物質を添加して、グリオキザール
樹脂が含浸されると共に接着性物質が塗布された木削片
を得た後、加熱乾燥して該木削片にグリオキザール樹脂
を固着させ、かくして得られた木削片を前記接着性物質
を介して成形一体化することを特徴とする。
造方法は、木材を切削して得られた木削片にグリオキザ
ール樹脂および接着性物質を添加して、グリオキザール
樹脂が含浸されると共に接着性物質が塗布された木削片
を得た後、加熱乾燥して該木削片にグリオキザール樹脂
を固着させ、かくして得られた木削片を前記接着性物質
を介して成形一体化することを特徴とする。
【0008】請求項4記載の本発明による木削片板の製
造方法は、木材を切削して得られた木削片を加熱乾燥し
た後、該木削片にグリオキザール樹脂および接着性物質
を添加して、グリオキザール樹脂が含浸されると共に接
着性物質が塗布された木削片を得、かくして得られた木
削片を前記接着性物質を介して成形一体化することを特
徴とする。
造方法は、木材を切削して得られた木削片を加熱乾燥し
た後、該木削片にグリオキザール樹脂および接着性物質
を添加して、グリオキザール樹脂が含浸されると共に接
着性物質が塗布された木削片を得、かくして得られた木
削片を前記接着性物質を介して成形一体化することを特
徴とする。
【0009】請求項5は、請求項3または4の木削片板
の製造方法において、木削片へのグリオキザール樹脂お
よび接着性物質の添加を同時に行うことを特徴とする。
の製造方法において、木削片へのグリオキザール樹脂お
よび接着性物質の添加を同時に行うことを特徴とする。
【0010】請求項6は、請求項3または4の木削片板
の製造方法において、木削片へのグリオキザール樹脂お
よび接着性物質の添加を、いずれか一方を添加した後に
他方を添加するように行うことを特徴とする。
の製造方法において、木削片へのグリオキザール樹脂お
よび接着性物質の添加を、いずれか一方を添加した後に
他方を添加するように行うことを特徴とする。
【0011】請求項7は、請求項2ないし6のいずれか
の木削片板の製造方法において、グリオキザール樹脂に
触媒を添加して用いることを特徴とする。好ましくは、
グリオキザール樹脂の不揮発成分に対して触媒を0.5
〜23重量%添加して用いる(請求項8)。
の木削片板の製造方法において、グリオキザール樹脂に
触媒を添加して用いることを特徴とする。好ましくは、
グリオキザール樹脂の不揮発成分に対して触媒を0.5
〜23重量%添加して用いる(請求項8)。
【0012】請求項9は、請求項2ないし8のいずれか
の木削片板の製造方法において、グリオキザール樹脂に
多価アルコール類を添加して用いることを特徴とする。
好ましくは、グリオキザール樹脂の分子量と近似する分
子量を有する多価アルコール類を用いる(請求項1
0)。また、グリオキザール樹脂の不揮発成分に対して
重量比で80:20〜60:40の範囲で多価アルコー
ル類を混合して用いることが好ましい(請求項11)。
の木削片板の製造方法において、グリオキザール樹脂に
多価アルコール類を添加して用いることを特徴とする。
好ましくは、グリオキザール樹脂の分子量と近似する分
子量を有する多価アルコール類を用いる(請求項1
0)。また、グリオキザール樹脂の不揮発成分に対して
重量比で80:20〜60:40の範囲で多価アルコー
ル類を混合して用いることが好ましい(請求項11)。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による木削片板はグリオキ
ザール樹脂が含浸固着された木削片が接着性物質を介し
て成形一体化されてなることを特徴とするものであり、
これを製造するための好適な方法の一実施例について下
記に詳述する。
ザール樹脂が含浸固着された木削片が接着性物質を介し
て成形一体化されてなることを特徴とするものであり、
これを製造するための好適な方法の一実施例について下
記に詳述する。
【0014】木削片は、たとえば松、杉、檜等の針葉樹
材またはラワン、カポール、栗、ポプラ、ヤナギ等の広
葉樹材をチッパー、フレーカー等の切削装置を用いて切
削することにより、チップ状、ウエファー状、ストラン
ド状、フレーク状等の状態として得られるものである。
材またはラワン、カポール、栗、ポプラ、ヤナギ等の広
葉樹材をチッパー、フレーカー等の切削装置を用いて切
削することにより、チップ状、ウエファー状、ストラン
ド状、フレーク状等の状態として得られるものである。
【0015】木削片は一般に0.3〜1.0mm厚、1
0mm〜90mm幅のサイズで得られる。
0mm〜90mm幅のサイズで得られる。
【0016】木削片は、必要に応じて水洗し、乾燥装置
により乾燥した後、グリオキザール樹脂を塗布して含浸
する。
により乾燥した後、グリオキザール樹脂を塗布して含浸
する。
【0017】木削片へのグリオキザール樹脂の塗布含浸
は、たとえば、グリオキザール樹脂液中に木削片を浸漬
したり、混合装置に木削片を投入して該装置内において
グリオキザール樹脂をスプレー塗布することによって行
うことができる。
は、たとえば、グリオキザール樹脂液中に木削片を浸漬
したり、混合装置に木削片を投入して該装置内において
グリオキザール樹脂をスプレー塗布することによって行
うことができる。
【0018】また、木削片の内部全体にグリオキザール
樹脂を塗布含浸してもよく、あるいは木削片の表面層の
みにグリオキザール樹脂を塗布含浸してもよい。
樹脂を塗布含浸してもよく、あるいは木削片の表面層の
みにグリオキザール樹脂を塗布含浸してもよい。
【0019】グリオキザール樹脂が塗布含浸された木削
片を加熱乾燥して、該木削片にグリオキザール樹脂を固
着させた後、混合装置に投入して該装置内において接着
性物質をスプレー塗布する。ここで木削片を加熱乾燥す
ることは、木削片に塗布含浸させたグリオキザール樹脂
を固着させると共に、木削片の含水率を所望の数値(た
とえば20%以下、さらに好ましくは10%以下)に低
下させることにも寄与する。
片を加熱乾燥して、該木削片にグリオキザール樹脂を固
着させた後、混合装置に投入して該装置内において接着
性物質をスプレー塗布する。ここで木削片を加熱乾燥す
ることは、木削片に塗布含浸させたグリオキザール樹脂
を固着させると共に、木削片の含水率を所望の数値(た
とえば20%以下、さらに好ましくは10%以下)に低
下させることにも寄与する。
【0020】以上のようにしてグリオキザール樹脂が含
浸固着されると共に接着性物質が塗布された木削片を風
送し、フォーミング装置に投入して、搬送装置上に一定
厚の連続した木削片マットを形成する。
浸固着されると共に接着性物質が塗布された木削片を風
送し、フォーミング装置に投入して、搬送装置上に一定
厚の連続した木削片マットを形成する。
【0021】この木削片マットを連続した状態で圧締装
置に投入して熱圧成形した後、定尺に切断して木削片板
を得る。あるいは、連続した木削片マットを定尺に切断
した後、圧締装置に投入して熱圧成形して木削片板とし
てもよい。
置に投入して熱圧成形した後、定尺に切断して木削片板
を得る。あるいは、連続した木削片マットを定尺に切断
した後、圧締装置に投入して熱圧成形して木削片板とし
てもよい。
【0022】以上により、グリオキザール樹脂が含浸固
着された木削片が接着性物質を介して成形一体化されて
なる本発明の木削片板が得られる。
着された木削片が接着性物質を介して成形一体化されて
なる本発明の木削片板が得られる。
【0023】本発明の木削片板を製造するための別の方
法によれば、木材を切削して得られた木削片に、たとえ
ば混合装置内において、グリオキザール樹脂および接着
性物質を添加して、グリオキザール樹脂が含浸されると
共に接着性物質が塗布された木削片を得た後、加熱乾燥
して該木削片にグリオキザール樹脂を固着させ、かくし
て得られた木削片を前記接着性物質を介して成形一体化
する。ここで木削片を加熱乾燥することは、木削片に塗
布含浸させたグリオキザール樹脂を固着させると共に、
木削片の含水率を所望の数値(たとえば20%以下、さ
らに好ましくは10%以下)に低下させることにも寄与
する。この方法において、グリオキザール樹脂および接
着性物質を同時に添加してもよく、またはいずれか一方
を先に添加した後に他方を添加してもよい。
法によれば、木材を切削して得られた木削片に、たとえ
ば混合装置内において、グリオキザール樹脂および接着
性物質を添加して、グリオキザール樹脂が含浸されると
共に接着性物質が塗布された木削片を得た後、加熱乾燥
して該木削片にグリオキザール樹脂を固着させ、かくし
て得られた木削片を前記接着性物質を介して成形一体化
する。ここで木削片を加熱乾燥することは、木削片に塗
布含浸させたグリオキザール樹脂を固着させると共に、
木削片の含水率を所望の数値(たとえば20%以下、さ
らに好ましくは10%以下)に低下させることにも寄与
する。この方法において、グリオキザール樹脂および接
着性物質を同時に添加してもよく、またはいずれか一方
を先に添加した後に他方を添加してもよい。
【0024】本発明の木削片板を製造するためのさらに
別の方法によれば、木材を切削して得られた木削片を加
熱乾燥した後、たとえば混合装置内において該木削片に
グリオキザール樹脂および接着性物質を添加して、グリ
オキザール樹脂が含浸されると共に接着性物質が塗布さ
れた木削片を得、かくして得られた木削片を前記接着性
物質を介して成形一体化する。ここで木削片を加熱乾燥
することは、後に木削片に塗布含浸されるグリオキザー
ル樹脂を固着させると共に、木削片の含水率を所望の数
値(たとえば20%以下、さらに好ましくは10%以
下)に低下させることにも寄与する。この方法におい
て、グリオキザール樹脂および接着性物質を同時に添加
してもよく、またはいずれか一方を先に添加した後に他
方を添加してもよい。
別の方法によれば、木材を切削して得られた木削片を加
熱乾燥した後、たとえば混合装置内において該木削片に
グリオキザール樹脂および接着性物質を添加して、グリ
オキザール樹脂が含浸されると共に接着性物質が塗布さ
れた木削片を得、かくして得られた木削片を前記接着性
物質を介して成形一体化する。ここで木削片を加熱乾燥
することは、後に木削片に塗布含浸されるグリオキザー
ル樹脂を固着させると共に、木削片の含水率を所望の数
値(たとえば20%以下、さらに好ましくは10%以
下)に低下させることにも寄与する。この方法におい
て、グリオキザール樹脂および接着性物質を同時に添加
してもよく、またはいずれか一方を先に添加した後に他
方を添加してもよい。
【0025】接着性物質としては、尿素樹脂系接着剤、
フェノール樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、エポ
キシ樹脂系接着剤、イソシアネート、酢酸ビニル樹脂系
接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤
あるいはこれら樹脂を任意変性して得られる変性樹脂接
着剤等を用いることができる。
フェノール樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、エポ
キシ樹脂系接着剤、イソシアネート、酢酸ビニル樹脂系
接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤
あるいはこれら樹脂を任意変性して得られる変性樹脂接
着剤等を用いることができる。
【0026】接着性物質には必要に応じてサイズ剤、防
火薬剤、防虫剤、抗菌剤、防カビ剤、害虫忌避剤、フィ
トンチッド等の薬剤、増量剤、着色剤等を添加混合して
用いることができる。
火薬剤、防虫剤、抗菌剤、防カビ剤、害虫忌避剤、フィ
トンチッド等の薬剤、増量剤、着色剤等を添加混合して
用いることができる。
【0027】グリオキザール樹脂は、尿素、グリオキザ
ールおよびホルムアルデヒドからなる初期縮合物であ
り、それらの配合モル比は1:0.5〜1:1〜3であ
ることが好ましい。
ールおよびホルムアルデヒドからなる初期縮合物であ
り、それらの配合モル比は1:0.5〜1:1〜3であ
ることが好ましい。
【0028】木削片に含浸されたグリオキザール樹脂
は、自己重縮合反応によって不溶化すると共に、木削片
中のセルロース等の水酸基とエーテル結合することによ
り不溶化する。
は、自己重縮合反応によって不溶化すると共に、木削片
中のセルロース等の水酸基とエーテル結合することによ
り不溶化する。
【0029】グリオキザール樹脂には必要に応じて触媒
を添加して用いる。触媒としては、塩化マグネシウム系
触媒、有機アミン塩系触媒、硝酸亜鉛系触媒等を用いる
ことができる。このような触媒の添加によりグリオキザ
ール樹脂の自己重縮合反応が活発となって不溶化が促進
されるものであり、このためにグリオキザール樹脂の不
揮発成分に対して0.5〜23重量%添加して用いるこ
とが好ましい。触媒を23重量%以上添加しても問題は
ないが、その効果において顕著な向上が見られないので
実際的な意味が乏しい。
を添加して用いる。触媒としては、塩化マグネシウム系
触媒、有機アミン塩系触媒、硝酸亜鉛系触媒等を用いる
ことができる。このような触媒の添加によりグリオキザ
ール樹脂の自己重縮合反応が活発となって不溶化が促進
されるものであり、このためにグリオキザール樹脂の不
揮発成分に対して0.5〜23重量%添加して用いるこ
とが好ましい。触媒を23重量%以上添加しても問題は
ないが、その効果において顕著な向上が見られないので
実際的な意味が乏しい。
【0030】またグリオキザール樹脂には必要に応じて
多価アルコール類を添加して用いる。多価アルコール類
としては、エチレングリコール系、プロピレングリコー
ル系、グリセリン、ペンタエリトリトール等を単独また
は任意複合して用いることができる。多価アルコール類
はグリオキザール樹脂の不揮発成分に対して重量比で8
0:20〜60:40の範囲で混合することが好まし
い。多価アルコール類を添加することにより、グリオキ
ザール樹脂が木削片中のセルロース等の水酸基とエーテ
ル結合するとことに加えて、多価アルコール類の水酸基
ともエーテル結合するため、架橋密度が高く共縮合され
て不溶化を促進させる。
多価アルコール類を添加して用いる。多価アルコール類
としては、エチレングリコール系、プロピレングリコー
ル系、グリセリン、ペンタエリトリトール等を単独また
は任意複合して用いることができる。多価アルコール類
はグリオキザール樹脂の不揮発成分に対して重量比で8
0:20〜60:40の範囲で混合することが好まし
い。多価アルコール類を添加することにより、グリオキ
ザール樹脂が木削片中のセルロース等の水酸基とエーテ
ル結合するとことに加えて、多価アルコール類の水酸基
ともエーテル結合するため、架橋密度が高く共縮合され
て不溶化を促進させる。
【0031】グリオキザール樹脂に多価アルコール類を
添加して用いる場合、グリオキザール樹脂と多価アルコ
ール類の分子量が近似していることが好ましい。グリオ
キザール樹脂よりも低分子量または高分子量の多価アル
コール類が添加されると、木削片内へのグリオキザール
樹脂と多価アルコール類の均一な浸透がなされずに分離
してしまい、十分なエーテル結合が阻害されるため、不
溶化の効果を期待通りに得ることができない。
添加して用いる場合、グリオキザール樹脂と多価アルコ
ール類の分子量が近似していることが好ましい。グリオ
キザール樹脂よりも低分子量または高分子量の多価アル
コール類が添加されると、木削片内へのグリオキザール
樹脂と多価アルコール類の均一な浸透がなされずに分離
してしまい、十分なエーテル結合が阻害されるため、不
溶化の効果を期待通りに得ることができない。
【0032】木材を切削して得られる木削片は薄片また
は小片として得られるため、グリオキザール樹脂はその
組織細胞内に容易に浸透する。したがって、グリオキザ
ール樹脂の自己重縮合反応による不溶化、木削片中のセ
ルロール等の水酸基とのエーテル結合による不溶化、な
らびに多価アルコール類を添加した場合の多価アルコー
ル類の水酸基とのエーテル結合による不溶化により、木
削片中に水不溶性の反応物が生成され、該木削片自体の
吸湿性が大幅に低下されることとなる。よって、このよ
うな木削片を用いて得られる木削片板は吸湿性が低く、
寸法安定性に優れたものとなる。
は小片として得られるため、グリオキザール樹脂はその
組織細胞内に容易に浸透する。したがって、グリオキザ
ール樹脂の自己重縮合反応による不溶化、木削片中のセ
ルロール等の水酸基とのエーテル結合による不溶化、な
らびに多価アルコール類を添加した場合の多価アルコー
ル類の水酸基とのエーテル結合による不溶化により、木
削片中に水不溶性の反応物が生成され、該木削片自体の
吸湿性が大幅に低下されることとなる。よって、このよ
うな木削片を用いて得られる木削片板は吸湿性が低く、
寸法安定性に優れたものとなる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、吸湿性が低く寸法安定
性に優れた木削片板が得られる。本発明は木削片にグリ
オキザール樹脂を含浸固着させるものであるため、処理
が容易であり、木削片の内部にまで該樹脂の含浸固着が
なされることから処理効率に優れ、さらに低コストにて
木削片板を製造することができる。
性に優れた木削片板が得られる。本発明は木削片にグリ
オキザール樹脂を含浸固着させるものであるため、処理
が容易であり、木削片の内部にまで該樹脂の含浸固着が
なされることから処理効率に優れ、さらに低コストにて
木削片板を製造することができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 グリオキザール樹脂が含浸固着された木
削片が接着性物質を介して成形一体化されてなることを
特徴とする木削片板。 - 【請求項2】 木材を切削して得られた木削片にグリオ
キザール樹脂を含浸した後、加熱乾燥して該木削片にグ
リオキザール樹脂を固着させ、かくして得られた木削片
を接着性物質を介して成形一体化することを特徴とする
木削片板の製造方法。 - 【請求項3】 木材を切削して得られた木削片にグリオ
キザール樹脂および接着性物質を添加して、グリオキザ
ール樹脂が含浸されると共に接着性物質が塗布された木
削片を得た後、加熱乾燥して該木削片にグリオキザール
樹脂を固着させ、かくして得られた木削片を前記接着性
物質を介して成形一体化することを特徴とする木削片板
の製造方法。 - 【請求項4】 木材を切削して得られた木削片を加熱乾
燥した後、該木削片にグリオキザール樹脂および接着性
物質を添加して、グリオキザール樹脂が含浸されると共
に接着性物質が塗布された木削片を得、かくして得られ
た木削片を前記接着性物質を介して成形一体化すること
を特徴とする木削片板の製造方法。 - 【請求項5】 木削片へのグリオキザール樹脂および接
着性物質の添加を同時に行うことを特徴とする請求項3
または4の木削片板の製造方法。 - 【請求項6】 木削片へのグリオキザール樹脂および接
着性物質の添加を、いずれか一方を添加した後に他方を
添加するように行うことを特徴とする請求項3または4
の木削片板の製造方法。 - 【請求項7】 グリオキザール樹脂に触媒を添加して用
いることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかの木
削片板の製造方法。 - 【請求項8】 グリオキザール樹脂の不揮発成分に対し
て触媒を0.5〜23重量%添加して用いることを特徴
とする請求項7の木削片板の製造方法。 - 【請求項9】 グリオキザール樹脂に多価アルコール類
を添加して用いることを特徴とする請求項2ないし8の
いずれかの木削片板の製造方法。 - 【請求項10】 グリオキザール樹脂の分子量と近似す
る分子量を有する多価アルコール類を用いることを特徴
とする請求項9の木削片板の製造方法。 - 【請求項11】 グリオキザール樹脂の不揮発成分に対
して重量比で80:20〜60:40の範囲で多価アル
コール類を混合して用いることを特徴とする請求項9の
木削片板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21391297A JP2896665B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 木削片板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21391297A JP2896665B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 木削片板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1142615A JPH1142615A (ja) | 1999-02-16 |
JP2896665B2 true JP2896665B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=16647098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21391297A Expired - Lifetime JP2896665B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | 木削片板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2896665B2 (ja) |
-
1997
- 1997-07-25 JP JP21391297A patent/JP2896665B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1142615A (ja) | 1999-02-16 |
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