JP2895525B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JP2895525B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は哺乳類の脾臓の水抽出物と、アミノ酸および
アミノ酸誘導体から選ばれる一種または二種以上とを、
特定の配合比で配合することを特徴としてなる、紫外線
による皮膚細胞(線繊芽細胞、表皮細胞)の損傷を防御
し、皮膚の老化を防止する効果を有する皮膚外用剤に関
する。
[従来の技術] 従来、皮膚の老化を防止するためには皮膚表面のモイ
スチャーバランスを保つために各種保湿剤を配合したも
のや、皮膚内部の細胞の働きを上げるために、各種ビタ
ミン類や植物抽出物等を配合したものであったが、その
効果はいまだ十分でなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、効率的に皮膚の老化を防止する方法は
ないものかと鋭意研究した結果、哺乳類の脾臓の水抽出
物と、アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選ばれる一種
または二種以上とを、特定の比率で組みあわせることに
より、紫外線による皮膚細胞(線繊維細胞、表皮細胞)
の損傷を防御し、皮膚の老化を著しく防止することを見
出し、本発明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は、哺乳類の脾臓の水抽出物と、アミ
ノ酸およびアミノ酸誘導体から選ばれる一種または二種
以上とを、下記の配合量で配合することを特徴とする皮
膚外用剤である。
哺乳類の脾臓の水抽出物を、皮膚外用剤全量中に、乾
燥固形分として、0.0001〜0.05重量%; アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選ばれる一種また
は二種以上を、皮膚外用剤全量中の5.0重量%を超えな
い範囲で、上記の哺乳類の脾臓の水抽出物の乾燥固形物
換算の配合量の20〜112倍(重量比)。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いられる哺乳類の脾臓の水抽出物は、例え
ば以下の方法で得られる。
牛、豚等の哺乳類の脾臓から水にて抽出された抽出物
であり、リバイタリンまたはリバイタリン−P(ペンタ
ファーム社製)として知られ、このものが最も好まし
い。
抽出は常法に従って行えばよいが、一例を挙げると以
下の通りである。
新鮮な牛の冷凍脾臓を粉砕し、60℃以上の熱水で1時
間以上かけて抽出し、さらに80℃以上で10分間以上過熱
した後、濾過し濃縮する。濃縮物にエチルアルコールを
加えて除蛋白を行ないさらに濾過して清澄化する。次に
分離限界分子量2000のキャピラリー・メンブラン濾過系
を用い限外濾過を行い得られる。
本発明に用いられる抽出物の配合量は、皮膚外用剤全
量中に、乾燥固形分として、0.0001〜0.05重量%である
(哺乳類の脾臓の水抽出物中における乾燥固形分の重量
比率は、およそ水抽出物全量中5.0重量%である)。
本発明においては、上記抽出物に加えて、アミノ酸お
よびアミノ酸誘導体の一種あるいは二種以上を配合す
る。
本発明で用いられるアミノ酸およびアミノ酸誘導体
は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸およびその
塩、グルタミン酸およびその塩、リジン、アルギニン、
システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニ
ン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリ
ン、N−パルミトイルL−アスパラギン酸ジエチル、N
−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−
アシル酸性アミノ酸塩、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエ
タノールアミン、ラウロイルメチル−β−アラニンナト
リウム等のアシル中性アミノ酸塩、ピロリドンカルボン
酸およびその塩、POE(40)硬化ヒマシ油モノピログル
タミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ヤシ油脂肪
酸−L−アルギニンエチルエステル−DL−ピロリドンカ
ルボン酸塩等である。
本発明におけるアミノ酸および/またはアミノ酸誘導
体の配合量は、皮膚外用剤全量中の5.0重量%を超えな
い範囲で、上記の哺乳類の脾臓の水抽出物の乾燥固形物
換算の配合量の20〜112倍(重量比)である。
本発明の皮膚外用剤には上記した必須成分の他に通常
化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、
例えばビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール等の
ビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラ
ビンアデニンジヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリド
キシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート等のビタ
ミンB68類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸
ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫
酸Na等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム、D−
パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテ
ル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテ
ン酸類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロー
ル等のビタミンD類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、
ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、α−トコフェロ
ール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフ
ェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール等のビタミ
ンE類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類、アボガ
ド油、パーム油、ピーナッツ油、牛脂、コメヌカ油、ホ
ホバ油、月見草油、カルナバロウ、ラノリン、流動パラ
フィン、スクワラン、パルミチン酸イソステアリル、イ
ソステアリルアルコール、トリ−2−エチルヘキサン酸
グリセリン等の油分、グリセリン、ソルビトール、ポリ
エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、コラ
ーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキスト
ラン硫酸ナトリウム等の保湿剤、パラジメチルアミノ安
息香酸アミル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン−5−スルホン酸Na、ウロカニン酸、ジイソプロ
ピルケイヒ酸エチル等の紫外線吸収剤、エリソルビン酸
ナトリウム、パラヒドロキシアニソール等の酸化防止
剤、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ジエタノー
ルアミン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、
イソステアリン酸ポリエチレングリコール、アラキン酸
グリセリル、ジグリセリンジイソステアレート、リン脂
質等の界面活性剤、エチルパラベン、ブチルパラベン等
の防腐剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸
誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜
鉛、アラントイン等の消炎剤、胎盤抽出物、グルタチオ
ン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、オウバク、オウレ
ン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、
ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブト
ウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュ
ウ、ショウキョウ、オトギリソウ、オノニス、ローズマ
リー、ニンニク等の抽出物、ローヤルゼリー、感光素、
コレステロール誘導体、幼牛血抽出物等の賦活剤、γ−
オリザノール等の血行促進剤、硫黄、チアントール等の
抗脂漏剤、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチ
ルセルロース、カルボキシヒドロキシプロピルセルロー
ス等の増粘剤、香料、水、アルコール、チタンイエロ
ー、カーサミン、ベニバナ赤等の色剤、ポリエチレン、
ナイロン等の樹脂粉末等を必要に応じて適宜配合するこ
とができる。
また本発明の皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば
化粧水等の可溶化系、乳液、クリーム等の乳化系あるい
は軟膏、分散液などの剤型をとることができる。
[発明の効果] 次に発明の効果を実験データによって示す。
以下に示す方法により紫外線による皮膚細胞の損傷数
を求め、その数より防御率を計算した。
(方法) 皮膚細胞の一つである線維芽細胞をヒトの皮膚片から
Out Growth法により単離培養し、ダルベッコ改変イーグ
ル培地(DMEM培地)により継代維持する。
次にこの細胞をトリプシン−EDTA処理し、細胞懸濁液
を調製し、懸濁液を一定数培養シャーレ(Falcon 3001
35mm)に蒔き、CO2インキュベーター(37℃ 5%CO2)で
培養した。一定時間培養後シャーレの培地を捨てリン酸
緩衝液(2ml/シャーレ)で細胞を2回洗う。次に以下の
試料をそれぞれ加えた。
対照 リン酸緩衝液(2ml/シャーレ) 試料 リバイタリンP(ペンタファーム社製)を1.0
重量%に調整したリン酸緩衝液(2ml/シャーレ) 試料 L−アスパラギン酸0.5重量% L−アラギニン0.5重量%に調整したリン酸緩
衝液(2ml/シャーレ) 試料 リバイタリンP0.5重量% L−アスパラギン酸0.25重量% L−アラギニン0.25重量%に調整したリン酸緩
衝液(2ml/シャーレ) 以上の試料を各二部作成し、一方に紫外線を照射し
た。
紫外線は、東芝BLBランプ(TOSHIBA FL20S・BLBUV−
A領域ピーク365nm)と東芝SEランプ(TOSHIBA TOREX F
L20SE−30 UV−B領域ピーク305nm)を用いてシャーレ
から16cmの位置で照射した。照射量は、予めUV−RADIOM
ETER(Eisai & Torex製)で紫外線強度を測定してお
き、その平均強度と照射時間から計算した。尚、実際に
細胞に照射された紫外線量はプラスチックシャーレとリ
ン酸緩衝液による吸収を考慮し換算した。(UV−Aの減
少率52%、UV−Bの減少率21%) 次に、未照射、照射の両者共にリン酸緩衝液を捨て、
DMEM培地2mlを添加し一定時間培養した。培養後、Cesar
& Kennethの方法により細胞のDNA量を測定し検量線に
より細胞数を換算し、以下の式より細胞の生存率を求
め、これを防御率として評価した。
次に実験結果を示す。
以上の結果から哺乳類の脾臓の水抽出物と、アミノ酸
およびアミノ酸誘導体から選ばれる一種または二種以上
とを併用すると皮膚細胞の紫外線による損傷を著しく防
御することが判る。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
尚、本発明はこれにより限定されるものではない。配合
量は重量%である。
実施例 1 化粧水 (1)リバイタリン−P (ペンタファーム社製) 0.05 (2)L−アルギニン 0.05 (3)グリシン 0.03 (4)酢酸トコフェロール 0.01 (5)グリセリン 4.0 (6)1,3−ブチレングリコール 4.0 (7)エタノール 7.0 (8)ポリオキシエチレン オレイルアルコール 0.5 (9)メチルパラベン 0.2 (10)クエン酸 0.05 (11)クエン酸ソーダ 0.1 (12)香料 0.05 (13)精製水 残余 (製法) 精製水にクエン酸、クエン酸ソーダ、グリセリン、1,
3−ブチレングリコール、リバイタリン−P、L−アル
ギニン、グリシンを溶解する。別にエタノールにポリオ
キシエチレンオレイルアルコール、酢酸トコフェロー
ル、香料、メチルパラベンを溶解し、これを前述の精製
水溶液に加えて可溶化し、濾過して化粧水を得た。
実施例 2 クリーム (1)セトステアリルアルコール 3.5 (2)スクワラン 40.0 (3)ミツロウ 3.0 (4)還元ラノリン 5.0 (5)エチルパラベン 0.3 (6)ポリオキシエチレン(20) ソルビタンモノパルミチン酸 エステル 2.0 (7)ステアリン酸モノグリセリド 2.0 (8)N−ステアロイルグリタミン 酸Na 0.5 (9)リバイタリン (ペンタファーム社製) 0.5 (10)酢酸レチノール 2.0 (11)月見草油 0.05 (12)香料 0.03 (13)L−アスパラギン酸 0.25 (14)L−セリン 0.75 (15)1,3−ブチレングリコール 5.0 (16)ポリエチレングリコール1500 5.0 (17)精製水 残余 (製法) (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)
と(10)(11)(12)を加熱溶解し75℃に加温した
(9)(13)(14)(15)(16)と(17)に撹拌しなが
ら加える。ホモミキサー処理し乳化粒子を細かくした
後、撹拌しなが急冷し、クリームを得た。
実施例 3 乳液 (1)リバイタリン−P 0.01 (2)L−アスコルビン酸−2−硫酸Na 0.005 (3)ステアリン酸 1.5 (4)セチルアルコール 0.5 (5)ミツロウ 2.0 (6)ポリオキシエチレン(10) モノオレイン酸エステル 1.0 (7)クインスシード抽出物 (5%水溶液) 20.0 (8)L−アルギニン 0.01 (9)L−グルタミン酸Na 0.02 (10)PCA−Na 0.05 (11)ヒアルロン酸Na 0.1 (12)胎盤抽出物 0.05 (13)プロピレングリコール 5.0 (14)エタノール 3.0 (15)エチルパラベン 0.3 (16)香料 0.03 (17)精製水 残余 (製法) エタノールに香料を加えて溶解する(アルコール
相)。精製水にプロピレングリコール、ヒアルロン酸N
a、リバイタリン−P、L−アルギニン、L−グルタミ
ン酸Na、PCA−Na、胎盤抽出物を加えて加熱溶解して70
℃に保つ(水相)。クインスシード抽出物を除く他の成
分を混合し、加熱溶解して70℃に保つ(油相)。水相に
油相を加えて予備乳化を行ない、ホモミキサーで均一に
乳化する。これを撹拌しながらアルコール相とクインス
シード抽出物を加える。その後撹拌しながら30℃に冷却
して乳液を得た。
実施例 4 パック (1)リバイタリン−P 1.0 (2)コレカルシフェロール 0.01 (3)ポリビニルアルコール 15.0 (4)L−アルギニン 1.0 (5)L−バリン 1.0 (6)ポリエチレングリコール 3.0 (7)プロピレングリコール 7.0 (8)エタノール 10.0 (9)メチルパラベン 0.05 (10)香料 0.05 (11)精製水 残余 (製法) 精製水にポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、メチルパラベン、リバイタリン−P、L−アルギ
ニン、L−バリン及びコレカルシフェロールを加え撹拌
溶解する。つぎにポリビニルアルコールを加え加熱撹拌
し、香料を溶解したエタノールを加え撹拌溶解してパッ
クを得た。
実施例 5 軟膏 (1)リバイタリン−P 0.5 (2)L−アルギニン 0.8 (3)L−リジン 2.0 (4)酢酸トコフェロール 1.0 (5)パルミチン酸レチノール 0.5 (6)ステアリルアルコール 18.0 (7)モクロウ 20.0 (8)ポリオキシエチレン(10) モノオレイン酸エステル 0.25 (9)グリセリンモノ ステアリン酸エステル 0.3 (10)ワセリン 40.0 (11)精製水 残余 (製法) 精製水を70℃に保ち(水相)以下の成分を70℃にて混
合溶解する(油相)。水相に油相を加え、ホモミキサー
で均一に乳化後冷却して軟膏を得た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/195 A61K 31/195 (56)参考文献 特開 昭57−38716(JP,A) 特開 昭64−75423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 35/28 A61K 7/00,7/48 A61K 31/195

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳類の脾臓の水抽出物と、アミノ酸およ
    びアミノ酸誘導体から選ばれる一種または二種以上と
    を、下記の配合量で配合することを特徴とする皮膚外用
    剤: 哺乳類の脾臓の水抽出物を、皮膚外用剤全量中に、乾
    燥固形分として、0.0001〜0.05重量%; アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選ばれる一種また
    は二種以上を、皮膚外用剤全量中の5.0重量%を超えな
    い範囲で、上記の哺乳類の脾臓の水抽出物の乾燥固形物
    換算の配合量の20〜112倍(重量比)。
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