JP2895223B2 - 金属コードをキャプスタン上に通す事によって熱処理する方法および装置 - Google Patents

金属コードをキャプスタン上に通す事によって熱処理する方法および装置

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JP2895223B2
JP2895223B2 JP2512610A JP51261090A JP2895223B2 JP 2895223 B2 JP2895223 B2 JP 2895223B2 JP 2512610 A JP2512610 A JP 2512610A JP 51261090 A JP51261090 A JP 51261090A JP 2895223 B2 JP2895223 B2 JP 2895223B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属コードを熱処理する方法および装置に関
するものである。このような方法および装置は、高速
で、例えば少なくとも15m/sの速度で微細パーライト組
織を得るように鋼コードをパーライト化処理する事がで
きる。
特許SU−A−1,224,347により、外気中に配置された
平滑キャプスタン上に鋼コードを通す事によって、従来
の鉛パテンチング法よりも遥かに高い速度でこの処理を
実施し、しかもこの鉛処理法の欠点、特に衛生上の危険
および環境保護上の問題を生じないパーライト化処理法
が公知である。経験上、この特許に記載の方法は鉛パテ
ンチング法よりも明瞭に劣った使用価値を有する製品を
生じる。例えば3mmの直径のコードについて、冷却曲線
は大きな再熱区域、例えば50℃の温度上昇区域を示す。
このような大きな再熱はコードとキャプスタンとの間の
低い伝熱係数の結果、オーステナイトからパーライトへ
の変態によって熱量ピークが発生した時にコードとキャ
プスタンとの間に大きな温度差を生じる事による。この
ような熱処理中の20℃以上の再熱現象の故に、特に大径
のコードの高い使用価値を得る事ができない。
従って本発明の目的は、キャプスタン上にコードを通
過させる際に、コードの高い繰り出し速度とコードとキ
ャプスタン間に高い熱交換を生じるようにして金属コー
ドを熱処理する方法および装置を提供するにある。
本発明による少なくとも1本の金属コードを熱処理す
る熱処理方法は、少なくとも1本の金属コードを少なく
とも2本の伝熱性キャプスタンに設けた溝の間をクロス
掛けするように送り、伝熱性キャプスタンの溝の幅を金
属コードの幅より少し大とし、前記溝の中のガスを金属
コードおよび伝熱性キャプスタンと接触させて少なくと
も1本の金属コードを熱処理する熱処理方法において、
伝熱性キャプスタンを伝熱性キャプスタンと少なくとも
1つの伝熱性部材との間に介在するガスによって加熱ま
たは冷却し、前記ガスは伝熱性キャプスタンおよび伝熱
性部材と接触し、伝熱性部材は伝熱性キャプスタンの外
側に配置され、前記ガス以外の熱量保持流体を伝熱性部
材と接触させながら循環させて、ガスと伝熱部材との間
および伝熱性部材と流体との間において熱交換させる段
階と、実施される熱処理に対応して伝熱性キャプスタン
と伝熱性部材との間のガス層の厚さを制御する段階とを
有することを特徴とする 本発明による少なくとも1本の金属コードを熱処理す
る熱処理装置は、金属コードの幅より少し広い幅の溝を
有する少なくとも2本の伝熱性キャプスタンと、金属コ
ードを伝熱性キャプスタンの溝の中に繰り出して少なく
とも2本の伝熱性キャプスタンに設けた溝の間をクロス
掛けするように送る手段と、伝熱性キャプスタンの溝の
中に配置されて金属コードおよび伝熱性キャプスタンと
接触するガスとを有する少なくとも1本の金属コードを
伝熱性キャプスタンによって熱処理する熱処理装置にお
いて、伝熱性キャプスタンを加熱または冷却する手段
と、実施される熱処理に対応して伝熱性キャプスタンと
伝熱性部材との間のガス層の厚さを制御する手段とを有
し、前記加熱または冷却手段は、伝熱性キャプスタンの
外部に配置された少なくとも1つの伝熱性部材と、伝熱
性部材に前記ガス以外の熱量保持流体を接触させる手段
と、伝熱性キャプスタンと伝熱性部材との間に配置され
て伝熱性キャプスタンおよび伝熱性部材に接触するガス
を有し、ガスと伝熱部材との間および伝熱性部材と流体
との間において熱交換させることを特徴とする。
以下、本発明を図面に示す実施例について説明する。
付図において、 第1図はグループを有する2つのキャプスタンを含む
本発明による装置の断面図、 第2図は第1図のII−II線に沿った断面図、 第3図は第1図および第2図の装置の2つのキャプス
タンの上にコードをクロス掛けするよう巻き付けた状態
の正面図であって、他の部材を除去した図、 第4図は第3図の側面図、 第5図は第3図のV−V線に沿った断面図であって、
一方のキャプスタの一部の断面を示す図、 第6図は第5図のキャプスタンのグルーブの拡大図、 第7図は本発明による6基の装置を含むパーライト化
処理プラント全体図、 第8図は第7図のプラントにおけるコードおよびキャ
プスタンの温度の変動を示す時間関数のグラフ、 第9図は第7図のプラントにおいてコード処理中にオ
ーステナイトからパーライトへの変態%を示す時間関数
グラフ、また 第10図は第7図のプラントで処理されたコードのパー
ライト組織の一部の断面図である。
第1図と第2図は本発明の方法を実施するための本発
明による装置1を示す。この装置1は2個のキャプスタ
ン2、3を含み、これらのキャプスタン上に、処理され
るコード4が巻き付けられる。キャプスタン2、3は伝
熱性であって、例えば金属物質で構成される。キャプス
タン2の回転軸線はxx′、キャプスタン3の回転軸線は
yy′でそれぞれ図示される。これらの軸線xx′,yy′は
相互に平行であって、例えば同一垂直面の中に配置され
る。第1図はこれらの軸線xx′,yy′を通る垂直面に沿
った装置1の断面図であり、第2図は前記軸線に直交す
る垂直面に沿った装置の断面図である。第3図はキャプ
スタン2、3およびその上に巻き付けられたコード4の
正面図、第4図はキャプスタン2、3およびその上に巻
き付けられたコード4の側面図である。装置の他の部分
はこれらの第3図および第4図から除去されたものとす
る。第1図の断面は第2図の線分I−Iに沿った断面図
であり、第2図は第1図の線分II−IIに沿った断面図で
ある。第2図と第3図において、軸線xx′は文字xによ
って表示され、軸線yy′は文字yによって表示される。
コード4は矢印Fa方向に下方キャプスタン2の点5に到
達する(第3図)。キャプスタン2はモータ(簡略のた
め図示されない)によって軸線xx′回りに回動され、こ
のキャプスタン2の回転方向は矢印F2によって示されて
いる。コード4はキャプスタン2によって点6まで案内
され、この点からキャプスタン2を離れて、矢印F2.3方
向に、上方に非駆動キャプスタン3の方に送られる。こ
のコードは点7においてキャプスタン3と接触し、この
キャプスタン3がコードを点8まで支持する。このキャ
プスタン3の軸線yy′回りの回転方向は矢印F3によって
示される。
コード4はキャプスタン3を離れ、矢印F3.2方向に移
動し、点9においてキャプスタン2に接触する。次にキ
ャプスタン2は再びコード4をその回転方向に、キャプ
スタン3の方に案内する。キャプスタン2、3上のコー
ド4の巻き付けは交差している。すなわちコード4によ
って駆動されるキャプスタン3の回転方向F3はキャプス
タン2の回転方向と逆である。この場合、方向F2.3とF
3.2は相互に交差するが、キャプスタン2と3の間のコ
ード4の順次に配列された部分の間に接触がない。この
軌道は多数回繰り返され、従ってコード4は2つのキャ
プスタン2、3上を8の字状にクロス掛けされながら多
数回走行する。最後にコード4は下方キャプスタン2の
点10から矢印方向Fsにキャプスタン2、3を出る(第3
図)。
キャプスタン2、3とのコード4の接触はこれらのキ
ャプスタン上に備えられたグルーブ(溝)11によって実
施される。
第5図はキャプスタン2の軸線xx′を通る面に沿った
このキャプスタン2の一部の断面図である。この断面は
第3図の線分V−Vによって示されされる。
この断面は複数のグルーブ11を示し、グルーブの1つ
を図6に拡大図示し、コード4がこのグルーブの中に配
置され、図6は図5と同一面において取られた。キャプ
スタン2は例えば7本のグルーブ11を備え、各グルーブ
はその軸線としてキャプスタン2の軸線xx′を有する。
図6において、グルーブ11の幅Jはコード4のキャプス
タンの直径Dfより少し大であり、グルーブ11は、図6の
直径Jの半円形の底部110を有する。すべてのキャプス
タン11は同一形状と同一幅Jを有する。
放射方向遊隙(J−Dr)/2およびグルーブ11の間隙
(グルーブピッチ)は、コード4が一方のキャプスタン
のグルーブ11から他方のキャプスタンの対応のグルーブ
11まで、これらのキャプスタンの間でコード部分が相互
に交差する箇所において相互に摩擦しないように移動す
るのに十分な大きさとしなければならない。これらの値
は当業者によって用途に応じて選定される。
好ましくは、非駆動キャプスタン3のグルーブ11は軸
線yy′のリング12上に配置される。これらのリング12は
例えば金属とし、キャプスタン3の本体13から機械的に
離脱されうる(図1)。キャプスタン本体13は軸線yy′
回りに自由に回動する事ができ、またこれらのリング12
は本体13とは別個に自由に回転し、本体13の円筒面に対
して滑動する事ができる。他方、これらのリング13は相
互に自由に回動する事ができる。このような構造はコー
ド4とキャプスタン3との接触を改良し、またキャプス
タン2、3の間のコード4の緊張度を改良する。
これらのキャプスタン2、3の加熱と冷却は伝熱性部
材、例えば両側壁16、17を有する金属プレート15から成
り、これらの壁の間に熱量流体18、例えば液体、特に水
が流れ、この壁16はキャプスタン2、3の側面に配置さ
れる。壁16、17の間に流体を循環させる手段は公知の手
段、例えばポンプであって、この手段は簡略のため図示
されていない。流体18が管19によって送給され、壁体1
6、17の間を循環し、次いで管20を通してプレート15か
ら出る。液体18の流れは矢印F18で示されている。各キ
ャプスタン2、3は軸受22、23の間を回転する軸21上に
搭載される。これらの軸21は壁体16、17に挿通され、流
体18から密封的に離間される(図1)。軸受22はそれぞ
れスリーブ24によって包囲され、これらのスリーブの中
に冷却流体25が循環し、この冷却流体の循環は簡略のた
め図示されていない。この流体25は流体18とする事がで
き、この場合、流体18そのものが冷却流体であって、ス
リーブ14は、流体18の循環するプレート15の内部と連通
する。
キャプスタン2、3はケーシング26の中に配置され、
このケーシング26は好ましくは非酸化性ガス27、例えば
水素または水素と窒素の混合物を収容する。キャプスタ
ン2、3と熱量保持流体18の間の熱交換はガス27によっ
て実施され、このガスは、一方では壁体16の実質的に平
坦な面160とキャプスタン2、3の実質的に平坦なそれ
ぞれの面130との間に配置された高さHのガス層28を成
す。前記の面130は、軸線xx′,yy′に対して垂直なまた
部分的ケーシング26を画成する面160に対して実質的に
平行な同一面の中に配置され、ガス27がキャプスタン
2、3および面160に接触する。コード4の熱処理が加
熱の場合、使用される流体18は加熱流体であって、熱は
流体18からガス17に、次にキャプスタン2、3に、次に
これらのキャプスタンからコード4に伝達される。コー
ド4の処理が冷却処理である場合、流体18は冷却流体で
あって、熱はコード4から流体18に逆方向に流れる。ガ
ス27がプレート15およびキャプスタン2、3と直接に接
触して、このような熱交換を可能とし、またプレート15
は伝熱物質、例えば金属によって構成される。ネジ要素
29によってキャプスタン2、3をそれぞれの軸線xx′お
よびyy′に沿って移動させる事により距離Hを変動させ
る事ができる。そのため、ネジ要素29は装置1の固定部
分31のメスネジ山30の中にねじ込まれる。レバー32を駆
動してネジ29を回転させ、これによってネジ29を軸方向
に移動させ、この軸方向移動が軸21のショルダ33を介し
て軸21に伝達される事により、伝熱ガス層28の厚さHを
変動させる。レバー32は、第1図において点線で示した
ような公知手段34によってキャプスタン2、3のそれぞ
れの軸21を同時に作動させる事ができ、この手段は例え
ばノッチ付きベルトまたはチェーンとする事ができる。
熱交換は、コード4とキャプスタンのグルーブ11の底部
との接触線35に沿った直接接触により、またこれらのグ
ルーブ11の中にあってコード4およびキャプスタン2、
3と接触するガス27によって、コード4とキャプスタン
2、3との間の伝熱が実施される。このような熱流束は
コード4の冷却の場合について矢印F27(第6図)に図
示されている。単一のガス27を使用する代わりに、相異
なる伝熱性を有する2種類のガスを使用する事ができよ
う。しかし構造の簡単化のため、装置の1の場合のよう
に単一のガス27を供給する事が好ましい。同じく、装置
1の中に多数の部材15を使用する事もできるが、構造簡
略のため唯一の構造15を使用する事が好ましい。
放射方向遊隙(J−Df)/2が限定されているので、コ
ード4とキャプスタン2、3との間の伝熱作用が容易に
実施される。
熱処理が大直径のコードの急速冷却である場合、ガス
27は良導性でなければならない。さもなければ、プレー
ト15とキャプスタン2、3との間のガス層28の厚さHが
装置材料の膨張係数と同一程度となり得るからである。
好ましくは1mm≦H≦200mmとする。
また好ましくはケーシング26の内部のガス27はガス層
28を成し、キャプスタン2、3の回転による以外の運動
を受けないようにする。
好ましくはキャプスタン2、3は、断熱要素37によっ
て外部から断熱されたケーシング36の中に入る。すでに
加熱されたコード4に対して熱処理を実施するために装
置1が使用される場合、ケーシング36は例えばその外周
に規則的に配置された加熱電子素子38を備える。加熱素
子、例えば電気抵抗素子38は、装置1の始動時にキャプ
スタン2、3を加熱して始動体制を非常に急速に得る事
ができる。軸21は断熱シールド39によって断熱される。
またこのような加熱素子38は、例えば熱処理が加熱処理
であって流体18が使用されない場合に使用する事ができ
る。
熱処理が等温性と異なる体制を含む場合、キャプスタ
ンのグルーブ上の巻き取り直径をコード4の長さと温度
の変動に適合させる事が好ましい。すなわちキャプスタ
ン2、3の入口におけるコードの巻き取り直径Deがキャ
プスタンの出口におけるコードの繰り出し直径Dsと異な
るようにする事が好ましい。この場合DeとDsはこのキャ
プスタンの両端グルーブに対応する。一例として第5図
はコードがキャプスタン2の上を通過する際の冷却に対
応する位置関係を示し、直径Deは直径Dsより大である。
加熱の場合には、この位置関係は、逆になり、De<Dsと
する。熱交換を容易にするため、これらキャプスタンの
軸線xx′とyy′の間隔Eは、キャプスタン2、3の体積
を考慮に入れまたこれらのキャプスタン間のコード4の
部分の相互接触を避ける程度に、できるだけ短くする。
キャプスタン2、3とプレート15は、伝熱性のため例
えば青銅、鋼または鋳鉄で製造される。
第7図は鋼コード4に対してオーステナイト処理を実
施し、次にパーライト化処理を実施するため熱処理する
本発明によるプラント100全体を示す。
このプラント100は、装置50と、前述の本発明による
装置1と同型の6対のキャプスタンP1乃至P6を含む。本
発明による装置P1及至P6はコード4を冷却し、または実
際上一定の温度に保持する事ができ、熱量保持流体18は
例えば水とする。図面の簡略のため、第7図には6対の
キャプスタンP1乃至P6と処理されるコード4のみが図示
されている。
第8図はコード4とキャプスタン2、3の温度のパー
ライト化熱処理の際の温度変動を示し、コード4は鋼で
あり、温度Tを縦座標に示し、時間「t」を横座標に示
す。コード4は装置50の中に入り、そこでオーステナイ
ト化処理を受ける。この装置50は2本のキャプスタン5
1、52を有し、これらのキャプスタン上にコード4が巻
き取られ、このようにして形成されたコード4のループ
の中に交番磁束を通過させ、この磁束は誘導体53によっ
て発生される。このようにしてコード4の中に誘導電流
が生じ、これによってコード4を変態温度AC3以上の温
度まで加熱し均一なオーステナイト構造を得る。装置50
の中においてコード4の達した温度Tf1は例えば900乃至
1000℃である。
装置50から出たコード4はキャプスタン対P1のキャプ
スタン2の上に到達する。キャプスタン2、3は450℃
乃至650℃のオーダの温度Tc1に保持されている。第8図
において、時間原点0はキャプスタン対P1上にコード4
が到達した時点に相当する。4秒以下の時間t1後にコー
ド4はキャプスタンP1温度に近い温度Tf2に達する。こ
のような急速冷却によって、安定オーステナイトから準
安定オーステナイトまでの変態を可能とする。次にコー
ド4は4対のキャプスタンP2及至P5を順次に通過し、こ
れらのキャプスタン対の役割はコード4を与えられた温
度Tf2より10゜以上変動しない温度に保持するにあり、
この場合コード4の温度Tfは例えばTf2−8℃、Tf2+8
℃の範囲内にあり、またこの温度は準安定オーステナイ
トからパーライトへの変態時間中およびこの変態後の約
1乃至3秒間継続する。このプラント部分の目的は、オ
ーステナイトからパーライトへの変換による熱量ピーク
の発生するこの期間中の再熱を防止し(この再熱は粗大
はパーライト組織の形成に導く)また変態が終了する以
前の過早な冷却を防止するにある。変態終了前の過早な
冷却はベイナイトを含有する組織を生じ、従って脆く、
特に耐久性に関して使用特性の低いコードを生じる可能
性がある。
キャプスタン対P2乃至P5の中のコード4の通過時間は
それぞれt2乃至t5で示され、またこれらの時間において
得られる温度はそれぞれTc2乃至Tc5で示される。例え
ば、計t2+t3+t4+t5は例えば4〜10秒のオーダであ
る。4キャプスタン対P2〜P5について各キャプスタン上
のコード4の巻き取り直径はキャプスタンの入口と出口
において変動しない。すなわち常にDe=Dsである。
第9図はオーステナイトからパーライトへの変態を時
間に対して示す。時間(t)は横座標軸に対応し、パー
ライトへの変態%は縦座標軸に対応する。この時間t2中
の変態は緩徐であり、パーライト化はこの時間の終了ご
とに開始し、従って交換される熱量は低く、この第2キ
ャプスタンP2の温度Tc2は所望の変態温度Tf2より少し低
い。時間t3中の変態は非常に急速であって、従って交換
熱量が大となり、また第3キャプスタンP3の温度Tc3が
第2キャプスタン対P2の温度Tc2より低くなる。温度t4
中の変態は温度t2中の変態にほぼ等しい速度で実施され
るので、第4キャプスタン対P4の温度Tc4はTc2に非常に
近い。時間T5中は熱点観点から顕著な金属学的変態が存
在しないので、この第5キャプスタン対P5の温度Tc5はT
f2とほとんど等しい。このような時間t5の温度保持の目
的は時間t6の前にパーライト変態を終了させるにある。
好ましくは、時間t1に対応する最初の冷却に際して下
記の式を得る。
K1≧0.3 (1) K2≧0.85 (2) 0.5≦K3≦1.5 (3) 2×10−4≦K4≦6×10−4 (4) ここに下記とする。
K1=L1/(J×Df−Df2) (5) K2=De/E (6) K3=100(De/Ds−1) (7) K4=(V×Df2×H)/(L2×De2) (8) ここに、L1はグルーブ11の中にあってコード4および
またキャプスタン2、3と接触するガスの伝熱率、また
L2はガス層28を構成するガスの伝熱率であって、これら
の伝熱率は600℃において特定され、ワットm-1・k-1
表示される。グルーブ11とガス層28の中において同一ガ
ス27を使用する場合、L1とL2は等しく、Lによって表示
される。Dfはコード直径、ミリメートル、Jはグルーブ
11の幅、ミリメートル、Eはキャプスタンの軸間距離、
ミリメートル、Deはキャプスタン2、3の入口における
コード4の巻き取り直径、Dsは同一キャプスタンの出口
におけるコード4の巻き取り直径、DeとDsはそれぞれミ
リメートルで表示され、Vはコード繰り出し速度、メー
トル/秒、Hはガス27のガス層28の厚さ、ミリメートル
とする。
好ましくは、実際上等温相に対応するキャプスタン対
P2〜P5の少なくとも1つの中において下記の式が成立す
る。
K2≧0.85 (9) K3=0 (10) さらに望ましくは、P2〜P4の少なくとも1つにおい
て、下記の式が成立する。
K1≧0.3 (11) 0.5×10-3≦K4≦9×10-3 (12) 前記式(1)〜(12)は、ケーシング26中の、従って
層8の中のガス27が実際上、キャプスタン2、3の回転
による運動以外の運動を受けない場合に成立する。
t2〜t5段階で得られる等温性は、使用される要素数が
4以上の場合にのみ改良できるが、しかしこれは±8℃
の等温性と仕様コード品質とを得るのには必要でないほ
どの大きな投資を必要とする。
最終的冷却部分は、450℃〜650℃の温度Tf2のコード
を3〜6秒のオーダの時間で100〜200℃のオーダのTf3
温度まで冷却させる。この冷却部分は1対の交差キャプ
スタンを含み、下方キャプスタン2が駆動され、上方キ
ャプスタン3が駆動されず、また下方キャプスタンの第
1グルーブの巻き取り直径Deがこのキャプスタンの最後
のグルーブの直径Dsより大であるので、キャプスタンは
50〜150℃のオーダの温度Tc6に保持される。
下記の実施例は、各キャプスタン対P1〜P6について単
一ガス27を使用して前記のプラント100によって実施さ
れた。従ってL1=L2=Lである。前述のように、各キャ
プスタン対について、ケーシング16の中の、従ってガス
層28の中のガス27は実際上、キャプスタン2、3の回転
による運動以外の運動を受けない。
使用される鋼の組成を下記の表1に示す。
キャプスタン対P1〜P6の組立体のキャプスタン2、3
は耐熱性鋼X 12 Cr Ni 25 21(THYSSENのTHERMAX 484
5)Cr=25%,Ni=20%をもって製作された。この鋼の特
性は下記である。500℃での伝熱性:19W.m-1.゜k-1400℃
での熱膨張係数:17.10-6m.m-1.゜k-1 カバー率Trは、グルーブの底部と接触するコードの長
さと、伝熱要素上に到達する最初の接触点5と出口の最
後の点10との間の、すなわち前記の点5と10の間のコー
ドの全長との比率である。
断面比は下記の式によって与えられる。
合理的変形は、ε=Log(R)によって与えられる。
Logは自然対数である。
保温時間は、準安定オーステナイトの1%がパーライ
トに変態されるに必要な時間であって、この時間は冷却
の開始時点(キャプスタン対P1へのコード到達時点)か
ら計算される。
変態時間はパーライトが1%から99%の移行する時間
である。
実施例 1 テスト条件は下記である。
−鋼 型1 −保温時間=約3秒 −変態時間=約3秒 −コード直径:Df=1.1mm コードの繰り出し速度:15m/s −ガス 27: ・伝熱要素P1〜P4については:H2+N2、75%体積%のH
2、25%のN2(クラッキングされたNH3)、 ・等温保持要素P5については:純粋N2 ・最終冷却要素P6については:純粋H2 技術的簡単化のために各伝熱要素について単一ガスが
使用される。すなわちL1=L2=L.しかし、必要な場合に
は、コード4/キャプスタン2または3の伝熱と、キャプ
スタン2または3/冷却プレート15との伝熱とのために、
相異なるガスを使用する事ができる。
初期冷却、期間t1: 第1対のキャプスタンP1 コード入口のキャプスタン直径:De=1007mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=1000mm キャプスタンの軸間距離 :E =1050mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.902 グルーブのピッチ :p =10mm グルーブの幅 :J =1.7mm キャプスタン2の回転速度 :287r.p.m. 滞留時間:t1=2.94秒 単回数:7 コードの初期温度:Tf1=930℃ コードの最終温度:Tf2=580℃ キャプスタンは、2.4m3/hの25℃の水流によって、520℃
の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=7.8mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.424 K2=0.959 K3=0.7 K4=4.99×10−4 等温保持期間 t2,t3,t4,t5 期間t2中、第2対キャプスタン コード入口のキャプスタン直径:De=1000mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=1000mm キャプスタンの軸間距離 :E =1050mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.898 グルーブのピッチ :p =10mm グルーブの幅 :J =1.7mm キャプスタン2の回転速度 :287r.p.m. 滞留時間:t2=1.26秒 単回数:3 コード温度は580±5℃に保持された。
キャプスタンは、0.15m3/hの25℃の水流によって、545
℃の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=100mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.424 K2=0.952 K3=0 K4=6.48×10-3 期間t3、第3対のキャプスタンP3 コード入口のキャプスタン直径:De=1000mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=1000mm キャプスタンの軸間距離 :E =1050mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.898 グルーブのピッチ :p =10mm グルーブの幅 :J =1.7mm キャプスタン2の回転速度 :289r.p.m. 滞留時間:t3=1.26秒 単回数:3 コード温度は580±6℃で保持された。
キャプスタンは、0.7m3/hの25℃の水流によって、417℃
の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=16.5mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.424 K2=0.952 K3=0 K4=1.07×10-3 期間t4、第4対のキャプスタンP4:第2対のキャプスタ
ンと 同等期間t5、第5対のキャプスタンP5 コード入口のキャプスタン直径:De=600mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=600mm キャプスタンの軸間距離 :E =630mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.898 グルーブのピッチ :p =10mm グルーブの幅 :J =3mm キャプスタン2の回転速度 :480r.p.m. 滞留時間:t5=1.26秒 単回数:5 水循環を遮断し、電気抵抗38によってコード温度は585
±2℃に保持された。
電流消費を限定するため伝熱ガス層28の厚さHは最大限
に保持された:H=50mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=2.392×10-2 K2=0.952 K3=0 K4=5.04×10-2 最終冷却期間T6 第6キャプスタンP6 コード入口のキャプスタン直径:De=1000mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=993mm キャプスタンの軸間距離 :E =1050mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.894 グルーブのピッチ :p =10mm グルーブの幅 :J =1.7mm キャプスタン2の回転速度 :287r.p.m. 滞留時間:t6=4.19秒 単回数:10 コード初期温度:Tf2=580℃ コード最終温度:Tf3=193℃ キャプスタンは、2.13m3/hの25℃の水流によって、170
℃の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=1.5mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.424 K2=0.952 K3=0.7 K4=9.08×10-5 熱処理後にコード4は引っ張り破断抵抗1200MPa(メ
ガパルス)を有する。
次にこのコードを公知のようにして黄銅処理して線引
きして、最終直径0.17mmを得る。この線引きされたコー
ドの引っ張り破断抵抗は3000MPaである。
R=41.87 ε=3.73 実施例 2 この実施例においては型1の鋼の代わりに型2の鋼を
使用する事以外は前記の実施例1と同様である。保温時
間と変態時間は実施例1とほぼ同等である。
熱処理後にコードは1350MPaの引っ張り破断抵抗を有
する。
次にこのコードを公知のようにして黄銅処理し線引き
し、最終直径0.17mmを得る。このコードの引っ張り破断
抵抗は3500MPaである。
R=41.87 ε=3.73 実施例 3 このテストの条件は下記である。
−鋼型1 −保温時間=約3秒 −変態時間=約3秒 −コード直径:Df=1.83mm −コードの繰り出し速度V:15m/s −ガス27: ・伝熱要素P1〜P4:純粋H2 ・等温保持要素P5:純粋N2 ・最終冷却要素P6:純粋H2 初期冷却、期間t1: 第1対のキャプスタンP1 コード入口のキャプスタン直径:De=1510mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=1500mm キャプスタンの軸間距離 :E =1575mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.902 グルーブのピッチ :p =11mm グルーブの幅 :J =2.3mm キャプスタン2の回転速度 :191r.p.m. 滞留時間:t1=3.16秒 単回数:5 コードの初期温度:Tf1=930℃ コードの最終温度:Tf2=580℃ キャプスタンは、7.16m3/hの25℃の水流によって、540
℃の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=7mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.488 K2=0.959 K3=0.67 K4=3.67×10-4 等温保持期間 t2,t3,t4,t5 期間t2中、第2対キャプスタン コード入口のキャプスタン直径:De=1500mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=1500mm キャプスタンの軸間距離 :E =1575mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.898 グルーブのピッチ :p =11mm グルーブの幅 :J =2.3mm キャプスタン2の回転速度 :192r.p.m. 滞留時間:t2=1.26秒 単回数:2 コード温度は580±5℃に保持された。キャプスタン
は、0.4m3/hの25℃の水流によって、549℃の温度に保持
された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=123mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.488 K2=0.952 K3=0 K4=6.54×10-3 期間t3、第3対のキャプスタンP3 コード入口のキャプスタン直径:De=1500mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=1500mm キャプスタンの軸間距離 :E =1575mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.898 グルーブのピッチ :p =11mm グルーブの幅 :J =2.3mm キャプスタン2の回転速度 :192r.p.m. 滞留時間:t2=1.26秒 単回数:2 コード温度は580±6℃に保持された。
キャプスタンは、1.85m3/hの25℃の水流によって、436
℃の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=20mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.488 K2=0.952 K3=0 K4=1.06×10-3 期間t4、第4対のキャプスタンP4:第2対のキャプスタ
ンと同等 期間t5、第5対のキャプスタンP5 コード入口のキャプスタン直径:De=900mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=900mm キャプスタンの軸間距離 :E =945mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.898 グルーブのピッチ :p =11mm グルーブの幅 :J =3mm キャプスタン2の回転速度 :320r.p.m. 滞留時間:t5=1.51秒 単回数:4 コード温度は580±2℃に保持された。
水循環を遮断し、電気抵抗38によってキャプスタン温度
は585±5℃に保持された。
電流消費を限定するため伝熱ガス層28の厚さHは最大限
に保持された:H=50mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.0233 K2=0.952 K3=0 K4=0.062 最終冷却期間T6 第6キャプスタンP6 コード入口のキャプスタン直径:De=1500mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=1489mm キャプスタンの軸間距離 :E =1575mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.894 グルーブのピッチ :p =11mm グルーブの幅 :J =2.3mm キャプスタン2の回転速度 :192r.p.m. 滞留時間:t6=4.4秒 単回数:7 コード初期温度:Tf2=580℃ コード最終温度:Tf3=211℃ キャプスタンは、5.88m3/hの25℃の水流によって、170
℃の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=1.7mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.488 K2=0.952 K3=0.74 K4=9.04×10-5 熱処理後にコード4は引っ張り破断抵抗1200MPa(メ
ガパスカル)を有する。
次にこのコードを公知のようにして黄銅処理して線引
きして、最終直径0.28mmを得る。この線引きされたコー
ドの引っ張り破断抵抗は3050MPaである。
R=42.72 ε=3.75 実施例 4 この実施例においては型1の鋼の代わりに型2の鋼を
使用する事以外は前記の実施例1と同様である。保温時
間と変態時間は実施例1とほぼ同等である。
熱処理後にコードは1345MPaの引っ張り破断抵抗を有
する。
次にこのコードを公知のようにして黄銅処理し線引き
し、最終直径0.28mmを得る。このコードの引っ張り破断
抵抗は3480MPaである。
R=42.72 ε=3.75 実施例 5 このテストの条件は下記である。
−鋼型1 −保温時間=約3.5秒 −変態時間=約3秒 −コード直径:Df=2.35mm −コードの繰り出し速度V:15m/s −ガス27: ・伝熱要素P1〜P4およびP6:純粋H2 ・等温保持要素P5:純粋N2 ・技術的簡略化のため、各伝熱要素について単一ガスを
使用する。
初期冷却、期間t1: 第1対のキャプスタンP1 コード入口のキャプスタン直径:De=2114mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=2100mm キャプスタンの軸間距離 :E =2210mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.8996 グルーブのピッチ :p =12mm グルーブの幅 :J =2.7mm キャプスタン2の回転速度 :136r.p.m. 滞留時間:t1=3.54秒 単回数:4 コード初期温度:Tf1=930℃ コードの最終温度:Tf2=580℃ キャプスタンは、9.95m3/hの25℃の水流によって、558
℃の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=10mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.51 K2=0.957 K3=0.667 K4=4.44×10-4 等温保持期間 t2,t3,t4,t5 期間t2中、第2対キャプスタン コード入口のキャプスタン直径:De=2100mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=2100mm キャプスタンの軸間距離 :E =2210mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.896 グルーブのピッチ :p =12mm グルーブの幅 :J =2.7mm キャプスタン2の回転速度 :137r.p.m. 滞留時間:t1=1.77秒 単回数:2 コード温度は580±5℃に保持された。
キャプスタンは、0.66m3/hの25℃の水流によって、55
0℃の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=147mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.51 K2=0.95 K3=0 K4=6.57×10-3 期間t3中、第3対のキャプスタンP3 コード入口のキャプスタン直径:De=2100mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=2100mm キャプスタンの軸間距離 :E =2210mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.896 グルーブのピッチ :p =12mm グルーブの幅 :J =2.7mm キャプスタン2の回転速度 :137r.p.m. 滞留時間:t3=1.77秒 単回数:2 コード温度は580±6℃に保持された。
キャプスタンは、3m3/hの25℃の水流によって、443℃
の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=25mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.51 K2=0.95 K3=0 K4=1.12×10-3 期間t4、第4対のキャプスタンP4:第2対のキャプスタ
ンと同等 期間t5、第5対のキャプスタンP5 コード入口のキャプスタン直径:De=1200mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=1200mm キャプスタンの軸間距離 :E =1260mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.898 グルーブのピッチ :p =12mm グルーブの幅 :J =4.5mm キャプスタン2の回転速度 :239r.p.m. 滞留時間:t5=2秒 単回数:4 コード温度は580±2℃に保持された。
水循環を遮断し、電気抵抗38によってキャプスタン温度
は585±5℃に保持された。
電気消費を限定するため伝熱ガス層28の厚さHは最大限
に保持された:H=100mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.01 K2=0.952 K3=0 K4=0.115 最終冷却期間T6 第6キャプスタンP6 コード入口のキャプスタン直径:De=2100mm コード出口のキャプスタン直径:Ds=2085mm キャプスタンの軸間距離 :E=2210mm キャプスタンのカバー率 :Tr=0.8645 グルーブのピッチ :p =12mm グルーブの幅 :J =2.7mm キャプスタン2の回転速度 :137r.p.m. 滞留時間:t6=5.28秒 単回数:6 コード初期温度:Tf2=580℃ コード最終温度:Tf3=204℃ キャプスタンは、9.5m3/hの25℃の水流によって、170℃
の温度に保持された。
伝熱ガス層28の厚さ:H=2.2mm 伝熱要素の主パラメータ: K1=0.511 K2=0.95 K3=0.72 K4=9.84×10-5 熱処理後にコード4は引っ張り破断抵抗1195MPa(メ
ガパスカル)を有する。
次にこのコードを公知のようにして黄銅処理して線引
きして、最終直径0.35mmを得る。この線引きされたコー
ドの引っ張り破断抵抗は2950MPaである。
R=45.1 ε=3.81 実施例 6 この実施例においては型1の鋼の代わりに型2の鋼を
使用する事以外は前記の実施例1と同様である。保温時
間と変態時間は実施例1とほぼ同等である。
熱処理後にコードは1355MPaの引っ張り破断抵抗を有
する。
次にこのコードを公知のようにして黄銅処理し線引き
し、最終直径0.35mmを得る。このコードの引っ張り破断
抵抗は3510MPaである。
R=45.1 ε=3.81 実施例 7 この実施例は、組成の観点から型1を使用するが、58
0℃において3.8℃の保温時間と3.8秒の変態時間を使用
する以外は実施例1と同様である。
このプラントは、単回数を第1キャプスタン対P1につ
いて7から8に変更し、第3キャプスタン対P3について
3から4に変更した事以外は、実施例1に使用したプラ
ントと同等である。
熱処理および線引き後の破断抵抗は実施例1の破断抵
抗と2%以上相違しない。
実施例 8 この実施例は、組成の観点から型2を使用するが、58
0℃において4.4秒の保温時間と6秒の変態時間を使用す
る以外は実施例6と同様である。
このプラントは、単回数を第1キャプスタン対P1につ
いて4から5に変更し、第3キャプスタン対P3について
2から3に変更した事以外は、実施例6に使用したプラ
ントと同等である。
熱処理および線引き後の破断抵抗は実施例1の破断抵
抗と2%以上相違しない。
実施例 9 この実施例は、組成の観点から型2を使用するが、58
0℃において4秒の保温時間と3秒の変態時間を使用す
る以外は実施例2と同様である。
この実施例においては、自動制御によって第2キャプ
スタ対P2を加熱モードに移行させる。すなわち第2キャ
プスタン対においてコードの到着とコードがオーステナ
イトのパーライトへの変態による放熱体となる時点との
間において発生するコードの冷却を防止するように、冷
却水循環を遮断しまた加熱用電気抵抗38を始動した。
熱処理と線引き後の破断抵抗は実施例2に対して2%
たらず減少した。これは、等温性が少し不良となった事
による。
等温性を増大する事により、すなわちキャプスタン対
数を増大する事により、適合性が改良されるが、このよ
うにして得られたコード抵抗のわずかの利得は一般にそ
のコストに見合うものではない。
プラント100において本発明によって処理されたコー
ド4は公知の溶融鉛パテンティング法によって得られる
ものと同一組織、すなわち微細パーライト組織を有す
る。この組織は、フェライト層によって分離されたセメ
ンタイト層を含む。一例として、図10はこのような微細
パーライト組織の一部70を示す。この部分70は、フェラ
イト層72によって相互に分離された実際上平行なセメン
タイトの2層71を示す。セメンタイト層71の厚さは
[i]で図示され、フェライト層の厚さは「e」で示さ
れている。パーライト組織は微細である。すなわち、計
i+eの平均値が 等しい。
本発明は前記の説明のみに限定されるものでなく、そ
の主旨の範囲内において任意に変更実施できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/06,9/52,9/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1本の金属コードを少なくとも
    2本の伝熱性キャプスタンに設けた溝の間をクロス掛け
    するように送り、伝熱性キャプスタンの溝の幅を金属コ
    ードの幅より少し大とし、前記溝の中のガスを金属コー
    ドおよび伝熱性キャプスタンと接触させて少なくとも1
    本の金属コードを熱処理する熱処理方法において、前記
    熱処理方法は、 a)伝熱性キャプスタンを伝熱性キャプスタンと少なく
    とも1つの伝熱性部材との間に介在するガスによって加
    熱または冷却し、前記ガスは伝熱性キャプスタンおよび
    伝熱性部材と接触し、伝熱性部材は伝熱性キャプスタン
    の外側に配置され、前記ガス以外の熱量保持流体を伝熱
    性部材と接触させながら循環させて、ガスと伝熱部材と
    の間および伝熱性部材と流体との間において熱交換させ
    る段階と、 b)実施される熱処理に対応して伝熱性キャプスタンと
    伝熱性部材との間のガス層の厚さを制御する段階とを有
    することを特徴とする熱処理方法。
  2. 【請求項2】金属コードの幅より少し広い幅の溝を有す
    る少なくとも2本の伝熱性キャプスタンと、金属コード
    を伝熱性キャプスタンの溝の中に繰り出して少なくとも
    2本の伝熱性キャプスタンに設けた溝の間をクロス掛け
    するように送る手段と、伝熱性キャプスタンの溝の中に
    配置されて金属コードおよび伝熱性キャプスタンと接触
    するガスとを有し少なくとも1本の金属コードを伝熱性
    キャプスタンによって熱処理する熱処理装置において、
    前記熱処理装置は、伝熱性キャプスタンを加熱または冷
    却する手段と、実施される熱処理に対応して伝熱性キャ
    プスタンと伝熱性部材との間のガス層の厚さを制御する
    手段とを有し、前記加熱または冷却手段は、伝熱性キャ
    プスタンの外部に配置された少なくとも1つの伝熱性部
    材と、伝熱性部材に前記ガス以外の熱量保持流体を接触
    させる手段と、伝熱性キャプスタンと伝熱性部材との間
    に配置されて伝熱性キャプスタンおよび伝熱性部材に接
    触するガスを有し、ガスと伝熱部材との間および伝熱性
    部材と流体との間において熱交換させることを特徴とす
    る熱処理装置。
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