JP2894886B2 - パーキングブレーキ構造 - Google Patents

パーキングブレーキ構造

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JP2894886B2
JP2894886B2 JP35147591A JP35147591A JP2894886B2 JP 2894886 B2 JP2894886 B2 JP 2894886B2 JP 35147591 A JP35147591 A JP 35147591A JP 35147591 A JP35147591 A JP 35147591A JP 2894886 B2 JP2894886 B2 JP 2894886B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステッキ式のパーキン
グブレーキ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステッキ式の車両用パーキングブレーキ
装置として、ノブを引くことにより入力された力がロッ
ド、ケーブルを介してインタミーディエイトレバーに入
力され、そのインタミーディエイトレバーのレバー比分
だけ倍力された力がイコライザーにより左右に分岐さ
れ、再びケーブルを介して左右のパーキングブレーキに
入力されるようにした構造のものは公知である。また、
実開昭59−58673号公報で公知のように、ノブを
引くことにより入力された力がロッドを介して倍力レバ
ーに入力され、この倍力レバーにより倍力された力がケ
ーブルを介してイコライザーに至り、ここで分岐され、
再びケーブルを介して左右のパーキングブレーキに入力
されるようにした構造のものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
構造は、ロッドから一度ケーブルを介して倍力機構を別
の所に配置するものであり、イコライザーが車体後方中
央付近に位置するため、フロントからリヤヘの配線を車
体中央付近に配線しなければならず、センタートンネル
のない車体等では、イコライザーの配置、ケーブルの配
線等に問題がある。また、後者の構造では、ノブの近く
に配置する倍力機構にリンクを用い、そのリンクの揺動
に追従してロッドを揺動可能に支持しなければならない
ため、大きなスペースを必要とする。
【0004】そこで本発明の目的は、操作部の近くに倍
力機構を配置しつつ、倍力機構を小型化できるととも
に、ロッドのストロークに対する倍力機構のレバー比を
可変として、操作性の向上を図ることができ、更に、操
作の簡単なリリース動作の採用も可能としたパーキング
ブレーキ構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
本発明は、運転者が操作する操作部と、この操作部から
延びるロッドと、このロッドの周方向の一部に軸方向に
沿って設けたロック歯と、このロック歯に係合するラチ
ェットと、前記ロッドを回転可能及び軸方向移動可能に
支持するベース部と、このベース部に突設したリンク係
合ピンと、前記ロッドの外周に回転可能で軸方向移動を
規制して設けたリンク枢着部材と、このリンク枢着部材
に一端を枢着したリンクと、このリンクの他端に設けら
れ、前記リンク係合ピンが摺動係合する長孔と、この長
孔と前記リンクの枢着部との中間部に一端が取り付けら
れ、他端が車輪のパーキングブレーキに連結されるケー
ブルとからなるパーキングブレーキ構造を特徴とする。
【0006】
【作用】ロッドを回転可能及び軸方向移動可能にベース
部に支持して、ロッド外周上の回転可能で軸方向移動が
規制されたリンク枢着部材に一端を枢着したリンクの他
端に設けた長孔に、ベース部に突設したリンク係合ピン
を摺動係合したので、操作部の近くに倍力機構を配置し
ながら、リンクのピンに対する長孔による摺動係合によ
り、ロッドの揺動を不要にして、倍力機構を小型化でき
るとともに、ロッドのストロークに対する倍力機構のレ
バー比が可変となって、操作性の向上が図れる。また、
リンク枢着部材をロッド外周上に回転可能に設けたの
で、ロッドの回動による操作の簡単なリリース動作を採
用できる。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明によるパーキングブレーキ構造の操
作部配置の一例を示したもので、適用例では、前後に1
名ずつ乗り込めるタンデム式ミッドシップ車両における
中央配置のハンドル1の側方に、パーキングブレーキの
操作部であるノブ3が配置されている。このノブ3は、
矢印Pの如く引っ張ることによりパーキングブレーキ動
作が行なえ、矢印Rの如く回動することによりリリース
動作が行なえる。
【0008】ノブ3は、図2のように、ロッド5の後端
に一体化して備えられており、このロッド5は、周方向
の一部に軸方向に沿ってロック歯7を形成するととも
に、このロック歯7よりノブ3側の手前部分にフランジ
部9を形成してなる。そして、ロッド5は、前方部を支
持パイプ11内に組み込まれており、この支持パイプ1
1は、ブラケット13を介して車体に固定されている。
更に、ロッド5は、ロック歯7より手前部分を、ホルダ
15の前後に備えたガイド部17,19に回転可能及び
軸方向移動可能に支持されており、このホルダ15は、
ベース部であるブラケット21を介して車体に固定され
ている。
【0009】ベース部をなすブラケット21には、リン
ク係合ピン23が突設して備えられており、このリンク
係合ピン23に、リンク25の上端側に形成した長孔2
7が摺動自在に係合している。そして、リンク25の下
端には、枢着ピン29を介してリンク枢着部材31が連
結され、このリンク枢着部材31は、前記ロッド5の前
記フランジ部9より手前部分の外周に回転自在に組み付
けられている。また、前記ホルダ15には、前記ロッド
5の前記ロック歯7に係合するラチェット33が支軸3
5を介して備えられており、この支軸35部分には、図
3のように、ラチェット33をロック歯7との係合方向
に常時付勢する捩りスプリング37が設けられている。
【0010】更に、前記リンク25の前記長孔27と前
記枢着ピン29との中間部には、枢着ピン39を介して
ジョイントボルト41が連結されている。このジョイン
トボルト41には、図4のように、枢着ピン43を介し
てイコライザー45が連結されており、このイコライザ
ー45とジョイントボルト41間に引張スプリング47
が介装されている。49はアジャストナットである。そ
して、イコライザー45の左右にケーブル51,51が
接続されており、この左右のケーブル51,51は、図
示せぬ左右の車輪のパーキングブレーキに夫々接続され
ている。
【0011】尚、左右のケーブル51,51のアウター
53,53は、前記支持パイプ11に固設したホルダ5
5に係止されている。そして、実施例では、センタート
ンネルが無い車体のため、フロントからリヤヘのケーブ
ル配線を、車体両端部での配線としている。また、前記
支持パイプ11の後端部には、パーキングブレーキスイ
ッチ57が設けられており、このスイッチ57に接触す
るピン59が前記ロッド5に設けられている。
【0012】以上のパーキングブレーキ構造によれば、
運転者がノブ3を手前に引っ張ることで、ロッド5のロ
ック歯7に対するラチェット33の係合が解除されると
ともに、図3に仮想線で示したように、ロッド5のフラ
ンジ部9との係合によりリンク枢着部材31が、ロッド
5とともに手前に移動し、これによりリンク25が長孔
27を介してリンク係合ピン23周りに揺動する。この
リンク25の揺動によって、ジョイントボルト41、引
張スプリング47、イコライザー45を介して左右のケ
ーブル51,51が同時に引かれることで、左右の後輪
がパーキングブレーキ状態となる。このパーキングブレ
ーキ状態で、ロッド5のロック歯7に対して、ラチェッ
ト33が捩りスプリング37の付勢力により再び係合す
る。
【0013】そして、運転者がノブ3を回動すると、ラ
チェット33に対しロック歯7の位置が側方にずれて、
係合が解除され、リリース動作が行なわれるとともに、
引張スプリング41の付勢力によって、ジョイントボル
ト41、リンク25、リンク枢着部材31、フランジ部
9を介してロッド5が前方に移動して、図示実線の初期
位置に復帰する。このように、ロッド5の外周上に回転
可能なリンク枢着部材31を付加することにより、ノブ
3の回動による操作の簡単なリリース動作を採用するこ
とが可能となった。
【0014】以上の通り、ノブ3の近くでロッド5に沿
うようにして、長孔27を有するリンク25による倍力
機構からイコライザー45までを配置した構造であり、
リンク25の揺動に伴いロッド5が揺動することが無い
ため、倍力機構を小型化できるとともに、イコライザー
45部までフロント室内配置が可能となるので、ケーブ
ル配線の自由度が向上する。しかも、リンク25のピン
23に対する長孔27による摺動係合により、ロッド5
のストロークに対する倍力機構のレバー比を可変とする
ことができるので、操作性の向上をも図ることができ
る。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明のパーキングブレー
キ構造によれば、特に、ロッドを回転可能及び軸方向移
動可能にベース部に支持して、ロッド外周上の回転可能
で軸方向移動が規制されたリンク枢着部材に一端を枢着
したリンクの他端に設けた長孔に、ベース部に突設した
リンク係合ピンを摺動係合してなるため、操作部の近く
に倍力機構を配置しながら、リンクのピンに対する長孔
による摺動係合により、ロッドの揺動を不要にして、倍
力機構を小型化することができるとともに、ロッドのス
トロークに対する倍力機構のレバー比を可変として、操
作性の向上をも達成することができる。更に、リンク枢
着部材をロッド外周上に回転可能に設けたことにより、
ロッドの回動による操作の簡単なリリース動作を採用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパーキングブレーキ構造の操作部
配置の一例を示すハンドル周りの斜視図
【図2】本発明のパーキングブレーキ構造を示す側面図
【図3】同じく要部拡大図
【図4】イコライザー部分の平面図
【符号の説明】
1…ハンドル、3…操作部、5…ロッド、7…ロック
歯、9…フランジ部、15…ホルダ、21…ベース部、
23…リンク係合ピン、25…リンク、27…長孔、3
1…リンク枢着部材、33…ラチェット、41…ジョイ
ントボルト、45…イコライザー、51…ケーブル。
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−85164(JP,U) 特公 昭29−1008(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 7/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者が操作する操作部と、この操作部
    から延びるロッドと、このロッドの周方向の一部に軸方
    向に沿って設けたロック歯と、このロック歯に係合する
    ラチェットと、前記ロッドを回転可能及び軸方向移動可
    能に支持するベース部と、このベース部に突設したリン
    ク係合ピンと、前記ロッドの外周に回転可能で軸方向移
    動を規制して設けたリンク枢着部材と、このリンク枢着
    部材に一端を枢着したリンクと、このリンクの他端に設
    けられ、前記リンク係合ピンが摺動係合する長孔と、こ
    の長孔と前記リンクの枢着部との中間部に一端が取り付
    けられ、他端が車輪のパーキングブレーキに連結される
    ケーブルとからなることを特徴とするパーキングブレー
    キ構造。
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