JP2894653B2 - 縫製プログラムによる自動縫製機用クランプの加工装置 - Google Patents

縫製プログラムによる自動縫製機用クランプの加工装置

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JP2894653B2
JP2894653B2 JP3242010A JP24201091A JP2894653B2 JP 2894653 B2 JP2894653 B2 JP 2894653B2 JP 3242010 A JP3242010 A JP 3242010A JP 24201091 A JP24201091 A JP 24201091A JP 2894653 B2 JP2894653 B2 JP 2894653B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動縫製機に取り付ける
クランプの製造装置に係り、詳しくはXY駆動制御機構
を備えた自動縫製機を使用するクランプの加工装置につ
いて、縫製プログラムによる自動縫製機用クランプの加
工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より自動縫製機においては、縫製時
に被縫製物を支持しているクランプを縫製パターンデー
タに基づいてXY方向に移動制御することにより、該被
縫製物を縫製パターンに沿って縫製している。そして、
XY駆動制御台に固定した未加工の板状のクランプ素材
を、該クランプ素材を横断する方向に進退するドリルに
よって、自動縫製機に使用するクランプを切削加工する
際、上記縫製パターンデータに相似した縫い代をくり抜
くため、以下に説明するように切削加工前に予め該縫製
パターンデータのプログラムに変更を加えてクランプ加
工用のデータに処理してから切削制御を行っていた。
【0003】従来の自動縫製機用のクランプ加工装置を
詳述すると、該クランプ加工装置は、被縫製物を載置す
るプレート(ミシンテーブル)と、ミシン本体に取り付
けられXY方向に移動可能な外枠腕及び該外枠腕先端に
設けた外枠と、該外枠腕に連結自在に固定され被縫製物
を保持するクランプを有する構造において、上記プレー
トの下方にミシンと離隔してドリル等の加工具を設け、
外枠に保持されたクランプを、上記ミシン本体のミシン
針と、上記加工具の位置にそれぞれ対応した第一及び第
二の連結位置で連結可能とし、該第一及び第二の連結位
置は上記ミシン針と上記加工具の刃間の距離と等しくし
たことによって構成してある。
【0004】そしてクランプ加工時は、クランプ素材板
を上記外枠に固定し、クランプ素材板が縫いパターンの
縫い始め位置になるまでクランプを移動し、加工具を上
昇させながらクランプ素材板を穿孔加工し、加工具を上
位置で固定した後、縫製パターンデータに基づいてクラ
ンプをXY移動しながら該クランプ素材板を加工してミ
シン針が挿通するクランプ穴を形成する。縫製時は、ミ
シン針と加工具間の水平方向だけオフセットした位置で
クランプの連結を第一の位置から第二の位置に変更して
保持することにより縫製状態とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、クランプの切
削時のXY制御は、縫製パターンデータのプログラムに
よってクランプを移動することができるのであるが、例
えば、データが「縫いデータ」の場合は、前述のように
加工具をクランプに当てながら、クランプを移動させ、
またはデータが「空縫いデータ」の場合は予め加工具を
クランプから離隔しておき、その後にクランプを移動さ
せなければならず、万一クランプに対する加工具の移動
を誤ったままクランプを移動させると、クランプが切削
されなかったり、または不要な部分が切削され、特に空
縫いデータによる移動が高速の場合には、刃が折損して
作業者が怪我をする等の問題を有していた。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、クランプの加工制御に該クランプで押さえて縫製
するミシンの縫製パターンデータを使用するものにおい
て、縫製パターンデータの「空縫いデータ」を判別した
とき、加工具の刃の位置を検出するようになり、適正位
置にないときに警告を発すると同時にクランプの送りを
禁止して位置修正するようにした、縫製プログラムによ
る自動縫製機用クランプの加工装置を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る縫製プログ
ラムによる自動縫製機用クランプの加工装置は、XY制
御駆動機構によりXY方向に移動可能な外枠腕と、該外
枠腕に連結されテーブル上を移動するクランプと、上記
クランプに対向配置してクランプに向かって進退可能と
した加工具とを備え、加工具を上昇してクランプを穿孔
する位置に移動させて「縫いデータ」としての縫製パタ
ーンデータに基づいてクランプをXY移動することによ
り該クランプを穿孔加工する自動縫製機用クランプの加
工装置において、縫製パターンデータが「空縫いデー
タ」であることを判別する手段と、加工具を上昇してク
ランプを穿孔する位置と加工具を下降してクランプから
離隔する位置を検出する刃位置センサと、加工具がクラ
ンプを穿孔する位置にあり、且つ縫製パターンデータが
「空縫いデータ」であるときはXY制御駆動機構の作動
を禁止する制御手段とを備えたことを要旨とするもので
ある。
【0008】
【作用】上記構成になるクランプの加工装置によれば、
加工具の刃と被加工クランプとの位置関係が常時監視さ
れている。従って、縫製に用いるパターンデータをその
ままの状態で使用し、パターンデータに含まれる「空縫
いデータ」によってクランプを「非加工」の送り制御を
する場合に、刃が加工位置にある時誤って被加工操作を
してXY制御駆動機構を移動しようとした場合、警告
(エラー表示)を発すると同時にクランプの送りを禁止
して、制御装置を介して刃位置を適正な位置に変位駆動
させるようになる。
【0009】
【実施例】以下、図面に従って、本発明に係る縫製プロ
グラムによる自動縫製機用クランプの加工装置を説明す
る。図1乃至図4は本発明を実施する自動縫製機用クラ
ンプ加工装置の一実施例を示すものであり、符号2はミ
シンテーブル、符号4は該ミシンテーブル2上に設けた
ミシン本体である。該ミシン本体4には外枠腕6が設け
られており、公知のXY駆動装置(図示せず)によって
XY方向に変位可能になる。
【0010】符号8は板状のクランプ材14に穿孔加工
を施す穿孔ドリル等の加工具であり、上記ミシンテーブ
ル2の下方において加工具ホルダ10により該ミシンテ
ーブル2に取り付けられると共に、該加工具8はフレー
ム(図示せず)に固定された軸11を中心として回動す
るレバー12によって昇降移動可能である。また上記加
工具8の刃9は、ミシンの針落点からY方向へ距離yの
離間位置に配置し、ミシンテーブル2に加工具の刃9を
挿通する孔16を設けてなる。
【0011】符号18は上記クランプ材14を縫製の変
更に伴って取換可能に固定する外枠であり、図3及び図
4に示すように、該外枠18には螺子20によってクラ
ンプ材14が固定され、両部材によりクランプ保持手段
1を構成する。22は、外枠18に突設した外枠支持板
であり、突起部24を突設し、該外枠支持板22と突起
部24は、外枠18に4箇所配置して、G1,G2の二
組とし、それぞれに外枠腕6の先端部に設けた凹部(図
示せず)と着脱自在に固定され、これにより外枠18と
外枠腕6が着脱自在に連結される。
【0012】上記外枠18の第一の固定位置G1には、
クランプ材14を加工する際に外枠腕6を固定するもの
とし、また第二の固定位置G2には被縫製物を縫製する
際に外枠腕6を固定するものとし、該第一及び第二の固
定位置G1,G2間の間隔は加工具の刃9と針落点間の
距離yと等しく構成してなる。
【0013】次に前記構成を有するクランプ加工装置を
用いて自動縫製機用のクランプを加工する際の作用を説
明する。
【0014】螺子20によって未加工のクランプ材14
を外枠18に固定し、外枠腕6を外枠18の第一の固定
位置G1に固着することによりクランプ保持装置1を外
枠腕6に連結する。
【0015】そして加工具のスイッチを「ON」すると
共に、XY駆動装置を備えたミシンのスタートスイッチ
を「ON」すると、XY駆動装置が縫製パターンデータ
に基づいて外枠腕6を介してクランプ保持手段1をXY
移動し、被縫製物を縫製する際の縫いパターンの縫い始
め位置に相当する位置までクランプ材14を送り、該位
置から後述する本発明の「停止制御方法」を含む制御駆
動によって切削加工を開始する。
【0016】クランプ14の加工終了後、縫製可能状態
にするには、加工具8のスイッチを「OFF」して突起
部24と外枠腕6との連結を外すことによりクランプ保
持手段1を外枠腕6から外すと共に、外枠18との固定
位置を第二の固定位置G2に変え、再び突起部24と外
枠腕6とを連結することにより該クランプ保持手段1を
外枠腕6と連結する。
【0017】このように、クランプ14を加工した後、
外枠18の固定位置G1を縫製時の固定位置G2に変更
し、外枠18を外枠腕6に連結するだけで縫製可能とな
るもので、縫製する際には、クランプ14によって被縫
製物を保持し、外枠腕6によりクランプ14をXY方向
に制御移動させながら被縫製物を縫製する。
【0018】尚、前記構成の説明ではクランプ加工機が
ミシンと一体のものについて説明したが、別体であって
も差し支えないものである。
【0019】図5は前記XY駆動装置を駆動制御する制
御装置の一実施例を示すものであり、コマンド呼び出し
部31,コマンドを判別して外枠腕6を移動停止する制
御手段32を有する中央制御装置CPUには、縫製基本
パターンデータを記憶させてある書換え可能なRAMと
本システムプログラムを記憶させたROMが接続される
と共に、I/O装置を介してXY駆動装置のXモータ3
3とYモータ34が接続してある。また符号30は、空
送りスイッチ35、クランプ下降スイッチ36,スター
トスイッチ39、空縫いデータに対して「切削」または
「非切削」を選択する切削モード選択スイッチ40、加
工モード選択スイッチ41を配置した入力ボードであ
り、37は加工具ホルダ10に設けた発光・受光素子と
加工具8の側面に設けた反射板(図示せず)から構成さ
れ、加工具8の刃9が孔16から突出してクランプ材1
4を穿孔加工可能な位置にあるか、またはクランプ材1
4から離隔した退行位置にあるかを検出する刃位置セン
サである。そして、各状態表示は表示パネル38に表示
されるようになる。
【0020】以下、本発明の「停止制御方法」を含む縫
製プログラムによる自動縫製機用クランプの加工プログ
ラムを図6乃至図9に示すフローチャートに従って説明
する。 (1)電源「ON」 (2)切削モードの判定 縫製パターンデータを共用するため、加工モード選択ス
イッチ41の位置によって「クランプ加工」か、または
「通常の縫製処理」かを設定する。 (3)切削速度の設定 加工具8の刃9の相対移動速度を設定する。 (4)準備キー「ON」 装置の原点を検索後、所定の初期位置または縫い始め位
置に送り制御する。 (5)次データの表示 縫製パターンデータから、「縫いデータ」か「空縫いデ
ータ」かを判断し、表示パネル38に表示して作業者に
認識させる。(表示パネル38に変えて音声告知させる
こともできる。) (6)クランプ下降 クランプ下降スイッチ36を「下降」側に入力してクラ
ンプ材14をミシンテーブル2上に下降させる。 (7)次データの認識 縫製パターンデータから読み込んだコードが、「縫いデ
ータ」か「空縫いデータ」かを判断し、作業者は、縫い
データの場合は、クランプ材14を穿孔するために加工
具8を上昇前進させて(8)に移り、また空縫いデータ
の場合は、通常下降後退させて(12)に移る。 (8)スタートスイッチ「ON」 ここでスタートスイッチ39を「ON」することによっ
て、縫いデータの終端までXY駆動装置を設定した切削
速度で送り制御し、加工具8の刃9によってクランプ材
14を切削加工すると共に、縫いデータ終了端で停止す
る。尚、スタートスイッチ39の操作を誤って後述する
空送りスイッチ35を「ON」しても何ら作動しない。 (9)次データの表示 縫製パターンデータから次の工程について、「縫いデー
タ」か「空縫いデータ」かを判断し、表示パネル38に
表示して作業者に認識させる。 (10)縫製パターン終端の認識 一つの加工工程を終了すると、縫製パターンの全工程が
終了したか否かの終了コマンドを検索し、全工程終了の
場合は、(11)に移る。また、残り工程がある場合
は、(7)に移る。 (11)空送りスイッチ「ON」 空送りスイッチ35を入力すると、加工具8の刃9がク
ランプ素材14から下降しているか判別して、上昇して
いればエラー表示し、下降していれば初期位置または縫
い始め位置に送り制御した後、クランプを上昇させ、説
明(5)に戻る。 (12)空送りスイッチ「ON」 空縫いデータ表示を確認して空送りスイッチ35を入力
する。この時、誤ってスタートスイッチ39を「ON」
しても何ら作動しない。 (13)空縫いデータ部切削の是非 縫製パターンデータの空縫いデータ部を「切削」するか
「非切削」するか切削モード選択スイッチ41を判定し
て、「切削」の場合は(8)の状態になる。また「非切
削」の場合は加工具8の刃9が下降しているか判別して
上昇していればエラー表示し、下降していれば、空縫い
データの終端までXY駆動装置により「縫いデータ」に
よる切削送りよりも高速で送り制御し、前記(9)に移
る。
【0021】上記フローチャートのE部は、それぞれエ
ラー処理制御を示すものであり、両エラー処理制御部で
は、XY駆動装置を移動させようとする際、加工具8の
刃9がクランプ材14に向かって上昇前進しており、こ
れを加工具ホルダ10に固設した発光・受光素子と加工
具8の側面に固設した反射板からなる加工刃位置センサ
37によって検出するもので、「エラー表示」を行うと
共に、該刃9が後退するまでクランプ材14の移動を停
止する。従って、レバー12を操作して加工具8を下降
後退させることによって、「エラー表示」が解消され、
通常の作動に戻る。
【0022】また、図10は上記方法によって加工した
クランプ14の一例を示すものであり、図11は該加工
に使用するデータの実施例を示すものである。両図中の
符号イ,ロ,ハ…は対応しており、ロ位置は第一縫いデ
ータの縫い始めを示し、ハ,ニ,ホ…位置で本発明に係
る、次の縫製パターンデータを読み込むと共に、コマン
ドが「縫いデータ」(80E1)か「空縫いデータ」
(807E)か検索すると同時に空縫いデータの「加
工」または「非加工」を「自動判別」する。尚、コマン
ド80FDは終了コードであり、縫い終わりから縫い始
めまでの空縫いデータとして処理される。
【0023】即ち、縫製に用いるパターンデータをその
ままの状態でクランプの加工に使用したとき、パターン
データに含まれる「縫いデータ」と「空縫いデータ」の
開始位置で送りを停止して次データの種類を表示或は告
知するようになると共に、「空縫いデータ」の処理に関
しては「切削」または「非切削」の処理を予め入力して
あるため、縫製データに関係なくクランプ材14の加工
を自動的に行うことができる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る縫製プロ
グラムによる自動縫製機用クランプの加工装置によれ
ば、クランプ材に対する加工刃の位置を監視する刃位置
センサを設けたことにより、誤操作による事故を解消
し、縫製パターンデータによってクランプの加工を安全
に行うことができるようになる特徴を有するものであ
り、本発明実施後の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するクランプ加工装置の一実施例
を示す側面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】同装置の外枠の斜視図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】XY駆動装置を駆動制御する制御装置の一実施
例を示すブロック線図である。
【図6】図5の制御装置による制御方法を示す第1フロ
ーチャートである。
【図7】図5の制御装置による制御方法を示す第2フロ
ーチャートである。
【図8】図5の制御装置による制御方法を示す第3フロ
ーチャートである。
【図9】図5の制御装置による制御方法を示す第4フロ
ーチャートである。
【図10】クランプの実施例を示す平面図である。
【図11】図10のクランプ加工に使用する縫製パター
ンデータの実施例である。
【符号の説明】
1 クランプ保持手段 2 ミシンテーブル 4 ミシン 6 外枠腕 8 加工具 9 刃 14 クランプ材 18 外枠 22 外枠支持板 31 コマンド呼び出し部 33 Xモータ 34 Yモータ 30 入力ボード CPU 中央制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XY制御駆動機構によりXY方向に移動
    可能な外枠腕と、 該外枠腕に連結されテーブル上を移動するクランプと、 上記クランプに対向配置してクランプに向かって進退可
    能とした加工具とを備え、 加工具を上昇してクランプを穿孔する位置に移動させて
    「縫いデータ」としての縫製パターンデータに基づいて
    クランプをXY移動することにより該クランプを穿孔加
    工する自動縫製機用クランプの加工装置において、 縫製パターンデータが「空縫いデータ」であることを判
    別する手段と、 加工具を上昇してクランプを穿孔する位置と加工具を
    してクランプから離隔する位置を検出する刃位置セン
    サと、 加工具がクランプを穿孔する位置にあり、且つ縫製パタ
    ーンデータが「空縫いデータ」であるときはXY制御駆
    動機構の作動を禁止する制御手段とを備えたことを特徴
    とする縫製プログラムによる自動縫製機構用クランプの
    加工装置。
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