JP2893103B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2893103B2
JP2893103B2 JP5263195A JP26319593A JP2893103B2 JP 2893103 B2 JP2893103 B2 JP 2893103B2 JP 5263195 A JP5263195 A JP 5263195A JP 26319593 A JP26319593 A JP 26319593A JP 2893103 B2 JP2893103 B2 JP 2893103B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、エチレン−プロピレン
−ジエンゴムを主成分とし、耐候性、耐熱性に優れると
共に耐亀裂成長性、耐摩耗性にも優れるゴム組成物に関
するものである。又、このゴム組成物をタイヤサイドウ
オールに使用することにより、外観を飛躍的に改良する
ばかりでなく、特に大型タイヤの更生寿命を著しく改良
した空気入りタイヤ、更にはタイヤトレッドに使用する
ことにより、外観を飛躍的に改良するばかりでなく、耐
グルーブクラック性を著しく改良した空気入りタイヤに
関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、エチレン、プロピレンを主成分と
するゴムは、イオウによる架橋を可能とさせる為に第三
成分、例えば、ジシクロペンタジエン、エチリデンノル
ボルネン、1.4−ヘキサジエン等を共重合させる技術
が開発されている。この方法によって作られるゴムは、
主鎖中に二重結合を有していないので、オゾン等により
化学的メカニズムによる主鎖切断が起こらないので優れ
た耐候性、耐熱性を有している。しかしながら、耐亀裂
成長性と耐摩耗性においては、ジエン系ゴム対比で、数
段も劣り、又、ジエン系ゴムとの共加硫性に乏しく、ゴ
ム製品への適用が制限されてきた。 【0003】空気入りタイヤの分野においては、従来か
ら、タイヤのサイドウオール用のゴム組成物は、天然ゴ
ム、BR、SBRのブレンドから構成されるケースが多
かった。しかし、最近少し傾向が変化し、屈曲耐久性に
優れるBRを多用するケースが増えてきている。世界的
に見て天然ゴムとBRのブレンドが支配的になり、しか
もBRのブレンド比率が50%以上になるケースが多く
なっている。しかしながら、上記ジエン系ゴムからのみ
構成されるゴム組成物は、本質的に酸素、オゾンによっ
て容易に酸化され易く、通常、強力なアミン系老化防止
剤、パラフィン系ワックスを配合して、酸化されるのを
防いでいる。 【0004】タイヤが新しい間は、耐候性という観点か
らはこれで特に問題はないが、使用末期、或いは、トレ
ッド部を更生するなどして長期間使用すると、ゴム組成
物中の老化防止剤の有効量が減少してオゾンクラック等
が発生している。最近のようにタイヤの性能が飛躍的に
向上してくると、この問題は益々大きな問題としてクロ
ーズアップされてきた。 【0005】これを防ぐ方法としてアミン系老化防止剤
を増量する方法、寿命の長い老化防止剤を使用する方
法、ゴムの主鎖に反応して外部に老化防止剤が出ていか
ない反応性老化防止剤を使用する方法等が考えられる
が、アミン系老化防止剤を増量する方法は、持続性とい
う観点からは改良効果が小さく、寿命の長い老化防止
剤、反応性老化防止剤は、老化効果が小さいという欠点
があった。 【0006】一方で老化防止剤を使用しなくても良いよ
うな、主鎖に二重結合を有していない非ジエン系のゴム
を使用しようとする研究も行われた。EPDM、ハロゲ
ン化ブチルゴム、クロロプレンゴム等がそれであるが、
ジエン系ゴム対比で、屈曲耐久性、耐亀裂成長性が著し
く劣るため、現在、実用になっているケースは非常に少
ない。 【0007】又、上記耐久性に関する問題以外に、最近
はタイヤの外観そのものを改良しようとする要求が大き
い。つまり、上で説明したようにタイヤサイドウオール
用ゴム組成物には、多量のアミン系老化防止剤とパラフ
ィン系ワックスが配合されており、これがゴム表面にブ
ルームして保護層を形成し、優れた老化防止効果を出し
ているのであるが、この層が紫外線に当るとアミン系の
老化防止剤が褐色に変色し、非常に外観が悪くなるとい
う現象がある。特に乗用車用タイヤにおいて、これを防
ぐ研究が老化防止剤の改良と非ジエン系ゴムの両面から
行われたが、未だに有効な方法が見つかっていないのが
現状である。 【0008】タイヤトレッド田のゴム組成物は、従来か
ら、天然ゴム、BR、SBRのブレンドから構成される
ケースが多かった。大型クイヤのトレッドは、踏面にお
ける単位面積当りの圧力も大きく、当然ゴムの発熱量も
大きいので一般に発熱が少なく、破壊強度の大きい天然
ゴムを主体にゴム組成物を構成させている。一方、乗用
車用のタイヤに関しては、大型タイヤに比べて踏面にお
ける圧力は小さく、当然発熱量も小さい。トレッドゲー
ジも薄いので熱蓄積されることも少ない。従って、高い
トラクション特にウエット時の摩擦係数を高くする為に
SBRを主体にゴム組成物を構成させている。 【0009】トレッド部において重要な特性は、グリッ
プ性(特にウエット時)、耐摩耗性であり、多くの改良
が行われているが、この耐摩耗性が改良されると共に従
来あまり問題にならなかった耐候性、耐亀裂成長性が問
題になるようになってきた。具体的には、トレッド部の
溝底に発生するクラック(グルーブクラック)である。
この現象は、通常、ゴム組成物に添加するアミン系老化
防止剤の大部分が消費される走行末期のタイヤにおいて
顕著に見られる現象であり、老化防止剤の消費が大きい
気温の高い地域で特に大きな問題となっている。 【0010】この問題を解決すべく多くの研究が行なわ
れている。例えば、アミン系老化防止剤を増加する方
法、非ジエン系ゴム組成物をトレッドに使用する方法、
トレッドのごく表面に薄く耐候性の良いゴムシートを設
置する方法(これは、トレッドの表面は摩耗して無くな
ってしまうが、グループの部分は走行末期もそのまま残
ることを利用する方法)等がある。アミン系老化防止剤
を増量する方法は、即効的な方法のように思えるが、実
際には走行初期の時の耐候性に関しては非常に効果的で
あるが、走行末期の耐候性を改良する効果は極めて小さ
い。これは、アミン系老化防止剤が耐候性を改良する老
化防止剤として優れた効果を示す原因が、極めて速やか
にゴム表面にブルームして層を形成するところにあり、
添加量を多くしても、この層が厚くなるだけで持続時間
そのものを長くすることができないからである。 【0011】非ジエン系ゴム組成物をトレッドに使用す
る方法は、従来の非ジエン系ゴム(ブチルゴム、ハロゲ
ン化ブチルゴム、FPDM、クロロスルホン化ポリエチ
レンゴム等)は、耐摩耗性が著しく悪く、耐摩耗性が重
要なファクターであるトレッドゴム組成物として利用し
難いという点で開発が進んでいない。 【0012】トレッドのごく表面に薄く耐候性の良いゴ
ムシートを設置する方法では、耐候性の良いゴムシート
として主鎖に二重結合の無い非ジエン系ゴムを使用する
のが効果的であるが、ジエン糸ゴムとの接着(共加硫
性)が悪く、例え静的試験では接着したように見えて
も、タイヤ走行中に受ける動的変形により剥離を生じる
という問題があり、これ又実用化されている例が皆無に
近い。 【0013】 【発明が解決しようとする問題点】本発明は非ジエン系
ゴムであるエチレン−プロピレンを主成分とするゴムの
ミクロ構造をコントロールすることにより、ヨウ素価を
極端に上げることなく、従来のEPDMゴム組成物対比
で、耐亀裂成長性と耐摩耗性を著しく改良したゴム組成
物を提供するものであり、このゴムを使用した耐亀裂成
長性、耐候性を大幅に改良すると共に、アミン系老化防
止剤、パラフィン系ワックスを殆ど使用しないか、或い
は、全く使用しなくても良いので外観をも飛躍的に改良
した空気入りタイヤを提供するものである。 【0014】 【問題点を解決するための手段】本発明は、エチレン−
プロピレンを主成分とし、かつ(1)DSCで測定した
ガラス転移温度が−50℃以下、(2)ヨウ素価が10
〜34、(3)重量平均分子量が22万以上、(4)エ
チレン含有量が68〜85mol%、(5)分子量分布
が3.0以上、(6)95≦1.5×(ヨウ素価)+
(エチレン含有量)≦120、(7)90≦(重量平均
分子量)×10−4+(エチレン含有量)≦110、の
条件を全て満たすゴムをゴム成分100重量部に対して
20重量部以上、無機充填剤を20〜150重量部含有
してなることを加硫可能なゴム組成物であって、トレッ
ド部、サイドウオール部及びビード部を備える空気入り
タイヤにおいて、前記サイドウオール部を構成するゴム
組成物として、前記エチレン−プロピレンを主成分とす
るゴムをゴム成分100重量部に対して20重量部以
上、イソプレン系ゴムを10重量部以上、プロセスオイ
ルを10重量部以上、無機充填剤を20〜100重量部
を含有してなるゴム組成物を用いることを特徴とする空
気入りタイヤであり、更にトレッド部、サイドウオール
部及びビード部を備える空気入りタイヤにおいて、前記
トレッド部を構成するゴム組成物として、前記エチレン
−プロピレンを主成分とするゴムをゴム成分100重量
部に対して20重量部以上、プロセスオイルを10重量
部以上、無機充填剤を50〜150重量部を含有して成
るゴム組成物を用いることを特徴とする空気入りタイヤ
である。 【0015】本発明中、本発明のエチレン−プロピレン
を主成分とするゴムを20重量部以上に限定したのは、
20重量部よりも少ないと充分な耐候性、耐熱劣化性を
得ることができないからである。本発明のエチレン−プ
ロピレンを主成分とするゴムは、理由は明確ではない
が、ブレンド量を増やして行くと26〜30重量部程度
から急激に耐候性、耐熱劣化性が向上するという特徴が
あり、好ましくは、30重量部以上が良い。無機充填剤
の量は20重量部よりも少ないと、ゴム組成物を加硫後
の破壊強度(破断時強度、破断時伸び)が充分でなく、
150重量部よりも多いと、未加硫時の加工性が充分で
なくなる。 【0016】前記エチレン−プロピレンを主成分とする
ゴムのDSCで10℃/分の昇温速度で測定した時のガ
ラス転移温度を−50℃以下に限定したのは、−50℃
よりも高いと、充分な耐亀裂成長性、屈曲耐久性が得ら
れないからである。ヨウ素価を10〜34に限定したの
は、10よりも小さいとジエン系ゴムとの充分な共加硫
性、耐亀裂成長性、破断時強度、破断時伸びが得られな
いからであり、34よりも大きいと耐亀裂成長性、破断
時強度、破断時伸びを大幅に改良するという効果が期待
できなくなるからであり、熱劣化させた後の耐摩耗性も
低下するので好ましくない。又、ヨウ素価を高くする為
に共重合する第三成分は、一般に価格が高く、ゴム製品
に使用するゴム組成物としては、第三成分の量をなるべ
く抑え、その中で最も性能の良いゴムを製造することが
エチレン−プロピレンを主成分とするゴムの本質的課題
でもあるからである。 【0017】前記エチレン−プロピレンを主成分とする
ゴムの重量平均分子量を22万以上に限定したのは、2
2万以上の分子量で耐亀裂成長性、耐摩耗性の改良効果
が著しく、又、驚くべきことにジエン系ゴムとの接着強
度をも大幅に改良するからである。 【0018】しかしながら、分子量を増加させてゆく
と、粘度が急激に増加し、未加硫時の加工性をこれ又著
しく低下させる欠点がある。従って、重量平均分子量が
24万を超える領域は、油展させるのが好ましい。しか
し、重量平均分子量が30万を超えると加工性に必要な
オイル量が増え過ぎて加硫後の物性、例えば耐摩耗性が
大幅に低下するので好ましくない。油展する際のオイル
種としては、パラフィニックオイルが好ましい。 【0019】前記エチレン−プロピレンを主成分とする
ゴムのエチレン含有量を68〜85mol%に限定した
のは、この範囲にエチレン含有量がないと充分な耐亀裂
成長性、破断時強度、破断時伸びが得られないからであ
る。より詳細に述べると、エチレン含有量が68mol
%よりも低いと、ヨウ素価を10以上にしても、耐亀裂
成長性、破断時強度、破断時伸びに於ける改良効果が非
常に小さく、85mol%よりも高いとポリエチレン樹
脂に近くなり、破断時伸びも小さくなり、弾性率も高く
なるため、ゴムとしては工業的に使用しにくくなるから
である。 【0020】本発明中、前記エチレン−プロピレンを主
成分とするゴムの分子量分布を3.0以上に限定したの
は、分子量分布が3.0よりも低いと、ロール作業性が
悪く工業的に使用がむづかしいからである。 【0021】又、『1.5×(ヨウ素価)+(エチレン
含有量)』が95よりも小さいと十分な耐亀裂成長性、
破断時強度、破断時伸びが得られないし、120を超え
ると、耐熱劣化性(熱劣化後の耐摩耗性を含む)が低下
する。 【0022】一方、『(重量平均分子量)×10−4
(エチレン含有量)』が90よりも小さいと、ジエン系
ゴムとの共加硫性、耐亀裂成長性が充分に取れなく、1
10を超えると、加工性(カーボンブラックの分散、ロ
ール作業性)が悪くなるばかりでなく、ゴム組成物の弾
性率が高くなり過ぎて工業的に使用し難しくなるからで
ある。 【0023】以上のように個々の制限条件について理由
を説明できるが、これらの理由は、全てこのエチレン−
プロピレンを主成分とするゴム特性が特許請求の範囲に
明記してある範囲内で成り立つ内容である。言葉を代え
れば、物性要件(1)〜(7)のすべての条件を同時に
満たさないと、本発明の効果を得ることができないとい
うことを意味する。これは、それぞれの条件の間に従来
知られていなかった相乗効果がいくつか存在するからで
ある。 【0024】本発明中のエチレン−プロピレンを主成分
とするゴムを得るために、幾つかのエチレン−プロピレ
ンを主成分どするゴムをブレンドして作る方法もある
が、確かにかなり良い物性を示し、当然本発明の範疇に
属すが、最初から重合により特許請求の範囲に示した条
件を一度に満足させたゴムを使用したゴム組成物の方
が、より優れた物性(耐亀裂成長性、耐摩耗性、破断時
強度、破断時伸び等)を示すこととなる。 【0025】本発明中、本発明のエチレン−プロピレン
を主成分とするゴムのエチレン、プロピレン以外の第三
成分としては、エチリデンノルボルネンが好ましいが、
これは、他の通常使用される第三成分、例えば、ジシク
ロペンタジエン、1.4−ヘキサジエンでは、耐亀裂成
長性、破断時強度、破断時伸びに充分な改良効果が期待
できないからである。 【0026】本発明中、本発明のエチレン−プロピレン
を主成分とするゴムの油展量としては、40重量部以上
が好ましいが、これは、本発明の効果を充分に出すため
に重量平均分子量を、好ましくは25万以上にするた
め、油展量を40重量部以上にしないと、加工性が悪く
工業的に使用するのが難しくなるためである。 【0027】本発明ゴム組成物として、イソプレン系ゴ
ムを10重量部以上含有することが好ましく、20重量
部以上含有することが更に好ましいが、これは、10重
量部より低いと混練り作業性が低下し、配合処方によっ
ては充分な加硫ゴム時の物性が得られにくくなるからで
ある。又、破断時強度を確保する観点からも、他のジエ
ン系ゴムを使用するよりもイソプレン系ゴムを使用する
方が工業的に効率が良いからである。ここでイソプレン
系ゴムとは天然ゴム又は合成ポリイソプレンゴムを示
す。 【0028】本発明ゴム組成物として使用する無機充填
剤としては、カーボンブラックが最適であるが、その他
にも二酸化硅素(シリカ)、炭酸カルシウム、二酸化チ
タン、白艶華等が使用できる。本発明の前記サイドウオ
ール部を構成するゴム組成物用のカーボンブラックとし
ては、ヨウ素吸着量35〜100mg/g、DBP吸油
量70〜140ml/100gのものが好ましいが、こ
れは、ヨウ素吸着量が35mg/gよりも低いと、所望
する破断時強度を得られにくくなり、逆に100mg/
gを超すと屈曲耐久性を低下させるからである。DBP
吸油量が70ml/100gよりも低いとカーボンブラ
ックの分散が充分でなくなり、逆に140ml/100
gよりも大きいと加硫後の硬度が大きくなり過ぎて屈曲
耐久性を低下させるからである。 【0029】本発明の前記トレッド部を構成するゴム組
成物のカーボンブラックとしては、ヨウ素吸着量85〜
200mg/g、DBP吸油量100〜180ml/1
00gのものが好ましい。耐摩耗性を確保するために
は、ヨウ素吸着量85mg/g以上、DBP吸油量10
0ml/100g以上であることか好ましく、カーボン
ブラックのゴム組成物中の分散を確保するためには、ヨ
ウ素吸着量200mg/g以下、DBP吸油量180m
l/100g以下が好ましいものである。 【0030】本発明ゴム組成物は、一般的に使用される
ジエン系ゴム組成物に比べると、圧倒的に耐候性、耐熱
性に優れるので、アミン系老化防止剤やパラフィン系ワ
ックスを必要としないが、本発明のエチレン−プロピレ
ンを主成分とするゴムの使用量が少ない場合、例えば2
0重量部の様な場合は、少量を加えても良い場合があ
る。アミン糸老化防止剤ならば0.3重量部以下、パラ
フィン系ワックスならば0.5重量部以下の使用が好ま
しい。勿論両者を併用してもかまわない。 【0031】本発明中のエチレン−プロピレンを主成分
とするゴムを得るために、幾つかのエチレン−プロピレ
ンを主成分とするゴムをブレンドして作る方法もある
が、確かにかなり良い物性を示し、当然本発明の範疇に
属すが、最初から重合により特許請求の範囲に示した条
件を一度に満足させたゴムを使用したゴム組成物の方
が、より優れた物性(耐亀裂成長性、耐摩耗性、破断時
強度、破断時伸び等)を示す。 【0032】本発明の前記サイドウオール部を構成する
ゴム組成物の硬度(JISスプリング式硬さ[A形])
を30〜60にするのは、サイドウオール部は定歪的な
変形を受けるので屈曲耐久性、耐亀裂成長性の点でより
好ましい。又、本発明の前記トレッド部を構成するゴム
組成物の硬度(JISスプリング式硬さ[A形])を5
5〜70にするのがより好ましい。55未満ではタイヤ
の操縦安定性、耐亀裂成長性が低下し、70を超えると
タイヤトレッドの耐リブテイアー性、屈曲耐久性が低下
してしまうばかりでなく、グリップ性能も低下してしま
い、充分な制動性能を確保することも難しくなるからで
ある。 【0033】次に本発明に使用するエチレン−プロピレ
ンを主成分とするゴムの製法に関して説明する。本発明
中のエチレン−プロピレンを主成分とするゴムは、例え
ば、炭化水素溶媒中、(a)可溶性バナジウム化合物
[VO(OR)3−n:Rは炭化水素、Xはハロゲ
ン、0≦n≦3]又はVXで表されるパナジウム化合
物、(b)R′AlX′3−m[R′は炭化水素、
X′はハロゲン、0≦m≦3]で示される有機アルミニ
ウム化合物から形成される触媒の存在下、エチレン、プ
ロピレンおよび第三成分として、例えば、エチリデンノ
ルボルネンを希望する組成になるよう調整し、ランダム
共重合させれば良い。 【0034】前記一般式で表されるバナジウム化合物の
具体例としては、次のようなものがある。即ち、VO
(OCH)Cl、VO(OCHCl、VO
(OCH、VO(OC)Cl、VO(O
Cl、VO(OC、VO(OC
1.5Br1.5、VO(OC)C
、VO(OC1.5Cl1.5、VO(O
Cl、VO(OC、VO(On
−C)Cl、VO(On−CCl、
VO(Oiso−C)Cl、VO(Osec
、VO(OC111.5
1.5、VOCl、VClあるいはこれらの混合
物等である。これらの中では、VO(OC)Cl
、VOClが特に好ましい。 【0035】また、有機アルミニウム化合物の具体例と
しては、次のようなものがある。(CHAlC
l、(CH1.5AlCl1.5、(CH)Al
Cl、(CAlCl、(C1.5
AlCl1.5、(C)AlCl、(C
AlCl、(C1.5AlCl
1.5、(C)AlCl、(C13
1.5AlCl1.5、(C13)AlCl、
(C13)AlClあるいはこれらの混合物等で
ある。有機アルミニウムとバナジウム化合物の使用割合
は、Al/V(原子比)として2〜50、特に5〜30
の範囲が好ましい。 【0036】共重合は、炭化水素溶媒中で行なうことが
できる。例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯油
のような脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンのような芳香族炭化水素を単独で、又は混合して溶媒
に用いることができる。共重合は、反応媒体中、バナジ
ウム化合物が0.01〜5m・mol/l、好ましくは
0.1〜2m・mol/lである。エチレン含量に関し
ては、共重合の際の供給量をコントロールすることによ
って変化できるが、85mol%以上にするのは、工業
的には困難である(実験室的には収率は下るが可能)。
重合温度は0〜100℃、好ましくは20〜80℃、重
合圧力は0〜50kg/cmに保持される。分子量の
調節には水素を使用する。 【0037】 【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の要旨を超えない限り、本実施例に
限定されるものではい。 (製造例)本発明におけるエチレン−プロピレンを主成
分とするゴムは以下のようにして製造した。攪拌装置を
備えた15(1)のステンレス製重合器を用いて、連続
的にエチレン、プロピレン、エチリデンノルボルネンの
共重合を行なった。重合器上部から重合溶媒としてヘキ
サンを毎時5(1)の速度で連続的に供給した。一方、
重合器下部から重合器中の重合液が常に5(1)になる
ように重合液を抜き出した。触媒として(a)VO(O
)Clを重合器中のパナジウム原子濃度か
0.28m・mol/lとなるように、(b)(C
)、1.5AlCl1.5を重合器中のアルミニウム
原子濃度が1.85m・mol/lとなるようにそれぞ
れ重合器上部から重合器中に連続的に供給した。 【0038】又、重合器上部からエチレンとプロピレン
の混合ガス(エチレン45mol%、プロピレン55m
ol%)を毎時450(1)の速度で、エチリデンノル
ボルネンは重合器上部から毎時25gの速度で供給し
た。分子量の調節剤としては、水素ガスを毎時3.2
(1)の速度で供給した。 【0039】重合温度は、重合器外部に取り付けたジャ
ケットによって41℃コントロールした。重合器内の圧
力は、4.8kg/cmであった。重合器下部から取
り出した重合液は、スチームストリッピングを行なった
後、80℃で一昼夜乾燥した後に真空乾燥を行なった。
エチレン−プロピレンを主成分とするゴムは、毎時26
5gの速度で得られた。 【0040】重量平均分子量及び分子量分布はGPC法
により測定した。重量平均分子量はポリスチレン換算に
て求めた。得られた試料を試作−1とし、以下エチレン
量、第三成分量、触媒量比、重合温度または重合時間等
を適宜変更して、試作2〜11も製造した。表1及び表
2に、得られたエチレン−プロピレンを主成分とするゴ
ム試料の詳細を示す。 【0041】 【表1】 【0042】 【表2】【0043】ここで、EP33及びEP43は日本合成
ゴム(株)製のEPDMであり、EBNはエチリデンノ
ルボルネン、DCPはジシクロペンタジエンを示す。
又、油展オイルとしては出光石油化学(株)製のパラフ
ィニックオイル(非汚染)を用いた。 【0044】(実施例1〜2)表3に示す配合処方に従
って、バンバリーミキサーにより5種のゴム組成物を調
製し、145℃、30分加硫を行なった。得られた加硫
ゴム試料につき物性評価した。なおアロマテイクオイル
は富士興産(株)製のアロマテイクオイルを用いた。結
果を表3に示す。 【0045】実施例中の評価試験法は下記に拠った。 (1)耐亀裂成長性 試験片60mmx100mmx1.0mmの中央に0.
3mmの傷を入れ、振動数300サイクル/分、歪50
%の条件下で伸長歪を与え、これが20mmに成長する
までの時間で評価した。 Index=(コントロールの時間/テストサンプルの
時間)X100 この値が大きい程、耐亀裂成長性が良いことを示してい
る。 【0046】(2)熱劣化後の耐摩耗性 オリジナルのサンプルと120℃の恒温槽に24時間放
置したサンプルとの耐摩耗性の比で評価した。 ・アクロン摩耗(荷重6Lbs 角度15°本ずり10
00回) Index=(テストサンプルの摩耗量比/コントロー
ルの摩耗量比)X100 摩耗量比=オリジナルの摩耗量/熱劣化後のサンプルの
摩耗量 【0047】(3)耐熱劣化性 オリジナルのサンプルと120℃の恒温槽に24時間放
置したサンプルとの破断時強度の比で評価した。 Index=(テストサンプルの破断時強度比/コント
ロールの破断時強度比)X100 破断時強度比=熱劣化後のサンプルの破断時強度/オリ
ジナルの破断時強度 試験片:150mmx150mmx2.0mmの加硫ゴ
ムシート 【0048】(4)破断時強度、破断時伸び JISK6301に従って測定した。サンプル形状とし
ては、JIS3号を使用した。 【0049】(5)耐候性 試験片20mmx100mmx1.0mmのゴム板を5
0%伸長させ、40℃で、オゾン濃度50pphmの恒
温槽中に放置し、肉眼でクラックが確認できるまでの時
間で評価した。 Index=(テストサンプルの時間/コントロールの
時間)×100 この値が大きい程、耐候性が良いことを示している。 【0050】実施例1〜2より、本発明のゴム組成物は
従来のエチレン−プロピレンを主成分とするゴムを使用
したゴム組成物対比で、耐亀裂成長性、耐熱劣化性、破
断時強度、破断時伸びに於いて飛躍的に改良されている
ことが理解される。表3中、サントフレックス13は老
化防止剤N−1.3−ジメチル−ブチル−N′−フェニ
ル−p−フェニレンジアミン、CZは促進剤N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、TS
は促進剤テトラメチルチウラムモノサルファイドであ
る。 【0051】 【表3】【0052】(実施例3〜4)表4に示す配合処方に従
って、構造、特性を異にするエチレン−プロピレンを主
成分とするゴム試料試作2〜10を含有する組成物及び
それらを含有しない組成物計10種をバンバリーミキサ
ーにより配合し、145℃、30分加硫を行なった。得
られた加硫ゴム試料につき実施例1〜2と同様に物性評
価した。ロール作業性は目視に拠った。結果を表4に示
す。尚、パラフィニックオイルは油展オイルとして使用
したものと同じものを用いた。比較例11では組成物の
弾性率が高くなり、耐亀裂成長性、破断時強度、破断時
伸びが低下した。表4より明らかな如く、エチレン−プ
ロピレン系ゴムの構造・物性条件(1)〜(7)を同時
に満たさないと本発明の目的とする効果を奏し得ないこ
とが分かる。 【0053】 【表4】【0054】(実施例5〜7)エチレン−プロピレンを
主成分とするゴム試料試作−1を用いて、表5に示す配
合処方に従って5種の組成物をバンバリーミキサーによ
り配合し、145℃、30分加硫を行なった。加硫後の
物性評価結果を表5に示す。評価試験方法は前記に拠
る。 【0055】表5において、比較例13、実施例5、6
及び7に含有される試作−1(油展ゴム:油展量30重
量部)の本発明のエチレン−プロピレンを主成分とする
ゴム量は、それぞれ15、25、40及び80重量部で
あり、表5に示す評価結果より、本発明のエチレン−プ
ロピレンを主成分とするゴムを20重量部以上用いるこ
とにより、本発明の目的とする効果が発揮されることが
理解される。 【0056】更に表5に示す配合処方により5種のタイ
ヤ・トレッド用ゴム組成物をタイヤ・トレッド部にタイ
ヤ周上に分割して用い、トレッド部に5種類のゴム組成
物を有するタイヤサイズ165SR13の乗用車用ラジ
アルタイヤを試作し、試作タイヤを内圧1.7kg/c
、JIS150%荷重、65km/hrにて屋外ド
ラム試験機上で15万km走行させた後、タイヤの溝底
でのクラック発生状態を観察して耐候性を評価した。比
較例12及び13のトレッドゴムは溝底でのクラックが
多発したが、実施例5、6及び7のトレッドゴムには溝
底のクラックが認められなかった。 【0057】 【表5】【0058】(実施例8〜10)表6に示す配合処方に
より、前記と同様にして5種の組成物のカーボンブラッ
ク分散、耐候性、破断時強度を評価した。比較例15は
カーボンブラックの分散が不良であったので、物性評価
しなかった。無機充填剤が20重量部未満、或いは15
0重量部を超えた場合は使用に耐え得ないことが分か
る。 【0059】 【表6】 【0060】(実施例11〜12)表7に示す配合処方
により調製した5種類のゴム組成物をタイヤサイドウオ
ール部にタイヤ周上5分割して用い、サイドウオール部
に5種類のゴム組成物を有するタイヤサイズ195/7
0HR14の乗用車用ラジアルタイヤを試作した後、以
下の試験法によりタイヤ性能評価した。 【0061】 【表7】【0062】(1)耐亀裂成長性 タイヤサイドウオールにラジアル方向に対して+45度
と−45度に交互に幅2mm、深さ1.5mmの傷を各
々20個づつ入れ、内圧1.7kg/cm、JIS1
00%荷重、65km/hrにて室内ドラム試験機上で
走行させ、傷の長さが2.0cmになるまでの時間で評
価した。 Index=(テストサンプルの時間/コントロールの
時間)×100 この値が大きい程、耐亀裂成長性が良いことを示してい
る。 【0063】(2)耐候性 タイヤサイズ195/70HR14の乗用車用ラジアル
タイヤのサイドウオール部を部分的に5種類のゴム組成
物にし、(ウエイタイヤ)4万km走行後(1年間)の
オゾンクラックの有無を評価した。 【0064】(3)サイドウオールの変色 耐候性の評価に使用したタイヤサイドウオール部の走行
前後における変色の程度を色差計にて評価した。 色差計:ミノルタ(株) CR100 明度の上昇(ΔL)で評価し、この値が大きい程、変色
の程度が大きいことを示す。 【0065】(4)耐熱劣化性 表7に示す配合処方の5種類のゴム組成物を145℃、
30分加硫後、オリジナルのサンプルと120℃の恒温
槽に24時間放置したサンプルとの破断時強度の比で評
価した。 Index=(テストサンプルの破断時強度比/コント
ロールの破断時強度比)×100 【0066】表7において、比較例16に老化防止剤サ
ントフレックス13及びパラフィンワックスを配合した
のは、実際には比較例16からサントフレックス13及
びパラフィンワックスを抜いた配合を調製したが、実験
室における耐候性の評価(50pphmのオゾン濃度、
40℃、歪20%伸長の条件で評価)であまりに耐候性
が劣ったので、タイヤ評価をしなかったからである。表
7より、本発明のエチレン−プロピレンを主成分とする
ゴムの組成物は、従来のEPDM組成物と比較し、耐候
性、耐熱劣化性に優位を示すと同時に、耐亀裂成長性が
著しく改良されていることが分かる。 【0067】(実施例13〜14)表8に示す配合処方
により調製した10種類のゴム組成物をタイヤサイドウ
オール部にタイヤ周上10分割して用い、サイドウオー
ル部に10種類のゴム組成物を有するタイヤサイズ10
00R20のトラック・バス用ラジアルタイヤを試作し
た後、実施例11〜12と同様にして評価した。ただし
大型タイヤであるので、タイヤ内圧は7.5kg/cm
とした。結果を表8に示す。破断時強度、破断時伸び
及びロール作業性は前記の方法に拠った。本発明のエチ
レン−プロピレンを主成分とするゴムの物性条件(1)
〜(7)を同時に満たせば、タイヤ用サイドウオールゴ
ム組成物として、その目的とする耐候性、耐亀裂成長
性、耐熱老化性、破断時強度及び破断時伸びを同時に満
足すると共に、ロール作業性が良好でタイヤの工業的製
造に用いられ得ることが理解される。 【0068】 【表8】 【0069】(実施例15〜17)表9に示す配合処方
により5種類のゴム組成物を調製し、実施例11〜12
と同様に、タイヤサイドウオール部に5種類のゴム組成
物を有するタイヤサイズ165SR13の乗用車用ラジ
アルタイヤを試作した後、前記の方法により評価した。
結果を表9に示す。本発明のエチレン−プロピレンを主
成分とするゴムを20重量以上用いれば、本発明の目的
とする効果が飛躍的に向上することが理解される。 【0070】 【表9】【0071】(実施例18〜20)表10に示す配合処
方により、4種類のゴム組成物を調製し、実施例1、2
と同様にして、カーボンブラック分散、耐候性及び破断
時強度を評価すると共に、実施例11〜12と同様にし
て、タイヤサイドウオール部に5種類のゴム組成物を有
するタイヤサイズ165SR13の乗用車用ラジアルタ
イヤを試作した後、タイヤサイドウオール部の耐亀裂成
長性を評価した。結果を表10に示す。表10より明ら
かな如く、実施例20のゴム組成物は定歪的な変形を受
けるサイドウオール用ゴム組成物としては、亀裂成長性
が低下するために好ましくはない。又無機充填材配合量
が20重量部未満である比較例28は、破断時強度が低
く耐候性も悪いので、サイドウオール用ゴム組成物とし
て使用に耐え得ない。 【0072】 【表10】 【0073】(実施例21〜24)表11に示す配合処
方により、4種類のゴム組成物を調製し、実施例1、2
と同様にして物性評価した。結果を表11に示す。表1
1中、DOTGは促進剤ジーオルトートリルグアニジ
ン、DMはジベンゾチアジルジサルファイドを示す。参
考までに各種カーボンブラックのヨウ素吸着量及びDB
P吸油量の値を表12に示す。 【0074】 【表11】 【0075】 【表12】【0076】(実施例25〜27)表13に示す配合処
方により、3種類のサイドウオールゴム組成物を調製
し、タイヤ・サイドウオール部にタイヤ周上3分割して
用い、サイドウオール部にこれら3種類のゴム組成物を
有するタイヤサイズ175SR14の乗用車用ラジアル
タイヤを試作した。これらの各タイヤを実施例11〜1
2と同様の方法にて耐亀裂成長性を評価した。尚、硬度
の測定法はJIS−K−6031に記載されているJI
Sスプリング式硬さ[A形]に拠った。 【0077】 【表13】 【0078】表13に開示された如く、本発明のエチレ
ン−プロピレンを主成分とするゴムを配合したタイヤの
サイドウオールゴムの硬度が60を超えると耐亀裂成長
性が急激に低下するので、サイドウオール用ゴム組成物
としては硬度を60以下とすることが好ましい。又、硬
度が30未満であるとサイドウオール部の耐カット性が
急激に低下するので好ましくない。 【0079】(実施例28〜29)表14に示す配合処
方により、5種のタイヤ・トレッド用ゴム組成物をバン
バリーミキサーにより配合・調整した。これら5種のゴ
ム組成物をタイヤ・トレッド部にタイヤ周上5分割して
用い、トレッド部に5種類のゴム組成物を有するタイヤ
サイズ195/70HR14の乗用車ラジアルタイヤを
試作し、耐候性、耐熱劣化性、耐亀裂成長性、耐摩耗性
及びジエン系ゴムとの接着を評価した。耐熱劣化性につ
いては実施例1〜2に記載した測定方法に拠った。耐候
性については実施例5〜7に記載した屋外ドラム試験を
実施した。その他の測定方法を下記する。 【0080】(1)耐亀裂成長性 タイヤトレッド部の溝底の溝に添って、幅2mm、深さ
1.0mmの傷を5個ずつ入れ、内圧1.7kg/cm
、JIS100%荷重、65km/hrにて室内ドラ
ム試験機上で走行させ、傷の長さが1.5cmになるま
での時間で評価した。 Index=(テストサンプルの時間/コントロールの
時間)×100 この値が大きい程、耐亀裂成長性がよいことを示してい
る。 【0081】(2)耐摩耗性 試作タイヤを2万km実車走行させ、残った溝の深さを
4ケ所で測定して平均値で評価し、(初期溝深さ−走行
後溝深さ)で摩耗量を算出した。 Index=(コントロールの摩耗量/テストサンプル
の摩耗量)×100 この値の大きい方が優れていることを示す。 【0082】(3)ジエン系ゴムとの接着 試作タイヤを内圧1.7kg/cm、JIS150%
荷重、65km/hrにて室内突起付ドラム試験機上で
15万km走行させた後、タイヤトレッドゴムとタイヤ
トレッドベースゴムとの剥離試験を実施した。スムーズ
に界面剥離したものを不可、スムーズに界面剥離しなか
ったものを良とした。トレッドベースゴムの配合処方を
表15に示す。 【0083】 【表14】 【0084】 【表15】【0085】表14から明らかな如く、本発明のエチレ
ン−プロピレンを主成分とするゴムを20重量部以上配
合したゴム組成物は、従来のEPDMを等量配合したゴ
ム組成物対比で、耐亀裂成長性、耐摩耗性、ジエン系ゴ
ムとの接着が著しく改良されていることが理解できる。 【0086】(実施例30〜34)表16に示す配合処
方による5種のタイヤ・トレッド用ゴム組成物をタイヤ
・トレッド部にタイヤ周上5分割して用い、トレッド部
に5種類のゴム組成物を有するタイヤサイズ165SR
13の乗用車用ラジアルタイヤを試作し、実施例28〜
29と同様にして耐亀裂成長性及び耐摩耗性を評価する
と共に、ロール作業性及びカーボンブラック分散をも評
価した。結果を表16に示す。 【0087】 【表16】 【0088】(実施例35〜37)表17に示す配合処
方による3種のタイヤ・トレッド用ゴム組成物をタイヤ
・トレッド部にタイヤ周上3分割して用い、トレッド部
に3種類のゴム組成物を有するタイヤサイズ175SR
14の乗用車ラジアルタイヤを試作し、硬度及び操縦安
定性を評価した。操縦安定性はテストコースにて、周回
コース、スラロームコースを実車走行させ、その際のド
ライバーのフィーリングをもって評価した。結果を表1
7に示す。表17に示す操縦安定性の評価結果から、ト
レッドゴム組成物の加硫後の硬度(JISスプリング硬
さ[A形])が55以上である方が操縦安定性がより良
好で更に好ましいことが分かる。 【0089】 【表17】 【0090】 【発明の効果】以上実施例により示した如く、エチレン
−プロピレンを主成分とするゴムの物性条件(1)〜
(7)を全て満たす本発明のゴム組成物は、従来のエチ
レン−プロピレンを主成分とするゴムを使用したゴム組
成物対比で、耐亀裂成長性、耐摩耗性、破断時強度、破
断時伸び、更にはジエン系ゴムとの接着性に関し飛躍的
に改良されたことが明らかである。 【0091】この本発明のゴム組成物をタイヤサイドウ
オールに使用することにより外観を飛躍的に改良し、タ
イヤトレッドに使用することにより外観や耐グルーブク
ラック性を著しく改良し、大型タイヤの更生寿命をも著
しく改良し得た。そして、本発明ゴム組成物はタイヤば
かりでなくゴム製品一般、例えば、工業用ベルト、ホー
ス、防振ゴム、防舷材等に使用可能である。 【0092】尚、本発明のエチレン−プロピレンを主成
分とするゴムの物性条件(1)〜(7)を満足するため
に、いくつかのエチレン−プロピレン系ゴムをブレンド
しても良いが、かかる物性条件(1)〜(7)の全てを
満たしゴムを重合して使用する方が耐亀裂成長性、耐摩
耗性等により優れた物性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/01 C08K 5/01 C08L 23/16 C08L 23/16 //(C08L 23/16 9:00) (56)参考文献 特開 昭58−191705(JP,A) 特開 昭60−173031(JP,A) 合成ゴム加工技術全書7,「エチレ ン・プロピレンゴム」,昭和47年7月10 日,株式会社 大成社 発行 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 1/00,11/00,13/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.トレッド部、サイドウオール部及びビード部を備え
    る空気入りタイヤにおいて、前記サイドウオール部を構
    成するゴム組成物として、エチレン−プロピレンを主成
    分とし、かつ (1)DSCで測定したガラス転移温度が−50℃以下、 (2)ヨウ素価が10〜34、 (3)重量平均分子量が22万以上、 (4)エチレン含有量が68〜85mol%、 (5)分子量分布が3.0以上、 (6)95≦1.5×(ヨウ素価)+(エチレン含有量)≦120、 (7)90≦(重量平均分子量)×10−4+(エチレン含有量)≦110、 なる条件を全て満たすゴムをゴム成分100重量部に対
    して20重量部以上、イソプレン系ゴムを10重量部以
    上、プロセスオイルを10重量部以上、無機充填剤を2
    0〜100重量部を含有してなるゴム組成物を用いるこ
    とを特徴とする空気入りタイヤ。 2.該ゴム組成物の加硫後の硬度(JISスプリング式
    硬さ[A形])が30〜60である特許請求の範囲第1
    項記載の空気入りタイヤ。 3.トレッド部、サイドウオール部及びビード部を備え
    る空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部を構成する
    ゴム組成物として、エチレン−プロピレンを主成分と
    し、かつ (1)DSCで測定したガラス転移温度が−50℃以下、 (2)ヨウ素価が10〜34、 (3)重量平均分子量が22万以上、 (4)エチレン含有量が68〜85mol%、 (5)分子量分布が3.0以上、 (6)95≦1.5×(ヨウ素価)+(エチレン含有量)≦120、 (7)90≦(重量平均分子量)×10−4+(エチレン含有量)≦110、 なる条件を全て満すゴムをゴム成分100重量部に対し
    て20重量部以上、プロセスオイルを10重量部以上、
    無機充填剤を50〜150重量部を含有してなるゴム組
    成物を用いることを特徴とする空気入りタイヤ。 4.ゴム組成物の加硫後の硬度(JISスプリング式硬
    さ[A形])が55〜70である特許請求の範囲第3項
    記載の空気入りタイヤ。
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