JP2891464B2 - 神経疾病を治療するための調合物 - Google Patents

神経疾病を治療するための調合物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はパーキンソン症候群、アルツハイマー病、
性交不能症その他の神経疾病を治療するための調合物に
関する。
(発明の背景) 神経疾病の中でも、パーキンソン症候群は最も一般的
なもののうちの一つである。米国だけに限っても、パー
キンソン症候群の患者は100万人を越えている。さらに
パーキンソン症候群の患者数は着実に増加している。そ
して、増加の原因はこの病気が中高年齢層の病気である
ことに加えて人の寿命が長くなっていることにある。ま
た、パーキンソン症候群の患者は一般に長生きする傾向
にあり、これも患者数増加の一因となっている。
パーキンソン症候群の発病年齢層は40歳代から70歳代
であり、60歳代で最も高い発病率を示している。そし
て、50歳以上の人口に対する割合でみると、約1%に当
る人々がこの病気に罹患しているものと推定されてい
る。
さて、パーキンソン症候群特有の症状は、交互動作
(alternating movement)障害、運動緩徐症(動作緩
慢)、無動症(運動機能消失)、運動機能減少症等の運
動障害、振顫(動作時よりもむしろ安静時に起ることが
多い)、姿勢前傾(stooped posture)、硬縮あるいは
仮面様願貌等をもたらすことである。
パーキンソン症候群の初期においては、瞬目速さの緩
慢化、無動又は動作欠如、あるいは振顫が現れる。そし
て、さらに症状が進行すると、動作欠如がより顕著にな
り、燕下障害、咀嚼障害、身体及び四肢のバランスをと
るための傾斜障害(disinclination)、あるいは足の位
置を決めずに椅子から立ち上がる場合の動作のような協
働動作(movements of cooperation)の欠如が現れるよ
うになる。
パーキンソン症候群の患者は加速歩行をすることが多
い。加速歩行をするとバランスが崩れるため、それを避
けるために重心を追う(chasing)ようになる。また、
硬縮(筋肉の交互あるいは連続の硬化及び緊張)も通常
見られる症状である。そして、前頭筋が緊張すると、患
者は前傾の姿勢をとるようになる。同様に手足の屈筋が
緊張すると、手足の先端が曲ったままになってしまう。
パーキンソン症候群の患者にとって最も気掛りな問題
はこの病気が痴呆を伴うことである。ある研究報告によ
ると、患者のうちの痴呆発生率は年齢の似通った配偶者
における痴呆発生率の10倍にも及んでいる。痴呆を併発
したパーキンソン症候群の患者は短期間で症状の悪化を
きたし、標準レボドーパ(L−dopa)治療に対する応答
性が低下する。
パーキンソン症候群には3つのタイプがある。すなわ
ち、脳炎後遺症型、自然発生病型及び動脈硬化症型の3
つである。これらのうち、脳炎後遺症型は変性疾患では
ないため、本当の意味でのパーキンソン症候群とはいえ
ないかもしれないが、この型のものは基底神経節のみな
らず全神経系に関わる伝染病に起因するものである。そ
して、その伝染病は1917年から1927年にかけてインフル
エンザが世界的に流行したときに現れたウィルスによっ
て発生したものである。
動脈硬化症型については、以前とは異なり、現在では
自然発生病型(原因不明)と同一であると考えられてい
る。その理由は動脈硬化症に付随する症状を除けば、両
者とも同一の症状が見られるからである。しかし、この
動脈硬化症型のパーキンソン症候群は高齢になるほど発
病率が高くなり、また、より一般的な自然発生病型のも
のに比べてより重い症状を起す。
生理学的見地からすれば、パーキンソン症候群は錐体
外路系の疾病であるといえる。錐体外路系は容易に変更
できない神経系のうち自律系(automatic)、静止系(s
tatic)、姿勢系(postural)、その他の運動系を司る
ものである。しかしながら、解剖学的見地からすれば、
パーキンソン症候群は基底神経節、すなわち脳基底にお
ける小中枢(小神経細胞群)の進行性の疾病である。
錐体外路系は基底神経節及び他の脳幹の核によって制
御されると考えられている。線条体と黒質はいずれも基
底神経節の構成要素である。パーキンソン症候群は線条
体と黒質の中の神経伝導体(neurotransmitters)に異
常が起るとこれが基になってその部分の神経単位の変性
が誘発されるために起ると考えられている。
神経伝導体は前シナップス性の末端(presynaptic te
rminals)で合成されて蓄積される物質である。シナプ
スは2つの神経単位の間の連接部であり、この部分にお
いて神経衝動が一方の神経単位から他方の神経単位へと
伝達される。一定の刺激が加わると、神経伝導体がシナ
プスの隙間に放出され、後シナプス性の(postsynapti
c)神経単位の所定の受容部位に結合される。
基底神経節の機能の点からすれば、最も重要な神経伝
導体はアセチルコリン、ドーパミン、γ−アミノ酪酸
(GABA)及びセロトニンである。これらのうちアセチル
コリンは線条体内に高濃度で存在する。この物質は小さ
い(ゴルジ、第2型)新線条体の神経単位によって合
成、放出されるもので、興奮作用を有している。
ドーパミンはカテコールアミンとして知られている神
経伝導体の群の中の一つであり、この群に含まれる他の
物質としてはエピネフリンやノルエピネフリンがある。
ドーパミンはエピネフリンの合成における前駆物質であ
るとともにノルエピネフリンの前駆物質でもある。脳の
中でドーパミンが多量に存在する部分は黒質及び線条体
であるが、黒質繊維のシナプス端(synaptic endings)
に局在化している。黒質が刺激されると、ドーパミンが
放出され、新線条体の神経単位に対して抑制作用が及ぼ
される。
常態においては、錐体外路系は2つの拮抗系(antago
nistic systems)間の相互作用により適正に機能する。
これらの拮抗系のうちの1つはセロトニン及びカテコー
ルアミンによってある点までは調節され、他の1つはア
セチルコリン及びヒスタミンによって調節される。これ
ら2つの拮抗系の間の相互作用は覚醒状態と睡眠状態と
の間の平衡、すなわち概日サイクルとして知られている
ものである。
パーキンソン症候群においては、カテコールアミンの
レベルが減少する。特にカテコールアミンのうちのドー
パミンの濃度が線条体及び黒質内において著しく減少す
る。これはドーパミンの合成作用がブロックされるこ
と、あるいはドーパミンを新陳代謝させる酵素(モノア
ミン酸化酵素)が増加することに起因する。
線条体内におけるドーパミンの放出が減少するとパー
キンソン症候群の発病をきたすが、このドーパミンの減
少はアセチルコリンを合成する神経単位に対する抑制作
用を阻害するものである。そして、コリン作動性(アセ
チルコリンの作用に似たもの)が支配的になる。
パーキンソン症候群における最も注目すべき病理は、
黒質内の有色細胞の欠損及び他の有色核の欠損が見られ
る点である。一般に黒質細胞の数は若年の成人において
は約425,000であるが、加齢とともに減少し、80歳代で
は約200,000になる。ところが、パーキンソン症候群の
患者においては、黒質細胞の数は100,000以下に減って
いるのが通例である。黒質におけるドーパミン欠乏の度
合はこの部位における細胞欠損の度合に相関する。
パーキンソン症候群においては、コリン作動性が支配
的になるので、考えられる治療法の一つはコリン作動抑
制性の薬剤を投与することによってドーパミンとアセチ
ルコリンとの比を正常な値に戻すことである。コリン作
動抑制性の薬剤の代表的なものはベラドンナ及びトリヘ
キシフェニジルである。また、同様な観点に立った治療
方法として、レボドーパ、アマンタジン、ブロモクリプ
チン(bromocriptine)等のドーパミン作動性(dopamin
ergic)薬剤を投与する方法もある。この方法はドーパ
ミンの絶対量を増加させる方法である。
さて、コリン作動抑制性の薬剤には問題点がある。す
なわち、これらの薬剤には種々の望ましくない副作用が
ある点である。副作用として誘発される病気の主なもの
は心筋梗塞、緑内障、中毒性精神病、不安神経症、幻覚
症、嘔吐症、排尿困難症(前立腺炎によるもの)、前立
腺肥大、便秘、縮瞳(瞳孔の収縮)、眼内高血圧症、口
腔乾燥症、排便困難症、直立性血圧降下症等である。ま
た、ドーパミン作動性の薬剤にも副作用があり、不眠
症、歪顔症、舞踏病アテトーゼ症、四肢の異緊張症、頸
部の異緊張症あるいは躯幹の異緊張症を含む不随意運動
の誘発等の原因となる。
このような理由から、現在用いられているドーパミン
作動性の薬剤及びコリン作動抑制性の薬剤ほど顕著な副
作用を示さない薬剤が見いだされれば、そのような薬剤
はパーキンソン症候群の治療に非常に有用なものとなる
ことは自明である。
他の錐体外路系の神経疾病もパーキンソン症候群の場
合と同様なメカニズムによって生じ、かつその発生部位
も同じであると考えられる。他の多くの神経疾病はパー
キンソン症候群の症状のうちの一部又は全部の症状を示
す。例えば、アルツハイマー病には無動症、硬縮、バラ
ンス機能不全(poor balance)、振顫等の症状が見られ
る。従って、パーキンソン症候群の治療薬は上記のよう
な他の神経疾病の治療にも有用なはずである。
タリスキャニンいう化合物は、従来より蛇に咬まれた
とき(snake bite)の治療薬として用いられているもの
であり、アルツハイマー病等の種々の神経疾病あるいは
性交不能症の治療薬として用いられたことはなかった
し、その可能性すら予想されなかったのである。
(発明の概要) アリストロキナタリスキャーナ(Aristolochina Tali
scana)の根から抽出されるタリスキャニンはパーキン
ソン症候群及び関連する神経疾病の症状を緩和するとい
う事実が発見された。また、このタリスキャニンという
物質はアルツハイマー病や性交不能症に対しても治療効
果があることが見い出された。さらに、タリスキャニン
は脳血管の偶発障害によって二次的に起る麻痺の治療、
視床下部の疾病によって二次的に発生する肥満症や無月
経症、発作、尿崩症、コリアシベンヒムズ(choreasyve
nhims)、神経起始点に由来する聴覚麻痺(deafness of
neurological origin)、無言症等の治療にも有効であ
ることが予想された。
従来よりパーキンソン症候群用の治療薬として用いら
れてきたドーパミン作動性の薬剤やコリン作動抑制性の
薬剤等に比べると、タリスキャニンの副作用は極めて少
ない。さらに、タリスキャニンは損傷を受けた黒質の神
経のうちの少なくとも一部、すなわち末期(latter sta
ge)に至っていない神経を再生させると考えられている
ので、老化の防止及び長寿化促進に対する有効性も予想
できる。
タリスキャニンの構造式は次に示す通りである。
タリスキャニンは次の一般式で示されるアリストラク
タムと呼ばれる物質のうちの1つである。
アリストラクタム誘導体の中にはタリスキャニンのよ
うに病気に対する治療効果を有するものがあると考えら
れている。アリストラクタム誘導体としてはイソキノリ
ン・アルカロイド・リサーチ(Isoquinolin Alkaloid R
esearch)のプレナム・プレス(Plenum Press)、第17
章(1987)に発表されたチャナー(Channer)の「アリ
ストロキンとアリストラクタム(The Aristolochic Aci
ds and Aristolactams)」に示されているアリストラム
(aristolams)がある。そして、このアリストラムの中
には、アリストラクタム、アリストレッド(aristore
d)、アリストロキン−Dメチルエーテルラクタム(ari
stolochic acid−D methyl ether lactam)、アリスト
ラクタム ベータ−Dグルコシド(aristolactam Beta
−D glucoside)、アリストラクタム−A11、アリストラ
クタム−A111、アリストラクタム−B11(セファラノン
−B(cepharanone−B))、アリストラクタム−B11
1、セファラノン−A、ドリフラビン(doryflavine)等
が含まれる。
(実施例) 次に、この発明の実施例を説明する。
タリスキャニン及びアリストラクタムはよく知られた
物質である。これらの物質はジャーナル・オブ・ナチュ
ラル・プロダクツ(Journal of Natural Products)、
第45巻、第5号(1982)に発表されたディー・ビー・ミ
ックス(D.B.Mix)他による「アリストロキンとアリス
トラクタム」に示されている。タリスキャニンはウマノ
スズクサ属のタリスキャーナ(Aristolochia Taliscan
a)の根から抽出することができる。その抽出方法も公
知であり、シンシア・メキシコ(Cincia Mexico)、第2
4巻、第237頁(1966)に発表されたエル・マルダナード
(L.Maldanado)他の「ラ・タリスキャニン,ウン・コ
ンポーネンテ・デ・アリストロキア・タリスキャーナ
(La Taliscania,un Componente de Aristolochia Tali
scana)」あるいはイソキノリン・アルカロイド・リサ
ーチのプレナム・プレス,第17章(1978)に発表された
チャナーの「アリストロキンとアリストラクタム」に開
示されている。また、タリスキャニンの合成も可能なは
ずであるが、まだ実現には至っていない。
次に、タリスキャニンの抽出方法、薬剤調製方法及び
投薬方法について説明する。
タリスキャニンの抽出 9.1kgのタリスキャーナの根を粉砕し、これを非希釈
状態のヘキサンと混合して懸濁させた。次に、この懸濁
液をソックスレー抽出器にかけて、ヘキサンを完全に除
去した。こうして得られた残留物をベンゼンに懸濁さ
せ、再びソックスレー抽出器にかけてベンゼンを除去し
た。この結果、143gの褐色の残留物が得られた。次に2:
3のベンゼン/ヘキサン混合液中にこの143gの残留物を
溶解し、その溶液をアルミナのクロマトグラフィーカラ
ムに通して分離した。そして、極性成分(polar fracti
ons)を7:3のベンゼン/エーテル混合液で溶離した。
上記操作の結果、13.8gのタリスキャニンが得られ
た。このタリスキャニンは融点272〜273℃、最大紫外
(UV)吸収波長242nm、254nm、310nm及び395nm、E値3
8,900、35,490及び16,220であった。さらに、赤外吸収
帯域は3,450cm-1(CHCH3)、1,690cm-1(NH)(ラクタ
ムのカーベナイト(carbenito))及び1,615cm-1(芳香
族二重結合)であった。
薬剤の調製 パーキンソン症候群等の神経疾病に対する効能をテス
トするために、タリスキャニンの臨床試験を行なった。
患者にタリスキャニンを経口投与するために、次の方法
でタリスキャニンを含む薬剤を調製した。
96プルーフ(48容量%)のエタノール100mlを蒸留水
と混合して、60プルーフ(30容量%)のアルコール/水
の溶液を調製した。この溶液に20mgのタリスキャニンを
添加して撹拌し、タリスキャニンを含むアルコール/水
の溶液を調製した。
また、患者の体質等を考慮して、アルコール濃度のみ
を30プルーフ(15容量%)に設定したものを別途調製し
た。
このようにして調製したアルコール/水の溶液はアン
バーガラス製の容器に入れて、光の影響を受けないよう
にして保存した。また、保存は室温下又は冷却状態とし
た。
なお、アルコール/水の容液はタリスキャニン用の賦
形剤として適切なものの一例にすぎず、これ以外にも蒸
留水、ラクトース、デキストロース/水(例えばデキス
トロースウォーター5(Dextrose Water5))等が使用
できる。
投薬 臨床試験においては、タリスキャニンの投与は上記溶
液の形で行なわれ、タリスキャニンの総投与量は1日当
り280μg(micrograms)(溶液に換算して3滴)とし
た。そして、一週に一度の割合で患者を診断した。な
お、毎週の診断が困難な場合は診断回数を減らした。
診断項目には患者の硬縮、マーチ(marche)、顔色、
振顫、回外運動及び回内運動(前腕の動作)の回復の度
合を含めた。瞳孔の拡張の度合は患者の評価における重
要な因子であるので、これについてもモニタし、標準化
されたかどうかの判断に供した。また、患者が不眠症に
なったかどうかについても調査した。不眠症は薬剤の投
与量が多すぎる場合の副作用であるからである。さら
に、患者が男性の場合には副作用として疼痛性の勃起を
伴う場合があるので、この症状の有無についても調査し
た。
投薬の結果、回復に向った患者については投与量を増
やさずにそのままタリスキャニンの投与を継続した。一
方、回復の兆しが見られなかった患者については、その
投与量を増し、1日当り600mg(溶液に換算して6滴)
を投与し、2週間後に症状を診断した。そして、それで
も回復の兆しが見られなかった患者については、1日当
りの投与量をさらに3滴ずつ増し、回復の兆しが見られ
るまで、又は投与量が許容限度に達するまで続けた。
最大許容投与量は犬に対する毒性試験によって決定し
た値である。この犬に対する試験によれば、体重35kgの
犬の場合のタリスキャニンの致死量は4.0mgであった。
この結果によれば体重70kgの人間におけるその致死量は
8.0mgと見積られるが、実際にはその量(8.0mg)に比べ
て著しく少ない値を設定し、1日当りの最大許容量を4.
0mgと定めた。
投薬の方法はすべての患者に共通であり、1日当りの
設定投与量を分けて6時間毎に経口的に行なった。ま
た、1日当りの総投与量が840μg又はそれ以上の患者
の不眠症を防止するために、患者の就寝前2時間以内の
投薬は避けた。
治療開始後の4〜6月の間は1週当り1mlのヒアルウ
ロン酸分解酵素(Wydase T.M.)を筋肉内に投与すると
よい。このヒアルウロン酸分解酵素は血液/脳間の障
壁、前シナプス端あるいは後シナプス端に対するタリス
キャニンの透過性を向上させるものである。しかしなが
ら、ヒアルウロン酸分解酵素は妊娠中の患者や血友病等
に起因する出血を起し易い患者には使用することはでき
ない。
血液/脳間の障壁および/または前シナプス端あるい
は後シナプス端に対するタリスキャニンの透過性を向上
させるための物質としてはヒアルウロン酸分解酵素の他
にメキシコで産出するパパバイナ(Papavaina)があ
る。
振顫や運動障害等のパーキンソン症候群の症状が一旦
消失したら投薬治療を停止することができる。投薬治療
を停止するに際し、一週に3滴の割合で投与量を徐々に
減らしていくという方法をとった。その理由は急に投薬
を中止すると症状が元に戻る場合があるので、投薬を中
止する場合は投与量を徐々に減らして最終的に停止する
という方法が望ましいと考えたからである。投薬を急に
やめた場合の症状の再発は必ず現れる現象ではないが、
急激に投薬を止めることは避けるべきであろう。
症状が消失したときに投薬を完全に停止するのではな
く、その後も一定量の投薬を継続させるという方法もあ
る。この方法は、投与量を減らすと症状が再発する場合
にふさわしい方法である。継続投与量は通常1日につき
50〜100μgである。
上記のように、タリスキャニンは性交不能症やアルツ
ハイマー病の治療にも有効であった。性交不能症の治療
における標準投与量は1日当り280〜840μgであり、ア
ルツハイマー病の治療における1日当りの標準投与量は
280〜1,200μgである。
なお、投薬方法は経口的投与法以外にも静脈注射によ
るもの、筋肉注射によるもの等数多くの方法があること
を強調しておく。また、投与量も種々変更することがで
きるものである。上記の因子はこれらの臨床試験に用い
られた因子にすぎない。
臨床試験の結果 上記のようにしてパーキンソン症候群等の種々の神経
疾病の患者数千人に対してタリスキャニンを投与した。
多数を占める症状を示す患者について得た結果を第1表
に示す。これらパーキンソン症候群の患者のうち、第1
及び第2段階(初期)に含まれる患者の約1/3は完治し
た。第3及び第4段階(末期)の患者は治癒しなかった
が、ほとんどの場合、症状が軽減する経口にあった。な
お、表中の錐体外路系の症状(症例)は骨髄錐体の形成
に関与しない下行性神経路を示す。
タリスキャニンはパーキンソン症候群と同様な症状を
示す他の神経疾病の治療にも有効である。そのような疾
病に対するタリスキャニンによる治療結果を第2表に示
す。
以上の結果から明らかなように、タリスキャニンはパ
ーキンソン症候群の患者やパーキンソン症候群様の症状
を示すその他の神経疾病の患者のうちの大多数について
治療効果があった。なお、タリスキャニン以外の他のア
リストラクタムも、構造が類似していることから、これ
らの疾病に対して治療効果があると考えられる。
上記実施例はこの発明の典型例であり、発明の範囲を
制限するものではない。発明の範囲は特許請求の範囲に
よってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/40 ADX A61K 31/40 ADX // A61K 35/78 35/78 C C07D 209/92 C07D 209/92

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーキンソン症候群を治療するための調合
    物であって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合
    物。
  2. 【請求項2】パーキンソン症候群を治療するための調合
    物であって、タリスキャニンと、水と、デキストロー
    ス、ラクトース及びエタノールより成る群から選択され
    た補助物質とを含有する調合物。
  3. 【請求項3】前記補助物質がエタノールであり、その濃
    度が30プルーフ(15容量%)〜60プルーフ(30容量%)
    である特許請求の範囲第2項記載の調合物。
  4. 【請求項4】過運動を治療するための調合物であって、
    溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  5. 【請求項5】無動症を治療するための調合物であって、
    溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  6. 【請求項6】緊張亢進を治療するための調合物であっ
    て、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  7. 【請求項7】低張を治療するための調合物であって、溶
    媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  8. 【請求項8】自律神経機能障害を治療するための調合物
    であって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  9. 【請求項9】静止振顫を治療するための調合物であっ
    て、溶媒とタリスキャニンとを含有する物。
  10. 【請求項10】企図振顫又は作用振顫及び小脳内の傷害
    を伴う振顫を治療するための調合物であって、溶媒とタ
    リスキャニンとを含有する調合物。
  11. 【請求項11】舞踏病アテトーゼ症を治療するための調
    合物であって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合
    物。
  12. 【請求項12】舞踏病、片舞踏病、異緊張症及びアテト
    ーゼを治療するための調合物であって、溶媒とタリスキ
    ャニンとを含有する調合物。
  13. 【請求項13】前方突進マーチを治療するための調合物
    であって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  14. 【請求項14】視覚性運動のインスタグマスを治療する
    ための調合物であって、溶媒とタリスキャニンとを含有
    する調合物。
  15. 【請求項15】筋失調を治療するための調合物であっ
    て、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  16. 【請求項16】結核を治療するための調合物であって、
    溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  17. 【請求項17】梅毒を治療するための調合物であって、
    溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  18. 【請求項18】高血圧を治療するための調合物であっ
    て、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  19. 【請求項19】パリノー症候群を治療するための調合物
    であって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  20. 【請求項20】脳血管硬化症を治療するための調合物で
    あって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  21. 【請求項21】インフルエンザを治療するための調合物
    であって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  22. 【請求項22】悪性糸状菌病を治療するための調合物で
    あって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  23. 【請求項23】胞虫症を治療するための調合物であっ
    て、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  24. 【請求項24】モナコフ症候群を治療するための調合物
    であって、溶媒とタリスキャニンとを含有する調合物。
  25. 【請求項25】デルヘルミッテ・ファン・ボガート症候
    群を治療するための調合物であって、溶媒とタリスキャ
    ニンとを含有する調合物。
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